レイモンド・メリマン 週間コメント3/4【金融アストロロジー】レイモンド・メリマン 週間コメント3/11【金融アストロロジー】

March 06, 2019

🌑3/7の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して...(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら...)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つのではないでしょうか。
    例えば... シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで  3月7日01:23前後、北海道周辺で 01:29前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は01:04頃、沖縄周辺では0:54前後に魚座 15°47’ で新月となります。

前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマと挑戦 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた象徴の言葉をそのまま書き写した「オリジナル版サビアン・シンボル」を使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【月・太陽 ♓️魚座15°→16°― 発効期:3/7~4/4 】

 →🌑🌞"An officer preparing to drill his men"
    『兵の軍事教練に備える将校』
            ↓
 →🌑🌞"The flow of inspiration"
    『インスピレーションの流れ』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
 ※ひとによっては数日前から前倒しで感じられると思います。

→★いざ、という時に品位と尊厳に満ちた態度を保てるかのテスト
→★渦中に入らず状況をよく見据えながら戦略を立てる必要
→★一定の物事や所作の繰り返しを通して自分をベストな状態に整える
→★手近にある物や簡単に済ませられる事で間に合わせてしまう心理
→★自分の中に共存する「知性」と「獣性」両方のバランスを取る
→★自己の深い内的宇宙から立ち上がる直観とその源泉を信頼する
→★解ってはいても無意識の本能的な欲動に抵抗しがたい状況
→★セクシュアルな衝動をクリエイティブな表現に変換して使う
→★単なるハッタリや虚勢と本物の強さとの違いを明確に見る体験
→★社交的な常識、儀礼的なつき合いの仮面を捨てて率直にふるまう
→★抑圧や閉塞感の中でも「隙間」を見つけて別空間に出るコツを掴む
→★自己を取り巻く環境の「気」の流れを変える、または整える必要
→★よどみない知力を生み出すために生きものとしての生命力を回復させる必要
→★ハッとした拍子に何か(瞬間的に消える)大事なことを思いつく
→★血液の滞りや呼吸器関連の健康に注意
→★思い立ったことを伝える際に適切な表現法を一考する必要
→★深い内的宇宙に眠る原初の力と自我を隔てる壁を越える必要・・・→


エネルギーのポイント:前回の新月『集中し弛緩し集中し突き抜ける』
                    
            今回の新月全ての内的力が融合する一呼吸への集中
                             

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★3月新月の星模様とチャレンジ ★


牡牛座入りする天王星については前回の満月記事で触れたので、今回は後半のサビアン・シンボル解説を補足する感じでいってみます。

3月6日未明、魚座29°台から水星逆行開始(太陽・ヴェスタ・海王星がほとんどコンジャンクト)、そして同日天王星が最終的な牡牛座入り

太陽・月・海王星・ヴェスタがコンジャンクトでアスボルスにスクエア
 土星にセクスタイル

3月15日 水星逆行の中日(28日に順行に転じる)

その他
水星・カイロンがコンジャンクト
ノード軸にリリスがTスクエア
リリスとSノードからジュノーにクァドリフォーム
火星とパラスがクインデチレ、イクシオンとセスキスクエア
 ヒュロノメとトライン

パラスとルシファーがオポジション
木星からキラルスにクインカンクス
 木星とBMリリスからキラルスにYOD


3月11日 火星・海王星セクスタイル
3月14日 火星・土星トライン
3月20日 火星・冥王星トライン


  今週いっぱいは水星逆行のストームフェーズ。水星逆行は右脳と左脳のスイッチング、または左右を隔てる壁が曖昧になると言われる。特に今回は海王星が強力に働く。だから今までの思考回路が綺麗に舗装された高速道路だったとすれば、水星逆行の瞬間からそれがぬかるんで弾力のある凸凹道に変わり、高低差も激しく道路標識もアテにならないという感じに近い。そんな中で、ハイな状態が続くひとがいるかもしれない。また特に逆行当初のストームフェーズでは水星の持つ欲望が強調される。なのでコミュニケーションや自己表現への欲求、「話したい」という気持ちの高まりによって Twitter や フェイスブックなどのSNSも賑わいそう。ただ無意識の行動が多くなったり、周囲の「気」を知らないうちに吸収して良くも悪くも影響を受けやすくなるので注意は必要かな。けれどそのぶん、感受性は高まり明晰夢を見る機会も。例によってPCや電子機器の不具合、伝達ミス、時間や動作の遅れ、集中力の欠如による事故にも注意。

