レイモンド・メリマン 週間コメント3/21【金融アストロロジー】レイモンド・メリマン 週間コメント3/28【金融アストロロジー】

March 23, 2016

●3/23の満月・月食 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180° 対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのかを、あらためて見せてくれる「鏡」だと言えるかもしれません。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにそのテーマを消化し、エネルギーはゆっくり静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで3月23日21:20前後、北海道周辺で21:26前後、関西方面は21:00頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で20:31前後に天秤座3°17’で満月となります。(月蝕のタイミングとは異なります)

今回のテーマのベースとなる新月の大テーマについてはココをご覧ください。

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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【月 天秤座3°~4° + 太陽 牡羊座3°~4°】
   "Dawn of a new day, everything changed" +
   "A cameo profile of a man in the outline of his country"
「全てが変わった新しい日の夜明け」 +
 「その国のあらましを印象づけるカメオ細工の男の横顔」 

   "A group around a campfire"+
   "Two lovers strolling through a secluded walk"
「キャンプファイヤーを囲む一団」 +
  「人目につかない歩道を二人で散歩する恋人達」

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期3/23~4/6】
→★世界と自分自身に対して持ってきたイメージが変わる体験
→★または古いイメージを手放すまいとする葛藤や闘争
→★周囲が思い描く人間像と自分自身とのギャップが鮮明になる
→★物事は光の当て方や解釈の仕方で全く異なって見えることに気付く
→★自分が帰属する集団(家族、集団~民族や国)との一体化で活力を得る
→★同じ目的を持ちながらそれぞれ違う世界を見ていることへの気付き
→★自らの手でアイデンティティの再構築をしていく必要
→★必死に溶け込もうとして感じる疎外感、または誰かを排除したい気持ち
→★周囲に合わせた行動を取る中で譲れない自分の境界を知る
→★自分のことばと行動、想いや魂の食い違いに注意する必要
→★思い描く「自画像」に潜む多くのステレオタイプに気付く
→★自分の中の「世間から外れた部分」に安らぎを感じる
→★仲間意識の居心地の良さと窮屈さのギャップに自分の欲望を見る
→★個としての自分と社会の一部としての自分のバランスを取る挑戦
→★一度アイデンティティが崩れることによって見えてくる新たな可能性
→★"前向きな気楽さ"を通して嘘の無い自分を表現していく智恵
→★「自分」も含めた全てがより壮大な変化の途上にあることを知る…→

エネルギーのポイント:『 脱皮のとき』 

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        3月9日の日蝕に続いて、今夜は天秤座の半影月蝕ですね。この食のサロス・ファミリーは142、その誕生は1709年9月。誕生以来、9日の食が属しているサロス130とはペアを組んで起きてきました。いつものように1709年を軽く調べてみると、この年は英国の覇権やヨーロッパ資本主義の確立へと繋がる産業革命の流れを創った様々な技術革新のうち、コークス製鉄法が発明された年だったようです。石炭産業が花形になったんですね。前回日蝕のサロス・ファミリーが対イスラム十字軍遠征の始まった年に誕生していることを考え合わせると、ちと興味深いです。。 一方、日本では将軍綱吉の時代から6代将軍家宣の時代に変わり、新井白石が正徳の治と呼ばれる様々な政治改革を行い始めた年にあたります。その中でも、通貨を金銀含有率の低い元禄金銀からそれ以前の水準まで純度を高めた正徳金銀に変えたことが、後にデフレーションを引き起こしたというのは面白いと思いました。食のサロス・ファミリーは誕生の年にその「質」が出ると言われているけれど、このペアは経済の節目に顕れる食のひとつなのかな...。(サロス・シリーズに関しては先人の研究をもっと詳細にあたらないと何とも言えませんが、毎回少し調べるだけでもなかなか面白いです。)


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        さて、と。何から始めようかな。。じつは前回の日蝕以来、これという顕著な理由もなく体調の乱れが続いています(わたしはわりとタフな方だと思うのですが…^_^;)。たとえば熱、頭痛、胃痛、だるさ(凝りやむくみ)と、何より集中力が全然続かないというのが困ったところ。熱以外は日替わりのように毎日違う症状が出るのが不思議といえば不思議かな。けれど病気かというと、そういうことでもなさそうです(もちろん、ある境界を超えるようなら病院に行かなければなりませんが)。

