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ー2017年の占星学から見る世界と個人の運気予測ー
『マンデーン2017』
レイモンド・メリマン著 [Kindle版] Amazon Kindleコーナーより発売されました。マンデン・アストロロジー/社会占星学に興味ある方にはとても面白い内容だと思いますので、ぜひご一読ください。
内容紹介記事(+スペシャル掲載記事)こちらです。

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『マンデーン2016』こちらもマンデン・アストロロジーの知識が満載です。併せてどうぞ

February 19, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント2/20【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2017年2月20日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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★お知らせ 
来週2月27日付のメリマン・コラムはお休みさせていただきます。
m(_"_)m
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【NOTE】
2月20日月曜は祝日『プレジデント・デー』にあたるため、米国の金融市場は休場となるので注意されたい。


≪ 先週をふり返って ≫

        先週はまたも米国とロシアの株式指数に史上新高値が生まれ、オランダ、スイス、オーストラリア、ブラジルにおいても年初来高値や数年ぶりの高値が見られた。だがヨーロッパやアジアの他の市場ではそうはならなかった。私達は、今週2月22日に始まる今年最も大きな潜在力を秘めるジオコズミック期間に近付いている。

他の市場を眺めるなら、銀は2月16日に11月11日以来の最高値18.14のサイクル新高値に舞い上がった。金はあと一歩というところで、1245.10をつけたものの2月8日のサイクル高値1246.60には僅かに届かなかった。これは異市場間弱気ダイバージェンスの潜在的可能性を示している。このシグナルは金が1220を割って引けた時に確認される。だがそれが起きるまでは、今後反騰して2月25日〜3月10日の重要変化ゾーン(CRD)に再度サイクル新高値をつける可能性を排除出来ない。原油のプライスレンジは低く、52.68〜53.95で取引されていた。だが2月25日〜3月10日のジオコズミック・サインはこの市場(とナスダック)に強い関連性を持っており、今後2週間の内に急激なブレークアウトが起きる可能性は高い。

        全体に様相はワイルドになりつつある。だがこれは始まりに過ぎない。強力な金星逆行によって囃され煽られながら、2月22日〜3月6日、火星、木星、天王星が天上でタンゴを踊り始める...。



≪ 短気ジオコズミクスと長期的考察 ≫

        “『やれカオスだカオスだと言い立てる記事をそこら中に見かける。ところが実際は正反対だ』トランプは言う。『この政権はまるで精妙にチューニングされたマシンのように突っ走っている… まだ大仕事には取りかかってもいないというのにだ』トランプはなおも言った。『大仕事は来週早々にスタートする』”

― William Cummings
  “Trump Accused Media of Generating Fake News”
  USA Today 2017年2月17日


        うむ。まぁ、仰る通りだ。大統領でさえ、このコズミック・エネルギーを感知しているではないか。それは活火山の溶岩のように地中をせり上がり、今世紀初めて噴火しようとしているのだ。

これは通常の2カ月ではない。この期間は2月22日の火星・冥王星スクエアから始まり、4月5日〜21日の金星・土星スクエアを以て終わる。金星と土星の両方が方向転換する(土星は4月5日に銀河中心が位置する射手座27°から逆行、金星は4月15日に魚座27°から順行)。両惑星は4月8日と21日に正確なスクエアを形成する。どちらもが方向転換しながらのスクエア形成が前回いつ起きたかについては、私には確信が無い。しかしながら、これが非常に稀な出来事だという確信はある。

この期間の始まりにおいては、火星のエネルギーが極めて活発だ。2月22日に冥王星とのスクエア形成を終えた後、2月26日には天王星とコンジャンクトし、その後27日には木星とオポジションになる。前回までのコラムで述べたように、短期間の内に火星、木星、天王星が互いにアスペクトを形成する時は、多くの場合、世界の株式市場に大規模な価格変動が見られる。今回の場合、それらの惑星は全てが暴発的なカーディナルTスクエアの一部を成しており、冥王星はそのミッドポイントにあたる。それだけでも十分だと思えるが、2月26日には魚座で日蝕が起こり、そのたった3日後には日蝕を終えたばかりの太陽が魚座を支配する海王星と正確なコンジャンクションになる。

先週、私達は攻撃的な火星と受動的で平和的な性質を持つ魚座及び海王星の結び付きは、衝動に突き動かされての行動や短絡的な決断、または事故を原因として、無辜の人々(そしてひょっとすると動物達)が犠牲となる可能性を示唆すると論じた。起こり得る事象の可能性を象徴する事件としてまず頭に浮かぶのは、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)のオイル漏れ事故で、水の王国である海洋のエコシステムに脅威を及ぼすことだろう。魚座、海王星、木星は全て原油を支配するし、火星は判断や行動上のミス、または他者を実際に害する意図を持つことに関連している。

これは2月26日〜3月1日の日蝕と太陽・海王星コンジャンクションで終わるわけではない。3月2日、プライマリーサイクルかそれ以上のサイクルの頂点に関連する全ジオコズミック・サインの草分けとも言えるシグナルが形成される。それは14年周期を持ち今回は全3回シリーズで起きる木星・天王星のオポジションの2回目で、エネルギーの発効期間は前後12取引日だ。換言すれば、私達はすでにそれを体感していることになる。その2日後、金星が牡羊座13°で逆行に転じる。金星は8年ごとに黄道帯のおおよそ同じ位置から逆行を始める。前回これが起きたのは2009年3月6日で、これは米国株が75年サイクルの底をつけた ― 1932年7月につけた世界大恐慌の安値以来の最も激しい暴落が終わりを告げた ― まさにその日だった。もしも当時から始まった現行の大規模な強気相場が、金星による次の8年サイクルの始まりと共に終わるとすれば、何と共時的なことだろう?

そうだ。だからトランプ大統領、ファイナンシャル及びマンデーン・アストロロジャーは皆あなたに同意するに違いない。

        “『まだ大仕事に取りかかってもいない』トランプはなおも言った。『それは来週早々に始まる』”



≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫

        “『すでに8年が経過したが、ゼロ金利と膨れあがったFRBのバランスシートが健全な経済に寄与した証拠など全くのゼロだ』米国下院金融サービス委員会の議長ジェブ・ハンサーリングはイエレンにこう告げた。… イエレンは議会監査が中央銀行に疑いの目を向けることを許すのは、FRBが正しい政策を施行する上で必要な独立性を傷つけることだと答えた… 共和党はイエレンに対し、共和党がホワイトハウスと上院下院の両方を掌握したことで情勢は変化しつつあることをよく理解すべきだとあからさまに言及した。”

― Martin Crutsinger
  “Republicans to Yellen: Change Is Coming”
  Naples Daily News 2017年2月16日付


        過去2週間にわたり、このコラムでは2017年に米国とイランの間にジオコズミックの戦闘的な力学が働くことについて述べてきた。これは『フォーキャスト2017』で詳説した通り、両国の建国図、米国大統領就任式のイベントチャート、ドナルド・トランプの出生図に基づいて導き出されたものだ。そして今週このコラムで私達が指摘するのはFRBの設立図、それに再びドナルド・トランプ、そしてFRB議長ジャネット・イエレンの出生図に2017年から2020年にかけて訪れる重要なジオコズミック・サインについてだ。

2017年12月21日、ジオコズミックにおいて最も際立つ様相が展開し始める。この日は太陽が山羊座入りするだけではなく、土星もまた同行するのだ。これは1870年12月21日以来初めて起きるコンビネーション・シグナルだ(リサーチに当たったダニエル・ゴードンに感謝する)。連邦準備制度理事会法が1913年12月23日に成立し、設立図の太陽が山羊座1°に在って蟹座0°に在泊する冥王星とオポジションを形成していること、そしてトランシットの土星がFRBの太陽にコンジャンクトし冥王星にオポジションとなること、また土星が「説明責任/最終責任」(「監査」もその一種)を支配し2020年まで山羊座を運行することを合わせて考慮すれば、新政権がまもなくFRBをある種の権力闘争に引きずり込むと考えたとしても、それほど突飛な話ではないだろう。

こうしたジオコズミックの様相は事実上、2016年秋にはすでに始まっていた。それは土星が射手座13°〜山羊座27°の領域を運行し始めた時で、FRBチャート上の10惑星の内の8惑星に対してハードアスペクトを形成し、それに加えてディセンダントを越えていく。FRBにとってはまぁ何とも多くの土星的試練に対処しなければならないことか。そしてその試練の多くはトランプへの対応になりそうだ。何故なら彼のチャートにとって、イエレンのチャートとの組み合わせは火に油を注ぐような効果をもたらすからだ。

        これは人間活動のサイクルにおいて私達が名付けた『ザ・グレートリセット ― 2017年〜2020年』で展開するパズルの単なる1枚のピースに過ぎない。他にも数多くのジオコズミック・サインが訪れる。私はこのテーマに関し、世界最高のサイクル・アナリスト達が集結して今後3年の状況分析・研究を分かち合う予定のMMAインベストメント・リトリート(3月10日〜13日, カリフォルニア州サンディエゴにて開催)で解説するが、それは現行の『フォーキャスト2017』とその後のウェビナーで述べた内容を発展させた形の発表となるだろう。

もし私達がこの時期について正確に読んでいるとすれば、まさに展開し始めたばかりのこれら長期のジオコズミック・サイクルに関連して、例外的とも言える投資機会が巡ってくることになる。これはまた世界の指導者達、そして投資家達にとっても、多くの試練と好機がやって来る興奮に満ちた期間となるだろう。



注意
上記のようにMMAインベストメント・リトリートにかかり切りになるため、3月13日付のコラムは休載とさせていただく。







訳文ここまで
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February 12, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント2/13【金融アストロロジー】

2月11日の満月・月食』の星読みは一つ下の記事になります。

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http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2017年2月13日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫

        “フィラデルフィア連銀総裁パトリック・ハーカーは月曜、3月のFOMCでの利上げは選択肢となると語った。「私は今も今年3回の利上げを支持している。もちろんこれは経済の見通しと財政政策の進展具合にもよるが」「私は3月に再度25ベーシスポイントの利上げを行う可能性を考えておくべきだと思う」ハーカーは金融工学系企業への規制政策の講演を終えた後、記者団に対しこう述べた。”

― “Fed’s Harker Says March ‘Should Be Considered’
   For Next Rate Hike”
  Reuters News 2017年2月7日付


        上記の発表は、迫り来る2月22日〜4月21日という期間、すなわち私達が今年最も重要なジオコズミック・サイン群が集まる重要な時だとして強調した時期に関するもう一つのヒントを与えるものだ。もしハーカーが正しければ、そしてFRBが3月半ばに2回目の利上げを表明するなら、ほとんど全ての金融市場に急激な価格変動が起きることになるだろう。

先週の市場動向は予想通り株式にとって非常に強気だった。実際は2月3日、前週の金曜に始まったトレンドに沿って全米の主要な株式指数が史上最高値に舞い上がった。先週のコラムで述べた様に
“株式市場は強さを見せて週を終え、現在2月6日の木星逆行開始とその後2月11日(週末)に起きる太陽・木星トラインに向かっている。通常であれば、これは株価が上昇し、この時期にそこそこ重要な天井をつける可能性を示唆する。”
そして十分通常通りとなり、ダウ平均は2月10日金曜に今回の最高値20,298まで爆発した。そしてナスダックとS&P先物も史上最高値をつけた。

ヨーロッパでは、オランダのAEXが数年ぶりの高値をつけ、ドイツのDAXは年初来高値を記録した。しかしながら、チューリヒのSMIもロンドンのFTSEも、年初来高値をつけることはなく、異市場間弱気ダイバージェンスの可能性を示唆している。

アジアと環太平洋地域では、日本の日経が反騰したが、年頭1月5日につけた高値には届かなかった。オーストラリアのオールオーディナリーズは6週間ぶりの安値に下落した。インドのニフティ、中国の上海と香港のハンセンは全て数週間ぶりの高値をつけたが、年初来高値には至らなかった。ロシアのMICEXのみが史上新高値をつけた米国と並んだ。

他の市場では、先週の勝者は11月初頭以来の高値17.95をマークした銀だった。金は週中にやはり11月中旬以来の高値1250を試したが、木曜〜金曜には下落している。1月29日のウェビナーで解説したとおり、今なお貴金属は上々のパフォーマンスを見せている。Tノートは金と同様に水曜まで強く、その後下落した。おそらくその理由は、先週月曜に示されたフィラデルフィア連銀総裁ハーカーの見解 ― FRBが3月に再び利上げを行う可能性 ― の現実味を投資家が理解したためだろう。高い金利は低い国債価格を意味する。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