水星逆行の中日には太陽と逆行の水星がコンジャンクトする(午前11時頃)。これはつまり、地球・水星・太陽が一列に並ぶということ。水星逆行中は思考の筋道がアテにならないことが多いけれど、この日は全体的な「筋」を支配する太陽の影響でひととき社会的な思考への引力が強まり、「滞っていた仕事を早く仕上げなくては」とか「何か意見を言わなくては」などというプレッシャーを感じるかもしれない。ただ逆行運動そのものが変化するわけではないので、コミュニケーションは引き続きゆっくりと確実に、手すりを掴みながら進めたい。相場でも逆行の中日前後は局面が変わったりトレンド転換する市場が出たりすると言われるけれど、このような太陽からの影響もあってのことなのかもしれない。


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  海王星とヴェスタにコンジャンクトの新月はイメージとしては「漆黒」で、内側に炎を秘めながら五感を頼りに大切なものを求めて暗い海を渡っていく...そんな感覚に似ているかもしれない。ダーク・ファンタジーやゴシック・ロマンス、サイバー・パンク的なテイストの表現には向きそう。「孤高の存在」や「ダーク・ヒーロー」といったイメージが魅力的に感じられるかも?

ただし手探りの暗い海はいいのだけど、行動を司る火星がイクシオンやパラスとハードアスペクト。それにハンプティダンプティやスウィンドルといった一癖も二癖もある小惑星とコンジャンクト/パラレルなので、あまりファンタジックな冒険に出すぎるとうっかり塀から落ちて痛い思いをすることも。。 また火星とトラインのヒュロノメは主に自分の中の「喪失感」や「あのとき気付いていれば...」という後悔の念を暗示する。これは人間関係、とりわけパートナーとの関係に影響しやすい。近しい間柄でも侮らず、コミュニケーションはしっかり誠実に取ったほうが良いと思う。リリスがノード軸にTスクエア、そこにキラルスやネッソスが絡むので、産む・産まないの選択という問題に直面するケースも考えられる。(あるいは、これは米国で論議されている中絶保護法に関連しているか、またはこのところ報じられることが増えた子供の虐待に関連するのかも?)


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  3月11日~3月20日の火星による海王星、土星、冥王星へのアスペクトを簡単に言ってしまうと「段々と深みを増してくるプレッシャー」と考えられる。葛藤を抱えつつも注視、静観、当たらず障らずという心がけが社会的には良さそうだけれど、土星とのトラインでは何らかのコミットが必要になりそう。穏やかにエンジンをかけ、暖機運転を十分に。ゼロヨンを仕掛けられてもニッコリ笑い、急発進なんてしない。けれど20日前後の冥王星とのトラインあたり(満月でもある)は小さな山場になるかも。ここでは真剣な対応と集中力が必須になるかもしれない。なのでやはり暖機運転はしておきたい。

その他。この時期はふとした優しさに触れてこころが動いたり、慈愛に満ちた慈善的な行為に感動するかもしれない。けれどその中には利己的な目的を隠し持った企てが混じる可能性もあり、その識別には直観力が必要になる。特に新月のステリウムが双子座のアスボルスとスクエアを形成しているので、思考や感情というよりは「体の声」によく耳を傾け、大切に扱うことが重要なポイントになりそう。


そして...
3月21日 6時59分 春分
3月21日 10時43分 満月!


