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—2024年の占星学とサイクル理論から見る米国・世界の行方と相場予測—
『フォーキャスト2024』
2023年12月25日発売 投資日報社さんのサイトよりお求めになれます。

February 04, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント2/5【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2024年2月5日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★来週のコラムはお休みさせていただきます。また今後については訳者の都合により不定期とさせていただきます。🙇‍♀️
★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ 先週を振り返って ≫

  “1月の雇用者数は驚異的に力強い伸びを示し、米国の労働市場の堅調さと、より幅広い経済成長を支える態勢が整っていることを改めて示すものとなった。非農業部門雇用者数は月間35.3万人の増加となり、ダウ・ジョーンズ予想の18.5万人を大きく上回った。賃金の伸びも力強さを示すもので、平均時給は前月予想の2倍である0.6%の上昇となった。”

  — Jeff Cox
    “U.S. Economy Added 353,000 Jobs in January,
    Much Better than Expected”
    www.cnbc.com 2024年2月2日付


  “米国は金曜、シリアとイラクでイランの息がかかった民兵に対する一連の空爆を開始し、7箇所の施設を攻撃した。これはヨルダンに駐留する米軍が無人機による爆撃で死傷者を含む被害を被ったことをふまえ、この地域の米軍に対するさらなる攻撃を抑止することを目的としている。バイデン政権は、こうした攻撃は経済制裁および外交との連動で行われるもので、何日か続く可能性があり、これによりイランとの直接対決には向かわせない一方で米国軍の安全を護ることを目的としていると述べた。ロイド・オースティン国防長官は木曜、米国は根拠となる脅威が認められる限り、攻撃を繰り返す可能性があると述べた。オースティンは言う。『彼らは多くの能力を持っている。そして私はもっと多くの能力を持っている』。

  — Gordon Lubold and Michael R. Gordon
    “U.S. Strikes Iran-Backed Groups in Syria and Iraq”
    The Wall Street Journal Online 2024年2月2日付
    (2月2日、米国市場引け後の記事)

  こうして世界、とりわけ米国対イラン、ハマス、ロシアは、それを何と呼ぼうが “正式名称” 以外のすべてがすでに進行中の「世界戦争」にまた一歩近付いている。この「引けの発表」は、1月20日に太陽と冥王星がともに水瓶入りしたことに関連する「筋書きをひっくり返す」シナリオの新たな一歩でもある。月曜には水星が同じ動きをし、2月13日〜17日には火星と金星がそれに追随する。つまり、これらの惑星はそれぞれに、2020年12月20日に木星と土星がおよそ800年ぶりにコンジャンクトし『ニュー・エアラ』を発進させた水瓶座0°のスーパーチャージ・ポイントを横切るというわけだ。

  だがそれだけではない。『フォーキャスト2024』(そして2月18日に開催する『フォーキャスト2024』ウェビナーでは画像を駆使しての解説を予定)においても説明したように、2023年〜2025年には冥王星が、3つの最遠外惑星のうちで初めて新たな星座宮に入居する。このような事象はここ300年間、起きたことがない。それ以前はまた300年、遡らねばならない。さらに、前回冥王星が水瓶座入りした当時(1777年4月)、また海王星が牡羊座入りした時(1861年4月)、そして天王星が双子座入りした時(1941年8月)は、米国史上最も重要な3つの戦争が起きて数ヶ月以内のことだった。

したがって、米国に関連する宇宙的サイクルに対しては、物事があっという間に制御不能になり、さらにエスカレートするのを阻止するために、正しく対処する方法を知っておかねばなならない。そのためには研ぎ澄まされた意識と智恵の両方が必要になる。それは土星と火星の原理である抑止力と攻撃力の微妙なバランス取りだ。火星は現在、土星が支配する星座宮、山羊座を運行している。幸いなことに、火星は山羊座でイグザルト(高揚)だ。だが2月13日には、より興奮しやすく衝動的な行動を起こしやすい水瓶座に移動する。さて、どうなるだろうか?

この発表が、株式市場の引け4分前に行われたというのは奇妙なことだ。発表の前、米国株は引け30分前の午後3時30分につけた市場最高値に続く高値をつける過程にあった。この間にS&P先物はおよそ25ポイント下落している。S&Pとダウ平均は金曜に史上最高値を更新しているが、ナスダック先物は1月24日の高値17,793からわずか18ポイントしか下がっていない。これにより、米国における異市場間弱気ダイバージェンスの新たな示現となった。

また、金曜にはドイツのDAX、オランダのAEX、インドのNIFTYにおいても史上最高値または数年ぶりの新高値更新が見られた。オーストラリアのASXは2022年1月の史上最高値にわずかに届かなかったが、チューリヒのSMIは2023年6月以来の高値をつけている。中国の上海総合は中国経済の苦境が続く中でそう幸運とはいかなかった。SSE(上海総合)は金曜に2866まで下落し、2863で底打ちした2022年4月以来の安値をつけた。ひょっとするとこれはダブルボトムかもしれない。もしそうでないなら、2020年3月以来の安値まで下落する怖れがある。

  予想されたとおり、遅い時間に軍事行動の発表が行われたことにより、強気の雇用統計を受けてそれぞれに急落していた金、銀、原油の出血は止まった。つまりこれらの商品は、まだ先ではあるが金利の再緩和が近付いている可能性を示唆した木曜のパウエル議長の講演の後、それぞれ底堅い動きを見せた。特に原油は先週79.29まで上昇し、11月30日の79.60以来の高値をつけていた。しかし、金曜までに10%近く下落し、71.79の安値まで下落した。これは12月12日の安値からの上昇のフィボナッチ61.8%修正に近い。銀もまた、最近の上昇から金曜の安値まで61.8%を失っている。

  そして先週最も安定していた市場はといえば、驚くなかれビットコインで、42,600〜44,900という狭いレンジで取引されていた。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “昨日の米国株に見られた値動きの激しさは、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のコミュニケーション能力について投資家が知っておくべきことのすべてを物語っている。ハードランディングを予想する極論派とソフトランディングを予想する現実派との戦いにおいて、FRBはソフトランディングに傾いているように見える... イングランド銀行にはFRBに比べて2つの利点がある。実際のエコノミストによって率いられていること、そしてコミュニケーションにおいては常にブリティッシュ・アクセントで喋るほうが説得力があるということだ。”

  — Dr. Paul Donovan
    “A Victory for the Realists”
    UBS Morning Call, www.ubs.com 2024年2月1日付

  “『あなたは誰のものか?』これは誰のために働き、何を信じているかではない。あなたの忠誠心を買ったのは誰なのか? という問いだ。これを3つのワードで言い換えるなら「ザ・ワシントン・プロブレム」だ。ソーシャルメディア企業はワシントンを買収した。彼らは政治家や政治活動委員会、シンクタンクやメディア・ショップに資金を提供している。最も影響力を持ち、最も尊敬されている人物を彼らは雇う。政治家の子息や子女に仕事を与える。ケネディ氏は公聴会において、こんなジョークを飛ばした。『グーグルが25人の議員をレイオフしなければならなくなった時、我々は不況に陥っていることを知るのだ』。

