レイモンド・メリマン 週間コメント10/29【金融アストロロジー】レイモンド・メリマン 週間コメント11/12【金融アストロロジー】

November 07, 2018

🌑11/8の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つのではないでしょうか。
    例えば... シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで  11月8日01:21前後、北海道周辺で 01:27前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は01:02前後、沖縄周辺では0:33前後に蠍座 15°11’ で新月となります。

前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマと挑戦 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた象徴の言葉をそのまま書き写した「オリジナル版サビアン・シンボル」を使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 蠍座15°~16°― 発効期:11/8~12/6 】
  "Children playing around five mounds of sand"
『五つの砂山の周りで遊ぶ子供達』

  "A girl's face breaking into a smile"
『突然微笑が浮かぶ少女の顔』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
 ※ひとによっては数日前から前倒しで感じられると思います。

→★社会常識を一旦脇に置いて、自分なりの美意識(歓び)を
  探求しようとする意志
→★新たな一歩を踏み出すにあたり従来とは異質な傾向の何かを求める
→★全体の風向きが変わるまで注意深く自分を護り、耐えて待つ必要
→★危険や変調を感じて進行していた物事を中止する、または逃げ出す
→★自分の生命力を取り戻すために新しい思考、試み、世界観に心を開く
→★試行錯誤や迷い、積み上げては崩れる物事の中で自分を疑わずに進む
→★五感の全てを使って楽しみながら、同時に「変化」に注意を払う必要
→★どう見られたいか、見せたいかというイメージに宿る自分で創った鋳型
→★自分や他者への「こうすべき」「こうあるべき」という固さを打ち砕く必要
→★「数」や「形式」にこだわることのバカバカしさを知る
→★複雑化した思考やよじれて絡み合った関係をシンプルに見直す
→★言葉に出来ない何かを感じとりながら、その証明を虚しく外側に求める
→★誰もが自分のことしか見ず、自分の声しか聴いていないという気付き
→★苦しさの後でこそ感じられる「理解」と「解放」の歓び
→★「人生はわからないから面白い」という一片の真実を体感する
→★不可思議なコミュニケーションの在り方を認め、受け入れていく
→★まだはっきりと孵化していない新たな方向性をひとり信頼して行く・・・→



エネルギーのポイント:前回の新月『休息と再生、突破に備える』
                    ↓
            今回の新月『闘いの前に必要とされる内的シフト』
                   
            
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        今、この記事を書き始めたのがギリギリ新月の24時間前...。さっきちょこっと覗いたCNNは、米国中間選挙速報をまるで内戦中継みたいな勢いで放映していました。確かにこれほど分断された世界では、この選挙が持つ意味は重いはず。流れている世論調査では民主党有利だけれど、CNNはいつも民主党側なので、どうなるかまだ未知数かな? ただ、同じ世論調査で回答者の77%が米国民は分断されていると答えているのはやはり深刻な状況...と思ってしまいます。いずれにしても、この記事をUPする頃には結果が出ているでしょう。何が現実となるにせよ、今後の日本がその影響を受けるのは必至です。そして同じ惑星のテーマと影響力がわたし達それぞれにも放射されています。蠍座の新月、アスペクトはとても複雑に入り組んでいるし、イングレスや方向転換もあるし、水星は絶賛OOB中で、もういろいろ激動の立冬に入ったわたし達。。でも、とりあえず頑張っていきましょう(^_^;。



★11月新月の星模様とチャレンジ ★

新月が海王星とトライン、天王星とクインデチレ
新月図のICに新月のロード水星がコンジャンクト、ASC上のオルクスとスクエア、牡羊座のエリスにセスキスクエア
月のノード軸、金星・セレス、天王星でグランドスクエア(天王星とフォルスがトライン)
月のNノード、木星、カイロン・ルシファーの水性グランドトライン
木星・天王星・月のNノードでドミナント・トライアングル
牡牛座のジュノー・魚座のカイロン、ルシファーから天秤座の金星・セレスにYOD