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★3月新月のサビアン・シンボル ★



  満開の梅の次は桃の花、そしてもうすぐ桜の季節。東京近郊もまだ朝晩は寒いけれど、日射しはずいぶん暖かくなってきました。そしてもうすぐそこに、魚座の新月。毎回、魚座の新月はどことなくミルク色の霧がかかったような雰囲気を持ちますが、とりわけ今回の新月はその霧が濃密になりそうです。霧というよりも、まるでジェリー状の海の中を進むように感じるひともいるかもしれません。なぜなら新月直前に水星が魚座最終度数で逆行を開始し、魚座の中盤度数でその力を全方向的に浸潤させている海王星とのコンジャンクトを目指して後ずさり中だから。つまり、この新月はちょうど水星逆行のストーム・フェーズのさなかに起きるということです。この魚座の水星逆行と海王星とコンジャンクトした新月については、ひとつ前のメリマン・コラムでも触れられていました。そこから一部を引用してみます(主にファイナンシャルとマンデーン・アストロロジーの観点から水星逆行期とその間の人間心理について語られているので、まだのひとはぜひ記事本文を読んでみてください)。

  ‟3月5日火曜(日本時間6日水曜未明)には水星が魚座で3週間にわたる逆行運動をスタートするが、これは奇妙な期間になりそうだ。何故ならこの「トリックスター」が魚座を運行する間に3回も海王星とコンジャンクトするからだ。海王星と魚座はインスピレーションを支配する。だが魚座に在泊する時、水星は働きが弱くなる(デトリメントまたはフォール)。だからこの期間に為される情報伝達の試みはどちらかというと降って湧いたインスピレーションに基づくものか、あるいは説教じみたものに近くなる。ファクトやリアリティに基づいたものとは言い難い。...

  今週は3月6日(日本時間7日午前1時4分前後)に魚座の新月が起きる。これは同じ魚座で水星が逆行を開始した翌日、海王星にコンジャンクトして起きる新月だ。だから物事が新月で明解になるなど期待出来ない。この新月期はたとえどんな人間であれ、次の事柄に気を付けることを強く薦めたい。すなわち、何かを口にする前によくよく考えること。そして喋り終えたら、自分の言った言葉の意味を相手が正しく理解したか確認すること(相手が言った事を自分が正しく理解しているかも当然確認すべきだ)。....”

― メリマン・コラム 3月4日付 ≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察より ≫


  では、わたし達個人の心理/精神にとって、この新月期はどんなテーマをもたらすでしょう? 上記のコラムでメリマンさんは、この期間の情報伝達の試みを「インスピレーション」に基づくもの...と表現しています。そして、この新月が在泊するメインのサビアン・シンボルも『インスピレーションの流れ』。これはもう、いかにも魚座のど真ん中らしいフレーズではないでしょうか? では今回はメインのシンボルから見てみましょう。

新月のメイン・シンボル:
魚座16°『インスピレーションの流れ』


  ところで...インスピレーションっていったい何なのでしょう? よく『インスピレーションが降りてきた』なんて言うけれど、そのことばには、まるで天の何処かに発想の源があって、それをたまたまキャッチするか、与えられた...という感じの響きがあります。確かにアストロロジーの観点からすれば、太陽、月や惑星達、小惑星や太陽系辺縁の存在は、わたし達の思考や感情のシステムを様々な方向性から刺激してくるけれど。でもそのこと自体が何か素晴らしい「インスピレーション」を授けてくれるわけじゃない...。具体的な戦略を教えてくれるわけでもなければ、成功の秘訣を囁いてもくれません。


