October 15, 2016

天王星とエリスのコンジャンクションー過去記事から

2016年6月5日の記事より抜粋

  さぁ、いよいよ天王星・エリスのコンジャンクションが迫ってきました。なので最後に再びこれについて補足しておこうと思います。以前、エリスの象意を 簡単に言うなら『長く疎外され、抑圧されてきた「自分(達)の断片」、「本来なら認められてしかるべき」と感じる「何か」を目の前に突き付けてくる感じ』 だと書きました。それは自分自身のこころの内で、自分に対して湧き起こる「何かが足りない?」という疑念として起きることもあります。たとえば長いこと自 分に対して認めてこなかった「何か」が突き上げてくるような感じ。本来の自分から切り離されてしまった重要な欠片を自分の手に取り戻そうとするような衝 動。またそれを外の世界に投影する形で体験することも多くあります。いずれにしても、あるべき「完全な自己」を取り戻したいという、存在の奥底からの叫び にも似たような感覚がその原理に潜んでいるのだと思います。

では、牡羊座23°台で天王星とコンジャンクトするエリスをサビアン・シンボルから見ていくとどんなことが浮かび上がるでしょう?

それについて話をする前に、ひとつ、気になったことがあります。それはドイツでの難民排斥/批判の声、それも女性達の抗議の声が高まっているらしいこと。このMAPは 2016年に入ってからの5ヶ月間にドイツとその周辺で移民、または難民のひと達(逃亡中の場合は移民または難民と思われる容疑者)によって犯された犯罪 がその場所ごとにピンで示されている地図です。たとえばレイプなどの性犯罪、子供へのいたずらや暴力、窃盗や殺人、放火など、犯罪の種類別に色分けされて いて、ピンをクリックするとその事件を報じた地元紙や警察の情報に飛ぶようになっています。(ドイツ語なのでわたしはGoogle翻訳頼りなのですが…。 また、この地図をどんなひと、または組織が創ったのかまではわかりませんでした。ただ、事件のソースは全て公的な記録や記事ということで、いわゆる難民排斥組織の単なるデマやアジテーションとは一線を画するものだろうと判断しました。

  これを見たとき、短期間に起きた事件のあまりの多さに驚くと共に、このMAPが紹介されていたサイト(アストロロジー関係)での議論内容にも考えさせられるものがありました。
「数多く押し寄せてくるひと達は戦火をまぬがれてきた難民ではなく、お金を稼ぐためにやって来た経済難民。だから住み着いた地域の文化や習慣に馴染む気などは 最初から無く、女性に対する認識も全く変えようとしない。もうこうなったら人道や理想より防衛を考えるしかないのでは…」という声。そして「やはりイスラムとは相容れない」という声。。。

そんな意見を読み、そのサイトにコメントを寄せる、今までリベラルな考え方をしてきたと思われる女性達の中にも、厳しい現実に直面することによって、宗教的 な対立を孕む意識の変化が生まれつつあるのか…と、少し驚きました。(今まで女性が被害を訴えてもなかなか取り上げてもらえないことが多かったという事実 を指摘する声もあり、それがこうした騒動以来、変化してきたのかもしれません。この地図に示された犯罪の中にはおそらく恐怖や嫌悪の感情から生まれた冤罪も含まれる可能性はある思うのですが…。) つい先日も、ドイツのロックフェスティバルで何人かの女性が移民男性に 襲われたというニュースを見ましたが、正直言ってまだ日本に住んでいるわたし達にはピンと来ないところがあるかもしれません。

けれど、誰も対応出来ないような急激な変化が起きつつあるという現実。それが新たな不和の種を蒔き、実はわたし達それぞれの人生にすでに存在してきた「エリスの金の林檎」を育てているという事実。この変化はやがて 何らかの形で "こちら側" にもやって来るのではないでしょうか。(現在の日本でも退去命令が出た外国人の送還逃れが3606人と急激に増加しているという報道がありました。) 理 想に向かうことはとても大切。けれど美しい夢と待った無しの裸の現実、その落差に直面したとき、そこにはダブルスタンダードという精神の罠が大きく口を開 けて待ち構えています。それは社会問題だけでなく、仕事や家庭、恋愛など日常の人間関係にも見られる光景ではないでしょうか。。