  — Peggy Nunan
    “Tech CEOs Face another Ritual Denunciation”
    Wall Street Journal 2024年2月3日付


  “パンクスタウニー・フィルは、2024年のグラウンドホッグ・デーに影を見なかった。”

  — Joe Brandt, Jim Donovan, Kate Bilo
    CBS News 2024年2月2日付


  先週の話題は国境管理の不備を巡って起きたテキサス州と米国政府の対立だった。今週は、米軍への攻撃をめぐる米国政府とイラン、シリアとの対立だ。では来週は? ... わからない。今はすべてがあまりに天王星的だ。天王星とそれが支配する星座宮(水瓶座)が強調されることによって、驚くべき出来事や市場の大変動、突然の反転の予兆となる。この惑星と星座宮の「サプライズ」的な特質は、最近このコラムでも『水瓶座の季節(1月20日〜2月18日)は通常、トレーダーにとって非常に難易度の高い領域だ』と述べた理由でもある。

それはまだ収まる気配がない。今週は、金星が天王星とトライン(2月7日)、太陽が天王星とスクエア(2月8日)、さらには水星が水瓶座に入居する(2月5日)。その後は火星と金星が水瓶座入りし、水瓶座0°の冥王星とコンジャンクションを形成する(2月13日〜17日)。つまり今年の水瓶座の季節は、とりわけ破壊的な宇宙的ポジションに曝されることになる。

そしてもちろん、これらすべての事象はちょうどビットコイン半減イベントが起きる4月20日、木星・天王星の14年シノディック・サイクル(コンジャンクション)への道すがらに起きてくることだ。

  これはあなたのタイミングが良ければ、今後3ヶ月間のうちにトレードで儲けることの出来るお金が相当量になるということだ。だが、タイミングが悪く、しかも必要な規律が欠けているなら、大金を失うことにもなる。なお、これについての詳細は2月18日に開催される『フォーキャスト2024』のウェビナーにおいてお伝えするつもりだ。お見逃しなく。





訳文ここまで
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hiyoka_blue at 21:05|PermalinkComments(0) マンデーン・アストロロジー | 金融アストロロジー

January 21, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント1/22【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2024年1月22日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
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≪ 先週を振り返って ≫

  “幸運なことに、米議会予算局は毎月の予算に関する最新情報を提供しているのだが、最近になって次のような報告がなされた。

    “連邦議会予算局の概算によれば、2024年第1四半期の連邦財政赤字は5090億ドルに達した。この額は、昨年度同時期の赤字額より870億ドルの増加だ。また今年の歳入は830億ドル(8%)の増加となったものの、支出は1700億ドル(12%)増加している。公的債務の利子に対する準支出は大幅に増え、730億ドル(49%)の増加となった。これは主に、2023会計年度の当初3ヶ月間に比べ金利が大幅に上昇したことが原因である。””

     — James Freeman
    “If You Think Biden Is Unpopular Now...
    Wait until the reckoning for his spending spree.”
     Wall Street Journal 2024年1月17日付

  世界の株式市場は先週、初めのうちは身動きが取れずヨレヨレの状態だったが、突如として反転した。これはおそらく、この週末に起きようとしていた太陽と冥王星の、山羊座から水瓶座への移行の揃い踏みを反映したものだろう。

  アジアと環太平洋地域では、2つの異なる世界の物語が展開していた。日本の日経平均とインドのNIFTYは33年ぶりの高値(金曜の日経)、あるいは市場最高値の更新(火曜のNIFTY)となった。だが、中国の上海総合はおよそ4年ぶりの最安値水準まで落ち込み、香港のハンセンは2022年11月以来の安値水準まで下落している。

  ヨーロッパの株式指数はすべてが下落し、1月17日には週の最安値をつけた。これはドイツのDAX、オランダのAEX、ロンドンのFTSEでは7週間ぶりの安値となっている。とはいえ、どの指数も金曜にかけて反発はしたが、数年ぶりの高値や史上最高値には遠く及ばなかった。

  米国では、私達が追っている主要3指数のすべてが週の半ばに週の安値、または数週間ぶりの安値をつけたが、金曜には史上最高値まで上昇した。一方、ブラジルのボベスパは真逆の道を辿り、金曜には5週間ぶりの安値まで下落した。極東とアメリカ大陸における地域別指数間の格差はかなり驚くべきものであり、異常にも見える。だが、ジオコズミックの観点に立つなら、その時起きようとしていた大転換から見てもそう異常なことではない。

  暗号通貨市場においてもまた、急激な価格変動が起きた。ビットコインは "金の卵" たるETFが承認された1月11日につけた年初来高値から金曜の日中最安値まで20%近く下落した。イーサリアムも先週は10%以上下落している。

  金と銀は最初のうちは株に似た動きを見せ、金は水曜に5週間ぶりの安値をつけ、銀もまた同日、9週間ぶりの安値をつけた。だが、米国株のような劇的な騰勢はなかったものの、両方とも金曜にかけてまずまずの上昇を見せた。また原油はそれとは対照的に、70ドルと75ドルの間の混み合った水面でひたすら立ち泳ぎを続けている。だがこの状況は、原油の共同支配星である木星が14年ぶりに天王星とのコンジャンクションを果たす4月中旬に近付くにつれて変化しそうだ。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “これまでと同様に、トランプ氏が実際に何をするかを言い当てるのは非常に困難だ。彼は確固たる信念をほとんどもたない混沌をはらんだボスであり、1日のうちに何度も立場を逆転させる。アイオワ州のタウンホールでは『2期目は忙しすぎて政敵に報復する暇などない』と語った。それは彼自身の選挙キャンペーンで「私はあなたのための報復者だ!」と題したEメールを送った数時間後のことだった。企業の世界ではしばしば「最も恐るべきは不確実性だ」と言われる。そしてトランプ氏の場合はその恐るべきことが保証されているのだ。この予測不可能性によって、トランプの2期目は1期目よりも大幅に悪化する可能性がある。”

  — “Donald Trump Is Winning: Businesses Beware”
   The Economist, Leaders section 2024年1月18日付

  冥王星が帰ってきた。今度は太陽を伴って。

  つまり、1月20日*の土曜日に太陽と冥王星がともに境界線を越えて山羊座から水瓶座へと移動するのだ。これは両方の天体が過去を体現する星座宮を離れ、未来を標榜する星座宮に入っていくようなものだ。実際、太陽と水瓶座はどちらも未来に関わっている。このダブル・イングレスは「筋書きをひっくり返す」シナリオの可能性を示している。現在、米国の政治で大きなウェイトを占めているシナリオは、ドナルド・トランプとジョー・バイデンが11月の選挙で再び対決するべき不可避の候補者であるというものだ。両陣営とも、これが既成事実だというほとんど傲慢とも言える信念を表明している。しかしこの2人はともに高齢であり(山羊座)、過去(山羊座)と現在(水瓶座)の権力の対立を象徴してはいるが、未来(水瓶座)を示唆してはいない。米国人の大多数(水瓶座)はこの2人の再選を望んではいない。したがって「シナリオがひっくり返る」とすれば、今こそがその力学が頭をもたげる時となる。これは、もしあなたがトロピカル方式を実践するアストロロジャーであれば大きな問題であり、今の世界が経験している混乱を非常によく解き明かしている。またこれは、冥王星がロバート・ケネディ・Jr、ニッキー・ヘイリー、ミシェル・オバマ、ディーン・フィリップスのネイタルの太陽近くを通過(コンジャンクション)する時期とも重なっている。太陽・冥王星は、彼らの今年のソーラー・リターン・チャートにおける重要な指標だ。この太陽と冥王星は、力を与えられるか、それとも力を奪われるかという問題、すなわち「権力に曝される」経験を表しているのだ。