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  たとえば木星がネイタルの金星に "吉角" とされるソフトアスペクトを形成したからといって、別にそれだけで恋愛が成就するわけではないし、寝ていてお金が儲かるなんてこともないでしょう(たぶん)。いわゆる「願望成就」に成功したとすれば、それは木星の拡大する力と金星の調和的な刺激を受けて、そのときの自分が相手や周囲と状況に対して調和的な発想に傾きやすくなるということ。そしてそんな自分が創り出す雰囲気や態度によって、良い結果を導き出す(または引き寄せる)可能性がいつもより高くなるということ。それも、もしポジティブに使えればの話。だから金星や木星のソフトアスペクトが来たからといって「ラッキー♪」とは限りません。そのときの自分自身が惑星達の刺激を活かすだけの器であることが必要だし、ことばや行動の潜在的な力が備わっていなければ何も変わらないかもしれません。そして、集中するべきゴールが明確になっていることも必要です。そうでなければ、せいぜい何となくウキウキするとかそんな程度で終わる可能性が高いと思います(もちろん、それだけでも楽しいことではあるけれど)。

世の中は、星々からわたし達自身に向けて送られるダイレクトな影響力だけでなく、それを受けた人々を介して二次的、三次的にスパークしていく様々な刺激に溢れています。そんな、目に見えない様々な火花のうちのどれかにピッと触れた、そのとき。自分の中に新しい何か ― 視点、発想、イメージ、音 ― が生まれる。音・匂い・ことば… ふとしたきっかけで生まれる発想や思い付き。 あるいは、輪廻の波の底深く忘れ去られていた何かの呼び声を思い出す…。


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  おそらくインスピレーションの流れとは、わたし達の胎内宇宙をひと知れず駆け巡っている「いのちの力」をその大本として指すのではないでしょうか。そしてそれがそのときどき、外界の様々なスパークに呼応して打ち上げる、美しいいのちの花火。

わたし達を「ここ」に存在させ、森羅万象を映し続ける、その大本のエネルギーは、永遠に流れ続けて途切れることがありません。わたし達がその流れにふと触れるとき。それはわたし達が気付こうと気付くまいと、まだここに生まれ出ていない全ての "いのち" に触れるときです。

そして「それ」はわたし達それぞれのアンテナに触れ、思考のシステムに小さな風穴を開け、そしてそれぞれが抱える「物語」に沿って翻訳され、生き生きとしたイメージや思考となって "カタチ" を与えられていきます。 いったんわたし達の体内で認知されたインスピレーションの流れは、今度はわたし達を動かし、進ませ、何かを創り出すためのエネルギーとなって働きます。
 

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  わたし達それぞれの物語…それぞれの、神話。インスピレーションの流れはわたし達の意識の源に触れ、刺激し、そこに眠っている遠い記憶を呼び覚ますかもしれません。それは幼い頃に見た一枚の絵かもしれないし、誰かの呼び声かもしれません。もしかしたら、もっとずっと遠い記憶…わたし達の細胞に眠る、はるか太古の宇宙が生まれたときの「音」かもしれません。 

意識しようとしまいと。 わたし達のふとした思い付きの背後には、信じられないほど無数に積み重ねられてきた人類の "今" の集積が…この手を通して、想いを通じて、蘇り、生まれ変わりたいと待ち望んでいるのだと思います。いのちの流れは、わたし達のこころと体にひっそりと眠る全創造の歴史を知っています。そして、インスピレーションに従って生み出されたもの達は、やがて人々に共有されていきます。たとえそのスケールがとても小さいものでも、あるいは大きくても、生まれたもの、音、ことばは放たれ、見知らぬ何処かで次のインスピレーションの流れに再び加わるべく、影響力を持っていきます。それが愛に満ちたものであろうと、哀しみや怒り、または呪詛に満ちたものであろうと…。


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       ところで、魚座16°に対向し、補完や対照性を表している乙女座16°のシンボルは、『オランウータン』です。オランウータンは別名「森の人」と呼ばれています。「森」ってサビアンシンボルに時折出てくるイメージだけど... 本物の「森」って、わたし達が普段暮らしている街や村とはまったく別の世界です。鬱蒼と茂る木々、下草、菌類、そして様々な虫や動物達の領域。そこにはわたし達とは異なる法が生きています。そんな森に暮らすひと ― オランウータンは、わたし達がとうに失ってしまった野生の本能を持ち、その掟に従って生きています。

