★2013年5月の日蝕とサロス・シリーズについて★○5/10の新月・日食―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

May 09, 2013

○5/10の新月・日食―みんなに降り注ぐエネルギー 2(アスペクト編)

アスペクトから少し…

        引き続き、5月21日に正確なアスペクトを結ぶ天王星・冥王星スクエアがもたらす破壊と再生と社会変革を大背景として …..

牡牛座の新月・日蝕 そして
太陽・月・パラス・リリス・水星・火星・月のサウスノード、蠍座のプシュケーと月のノースノード、射手座のフォルスとイクシオン、双子座の木星とカオスがイリテーション・レクタングル

        リニューアル!リニューアル!^^

        牡牛座に多くの個人惑星が集まってステリウムとなり、日蝕が起きる。しかもそこにサウスノードが絡むということは、複雑に絡み合ったカルミックな問題の存在を示唆しています。そしてまた、それを解き放つべき時が至ったことを暗示しています。この新月/日蝕期、そして継続的には今後半年〜3年の間に、わたし達は集中的に一種の精神的断捨離 — もう不要となった古い関係や物質、価値観、「良い生活」に関する信条・「健康」に対する観念、世界観…つまり自分を縛り付けてきたあらゆる 「自分でない」 もの達を削り取っていく作業 — をしていくことになるかもしれません。

それはけっして「欲」を捨てるという意味ではありません。牡牛座にあって、「健全な欲」 は生存、健康、そして成長に必須のものです。ただここではもう一度、自分を真に幸福にする物事っていったい何なのか、自分にとっての「限界点」をこれまで何処に置いてきたのか、それは何故なのかを徹底的に検討し直してみる必要はありそうです。それには世間一般の常識を取り払い、いったん子供に帰った目で来し方をみつめてみること、何が足りないと感じてきたのか、本当は何が欲しいのかを見直していく感じが良さそうです。充たされないものなど無い!なんてひとは殆どいないのではないでしょうか。でも、それに蓋をしたまま、様々な代償物(他者・もの・信条や観念など)で埋め合わせをしてきた部分があるとすれば、それが取り払われるようなこともこの先起きるかもしれません。なんとな〜く心あたりがある場合は、もし痛みを伴う何かが起きるとしても、それを経ないと先へ進めないところに来たのだと思います。思いきって受け入れ、先へ進みましょう。 またそうでないひとにとっても、これからの時間帯は身辺/心理的整理の良いチャンスです。スペースを保つことで、思いもよらない発想が浮かんでくるかもしれません。

天王星・冥王星スクエアのもとで起きるこの日蝕とイリテーション・レクタングルは、社会的には「個人」対「集団」、または「利害・信条を共にするグループ」対「より大きな力」の利害の激しいぶつかり合いとして表現されるかもしれません。「わたし Vs 職場または家族」、「労働者Vs企業」、「自治体Vs国家」、「国家Vs国家」など、皆が「自分らしくあること」をひたすら求めて指図されることに不快感を抱き、それが互いの利害・損得のぶつかり合いと絡み合って火種となり、少しの風で突然燃え上がっていくような雰囲気があります。

この日蝕には小惑星リリスがタイトにコンジャンクトしていることから、そのエネルギーはわたし達のこころの中に 「え〜い、もう何だっていいや! どうせ何やったって変わらんでしょ。こうなったら好きなことしてやる!」 的な苛立ちと反発心を目覚めさせるかもしれません。ひとによっては、まるで思春期に戻ったような昂揚感として感じられるケースもありそうです。でも、それを楽しむには、やはりコンジャンクトしている小惑星パラスがもたらす知性と、一歩引いた戦略的なエネルギーを同時に使いこなすことが必要です。 目に見えず飛び交うアストラル・エネルギーに無意識のまま巻き込まれてしまえば、それは容易にカオスへと導いていきます。

