August 2010
August 29, 2010
金融アストロロジー/週間コメント by レイモンド・メリマン 8/30
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月30日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jp/では無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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★来週9/6付けのメリマン・コラムは訳者の都合によりお休みさせていただきます。
今度は本当に、お休みすると思います。。(^_^;
≪ 先週を振り返って ≫
カーディナル・クライマックスの中心的時間帯の終焉を追って始まった最初の週、そして新たな水星逆行サイクル(8/20〜9/12)の最初の週でもあった先週、世界の株式市場は売られ続け、そして最後の最後に反転したように見える。しかし、カーディナル・クライマックスの中心的時間帯である7/21〜8/21を通り抜けた今、もっと興味深いことは、数にしてどれほどの経済界のリーダー達が、米国経済の未来についての彼らの見通しを変えつつあるのかということだ。カーディナル・クライマックス以前、いやすでにその時間帯の初期に入ったあたりでさえも、殆ど満場一致と言うに等しいコンセンサスの内容は、米国経済の二番底はまず無いだろうというものだった。だが今は、彼らの大部分が、景気の二番底の可能性が増大したと言い始めているし、その中の数人は、実際来年には完全にそうした状況が訪れるだろうという展望を述べている。
カーディナル・クライマックスの直後に続く、水星逆行タイムへようこそ!
米国債が「ダブル・バブル・トラブル」の様相を呈し続けていくにつれ、あなたは、「景気の二番底」の可能性について、きっと沢山の予測を耳にすることになりそうだ。それらは、その時々の状況に応じて調整され、*「ダブル・メッセージ」と化したものになるだろう。
*(ダブル・メッセージ:心理学用語。口に出す言葉と本来の気持を表す表情や動作が相反しているようなケース。本人も気付かない部分で大きな混乱を抱えていると言われる。)
さてヨーロッパでは、私達が追跡する全ての株式指数が8/25水曜に今月の新安値をつけた。この安値は7月初旬の安値を割ることなく、価格は金曜に向かってかなりの上昇を見せた。アジアと環太平洋地域では、事情は少し異なっていた。殆どの株式指数が8/25に底をつけたのだが、その中で日本の日経225のケースでは9000を割って年初来安値をつけたのだ。日経225は8/25に8807まで売られ、2009年5/1以来の安値を見ることになった。またインドでは、市場は全く安値に落ちることがなかった。事実、NIFTYは8/23に年初来高値を示現している。
アメリカ大陸では、アルゼンチンのメルヴァルもまた8/25に安値をつけた。ブラジルのボベスパはその翌日にボトムアウトした。そして米国では、ダウ平均とナスダック総合の両方が金曜の早い時間に底をつけ、ワイオミング州ジャクソン・ホールで開かれたカンザスシティ連銀主催のシンポジウムにおけるベン・バーナンキのスピーチ内容が報じられた後、そこから引けまで旺盛な買いによる上昇をみせた。これらの指数は皆、それぞれ7月初旬につけた安値より常に上に留まっていた。
金と、そして特に銀市場は、先週早々に軟調さを見せた後、新しい活力を得た。9月限の銀は火曜につけた安値1773から、金曜日中に1934までドーンと上昇した。引け値は1904だった。金12月限は木曜に月の新高値1246をつけた。1160以下で取引されていた時からほんのひと月も経たないうちのことだ。原油相場のパフォーマンスもまた、株式や貴金属市場と似たような状況だった。すなわち8/25水曜には6月初旬以来の安値70.76まで売られ、その後週末まで買われて金曜には75を超えるまで騰がった。
その一方、米国債券市場ではなおも大活劇が繰り広げられていた。8/25水曜、債券価格は前回の金融危機によるパニック時の高値に達したが、週末に向かって急激な下落を見せたのだ。そして日本円もまた別の心躍るドラマを演じていた。円も8/24火曜、1995年初頭の史上最高値以来の最高水準である対ドル84以下まで急騰し、そして米国債と同様、その後週末に向かって急激に売られたのだった。
≪ 短期ジオコズミクス ≫
さてそれでは、株式市場と銀市場が底をつけ、債券と日本円がトップアウトした先週前半、何がそれほど重要な要素だったのだろうか?こうした現象は8/20〜21に展開した3つの重要な"レベル1"(最も強力)のジオコズミック・サインが支配する3営業日のうちに起きた。この3つとは、太陽・海王星のオポジション(180°)、金星・火星のコンジャンクション(0°)、そして32〜37年周期を持つ土星・冥王星のウェイニング・スクエア(閉じていくスクエア=90°[270°])だ。その上に、水星もまた8/20に逆行に転じていた。
強いアスペクト同士がこのように時間的に近接して展開する場合、通常は3営業日のうちにトレンドの反転が起きる。そして今回も例外ではなかった。だが、このリバーサル局面がどの程度の期間続くか?となると別問題だ。なぜなら、水星逆行中のリバーサルは長続きしないことが多いからだ。いや長続きしないばかりか、上下どちらの方向であれ、価格変動の推進力は通常、すぐ(大概4営業日以内)にその勢いを失う。また私達は、これらのリバーサルが8/24の乙女座—魚座の満月近くに起こったことに注目している。ミュータブル・サインにおいて結ばれる、(要となるような)月相は、異なるタイプのサイン(星座宮)で起きる時とは対照的に、多くの金融市場におけるトレンド反転との関連性が最も強いと思われる。
次回の重要なジオコズミック・サインのシリーズは、9/4に始まる。そこからは、10/8の金星逆行開始を含め、数々のサインが展開すべくたっぷりと待ちかまえている。だからこの5週間にわたる、もう1つのジェットコースター相場に備え、心の準備をしておいてほしい。なぜならパワフルな金星逆行開始と共に終わるその時間帯の中、9/18、私達は全3回のうち2回目の木星・天王星のコンジャンクションに再び遭遇するからだ。拙著『The Ultimate Book on Stock Market Timing, Volume 3: Geocosmic Correlations to Trading Cycles』で詳述したように、この2つは株式市場におけるプライマリーサイクル又はそれより長期のサイクルと、歴史的に最も顕著な関連性を持つジオコズミック・サインなのだ。