では、今のわたし達は本当に野生の本能を失ってしまったのでしょうか? …まぁ、自分をふり返ってみても、現代的な暮らしを享受する日々の中で確かに相当ナマってしまっています。  でも、もし生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされたらどうだろう? 切羽詰まったとき、何かに追いかけられたとき、咄嗟の選択が物を言うとき…わたし達の中で何かが目覚めるなんてこともあるかもしれません。いえ、そんな特別な状況じゃなくても、例えば体中が振動するような太鼓の音を聴いたとき、手が、足が、腰が、ひとりでにリズムを取って動き出したりするのではないでしょうか? こころがワクワクと踊り出すような? 血汐がうねるような? そんなとき、わたし達は自分の中に解放されたがっている「力」があることに気付きます。 普段は気にも留めないでいた、あるいは無視していた、それ自体で自立したナマの「いのち」のエネルギーに。

このシンボルには、わたし達が太古から連綿といのちを繋いで受け継いできたいのちの力、社会の規範に矯められることなく奥底に息づき、生きる本能として働いてきたエネルギーをどう使い、どう表現し、どう解放していくか? という問いかけがこめられているように思えます。 それは内なる存在のエネルギー。長い長い歴史の中で、あるときは抑圧され、あるときは暴走しながら、わたし達を「今・ここ」へと進めてきた、否定することの出来ない原動力です。それが今、新月を支える力となり、インスピレーションの流れの大本としてわたし達に次なる発見を求めています。それをどう受けとめ、どう扱うのか? 決めるのはわたし達自身です。


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        インスピレーションの流れ。その大本となる「いのちの力」には、元々「善」も「悪」も存在しません。だからこのエネルギーは実際、最善から最悪まで、どんな風にも使えます。殆ど考えなしに欲望のままにふるまうような、粗野で暴力的な言動を生み出すこともあるでしょう。それは野生の世界で自分の種を護るために獲物を狩ったり、交尾の権利や群のトップの座を得るために行われる、生死をかけた闘争のカタチを踏襲するものです。そしてわたし達は、今の世界にあっても、そのカタチを飽くことなく繰り返しています。たとえば政治や経済の世界。たとえば学問や言論の世界。ネットの世界でも、街中や学校、家庭内でも、毎日のように小さな闘争が起きています。ときには愛を巡る関係性の中で。あるときは、利他精神の仮面を被りながら。またあるときは、自分自身の中で。わたし達はそれを見て「これは善い」「これは悪い」なんて言います。確かに社会的に見て、または感情面から見ても、社会的な善悪は厳然と存在するように感じられます。ある面においては。けれど子細に見れば、それは単にわたし達が創り上げた社会の中で生きるいのちといのちが、ナナメに交差することで起きるぶつかり合いなのかもしれません。

もちろん、内部から湧き起こるインスピレーションを人生の選択に活かすことだって出来ます。ただし、ひらめいた物事が十分に発酵し、こころの中でさわることの出来る重みを持つまでゆっくり時間をかけたいと思います。今はまだ、細部を詰める時期ではありません。

また音楽や絵画、ダンス、パフォーマンスや詩的な表現など、アートとしてカタチにすることも、この新月期は大いに可能です。というより、「純粋ないのちの表現」としての創造行為を、惑星達は誘っているようです。


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  ただこの時期 — 特に水星が逆行し海王星とのコンジャンクションへと向かうさなかに太陽と月が海王星にコンジャンクトして起きる... そんな新月期。ひとによってはおそらく豊富なインスピレーションに恵まれそうなこの時期だけに、注意しておきたいことはあります。

たとえば、様々に錯綜する不確実な情報の中で、何をどう掴んでいいかわからないままに明確な理由もなく鬱々としてしまうひと。ジェリーの海の中で、疲労感や無力感に苛まれるひと。軽い夢見気分の雰囲気の中で、騙したり騙されたりのドタバタが目に付く世相に嫌気がさし、厭世的な気分になるひと。今回の新月は、とても複雑な力を孕んでいます。なのでネイタルの惑星や感受点でこのエネルギーを受けるひとの中には、その鋭い感受性のために大きなストレスを感じるケースが見られるかもしれません。