また、神経や感受性の鋭いひとの中には、原因不明の不調感に悩まされるケースが出るかもしれません。頭痛や微熱、だるさや消化器の不調、その他様々な症状が考えられます。そんなときはとにかく無理せず、起きていることは全て素通りし、やがては皆抜けていくのだと知っていてください。来月に入ると少し感覚も変化してくるのではないかと思います。ぁ、もちろん、(いつも言うことだけれど ^_^;)、 素人判断せずにまずは専門家の診断を受けてくださいね。。

light


        でも、このエネルギーの奥にはもうひとつ深い、コズミックな意図が秘められています。それは禅の公案を解こうと必死に悶えている弟子の脳天に、師の一喝が入るような感じ...。圧縮され縮みきったバネが反撥する瞬間、厚く覆ったマインドの雲を突き抜け、空さえ突き抜けて全く新しい概念に到達することへの目論みです。天王星・冥王星スクエアの下で起きるこのイリテーション・レクタングルには、月のノースノードからそんなエネルギーが入ってきます。その圧力はとても強力。しかも精妙なので、果たしてわたし達がそれに気付いて使いこなせるかどうかはわかりません。でも、そんな意図をどこかで知っている、それだけでも何かしらの違いが.....あるかも (^_^;。

        こうして世界的な変動から茶碗の中の嵐まで、わたし達の内外に沢山のドラマが起きそうな今月のアスペクト。多分、大切なのはわたし達のこころにどう静けさを保つかだと思います。蠍座で逆行中のプシュケーは、「一度失った愛」を取り戻すためにどんな苦難にも耐え、最後に勝利し、女神となった星です。それは彼女にとって、「あらかじめ失われていた自分自身」を取り戻すための苦闘でした。それは孤独な旅でした。けれど、この小惑星は要所要所で本当に信頼に足る助け手が現れることも示唆しています。それは多分、プシュケーの持つ真摯さが呼び寄せるものかもしれません。不要なものを捨て去った後に残った絆があれば、それを大切にしてください。もしそんなものなど無くても、そして孤独であっても、孤立する必要はありません。おそらくこの時空の何処かで、誠実な助け手があなたを待っていると思います。たとえ一期一会であったとしても、それは素晴らしい出逢いです。

そして今、逆行中の土星はこのアスペクトから少し離れて、再度の出番を待つ魚座の海王星と不思議な交信をしながら、黙々と不要物を取り除く作業を続けています...。


牡牛座日蝕のステリウムとプシュケー、ノースノードのオポジションにジュノーがTスクエア、同じくボラシシがオポジションを調停、金星の双子座イングレス

        ジュノーは結婚を司り、パートナーとしての公正な立場を護ったりそれにまつわるジェラシーを体現するとも言われています。なので、東京ローカル図で7室に入るジュノーが関わるこのTスクエアを、パートナーとの間に起きる浮気の発覚や深くカルミックな争い、別離などへの直面とみることも出来ます。またマンデーン的には、近隣国との立場を巡る争いや権利・利害の主張のぶつかり合いがクローズアップされるともとれます。いずれにしても、鍵はいかにフェアであり得るか?ということになりそうです。政治的にも戦略的にも、安易な妥協は難しいアスペクトなので、細かい綱引きが必要になるでしょう。このアスペクトの下で、大言壮語や自分を実際以上に大きく見せようとする行為は一番の愚策となります。お互いにどうしたいのか、世界をどうしたいのか、どんな事情を抱えているのか、真の姿を何らかの形で開示しつつ、問題を繊細に扱っていく必要があります。またボラシシが絡むとき、ともするとひとは、自分が信じたいものだけを見る、他の可能性など考えたくもないから無視する…という傾向が出やすいようです。自分の視点をチェックしてみてください。もちろん、何か意見を持てばそれはひとつの偏りとなります。でも、それを知った上で意識して行動することと、ただ信じ込むことでは大きな隔たりがあります。フェアであること、何よりそれをこころがけて行きましょう。

maysky


(ジュノーについて)
        ギリシャ神話で大神ゼウスの妻という立場を取らされたジュノー(ヘラ)は、もともとゼウスの姉神として独立した力をふるっていました。古代ギリシャ社会で本来の神としての力を剥奪される前の彼女は、太古の地母神としての顔を持ち、大きな支配力を持っていたそうです。ジュノーが垣間見せる嫉妬や公正さを追求してやまない性質、そして何よりプライドを傷付けられることを最も嫌うこころの地下帝国には、そんな、太古の力を奪われた歴史の圧力が重くのしかかっているのかもしれません。わたし自身はこのジュノーを、「女性として生きること」から来る様々なこころの闇をカバーする原型、そして性別に関わりなく、自分が本来持っていたはずの力を奪われた者の鬱屈を示す原型としてもみています。