≪ 長期的考察 ≫
ここしばらく私は、金融資産における「バブル」について書き続けている。直近(6月以降)では、こうしたバブルが米国債において起こっている事を参照してきた。しかし、「バブル」の概念は別のアナリストにとっては違う事を意味する。数字的に最も厳格な意味合いから言えば、『バブル』というのは、金融資産の価格が通常なら起きるような注目すべき下落抜きでシャープに上昇する現象を言う。殆ど全ての場合、その資産価値は、トレンドが始まった時から比べて少なくとも100%の上昇率となる。いやしばしば価格は4〜10倍の上昇を見せることさえある。
バブルはファイナンシャル・アストロロジーとの相関関係をとてもよく表している。この2つは、天空と時間とが織りなすある特定のポイント、又は金融市場に関係するある特定の実体(組織など)の始原図の中で、木星か天王星(又は両方)によって結び付いているのだ。ナスダック総合のハイテク・バブルは、天王星がその支配する宮である水瓶座に入場した1995年に750から始まり、2000年3月には5000を超える史上最高値をつけた。その最終局面で、天王星は水瓶座の*第3デークを進行中で、牡牛座の土星・木星とのスクエアを形成していた。水瓶座はテクノロジーに関連している。そしてナスダックはテクノロジーの比重が高い指数だ。他にも、天王星が魚座に入場した2003年前半に1バレル25ドルから始まった原油相場が、天王星の魚座第3デーク滞在時の2008年7月、バレルあたり147ドルをつけたバブル現象を見ることができる。魚座は原油を支配する星座だ。そしてどちらのケースにおいても、バブルの終焉に続く下落は6〜24ヶ月の間に、70〜80%にまで達した。
*(デーク:各星座の30°を10°ずつにわけたもの。各デークで若干その色合いが異なるとされる。)
しかし、こうして4〜10倍など価格の倍数によってバブルを定義するのではない、また別の視点が存在する。バブルというものは過度の恐怖感と貪欲さに連動して起ち上がってくるものだ。その結果、投資家はバブルが芽吹いたある特定の市場に群がり、その価値を高く押し上げる原動力となる。そしてこれが取りも直さず今現在の債券市場に当てはまる、というのが私の意見であり、債券市場が「ダブル・バブル・トラブル」を形成しつつあるという見解の基礎をなすものなのだ。勿論いくらバブルとは言っても、米国長期債又は10年以下のT—ノートはその価値評価が他の金融資産とは違うため、騰がり始めた時点から比べて4〜10倍もの価格上昇の恩恵を受けることはあり得ない。1999年と2007年、ベース価格95—105だった10年物T—ノートは、FRB(連邦準備制度理事会)の始原図で12年周期の*木星回帰が起きた2008年12/19に、130/25まで上昇し史上最高値をつけた。それは又、金融危機におけるパニックの只中でもあった。この価格はつい最近2010年4月には115まで戻ったものの、現在再び130近辺まで近付いてきている。(先週の高値は約127だった)
*(木星回帰:ジュピターリターン。 各惑星は、その惑星の進行速度に応じた周期をもって誕生図や始原図の位置に戻ってくる。それを回帰=リターンといい、その惑星が本来持つとされるテーマに沿って、ひとつの周期の完結・総括と新しいテーマの創出が行われる。個人の場合にはそれまでの来し方によって現象面でも様々な現れ方が見られるが、金融アストロロジーにおいての木星回帰は、関連する相場のひとつの頂点となる要素だといえるのかもしれない。)
これがバブルではないかと私が疑う理由は、過去4ヶ月にわたるこのシャープな価格上昇の裏に潜む心理学的要因に依るものだ。投資家達が株式市場より債券市場の「安全性」の方に彼らの資金をはるかに多く注ぎ込むのは、過度の恐怖のためだ。私はこの事を、心理学的な要因による危険な徴候—即ちバブルとさえ言えるものだ、と見なす。しかしまた私はそれを、ファイナンシャル・アストロロジーの見地から言っても「バブル」であると見る。*木星と天王星は牡羊座の最初期の度数でコンジャンクションを形成してきた。そして、このコンジャンクションは同時にFRBの始原図における太陽・冥王星のオポジションとTスクエアを形成しているのだ。その結果、FRBと、彼らがその意志決定によって影響を及ぼす金融商品は、バブルと同じ「質」を帯びることになる。
*(牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座の各カーディナル・サインの初期度数はもっともエネルギーが強い度数とされている。)
今回私達が体験したカーディナル・クライマックスの中心部が、もう1つの金融危機や政治的争乱、または新たな世界大戦など、壮大な出来事を何も引き起こさなかったことに、多くのアストロロジャー達が困惑を隠しきれずにいる。しかしこの事は、アストロロジーというものがどう機能するか?という事についての教訓を、シンプルに明示するものだ。こうした惑星配置は、ロシアでの干ばつや森林火災に導いた激烈な熱波と乾いた気候、そして中国やパキスタンで何十万もの人々に避難を余儀なくさせた洪水などの原因ではあるかもしれないが、人間それ自体の活動の「原因」となるものではない。
人間の行動それ自体に関連するアストロロジーは、その行動の「原因」であるというよりは、「共時性をもたらすもの」「共振させるもの」に近い。スイスの偉大な心理学者でアストロロジャーでもあったカール・ユングの精神にのっとって言うなら、『間断なく続く時の流れにおいて、それぞれの瞬間にはその瞬間に固有の「質」が存在し、その瞬間に生起したものは何であれ、全てがその「質」を帯びる』。
そして私もまた、アストロロジーの研究に際してはこれと同じアプローチをとっている。これはその時その時の各惑星や星座宮の意味を繋げて「未来はこうなるだろう」という筋書きを予言する、という観点から来るものではない。世にも稀なコズミック・パターンが展開する時、私はその中で「その瞬間に一体何が生まれてくるのか?」の方がより興味深いと思う。そして私にとって、「その瞬間に生まれたもの」こそが、これから先にどんな結果が待ち受けているか?を理解する鍵となるものなのだ。