で、星回りとしては... カルマがもたらすブロックを浮上させ、同時にそれを燃やすエネルギーでもある火星とネッソスのスクエアが依然としてオーブ圏内にあること、そして日と月、二つの食が自分のネイタルの惑星直近で起きていることがひとつのきっかけになっていると思います。

また、その食が「火」と「水」の強力なエネルギーを持ち、一種の強い浄化作用、または「移行促進作用」とでもいうような爆発的性質を帯びているからかもしれません。「爆発」と「分裂」は世界に起きているのと同じ様に、自分の中にも起きている。たとえ顕在意識でそれとはっきりは掴めないとしても。。 今はただ、起きることそれ自体に任せてゆっくりと見ていくしかない… たぶん今「こうだ」と無理に結論づけても、その見解は日々変化していくと思うから (というわけで、体調の件はこの食がピークになるかな?と考えています)。

  きっと今、こころ、体、またはその両面でどこか似たような経験をしているひとは、他にも沢山いるのではないでしょうか。 たとえばこころの場合は、まったく理由も無いのに突然哀しみに襲われたじることがあります。希望などどこにも無いと感じることもあれば、前兆として全方向的な怒りが生まれることもあると思います。まるで目に見えない黒い高圧線にでも触れてしまったみたいに、いつも出口の無い漠とした不安を感じるひともいるかもしれません。

その顕れはひとそれぞれだし、タイミングも対処のしかたにも(病院や服薬も含めて)それぞれの道があるはずです。ただ、今この時期に「火」と「水」のエネルギー(比喩的ですが)が自分の中で暴れていると感じる…もしそんなひとがいるなら、それは今、あるいはこれからの数ヶ月を特別な脱皮のときとして設定しているんじゃないかな?  

今週のメリマン・コラムに『大地から足が離れている状態にうまく適応するためのレッスンなら何でも良いだろう…』なんてことばがありました。ならば今は、必要な対処を適切に行った上で、あえて地面からちょっぴり離れ(たまにこれを言うときより少し高く…15cmくらいかな?w)この先、自分と世界がどう変わっていくのかを黙して眺めていくのも良いんじゃないかと思います。


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        ・・・そんなわけで、今回は今まで以上にまとまりを欠くかもしれないけど、ちょっと雑談っぽく書きだしてみますね。。


  今、音を消したTV画面では、キューバでのオバマ大統領の歴史的な演説と、ブリュッセルで起きた同時テロ事件の模様が同じ画面の中に映し出されています。まるで今の世界を象徴するよう。。 厳しく凄惨な現実と、その彼方にほの見える、希望。そこに辿り着くにはまだいくつもの山や谷、狂気を越えなければならないとしても、けっして捨ててはならない希望。おそらく変化は足早にやってくるでしょう。 それが何処に行き着くかは、たぶんまだ誰にも見えていないけれど...。


        ところで、惑星がサインの境界をまたぐとき、特にあらかじめその時間を知っているときなど・・・なんとはなしにゴツッとでもいうようなギャップを感じることがあります。 特にミュータブル・サインとカーディナル・サインの境界(牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座の各0°〜1°)に入るときは、そんなふうに感じやすいかも? そこは「エリーズポイント」と呼ばれる特異点。社会の中で、あるいはひとりの人間の中で、「個」と「公」が切り結び、交差するポイントとされています。アストロロジャー、E.フランシスはこれを『リビングルームで起きる世界大戦』なんて言っていました。これ、『お茶の間に見る世界情勢』って言ってもいいのかな… つまり、世界で起きていることの本質は、実はフラクタルのように個人の人生にも起きていて、その逆もまたしかりってこと。その二重性というか、同時性が強く表面に顕れるのがエリーズポイント、「新しい季節」の始まりなんですね。

特に太陽が魚座から牡羊座に移行する際は、ひとつの大きな周期、ひとつの人生の終わりと、次のサイクルの始まりを象徴します。 人生を生ききり、やがて滅びに向かい、そしてまた新たないのちとなって、この世に生まれてくる。真っさらなアイデンティティを求めて、また旅が始まる。そんな壮大な変わり目。 それが黄道上の1つのポイントにギュッと凝縮してるって、実は凄いことだな…と思うのです。。(そういえば、各サインの29°台(サビアン・シンボルでは30°の意味をメインにとる)が複数の顔を持つヤヌス度数だという話を以前ツイートしたけれど、エリーズポイント手前の29°台(魚座、双子座、乙女座、射手座)は、特にその傾向が強く出やすいように思います。一見華やかに見えたとしても、そのエネルギーにはなんらかの形で滅びや犠牲というニュアンスが絡みあっているんですね。それはこの先の成長と新生のための必然だし、渦中にあるのでなければ美しくも見えるのだけれど…。そういえば去年の春の日蝕はこの度数で起きましたね。。)