けれど、もしインスピレーションが暗い物語を紡ぎ出すなら、避ける、打ち消すというよりも、あえてそれをドラマとして見ていくこともアリだと思います。今見ているのは、固定された過去・現在・未来の物語ではありません。それは自分の物語でさえないかもしれないのです。たとえば、太古から蓄積されてきた人類のデータの断片に触れて、その刺激に自分の「いのちの力」が踊って創り出された一片の物語。今 リアリティーとして見えるものは、おそらく創造の力で何処かが歪められてる。けっして数々のファクトに基づいたものじゃない。とすれば、その想像力を楽しんでしまうのもOKでしょう。ダークなファンタジーを思いっきりゴシック・テイストで装飾してみるのもいい。もしも惨めな物語なら、とことん底が抜けるまで落ちていく物語にするのもいい。もう、ひとりで笑ってしまうしかないほどに。


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  けれどそれはリアリティーとは異なる領域のものだということを覚えておいてください。それはこの時期に向けて、創造そのものが歓んで創造し続ける陽炎遊びのようなもの。けれどそれと知ったうえでその遊びにつき合うなら、また新たなインスピレーションが湧くこともあるでしょう。そこにはランダムに見えても一貫してかいま見える、自分の癖や欲望のありようが顔を覗かせているかもしれません。また、実は今というときが何か大切な過渡期だったと気付くこともありそうです。だからこのことをよく知って、自分の中の「嘘」を罰さずに、ただ楽しみながら見ておくのが一番ではないかと思います。だってそこで踊っている「何か」は「あなたのもの」でも「わたしのもの」でもないのだから。(そういえば、今回の新月図では太陽と月が3室コミュニケーションのハウスに在泊します。これはメディアや報道を支配するハウスです。なのでこの新月期に流されるニュースには、ファクトに基づかないファンタジーや決めつけ、発信者の希望に基づいた憶測記事やゴシップめいた話題がいつもよりずっと多くなるかもしれません...。)

一方、過労気味のひと、悩みやストレスを抱えてここまで来ているひとは、なるべく休息を取り、体調にも気を配りましょう。楽しいものでもダークなものでも、この時期は夢見が促進されそうな星回り。なので、体を休めて睡眠時間をたっぷりとることも、正しい直観力を取り戻すきっかけになるかもしれません。いずれにしてもこの時期に無理を重ねることは避けたほうが良いと思います。

  また水星が海王星に近付くにつれて、今までにないほど音楽やドラマの一シーンにジーンと来て涙もろくなったり、感情が鼓舞されるようなひとが増えてくるかもしれません。たとえそれがひとに聞かせる・見せるための作り物だと知っていても、その中に人生の哀しみや歓びを生き生きと感じ取れる力も増大しそうです。もしそれが自分の人生とはかけ離れた物語だったとしても、そこから感じ取った「何か」は自分だけのもの。そしてその何かは、今まで気付かなかった自分を識るための扉かもしれません。そこには、きっと何かがある。けれどそれは、すぐに思い浮かぶような合理的な理由とはたぶん異なるもの。その後ろにひっそりと隠してきた何か...。遠い記憶の中で散り散りに飛び散ってしまった大事な何か...なのかもしれません。


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  もうひとつ。海王星と抱き合う魚座の新月と水星逆行というダブル効果で考えられるのは、記憶力や認知力の一時的な減退、または乱れです。それとともに、物事をクリアに理解するのに通常時より時間がかかるケースも考えられます。なので、通常の水星逆行に付きものの、思い違い、言い間違い、書き間違い、聞き違いには十分注意しましょう。「思い立ったらすぐ行動」タイプのひとは、踏み出す前にひと呼吸置いて安全確認を。メリマン・コラムにも書かれていましたが、コミュケーションは念入りに、ひとつひとつの細部を確実に抑えながら慎重に運ぶくらいでちょうど良いかもしれません。なんとなく思い当たるひとがいたら、記憶違いやど忘れを防ぐために、こまめにメモを取るようにしてみましょう。