そうした観点から見た時、7/21〜8/21のカーディナル・クライマックスの中心的時間帯においては、少なくとも3つの重要な経済的・社会的な政策決定が「産み出された」と言える。そして、これらの決定はまもなく、私達の経済社会の未来像に関して、何か大きな変革に繋がるような物事へと進化していく、そのサイクルを開始する。いや事実上、それはすでに始まっているのだ。拙著『フォーキャスト2010』で述べたように、『アストロロジー研究の世界から展望すると、2010年という年は、私達の集合的な社会生活にとって最も重要な年となるかもしれない。2010年の夏に入る時、私達は選択の余地を持っている。しかしその時までに、どんな選択をするかは決められているだろうし、その選択が産み出す結果を覆すのは非常に難しいことだろう。』
それでは一体どんな選択が為され、それらはアストロロジーとどんな関連を持つのだろうか? まず最初は土星が天秤座に入場し、木星・天王星が牡羊座にあってオポジションを形成した7/21、オバマ大統領の署名をもって成立した金融規制改革法だった。この時、各惑星は米国始原図の金星と木星に、それぞれスクエアを形成していた。金星と木星は「マネー」を司る惑星だ。そしてこれは、「都合できる額以上の支出がもたらす破産」に関連する、古典的なアスペクトと言ってよいだろう。
その後8/10、FRBは、以前からアナウンスされていた、保有資産を縮小することによる「出口政策」のプランを捨て去る決定を下した。その代わりに彼らは長期国債の買取プログラムを再開することにより、そのポートフォリオを再膨張させることを決断した。彼らは、木星が逆行初期の滞留状態にあって冥王星との正確なスクエア(過剰に多額の負債を意味する)を結んだ、まさにその時にこの決定を下した。しかもそのスクエアは、FRB始原図の太陽・冥王星のオポジションとTスクエアを形成していたのだ。木星がこの手のアスペクトに含まれる時は、往々にして過大評価と誇張が生まれやすく、それがまた判断を誤る傾向に導いていきやすい。これが私のアストロロジカルな見解だ。
決断は下された。今後は新しい構想から成長した物事が、結果となって現れてくるだろう。そして知っての通り、私達の生涯における最も強力なジオコズミック・サインのラインナップが示す力学に沿って、良きにつけ悪しきにつけ、私達それぞれの人生に多大な影響を与えていくことになるだろう。 *『上なる如く、下もまた然り』である。
*(「下にあるものは上にあるものの如く、また上にあるものは下にあるものの如くである」元々は錬金術の基本奥義書、エメラルド・タブレットに出てくる奥義の言葉。エジプトのアレキサンドリアに住み、叡智の神とも同一視されるヘルメス・トリスメギストスの言葉とされる。錬金術とは文字通り金を生成する魔術ではなく、神の叡智のレベルを金という暗喩で表し、人間の魂の変容と霊的な成長を促すための哲学体系を言う。)
さて先々週土曜—8/21に、この期間最後の、3番目の決定が下された。その日、ロシアはイランのブシェール原子力発電所に核燃料棒を搬入し、イラン原発はその稼働態勢を整えた。これは土星・冥王星がスクエアを形成した日であったが、それと同時に、米国始原図における*プログレッションの**火星が逆行を開始していて、その78年間にわたる逆行期間のいまだ開始途上にある時間帯でもあったのだ。火星はその国の軍事に関わる諸状況を司るものだ。
もし誰かが、カーディナル・クライマックスの中心部は期待はずれで何も起こらなかったと言うなら、私ははっきりと意見を異にするだろう。 私は、世界中の金融アストロロジャー達が予想した派手な事象と全く同程度の重要性を、この期間に起きた出来事が持っていると確信してやまない。
そして、世界の市場はそれを反映している。
*(プログレッション:アストロロジーの未来予測法のひとつ。コラムにもよく出てくるトランシットは、国や個人の始原図・誕生図に現在進行する惑星や感受点がどんな関係性やアスペクトを結ぶかで見ていくが、プログレッションの場合は誕生図そのものの惑星位置を、時の経過によって、ある法則のもとに仮に動かしていくことによって見ていく。トランシットより奥に潜む個的要因を示すとされる。)
**(火星逆行:各惑星が逆行に入る期間、その惑星の力は内在し、外側に影響を及ぼす力が減衰したり混乱が生じると言われている。個人にとっては自らを省みてそれまでの行動の方向性を再検討する機会でもあるが、国や社会を見る場合は政策や方針の転換、対外影響力の変化、取り締まり強化などの内圧や格差の増大など、火星の原理であるサバイバル衝動やある種の攻撃性が内在化する可能性も考えられると思う。但しプログレッションの場合は長期的な影響力で、トランシットのように短期間に突出した出来事が起こるというものでもない。通常はプログレッションとトランシット、その他複数の技法を併用して予測を立てていく。)
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月30日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jp/では無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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★来週9/6付けのメリマン・コラムは訳者の都合によりお休みさせていただきます。
今度は本当に、お休みすると思います。。(^_^;
≪ 先週を振り返って ≫
カーディナル・クライマックスの中心的時間帯の終焉を追って始まった最初の週、そして新たな水星逆行サイクル(8/20〜9/12)の最初の週でもあった先週、世界の株式市場は売られ続け、そして最後の最後に反転したように見える。しかし、カーディナル・クライマックスの中心的時間帯である7/21〜8/21を通り抜けた今、もっと興味深いことは、数にしてどれほどの経済界のリーダー達が、米国経済の未来についての彼らの見通しを変えつつあるのかということだ。カーディナル・クライマックス以前、いやすでにその時間帯の初期に入ったあたりでさえも、殆ど満場一致と言うに等しいコンセンサスの内容は、米国経済の二番底はまず無いだろうというものだった。だが今は、彼らの大部分が、景気の二番底の可能性が増大したと言い始めているし、その中の数人は、実際来年には完全にそうした状況が訪れるだろうという展望を述べている。
カーディナル・クライマックスの直後に続く、水星逆行タイムへようこそ!