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        さて、今回の日蝕と月蝕は、この滅びと新生の象徴的な境界線、エリーズポイントをまたいで起きます。古い旅の終わりと、新しい旅の始まり。新しい顔、新しいアイデンティティの探求。。 

前回の日蝕のシンボルは『教え子を指導する師』でした。そしてそのテーマが結実をみるこの月蝕は、天秤座3°台。シンボルは『キャンプファイヤーを囲む一団』です。

智恵や神聖なエネルギーの伝達を介して「個」と「個」の関係性が問われた新月・日蝕でしたが、この満月・月蝕では、中央に燃えるたき火をみんなで囲んでいる・・・というイメージ。 たき火を囲んでバーベキューにビール、でもって誰かがギターでも弾いてるのかな? それとも何か儀式めいたことをするキャンプかしら? それにしても、この構図の中央に燃える火って何を意味するんだろう? 

それは…もしかしたら集まった人々が抱く信条や感情、目的、それともステイタス、理想、情熱… もしかしたらその一団、その社会が無意識のうちに共有するアイデンティティでしょうか。 その炎が持つ熱とエネルギーが仲間を引き寄せ、活気を与えているようです。うん、みんなの一員であることはとても心強い。。 同じ炎を見つめていられる仲間の存在は本当に貴重。そこに身を置き、仲間と認められたら少なくとも安全だし、なにより心地良い。。

天秤座の第1ディーカン、特にエリーズポイントの影響圏内である天秤座初期度数は「良いひと」であろうとするエネルギーが強く顕れます。それは手前の星座宮、乙女座の記憶が強く残っているからかもしれません。

これを各星座宮を巡る魂の旅に例えるなら.....たとえば獅子座に入り、個としての創造に向かって膨らみきった自我は、いわばピラミッドの頂点にいるような感覚。対向にある水瓶座の「グループ」を視野に入れながら、その中心にいる自分を思い描く。 それが乙女座に入ると頂点から一転し、底に足をつけている自分を発見していきます。そして、同時に対向の魚座が象徴する未知の暗黒世界の存在を直感します。そこに何かとてつもないものが存在することは十分感知しながら、畏怖の気持ちを持って目を逸らし、もう一度足下を見つめる魂。そこで乙女座は、手で触れることが出来る物事、ちいさくても確実なデータやクリアに見通せる事実をひとつひとつ確かめ、実務的に構築していくことによって、頂点から底にひっくり返る過程である種の抑圧を抱えてしまった自我を癒やし、回復していきます。「全体への貢献」は乙女座のテーマのひとつだけど、それは獅子座的なエゴを犠牲にしながら自分の内面に集中し、その核心を回復していく過程でもある...そんな気がします。


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  こうして魂の旅は、エリーズポイントを超えて天秤座入りします。。  そこからは本格的な他者との関係が始まり、もう一度自我と世界との関係を構築していくというテーマが始まります。それはバランスを "学んでいく" 過程です。けれど、まだ初期度数だと、ちょっと慣れていない感じかな(^_^; 緻密な自己世界の内部から急に開けた場所に出てきたわたし達のエゴは、内心おそるおそる広大な関係性の世界に踏み込んでいきます。

        その場に、そのグループに上手くフィットしたい、帰属したいという願望は、出来るだけ「良いひと」であることをわたし達に課してきます。でもそれは、下手をすると自分に嘘をつくことになりかねません。本当の意味で寄り添えるパートナーや仲間と出会えたなら、こんなに良いことはありません。けど、このひとが、この場こそが…と思っていても、チクリと感じる何とも言えない違和感。。 みんなと、あのひとと、同じ火をみつめているのだと自分に納得させるために、または他の人達に信じてもらうために、あるいはその場を穏便に平穏に、心地良くするために、罪の無い(と思われる)小さな嘘を重ねていったとき、わたし達は自己の内側から燃え上がる、思いも寄らない衝動的な炎が燃え上がるのを感じることがあります。