また、場合によっては面倒なことを考えるのがしんどくなって、「こころここにあらず」的な状態になったり、やりたいこと以外に向ける強制的な集中力が落ちて仕事がはかどらない、ミスが出る...なんてこともあるかもしれません。そこは土星の底力に頼りたいところだけど、海王星にセクスタイルを形成する土星はルーティンワークの遂行というより、良くも悪くもクリエイティブな方向に力を奮いそう。たとえば拡がるイマジネーションを「作品」としてまとめる力になったり、その出来映えに感動したり共感を覚えたり。音楽に触発されて眠っていた感情が目を覚まし、何か行動を起こしたくなったり(良くも悪くも)。また、プロパガンダのために歪めた事実を巧みに脚色して広める力として働く場合もあります。

それでもこの時期、自分の状態をなるべく客観的に見て評価し、調子が落ちているならそれを周囲に理解してもらうことは集団の中で仕事をしているひとにとって大事なポイントかもしれません。この土星は、多少不器用ではあっても責任をまっとうするためのコミュニケーションには力になりそう。なのでこの時期にどうしても志向の合わない物事をしなければならないときは、ペースを落として時間配分を考え、インターバルを入れつつこなすようにするか、可能ならいつもより負担を軽くしてもらい、「ここまでは! 」と決めてきっちり責任を果たすようにしましょう。軽い嘘のつもりで誤魔化してしまうと、場合によっては露呈して気まずくなったり、ずるずると泥沼に嵌まってしまう怖れがあります。


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  と...あれ? 気付いたらサビアン・シンボルの話のはずが、いつのまにかアスペクトのほうに踏み込んでしまいました。もしかして、境界線無視の水星逆行&海王星効果に引きずられてしまったかも。。 ではちょっと戻って最後にベースのシンボルに少しだけ触れておきます。

この、メインのシンボルの土台となるベースのシンボルは...

新月のベースとなるシンボル:
魚座15°『兵の軍事教練に備える将校』


  これは一見、優しげな魚座にはあまり似合わない感じのイメージです。けれどここには『インスピレーションの流れ』を支える「いのちの力」をどう制御し、鍛え、整えていけば良いか? それをこれから自分の部下に身をもって伝えようと準備する将校の姿が描かれています。

軍隊は力と統制の世界。部下達は皆、いのちみなぎる屈強な若者達です。彼らを率いる将校はその手本となる存在であり、部隊の「顔」でもあります。戦争とは、基本的にいのちのやり取り。特にサビアン・シンボルが伝えられた時代の米国における戦争のイメージには、ミサイルが飛び交いサイバー・テクノロジーや人工衛星を利用するような現代的なイメージとは違い、もっと生々しい血と硝煙の匂いが立ちこめていたでしょう。人間対人間の、生死を懸けたせめぎ合いという要素が色濃かったのではないでしょうか。権益拡大のため、領土拡張のため、あるいはそれらを侵入者から護るため、または「平和」のための戦い。それは野生動物の縄張りをかけた激闘が複雑化した進化形だと言えるでしょう。(もっとも、今でも日本を一歩出て眺めれば、世界中多くの紛争地域に似たような光景が拡がっていると思いますが...)。


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  さてこのシンボルの将校は、部下の兵達がいつどんな時にどんな敵と戦うことになったとしても、一つの部隊として命令の下に一糸乱れぬ行動を取れるよう訓練しようとしています。戦場では何が起きるかわかりません。おそらく、予期せぬ出来事のほうが多いと思わねばならないでしょう。敵はこちらの都合で動いてはくれないし、裏をかいてくるなら裏の裏まで読まねばなりません。そのあたりは指揮官としての上級将官の責任範囲。けれど一旦前線に出て想定外の事態に直面したとき、兵達は沈着に動けるでしょうか? 日頃の訓練どおり、いえその成果を応用して思わぬ事態に適応し、命令を着実に遂行出来るでしょうか? この将校は、これから新兵達の手本としてその厳しく揺るがぬ軍人らしさを見せようと、今 怠りなく準備しているのかもしれません。