  単なる理想主義ではなく、また一律に区別や差別の目で見るのではなく、皆が穏やかに暮らしていける現実的な道を、わたし達は今から心して探っていく必要がある のかもしれません。(日本もやがて大友克洋描くところの「AKIRA」みたいな世界になるし、それはそれでOK!と予言する声もありますけど… ^_^;)

天王星と エリスのコンジャンクションは6月9日です。1970年代初頭、天王星とエリスがオポジションを形成した時代に台頭した精神のひとつ「ウーマンリブ運動」 (ウィメンズ・リベレーション)に対し、現代では新たなフェミニズムやジェンダーフリーという観点が浮上しています。それはあらゆる差別や格差の問題を内 にはらみながら、わたし達それぞれの自我に内在する美しい理想と赤裸々な欲望を巻き込んでわかちがたく絡みあい、ぶつかり合い分裂し、また再び爆発してい くのかもしれません。そして今、そこには文化や宗教の違いによる壁という問題 ー カルマ ー も絡んできつつあります。

  天王星・エリス が重なる位置は牡羊座23°台です。 そのサビアン・シンボルは 『開かれた窓と風に吹かれて「豊穣の角」の形をとるネットのカーテン』。 このシンボルは、「全体の危ういバランスの中に見られる明白な偏りにど う対応するのか?」という挑戦を示唆しています(この「豊穣の角」は豊かさ、権力、独占、富のシンボルです)。 あるいは、「"持つ者" と "持たざる者" との闘争を治めていく責任」。 二者択一ではなく、第三の選択を見出せるか?という厳しい問いかけ。(「豊穣の角」は "cornucopia" ですが、英語で "cornucopia lock horns" というと「闘争ー正面から力で渡り合う」といった意味になります)。

前回のメリマン・コラムの「長期的考察」の中で、メリマンさんは米国の社会主義化について書いていましたね。 この天王星・エリスのコンジャンクションは、きっと カーディナル・クライマックスの元々のテーマに含まれる 「富の分配」 や人間同士の 「格差」 にまつわる欲望や闘争、そしてそれをどう治めていくかについての人類の試行錯誤という側面に、なお一層の光を当てるものではないでしょうか?

けれど、コンジャンクションは「古いサイクルの終わり」と「真新しいサイクルの始まり」を意味します。ならば富の格差にしても文化や宗教、ジェンダーやフェ ミニズムを巡る争いにしても、そして既存の構造に抵抗する言論や行動にしても、きっと今までのような「闘争」の原理では成功しないかもしれません。 けれど、 いまだに現実的な第三の道が見つかっているようには見えません(これまでに試される段階まで来たのはもしかしてベーシックインカムくらいかな? 多分、わたしが知らないだけかもしれないけれど…)。

  でも、わたし達集合体がこうした挑戦を乗り切るための新しい道を見出せなければ、行き着く先は光速で断片化し浮遊していく個人の自我と、集合的・文化的なエントロピーの増大 かもしれません。 そして、やがては全てが細かいネットに覆われてグレーな状況に紛れ、形やイデオロギーを変えた新たな力の構造の中でもっと厳しい弱肉強 食の世界に帰っていく…。富のための闘争も、平和と共存を掲げた闘争も、行き着く先は同じ。。 この度数に留まって天王星を待ち受けていたエリスはそんな 可能性を示唆しているようにも思えます。。 

女神エリスの投げ入れた金の林檎は、神々の欲望を刺激し、トロイア戦争を引き起こしました。 災いの女神として疎んじられたことを恨むエリスの復讐は、そこにすでに潜在していた「不和」を浮上させることでした。その「不和」は、わたし達ひとりひと りの内側に今も存在しています。誰かを責める。あるいは自分を、責める。では、その「責めているわたし」とはいったい誰なのでしょう?  