*日本時間:1月21日午前9時57分ごろ(太陽に続き冥王星が水瓶座0°に達する)

  冥界の神たる冥王星は、不安と恐怖の感情を引き起こす力の象徴であり、2023年3月〜2024年11月までの間に5回、水瓶座0°を通過する。現在はその3回目だ。だが、その不安と恐怖は、自らが権力を掌握していると思い込み、それに執拗にしがみつこうとする者、また明らかに改革が求められている時にもかかわらず集合体(水瓶座)の幸福に寄与するために権力の座から離れることを拒む者達にこそ与えられる。変革(改革)を実行し、大多数の人々の向上のためには明らかに機能していない物事を正していくことが喫緊の必要性であると認めない限り、どんな人間であれ無傷のままで冥王星から逃れることは出来ない。大多数の人々、すなわち大衆は水瓶座によって象徴されるものであるため、この地球における「力」の使い方に大きな改革が起きない限り、全世界が無傷ではいられないだろう。これは人類の未来を賭けた一大決戦なのだ。このような宇宙的状況下にあって、否定は勝利に導く戦略ではない。

  冥王星は「腐敗」をも象徴する。しかし冥王星は、腐敗を取り除こうとする努力の象徴でありシグナルでもある。そしてそこにおいてこそ、水瓶座は確かな変革の担い手となることが出来る。冥王星(惑星)が「変革の力」を象徴するなら、水瓶座(星座宮)は刷新と独創性によって「変革の手立て」を示す。水瓶座の到達地点は「自由*」だ。水瓶座は発明と発見に加えて、世界が今現在何を必要としているのかという「生まれながらの(内的)理解*」から生成される、大衆に利益をもたらす未来的なタイプの知識を応用することを通してそれを実現していく。

* については後述します。

もちろん、初期の段階では、この種の知識は革命的な要素を持っており、そのために変化に抵抗しようとする権力者(冥王星)にとっては脅威となる。さらに悪いことに、権力を手放すまいとするあまり、現実の敵、あるいは敵だと思われる相手に対して暴力的な行動をとる可能性もある。だが冥王星が絡む時は「降伏」が必要なのであり、それは最終的に訪れるか、または強制される形となる。こうして改革と自由の兆候が現実化してくる。したがって、水瓶座の冥王星は、その初期段階では騒然として荒れ狂い、暴力的であるかもしれない。しかしこれは、変革と発明の同時進行というテーマを通じて自由(と改革)に導く浄化プロセスの第一段階にすぎないのだ。

  また、水瓶座0°の重要性も見逃せない。この度数は、2020年12月21日に木星と土星がコンジャンクトし、およそ800年ぶりにグレート・ミューテーション(木星・土星コンジャンクション)が風性星座宮で起きる140年以上のサイクルの始まり「ニュー・エアラ」の度数だ(これを最初に指摘したキャット・パウエルに感謝している)。今後、外惑星がこの度数を横切る時は常に、「ニュー・エアラ」が持つ重要な特徴が活性化する。2023年3月に冥王星がこの地点を初めて順行で横切った時、4つの大手銀行が経営破綻し、金融市場はパニックに陥った。しかし同時に、ChatGPT と Nvidia によってAI技術ルネサンスの興奮が爆発した。そして今、冥王星が順行して再び水瓶座0°を今度は太陽とともに横切っていく。今は水瓶座を体現するリーダー達が立ち上がり、社会、そして政府が抱える問題を陽の目に晒し、解決策を提示する時だ。

  市場に関して言えば、水瓶座の太陽期はけっして楽な取引期間ではない。水瓶座では、物事は計画どおりに進まないのだ。誰もが逆のことを予測している時、市場は急騰したり急落したりする。したがって、来月は期待どおり、または現在描かれているシナリオどおりにはいかないことが予測される。つまり、とりわけ太陽と冥王星が水瓶座入りした今、そして天王星(水瓶座の支配星)が順行する来週末は、トレーダーは非常に敏捷に動く必要がある。これは金融市場に関連するアストロロジーのうちで最も強力な反転、あるいはブレイクアウトのシグナルだ。相場が年初来高値や安値に近い時はブレイクアウトとなる。だがもし修正的なカウンタートレンドの動きとなれば、反転となることが多い。政治の世界では、人気のトップランナーが勢いを失い始め、無敵にも見えた順位が逆転する可能性がある。あるいはさらなる大差をつけて後戻り出来なくなるケースもある。そのどちらか一方になることもあれば、両方になることもある。ある政党が躍進し、それまで人気のあった別の政党の勢いが反転することもある。だからこそ、2020年に起きたことの再戦を望まない米国人にとって、今後3週間が重要になるのだ。そしてそれゆえに、山羊座から水瓶座への転換が、今「シナリオをひっくり返す」可能性を持つのだ。

  今月いっぱいは水瓶座と天王星が強調されることから、ナスダックのようなテクノロジー株において、大きな価格変動が見られる可能性がある。また、強風、停電、地震などの自然災害と重なる可能性もある。また同時に、突然の内的洞察や未来へと繋がる新機軸のビジョンを受け入れる人には好ましい時期でもある。だがタイミングとしては必ずしも正しいとは言えず、何かを刷新するようなアイデアを他者とたやすく分かち合うような能力はないかもしれない。他者からは奇妙な変人だと見られる可能性もある(実際のそのとおりかもしれない)。だが本人にとって、そのビジョンは非常にエキサイティングであり、明確なものだという可能性はある。






訳文ここまで
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<翻訳後記>

*「自由」と「生まれながらの内的理解」について(私見として)

ここでは触れられていないが、水瓶座には天王星(自由)とともに土星(責任)もまた支配星として存在することも忘れてはならない要素だと思う。土星は現在魚座を運行中で、2026年の『牡羊座の大渦』を創造するべくエリーズ・ポイント(牡羊座0°)での海王星とのコンジャンクションに向かっている。ここで『フォーキャスト2024』に示されたメリマン氏のメモをもう一度再掲しておきたい。

  “型破りな者(天王星とそれが支配する水瓶座)は、先駆的な革新性という新しい基盤の中に「安全」を護る必要性を見出し、そのために戦わねばならないことを理解する。自由はただではない。権利でもない。地球の管理者となる未来の世代と、そして地球に棲息する者同士である互いの幸福のために進んで犠牲を払わない限り、自由は権利とはならない。”