アスペクトまとめて簡単に:
  新月図のロード水星がIC上に来てオルクスとスクエアというのは強いかもしれない。変化を頑なに拒否する力はすでに使い果たされつつある。この新月からは、次にどこに向けてどう力を使っていくのかを決めねばならないところに来そう。17日から逆行に転じる水星なので、今からこの逆行期(12月7日まで)を通して過去をふり返り、それを探っていくことになるのかも。ただし鋳型にはめようとしてくるプレッシャーはキツイかもしれない。ときには自他ともに、甘えたり甘えさせたりというクッションを意図的に置くことも「戦術」として必要になるかも? いずれにしても、最終的には周囲に惑わされず自分の内奥の真実に目を向け続けることが大切。また、月のノード軸が蟹座 — 山羊座に移行したので、これまでより全体に内向きになり、自分の内面、または身近な環境を整理して秩序を保ちたい、護りたいという気持ちも強くなってきそう。けれどそれ自体が結果的には人生の「変革」や「革命」に繋がっていくかもしれない。

その他:
  予想外の出来事/背後に潜む、理屈や分析には顕れない違和感→自分の世界を変革したいという衝動/不当な物事を裁きたい気持ちが強く刺激される→矛先が自分または他者へ向く危険/イマジネーションが刺激されたり理想や思いやりの気持ち、ファンタジーが拡がる傾向/自分に手の届く範囲を超えた力を夢見る/自己過信へと導く力/女性特有の強さと狡猾さ→母・女としての蓄積した怒りの本源を見るが、そのエネルギーを使い尽くした後でさてどうする?行くか留まるか?全く別の戦法を採るか?という白紙の問いにぶつかるかもしれない/これまでも十分変化に耐えてきた。少しはホッとしたいという気持ち/慣れ親しんだ場所や環境での休息または気晴らし(ただし優しい誘惑者や操縦者との遭遇に注意)

<マイナーな惑星同士のアスペクト>

射手座のイクシオン、魚座のカイロン・ルシファーから獅子座のニッポニアにクァドリフォーム
様々な分断と境界を打破しようとする行動が狭いコミュニティに混乱をもたらす可能性。「みんな違って、みんないい」という考え方を深い意味で捉えるか、浅いスローガンとして用いるかによって結果は異なりそう。日本としては、ハムレット的決断 — いつか来るべきものは来る。何が起きてもどう転んでも準備と覚悟は出来ている...くらいの状態が密かに求められているのかもしれない。ニッポニアとルシファーは小惑星でマイナーな惑星ではあるけれど、ケンタウルス族のカイロンとTNOのイクシオンは遅い惑星なので、大背景として長期的な刻印のように働くかもしれない。

<惑星スケジュール>

11月7日 逆行の天王星が牡羊座に戻る(来年3月まで)
「敵」は何処にいるのか?アグレッシブさをどこに向けるか?の再確認
11月7日 03:09頃 月のNノードが蟹座にイングレス(Sノードは山羊座)
法と秩序、安全と防御への関心
11月8日 21:40頃 木星が射手座にイングレス(来年12月3日まで在泊)
徹底した自由や解放、哲学的軽みへの関心、自分の世界観や信条、道の探求、外交・通商や海外への関心
11月4日~20日 水星がOOB(アウトオブバウンズ)になる

11月16日 19:51頃 金星天秤座25°台から順行

11月17日 10:33頃 水星が射手座13°29から逆行
 11月18日 水星と火星がスクエア
 12月7日  6:22頃 水星が蠍座27°16から順行
金星(感情)に続く逆行なので特に「思考のクセ、論理立てのクセ」→「言葉のクセ」についてよく見直すとき。試行錯誤は覚悟の上で。ここからは「何処かでダメだとわかっているのに固執したり捨てられないもの、者、or 生き方」が今までより支障をきたす形でクローズアップされるかも。

11月21日前後 火星・木星スクエア(双子座のエケクルスを含めてTスクエア)
          太陽・天王星クインカンクス

突発的に力の抗争や攻撃的、または破壊的な衝動が起きやすいので要注意。

11月23日 双子座0°52で満月!