        金についてもう一つ注目すべき点は、ヘリオセントリックの水星が射手座の旅(2月1日〜12日)を終えることだ。歴史的に見て75%の確率をもって、この時間帯は金市場における上々の反騰との相関性を持つ。トップアウトはこのトランシットに入って4日~12日前後だ。水曜の高値は1246.60で7日めにマークしており、想定時間どおりだと言えよう。

とはいえ、これら三つのトランシット ― 2月6日〜11日の木星絡みのジオコズミック・サイン、ヘリオセントリックの水星による射手座運行(2月1日〜12日)、今週末の獅子座の月蝕 ― は、これからやって来る(2月22日〜3月6日)シグナルと比べればまだマイルドだ。それは2月22日〜27日に起きる牡羊座の火星の木星・冥王星・天王星Tスクエアによって始まる。火星、木星、天王星が互いにアスペクトを形成する時、株価は通常上下どちらかに向けて爆発する。時には両方向に動くこともある。 またこれは、大自然に不気味な現象が見られることとも相関性を持つ。集合心理的な面では、重要な紛争、戦争、またはテロ行為の危険にも関連している。皆さんには、安全第一を旨として可能な限り危険な状況に足を踏み入れないことを強くお勧めする。

この時期 ― 2月26日〜3月1日 ― は、何かと不気味な感のある時間帯だ。何故ならこの期間に海王星とコンジャンクトした日蝕が起きる。火星は熱、火、怒り、そして過剰に攻撃的な存在によって引き起こされる衝突を意味するが、一方で魚座と海王星は受動性、引き籠もり、湿気や洪水、平和への願いを意味する。ここに象徴されるのは、攻撃者と無垢の、受動的な、犠牲者だ。何かしらの失敗や誤算、見込み違いが他者を害したり、危機を及ぼすことになるかもしれない。

この流れは3月1日に終わるわけではない。3月2日、木星・天王星オポジションの2度目の正確な形成が起き、その後3月4日に金星が逆行を開始する。先週のコラムで述べたように
“ 木星・天王星オポジションの2回目の正確な形成が3月2日に起こり、その後金星が3月4日に逆行に転じる。木星と天王星のオポジションは、米株市場のプライマリーサイクルかそれ以上のサイクルとの相関性においては前後12取引日のオーブをもって最強を誇るアスペクトだ。一方、金星逆行もそれに迫る強度を持ち、やはり前後12取引日をもってプライマリーまたはそれ以上のサイクルとの相関性を見せる5つのシグナルの内の一つだ。これら2種のジオコズミック・サインが互いに時を置かずして起き、それが海王星とコンジャンクト(2月26日~3月1日)して起きる日蝕の週だという事実は、それ自体でもう一つのレベル1ジオコズミック・サインとなる。もし今の私達がカオスと混乱を経験していると言うなら、この時期には何が起きるのか。ただ想像するほかない。”

  この注視すべきジオコズミック期間は、2週間足らずの内にそのオーブ圏内に入る。投資家や読者の皆さんに対し、このエネルギーの宇宙的ピークに備えるためにどれほどのことが出来るか私にはわからない。この後にも4月5日〜21日に2度目の山場が来る。金星と土星が方向転換し、魚座/射手座の27°で正確なスクエアを形成するのだ。そして射手座の土星が位置するこの度数には銀河中心が存在する。これについてはまた追って触れることになるだろう。



≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫

        “「もし敵が一つでもミスを犯したら、我々が放つミサイルが唸りを上げ彼らを標的として飛んでいくだろう」 防空演習のさなか、イスラム革命防衛隊空軍チーフのアミール・アリ・ハジザデーが語った言葉をイラン国有のファース・ニュース・エージェンシーが報じた。イランはまた、攻撃を受けた場合はバーレーンに司令部を置く米国海軍第五艦隊をミサイルの標的にするだろうとも警告した。これはインド洋とテルアビブをカバーする米国の軍事基地だ。「これらの地点全てがイランのミサイル・システムの攻撃範囲であり、もし敵が一つでもミスを犯せば跡形も無く破壊し尽くされるだろう...」”       

― Oren Dorell
  “Iran Warns U.S. Against Hostile Actions; China Tests Missiles”
  USA Today, 2017年2月7日付

 
       “最近語られたところによると、前国防長官ロバート・ゲイツは新政権にとって最初の安全保障上の危機を生み出しそうな四つの地域を列挙した。ペルシャ湾におけるイランとの衝突、核開発をめぐる北朝鮮との対立、南シナ海における中国との戦闘、バルト海でのロシアとの衝突だ... チーム・トランプが始動して丸三週間となるが、イランとの衝突は確実にリストのトップに躍り出た...”

― Gerald F. Seib
  “Iran Moves Atop Trump’s Confrontation List”
  ウォールストリートジャーナル 2017年2月7日付


        “私達はあまりにも多くの誤りに満ちた思い違いをする。” 

  ― ヨギ・ベラ


        今週はバレンタインデーがやって来るが(2月14日)、イランがトランプ大統領からバレンタインデーのカードを受け取ったり、その逆が起きることはないだろう。ミサイルなら送り合うかもしれないが、それは愛と親しみのミサイルではなさそうだ。

先週論じたテーマの中でも米国とイラン間の緊張は高まっていると述べたが、大統領就任式、米国、そしてドナルド・トランプのチャートに基づいて私達が予測したのは、まさに1月20日の大統領就任日から時を経ずしてそれが始まるということだった。これらのチャートのどれを見てもミュータブルサインの20°〜25°が強調されており、それは正しく就任式の1日前に成立した火星・土星スクエアの位置だったのだ。米国とイランは両方共そこに火星を持っており、それは国の軍隊または軍事的衝突を支配する。ドナルド・トランプの太陽・月のオポジション(彼は月蝕生まれ)もそこに在り、近くには中国の最高指導者である習近平の太陽が在泊している。

これらのジオコズミック・サインに基づくなら、イランと米国大統領トランプ及び彼の政権の間に見られるレトリックを単なる脅しと考えてはならないだろう。これらは重大なアスペクトであり、急速に重大問題へと発展する怖れがある。『フォーキャスト2017』において長きにわたって述べたように、こうした宇宙的様相のみを見ても、トランプは容易に「戦争する大統領」となる可能性がある。これはなにも戦争が必ず起きるというわけではない。何故なら誰も究極の正確さをもって「予言」することなど出来ないからだ(予言者なら別だが、私達はそうではない)。しかしながら、その可能性は通常より高い。それは古代のアストロロジャー達によって好戦的とみなされてきた火星と土星を含む宇宙原理に対する私達の理解に基づいた判断だ。

このような流れを脱する解毒剤は何か? 単純に、戦争を仕掛ける側にならないことだ。自己抑制の訓練を行い、可能なかぎり言い合いや論争を避け、解決策を探る(短気を起こさずに)。ここで言う解決策とは、怒りや報復の念に基づくものであってはならない。火星のエネルギーは戦線布告や攻撃をしかけたり「勝利のための戦い」のみに使われるものではない。それは科学や思索の世界における胸躍るような興奮や、先進的取り組みへと繋がる新しい思考経路をも意味しているのだから。







訳文ここまで
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February 10, 2017

●2/11の満月・月食 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180° 対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのかを、あらためて見せてくれる「鏡」だと言えるかもしれません。なので満月のテーマは新月の瞬間から色濃く育っていくとも言えるでしょう。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにその経験を消化(昇華)し、エネルギーはゆっくりと静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★

エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯(ずれるなら満月前がベター)に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで2月11日09:51前後、北海道周辺で09:57前後、関西方面は09:32頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で09:03前後に獅子座22°28'06"で満月となります。

今回のテーマのベースであり、今も発効し続ける新月の大テーマについてはココをご覧ください。

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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】

*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。

【月 獅子座22°~23° + 太陽 水瓶座22°~23°】
  "A carrier pigeon" +
  "A rug placed on a floor for children to play"
『伝書鳩』+
 『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』 

  "A bareback rider" +
  "A big bear sitting down and waving all its paws"
『裸馬の乗り手』 +
  『腰を下ろして両手足を振る大熊』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期~2/25】
→★成熟の過程でステージが上がるごとに新たに必要になる忍耐心と持久力
→★ここまでは安全、ここから先は危険という境界/限界を遵守する必要
→★自分にとっての内的な拠り所、「ホーム」といえる場を再確認する
→★身を護り危険を防ぎ、安全性を高めることに気を配る必要
→★日々の緊張や喧噪を和らげる快活なユーモアや遊び心の大切さ
→★あれこれと気を散らさずに真に重要なことを見極めて進む必要
→★攻撃的な怒りの衝動や性衝動などの本能を抑制する訓練の必要
→★過度の飲酒や薬物の摂取が引き起こす危険に注意
→★自他の「動物性」「人間性」「霊性」の全てを受け入れて成熟していく
→★咄嗟の情動に負けて動くことに起因する重大な結果
→★密やかに遂行される巧みでよく訓練された戦略の存在に注意
→★デリケートで壊れやすい何かを扱うための繊細な注意力
→★気高さや優雅さと真の強靱さの共存を目指す
→★欲望むき出しの態度、または優しげで上品なふるまいの裏に隠された真意
→★あらゆる刺激に耐えて自己の内なる世界を守り育てていく・・・→


エネルギーのポイント:『アンビバレンスの克服』 

170211LEFM


        天王星・冥王星スクエアから本格的に始まったカーディナル・クライマックス。そしてそこから孵化してきた様々な変化が、世界に、そしてわたし達自身の人生や内的世界の中に、目に見える「形」をとって立ち現れようとしています(このところ、毎回同じようなことを言ってる気もするけれど...これ、特に今年はいつも頭の隅に置いておきたいアストロロジー的大前提だったりします)。 ひとによっては毎朝目覚めるたびに新しく生まれ変わっているひともいるかもしれません。それは本当に一瞬、周囲を見回して「あれ?」と感じるか感じないかという、とても微妙な感覚かもしれないけれど。。 もしも最近になってそんな感覚を抱くことがあるとしたら、自分という存在の中で本当に新しい何かが起きているのかもしれません。それはきっと素適なことだと思います。 

また、ひとによっては一つのこと(大抵はちょっとした問題点やテーマ)が頭を離れず、こころの中で絶えずループしながら悶々としている・・なんてこともあるかな。もしそんな経験をしているひとがいるなら、今回の月蝕〜次の日蝕はその問題に正面から取り組むチャンスになるかも? 「蝕」は目前に立ちはだかる巨大な非物質のウェーブに身体ごと突っ込んで通り抜けていくようなもの。外側に起きる事象をコントロールしようと思っても、そう上手くはいかないことが多いです。


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  なのでダイレクトに蝕のエネルギーを受けるひとは、大波に巻かれていろいろなものが剥がれ落ちていくような経験をする場合もあります。けれどそれは新しい世界に足を踏み入れるための一歩です。自分の視座が変わり、世界が変わり、現実も変わる(多くの場合、わたし達は逆の順序でそれを感じ取るけれど)。あるひとにとってはゴツゴツとリアルに。またあるひとにとっては精妙にデリケートに。けど、どちらのケースもその過程の中で新しく強靱な精神を育むために起こります。人生のブレークスルーはいつだって強烈な悩ましさをとことん通ってみる、その圧力によって起きるものだから。ノースノード・イクリプスの月蝕とサウスノードの日蝕。未来と過去の狭間で今を生きようとするわたし達。この先、どんな大波を通っていくのだとしても、胎内宇宙は永遠の静謐を知っています。

        さて前回の新月記事で、これから次の月蝕に向かって新しい訓練が始まりそう...なんて書いたけれど…いよいよその月蝕の満月ですね。 あ、いよいよ...とはいっても、この月蝕が今年のハイライトというわけではありません。おそらく世界的な影響力という点で最強なのはこの夏、8月に起きる日蝕でしょう。また、今回は半影月食で、蝕としての力はそれほど強いわけではありません。ただ、度数のテーマやアスペクトを見るかぎり、この月蝕と次の新月/日蝕は、今年世界に、そしてわたし達の内面に起きてくることやその課題の一端を明示しているようにも感じられます。なので、しっかり受け止めていきたいと思います。