上記2つの言葉が意味することを達成するには水瓶座の共同支配星である土星が持つ、自他の広大な現実を見据えて知識を身に付け、足許を固めていく力の働きを必要とするが、魚座を運行するにあたっては理想と感じる言説や信条への盲信や固執、ひいては自分(達)を力のない被害者と見て「護られる」ことを要求し、自分の代わりに戦ってくれる誰か(または何か)を求める心理を反映しやすい。その傾向の一端は、日本戦後始原図のMC(政府、統治の受託者)に乗る海王星(思いやり、理想、母、または幻想)を見上げる形の4室(国民の内的感情)在泊の太陽(意志と主権)、金星(感性、美と愛を求める心、お金)、木星(楽観、鷹揚、過剰、自由または放埒や遊びの精神)、そして小惑星ニッポニアからも見て取れる「心理的な癖」と言えるかもしれない(国民が皇室を見上げる眼差しもまた、この海王星を通して感じ取られるのかもしれない)。

これはある見方をとるなら、民主主義国としての理想の形だと言えなくもない。1C/4室の側(国民感情)が十分に成熟し、主権を手にする者としての精神を自ら育む時、この戦後始原図は民主主義国としての貴重な成功例を示す可能性がある。しかし同時にこのチャートはまた、強い力を持つ4室の欲求が満たされない時、厳しい現実を突き付けてくる側を敵とみなして虚偽の告発を駆使してでも攻撃するような風潮を生み出しかねない(コミュニケーション、メディアを支配する3室 — 魚座〜牡羊座の水星(牡羊座在泊)が1室のカイロンにスクエア、同3室魚座にエリス/不和、アンガ/怒り、牡羊座側にカオス(混沌)。そしてパラス/政治、正義の鉄槌が8室/力の追求、死、カルマに在泊するアジータ/煽り行為とクインカンクス)。

そのあたりの集合意識には、おそらく計り知れないほど奥深い感情の澱が沈殿しており、それを魚座を往く土星が水の底に堆積した砂の中から掘り起こしていく。太陽と冥王星が水瓶座0°に入った瞬間のチャートでは、土星は魚座5°台(インクルーシブネス — 存在のすべてを含み取りこぼさないという理想、けっして見ることの出来ないものを夢見る)に在泊中。また水瓶座0°の太陽と冥王星には小惑星ネメシス(カルマの支払い、スケープゴート、一番の敵は自分自身)がタイトなオポジションを形成している。

  来たるべき新しい時代への道は、けっして生易しいものではないし、理想を体現して責任を負ってくれる(ように見える)誰かの後を追えばよいというものでもない。『自由はただでも権利でもない』という言葉を、わたし達はもう一度噛みしめ、深い内的理解をもって咀嚼しながら進む必要があるのかもしれない。

  2025年〜2026年。人類にとっての一大イベントのひとつとなりそうな『牡羊座の大渦』は、日本の国家チャート(戦後始原図)の3室(コミュニケーションとメディア)に在泊するキュビワノ族、カオス(牡羊座0°在泊)の真上で起きる。原初の混沌からすべてが生まれ出たとするなら、わたし達はその時、自らの魂からいったい何を生み出すだろう? 無意識領域から顕在意識へと、おそらく想像を超えて注がれるだろうこのダイナミックなエネルギーを、わたし達はそれぞれの人生の中でどう使えるだろう? もうそれほど長い時間は残されていないけれど。
 


hiyoka_blue at 21:15|PermalinkComments(0) 金融アストロロジー | マンデーン・アストロロジー

January 08, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント1/8【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2024年1月8日(フリー版より)

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文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ これまでを振り返って ≫

  労働省は金曜、『アメリカ経済には先月21万6000人の雇用増加が見られた』と発表した。これは11月の17.3万人増を上回り、大方の予想をも上回るものだった。2023年通年の雇用者数は270万人で、2022年の480万人からは減速したものの、パンデミック前の数年間よりは増加している。また先月の賃金については前年同月比4.1%増と好調であり、12月の失業率は3.7%に留まった。2023年の労働市場のペースは鈍化はしたものの堅調で、インフレ率の急減速とも呼応して、経済はいわゆるソフトランディングを達成できるとの楽観論を煽っている。これが意味するのは景気後退を伴わずしてインフレが緩和する可能性だ。

  — Amara Omeokwe and Chip Cutter
    “Job Gains Picked Up in December”
    Wall Street Journal 2024年1月5日付

  新年を迎え、新たな水星サイクルが始まった。前回のコラムを書いてから2週間になるが、その間に多くのことが起きた...。

  新年は、1)1月2日の取引初日にダウ工業平均をはじめとする世界の株式市場の多くが数年ぶりの高値、あるいは二次高値をつけ、その後 2)トリックスター(水星逆行)が冬の残りの期間、再び眠りに就くとともに反転した。私達が1月2日に目撃したのは、世界の株式市場におけるプライマリーサイクルの頂点、あるいはダブルトップだったのだろうか?

過去2週間のうちに史上最高値を更新した市場は、ダウ平均とインドのニフティのみだった。ロンドンのFTSEとオーストラリアのASXは1月2日に数ヶ月ぶりの高値をつけた。だが、他のほとんどは12月の高値を下回る二次高値を記録したのみで、金曜にはすべて後退している。したがって、世界各地で異市場間弱気ダイバージェンスが示現しており、急落が始まりつつあるのではないかという疑問を投げかけている。先週見られたこのパターンの例外は中国の上海総合で、12月22日に20ヶ月ぶりの安値をつけた後で先週は反発したものの、その勢いはかなり弱かった。

  金と銀も上昇はしたものの、いずれも1月2日以降は12月の高値を下回る水準で失速した。私達の懸念は、16.5ヵ月サイクルが進行中で数ヶ月ぶりの新安値を更新する可能性があることだ。

  ビットコインとイーサリアムも似たようなパターンで、BTCは1月2日に年初来高値を更新した。イーサリアムの年初来高値更新はその前週であり、ここでも異市場間弱気ダイバージェンスが示現している。トレーダーは次週に期待されるビットコインETFの承認を待っている。しかし、その発表に伴う価格上昇のほとんどは、最近の年初来高値更新にすでに織り込み済みの可能性がある。

  一方、原油はもっと有望に見える。12月13日にプライマリ−・ボトムをつけ、1月3日にセカンダリー・ボトムをつけた可能性がある。先週は、米国が戦略石油備蓄(SPR)の補充を開始する準備が整ったとの発表を受けて価格が上昇した。しかし、それは前回原油が70ドルを割り込んだ時に示された考えであり、当時は政権が値上がり前に戻すことに失敗している。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “奉仕に生きた人生は犠牲ではなく、名誉である"

  — エリザベス女王
    “The Crown” シーズン6 第九話 Netflix


  火星は1月4日木曜に山羊座入りし、2月13日までイグザルテーションの座で主権を握る。この期間の終わりまでに、中東における和平条約や(あるいは)停戦、暴力の収束への歩みが始まる可能性がある。したがって、それまで — そしておそらくそれ以降も — 原油は引き続き上昇する可能性がある。というのも、このイングレスの下では原油の価格変動が大きくなる傾向が見られるからだ。