以上、まだまだキリが無いけれど、取りいそぎ思いつくままに...。



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        では、新月のベースとなるシンボルからいってみましょう。まず蠍座15°『五つの砂山の周りで遊ぶ子供達』です。「5」という数字は本当に様々な物事を象徴するし、その数が何を意味するかは、ひとによって全く異なると思います。けれど、おしなべて言えることがあるとすれば、それは「この世界」「人間」そしてその「存在」を端的に表す抽象的な概念... ということになるのかもしれません。ほとんどの人間にとって「存在」の発端は「わたし」です。おそらく「この世界」や「この宇宙」をそれと認識する発端も。そしてそれを感じ取る意識は五感で成り立ってる...。物を触る手の指はもともと5本。2本の腕、2本の足、そして頭が1つでイコール「5」。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚も五つ。そうやって、わたし達は「わたし」の外側と内側を感じ、この世界に存在する自分を感じてる。

で、このシンボルには五つの砂山で遊ぶ子供達が出てきます。蠍座のちょうど中盤度数で「5」が出てくるということは、この砂をかき集めて創り上げた山はやはり人間の五感…「わたし」が使った全ての感覚と、過去に感じ取った記憶の集積を暗示しているのかもしれません。今、子供達は砂山の周囲で無心に遊んでいます。道路を作ったり、四角いビルを建てたり、溝を掘って河に見立てたり、自分のお城や動物達の家、こっちはロケット発射場かな... みんな思い思いに、思いつくままに、自由に自分の世界を創造しようとしています。なんだかとても楽しそう...!


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        きっと、ほとんどのひとは大人になるともう砂遊びをする機会も無いでしょう。子供達と一緒に遊ぶときも、半分は彼らを見守る感じになりそう。でも、もしこの砂遊びに似た体験をするとすれば、それは「箱庭療法」や「砂遊び療法」と呼ばれるセラピーかもしれません。砂や様々なミニチュア玩具(この世界に存在するあらゆるモノの象徴)を使い、箱の中に自由に自分の世界を創り上げていく心理療法です。そこに出来上がったミニ・ワールドには、まだ「ことば」にならない、または言語化しにくい内面の心象が、見たり触ったり動かしたり出来る三次元の世界として顕れるのだそうです。

でも考えてみたら...箱庭療法とは違うけれど、アーティストが創り上げる様々な作品にしても、わたし達が特に目的もなく、ただ白い画面に向かって何気なく描くいたずら書きにしても、根底は同じことなのかもしれません。少なくとも描かれた時点では、その瞬間の五感を使って表現された、その時点のことばにならない「わたし」の内面世界が滲み出ているはずだから。。



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  でも、この五つの砂山で遊んでいるのは「わたし」という子供ひとりではありません。他にも大勢の子供達が思い思いの世界を創ろうとしています。だから、時には喧嘩になることだってあるでしょう。

「せっかく大きなビルを建てたのに、なんで崩すんだよ!」
「だってここは道なんだもん。大きなトラックがいっぱい通るんだもん!」
「違うよぉ...これは川なの...お魚がいっぱい泳いでるの...泣」

その結果は…もし誰かリーダー格の子がいたなら、「世界」がどうなるかは多数決や力関係で決まるのかもしれません。もしみんなバラバラだったら? もしかしたら、誰かがとうとう癇癪を起こして砂山のひとつを蹴り崩してしまうかな?  いえ、もしかしたら... 突然大きな波が打ち寄せて、せっかく創り上げた「世界」を根こそぎ洗い流してしまうかもしれません。。


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        ちなみにこの度数を補完し、深みを与えているのは180°対向の牡牛座15°です。そのシンボルは『重ね着をして粋なシルクハットを被った男』です。この場面でシルクハットは、男が当時の上流階級に属することを意味しています。なので普通なら、わりとお堅い系、または上品で洗練された感じの人物を象徴するはず。けれどこの男性は、どちらかというとストリート系というか、一種のあだっぽさや遊び慣れた感じを意味する「粋(原文rakish)」な帽子の被り方をしているようです。これはちょっと一筋縄ではいかないような、怪しげな感じ...? それに、わざわざ「重ね着」をしているというのも、どこかアンバランスな感じです。もしかして、彼は身軽な衣装の上にタキシードを着込んでシルクハットを被り、何食わぬ顔をして上流階級のパーティーに潜り込んだ泥棒? それとも世間知らずなカモを探しにやってきた詐欺師? 「着込む」を意味する原文の「muffle」には「覆面をする」という意味もあります。