米国債が「ダブル・バブル・トラブル」の様相を呈し続けていくにつれ、あなたは、「景気の二番底」の可能性について、きっと沢山の予測を耳にすることになりそうだ。それらは、その時々の状況に応じて調整され、*「ダブル・メッセージ」と化したものになるだろう。
*(ダブル・メッセージ:心理学用語。口に出す言葉と本来の気持を表す表情や動作が相反しているようなケース。本人も気付かない部分で大きな混乱を抱えていると言われる。)
さてヨーロッパでは、私達が追跡する全ての株式指数が8/25水曜に今月の新安値をつけた。この安値は7月初旬の安値を割ることなく、価格は金曜に向かってかなりの上昇を見せた。アジアと環太平洋地域では、事情は少し異なっていた。殆どの株式指数が8/25に底をつけたのだが、その中で日本の日経225のケースでは9000を割って年初来安値をつけたのだ。日経225は8/25に8807まで売られ、2009年5/1以来の安値を見ることになった。またインドでは、市場は全く安値に落ちることがなかった。事実、NIFTYは8/23に年初来高値を示現している。
アメリカ大陸では、アルゼンチンのメルヴァルもまた8/25に安値をつけた。ブラジルのボベスパはその翌日にボトムアウトした。そして米国では、ダウ平均とナスダック総合の両方が金曜の早い時間に底をつけ、ワイオミング州ジャクソン・ホールで開かれたカンザスシティ連銀主催のシンポジウムにおけるベン・バーナンキのスピーチ内容が報じられた後、そこから引けまで旺盛な買いによる上昇をみせた。これらの指数は皆、それぞれ7月初旬につけた安値より常に上に留まっていた。
金と、そして特に銀市場は、先週早々に軟調さを見せた後、新しい活力を得た。9月限の銀は火曜につけた安値1773から、金曜日中に1934までドーンと上昇した。引け値は1904だった。金12月限は木曜に月の新高値1246をつけた。1160以下で取引されていた時からほんのひと月も経たないうちのことだ。原油相場のパフォーマンスもまた、株式や貴金属市場と似たような状況だった。すなわち8/25水曜には6月初旬以来の安値70.76まで売られ、その後週末まで買われて金曜には75を超えるまで騰がった。
その一方、米国債券市場ではなおも大活劇が繰り広げられていた。8/25水曜、債券価格は前回の金融危機によるパニック時の高値に達したが、週末に向かって急激な下落を見せたのだ。そして日本円もまた別の心躍るドラマを演じていた。円も8/24火曜、1995年初頭の史上最高値以来の最高水準である対ドル84以下まで急騰し、そして米国債と同様、その後週末に向かって急激に売られたのだった。
≪ 短期ジオコズミクス ≫
さてそれでは、株式市場と銀市場が底をつけ、債券と日本円がトップアウトした先週前半、何がそれほど重要な要素だったのだろうか?こうした現象は8/20〜21に展開した3つの重要な"レベル1"(最も強力)のジオコズミック・サインが支配する3営業日のうちに起きた。この3つとは、太陽・海王星のオポジション(180°)、金星・火星のコンジャンクション(0°)、そして32〜37年周期を持つ土星・冥王星のウェイニング・スクエア(閉じていくスクエア=90°[270°])だ。その上に、水星もまた8/20に逆行に転じていた。
強いアスペクト同士がこのように時間的に近接して展開する場合、通常は3営業日のうちにトレンドの反転が起きる。そして今回も例外ではなかった。だが、このリバーサル局面がどの程度の期間続くか?となると別問題だ。なぜなら、水星逆行中のリバーサルは長続きしないことが多いからだ。いや長続きしないばかりか、上下どちらの方向であれ、価格変動の推進力は通常、すぐ(大概4営業日以内)にその勢いを失う。また私達は、これらのリバーサルが8/24の乙女座—魚座の満月近くに起こったことに注目している。ミュータブル・サインにおいて結ばれる、(要となるような)月相は、異なるタイプのサイン(星座宮)で起きる時とは対照的に、多くの金融市場におけるトレンド反転との関連性が最も強いと思われる。
次回の重要なジオコズミック・サインのシリーズは、9/4に始まる。そこからは、10/8の金星逆行開始を含め、数々のサインが展開すべくたっぷりと待ちかまえている。だからこの5週間にわたる、もう1つのジェットコースター相場に備え、心の準備をしておいてほしい。なぜならパワフルな金星逆行開始と共に終わるその時間帯の中、9/18、私達は全3回のうち2回目の木星・天王星のコンジャンクションに再び遭遇するからだ。拙著『The Ultimate Book on Stock Market Timing, Volume 3: Geocosmic Correlations to Trading Cycles』で詳述したように、この2つは株式市場におけるプライマリーサイクル又はそれより長期のサイクルと、歴史的に最も顕著な関連性を持つジオコズミック・サインなのだ。
≪ 長期的考察 ≫
ここしばらく私は、金融資産における「バブル」について書き続けている。直近(6月以降)では、こうしたバブルが米国債において起こっている事を参照してきた。しかし、「バブル」の概念は別のアナリストにとっては違う事を意味する。数字的に最も厳格な意味合いから言えば、『バブル』というのは、金融資産の価格が通常なら起きるような注目すべき下落抜きでシャープに上昇する現象を言う。殆ど全ての場合、その資産価値は、トレンドが始まった時から比べて少なくとも100%の上昇率となる。いやしばしば価格は4〜10倍の上昇を見せることさえある。