次に、2つの好ましいトライン・アスペクトが展開する。

その1つは1月10日に起きる太陽・天王星のウェイニングトライン、そして12日に起きる火星・木星のウェイニングトラインだ。これは、ハイテク関連市場やエネルギー市場の好調な動きと同期する可能性がある。しかし、より重要なアスペクトは1月20日〜21日に起きる太陽と冥王星のデュオによる水瓶座イングレスだ。水瓶座0°というポイントは『フォーキャスト2024』で述べたように、2020年12月21日の「ニュー・エアラ」(木星・土星コンジャンクション)に関連する重要な「ウルトラ・チャージされた度数」だ。

この時期には「戦争とテクノロジー・ルネサンス(AI)」というパラレル・パラダイムがニュースとしてクローズアップされる可能性がある。そのため、知名度の高い裁判や判決(たとえばドナルド・トランプ関連)についての発表や、最近の高等教育(ハーバード大学など)のスキャンダルに関する新たな政策発表があるかもしれない*

* 米国のパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント(運用資産1兆5千億ドルとされるヘッジファンド)のCEO、ビル・アックマン氏は、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学など、米国の一流大学における研究論文に関連し、AIを駆使することによる論文の盗用や、または剽窃の検証の基準が曖昧であることによる混乱が野放しになるなど、多大な問題が起きていると提言した。そして、今後の学術論文にはたとえばAIスタートアップにより独立した審査を行う必要があり、それに投資する用意があるとも述べており、界隈が騒然としている。



≪長期的考察≫

  “2023年当時、バイデン氏は1期限りの大統領になることもできた。そしてそうするべきだった。そうしていれば、彼は公共サービスの模範として、またトランプ氏の無限のエゴに対する反撃の証しとして尊敬されただろう。民主党の大物達はそれを知っているはずだ...バイデン氏と彼の党には彼がもう1回選挙戦を戦う理由がいくつかあったが、残念なことに、それはどれも好ましい内容ではなかった。彼の義務感は虚栄心に汚染されたものだったのだ。1987年に初めて大統領選に立候補し、大統領執務机の後ろに座るために長い間苦労してきた彼は、トランプを打ち負かす実績を持つ人物だからこそ国は自分を必要としているのだという信条に身を任せるよう誘惑されてしまった。同様に、彼のスタッフの奉仕の意欲も野心に汚染されていることは間違いない。大統領の最側近のアドバイザーの多くが二度と権力に近づくことがないという事実に、この政権の本質がある。” 

  — Zanny Minton Beddoes
    “The Man Supposed to Stop Donald Trump
    is an Unpopular 81-Year Old”
    The Economist 2024年1月4日付


  “ドナルド・トランプが2024年の世論調査をリードする一方で、10%の世界共通関税を要求している。新しい共和党の保護主義者たちは、この考えを労働者階級への恩恵として売り込もうとしている。だが証拠はその愚かさを露呈させている:貿易戦争は手痛い報復を招き、他の産業を犠牲にしながら政治的に有利な産業を支え、見えない税のように消費者が支払う価格を引き上げる。貿易戦争は平均的な労働者を苦しめるのだ。この点に関する経済文献は膨大に存在する。”

  —“Trump’s Tariffs and the Common Man”
    Wall Street Journal Opinion Page 2024年1月2日付

  関税引き上げが健全な経済戦略であるという考えはナンセンスであり、特に今日の世界においては妄想にさえ近い。何故なら、関税は消費者にとって物価上昇を意味するからだ。2021年の場合と同じように — またしても一定の期間を置いて — 関税は物価上昇とインフレの主な要因となるだろう。確かに、インフレの原因は他にもあった。例えば、制御不能に陥った政府の景気刺激策や、過度に緩和的な連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策などがある。しかし、インフレの最初の原因は、トランプ関税と、そしてこれは私の率直な意見だが、誤った孤立主義的傾向によって引き起こされたグローバル・サプライチェーンの混乱だった。供給が制限されるなら需要もまたそれに応じて減少しない限り、結果的に価格は上昇する。

  実際、インフレ・サイクルは、前回の土星・天王星のウェイニングスクエア・サイクルの時と同じポイントに非常に近い。つまりどういうことかというと、1975年〜1976年に土星・天王星スクエアが起きているのだ。インフレ率は1973年初頭の3%から1975年初頭には2桁(12%)まで上昇した。1976年末には4.9%に戻ったが、その後インフレは第2の風を巻き起こし、1980年初頭には消費者物価を15%近くまで押し上げた。また45年後の土星・天王星サイクルでは、2020年にインフレ率が1%まで低下した。その後、次の土星・天王星スクエアが2021年1月〜2022年10月まで続いた当時はインフレ率が9%に急上昇し、その後に下がり始めた。そして現在は約3%だ。この45年間を見れば完全な一致とはいかないが、マーク・トウェインが言ったように「韻を踏んでいるかのように重なる」のだ。

現政権がやろうとしていること、そしてトランプ前大統領が再選された場合にやろうとしていることを理解した上で、私は2025年に再びインフレ率が高まると見ている。何故なら、トランプが勝てば関税が導入され、世界のサプライチェーンが再び混乱すると考えられる。またバイデンが勝てば、ホワイトハウスは(2018年〜2020年にトランプ大統領と険悪な関係にあったFRBと協調して)住宅ローン金利を5.5%まで引き下げようとするはずだ(すでにその方向に向かっている)。そしてこれもまた、新たな住宅価格上昇の再来を促すだろう。最初のうちは新規の売り手と新規の買い手との競争が激化するため、住宅価格は堅調に推移するかもしれない(木星は5月下旬まで牡牛座という安定を体現するサインに在泊する)。それから少しのタイムラグを経て選挙の後、おそらくは木星が双子座入りする5月下旬ごろから住宅価格が上昇し始めるだろう。住宅の所有者は持ち家を売却するか、あるいは借り換えを開始する。その結果として消費するお金が増える。これもまたインフレの一形態であり、土星・天王星の45年サイクルの韻を踏むのに適した条件となる。

  私が予測するこの物語には、他にも当てはまる要素がある。3月下旬〜4月上旬に起きる月食および日食(カイロン・月のノースノードに近接)と、4月21日に起きる木星・天王星コンジャンクションの間には、宇宙的な相克があるのだ。

前者は翌年の景気後退や長期的な株価サイクルの底値と強い相関関係を持つのだが、その一方で木星・天王星コンジャンクションの場合は、アスペクトの日から翌年にかけて、史上最高値、または複数年にわたる最高値の更新がしばしば起きる。私達はその両方を目撃する可能性がある。つまり、春から夏にかけて株式市場の史上最高値が更新され、その後2025年半ばまでに急落して景気後退に陥るということだ。また、木星・天王星のサイクルは、4月〜年末にかけてのインフレ率の上昇と相関する可能性がある(この場合も、サイクルと状況の報道にはタイムラグがある)。

私としては2026年あるいはそれ以降、すなわち「牡羊座の大渦」の真っ只中に入るまで、米国がこの潜在的な経済的ミスジャッジの大失敗から抜け出すことはないと見ている(この非常に稀だが強力なジオコズミック配置に関するより深い解説については『フォーキャスト2024』を参照してほしい)。

この流れに応じた投資戦略を立てようではないか。この問題については、2月18日に予定している全世界に向けた "Forecast 2024 Updated " と題する放送で取り上げる予定だ。







訳文ここまで
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hiyoka_blue at 21:55|PermalinkComments(6) 金融アストロロジー | マンデーン・アストロロジー