人々は彼に怪しげな印象を抱きます。けれど、もしかしたら彼は本当に貴族階級の出身なのかもしれません。ただ、自分の出自によって当然のように得られる権益や、自分を取り巻くリッチで気取った世界に馴染めずにいる可能性もあります。だから自分らしい生き方を貫くために、あえて女物のストールを巻いてみたり、下町で流行りの崩した帽子の被り方をしているのかもしれません。それは彼なりの「自己表現」です。ひょっとすると、彼は自分が生まれた素晴らしい血統を捨てて、芸術家やミュージシャン、いやもしかしたらギャンブラーの世界に身を置きたいのかも? 彼はそうやって自分の「本当の姿」を、一番フィットする世界を、もがきながら探しているのかもしれません。


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        でも、もしそうだとしても、傍目から見ればただのアヤしい放蕩者。彼が本当に自分が選んだ道で人生を確立するまでは、きっと周囲からの疑念や逆風に耐えていかねばならないでしょう。社会的な視線から見れば、憧れの砂山に遊び外面で自己主張するだけでなく、リアリティーの中で何かを構築してこそ、自分が本物の存在だと証明出来るのだから。。 わたし達が一切の妥協をせずに自分の世界を貫こうとするとき、常に異質な存在を排除しようとする大きな波がやってきます。そして、あれこれと自由に感じ、夢見ながら創り上げた砂山は、もろくも崩れ去ってしまうかもしれません。

        でも...。子供達は楽しげに遊んでいます。五感をめいっぱい使って、今という瞬間をせいいっぱい楽しんでいます。だから。たとえ一瞬先に大波がやってきて、五つの砂山を根こそぎ崩し去ってしまったとしても。「あっ僕の基地が流されちゃった!!!」 そんな一瞬でも、子供達の反応は様々です。「うわ〜!凄い凄い!」と感動してしまう子がいるかもしれません。ショックで泣き出す子、怒って地団駄をふむ子、少し様子を観察し、もうちょっと波打ち際から遠いところでもう一度自分のお城を作ろうと考える子もいるかもしれません。 


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        ...それは五つの砂山。砂のひと粒ひと粒は、わたし達の感性、そして経験の記憶。その山を巡り、そこでわたし達は今も遊んでる。崩したり掘ったり積み上げたりしながら。「わたし」という五角形の箱庭の中で。でも、そんな遊びから生まれた「かたち」はやがて孵化し、「形」となり、リアリティーとして顕れてくるのかもしれません。それはまだ、ことばにもならない遊びの領域にあるのだとしても...。


        では、新月のメインのシンボルにいきましょう。蠍座16°『突然微笑が浮かぶ少女の顔』です。少女の微笑、スマイル...いかにも純粋で可愛らしい気がするけれど。そこは蠍座も中盤から後半に向かおうとするスタートの度数です。これはいろいろな含みのあることばです。サビアン・シンボルに少女が出てくるときは、ほとんどが純粋さや無垢さを暗示していることに間違いはありません。だからこのシンボルの場合も、子猫や子犬をなでている優しい少女の微笑を思い浮かべてOKなのだけど。ただ原文の「girl」は幼い女の子だけを指すわけではありません。17〜18歳くらいのほとんど大人になりかけた少女も含みます。そして「smile」という単語自体も、「顔に笑みを浮かべる」という表現そのものを指していて、その行為に含まれる意味はひとつではありません。たとえば朗らかな気持ち。あるいは優しい気持ち。嬉しい気持ち。または相手や状況を認め、受け入れるという意志表示。ときには自己満足やうぬぼれが混じった自負心...また意地悪く見れば、見えないところでこっそり浮かべる誰かへの皮肉な微笑...。


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        でも。突然、微笑が浮かぶということ。それに、ただ「微笑を浮かべる少女」ではなく「少女の顔」と、顔に焦点を当てた言い方であること。これは、おそらく少女の存在そのものよりも、それまでの雰囲気がガラッと変わることを暗示しています。笑みが浮かぶということは、その前は何かに悩んでいて暗い気持ちだったのかな? それとも周囲が固く緊張していて、張りつめた雰囲気だったのかな? シンボルの訳文では「突然...」と、ひと言で済ませてしまったけれど。原文では「break into smile」と言っていて、いきなり見えない壁をこなごなに粉砕して何かが顕れる...そんなニュアンスが加わっています。ブルドーザーで不可視の壁が壊されるみたいに。だから、気分的にも場面的にも、案外大きな状況変化が示されているようにも思えます。じゃ、それは例えばどんなことが考えられるんだろう? 