         世の中には沢山の優れた方々が存在して、より良い世界のために沢山のことを考えているのだと思います。今、この瞬間も。 けれど、結局はわたし達ひとり ひとりの問題の集積がこの惑星の今を創造しています。権力者と呼ばれるひとも名も無いひとも、皆同じように、どこかにそれぞれの不和を抱えながら必死に生 きています。そしてそれぞれの道でときには躓き、間違いを犯し、その結果に遭遇し、再び立ち上がりあるいは失意に沈み… そしてやがては皆、等しくこの世を旅立って行きます。ならば名も無いわたし達もまた、自分が創造するこの世界、この人生に投げ入れられた金の林檎をどうとらえ、どう名付け、どんな意味を与えていくのか? が問われているはず。

ネット状に織り上げられた、無数のわたし達の意識。そのカーテン を豊穣の角 ー 豊かさへと駆り立てる風。その風は、わたし達の「思考」を象徴しています。型破りな思考を体現する天王星と、エリスの金の林檎の組み合わせは、わたし達に 「あらゆる不和に対する思考の再構築」を促しているのかもしれません。

        天王星とエリスのコンジャンクションは全3回。最初が6月9日で、このとき水星は逆行の火星とオポジションになります(牡牛座/蠍座軸でシンボルのテー マは「自分の帰り着くべき "ホーム" を見出すこと」)。 けれどおそらく7日あたりから殆ど正確なコンジャンクション状態と考えていいと思います。

7 日の朝には太陽と金星が正確なコンジャンクションを形成します(シンボルのテーマは『より良い結果のために何かをほぐし解体していくか、高すぎる理想に よって何かが犠牲になり崩壊に至るか?の岐路』)。 そして、同じ日に太陽が月のノースノードとTスクエアに。これはいわゆる「ムーン・ウォブル」と呼ば れる状態で、一般に何らかの自然現象(災害)が起きやすいと言われるフォーメーションです。ただし常に何かが起きるとは限らないのだけど。。なので一応 心理への様々な刺激も含めて、こころに留めておきたいと思います。

そして、それから約1°半弱しか離れることなく、2回目のコンジャンクションが9月26日、同じ牡羊座23°台で起きます。また、その後も2°程度しか離れないまま、最後のコンジャンクションは来年3月17日、牡羊座22° 台で起きます。 この最終回のシンボルは 『自分の置かれた立場、プライド、所有欲、権利などが関わる様々な問題を、自覚の上でどう扱っていくのか?』 というテーマを持っています…。


2016年6月20日の記事より抜粋

       6月9日に起きた天王星・エリスの正確なコンジャンクションは、同日の中国&ロシア軍艦による尖閣接続水域の侵犯によって幕を開けました。

そ してその後も木星・土星・海王星Tスクエア(この満月ではグランドスクエア)という大背景の下で、エリスの林檎はまだまだわたし達を刺激し続けているよう です。たとえば日本では参院選を前にしてすったもんだの末、桝添都知事が辞任に追い込まれ、フランスでは警察幹部と家族を狙った残酷なテロ事件。 EURO2016のフーリガン同士の乱闘事件が騒がれたと思ったら、日本ではまた中国軍艦による口之永良部島近辺の領海侵入。そしてフロリダ州オーランド の大量殺戮の悲劇、それからそう時を経ずして起きた16日のEU残留派英国議員銃殺事件などなど。。 世の中にも、そしておそらくわたし達のこころにも、本当に沢山のことが起きています。  火・水・爆発・分裂 そして....。この流れは緩・急のリズムを繰り返しながら、もうしばらく続きそうです。


準惑星としてのエリスについてはまだまだこれから数多くのアストロロジャー達による真摯な研究が待たれます。新しい情報をキャッチしたり検証することが出来たら、また報告しますね。


今後も、エリスなど比較的新しい準惑星などの情報は折りを見て何らかの形でまとめていきたいと思います。

hiyoka_blue at 21:10│Comments(0)TrackBack(0) 惑星達の話 

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