December 24, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント12/25【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年12月25日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★来週のコラムはニューイヤー・ホリデーによりお休みになります。

 また来年からのブログ掲載については当分の間不定期とさせていただきます。🙇‍♀️

★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。

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【注】来週は週刊コラムは休みとさせていただく。したがってこれが2023年最後のコラムとなる。重要な選挙の年となる2024年を迎えるにあたり、私の心にある多くの事柄について述べ、リストに掲載されている皆さんに感謝とお礼の手紙を送る予定だ。そして、私達は2025年〜2026年の「牡羊座の大渦」に近づいていく。_R. Merriman


≪ 先週をふり返って ≫

  “もしトランプが公正な選挙で敗北するのではなく、司法の判断によって追放されるなら...彼の祖国は統治不能になるだろう。今は有権者を信じる時だ。最良の候補者を決めるのは国民だ。 裁判所ではない。国民なのだ。それこそが “デモクラシー101”だ。どんな候補者であろうとも、出馬する権利を奪われるならばアメリカ国民は選ぶ権利を奪われることになる。”

  — Robert F. Kennedy Jr.
    Danielle Wallace
    “RFK Jr. Issues Stark Warning After Colorado Court
    Blocks Trump From Ballot.'”
    Fox News 2023年12月21日付

  “2020年の選挙の後、1月6日までのトランプ氏の行動は恥ずべきものであり、彼を信じて再び大きな権力を任せるわけにはいかない理由のひとつだ。彼のしたことは、選挙人票の集計を妨害しようという企てだった。しかし、これが法律上、あるいは憲法上の意味における暴動や反乱に相当するという証拠は説得力に欠けている。”

  — Wall Street Journal Editorial
    "The Folly of Colorado’s Trump Disqualification”
    Wall Street Journal 2023年12月21日付


  上記の引用はあなたにこんな疑問を抱かせるだろう:米国の民主主義を土台から蝕んでいるのはいったい誰なのか? 2021年1月6日の選挙に対する検証プロセスを妨害しようというトランプと、その呼びかけに従うトランプ支持の共和党なのか? それとも民主党内のバイデン支持者が、トランプを投票対象から外すと同時に、可能な限り多くの州で民主党の他のすべての候補者を予備選挙の投票から排除しようとでもしているのだろうか?

現在から2024年の米国選挙までの間、山羊座と水瓶座の間を行き来する冥王星は、このことについて何か言うべきことがありそうだ。山羊座の冥王星は、支配力と権力の両方を維持するためなら、出来ることは何でもやってやろうと執着しそうだ。たとえそれが2023年のロシアとハマスの行動のように、自国民への暴力や殺人を伴うものであったとしても、だ。だが、水瓶座の冥王星は「民衆の力」の台頭であり「民主主義と多数派による合意」という根本的な美徳を反映した基本的人権を獲得しようとする大衆の「絶えることのない衝動」だ。これは、今回の選挙を特に興味深いものにしている。何故なら、米国人の大多数は、トランプとバイデンのどちらかが唯一の選択肢になることを望んではいない。

  これは、今年の『フォーキャスト2024』で私が深く掘り下げたテーマだ。そして、ジオコズミックの力が働く兆候がすでに解説通りに展開されていることは注目に値する。

たとえば、ドナルド・トランプのプログレスの火星(攻撃)は天秤座14°に在泊している。彼の出生時のカイロン(傷)は、天秤座14°だ。そして米国建国図の土星(政府と法律)は天秤座14°なのだ。正義を量る星座宮、天秤座で行われるこの巨人VS巨人の戦争に勝利するのは誰なのか? これについては『フォーキャスト』にも書いたが、「正義」は「民主主義」や「民意(大衆のコンセンサス)」とともに、裁判にかけられているのだ。“このコンジャンクションは、影響を受ける人々のチャートに含まれる惑星の性質、そしてそれが在泊する星座宮の特性にも関わるサイクルの強力な「終わり」であるとともに、「始まり」でもある” 。今年のフォーキャストにはそう記載されている。

  さて、米国と世界の地政学的情勢がこのような不穏な動きを見せているにもかかわらず、世界の株式市場は再びほぼ全面高となった。米国、ブラジル、インド、日本など、いくつかの市場が先週、史上最高値または数年ぶりの高値を更新した。一方、中国のSSEは、2020年のCOVID-19パンデミック以来の最低水準まで落ち込む瀬戸際だ。金と銀も快調に上昇したが、月間最高値はまだ更新していない。原油は、水星が逆行した12月13日に数ヶ月ぶりの安値をつけた後、上昇を続けており、先日のオプション取引に関するスペシャル・ウェビナーで紹介したデレク・パナイアのオプション戦略とぴったり合致している。ビットコインとイーサリアムは週の終わりに向かって再び年初来高値を更新し、新たなビットコインETFへの思惑が盛り上がりを見せている。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “「1947年、1993年、1995年、1998年、2000年、2008年、テーブル上にはパレスチナと呼ばれる土地を共有するための取引が存在し、場合によっては東エルサレムがパレスチナ国家の首都となる可能性もあったが、そうなっていれば、その街は今日、ガザよりもドバイに似ていたかもしれない... パレスチナの人々は知るべきだ。あなた方の指導者達、そして彼らの味方である大学キャンパスの「利用しやすい愚か者達」は、「“川から海へ”という神話 *」を守り続けることによって、あなた方に良いことなど何一つ為してはいない」。ビル・マーは、イスラエルとパレスチナの紛争を他の世界的な紛争と比較しながらなおもモノローグを続け、テロリズムに投資するのではなく、活力ある経済を構築した例としてメキシコを称賛した。「彼らは本気になった。何故なら、ハマスがテルアビブに存在し続ける可能性よりもっと明確に、米国がフェニックスを返還するつもりなどないことを知っていたからだ。イスラエル国家はここに留まり、パレスチナ人はそれに "慣れる "必要がある」。”


  — “The State of Israel is here to stay, and the Palestinians will
    need to “get used to it.”
    Bill Maher, HBO “Real Time” 2023年12月15日付


* このフレーズは1960年代に、イスラエルやヨルダン、エジプトといった他のアラブ政権に住むパレスチナ人を解放する民主的な国家を創設するパレスチナ解放を求める幅広い呼びかけの一部として広まった。1960年代、PLOは強制的なパレスチナ全域を包含する民主的な世俗国家を要求してこの言葉を使った。当初はパレスチナ人と1947年以前にパレスチナに住んでいたユダヤ人の子孫のみを含むとされていたが、これは後に最初のアリヤー以前にパレスチナに住んでいたユダヤ人の子孫のみを含むと修正された。1964年のパレスチナ国民評議会(PNC)の憲章は「簒奪された祖国の完全な回復」を要求した。1964年の憲章によれば「パレスチナ出身のユダヤ人は、パレスチナで平和的かつ忠実に生きる意志があればパレスチナ人とみなされる」。こうして1969年までには、「川から海までの自由なパレスチナ」とは、民族宗教国家イスラエルに取って代わる一つの民主的な世俗国家を意味するようになった」(英語版Wikipedia より)