        新月のベースとなった度数、蠍座15°では砂山の周囲で子供達が遊んでいました。その子供達は、今はひとりの少女になりました。少女はまだ未成熟な存在で、人生で言えば、これから五感をめいっぱい使って体験を積み重ねていこうとするところです。一方、この度数を補完する対向180°、牡牛座16°を見ると、そこには対照的にひとりの老人が出てきます。『ある秘儀を解き明かそうと虚しく試みる年老いた男』。


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  うーん、これはシリアスな雰囲気だなぁ...。「ある秘儀」というのが何を指すのかは明確にされていないけど、原文では「the Mysteries」と頭が大文字で表記されていて、単なる「謎」とか「不思議話」とは区別されています。つまりこれは、普通の人間には明かされることのない崇高な謎、特定の教え、経文、宗教的古文書のようなものでしょうか。 たとえばカトリックの世界では「ロザリオの十五玄義」とされるものがあって、それを「Mysteries」と呼ぶそうです。その中ではイエス・キリストと聖母マリアに起きたとされる出来事が五つずつ三つのパートに分けられ、それぞれ歓び、哀しみ、そして栄光の「ミステリー」と呼ばれているのだとか。


けれど、古代から秘儀や奥義とされてきたものを解き明かすのは至難の技です。準備の出来ていない者には、その入り口を覗くことさえ許されないとも言われます。だからシンボルでも「虚しい試み」なんて言われてるのかな。それなのに、老人は何のためにそんな努力を続けているのでしょう? この度数は牡牛座後半の最初に位置しています。だから単なる遊びや好奇心なんかじゃないはず。 じゃ、深奥な知識や智恵を自分のものにしたいから? それによって自己の内的力を覚醒させたいから? 世界や物質の、生成の秘密を掴み取りたいから? 

もしかしたら今、自分が拠って立つ大地は震え、ひび割れ始めている… 彼はそんなふうに感じているのかもしれません。もうすぐ地面はぽっかりと大きな口を開け、自分はそれに呑み込まれてしまうかもしれない。そうなったら、今まで営々と積み上げてきた知恵が、プライドが、地位が、財産が…いや自分の全てが虚無に帰してしまうだろう。彼は恐怖にかられ、怯えます。だから自分の知識と知力の全てを賭けて、この世界を司る「道理」という謎に挑みかかります。目の前に立ちはだかる謎の壁を突破し、それを我が物とすることによって、何よりも「自分」という存在を確固たるものと感じるために。


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        あるいは、彼は自分のしていることが虚しい努力だと知っているのかもしれません。それでも、今の自分に備わった最後の力をふり絞って挑戦し続けているのかも。 しょせん、自分に出来ることなどタカが知れている。小さな井戸の底から広大な宇宙の全てを知ろうとするようなもの。 けれど自分にはこれしか出来ない。これが自分の道なのだ。やり続けるしかない。彼のしていることは、きっと砂山を創っては壊し、積み上げては洗い流されるという繰り返しかもしれません。それでも彼は飽くことなく探求し続けます。おそらく、死が訪れるその日まで。。

年老いてさえ、なおも情熱的に我が道を行こうとする老人を、世間のひと達は笑うかもしれません。彼を横目で見て声にならない笑いを浮かべ、「ヘンなひとだから関わらないほうがいいよ」なんて言うのかもしれません。でも、老人の中には今、誰にも見えない、誰にも理解出来ない彼だけの宇宙が拡がっています。それはどんな光景だろう? いつか、彼の顔に刻まれた深い皺の間から、微かな笑いが漏れる日はやって来るでしょうか? それとも。死の瞬間、苦痛から解放される歓びとともに、人生の全てを、幾多の砂粒の全てを抱きしめて、無垢な笑いに包まれるのでしょうか?