それは、どんなに頑張っても何処にもフィット出来ないことに対する「何故だ!?」という怒りの感情かもしれません。また、その同じエネルギーを誰か他のひとから受ける仕打ちとして体験することもありそうです。こうした動きは集合的には米国に見られるトランプ旋風のような、ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)への反動として顕現しつつあるように思えます。

天秤座は争いを好まない星座宮ですが、正面からのぶつかり合いの代わりにその場や相手から自分を断ち切ることはします。また、こじれたときは、求められているときに与えないという形で報復することもあります。それは天秤座の支配星、金星の持つもう一つの顔。それをルシファーに当てはめても良いけれど、アストロロジャー、マリナ・マカーリオの言うように、エリス的な側面と考えた方がしっくりくるかもしれませんね。


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  今回月蝕が起きる天秤座3°台のエネルギーは、挑戦の側面を強く持っています。ひととき同じ火をみつめながら、笑いあったり共に歌ったりする人々。本当に自分はそこにいるべきなのか? いてもいいのか? その炎の源を ー 周囲のみんなが、グループが、社会が掲げる「わたし達」というアイデンティティを、自分は共有出来ているのか? 自分はこれからいったいどこに向かっていきたいのか? きっとひとりでは生きられない。ならば、あのひとと、周囲と、あるいは社会と、どんな関係を構築していきたいのか? 何が出来るのか?

たとえ永遠に燃えさかる火であっても、炎は一瞬たりともその形を留めることはありません。みんなその中に少しずつ異なる色、異なる熱、異なる理想を見ているのだと思います。それを理解した上で、どこまで許容していけるのか? 自分も他者も誤魔化すことなく、しかも歩み寄る形を通して手を繋ぐことは出来るのか? それには真の正直さと誠実さ、それに、何より伝える勇気が要ることでしょう。

こうした問いかけの答を本当に見つけるためには、一度中央のキャンプファイヤーから目を逸らし、背後に茫漠と拡がる暗闇に視線を向ける必要があるのかもしれません。


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        さて、月に光を送る太陽には、水星とケンタウルス族のエケクルスがコンジャンクトしています。この取り合わせは、この月蝕に複雑で強力な陰影を与えそう。牡羊座2°台の水星は、ともするとステレオタイプな焼き印を目に入る全てに押したがるかもしれません。そして「自分はこうなんだ!でもってあいつらはこうなの!」という結論を性急に出したがるかも? あるいは、エケクルスのエネルギーと呼応して、空気を読まずに自分を乱暴に貫くような論理をかざし、突っ張るかもしれません。

エケクルスはケンタウルス族の常で、先端的なパイオニアや創造性に富んだひとを生み出す反面、残酷な犯罪にもよくからむ小惑星です。 彼は、どんな犠牲を払おうとも自分のターゲットに向かっていこうとする闘争的なエネルギーを持っています。今回、エケクルスは山羊座のレクイエムとスクエア、水瓶座のパラス(ナイーヴに派手な幻を追うか、地味ながら覚醒しているかの選択)とセミスクエア。ひょっとしたら政治絡みの死のニュースが流れるのかな?と思っていたのですが…。

牡羊座にはこの太陽・水星・エケクルスの他にも天王星とエリスが在泊しています。また、魚座には支配星の海王星、ネッソス(カルミックな体験)、金星(家系や血縁、または自分が属する伝統からの縛りを意味する位置に)、セレス(母の嘆き、公正さを求める叫び)・カイロン(深い傷口を浮上させ変容を促進する)・月のサウスノード(エネルギーの噴出口)のコンジャンクション(自己正当化の危険、社会的に声が大きい者達が振りかざす特権を示す位置)。そして6月に2回目のスクエアを形成する海王星と射手座の土星。この、強力な「火」と「水」のエネルギーの爆発は、「この辺でそろそろ本当に新しいアイデンティティの獲得を目指したらどうか?」と囁きながら、わたし達に揺さぶりをかけてくるのかもしれません。。