  原文の「drill」ドリルとは、基礎訓練/教練のことです。その中で新兵達は、上官への挨拶の仕方、立ち方、行進の仕方、武器の取扱い、体力訓練、日々の行動規範などを徹底的に厳しく叩き込まれます。これはまだ戦闘訓練にも至らない、基礎中の基礎の段階。けれど、おそらくこの段階で、すでに兵士としての「質」が決まってしまうのかもしれません。それは「いのちの力」を定められた目的に従って乱れることなく使うための訓練。どんな状況にあっても我を忘れることなく、一瞬の迷いや躊躇もなく正しい選択を出来るように自分自身を鍛える訓練。それが出来ていなければ、その兵は自分ばかりか部隊全体を死の淵に追いやるかもしれません。だから兵達は、少なくとも軍隊にいる間は自分のアイデンティティーの第一義を「軍人であること」に置くよう求められるのです。


 基礎教練を洗練されたパフォーマンスに昇華した米国空軍儀仗兵のドリル


  こうして見ると、メインのテーマとなる『インスピレーションの流れ』。そしてその土台となる『兵の軍事教練に備える将校』。この二つのイメージの繫がりはとても明確ではないでしょうか? 

  突然の刺激とそれに応じて湧き起こるインスピレーションの流れ。その流れをキャッチし、識別し、想い、使う主体としての「わたし」。いつ果てるともしれない半透明のジェリーの海に囲まれ、ともすると幻の呼び声や意味ありげな涙、偽物の熱や情の嵐に惑わされそうになりながら、興奮し、駆け巡り、踊ろうとするいのちの力。その力にただ翻弄されることなく、自分で在り続けること。それは理詰めの思考ではなく、爆発する感情でもなく。それはただ「自分であること」そのものを通し、外界の様々なインパクトと溶け合いながら自然に湧き起こるインスピレーションの流れ。それをこそ、生きてみる。遊んでみる。醒めながら。そして同時に「森のひと」でもありながら...。 

もしかしたら、そんな「わたし」を支えるのが日々のドリルなのかもしれない。でも、自分にとってのドリルとは何だろう? 「わたし」が揺るぎなく「わたし」で在り続け、常に「わたし」としての道を歩むために必要な、自分だけの「ドリル」って...? もしそれが「わたし」の「質」を決めるのだとしたら?


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  その答は本当にひとそれぞれだと思います。それは何か具体的な物事を継続してやり続けることかもしれない。またもしかしたら、目に見えずことばにも表せない胎内宇宙のうねりに関わる何かなのかもしれません。

  この濃密な新月期。いつ、どこで、どんなインスピレーションが湧いてくるだろう? 準備は出来ているだろうか? うん。たぶん。きっと。永遠に止まないその流れを体に感じ、味わい、踊らされず。ただわたしの踊りを踊りながら、この道を行く。
 


  .....そしてある日。なにげなく眺めていたミュージックビデオの中に突然、フラッシュが走り、何か違うものが映る。たった一瞬の目の錯覚? そう、それはすぐに消えてしまった。それが何だったかを記憶に留める暇もなく。でも。その瞬間、確かに見た。感じた。「何か」を。

ことばじゃない。カタチでもない。あれは何だったんだろう? もうわからない。でも確かに生きた何かだった。生きていた。それが何を意味するのかわからない。存在? 影? 光? 何とも呼びようのない何か。でもそれはそこに、フッと在った。わたしは何を見たのだろう? それは...たぶん... わたしにしか解らず、わたしにも解らず、永遠に解釈を拒み、それでも「わたし」としか呼びようのない何かだった...。



2012sciencealma_0005




have a great trek!!!★

hiyoka(^_^

hiyoka_blue at 20:59│Comments(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

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