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        突然の一瞬。今、少女は向こう岸の老人を見ながら口許をほころばせています。彼女の目に、経典を前に難しい顔をした老人はどう映っているのでしょう? 老人には理解出来ない何かを、彼女は理解しているのでしょうか? そうかもしれません。でも、彼女自身はきっとそれを知らないでしょう。何故なら、それはことばにはならないから。ただ突然、何かが内側から生まれ、不可視の壁を破って微笑みになったから。そしてそれを生み出したのは、年老いた男の存在そのものが発する一瞬の花火のような響きと輝きだったのかもしれません。

少女も老人も、同じように五つの砂山で遊ぶ子供であり、自分にとっての素晴らしい世界を創造しようともがく、小さな「わたし」という存在です。でも今、少女は目の前の砂山だけが自分の世界ではないことを知っているようです。大波が来て全てを失おうと、五感がどんなに虚しく騒ごうと、それを超えたものが常に、ある。何処に? 此処に。わたしの中の、どこか深いところに。きっとあなたの中にも。それは失われることがない。

「だから今、あなたは此処にいるのね...?」 

でも、少女はまだ語ることばを持ちません。これから先も、もしかしたら余計なことばばかりが増えていくのかもしれません。でもたった今、確かに本物のブレークスルーが起きました。それをひとは内的な「シフト」と呼ぶかもしれません。呼び方なんて、何だっていいのです。だってこの少女は、理解したいなんて思っていないから。湧き起こった微笑みが、理解そのものだから...。


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        蠍座は(方向は異なるけど対向の牡牛座も)、最後の最後まで求めたものにこだわりぬく星座宮です。諦めずに追い求め、その手に掴もうとし、放さず、徹底的に探求し続けます。木星の蠍座運行でスキャンダルの露呈が多いのもうなずけます。けれどそんな蠍座が最後の最後に行き着く境地を象徴することばは...サレンダー。心の底から委ね、明け渡し、自分を投げ出し、自我も欲もひっくるめて象徴的な死を経験することを通して最後に勝利を掴む。。 そこに至ったら、もう勝利とか掴むとか、そういうことも関係ないかもしれない...。 

もちろん、太陽を蠍座に持つ生まれのひとがいたとして、誰もがそんな人生を送るわけではありません。でも、それが蠍座の持つ「突破」の構造です。そして、この蠍座中央部の度数には、そんな "奥義" がひっそりと秘密裡に顔を覗かせているのだと思います。

        沢山の惑星や感受点が運行する星座宮を変えたり、方向転換したりするこの新月期。世界の集合意識にも、わたし達の個の意識にも、きっと何らかの変化があることでしょう。五つの巨大な砂山はいつか波に呑まれ、また新たな砂山がゆっくりと構築されていきます。そしてわたし達は、自分の五感を通して再びそれを遊ぶでしょう。でも...。いつだってそれを超えた何かが、ある。それは「わたし」の足許にあるのかもしれないし、深い胎内宇宙のどこかかもしれない。けれどそれはきっと、ことばにならない。ひとりひとりの「今」の中に、響く者として、在るのだから。



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have a great trek!!!★

hiyoka(^_^

hiyoka_blue at 21:33│Comments(6)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

この記事へのコメント

1. Posted by Lone Wolf   November 08, 2018 23:12
5 こんばんは、hiyokaさん!

木星が射手座入りする前の数日間、内的世界での大きな節目となった日々でした。

「だから今、あなたは此処にいるのね...?」 

この言葉、切なくなるほど実感してます、いま。。。

なにかを得るからするのではなく、そうすることが自然であった道のり、幾度も壁にぶつかり続けても…。だからこそ、此の場所、、、頂きではなく、始まりの場所にたどり着いたのだと。