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        ちなみに再び悲しい事件の起きたブリュッセルのイベント・チャートを見ると、水星はちょうど牡羊座0°のエリーズポイントにはいったところ。そして太陽とコンジャンクトしたエケクルスは射手座の火星とトライン、乙女座のオルクス(裁き)とはクインカンクスで小惑星レクイエムとスクエア。最初の爆発時のチャートではMCに冥王星が乗り、牡羊座の天王星、天秤座のブラックムーン・リリスとTスクエアを形成。そして月は、ちょうど前回の日蝕とはオポジションの位置、当時木星が在泊していた乙女座18°に来ていました。

また、同時に目に付くのが射手座の土星と乙女座の木星とのタイトなスクエアです。これは今回の月蝕図でも鮮明で、23日の夕刻に正確なスクエアを形成します(25日には魚座の金星とTスクエアに!)。このアスペクトについてはメリマンさんもコラムやフォーキャスト(そして「マンデーン2016」)で触れていますが、先日、Twitterである方から特に木星が位置する乙女座16°台についてご質問がありましたので、少しお話してみますね。

この度数のシンボルは『噴火する火山』です。これは文字通り、地表という薄皮一枚下に潜む爆発的な力を示唆するシンボル。無意識の領域に潜在するその力を、わたし達人間が自我でコントロールすることはおそらく不可能でしょう。また、違う観点からすれば、噴火する前の火山は「そこに存在するものにフタがされている状態」「覆い隠されている状態」を指すとも言えます。しっかりフタをされているように見える休火山は、いつ何時噴火して恐ろしい災害をもたらすかもしれません。でも、すさまじいエネルギーがそこにあることを知っていても、もし何百年も噴火する様子が無ければ、わたし達は危険を忘れて(忘れたふりをして…かな)その麓に家を建てます。あるいは、そうしなければならない事情のほうが、危機感より勝るのかもしれません。


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  けれどB.ボヴィは、このシンボルが非常にクリエイティブであるとも指摘しています。地球では太古から多くの火山が爆発し、それによって新しい大地が生まれ、新しい生命がもたらされてきました。もちろん、それには大きな破壊が付き物です。ひとつの種が滅びと絶滅を迎え、新しい環境に適応する新しい種がもたらされる。火山はそんな地球規模の新陳代謝と密接な関係を持ってきた存在です。地下に渦巻くすべてのエネルギーを、善も悪もなく全て解放するという最高のカタルシス。。 けれど、肉体を持つ人間の内部にそんな力が潜んでいるとしたらどうでしょう? ある日突然ワイルドな力が湧き起こり、狂気にかられて暴れ回るのでしょうか?

このシンボルがこころの動きとして顕れるときは、みんなが足下に迫る危機を忘れて(あるいは見ることを拒否して)平穏な日々に浸っているようなときに、突然のインスピレーションを得て恐怖にかられ、大多数とは異なる方向に走り出すような心理が考えられます。 あるいは、危機を理解しない人々への激しい怒りを抱くようなケースもあります。

それは言うなれば「いのち」そのものが持つ力に動かされていく状態です。なので、理屈やアタマで手なずけることは出来ません。もともとは善も悪もない、大地というシステムそれ自体から受け継いだ純粋なパワーなのですから。ただ、社会に生きる人間としてその力を預かったとき、そのひとがそれをどういう経路で解放していくか、どう表現するかにかかっているとも言えます。

この度数に個人的な惑星があるひとの中には、一見クールに見えるたたずまいの下に、とても戦闘的な面を隠し持つひともいます。また、危険や闘争がつきまとう仕事や趣味(レーサーや格闘技、あるいは戦場に関わるような)を持つケースも見受けられます。一方、集合的には突然湧き起こる騒乱など、その社会の懐の深さを試されるような出来事を示唆する場合もあります。いずれにしてもこのエネルギーは、生命体としての人間をこの世界に生み出し、支えても来た力であると同時に、被造物であるわたし達が居眠りを始めそうになると、そのいのちを脅かす力にもなるという…まるで「創造性そのもの」を表すようなフォースだと言えるかもしれません。

その類い稀なフォースが欲するのはただひとつ。「刷新」です。ではその爆発的刷新の火花をどう咲かせるのか? それはわたし達の精神、いえ、魂の方向性次第ではないでしょうか。 そして今、この度数には大神ゼウスたる木星が在泊し、その力を増幅させています。


stair


        一方、土星が位置するのは射手座16°台。これについても少しだけ触れておきますね。シンボルは『復活祭の日の出に行われる奉仕』。(面白いことに、木星が位置している乙女座16°の対向度数、魚座16°のシンボルにも『復活祭』が出てきます。)