じゃ、早速サビアン・シンボルを見ていきましょう。


★2月満月・月蝕のサビアン・シンボル★

        今回のベースとなるシンボルは獅子座22°『伝書鳩』。そして月に光を与える太陽のシンボルは水瓶座22°『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』です。これも確か2〜3年前に一度経験したシンボルですね。ただ、その時より今の方がいくぶんエネルギーは厳しくなってるかも。。 この伝書鳩は「帰巣本能」のシンボルです。どんなに遠いところからでも、初めての土地からでも、一度飛び立てば必ず自分の「ホーム」へと帰ってきます。重要なメッセージ、または何か小さくて大切なものを携えて。B.ボヴィは原語の "carrier" が化学の世界で言う "触媒" の意味を持つことに着目していました。まだ現代のように世界を繋ぐ通信環境が整っていなかった当時、伝書鳩は軍事、報道、医療用の物資運搬、そして重要な情報を人知れず伝えるためのツールとして利用されていました。その働き ― 忠実な帰巣本能とそのための飛翔能力 ― は、人間にとって次の行動を起こすための「触媒」の役割を果たしていたと言えるかもしれません。 1000kmも離れた遠隔地からさえ戻ることが出来る伝書鳩。でも、その行程には危険がいっぱいです。鷲や鷹に襲われて命を落としたり、磁気嵐で感覚器官が狂い、戻れなくなってしまう鳩達も沢山いたそうです。


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  わたし達は毎日外界に自分自身を曝して生きています。日々いろいろなことが起こっては消え、飛び交う多くの情報の中で、笑ったり怒ったり、打ちのめされて沈んでみたり。ときにはちょっぴり背伸びして遠くまで足を伸ばし、新しい冒険に挑んだりします。けれど、そんな日々の中で、いつもわたし達の支えになっているのは...「巣」「ホーム」「自分の居場所」だと感じられる何処かや、誰かとの絆ではないでしょうか。そしてそれをもう一歩掘り下げてみると、その場所や絆は...自分の記憶の「原点」として存在し続ける「何か」なのかもしれません。

        たとえ外側からどう見えようと、迷ったときに常に立ち帰ることの出来る原点を自分の内部に持ち、それを信頼するとき、わたし達は元気になります。ときにはそれが窮屈だったり、しんどかったり、我慢しなければならないような状況があったとしても。そこから遠く離れているとき、わたし達はふとその場所を思い出します。支えられてきた。今も、支えられてる...と。それは辛い状況を耐え抜く力を与えてくれるかもしれません。

このシンボルは自分の真の「ホーム」、そこに戻ればいつだってそっと羽根を休めることの出来る場を持つことの大切さ、かけがえの無さを再確認し、それを大切にしていくことを示唆しているように思います。 ん?「そんなの無いよっ!」てひともいるかな? でも、これってことばで説明したり、論理的にどうこう言うようなことじゃありません。きっと誰でもそれを何処かに持ってる。もしかしたら存在という空間の内部に。もしかしたらわたし達の体が今、生きようと頑張っているそのこと自体の中に。それがどんなものであろうと。たとえ誰が何を言おうと。「ホーム」があるからわたし達はココに存在してるんじゃないかな。


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        一方、太陽のベースとなるシンボルは『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』。暖かな家の中で遊ぶ子供達の足許には、厚くてフカフカの敷物が敷かれています。ここなら飛び跳ねても大丈夫!  転んだってケガする心配はありません。子供達は、このラグの上なら安全です。もちろん、ラグを敷いてあげた側(親、学校、保護する立場の人々)にとっても、子供達がこの上にいる限り、安心していられます。それに、イタズラな子供達に床を汚される心配だってありません。ラグの上は、誰にとってもホッと安ら げるホームみたいなもの。でも、はたして子供達はおとなしくその中だけで遊んでいられるかな?

ラグの縁は安全と危険の境界線です。そして子供達は、境界や限界をヒラリと飛び越えるのが大好き。どこだって気の向くままに駆け出していきたいのです。 いったん境界を踏み越えれば、転んで痛い思いをするかもしれません。もっと思いがけない危険だって待っているかもしれません。それを理解しておくのはとても大切なことです。でも、経験を積まなければわからないことだって世の中にはあります。 今のようなキツイ星回りの中で、安全地帯を一挙に飛び越えて行くのは暴挙かもしれません。それでも、もしそうしなければならないのなら。この期間は転ぶことも想定した上で冒険に出かけましょう。「今、ラグの外に出ている」それを知った上で慎重に行動するのと意識もせずにただ飛び出していくのとは、結果に大きな違いがあります。そして、常にユーモアや快活さを携えて未知の領域を乗り切っていきましょう。けどもし迷ったら、いつもこころの中に帰るべき場所があることを忘れないで。


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        さて、次に月が取っていくメインのエネルギーは獅子座23°『裸馬の乗り手』です。裸馬は野生の荒々しいエネルギーのシンボル。 馬がまだ馴れないうちは、乗り手と馬の間でクッション役を果たす鞍を装着することなど出来ません。この馬はまだ野性の一団から捕獲されたばかりなのでしょうか? でも、この乗り手は本能のままに荒ぶる馬を巧みに抑え、思い通りに走らせることが出来るようです。「馬を乗りこなす」ことは「自分自身に備わったパワーを統制する」ことだとB.ボヴィは言っていました。きっと裸馬の乗り手は、荒ぶる馬と自分との間に隔てるものを置かず、野性の荒々しさを受け入れ一体化することによって、それを自分のコントロール下に置くことが出来るのかもしれません。それは人間の「精神」と「本能」との闘いでもあります。

このシンボルのイメージは、半人半馬のケンタウルス族を思い起こさせるところがあります。で、ケンタウルス族の小惑星といえば、まずはカイロン。そしてこのところ様々なアスペクトを形成して活躍中?のフォルス、アスボルス、ネッソス、キラルスなど... 天上には現在発見され名付けられている半人半馬達が沢山存在します。 けれどその中で、崇高な精神と荒々しい武闘派的な衝動とを完全に統合することが出来た存在は、ヘラクレスやアスクレピオスなどギリシャ神話に出て来る英雄達の師でもあった、カイロンだけなんですね(元々彼は出自が他のケンタウルス達とは異なるのですが...)。その他のケンタウルス達は、温厚なフォルスでさえ、好奇心に負けて迂闊な行動を取り、あっけない死を迎えることになるし、他は全員が激昂した末に激しい戦いの中で凄惨な死を遂げています。


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  ケンタウルス族の惑星達は皆、「<象徴的な死>を経た末の癒しと解放」というテーマを持っています。死を迎えるまでのいきさつも死に方もそれぞれだけれど、彼らのほとんどは死を通して解放されるまで、怒り、恨み、裏切り、復讐、性的欲望や欲しいものを取らずにいられない欲動など、どちらかというと下半身的な生命力のほとばしりに殉じて生きた存在だったのではないかと思います。その豪快な躍動感は裸馬の持つエネルギーそのものです。 けれど同時に半分は人間でもあった彼らの生は、たとえ一時的な高揚感に胸躍ることがあったとしても、実は恒常的に抱える大きな痛みと哀しみを伴うものだったかもしれません。

ネイタルチャートでケンタウルス族が位置する領域は、そのひとが抱える「暴れ馬」、奥深い「傷」を意味します。何かのきっかけでその傷が疼くとき、わたし達の中の裸馬もまた蘇ります。 何か強い感情的な刺激を受けたとき。湧き起こる衝動に抗えず、傍目からは自暴自棄としか思えない行動を取るとき。 あるいは、思わずひどいことを口走ってしまうようなとき。その傷口は開き、深い開口部からは自分でも驚くほど生々しい粗野な力が湧き起こります。

わたし達は文明社会に生き、日頃はいちおう良識的な生活を送っているけれど。でも一皮剥けば、みんな半人半馬のケンタウルスかもしれません。 たとえ表面的には優雅に振る舞えたとしても、底流では縄張り争いが続いているし、支配と被支配をかけた闘争も後を絶ちません。それは広い社会に見られるだけでなく、身近な家族間にも見られるナマの姿です。 そこに愛が絡み、情がからみ、わたし達は身動きが取れなくなります。 

結局のところ、他の存在 ― 動物や植物の命によって贖われ、支えられているわたし達の生命。 それもまた自然の営み。 わたし達の中には、理性や善に向かうこころだけでなく、必ず動物としての本能が潜んでいます。それを、善・悪という二元性で割り切れるものでしょうか。 肯定と否定、生に向かうこころと死に向かうこころの全てがわたし達であり、人間として今、ここを生きるということではないでしょうか。

  「鞍=Saddle」。これは鶏やアヒルなど家禽類の腰背部の形を示すことばでもあります。 普段は馬の背にやわらかな羽毛のクッションを取り付けて、しずしずと馬を進めるわたし達。中には白馬の騎士然としたひともいます。わたし達の本能なんて、すでに理性によって飼い慣らされたアヒルのようなもの。 けれどふと気が付けば、世界の至るところに攻撃的なエネルギーが溢れています。ゲームやスポーツで「健全」に昇華することの出来ない、何か蠢くものの存在。 それはわたし達の中にも、確かに存在する。たとえそれがあからさまな暴力の形は取っていないとしても...。 それをありのままに見るとき、そこにはシンプルな野性動物の世界よりずっと厄介で、癒やされることのなかった一種の "ねじれ" が存在しているようにも思えます。


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  でも。。 もしもわたし達が裸馬の乗り手になるのなら? それが出来るとすれば、始まりは「鞍」というクッションを通さずに、自分の中に潜む矯められることのない荒々しさと向き合うことかもしれません。上半身と下半身の中間 ― 裸馬との接点 ― に持てる力を込め、意識を持って一体化し、自我を超える力で全てを呑み干す。傷をみとめ、それでもなお生きて前に進む。 語られる術を持たなかったそれぞれの何かを解き放つ。ただ、美を目指して。。  それは孤独な作業を必要とします。

一人の人間の中には、おそらく何層にも分かれた無数の多様性が存在します。その全てを見切るなんてことは、今のわたし達には不可能に思えます。それでも。自我の奥に潜む広大な存在の闇に意識を向けることも無いまま真の多様性を理解することは可能でしょうか? それをこの世界に実現することは出来るでしょうか? わたし達はこの人生で「美女」と「野獣」を統合し、いつの日か新しい人間のカタチを創り上げることが出来るでしょうか? 

…でも獣性と人間性を統合することの出来る裸馬の乗り手って、いったいどんな存在だろう? わたし達の中にそれは在るはず。もしかして...それが霊性? 
でもそれって...誰? 


        一方、対極に位置する太陽のシンボルは『腰を下ろして両手足を振る大熊』です。ぬいぐるみの熊さんは可愛いけど、本物の大熊は恐ろしい力を持つ存在です。いきなり出くわして襲われたら、ひとたまりもありません。けれどこのシンボルの大熊は、座って両方の手足を振っています。何だろう? もしかしたら、サーカスの演し物かな? 恐ろしいはずの熊も、今は観客に向かって懸命に...でもちょっぴり不器用に手足を振り、しきりに愛嬌を振りまいています。いえ、彼自身は別に愛嬌を振りまいているつもりなどないかもしれません。ただ厳しい訓練に耐え、そこで生きるために、自分に課された役割と責任を果たしているだけかもしれません。遠目から見れば愛嬌ある姿に見えても、彼の力は強大です。気軽に握手することなんて出来ません。大熊には悪気や相手を傷つける気持ちなど一切無くても、たとえ穏和な性質だったとしても、わたし達が不注意にも彼を人間と同じように扱えば、彼を怖れさせ、防御の一打を受けて大怪我をしてしまいそう。そしてその結果はいたいけな大熊の生命を奪うことにもなりかねません。。


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        このシンボルは、訓練によって耐えぬく力、衝動に負けない精神力を身に付けることを示すと同時に、相手と自分の違いをよく知り、安全と危険の垣根にデリケートな注意を払いながら共存を図ることを示唆しているように思います。 熊の手足は大きく力に満ち、美しくもあります。けれど彼はテディベアじゃない。別世界に生きるべく生まれた命です。彼には彼の生きる世界 ― ホームがあり、わたし達にはまたそれぞれのホームがあります。

腰を下ろして両手足を振り続ける大きな熊さん。わたし達が彼の内なるホームを理解し、本当の意味でこころを通い合わせることは出来るのかな? もしそんなことが可能だとしたら…..それはわたし達が自分自身の内なる宇宙の原点を見出し、そこに彼の獣性をそのまま包含し得たときなのかもしれません。


  そうそう...余談ですが、ベア・マーケットといえば金融世界では「弱気相場」を意味しますよね。これは『熊を捕らえる前に熊の皮を売るな』という、甘い見通しや安易さを諫める格言から来ていると聞いたことがあります。相場が下がると見込んで高くなったところを空売りする...まだ熊は現れないけど、とりあえず架空の皮を売ってしまうことで儲ける。そんな行為がこの格言と結び付いたのではないでしょうか。うかつな空売りは確かに大怪我のもと。けれどそれは、相場を張るひとにとっては一種の醍醐味かもしれません。けれどこれもまた、 危険と安全の境界線をよく見極めた上で、慎重にトレードプランを立てる必要があります。