この一年、自分を捨ててきた日々であったけど実は、本来の自分を露わにするための日々だったのだ、と。

そして、いま、、、" 奥義 " と呼べるほど突き詰めたわけでも、なにかを成し遂げてきたわけでもない。けど、

「絞り込んでいく、自分ができることを。精一杯に続けていく、毎日コツコツと。前の自分を今の自分が超えてるように… ただ、愚直に」

これが俺の芯、そうハッキリ言えます。

次の1月初めのソラリタでは、T土星山羊座が、俺の12ハウス太陽山羊座とピタリと重なる時期を迎えます。

この時、ひとつの実りを収穫しつつ、次への始まり(ASC水瓶座への天体集中時期)に向けての卒業式?卒業試験かも??と、ドキドキワクワク… でも、 ちょっと、気が早いかな?! 笑


さて、、、
この頃は、朝晩、寒くなってきましたね…
風邪をひかぬよう、お身体をご自愛くださいませ。。。

追伸:マンデーン 2019、とても楽しみにしてます(*´ω`*)

それでは。
Lone Wolf




2. Posted by hiyoka   November 10, 2018 00:53

Lone Wolfさん、こんばんは。

お気遣いありがとうございます。風邪引きそうになりながら、なんとか踏み留まって苦闘中です(^_^; 『マンデーン2019』、これからが本当に重要な数年になるという論旨でとても読み応えある内容です。それを損なわずにお届け出来るようがんばりますね!

この新月は...Lone Wolfさんにとって、本当にシンボリックな符合が起きるタイミングだったんですね。良かった!大切な「芯」の発見と認識、内的な実り。そしてここから先は、いろんな意味で「節目」が沢山やって来そう!

確か以前、冥王星とカイロンのことが話題に上ったように思うけれど、その試練も次のカイロンの順行から来年1月末の最後のオポジション形成(と、もしかしたら水星のTスクエア?)で本格的に余韻からも抜けますね。このアスペクトの、何ともことばにならない"ずんと来る重さ" を味わい尽くしたひとは、きっとその重さならではの深い解放感に包まれるんじゃないかな。もし水星が関わっているなら、どうしてもことばにならなかった深奥の何かを言語化するか、少なくとも思考に浮上させることが出来るかも。または思考パターンの変容? そして来年夏〜2021年1月にはいよいよカイロン・リターンですね。もしかしたら…二元性が支配する世界の中、どんな状況にあっても肩に力を入れずに生きていける。そんなメンタル・スキルを研ぎ澄ましていく...(言うは易しだけど)...そんなこともテーマのひとつになるのかな。自分だけのメンター(今この瞬間も異なる次元を生きてる自分?)との再会がどんな経験をもたらすのか。楽しみですね

アセンダントが水瓶座なら、その支配星は天王星と土星。そしてオクターブ下の水星はその配下。大切な惑星達。それともしかしたら内的な「火」を表す小惑星アグニも、影響力を持つかもしれないので頭の片隅にいれてみてくださいね。

great trek!!!💫

3. Posted by Green💜🍁🍁🍁💦💦🚁🔫   November 10, 2018 11:59
5
こんにちは、hiyokaさん


いま、ぼくは疾走しながら
瞬間瞬間を生きています。

こんなにも、サバイバルな
戦士を生きるとはおもっても
いませんでした。

いま、ぼくの旧い愛機
iPhone4から、ここに
書き込みを、やっています。


マシンや機械、ロボットにも
たいせつにつかうと
主に恩返しをしてくれるようです。


手持ちのiPhone7はいま二つ。

iPad2がひとつ。

SoftBank光に、ソフトバンクでんき

も先ほど申請しました。



2020年へのクライシスが

電子情報の一斉消去抹消
大混乱、ガラガラポンでないことを

ねがいます。

いまは、海王星魚座と

射手座、グレートアトラクターが

最大限に誤謬、誤診のアスペクトを

とっています。

ほとんどのひとが、せいかくに

いまと、さきを見極めて
いません。

非常に由々しきこのさきに
備えなければ。と

これは、グレートアトラクター
射手座とセクスタイルの
ネイタル天秤座木星をもつ自分

だからこそ、去来していることです。


iPhone7を二台持ったのも

電子情報消去、抹消の事態リスクへの

備えです。


真剣に深刻に危惧してます。


Green(^_−)−☆


🍒🍂🍂🍂🌾💜💜💜🍁🍁🍁🍁🍁🍎🍋🍋🍇🍇🍇🍇🍇🍇🏥🚨🌃💦💦💦
4. Posted by Lone Wolf   November 11, 2018 01:23
5 カイロンリターン!!!
なるほど、それもありましたね! ありがとうございます!!