復活祭も日の出も、やはり象徴的な死を過ぎ越して「刷新」に辿り着くシンボルです。そして奉仕は自分が持つ何か(時間、エネルギー、物質など)を全体のために捧げる行為を指します。復活祭といえば色とりどりに彩色されたイースターエッグを思い出すのですが、もともとは「いのち」を意味する真っ赤に塗られていたのだとか。。 

射手座に象徴される信仰や信条、哲学や世界観。そしてそれを刷新していくために捧げる真っ赤ないのちの力。ここには理想を実現するためにわたし達が費やす努力やエネルギーと共に、そこに辿り着くために何かを解体したり分裂させたりするような力が働くことも暗示しているように思います。わたし達はこのエネルギーを、信仰や信条、イデオロギーを通して「敵」とみなした相手を生贄とし、斃すために使うでしょうか? それとも、たとえ一時的に自分の大切な一部(それはもしかすると「体」かもしれません)を犠牲にすることがあっても、古く枯渇した大地を去り、未知の大地へと向う勇気と信頼をもってこの挑戦を受けるでしょうか? 集合体として、ひとりの個として。いつかわたし達は、自我と魂、そして生きものとして自分に備わった力を統合し、新しいアイデンティティを獲得することが出来るでしょうか?

今、木星と土星のスクエアが意味するもの。その問いかけは、とても重要に思えます。二つの巨大な惑星がぶつかりあい、互いを探り合うその葛藤は、実はわたし達という存在の内部で起きていることだから。。


NGC1300


        ふぅ。と、ため息ひとつw。調子が悪いとかなんとか言いながら、気付くとまた長々と書いてました。書き出す前は、もうキーワードだけにしようかな…なんて思ってたのに(^_^;。

けど、出来るうちはきっと続けていくと思います。もしかしたら自分を通して流れていく情報を、何かの役に立ててくれるひとがいるかもしれない。けど、もしそうでなくても、たぶん。いつの日か岐路がやってくるそのときまで。

さぁもうすぐ月蝕。ひとつのエネルギーがピークを迎える祭の夜。 半影の微かな影を感じながら、立ち昇る熱の中で目を閉じ、蒼い火を夢に見る......。

まぁそんなこんなで知らないうちに、するりと脱皮出来たらいいな…w。

火・水・爆発・分裂…そして刷新の月蝕に。
 そしてこれを読んでくれたみんなに……乾杯!〜☆



have a great trek!!!★


hiyoka(^_^


hiyoka_blue at 19:16│Comments(4)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

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この記事へのコメント

1. Posted by 春分生まれ   March 24, 2016 11:49
hiyoka様
いつもブログ読ませて頂いています(^_-)
「そうそう」と思い 「気をつけなくては」と感じ
「やってしまった」と前を向き…
そんな私も今は厳しいです…

家族以外の いえ心許せる人以外
シャットアウトしたい感情がともするとあらわれ
自分の望まない色々に 過剰に反応している気も。

感受性が高まっているのかもしれませんが
去年の蝕をなんとか過ぎこし 息をつく間もなく
今年の蝕…この場所も ネイタルにピンポイントに
響いてきそうで 緊張しているのかも^^、

「脱皮」に繋がっていくのかと思えば
新たな自分に 怖がらないでって
エールを送りたい^^。

hiyokaさんもお体ご自愛くださいね。

キット今日は善い感じになりますから(^_-)

2. Posted by hiyoka   March 24, 2016 23:28


春分生まれさん、こんばんは。

いつも読んでくださって、ありがとうございます!

そうですね。ネイタルの惑星にもよるけれど、蝕に触れられるとどうしても神経が高ぶったり、緊張が高まるし、体にも凝りが出やすいと思います。今まで何とか均衡を保ってきた水面にピンポイントで石が投げ込まれ、意識することも無かったようなこころの隅々まで、その波紋が拡がっていったり.....。

ん、すごく柔軟になったはずだけど、それでも許せない境界線がこんなにもあったのか!なんて。。

特に道を求めて歩もうとするひとには、その圧力は大きいかも?