バブルはファイナンシャル・アストロロジーとの相関関係をとてもよく表している。この2つは、天空と時間とが織りなすある特定のポイント、又は金融市場に関係するある特定の実体(組織など)の始原図の中で、木星か天王星(又は両方)によって結び付いているのだ。ナスダック総合のハイテク・バブルは、天王星がその支配する宮である水瓶座に入場した1995年に750から始まり、2000年3月には5000を超える史上最高値をつけた。その最終局面で、天王星は水瓶座の*第3デークを進行中で、牡牛座の土星・木星とのスクエアを形成していた。水瓶座はテクノロジーに関連している。そしてナスダックはテクノロジーの比重が高い指数だ。他にも、天王星が魚座に入場した2003年前半に1バレル25ドルから始まった原油相場が、天王星の魚座第3デーク滞在時の2008年7月、バレルあたり147ドルをつけたバブル現象を見ることができる。魚座は原油を支配する星座だ。そしてどちらのケースにおいても、バブルの終焉に続く下落は6〜24ヶ月の間に、70〜80%にまで達した。
*(デーク:各星座の30°を10°ずつにわけたもの。各デークで若干その色合いが異なるとされる。)
しかし、こうして4〜10倍など価格の倍数によってバブルを定義するのではない、また別の視点が存在する。バブルというものは過度の恐怖感と貪欲さに連動して起ち上がってくるものだ。その結果、投資家はバブルが芽吹いたある特定の市場に群がり、その価値を高く押し上げる原動力となる。そしてこれが取りも直さず今現在の債券市場に当てはまる、というのが私の意見であり、債券市場が「ダブル・バブル・トラブル」を形成しつつあるという見解の基礎をなすものなのだ。勿論いくらバブルとは言っても、米国長期債又は10年以下のT—ノートはその価値評価が他の金融資産とは違うため、騰がり始めた時点から比べて4〜10倍もの価格上昇の恩恵を受けることはあり得ない。1999年と2007年、ベース価格95—105だった10年物T—ノートは、FRB(連邦準備制度理事会)の始原図で12年周期の*木星回帰が起きた2008年12/19に、130/25まで上昇し史上最高値をつけた。それは又、金融危機におけるパニックの只中でもあった。この価格はつい最近2010年4月には115まで戻ったものの、現在再び130近辺まで近付いてきている。(先週の高値は約127だった)
*(木星回帰:ジュピターリターン。 各惑星は、その惑星の進行速度に応じた周期をもって誕生図や始原図の位置に戻ってくる。それを回帰=リターンといい、その惑星が本来持つとされるテーマに沿って、ひとつの周期の完結・総括と新しいテーマの創出が行われる。個人の場合にはそれまでの来し方によって現象面でも様々な現れ方が見られるが、金融アストロロジーにおいての木星回帰は、関連する相場のひとつの頂点となる要素だといえるのかもしれない。)
これがバブルではないかと私が疑う理由は、過去4ヶ月にわたるこのシャープな価格上昇の裏に潜む心理学的要因に依るものだ。投資家達が株式市場より債券市場の「安全性」の方に彼らの資金をはるかに多く注ぎ込むのは、過度の恐怖のためだ。私はこの事を、心理学的な要因による危険な徴候—即ちバブルとさえ言えるものだ、と見なす。しかしまた私はそれを、ファイナンシャル・アストロロジーの見地から言っても「バブル」であると見る。*木星と天王星は牡羊座の最初期の度数でコンジャンクションを形成してきた。そして、このコンジャンクションは同時にFRBの始原図における太陽・冥王星のオポジションとTスクエアを形成しているのだ。その結果、FRBと、彼らがその意志決定によって影響を及ぼす金融商品は、バブルと同じ「質」を帯びることになる。
*(牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座の各カーディナル・サインの初期度数はもっともエネルギーが強い度数とされている。)
今回私達が体験したカーディナル・クライマックスの中心部が、もう1つの金融危機や政治的争乱、または新たな世界大戦など、壮大な出来事を何も引き起こさなかったことに、多くのアストロロジャー達が困惑を隠しきれずにいる。しかしこの事は、アストロロジーというものがどう機能するか?という事についての教訓を、シンプルに明示するものだ。こうした惑星配置は、ロシアでの干ばつや森林火災に導いた激烈な熱波と乾いた気候、そして中国やパキスタンで何十万もの人々に避難を余儀なくさせた洪水などの原因ではあるかもしれないが、人間それ自体の活動の「原因」となるものではない。
人間の行動それ自体に関連するアストロロジーは、その行動の「原因」であるというよりは、「共時性をもたらすもの」「共振させるもの」に近い。スイスの偉大な心理学者でアストロロジャーでもあったカール・ユングの精神にのっとって言うなら、『間断なく続く時の流れにおいて、それぞれの瞬間にはその瞬間に固有の「質」が存在し、その瞬間に生起したものは何であれ、全てがその「質」を帯びる』。
そして私もまた、アストロロジーの研究に際してはこれと同じアプローチをとっている。これはその時その時の各惑星や星座宮の意味を繋げて「未来はこうなるだろう」という筋書きを予言する、という観点から来るものではない。世にも稀なコズミック・パターンが展開する時、私はその中で「その瞬間に一体何が生まれてくるのか?」の方がより興味深いと思う。そして私にとって、「その瞬間に生まれたもの」こそが、これから先にどんな結果が待ち受けているか?を理解する鍵となるものなのだ。
そうした観点から見た時、7/21〜8/21のカーディナル・クライマックスの中心的時間帯においては、少なくとも3つの重要な経済的・社会的な政策決定が「産み出された」と言える。そして、これらの決定はまもなく、私達の経済社会の未来像に関して、何か大きな変革に繋がるような物事へと進化していく、そのサイクルを開始する。いや事実上、それはすでに始まっているのだ。拙著『フォーキャスト2010』で述べたように、『アストロロジー研究の世界から展望すると、2010年という年は、私達の集合的な社会生活にとって最も重要な年となるかもしれない。2010年の夏に入る時、私達は選択の余地を持っている。しかしその時までに、どんな選択をするかは決められているだろうし、その選択が産み出す結果を覆すのは非常に難しいことだろう。』