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        ここまで読んでくれたひとの中には、『華やかな獅子座の満月だってのに、ずいぶんディープだなぁ...(´・ω・`) 』なんて思うひともいるかな? けど、どんな星座宮でも最後の第3ディーカンになると、成長した意識が次のステージに移行するための準備段階に入ってきます。獅子座の次は乙女座。この流れが象徴するのは、世界の中心に据えた自我を思いっきりふくらませて自分の力を創造的に表現する段階を終えていくこと、そして全体の中の小さな自分を知りつつ、細部の差異を見ながら有効に機能していく。獅子座とは高・低が転倒した「自我」と「全体」の中で、「犠牲」の真の価値を知って癒していく…そんなテーマが浮上してきます。本来なら "白馬の騎士&バラの貴婦人" がお似合いの獅子座。けれど各星座宮に共通して言えることとして、そこまで成長してきた意識に対し大体22°〜23°あたりで「待て。何か忘れてはいないか? 一度ここで立ち止まり、よく考えてごらん」という含みが顕れてきます。 いつも思うのですが、サビアン・シンボルの象徴体系を扱う際に「これで終わり」ということはありません。掘り下げれば果てしなく深く、本当に興味深いです...。


        危険と安全、衝動と忍耐、欲望と理性、強靱さと防御...様々なアンビバレンスを含む月蝕のテーマは、これからわたし達が時をかけて歩むそれぞれの道に、星々が与えてくれるカリキュラムかもしれません。 けど、わたし達はみな草原を、都市を、天空を自由に駆け巡る半人半馬のケンタウルスでもあることを忘れずにいたいと思います。彼らは乱暴者ではあったけど、戦士として豪放に生き、傷もまた生の証しとして引き受け、大いに楽しみ、散っていきました。だから。笑いと自由と胎内に踊るいのちと…やがて訪れる死さえも親しい友として...進んでいけたらいいな。今、こころからそう感じています。


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★2月満月・月蝕の星模様★

        今回の満月・月蝕図には沢山のアスペクトが形成されていて、とても賑やか。その中でまず目に付くのは、太陽・月・木星&エリス・天王星(とエケクルス)を含む長方形のアスペクト・パターン、ミスティック・レクタングル(120°, 60°, 120°, 60°)でしょうか。オポジションとなる太陽・月のテーマはサビアン・シンボルで説明した通りだけど、これに対して木星とエリス・天王星、そしてケンタウルス族の中でも蛮勇を誇るエケクルスのオポジションが、調和的なセクスタイルとトラインで繫がり合っています。じゃ、もしかして...今回のちょっと厄介そうなカリキュラムに何かしら援助のエネルギーが与えられるのかな? うーん、そうとも言えるしそうじゃないとも言えるし... 結局はわたし達次第なのだけど(^_^;。

ところでこの惑星フォーメーションは何故「ミスティック」と呼ばれるのでしょう? それにはいくつか理由があります。まず、まるで閉じられた封筒のように見えるこの形は、外側の調和的なアスペクトによって内側のハードアスペクトが封印されています。なので外から見ると、長方形を組むエネルギーが抵抗なく流れ、使われ、ポジティブな面がまず目に付きます。けれど内側の多大な緊張や葛藤は見えません。これを一人の人間に例えるなら、その場その状況、目的に適した言動が出来て気配りも対応も良く、ホッとさせるような笑いを起こすことも出来る。なので周囲のひと達からもとても信頼されてる。でも、フッと見せるその微笑みの中には不可解な影が宿っているような? 何だろう? 神秘的にさえ見える…そんな感じでしょうか。


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  また、もう一歩掘り下げて内面を見ると、そこには「永遠のアンビバレンス」とも言うべき煩悶を見てとることが出来ます。詩的に表現すれば「世界は困難で醜いことばかり。なのに世界はこんなにも美しい...」みたいな感じかな。この両極性は、永久に続く二元論の戦いになっていく傾向があります。究極の「黒か!白か!」です。その葛藤に気付いた他者が「まぁまぁそう思い詰めないで…」なんて言い、「うん。そうだよね」なんて答えたとしても、内心では聞き入れません。自分の力で謎を解かなくちゃいけないと感じるから。嵐も抑圧も鬱状態も、外側の調和的なアスペクトが衝撃を和らげ、一種の緩衝壁として働きます。だから、葛藤に対する持久力を持っています。まるで不変の防御態勢が整っているかのようです。そして自分なりのやり方で試行錯誤を繰り返し、少しずつ経験を積んでいきます。

このレクタングルはロジックとか内観とか、あるいは本で読んだ知識を役立てるようなフォーメーションではありません。どちらかというと、とりあえず何かをしてみる。その行動を通して貴重な経験を積み、意識を深めていく。...または、外側の調和的な壁に依存し、内側には蓋をして放置を決め込み、忘れる。。  けど、時を置いてこのレクタングルの一角が刺激されるとき、同じ問題が何度もループする。やがて外側から何かが起こり、とにもかくにも経験は積まれていく。 それを回避し続けることは、フォーメーション全体のエネルギーを弱らせることになるから。。。

けれど、時には堆積した緊張と葛藤が外側の調和を破って爆発し、心身共に一種のカオスに陥ることもあります。でもこれは永遠の二元論による封印を解くチャンスです。それは以前こだわっていた全てが剥げ落ちて破壊されていくような体験かもしれません。けれどその後、外側の調和的なアスペクトを通して新たな価値観が孵化していきます。ひとはこの破壊体験を通して霊的に再生する機会を得るとも言われます。これが、このフォーメーションを「ミスティック・レクタングル」と呼ぶ第2の理由です。


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  ...っと、アスペクト自体の説明でかなりの文字数を費やしてしまったけれど。 太陽・月・木星そして天王星とエリス(とケンタウルスのエケクルス)のミスティック・レクタングル。 天王星組は牡羊座(自分)、木星は天秤座(他者)。その位置をサビアン・シンボルで見ると、牡羊座の天王星とエリスが示すテーマは
・自我の解放
・新しいアイデンティティの探求 そして
・実際の必要性ではなく自我の渇きに基づいた欲望を追求する
一方エケクルスは
・世界の中心で "我ここにあり!"と叫ぶ
対する天秤座の木星がもたらす課題は
・社会や対人関係の中でいかにプライドと既得権益を守るか?
・自分に与えられて然るべきものを主張する
そして、シンボル説明で書いてきたような月と太陽のテーマ。。 


  うーん、やっぱりこのあたりの度数はなかなか難易度が高そうです。外側から覗けば二元論的、黒白論的なロジックのバランスを上手くとり、両方がちょっとずつ得をしてちょっとずつ譲るような解決策を探る動き(または心理)が見えそうだし、木星が体現する法律の上でも、行き過ぎを抑えて社会/世界を安定に導くような取り組みがなされるのかもしれません。

けれど木星は逆行に転じています。これから再びエリス(2月23日、9月19日)と天王星(3月3日、9月28日)との正確なオポジションに向かうところです。注意深くしていないと、トライン&セクスタイルが創り出す、無意識にサラサラ流れていくエネルギーに流されて問題が誇張され混乱を生んだり、良かれと思った行為がかえって対立を煽るような結果になる可能性も否めません。「上辺はどう見えようと、実際に根底に存在し続けてきた真の問題はいったい何なのか?」 困難ではあっても、いつもそこから目を離さずにいること。それが一番の鍵なのだと思います。


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        さてこのミスティック・レクタングルに対して射手座25°台の土星がオーブ2°強で小三角…ちょうど閉じられた封筒に屋根が付いたような、家の形のフォーメーションが出来ています。これも本来なら実質的な援助になる調和的なアスペクト。
この度数のテーマはひと言で言うと

「全体を統轄する基準に適い、具体性を持つ発想を通じて世界を、人生を、変容させる」
あるいは
「上に立つ者の冷徹さ/非個人性」

大きな混乱を避けるには、どうしても必要な犠牲を出すことをためらわない、ある種の冷徹さが必要になるのかもしれません。ただ気になるのはこの土星にKBOのイクシオンがタイトにコンジャンクしていることです。カイロンを除くケンタウルス族の父 ― イクシオンの象意については、新月記事のトランプ大統領のパートで触れましたね。
・どんな人間であろうと、状況次第ではどんな事だってやれる
・人間が持つ神をも怖れぬ勇気、そしてそのこと自体がはらむ愚かさ
・どんな結末に襲われても懲りない性分
・そして…「全ての善は悪をはらみ、全ての悪は善をはらむ
何度も言うように、イクシオンを黒白二元論で語ることは出来ません。語れば結論はもう「まっ黒」以外にありえないでしょう。けれどOOBと同様に、イクシオンの究極はそのどちらでもなく、またどちらでもある存在です。 彼はケンタウルス族の父。様々な傷を負い、象徴的な死とも言える体験を強いた後、壮大な癒しをもたらすと言われるケンタウルス族。彼らを生んだ父とは、そんな存在なのだと思います。


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        うーん。。 収縮させ、固め、境界線を引き、護る。射手座の縦横無尽に拡がる思想を手で触れることの出来る現実にしていこうと目論む土星の力を通じて、この月蝕の満月で下される英断、決断、行動はどんな結末を呼ぶでしょう。それは今後3カ月~半年(または1年)を経過しないと結論付けられないかもしれません。政治・社会状況を見ても、わたし達個人の人生をふり返っても、ほぐれることの無い何かしらのアンビバレンスが存在するように見える今。裸馬を勇壮に乗りこなし、すっくと丘に立てる日は来るんだろうか? まぁけど、訓練しなけりゃ何も始まりません。

        木星と月からは、魚座22°台のカイロンに対してYOD―神の指が形成されています。ということは...このカイロンに自分のエネルギーを向けていくことが、ミスティック・レクタングルの葛藤を解くもう一つの鍵になるのかな。(YODが形成されている場合は、月と木星のセミセクスタイルが創り出す、どちらかというとイージーゴーイングな解決策に固執することはあまり良い結果を生まないとされています)。

カイロンが在泊する度数のシンボルは『心霊術師が起こす心霊現象』、そしてこれに対峙する乙女座のシンボルは『動物の調教師』です。  このエネルギーを簡単に言い表すなら
・自分に活力を与える不可視の生命力に意識を集中すること
・こころの問題や精神に入り込んでくる雑多な想念、見えない領域の力に負けず、訓練によってこれを制御する
ということになります。そう、ここでもやっぱり訓練が出て来るんですね。しかも月蝕図で4室のホーム(個人の内面)に在泊する小惑星ヴェスタは、木星・天王星とはTスクエアになるけれど、同時にカイロンには調和的なトラインを形成しています。

この、内なる炎が示すテーマは...
「美しい知の世界と激しく乱れる闘争の世界、その両方に同じように存在する苦悶や葛藤を観察し、見抜き、見据える」です。あは。これもやっぱり訓練?(^_^;

え〜、もう訓練とか耳タコだよ。もういやだ〜〜!というひともいると思います。きっと。(^_^;  けど必要なことはごく自然に起きてくるんじゃないかな? 


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        じゃ、最後にもう一つのグループアスペクトに注目してみたいと思います。これはハードなマイナーアスペクトのみで形成されているレクタングルのため、特別な名称は与えられていないのですが...なんとなく "ウォリサム・レクタングル" とでも呼びたくなるような雰囲気です。その構成はセミスクエア(45°)、セスキスクエア(135°)、セミスクエア、セスキスクエア。そしてその内側に交差する2つのオポジションです。これは行き過ぎた煩悶や苦悩に囚われやすい状態を誘発するフォーメーションとされています。

本来なら、まずはオポジションとなる惑星同士が示すテーマに向かって頑張るのが本筋なのだけど、この場合は四角の外側を結ぶハードアスペクトに引っ張られて、余計な物事を抱え込んで悩んだり、他のひとの問題を自分の問題だと思い込んで巻き込まれたりしやすいと言われます。その結果、考えも行動も真っ直ぐにはいかず、過度に回り道して結局は要点が見えなくなってしまうことも。また、良かれと思って伝えたことが誤った噂を広める結果になる可能性も。。 ミスティック・レクタングルの場合は上手く使えば外側の調和的アスペクトが助けになるけれど、この "ウォリサム・レクタングル" のケースでは、問題やテーマを見極めたらそこから気を逸らさず、強い意志をもって真っ直ぐ「前」を見つめることが肝心です。

この長方形は、月のノード軸(とケンタウルス族のネッソス ― カルマの支払い)、冥王星、ケンタウルス族のキラルスとの間に形成されています。特に冥王星・キラルスのオポジションは日本の月蝕図でMCとICに乗っています。なのでマイナーアスペクトの長方形であっても、かなりの影響力があるかもしれません。そしてこのアスペクトは次の日蝕図においても引き続き成立しています。

というわけで、このフォーメーションに関してはオポジションのテーマを抽出しておこうと思います。まず月のノード軸。ノースノードは乙女座3°台、サウスノードは魚座3°台です。この度数のテーマを簡単にまとめるなら
・多くの挑戦や試練が集中する狭い道を歩むときに必要な懐の深さと忍耐力
・世界も自分も今のありのままを認め、そこに幸福を見出す能力
・物事を十把一絡げにして単純に断定してしまう視野の狭さ... でしょうか。 
ただ、サウスノードのシンボル『狭い地峡に起きる交通渋滞』は、たまに事故に関連して出て来るケースも見られます。今回はマイナーアスペクトながら冥王星とも絡むので、とりあえずこの満月期〜次の新月期は、交通・飛行機・海難その他、様々なアクシデントや誤操作に注意が必要かもしれません。


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        では次に山羊座18°台の冥王星と蟹座18°台のキラルスの軸を見てみましょう。この度数軸のテーマは
・"全体" は個々の存在価値より重要か?
・大事のために小事を犠牲にするか?という問いかけ
そして
・まだ未成熟なうちに重い責任を負うことの是非
・プレッシャーとの戦い
これは山羊座の冥王星と蟹座のキラルスという、惑星の対比にもダブルで顕れているのではないでしょうか。山羊座の冥王星は大所高所から全体を見回し、少数を犠牲にしても全体の存続を図ろうとするでしょう。けれどキラルスは?