でも、そんなひとときを通らなければ、なかなか脱ぐことの出来ない古い皮 ー 自分と一体化してしまった石灰質の鎧って、あるのだと思います。

ヒリヒリするような脱皮の痛みを経て、いつか透明な羽根を拡げる。きっとそんなときのために、今があるんじゃないかな....。 
ご自分に、どうか大きな声でエールを贈ってあげてくださいね。

人生は挑戦に次ぐ挑戦かもしれないけど
回を追うごとに、だんだんと眺めが良くなる。
そう思います。
ほんと、昨日より・・・今日ですね(^_^

great trek!!!☆
 
 
3. Posted by Green^_−☆   March 25, 2016 07:46
5
おはようございます^_−☆hiyokaさん

Greenも春分の日前後はイマイチ
寒暖差もあったのか、体調不良でした。
冷やさないようにあったかくあったかく。

三月はじめの魚座新月の大テーマが
『信じる行為が"神"を創造する』
三月終盤の天秤座満月のテーマが
『脱皮のとき』

世界情勢や世界相場といった
大きく構えたシーンはもちろんだけど

ごく個人的な生活にあてはめると
【信じることが、大事なものを産む】
【パラダイムシフトのとき】
とそれぞれ捉えれば、これは、、。

運命的な、大恋愛、純愛、関係のとき
かもな、ともおもえる。

がっぷり四つの、阿鼻叫喚、泣き笑いな
純愛、大恋愛は、自分そのものをほとほと痛感
するし、相手の世界のひろがりや別次元に
憧れながらも、ある種ついてゆけなかったり
だけど愛しくもとめあうから、認めあうから
LOVEっていうのは
不思議だったり、人生での彩り。

本気の恋愛をすれば、ほぼ確実に
脱皮のとき、となる。

このさき、牡羊座新月、さそり座満月
牡牛座新月、射手座満月
双子座新月、山羊座満月
蟹座新月、水瓶座満月、、、とつながってゆく

脱皮をしてゆく恋愛をするなら
どんな2016〜〜となってゆくのだろう

メリマンさんの相場予測では
激動の三月〜六月〜となっているけど
言い換えると

個人的な生活、恋愛も、ドラマチックな
映画のようなシーンになってゆきそうな
予感、よかん(=^ェ^=)


ハッピーな恋愛も、辛苦な恋愛も
その人その人に
深みを与える
魅力的になる

バーチャルでない、リアルであるからこその
質感、オーラ、深み^_−☆


(=´∀`)人(´∀`=)Green

4. Posted by hiyoka   March 26, 2016 02:37

Greenさん、こんばんは。

恋愛…ですか。そうですね。今の時期に誰かと出逢い、恋をする設定のひとにとっては、その経験こそが一番の成長に繋がる。そういう物語を経ていくのかもしれません。若いときは皆そうだけど、今は年齢に関係無く、幸せになるには何かしら越えていくべき課題のある恋愛体験になることが多い気がします。

この新月期の『信じる行為が "神" を創造する』というエネルギー・ポイント。これは確かに「信じることによって大事なものを産む」ということでもあるし、それと同時に「その大事なものは本当に真実なのか?」という問いかけでもあります。

ひとは信じたいものを信じることによって、そのひとだけの「神」を創り上げてしまう。すると、それを否定するような要素が見えなくなったり、見なくても済んでしまったりします。そして幻想の中に入り込んでいくんですね。宗教戦争やイデオロギー闘争もその延長だと言えるし、恋愛もまた入り口としてはそういう要素があるのではないでしょうか。

「信じる」という行為は美しい顔を持つ反面、「信じること」に依存すれば、自分だけでなく他者をも傷つける凶器になる。たしか日蝕の記事のどこかで「信じる」ことと「信頼する」ことはちょっと違う…というようなことを書いた気がするのだけど、あれはそんな意味もありました。

もちろん、恋愛を否定しているのではないんです。とても素適なことだと思います。ただ、何を人生に求め、何を幸せと感じるのかはひとそれぞれ。今年の恋愛は、そういうことを知り、ひとつひとつ受け入れながら、幻想から抜け出ていく。そして自分にとって愛とは何なのかに直面し、その体験を通して個として成長出来るかどうかにかかっているような気がします。
おそらくそういう、脱皮。

これは、もう恋愛を必要としないところまで辿り着いた先輩からのアドバイスですw。

Greenさんが、新しい素適な恋に出会えますように!☆

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