それでは一体どんな選択が為され、それらはアストロロジーとどんな関連を持つのだろうか? まず最初は土星が天秤座に入場し、木星・天王星が牡羊座にあってオポジションを形成した7/21、オバマ大統領の署名をもって成立した金融規制改革法だった。この時、各惑星は米国始原図の金星と木星に、それぞれスクエアを形成していた。金星と木星は「マネー」を司る惑星だ。そしてこれは、「都合できる額以上の支出がもたらす破産」に関連する、古典的なアスペクトと言ってよいだろう。
その後8/10、FRBは、以前からアナウンスされていた、保有資産を縮小することによる「出口政策」のプランを捨て去る決定を下した。その代わりに彼らは長期国債の買取プログラムを再開することにより、そのポートフォリオを再膨張させることを決断した。彼らは、木星が逆行初期の滞留状態にあって冥王星との正確なスクエア(過剰に多額の負債を意味する)を結んだ、まさにその時にこの決定を下した。しかもそのスクエアは、FRB始原図の太陽・冥王星のオポジションとTスクエアを形成していたのだ。木星がこの手のアスペクトに含まれる時は、往々にして過大評価と誇張が生まれやすく、それがまた判断を誤る傾向に導いていきやすい。これが私のアストロロジカルな見解だ。
決断は下された。今後は新しい構想から成長した物事が、結果となって現れてくるだろう。そして知っての通り、私達の生涯における最も強力なジオコズミック・サインのラインナップが示す力学に沿って、良きにつけ悪しきにつけ、私達それぞれの人生に多大な影響を与えていくことになるだろう。 *『上なる如く、下もまた然り』である。
*(「下にあるものは上にあるものの如く、また上にあるものは下にあるものの如くである」元々は錬金術の基本奥義書、エメラルド・タブレットに出てくる奥義の言葉。エジプトのアレキサンドリアに住み、叡智の神とも同一視されるヘルメス・トリスメギストスの言葉とされる。錬金術とは文字通り金を生成する魔術ではなく、神の叡智のレベルを金という暗喩で表し、人間の魂の変容と霊的な成長を促すための哲学体系を言う。)
さて先々週土曜—8/21に、この期間最後の、3番目の決定が下された。その日、ロシアはイランのブシェール原子力発電所に核燃料棒を搬入し、イラン原発はその稼働態勢を整えた。これは土星・冥王星がスクエアを形成した日であったが、それと同時に、米国始原図における*プログレッションの**火星が逆行を開始していて、その78年間にわたる逆行期間のいまだ開始途上にある時間帯でもあったのだ。火星はその国の軍事に関わる諸状況を司るものだ。
もし誰かが、カーディナル・クライマックスの中心部は期待はずれで何も起こらなかったと言うなら、私ははっきりと意見を異にするだろう。 私は、世界中の金融アストロロジャー達が予想した派手な事象と全く同程度の重要性を、この期間に起きた出来事が持っていると確信してやまない。
そして、世界の市場はそれを反映している。
*(プログレッション:アストロロジーの未来予測法のひとつ。コラムにもよく出てくるトランシットは、国や個人の始原図・誕生図に現在進行する惑星や感受点がどんな関係性やアスペクトを結ぶかで見ていくが、プログレッションの場合は誕生図そのものの惑星位置を、時の経過によって、ある法則のもとに仮に動かしていくことによって見ていく。トランシットより奥に潜む個的要因を示すとされる。)
**(火星逆行:各惑星が逆行に入る期間、その惑星の力は内在し、外側に影響を及ぼす力が減衰したり混乱が生じると言われている。個人にとっては自らを省みてそれまでの行動の方向性を再検討する機会でもあるが、国や社会を見る場合は政策や方針の転換、対外影響力の変化、取り締まり強化などの内圧や格差の増大など、火星の原理であるサバイバル衝動やある種の攻撃性が内在化する可能性も考えられると思う。但しプログレッションの場合は長期的な影響力で、トランシットのように短期間に突出した出来事が起こるというものでもない。通常はプログレッションとトランシット、その他複数の技法を併用して予測を立てていく。)
訳文ここまで
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August 22, 2010
金融アストロロジー/週間コメント by レイモンド・メリマン 8/23
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月23日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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今回お休みさせていただく予定でしたが、水星逆行中ということもあって何となく気になるため、≪短期ジオコズミクス≫のみ翻訳UPしました。(^_^;
≪先週を振り返って≫では、前回触れられた異市場間弱気ダイバージェンスに基づく各国市場の下げにサラリと言及している他、冒頭では今後数十年にわたる各国の権力構造のバランス変化に繋がるような重要な決定がなされたこと(FRBの国債買取プログラム再開など)に力点をおいています。そして、今現在アメリカ国内においては信じるひとが少ないとしても、メリマン氏自身は日本の「失われた10年」と同じ事が米国に起きるだろうと断言しています。
≪長期的考察≫は長文でした。ここでは、*太陽が8/23乙女座に入ることをふまえ、またコラムの冒頭部分を引き継いで、最近の政府とFRBの重要決定事項と雇用問題の関係を、WSJの記事などを引き合いに出しながら論じています。また、アメリカと日本の債券市場のバブル=金利低下の行く末が、経済活性化の要になるべき退職者たちを追い詰めていく可能性や、日本もまたメリマン氏言うところの『ダブル・バブル・トラブル』に陥る可能性を示唆し、そして"素晴らしい国"であった日本が『失われ、そして見出されざる国』となってしまっている・・と描写している部分が印象的でした。最後に、カーディナル・クライマックスの中心部を過ぎ越した今、新時代への希望もまた生まれるだろうこと。その希望は、各国のリーダー達と国民・大衆との関係性、そして力のバランスが、様々な集合離散の紆余曲折を経て変化し成長し、新しい意識と信頼が築かれていくことにある・・・というようなニュアンスで締めていて、とても興味深いものがありました。