そういえば、、、いままた、前に話題にした、Tカイロンとネイタル8ハウス冥王星乙女座29度がオポジション。どうりで、前に経験した出来事と似たよな出来事が目白押しなわけだ 笑。

あと、アドバイス頂いた " アグニ " について。

私のホロスコープでは、アグニは12ハウス山羊座29度、ネメシスは12ハウス山羊座25度、ランポ(Lampo)は水瓶座0度、そこにASC水瓶座6度 。加えて太陽は12ハウス山羊座12度。

サビアンシンボルのキーワードにも炎があって、炎が盛り沢山w アドバイス頂いたことを肝に銘じて過ごしていきます!

ありがとうございます!!

それでは、hiyokaさんの日々に幸あらんことを願って…

Lone Wolf
5. Posted by hiyoka   November 11, 2018 06:16

Greenさん、こんばんは。絵文字の御見舞いありがとうございます!

来年〜2020年とそれから先の数年間。大きな変わり目を世界が過ぎ越していくときには、牡牛座の天王星と山羊座の土星・冥王星を中心にあらゆる物事が変容をとげるでしょう。その中でもGreenさんは電子機器やサイバー世界の混乱と、そこに蓄積された情報の行く末にフォーカスしているんですね。多かれ少なかれ、混乱と力のシフト、崩落と融合のようなことは十分に起きそう。日本の機関や企業は危機感が薄そうな気がするけれど、すでにサイバー戦争は暫く前から勃発中…。ただそれが正確にはどんなことで、具体的にどの部分に何が起きるのかは今のわたしには未知数ですが...。

確かにマシンやデバイスと親しく接していると、何か「通じる」一瞬というのはある気がします。わたしはどちらかというとアナログ人間なので、車みたいなマシンの方が友達になれそうな気分ですがw。今、当たり前の生活を支えてくれている当たり前の道具やモノが失われたら? そのとき自分はどうするだろう? と考えたとき、とりあえず一番無くて困る大事なもののために備えをしておくのは正解だと思います。何があっても無くてもどうにか生きていく... そんな覚悟と楽観性(甘さではなく)とともに。 そして何かが大きく変わるときは人間の価値観さえも根こそぎ変化する可能性も頭にいれつつ。生きている限り変わらない何かが自分の中にあるのかどうかも確認しつつ。

数は少ないけどここにコメントを下さるひと(もしかしたらひっそり読んでくださるひとも..)は、きっとみんな多かれ少なかれ激しい人生を生きてる戦士さんだと思います(いつもじゃないとしても)。

今はキツイエネルギーが来ていると思うし、全力疾走中かな.. でも、疾走しすぎて疲れてしまわないよう気をつけて、ときにはホッと休むようにしてくださいね。弾を巧みに除けながら..😉

great trek!!🌟

6. Posted by hiyoka   November 11, 2018 07:02

Lone Wolfさん

そうなんですか! 火や炎が盛り沢山なんですねw
カイロンも遅い惑星なので、来年早期の冥王星との正確なオポジションは今生で最後。今もオーブ圏内なので、以前トランシットのカイロンが冥王星とコンジャンクトした時期に孕んだテーマの果実を一種の卒業試験のような感じで味わえるのかもしれませんね。そのすぐ後にカイロンリターンという流れを生まれながらに設定してきたわけなので、興味深いと思います。

ちなみにアグニはアーリア人の拝火教を起源とする至高の火の神ですが、「道を往く者」「探求者」にとっては試練と祝福の両方を現象化させる可能性があります。とても厳しい顔を持っていますが、同時に素晴らしい火的な経験をも意味する小惑星です。

前に一度読んでくださったかもしれないけど、アグニについては2017年3月28日の新月記事の下のほう(6枚目の画像の下)にわりと詳しく書いたので、もしよかったら見てみてください。

have a great trek!!🌟

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