“圧倒的多数のパレスチナ人は、戦争による死、破壊、混乱についてイスラエルを非難している。しかし、ガザに居住する多くの人々は、苦しみの責任はハマスにもあると言い、その声はますます大きくなっている。”

  — Margherita Stancati and Abeer Ayyoub
    “Gazans Are Starting to Blame Hamas for Wartime Suffering”  
    Wall Street Journal 2023年12月21日付 

  私達は、世界全体、さらには国家全体における悪役たちの権威主義的な進出を抑えることができない状況のただ中に在って、なおも前向きで希望を抱こうと努めながら、この年の終わりを迎えようとしている。3月から4月にかけては、牡羊座でカイロンと月のノースノードがコンジャンクト(日食)する。多くの事例において、この不規則な惑星周期は9ヶ月以内に起きる景気後退と同期しており、そのスケールは1930年代の大恐慌のように非常に深刻な状況を招く場合もある。2024年にこれが「大きな出来事」に発展するかどうかはわからない。私はどちらかといえば「牡羊座の大渦」が2026年±1年の間に起こるという考えに傾いている。それは月のノースノードが水瓶座から山羊座に到達するタイミングだ(『フォーキャスト2024』の考察を参照されたい)。

  短期的には、「トリックスター」(水星逆行、12月13日~1月2日)がまだ活動中だ。その中間点は今週末の12月23日で、逆行日である12月13日付近では反転しなかった金融市場の反転と重なる可能性がある。

  さらに12月21日現在、金星は天王星とオポジションを形成しており、これもまた±4日のオーブをもって反転シグナルとなる。そして、先週述べたように「年初来高値更新が続く可能性も否定出来ないが、その理由は今年最後の週に木星が強調されるからだ。木星は12月27日に太陽とトラインを形成し、12月31日に順行する。これは一般的に、未来に希望を抱かせるシグナルだ」。新年は、1月1日に金星が土星とスクエアを形成して始まるが、これは「トリックスター 」が再び順行に転じる前日だ。そして「金星と土星のハード・アスペクトで下落する相場は買い候補である」というのが基本ルールのひとつだ。したがって、私達が2週間後に戻ってくるまで、そのような設定には警戒しておきたいと考えている。



≪ 長期的考察 ≫

  今年最後のコラムということで、いまだに残業中の合間を縫って、いくつか感想を述べたいと思う。

  最近、市場分析と市場取引の重要性、そしてこの2つのスキルの違いについて考えている。
トレーディングではよく「正しい」ことよりも儲けることの方が重要だと言われる。つまり、もし何度か外れることがあっても、その都度適切なトレードさえしていれば利益を得ることも可能だし、儲けることが出来るだろう。だが、マーケットアナリストとしては「よく当たること」がより重要であることを私は知っている。それはお金を稼ぐための前提条件なのだ。市場動向の予測において、正しいことよりも間違っていることの方が多ければ、購読者を失うことになる。アナリストが正しいことより間違っていることの方が多い市場レポートを購読したい人はいない。分析(時期)がずれていれば、収益性の高い取引計画を立てることは難しい。成功するトレーダーにとって損失はつきものだ。しかし、あまりに不正確な分析による損失が多すぎるなら、過度にフラストレーションが溜まり、より正確な手法を持つ別のトレーディング・アドバイザーが必要になる。

  私は市場の分析とタイミングをパズルを解くようなものだと考えることを好む。相場は人生と同じように、「パターンマッチング」的な順序をたどる。つまり、このピースがどこに行くのか、つまり この市場はいつどこで反転するのかを理解すれば、他のピースもパターンにうまくはまり始めるのだ。これがマーケット・アナリストの仕事であり、マーケット・タイマーが成功するためには巧みにこなさねばならないことだ。

  一方、トレーディングはチェスのようなものだ。

  市場が取るかもしれない様々な可能性が見える。だが、短期的にはどの道をたどるかはわからない。底を打つのか? それともまだ先に底を打つ可能性があるのか? もし底を打っているなら、買いのゴーサインが出る。時期尚早であれば、損切りとなる。しかし、ストップロスをくらったとしても、どのような経路をたどっているのかをよりよく知ることが出来るため、取引を行ったこと自体には価値がある。

トレーディングとそれに対する助言行為は試練に満ちており、しかもエキサイティングだ。そして「自分は市場がどうなるかを確実に知っている」という人は、自分が何も知らないことを知らない。そういうアドバイザーは避けたいものだ。それよりも、自分の予測にしたがって高い確率で結果を出してきた実績があり、その予測に基づいた取引戦略を持つ人を見つける方がいい。私達は、購読者のためにこれらを提供するよう心がけている。

CTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)として40年以上やってきて、私達は良い仕事をしていると思う。特に初期の頃は、必ずしも簡単ではなかった。しかし、私達の調査研究は向上し続けた。そして、取引可能なリバーサルや長期的なポジショニングを見極められる確率が最も高い市場と時間帯への私達の理解は、非常に価値のあるものであり続けている。

過去数年にわたって、市場のリズミックなサイクルとそれに対応する惑星の公転周期を「パターン・マッチ」させる我々の能力を大いに促進させた、卓越した調査研究を行ってきたMMTAの学生達に多くの感謝を捧げたい。彼らの研究は素晴らしいものであり、2024年に控えるMMTAでの研究最後の年に、彼らの多くと一緒に仕事ができることをとても楽しみにしている。


  2024年が、皆さんに健康、安全、幸福、収益性、そして心の平和をもたらしますように! そして、木星が天王星とコンジャンクトし(4月21日)、海王星とセクスタイルを形成し(5月23日)、冥王星とトライン(6月2日)になる2024年4月~6月に向けて、皆さんの取引計画を集中させていこう。





訳文ここまで
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hiyoka_blue at 21:30|PermalinkComments(0) 金融アストロロジー | マンデーン・アストロロジー

October 08, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント10/9【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年10月9日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★来週のコラムはお休みさせていただきます。
 また今後については『フォーキャスト2024』に集中するため
 不定期とさせていただきます。🙇‍♀️
★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ 先週をふり返って ≫

  “金曜には予想を上回る雇用統計が発表されて国債利回りが上昇したが、その後も株価は上昇した。労働省が発表した9月の雇用者数は33万6千人だった。ダウ・ジョーンズのエコノミスト調査では、17万人を予想していた。当初は予想を上回る雇用統計を受けて下落していた株価は金曜、見事な切り返しを見せた。セッションの最安値ではダウは272ポイントも下落していたが、その後高値で400ポイントを上回る反騰に転じた。”

  — Sarah Min and Hakyung Kim
    “Dow Soars Nearly 300 Points Friday After Hot Jobs Report”
    www.cnbc.com.  2023年10月6日付

“政府とは何か! 4分の3は寄生虫だ。残りの4分の1は愚かな能無しだ。

  —  Robert Heinlein
     “Stranger in a  Strange Land” G.P.Putnam's Sons 1960年


  “米国議会の議員達は今や何も成し得ない状態だ。そして金融市場は、米国議会議員が何も出来ないことに驚いてはいない。投資家達が気にしているのは、11月中旬の次の政府閉鎖までに議長を選出できるほど長い期間、下院共和党が極論派をコントロールできるかどうかだけだ。”