*(日本時間8/23 14時46分)
★詳しくはmerriman.jpさんのサイトに日を追って掲載されると思いますので、どうかそちらをご参照ください。
≪ 短期ジオコズミクス ≫
これからの3週間、水星は逆行運動に入る。多分アナリスト達はそこでハッと振り返り、過去1ヶ月に起きた事を評価する一方、それが未来にどんな意味を持つか理解しようと試みるのではないだろうか。
今週は水星の逆行以外にはわずかなジオコズミック・サインが効力を発するのみだ。月曜には太陽が獅子座を離れて乙女座に入場し、火曜日には満月となる。そしてこの位相はまさに今週が、*現況を鏡に映しその写像を分析していくような週になることを暗示している。その分析の焦点はおそらく雇用問題(乙女座の本領)となるだろう。『仕事はどこへ行ったの?』♪である。そしてもっと重要なのはここだ。『いつになったら仕事は還ってくるの?』♪
*(アストロロジーの基本原型として、獅子座は自己の創造性を追求し、外側に表現していこうとする欲望と、それに伴う壁や葛藤を表す。けれどそれはあくまで「自己」を世界の中心に置いたもの。そして乙女座は、次の天秤座での本格的社会参加---自己と他者との邂逅・比較・交流を前にして、徹底的な分析と自省・内的整理を行う意識の座としての原型を持つ。ここで世界と自己の位置は一度逆転する。また乙女座が社会現象面で示す代表的な分野は、雇用環境や健康問題、その他徴兵制度や軍隊など。)
しかし、それはニュースや市場がしばしの間静けさを取り戻すという意味ではない。この前水星が逆行に転じた時(4/17〜5/11)のことを覚えておられるだろう。あの時はメキシコ湾の深海油井が爆発し、米国史上最も甚大な原油漏れ事故を引き起こした(4/20)。その日はまたカイロンが魚座に入場した日でもあった。そしてまたこの期間中、土星・天王星の4度目のオポジション(180°)が起きた4/26のダウ平均に見られたように、世界の多くの株式市場で年初来高値をつける光景が見られた。ダウ平均で約25分の間に1000ポイントという信じがたい下落が起き、その後、引けまでに800ポイントを回復するという場面が目撃されたのもこの期間だ(5/6) 。この水星逆行は、9/18に起きる木星・天王星の2度目のコンジャンクション(0°)の手前近くで *終わりを告げる。私達は、市場が再び大きな値幅に揺れ動くのを見ることができるかもしれない。
*(水星が逆行から順行に転じるのは日本時間9/13 午前8時30分ごろ)
8/21にその1ヶ月にわたるピークの終わりを告げたカーディナル・クライマックスにおいて示された徴候からすると、私達は2種の市場動向のうちの1つを観測することになりそうだ。1つは先週後半から始まったトレンドが引き続き今週に入っても持続し、次週にもまたがって展開するというストーリー。もう1つはマーケット自体が、まるで霧の中にでもいるように先の見えない状況の中で明快さを求めて行きつ戻りつ漂流するという筋書きだ。水星の逆行中には、希望と失望がせめぎあう、複雑な経済面のシグナルや、矛盾に満ちた政治的状況が多く観察される。政治的リーダー達が、未だ機が熟さず研究や議論も尽くされていないような案件を性急に決定するという状況が起きる時、水星逆行時に見られる一番厄介な側面が顔を覗かせるのだ。
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月23日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
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今回お休みさせていただく予定でしたが、水星逆行中ということもあって何となく気になるため、≪短期ジオコズミクス≫のみ翻訳UPしました。(^_^;
≪先週を振り返って≫では、前回触れられた異市場間弱気ダイバージェンスに基づく各国市場の下げにサラリと言及している他、冒頭では今後数十年にわたる各国の権力構造のバランス変化に繋がるような重要な決定がなされたこと(FRBの国債買取プログラム再開など)に力点をおいています。そして、今現在アメリカ国内においては信じるひとが少ないとしても、メリマン氏自身は日本の「失われた10年」と同じ事が米国に起きるだろうと断言しています。
≪長期的考察≫は長文でした。ここでは、*太陽が8/23乙女座に入ることをふまえ、またコラムの冒頭部分を引き継いで、最近の政府とFRBの重要決定事項と雇用問題の関係を、WSJの記事などを引き合いに出しながら論じています。また、アメリカと日本の債券市場のバブル=金利低下の行く末が、経済活性化の要になるべき退職者たちを追い詰めていく可能性や、日本もまたメリマン氏言うところの『ダブル・バブル・トラブル』に陥る可能性を示唆し、そして"素晴らしい国"であった日本が『失われ、そして見出されざる国』となってしまっている・・と描写している部分が印象的でした。最後に、カーディナル・クライマックスの中心部を過ぎ越した今、新時代への希望もまた生まれるだろうこと。その希望は、各国のリーダー達と国民・大衆との関係性、そして力のバランスが、様々な集合離散の紆余曲折を経て変化し成長し、新しい意識と信頼が築かれていくことにある・・・というようなニュアンスで締めていて、とても興味深いものがありました。
*(日本時間8/23 14時46分)
★詳しくはmerriman.jpさんのサイトに日を追って掲載されると思いますので、どうかそちらをご参照ください。
≪ 短期ジオコズミクス ≫
これからの3週間、水星は逆行運動に入る。多分アナリスト達はそこでハッと振り返り、過去1ヶ月に起きた事を評価する一方、それが未来にどんな意味を持つか理解しようと試みるのではないだろうか。