神話に描かれるキラルスはケンタウルス族の中でも一番美しく若くハンサムで、黄金色の髪とたてがみをなびかせて走るその姿は多くのニンフ達を虜にしたそうです。けれどある日、ケンタウルス族にとっては日常茶飯事の戦いのさなか、どこからともなく降ってきた矢に射抜かれてあえなく命を落としてしまいました。そして彼を愛したケンタウルス族の娘ヒュロノメもまた、彼を射抜いた矢で自らを刺し貫き、彼の後を追いました。

こうした神話とキラルスの発見チャート、そしてケンタウルス族全体のテーマ性を総合解釈していくと、以下のような物語がシンボルとして浮かび上がります。 
 若々しい野心を抱いてこの世を楽しむ美しくゴージャスな命。そんな、誰からも愛された者が突然失われる。闘いの中で、何の意味もなく理由さえわからないままに。けれど合理的なマインドでその意味を追い求めても、きっと答は出ない。人生には、常に隠された深い意味がある。それは遠い創造の胸に抱かれた祝福だったのかもしれない。カルマを果たしきることが出来たのだから。宇宙と内界の接点を流れる大河にこころと体を預け、失うことによってやっと解放されたのだから...。

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  実際の影響力として顕れやすいキラルスの象意については、TNOやケンタウルス族研究で有名なZ.ステインやP.セジウィック、エリック・フランシスなど、比較的新しく発見された惑星群分析の先達達が、様々な事例を分析し発表しています。

たとえば ...
・個的なアイデンティティやプライド
・血統や人種、階級に関わる問題
・しかるべき理由や理屈が見当たらないのに唐突に浮上する物事
・一見無意味にさえ見えるような「損失」への怖れ
・ちょっとした変化への決断が人間関係や社会、文化全体に及ぼす変化…
などが主な事象として挙げられます。

興味深いことに、冥王星とキラルスのオポジションは2007年秋の2回のニアミスを始まりとして、2008年8月、そして10月に初めて正確な形成を果たしました。そしてその後は年に約2回ずつの正確な形成を続けながら、2020年の2回の形成を最後に全25回(!)の形成を終了し、その後は2022年〜2023年春までオーブ1°弱のニアミスを形成します。(ちなみに現行の惑星サイクルが始まったのは1863年のニアミス、そして1864年4月のたった1回のコンジャンクション形成でした。当時は南北戦争やドイツ統一戦争、日本では新撰組の池田屋事件などがありました。)

2007年〜2008年といえば、サブプライムローン危機に端を発して2008年9月のリーマンショックなど、世界をゆるがせた金融危機が起きたタイミングと重なります。その後中東ではジャスミン革命から「アラブの春」と呼ばれる現象が起き、世界はいよいよ混迷を深めていきました。

カーディナル・クライマックスの中心的役割を果たした天王星・冥王星スクエアの形成は、2012年〜2015年でした。けれどこの現象の提唱者であるメリマンさんも、実際のカーディナル・クライマックスは土星・天王星オポジションが形を取り始めた2007年末〜2008年に始まり、2020年〜2022年ごろまでその余韻は続くだろうと書いています。つまり、冥王星・キラルスのオポジションは、まるで今回のカーディナル・クライマックスのとば口から最終的な出口までを "見届ける" ような形で形成され続けるということになります。


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  なので、この冥王星・キラルスのペアは、「世界を覆う壮大な変化の波」という大背景をまず念頭におき、その文脈の中に生きるわたし達の個人的体験や心理...という見方をしていくのが良さそうです。日本の月蝕図で黄道帯の最高点(MC)と底点(IC)に位置する山羊座の冥王星と蟹座のキラルス。それは日本という国全体を護るための破壊や犠牲に対し、痛みや損失を強いられる側の個としての叫びとも取れるし、また、抗いようのない抑圧にさらされて壊れ、変化し、その結果として成熟を強いられていく、未だいたいけな若い自我のようにも見えます。

このエネルギーが個人に影響するときは、そのひとそれぞれの心理や事情によって様々に翻訳されるでしょう。それは大きなプレッシャーとなってのしかかるかもしれません。もし押し潰されそうになったら、こう考えてください。『押し潰されるのは自分じゃない。自分の内的宇宙にずっと立ちはだかり、進むことを阻んできた見えない壁なんだ』と。


  アラブの春、そしてここ数年世界各地で勃発するテロ事件や銃乱射の犠牲になった数多くの生命。戦いの中で命を落としたひと達。また地震、津波、火山噴火などの自然現象で失われた生命や平穏な生活。集合体として、個として、人生に突如として起きる予測不可能な破壊をいやでも受け入れていかねばならないわたし達。そして... 自我がどれほどへこたれようとも、灰の中から立ち上がることを促してくる内なる生命の火...。この惑星ペアには、人類の旅の壮大さと、その道をひととき共に歩む小さなわたし達の姿が反映されているような気もします。

このクライマックス期間中に他に類を見ないほど何度も形成される冥王星・キラルスのオポジション。はるか彼方の軌道を回る彼らは、もしかしたら、世界が音を立てて変わっていく渦中でふと立ち止まり「個」としての自分自身と「全体」の中のわたし達(We are the world)の折り合いをどうつけていくのか? 何を創造していくのか? という問いかけに耳を傾けるよう、遠い宇宙からわたし達に語りかけているのかもしれません。そして、「受け入れて、なおも逞しく生きよ」と。。


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        ところで。。 ちとおまけの情報です。銀河アストロロジャーのP.セジウィックによれば、1994年に発見された冥王星型の小さな天体が、わりと最近になってやっと名前をもらったそうです。その名はNo.15810『アラウン(アーラウン)』。アラウンはケルト神話に出て来る異界アンヌンの王で、死者の魂を追って飛ぶ地獄の猟犬達を引き連れていて、人間がひとたびその犬の吠え声を聞いたら、もう死すべき運命からは逃れられないのだとか。その吠え声は遠くにいる時は激しく恐ろしく、いよいよ近付いてくると、とても優しく柔らかな声質になるといいます。冥王星との共鳴軌道を持つアラウンは、その誕生もまた冥王星と同じ頃だろうと言われています。

現在そのアラウンが在泊するのは山羊座16°台。あらら、冥王星にすごく近い。。 この2天体の軌道はかなり近接しているので、このコンジャンクションは長期にわたって継続するでしょう。こうして、冥王星は天文学者マイク・ブラウンの言う「もう1つの冥王星」オルクスに加え、またもう1つの仲間(または使者?)を迎え入れたことになります。冥王星、オルクス、アラウンと3人揃った冥界の王様。今後は冥王星的な力がさらに増していくのかもしれません。


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  P.セジウィックはアラウンの持つ惑星ノード(獅子座と射手座)の解析から、その象意を以下の様に説明しています。
・エゴ的な言動と魂レベルの葛藤に関わる問題
・内側に抱える魂レベルの火とそれを現実に活かしていく火のような信条
・人や物事の裏に潜む本当の動機や目的、理由を識別していく必要性
・行間ににじみ出る意図を見破る努力
・良きにつけ悪しきにつけ、こころを騒がせ反応させる物事の真実性に今までよりもっと注意を払う必要

つまり『もっと深く観よ。もっと魂に誠実であれ。』ってことかな。。


  アラウンのように最近発見され名付けられた天体は沢山あります。そしてそのどれもが、ここ数年間の内に様々なアスペクトを組んでその真の象意を顕在化させてくるでしょう。多くの先達者達に学びながら、わたし達もまた自分の体験に照らし合わせ、より深く人生やひとの行く末を考えていければ...そんなふうに思う満月・月蝕の前夜。 

そういえば月蝕図のアセンダントは牡羊座29°台。二つの顔を持つ神、ヤヌス度数です。 後ろに下がりたい。このまんま動きたくない。変わりたくない。そんな圧力も強力で、目前の境界線をまたいで進むにはエネルギーと勇気がいるけれど。でも、この度数はその内奥に不退転の確かな決意を秘めています。

ちょっぴり厳しいエネルギーも放射される月蝕だけど、キツイひとは負けないで。楽しんでるひとは、いっぱいにハートを開いて。獅子座の満月らしく、胸を張っていきましょう!!



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have a great eclipse!!!★

hiyoka(^_^


February 05, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント2/6【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2017年2月6日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫

        “米労働統計局が金曜に発表した1月の非農業部門雇用は227,000増となり、一方失業率は4.8%に上った。ロイターによるエコノミスト調査の予想は12月の57,000に比べて175,000の雇用増だった… しかしながら、賃金上昇は多少抑制気味で、平均時間給の上昇はたったの3%、年間ベースでは2.5%に過ぎなかった。週ベースの平均労働時間は以前と変わらず34.4時間だった。今月は19の州で最低賃金法が成立したにもかかわらず、賃金上昇率は低下した。”

― “US Created 227,000 Jobs in January, vs 175,000 Jobs Expected”
  Jeff Cox, CNBC 2017年2月3日付


        このニュースを受けて、米国株式市場は急上昇で始まった。金曜の発表前は精彩を欠いていたダウ工業平均は、3桁の上昇をみた。その他、世界のいくつかの株式指数は前週1月27日に起きた金星・土星スクエアに向けて数ヶ月ぶり〜数年ぶりの高値をつけた後、先週はほとんどが下落していた。

先週の金と銀は依然として強く、2月2日木曜には両方共に11月以来の最高値水準に達したが、金曜の雇用統計後はわずかに下げている。ユーロも似たような動きを見せ、2月2日に12月8日以来の最高値水準1.0828に達した。原油もまた、1月3日新年最初の取引日以来の最高値に達している。1月3日はMMAの★★★ジオコズミック重要変化日だった。

ふり返れば先週は中国の新年、鶏の年でもあり、市場にとっては良い週だったと言えよう。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

        とはいえ、天王星に新しい象意「カオス」を与えつつある米国の新大統領にとってはあまり良い週とは言えなかった。前週、彼はその信じがたいほどの働きぶりとエネルギーで多くの人々を驚嘆させた。しかしながら、決定がもたらす結果を見据える目を持って隅々まで考慮を重ね、巧みに遂行すること無しにこうした電撃的試みを実行すれば、そこには負の側面が浮上する可能性が大だ。したがって、先週は彼が公表した特定のイスラム教国に対する渡航禁止を受けて壮大な混乱状態が始まり、木曜のウォールストリートジャーナルに掲載されたカール・ローヴの言葉によれば「… 何百人ものビザ所持者が中間地帯で立ち往生中」だという。ローヴはジョージ・W・ブッシュ政権内で働いた経験を持つ確固たる共和党員だが、自分の記事に『ホワイトハウスの素人演芸会』という表題を付けている。こうした混沌状態が金曜の雇用統計前の弱い市場に影響していたのかもしれない。

株式市場は強さを見せて週を終え、現在2月6日の木星逆行開始とその後2月11日(週末)に起きる太陽・木星トラインに向かっている。通常であれば、これは株価が上昇してこの時期にそこそこ重要な天井をつける可能性を示唆する。しかし、これからの時期は宇宙的構図からすれば通常の時ではない。何故なら今後3週間の内に、今年最強のジオコズミック的展開が控えているからだ。理解を深めるために、先週のコメントでこの時期について言及した箇所を抜粋しておこう。