  — Dr. Paul Donovan
    “US Politicians are Incapable of Doing Anything”
    UBS Morning Comment 2023年10月4日付

※議会でマッカーシー下院議長への質問に立ち、債務上限の期日を前に、バイデン大統領との間で ”世界の支持を失いつつあるウクライナ” への巨額の援助に関わる裏取引があったのではないかと追求するゲーツ議員。右派ポピュリズム路線を走っており、ウクライナ支援に費やす予算を不法移民の流入を防ぐ壁の建設に回すべきとも言及。実務的な手腕は別として、大衆の鬱積した不満をすくい取って舌鋒鋭く追求する言動がフロリダ州やテキサス州などの保守派市民に受け、信奉者が増えているという。

 
  先週は、前の週に終わった金星・天王星スクエアが示唆したように、奇妙で常軌を逸した週だった。天王星が関与するこのようなアスペクトは、金融市場に関しては2つの顔を持つ。つまり1)数カ月間のサポートをブレイクアウトするか、数カ月間のレジスタンスをブレイクアウトする、 あるいは 2)トレンドが終わり、反転する。通常、こうした動きには政治や銀行の領域における予期せぬサプライズがともなう。先週、投資家と市場はそのすべてを目の当たりにした。

  米国では、ダウ工業平均とS&Pが去年8月のプライマリー・サイクルの安値を割り込んだが、ナスダックは前週の安値を上回り、過去2週間の高値を超えて引けた。原油は、金星・天王星スクエアの前日となる9月28日に年初来高値を更新した。そしてそれから1週間後の10月6日金曜には5週間ぶりの安値を更新した。

  金と銀はダウ平均と同様に下落に転じ、3月以来の最安値まで急落した。しかし、金曜には木曜朝に発表したMMAの「スペシャル・ゴールドレポート」で予測したとおり、両者とも非常にスマートな反転上昇を記録した。一方、米ドルは先週月曜に今年最高値まで急騰したが、金曜には急反落した。それに応じてビットコインも先週初めに急騰し、8月17日以来の高値をつけた。これらすべてはマット・ゲーツ下院議員が少数派の反乱を起こし、ケビン・マッカーシー下院議長を失脚させた週に起きた。では彼の報酬は何だったのか? 民主党(全員)とゲーツ率いる共和党過激派8名の両方が彼を追い出したのだ。政府機能不全の週に残された混沌は、天王星が描く「ビジネス&政治モデル」の一部なのだ。




≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “不吉な月が昇るぜ
  悪いことが起きそうだ
  地震が起きる 雷が落ちる
  今日は 悪い予感がするぜ”

  — Credence Clearwater Revival
    Bad Moon Rising 1969年

  “極右共和党員の間で重要な要求は、ロシアの侵攻を撃退するウクライナの努力に対するアメリカの資金援助を打ち切ることである。ワシントンの政治的大混乱の明らかな受益者の一人は、ウラジーミル・プーチンのようだ。彼の隣国をつぶす努力は、今や西側諸国、特にアメリカがウクライナの自衛能力を奪うことに依存している。”

  — Bloomberg News
    “Evening Briefing” 2023年10月3日付


  “反体制派がマッカーシー氏を退陣させる理由として挙げた攻撃材料の多くは、当の彼ら自身が引き起こしたものだった。マッカーシー氏が9月30日までに下院の歳出法案12本すべてを可決できなかったとは、よくもまあそんなことが起きたものだ。しかもその上、政府機能を維持し得るだけの票を集めるために民主党に出向くとは....その結果を仕組んだのは造反者達だ。ならば目的はいったい何なのか? 共和党員の中には、ゲーツ氏の異様とも言える行動は注目を浴びたいからだと指摘する者もいる。ここに悲しい真実がある。ワシントンは常に、仕事をする者と着飾る者とに分かれる街だということだ。”

  — Kimberly Strassel
    “Gaetz & Co: A Tale as Old as Time”
    Wall Street Journal 2023年10月6日付




  そうだ。虚飾の王は共和党の愚かな下院政策を利用して、ゲーツのような承認欲求が過度に旺盛な人物に 1)アメリカとヨーロッパは戦争にうんざりしているだろうというプーチンの予測を支持し(その結果、彼は殺人、レイプ、誘拐、その他多くの冥王星的戦争犯罪から逃れることが出来る)2)同僚からの支持率が5%にも満たない過激な少数派が、党内の大多数の意思に反して政府の運営を混乱させることを許した。

それが本当に民主主義が機能する方法なのか、それともこの議員がアメリカ国民のために従っていると主張する高い道徳的立場を取る例なのか?

さて、次の政府閉鎖の可能性は11月17日に予定されている。ちょうど先週のコラムで取り上げた蠍座の太陽と火星のコンジャンクションの時期だ。

1)火星は今週10月11−12日に蠍座に入る準備をしている。
2)蠍座の2つの共同支配星(火星と冥王星)は、火星が今週日曜(10月8日)に冥王星にスクエアを形成し、冥王星が火曜(10月10日)に順行する。

これは大量の冥王星と蠍座のエネルギーが充満することを意味し、敵と見なされる者達はたとえ自分達の生存が脅かされるようなことがあっても、自らの意見に固執して互いに譲らないだろう(おそらくこれは比喩的な表現となるが、こうしたシグナルの下ではどれほどの荒事が起きるかわからない)。

  冥王星と蠍座は、高温でくすぶっている火山のようなものだ。たとえばそれを、溶岩が山の斜面をゆっくりと下っていき、その途上で財産、人生、人間関係、仕事上の地位など、神聖なもの、価値のあるものに向かって突進しながら、勢いを増していると考えよう。時間内に火の通り道から移動しなければ、誰かが火傷を負うことになる。そんな時に、執拗で妥協のない態度でいては報われない。その一方で、個人的な理由で復讐を果たすために、たとえその物事が事実でなくても(事実ならなおさらかもしれないが)、自分自身、または自分の仕事を狙い撃ちしてくる人物には気をつけるべきだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のストラッセルによれば、このゲーツ議員の場合、彼は「...マッカーシー氏が(下院の)規則を破って性的不正行為と資金不正使用の疑惑に関する(倫理)調査に手心を加えるべく動いてくれないことに激怒した」という。火星が蠍座に入るとともに冥王星が方向転換したことから、解任の危機は突然として方向を変え、ゲーツ氏の解任へと変化するかもしれない。

  とはいえ、火星・冥王星・蠍座の組み合わせだけが宇宙のドラマではない。10月10日火曜には金星が土星とオポジションになる。金星・土星のハードアスペクトで下落する相場は、強い上昇の候補となる。また金星・土星のハード・アスペクトは、歴史的に株の上昇の終わりを意味する。しかし、金星は実際には穀物市場や為替市場との関連性が高い。

いずれにせよ、これらのサインに込められた個人的なメッセージはよく似ている。それは「 手放し、調和を求めよ」だ。「不吉な月の出」は進行中だ。だからもしあなたが後悔し、自分が引き起こした痛みを正し、癒す気がないとすれば、カルマがあなたに襲いかかるだろう。






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:59|PermalinkComments(0) 金融アストロロジー | マンデーン・アストロロジー