        ちょうと5月10日に日付が変わるころ、金星は双子座にイングレスします。ホームグラウンドの牡牛座ではゆったりと好みにまかせて心地よさを味わってきた金星ですが、少しクールな双子座のマインドと出逢い、「繊細な思考力」と「伝える力」を身に付けていきます。見て・感じて・伝える。必要なことを、きちんと。異なる背景を持つ二つの存在の、両方を生かすために、この力を使えたらいいなと思います。

そして天王星・冥王星スクエアの翌日である5月22日、夕刻19時46分前後。双子座を運行する金星が、去年6月6日に金星オカルテーションの起きた度数、双子座15°44'に戻ってきます。このオカルテーションは、当時メリマンコラムでも、世界的な負債爆発や国庫の赤字に対する無策とハイパーインフレの危険と関連付けて語られていました。去年のオカルテーションで十分に蓄電されたこの度数。金星の帰還が何をもたらすのか、興味深いと思います。

また当時の東京ローカル・チャートでは、ジュノーは天底に座していました。太古の地母神であったジュノーのもう一つの顔を考えると、この小惑星が天王星と共に地震のイベントチャートに重要な役回りを演じることが多いのもうなずけます。ギリシャ神話には様々なバージョンがありますが、その中にこんな逸話がありました。 『自分をないがしろにして自らパラス・アテーナーを生んだゼウスに怒ったヘラ(ジュノー)は、ウラノス(天王星)に呼びかけ、ガイア(地球)をたたき起こした。するとガイアは目覚め、振動した。ヘラは自分の願いが叶ったことを知った。』  これは、全能の神(ゼウス)のようにふるまう人間が、自ら知性(パラス)を生み出したのだと思い込み知の道を追い求めるあまりに、ひとを生み育てる大地をないがしろにしてきたことへのヘラの怒りを象徴しているように思えてなりません.....。

key


天王星・冥王星スクエア、冥王星・セレスオポジションでTスクエア

        天王星・冥王星は、5月21日朝7:55ごろに正確なスクエアを形成します。この時、セレスはTスクエアからは離れていますが、東京ローカル図ではアセンダント上に乗っています。そして牡牛座・蠍座軸にある月のノードを調停し、一方でジュノーはいまだにノード軸とTスクエアを維持しています。まるで、ひとりの人間の中の牡牛座面と蠍座面、肉体と魂、過去と未来との葛藤に、誰かのパートナーとしての自分が挑戦状を叩きつけ、母のように育もうとする自分が何とか折り合いをつけようとこころを砕いているみたいですw。

天王星・冥王星・セレスの組み合わせは、やはり生み育む性としての女性の葛藤とその力がクローズアップされてくることを暗示しているのかな、と思います。天王星・冥王星スクエアが体現する世界規模の社会構造の変容と多様化の中で、女性にとっては子供を産み育てていく役割と労働環境や疾病の問題、経済的問題は今まで以上に切実だと思います。こういった事柄に関連する法律の問題が浮上してくるのかもしれません。また憲法改正の問題も話題に上っていますが、日蝕図で天王星が9室にあり冥王星が6室に入ることから、これもおそらく全体的な変化の一部として、やがては否めない流れになっていくのではないでしょうか。いずれにしても、世界は来年春の天王星・冥王星スクエア前後の中期スパンの中で、厳しい締めつけや取り締まりへの流れと、それに抵抗して壊していこうとする流れの激しいぶつかり合いの様相が強まるように感じられます。

また、アストロロジャー、マリナ・パートリッジによれば、セレス・冥王星の組み合わせは噴火や爆発事故などとも関連するのだそうです。最愛の娘を奪われたデーメーテール(セレス)とハデス(プルート/冥王星)の対決が大地の怒りを呼び覚ますのかな? それとも、今回は母の怒りや哀しみとなって影響を及ぼすでしょうか。。

        どんな惑星もそうですが、女神の星々にも暗黒面と光明面が存在します。こうした変化の大きな流れをより良いものにするために、いのちを育む者、大地の実りを司る女神としての、セレスの光明面の力をそっと使っていければいいのに、と思います。やみくもに敵を糾弾するようなやり方ではなく、手放すもの、得るものを明確に整理し、互いに歩み寄って新しい方向性を探っていく。うん、言うは易しですね...。でも、それがきっと、このアスペクトの下でわたし達に出来る最高の行為ではないでしょうか。。




( ↓日蝕とサロスシリーズ編へつづく)


hiyoka_blue at 17:50│Comments(0)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
★2013年5月の日蝕とサロス・シリーズについて★○5/10の新月・日食―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)