        “この期間は2月26日に強力な日蝕(サウスノード・イクリプス)が起きる。サウスノードの蝕は通常、ノースノードのそれより困難な事が多いとされ、また今回は火星・天王星コンジャンクションが木星と冥王星にTスクエアを形成する真っ最中に起きる…. これは世界に大きな出来事が持ち上がったり、何かが崩壊や分裂することの象徴であり、母なる大自然に起きる同様の原動力とも同期するかもしれない。潜在的な危機が懸念されるこのような時期にリスクを取るのはあまり良いとは言えない。”

        宇宙からやってくる嵐はこれだけでは終わらない。木星・天王星オポジションの2回目の正確な形成が3月2日に起こり、その後金星が3月4日に逆行に転じる。木星と天王星のオポジションは、米株市場のプライマリーサイクルかそれ以上のサイクルとの相関性においては前後12取引日のオーブをもって最強を誇るアスペクトだ。一方、金星逆行もそれに迫る強度を持ち、やはり前後12取引日をもってプライマリーまたはそれ以上のサイクルとの相関性を見せる5つのシグナルの内の一つだ。これら2種のジオコズミック・サインが互いに時を置かずして起き、それが海王星とコンジャンクト(2月26日~3月1日)して起きる日蝕の週だという事実は、それ自体でもう一つのレベル1ジオコズミック・サインとなる。もし今の私達がカオスと混乱を経験していると言うなら、この時期には何が起きるのか。ただ想像するほかない。

しかしながら、こうした物事は何もホワイトハウス発ばかりとは限らない可能性がある。FRBのような中央銀行による発表が巻き起こす混乱も考え得る。この金星逆行は、黄道帯の同じ領域で逆行が起きる8年サイクルの一部だ。つまり前回これが起きたのは2009年3月6日で、大不況(グレート・リセッション)下の株の底値ポイントだった。そこから現在の強気相場が始まったのだ。もしこの強気相場が2017年3月4日近辺で終わるとすれば、それはこのサイクルの次相の始まりであり、対称性を持って展開するだろう。



≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫

        “トランプ政権はイランの多数の企業や個人に対する新たな制裁を科して米国とテヘラン間の緊張を高めた。”

― “U.S. to Hit Iran With New Sanctions”
   Jay Solomon, ウォールストリートジャーナル 2017年2月3日付


        これは『フォーキャスト2017』と先週開催したウェビナーの中で私達が取り上げた問題の一つだ。2017年1月20日正午に行われたトランプ大統領の就任式は、射手座・魚座(ミュータブルサイン)23°〜24°の火星・土星スクエアの下だった。火星は戦争の神であり、土星は抵抗を意味する。これらが共に働く時は、地政学的緊張と軍事衝突の潜在性を意味する惑星達となることが知られている。これは就任式のイベントチャートなので、そのエネルギーは今後4年間有効だ。この火星・土星スクエアは、これもミュータブルサイン、双子座と乙女座の20°〜22°に位置する米国始原図の火星・海王星スクエアとグランドスクエアを形成している。国家チャートの火星は戦争と攻撃の能力を反映する。したがって私達は、この政権の第一期目に米国が戦争する通常より大きな可能性を即座に見てとることが出来る。

        イランの現政府は1979年4月1日に "生まれ" た。その日、火星は魚座25°、海王星は射手座20° ― 2017年の米国大統領就任式図、そして米国始原図の両惑星と同様にミュータブルサインに在泊し、互いにオーブ圏内に入る。この比較でも火星が強調されており、米国始原図にはグランドスクエアを形成している。それではまだ足りないとでも言わんばかりに、トランプ大統領の出生図は彼が同じミュータブルサインである双子座・射手座間で成立した月蝕の下に生まれたことを示しており、その度数さえも合致している。だが待てよ?! 2017年の8月21に起きる日蝕は米国の中央部を横切り、火星とコンジャンクトだ ― そしてそれは、ドナルド・トランプ出生図の火星・アセンダントのコンジャンクション、獅子座26°〜29°で起きるのだ。

なんと多くのチャートに多くの火星が強調されていることか。もちろん、だからといって必ず戦争が起きるというわけではない。だがおそらくトランプ氏とイラン指導部は、双方とも後へは引かないことを賢くも理解しているだろう。もし緊張と闘争的な精神が増大すれば、それは容易に沸点に達し、軍事行動への高い可能性が生じる。そこから利益を得るのは武器兵器の製造業者、そして互いをけしかけて闘わせブラックマーケットで暴利を貪る者達のみだ。







訳文ここまで
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January 27, 2017

○1/28の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
    例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで  1月28日09:26前後、北海道周辺で 09:33前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は09:07前後、沖縄周辺では08:37前後に水瓶座 08°15’で新月となります。


前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマ 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 水瓶座8°~9° ー 発効期:1/28~2/10 】
  "Beautifully gowned wax figures"
『イブニングドレスで着飾ったロウ人形』

  "A flag turned into an eagle"
『鷲に姿を変えた旗』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★水面下に存在する何かを覆い隠すために取る意図的な態度
→★熱をこめて語られる空疎な理想またはアイデア
→★過去の方法論や成功体験に囚われて目の前の現実を見失う危険
→★思いやりや道徳的な言葉に隠された「自分こそが正しい」という本音
→★失敗と成功、何度も繰り返される試行錯誤を耐えてなおも進む強さ
→★煽り立てる/熱を冷ます、押す/引くのタイミングに注意を払う
→★吹き付ける風の中で刷新の内なる炎を大切に燃やし続ける
→★華やかさにはもろさが共存していることへの気付き
→★感情も理性も超えた特別な意識の高まりを要する事態
→★あらゆる種類の「浅薄さ」を避ける必要
→★自分が拠って立つアイデンティティに新たな生命力を吹き込む必要
→★倒れても息がある内は回復出来るという自信とバネを保ち続ける必要
→★不屈の情熱と柔軟な適応力を駆使して事にあたる
→★見るもの、聞くもの全てが現実とはかけ離れている可能性への気付き
→★衝突や煽り立てるような雰囲気に踊らされる危険
→★抑制の利いたこころで賢く立ち回りデリケートな問題に対処する
→★迷ったり抵抗を感じた時は常に自分の出発点に立ち戻って考える
→★ルールや束縛の中で自分自身が成長していくことへの気付き・・・→


エネルギーのポイント:『内なる反動を創造性に変容させる挑戦』

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        今年に入って初めての新月。けどもうすでに世界は騒然としているようです。長い間世界の大国として影響力を奮ってきた米国に新しい大統領が誕生し、ニュースは連日彼の一挙手一投足を報じ、多くの知識人達が世界の政治、経済、金融、社会情勢に与えるインパクトをあれこれと論じています。その間にも、世界各地では沢山のことが起き、漠とした不安が漂う中でわたし達個人の人生にもそれぞれに、日々新たなチャレンジが…ささやかに、または突然の雷鳴のように、やって来ます。 ここしばらく続いてきた「火・水・分裂・爆発」のテーマは、様々に姿を変えながら今年、ますます現実味を帯びて立ち現れるでしょう。

でもそれは、字面から感じられるような破壊的な物事ばかりではないと思います。天王星・冥王星スクエアから始まったカーディナル・クライマックス。そこからここ数年をかけて孵化していく様々な事象の中で、世界においても、わたし達の内面においても、壊れるものは壊れていきます。その灰の中から何を芽生えさせるのか?  ひとりひとりが選んだ限られた人生の中で、「ここ」に何を創り、何を見ようとして生まれて来たのか?  そんな根本的な問題を、あらためて強く問い直さなければならない日々が始まる。新月前の未明に水星が逆行のシャドウを抜け、新しい思考経験を求めて進もうとする今...そんなことを感じています。


星空



★1月新月のサビアン・シンボル★


        さて、今回の新月は社会的な交流の座である水瓶座8°~9°で起こります。ベースとなる8°のシンボルは『イブニングドレスで着飾ったロウ人形』。 このテーマをわたし達は2015年の夏にも経験しています。 その時のシンボル解説を少し変えつつ、もう一度掲載してみますね。


        …このシンボルで語られるロウ人形は、マダム・タッソーのロウ人形館で見られるような有名人のフィギュアともとれるけれど、おそらくは素敵なドレスを売るためのマネキンではな いかと思います。1925年当時、デパートや大手衣料店のウィンドウを飾っていたのはリアルなロウ人形だったからです(今もEbayあたりでは、ロウ製マ ネキンの頭やトルソがアンティークとして販売されています。それを見ると、ロウ独特の半透明な皮膚感と、時代を感じさせる優しげな笑顔がかえって少し怖 かったりするのですが……^_^;)。



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  マネキンはスタイル抜群! そして、その時々の雰囲気や好みをよく研究し、それに基づいてデザインされた顔を持っています。だからゴージャスなイブニングドレスをまとったその姿を見 て、わたし達はこれが自分だったら…って想像し、ちょっぴり夢をみますw。「いいなぁ、この服。もしかしたら自分が着てもカッコ良く見えるんじゃないか な?」 そして、そんな個人的な願望と売る側の欲望が火花を散らし、カチッとはまったとき、ドレスは売れていきます。。 

ロウは型に流し 込んだり練り上げたりして色々な形に創り上げることが出来ます。そのロウは原語で "Wax"。また、よくアストロロジーでは "ワクシングスクエア" のアスペクトなんていいますよね。これもやはり"Wax"で、「満ちる」という意味を持っています。ワクシング・ムーンは満月に向かってだんだん太り、大 きくなっていく月のことです。そのとき、月はある特定の雰囲気を創り出し、盛り上げ、強い引力でわたし達の想いや感情を特定の色に染めていきます。


  B.ボヴィはこのエネルギーを説明するにあたって「マディソンアベニュー・スマート」という言葉を使っていました。1960年代の広告業界を描いた米国 TVドラマ「マッドメン」を見たことのあるひとには、きっとその雰囲気が伝わるかも? これはいわゆる「広告業界のやり手」または「広告業界ノリ」という 感じの言い回しです。広告って、その商品が持つ魅力をどれだけ多くのひと達に伝えるか、手に入れたい!と思わせるかの勝負。そのために、市場調査会社から 一匹狼のアーティストまで、あらゆるジャンルのプロ達が腕にヨリをかけて創り上げるものです。そして、何度かのプレゼンテーションを経て、幾通りかのパ ターンの中から「これだ!」という「作品」を選び出します(たとえそれが新人スターの売り出しキャンペーンであっても、出来上がったものはひとつの「作品」です)。


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  マーケティングの専門家達は時代がもてはやす外見を感知し、型にとり、理想のヒトガタを創り出します。そしてその時代の要請と生産性、コストに見合ったパターンを創り上げ、ド レスという商品が持つ魅力の粋を多くのひと達に見せつけます。彼らは顧客達のセルフ・プロデュースの夢をかき立てていくビジネス集団です。わたし達に新しいステキなアイデンティティを与えてくれるんです。けど…にこやかに微笑むロウ人形の半透明の皮膚の下には、お金を儲けるという "資本主義の夢" が息づいているんですね(ちなみにこの度数の対向、獅子座8°のシンボルには興味深いことに "共産主義の夢" が描かれています)。

わたし達は、今までに見たこともないような煌びやかな衣装をまとったマネキン人形を見て、こころを奪われるかもしれません。「うわぁ、こんな世界があったんだ!ステキ だなぁ。自分もこんな風でありたい。こんな世界に入ってみたいなぁ。。」子供達はプロの大人達が提供する美しい理想の世界に憧れ、ステキな服を手に入れようと一生懸命頑張るかもしれません。あるいはいつの間にかプロの大人達の世界に入り込み、広告宣伝という、理想世界を提供する 側になっているかもしれません。けれどその夢を、美しいメッセージを、生産し続けているのは誰なのでしょう? わたし達自身の「夢」の核はどこにあるので しょう? ロウ人形はリアルであればあるほど、美しければ美しいほど、その内側に死のイメージを内包します。それは何故なのでしょう?


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        さて太陽と月は次のシンボル、水瓶座9°の『鷲に姿を変えた旗』をとっていきます。あれ?これも前に一度経験したっけ? いえ、このシンボルは初めてです。以前経験したシンボルは射手座12°の『高らかに鳴く鷲に姿を変える旗』でした。この二つのシンボルは本当によく似ていて、その違いは、水瓶座はすでに鷲に変わってしまった旗を指すのに対し、射手座の方は鷲に変化するという旗の性質に重点を置いているように見えること。そして水瓶座がただ「鷲」であるのに対して、射手座の方は「高らかに鳴く鷲」であることでしょうか。

鷲が高らかに声をあげて鳴く "an eagle clows" というとき、この "clow" には「自慢する」「得意になる」「勝ち誇る」「大言壮語する」という意味が含まれます。なので射手座の12°に出て来る鷲は、大きな声をあげて自分を主張したり、外の世界に対してはっきりと意志表示していくようなイメージです。 けれどこの水瓶座 ―  "We the people"  ― に来て再び顕れ出た鷲は、「旗」という抽象的なシンボル ― 理想、スローガン ― から、現実に血の通う生命体へ、獲物を狙う鋭い眼光(冷徹さ)と力強い翼、鋭い爪を持つ、個としてのなまなましい強靱さへの変容そのものを象徴しているようです。ここには王者としてのプライド、勇気、リーダーシップ、ゆるぎない高貴さなど、わたし達が社会の中で生き抜く上でひとつの理想となるイメージを、どう使って生きていくか?という問いかけがあるように思えます。

「旗」、それはわたし達それぞれが抱える夢、理想をイメージ化した「しるし」。国旗や団体旗、部族旗や軍旗のように、自分達が誰であり、何を理想としてどのグループに属しているかの証しです。そして憧れやプライドを喚起するシンボルでもあります。

それと同じように、わたし達ひとりひとりもまた、こころの内にそれぞれの「旗」を掲げて生きているのかもしれません。 あるひとはくっきりと描いた紋章入りの旗。またあるひとは、レースのように繊細で様々に色の変わる捉えどころのない旗。重厚な錦の旗、あるいはくたびれて少し汚れてしまった旗…。 質、素材、色… この世界には、本当に多種多様で無数の旗がはためいています。たとえばSNSなどで使うアバターやアイコンにしても、一種の「旗」だと言えるかもしれません。そしてそれは、わたし達が意識・無意識を問わず選択したアイデンティティでもあります。


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  「理想」はあるときは大きく膨らみ鷲のように空高く舞い上がります。またあるときは失望にうちひしがれ、溶け崩れます。それはある意味、人生の中でわたし達が繰り返す、周期的な精神の運動なのかもしれません。それは時間をかけて大きな螺旋を描きながら、わたし達という存在を形作っていきます。

けれど今 このシンボルに至って、いのちを持たない抽象としての「旗」は、生身の「鷲」へと変化を遂げました。鷲はこの現実を生きる、いのちあるものです。強力な猛禽類の王者として生態系に君臨する捕食者であっても、細心の注意力を払っていなければ厳しい野性の世界で生き抜くことは困難でしょう。自然界は、毎日が命懸けの世界。鷲は大空高く舞いながら下界の状況を見極めます。繊細な知覚と、狙った行動を取るときに必要な決断力、容赦のなさ。(実際、獲物となる生物から見た捕食者はこの上なく非情です)

わたし達は「自分が自分であること」そのものを、この人生を通して現実に創り上げていくために、たぶんここに居る......ずっとずっと手探りしてきたけれど、もしかしたら、そろそろ「鷲」として世界を眺め渡すときが来ているのかもしれない。。 

わたし達人間は、美しく尊い理想を抱いて生きるための知性を発展させてきました。けれどわたし達は同時に、生態系の頂上に君臨する強力な捕食者でもあります。その極北ともいえる両方の性質を存在の内に宿すからこそ、歴史が創られ、今の世界があり、そこから葛藤が生まれ、よりよく生き、よりよく死にたいという願いも生まれるのではないでしょうか。

多様で色とりどりの旗 ― わたし達は、風を受けてはためいたり、半旗のように沈みこんだりしながら、その色と紋章を少しずつ変えていくでしょう。けれど内なる旗の存在は永遠です。何故ならそれは「抽象」だから。でも今、それぞれの小さな旗は、再び新たな鷲へと変容しようとしています。猛々しく賢く、時に繊細で忍耐強く。そして限りある時といのちのはかなさを知る、孤高の存在へ。 一羽の内なる鷲を抱いて、わたし達はこれから全く新しい現実の冒険へと旅立つのかもしれません。そしてそれは、今まで掲げてきた既知の旗を染め変え、創り変えていく作業でもあるのだと思います。

さぁこれから2月11日に控えた月蝕に向けて、新しい訓練が始まるかも?!!(^_^


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★1月新月の星模様 ★

【主な惑星スケジュール】
 1月28日02:14 水星が逆行のシャドウ抜け
 1月28日02:49 金星・土星スクエア
 1月28日14:39 火星が牡羊座入り
 2月6日15:52 木星逆行開始(天秤座23°08〜恒星スピカとコンジャンクト)
 
【アスペクトから浮かび上がるあれこれ】
突然噴出する出来事/女性にまつわる問題と怒り/舞台裏で激しく動く政治的応酬/ゴールに達するための狭き門を巡る闘争/事故や暴力の危険/大衆の分化〜相容れない人々の相違が鮮明になっていく/隠される事実/世界を変えるための偏執的欲望/etc.


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        そうえいばもう随分前に、カーディナルクライマックスで米国のひと達が本当に変化を望むとすればトランプさんが当選するんじゃないかな?なんてツイートしたことがありました。何故ならトランプ氏はまさに天王星そのもの。その彼が大統領職に就くということは、天王星が冥王星の力を使うということ。それはカーディナル・クライマックスの申し子が生まれるようなものだから。世界中が色んな側面で行き詰まっている今、世界に大きな影響力を持つ米国の集合意識は率先して(おそらく無意識の内に)リスクを負ってでも変化と混沌を選ぶことになるのではないか?と。その時点で確信があったわけではないのですが…(^_^;

下馬評では勝ち目の無かったトランプ氏が結果的に勝って(このこと自体が米国の選挙制度が孕む矛盾を浮き彫りにしたわけだけれど ― 天王星・エリス)、世界のメディアは連日大騒ぎです。リベラル・バイアスの強いCNNなど、就任式直前にトランプ暗殺を煽るような報道までして物議を醸していたし、実際就任式当日は黒服に身を固めたアナーキスト集団と見られる人々が暴れまわっていました。

トランプ大統領の誕生後、公約通りこれまでのオバマ政権下の路線を覆す政策が強引かつ矢継ぎ早にサインされていく中、様々なニュースサイトやTwitterでは、平和や融合をうたってきたリベラル派の活動家から『トランプはナチだ。だから新たなヒトラーの台頭を防ぐために暴力的な手段を取るのは良いことだ。何故なら彼らが暴れたおかげでその後に各地で行われた "ウィメンズ・マーチ" が世界中に好い印象で受け入れられた。光を目立たせるためには影が必要なことを私達は考えに入れるべきだ』などという意見が出ていて、うーん…そうなのかと。。 古いものが皆壊れていくかもしれない今、もっと足許を深く掘り下げないまま、手段や戦略の方に目を向けていていいんだろうか?とも。。。


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  ただ、ウィメンズ・マーチの集会で行われたセレブ女性達によるスピーチの中には男性への呪詛に満ちた詩の朗読もあり(大受けしていましたが)、その迫力たっぷりに演じられたパフォーマンスを観ていると、そこに上辺には見えにくい、そして日本とはまた趣を異にする、凄まじい性的闘争(あるいはレイプ・カルチャーと呼ばれる状況)を見て取れるようにも感じました(おそらくそれを演じていた元女優の活動家自身も、その瞬間、自分が人生のその一瞬にこなすべき役割 ― 強力なテーマを秘めた政治的「作品」/美しいロウ人形  ― を演じきっていたのだと思います。)。 そして歓声をあげ、ピンクのプラカードや旗の下に一体化し、アイデンティティを確認し合う参加者達。 そうした怒りが噴出する一方ではまた、「ウィメンズ・マーチへの参加体験はまるでオーガズムにも似た宇宙との統合体験だった」という声も出ていました。その気持ちはなんとなくわかるような気がします。

閉じられていた蓋が開き、それぞれに封じていたものが噴出する。今はそんなとき。でも…その後は? 出すべきものを出すことが出来るハレの日が終わった、その後は? 掲げられたプラカードや旗は、果たして生き生きとした本物の鷲に変わることが出来るでしょうか? それはこの先も、幾度となく訪れる大きなチャレンジとして問われ続けるのだと思います。


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  火星・土星スクエアが終わり、魚座を進んで来た火星がイクシオン、ジュノー、フォルスと立て続けにスクエアを形成してきたここ数日、全体の雰囲気には、怒りが怒りを呼び、たとえどんな正論が声高に叫ばれたとしても、結局のところ「闘争」それ自体が、それに何らかのかたちで関わる自分のアイデンティティ確認や気持ちの拠り所となっていくような危険があると思います。

たとえばヒトラー? たとえばナチス? 自分が憎しみを感じる対象を「悪」のシンボルとされる名称で呼ぶことによって、わたし達は自分の感情や行為を簡単に合理化することが出来ます。現実を見れば、悲惨な物事は身の回りに沢山存在します。けれどその「悪」はいったいどこから来ているんだろう? 人々が目指しているはずの「愛」はどこに生まれるんだろう? いや、いざ現実の悪を排除するためならそんなことは言っていられない! その通りです。わたし達は何か悪いことが起きそうで不安なとき、無意識に記憶をたぐり寄せ、いつか来た道を辿ります。人生の中で。人類の歴史の中で。たぶん、勝つために。そして護るために。たとえそれが結果的には同じことの繰り返しかもしれなくても。確かに闘わなければならない状況は厳然とやってきます。けれど、もうこの足許にはいつか来た道などどこにも存在しない...としたら? 

        トランプというひとは予測不能の天王星タイプであり、幾度も浮沈を繰り返し、修羅場を経験してきたビジネスマンです。それも、かなり異形のビジネスマンではないでしょうか。毀誉褒貶かまびすしい中、今のところ、米国が誇る「民主主義」の中で、渦中の大統領はヒトラーでもなければKKKにもなっていません。ただ彼は、「時代の特異点」となる宿命を負って生まれたかもしれないひとだとは思います。もし彼が米国の政治制度の中で非情で凄惨な独裁者になるのだとすれば、そんな彼自身と彼をそう仕立て上げていく流れに力を貸すのは、反トランプなら何をしても正義だと叫ぶ大衆かもしれません。ナチスにあれだけの力を与えたのは当時のドイツの民衆だったように。賛同や崇拝だけが抑圧や強圧的リーダーを生むのではなく、自分自身を含む人間という存在への深い怖れと不信、その投影と反動もまた、わたし達の行く道に暗い影を落としてきました。


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『善はすべからく悪をはらみ、悪はすべからく善をはらむ』

これは今回の新月で土星がコンジャンクト(オーブ1°強)するイクシオンに見られる深い象意のひとつです。このアスペクトの正確な形成は全3回。2017年2月15日、6月6日、10月30日です。そしてトランプ大統領は、このイクシオンの影響も強く受けています。 わたし達はトランプ騒動で幕を開けたこの2017年から、イクシオンが示唆するこの命題を何度となく意識させられるのかもしれません。



        さてと。こんなタイミングでもあるし、ここでトランプ大統領のネイタル・チャートを見てみましょうか。といっても、いわゆる10惑星を使っての分析は『フォーキャスト2017』や、もう少し後で出版予定の電子本『マンデーン2017』でメリマンさんによる詳しい解説を読むことが出来ます。 なのでここでは、彼のチャートで最も注目すべき他の要素について少しだけ見てみたいと思います。

注目すべき要素のひとつ。それは彼がアセンダント上に「恒星レグルス」を持っていることです。これは古来からロイヤル・スター、または帝王星と呼ばれる星。良くも悪くも歴史に名を残したり、あるジャンルで大きな功績を挙げたり、影響力を誇るビッグネームとなる宿命を持つと言われる星です。

著名アストロロジャーの一人で恒星研究に生涯を捧げたダイアナ・K・ローゼンバーグの研究によれば、ネイタル・チャート上で何らかのかたちでレグルスが強調されている歴史上の人物は多岐にわたり、数多く存在します。


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  たとえば… アレキサンダー大王、徳川家康、オリバー・クロムウェル、カール大帝(フランク王国)、スチュワート朝最後の女王アン、ロマノフ朝のアレクサンドル1世、ロスチャイルド男爵、大正天皇、昭和天皇、マーガレット・サッチャー、リンドン・ジョンソン、イスラエルの軍人宰相シャロンなど、枚挙に暇がありません。

また王侯貴族や政治家だけではなく、軍人や革命家、活動家、世界的な大実業家(ビル・ゲイツ、ロイター通信社を創立したポール・ロイターなど)、宇宙飛行士なども輩出しています。たとえば世界最初のエベレスト登頂者ヒラリー卿、また悪漢として名高いビリー・ザ・キッドやメキシコの革命家パンチョ・ヴィッラも強いレグルスを持っていたそうです。

マンデーン・アストロロジーにおいても、この恒星が強調されるときは歴史上大きな革命や戦争、あるいは世界を変えるような冒険的試みがなされてきたようです(米国独立戦争の契機となったレキシントンの戦いなど)。

私見として、レグルスが放射するエネルギーを簡単に表現するとしたら
 「自分が "王" であることを生まれながらに(自我以前に)"知って"いる状態」
 「権力の本質を良くも悪くも心得ている」
 「常人を超えた(ときに妄想的とも言える)決断力」
 「怖れを知らない」「勇気」「自分が思った事を貫く」
 「破壊的な壁や敵に立ち向かい、破壊する」
 「変革者」 「頑固」 「独自のビジョン」
 「欲するものは必ず手に入れる」「支配かそれとも死かという精神」
 「戦士としての王/リーダー」「不屈さと非情さ」

などと形容出来そうです。おそらくトランプ氏は、幼少時から無意識下でこのレグルスの影響を強く受け続け、その基本的な人格形成期を過ごして来たのではないでしょうか。


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        ここで重要なのは、恒星は惑星と違って1°動くにも長大な時間を要することです。なので、土星以降の遅い惑星は世代的なものと考えられ、レグルスとコンジャンクトしていても、その人の個性にはなり得ません。また、コンジャクトする惑星や感受点、そのアスペクト次第では、上記のような特徴の表れが抑えられるケースもあります。

たとえば、オバマ前大統領もレグルスが強調されたネイタルを持っています。けれど彼の場合、コンジャンクトしているのは月のノース・ノードでした(オーブ2°)。これはどちらかというと今生、努力して目指さなければならない境地を意味します。彼は一生を通じて「王者としての強さと有無を言わせぬ決断力」を発揮しなければならないという「課題」を抱えている…と読めます。

トランプ大統領の場合、レグルスとコンジャンクトしているのは4分に1°動くアセンダント(自我、人格)であり、しかもオーブは1°を切ります。しかも火星ともコンジャンクトです。なのでレグルスの体現度は強力。。 彼はきっと自分のアイデンティティを「王」であると心得ているし、自分が良しと信じる目的のためには破壊も厭わないでしょう。

また、彼のアセンダントとコンジャンクトしているのは帝王星レグルスだけではありません。驚くことに、小惑星アメリカもまたぴたりとそこに来ています。調べれば調べるほど、このタイミングで米国の大統領になるのは彼しかいなかったのだろうと思えてきます。


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        ではもうひとつ、準惑星エリスがトランプ大統領にどんな要素を与えているかを見てみましょう。

牡羊座のエリスが放射するエネルギーを簡単に言ってしまえば、
 「今まですでに存在していながら蓋をされてきた "不和" を浮上させる」
 「自分の存在を無視したり、ないがしろにしてきた者/物事への報復」
 「自分が信じる真のアイデンティティを復活させるための闘い」
 でしょうか。

エリスは冥王星やセレスと共に「準惑星」として分類される惑星です。冥王星が惑星から準惑星に "格下げ" される原因を作った存在としても有名ですよね。現在は牡羊座の22°台で20°台の天王星と長期のコンジャンクト中。 正確な形成は2016年6月、9月、そして今年3月17日に最後のコンジャンクション形成があります。ちなみに前回エリスが天王星とコンジャンクトしたのは1927年〜1928年。世界大恐慌の直前でした。

        トランプ大統領はエリスを牡羊座6°台に持っています。ただエリスは大変遠い星なので、その公転周期は560年。なので、ネイタルでのエリスの位置は広い世代で共有されるものです(サビアン・シンボル的には1°違えばテーマも微妙に異なりますが)。

ですから、エリスも恒星と同じように他の惑星とのアスペクトによって強調されているかどうかがネイタルを観る場合の肝になります。


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  トランプ氏の場合は2室(資産)で海王星とKBOイクシオンがコンジャンクション(オーブ4°強)。それに11室(政府機関etc.)水星と8室(負債)エリスとでTスクエアが形成されています。そして9室(法)牡牛座(物質的リソース)の黒いケンタウルス族ネッソス(カルミックな争い/人種的偏見が絡むケースがある)がクインカンクスとセクスタイルでイクシオン・海王星と水星に絡んでいます。彼がこれまでに幾度も破産し、訴訟沙汰や黒い噂も数限りないというのに、その度に不死鳥のように蘇り今に至ることをエリスの象意と共に考え合わせると、とても大きな意味を持つ星回りだと思います。ちなみにしばしば「サバイバル」を意味するケンタウルス族のアスボルスは、オーブ4°で彼の月蝕の太陽とコンジャンクトしています。

ここでもう一度、イクシオンの象意の代表的なものを挙げておきますね。

 「どんな人間であろうと、状況次第ではどんな事だってやれる」
 「人間が持つ神をも怖れぬ勇気、そしてそのこと自体がはらむ愚かさ」
 「どんな結末に襲われても懲りない性分」
      そして…「全ての善は悪をはらみ、全ての悪は善をはらむ」です。


   それと、もうひとつ覚えておかなければならないのは…彼の水星がアウト・オブ・バウンズ(OOB)だということです。これは彼の思考回路が常識の範疇(くびき)を超えていることを示唆しています。OOBは天才タイプやアウトロー的な人物を輩出しやすいと言われます。水星がOOBだということは、彼の思考経路はともすると誰にも理解されないような筋道を辿る場合があるということ(彼自身にとってはそれが自然です)。ただし、太陽、月、金星という3つの個人惑星のデクリネーションが22°〜23°台でギリギリOOBに近いことから、自分の思考を社会的な枠組みの中で表現するための助けになっています。けれどあくまでOOBはOOB。彼が権力志向であることは間違い無いけれど、ではいわゆるファシストかというと、またちょっと次元が違う気がします。OOB的思考は堅固でリジッドな権力構造にはそれほど価値を感じません。物事の絶頂で、本人にしか理解出来ないような理由で止めてしまうことも起こります。ただ大統領職ともなると、それが果たして可能かどうかは微妙ですが...。

トランプ大統領という存在をこれまでの常識的・政治的枠組みの範囲内で理解しようとすれば、ことごとく的外れになる怖れがあるかもしれません。おそらくトランプ氏は、政治やビジネス世界の「良心」や「道徳」という定義が、いかに矛盾していてインチキくさいものかを理性というより "本能的" に知っており、言いたい放題、やりたい放題の限界を自らの物差しで決めているように思います。その尺度に合わない細かいことなどどうでもいい...と。

だからこそ彼は「破壊者」なのかもしれません。…そしてまた同時に、自らの国家的愛や資産の対象を護るために「壁を打ち立てる者」でもあるという、一見矛盾する二つのベクトルを体現しているようにも思えます。。(11室蟹座の金星・土星・小惑星カルマのコンジャンクション、3室天秤座の小惑星キング・ケンタウルス族キラルス、9室牡羊座のケンタウルス族エケクルス・小惑星ニニギのTスクエア)


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  この水星は11室(議会、国家が抱える目標や国としての欲望)に在泊し、10室(政府と大統領)で太陽とコンジャクトするノースノード(冥王星のメッセンジャー、オルクスとコンジャンクト)の支配星です。だからチャート上でもとても重要な役割を果たしています。小惑星を調べると、面白いことにクシナダヒメとヤマタノオロチがぴたりとこの水星にコンジャンクションなんですね。神話では、怪物に食べられてしまう最後の生贄だったクシナダヒメを救ったのが素戔嗚尊。そしてこのスサノオが怪物ヤマタノオロチとの闘いにクシナダヒメを櫛に変えて伴ったという話が残っていますが…。もし小惑星クシナダヒメが女性に備わった生命力や何かを生み出す力、そしてある種の咒力を意味するとしたら、大統領は政治的にも個人的にも女性の力やエネルギーを活かすことを必要としていて、それを彼独自のやり方で実現しようとするのかもしれません。

けれど、それと同時に自分がその力の「捕食者」であり、「敵」でもあるという矛盾を抱えているように見えます。これは複雑。。  チャートを見るかぎり、彼は自分を破壊者や女性の敵とは全く考えていないし、多くのひとに愛されたいと望んでいるように感じられますが…(深層心理的には、外側に出ている人格面とは全く異なる側面が見て取れます)。

        おそらくトランプ大統領がこころ深く意識する自己のアイデンティティは「選ばれし王」であり、「救済者・保護者」であり「ドラゴンを退治する怒れる戦士」という感じだと思います。きっと彼の内部にはその旗がへんぽんとはためいてきたのではないでしょうか。そして今年、ホワイトハウスにもまた彼の旗が高々と立てられました。米国に、新たな「鷲」が生まれたことになります。

良くも悪くも壊すひとであり、理解されない者であり、降り注ぐ嫌悪もまた原動力にしていくような存在。世界をまったく異なるパースペクティブで観ていながら、細やかな説明や行き届いた配慮など一切しないだろう存在。もしかしたら、ひとつの長いサイクルの終わりにあって、何かの役割を負っているのかもしれない存在。 彼のOOBの水星は、凡庸な理想主義者を最も嫌います。 戯画的・超常的なレベルで自分の理屈を押し通そうとします。それでいて、彼を支持するひとも反対し憎むひとも、彼から目を逸らすことが出来ない、そういう存在、特異点...。 そんな大統領との交渉に直面する各国の首脳は、彼と同等の強さと抜け目なさ、そして自分が是とする目的のためなら手段を選ばないくらいの信念と決断力が必要になりそうです。


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  帝王星レグルスが強調されるひとは、幸不幸や善悪ではかれないところがあります。トランプ大統領への抵抗の度合いによっては、4年の任期を全う出来るかどうかもわかりません。おそらく弾劾への動きや暗殺の企てがあっても不思議ではないでしょう。 ただし、ここに書いてきたのはひとりの公人、ひとりの人間の内界に拡がる広大な可能性のほんの一部にすぎません。でも、たとえそうであっても、やはり米国の新大統領は今という時代、宇宙、そしてわたし達が創り上げる集合意識が選択した結果としての存在だと思うのです。  (「冗談じゃない!! 選んだ覚えなんかないわ!」という沢山の声が聞こえるような気もするけど ^_^;)


  カーディナル・クライマックス期の中央部付近を過ぎようとする今。大国、米国に生まれた新しい荒鷲さんは…もしかしたら女神エリスがわたし達の世界に投げ入れた「金の林檎」かもしれません。それはけっして新たな争いを創るわけではありません。これまでの来し方にすでに潜んでいた歪みや腐敗、不和をえぐり出すのです。そこから生まれる争いは、トロイア戦争に繋がっていくのでしょうか? それとも?

その答の一部は、この新月、わたし達それぞれの小さな旗がどんな鷲に変容していくのか、わたし達がそれをどれだけ大切に扱い、どう育てていくのかにもかかっているような気がします。それは決して小さなことではないと。。。


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  昨今の星回りは、ネットを介して怒濤のように各国の問題が露わになると同時に、集団やそれを構成している個人が抱える人生の問題、こころの澱を噴出させるような働きがあります。今、様々な抗議行動に参加するひと達もまた、何らかのかたちでそれを外界に投影しているのかもしれません。もしそういう要素が存在するとしたら、それは今という時代がはらむ危険性です。

  前にも書いたように、今後の数年は、ショッキングな出来事や変化と混沌の中を通り抜けながら、世界が今までに持てなかった視点を見出していけるかどうかのテスト期間になると思います。ということは、世界を創っている無数のわたし達個人もまた同じこと。徐々に自分の、そしてそれぞれのひとの「本性」がどうしようもなく鮮明に顕れてくる。そこには見たくもない一面だってあるかもしれない。でも、それを含めて今この手にあるものこそが、これから先を創造していくために自分に残されたリソースであり、唯一の素材です。

晴れ晴れと照る歓びと希望の日もあれば、曇る日、嵐の日もあるでしょう。世界を織りなす力の地図が刻々と変化していく中で、わたし達の住む日本もきっと小舟のように揺さぶられるかもしれません。けれどわたし達は、そのタイミングを選んでここに生まれてきたのではないかしら? もしかしたら....生きて、望み......そして視るために。


  大声で振りかざす必要の無い、自分だけの旗を内界に掲げて。目を開いて静かに考えながら生き抜いていくこと。一番大切なことは譲らず、でも責めず、大鷲のように堂々として。 誰も、自分以外の人間には成れないのだから。あのひとは素晴らしいかもしれない。けれどあのひとはどんなに望んだとしても、あなたには成れないのだから…。





have a great trek!!!★


hiyoka(^_^