今週は水星の逆行以外にはわずかなジオコズミック・サインが効力を発するのみだ。月曜には太陽が獅子座を離れて乙女座に入場し、火曜日には満月となる。そしてこの位相はまさに今週が、*現況を鏡に映しその写像を分析していくような週になることを暗示している。その分析の焦点はおそらく雇用問題(乙女座の本領)となるだろう。『仕事はどこへ行ったの?』♪である。そしてもっと重要なのはここだ。『いつになったら仕事は還ってくるの?』♪
*(アストロロジーの基本原型として、獅子座は自己の創造性を追求し、外側に表現していこうとする欲望と、それに伴う壁や葛藤を表す。けれどそれはあくまで「自己」を世界の中心に置いたもの。そして乙女座は、次の天秤座での本格的社会参加---自己と他者との邂逅・比較・交流を前にして、徹底的な分析と自省・内的整理を行う意識の座としての原型を持つ。ここで世界と自己の位置は一度逆転する。また乙女座が社会現象面で示す代表的な分野は、雇用環境や健康問題、その他徴兵制度や軍隊など。)
しかし、それはニュースや市場がしばしの間静けさを取り戻すという意味ではない。この前水星が逆行に転じた時(4/17〜5/11)のことを覚えておられるだろう。あの時はメキシコ湾の深海油井が爆発し、米国史上最も甚大な原油漏れ事故を引き起こした(4/20)。その日はまたカイロンが魚座に入場した日でもあった。そしてまたこの期間中、土星・天王星の4度目のオポジション(180°)が起きた4/26のダウ平均に見られたように、世界の多くの株式市場で年初来高値をつける光景が見られた。ダウ平均で約25分の間に1000ポイントという信じがたい下落が起き、その後、引けまでに800ポイントを回復するという場面が目撃されたのもこの期間だ(5/6) 。この水星逆行は、9/18に起きる木星・天王星の2度目のコンジャンクション(0°)の手前近くで *終わりを告げる。私達は、市場が再び大きな値幅に揺れ動くのを見ることができるかもしれない。
*(水星が逆行から順行に転じるのは日本時間9/13 午前8時30分ごろ)
8/21にその1ヶ月にわたるピークの終わりを告げたカーディナル・クライマックスにおいて示された徴候からすると、私達は2種の市場動向のうちの1つを観測することになりそうだ。1つは先週後半から始まったトレンドが引き続き今週に入っても持続し、次週にもまたがって展開するというストーリー。もう1つはマーケット自体が、まるで霧の中にでもいるように先の見えない状況の中で明快さを求めて行きつ戻りつ漂流するという筋書きだ。水星の逆行中には、希望と失望がせめぎあう、複雑な経済面のシグナルや、矛盾に満ちた政治的状況が多く観察される。政治的リーダー達が、未だ機が熟さず研究や議論も尽くされていないような案件を性急に決定するという状況が起きる時、水星逆行時に見られる一番厄介な側面が顔を覗かせるのだ。
訳文ここまで
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August 15, 2010
金融アストロロジー/週間コメント by レイモンド・メリマン 8/16
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レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月16日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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☆都合により来週のコラム翻訳はお休みさせていただきます。m(_"_)m
(8/16訳注追記)
≪ 先週を振り返って ≫
あなたは目撃しただろうか?
連邦準備制度理事会(FRB)は先週火曜、2007年以降いまや3倍にまで膨れあがった保有資産を縮小させるかわりに、米国債(MBSではないが)の買取プログラムを再開することを決定した。これは7/21〜8/21の期間展開するカーディナル・クライマックスの核となる時間帯の内で、少なくとも3番目に重大な出来事だといえる。他の2つには、7/21に成立した「金融規制改革法」と、ロシアで森林火災を引き起こし、世界中に小麦価格の暴騰を招いた、異常なほどドライで暑い干ばつが含まれる。
6/21(太陽・天王星他のグランドスクエア形成日)からこのカーディナル・クライマックスの中心的時間帯までの高値との間に各地のマーケットで見られた異市場間弱気ダイバージェンスのシグナルに従い、世界中の多くの株式市場が先週、かなり激しい下落を見せた。ヨーロッパでは、オランダのAEXが8/4に直近高値341を示現したが、6/21につけた343.32には届かなかった。スイスのSMIもまた8/6に6409をつけたが、前サイクルの高値6/21の6531に届かずロウワーハイに留まった。しかしドイツのDAXとロンドンのFTSEはこうしたケースには収まらず、6/21につけたそれぞれの高値を超えた。DAXは8/6に6386を示現して年初来高値を記録、そしてFTSEは8/9にサイクル新高値5418まで買われた。だがこれらの指数も木曜か金曜には週安値まで急激に下落した。
アジア・環太平洋地域でも、直近高値からカーディナル・クライマックスの中心部に向かう中で、異市場間弱気ダイバージェンスの徴候がはっきりと見てとれた。7/28と8/3につけた9750〜9760という日本の日経225の高値は、6/21の高値10,251からは遥かに下方にある。またオーストラリアのオールオーディナリーズは8/9に4618まで騰がったが、これも6/21につけた前サイクル高値4631には僅かに届いていない。しかし香港ハンセン、インドNIFTY、そしてモスクワのMICEXは全て、先週末の崩落を迎えるまでこのカーディナル・クライマックスの中心部でサイクル新高値をつけていた。
アメリカ大陸では、ブラジルのボヴェスパとアルゼンチンのメルヴァルが8/9に、ダウ工業平均と連動してサイクル新高値をつけた。これらは皆6/21に示現した前サイクル高値を抜いている。しかしながら、これはナスダック総合では起こらず、8/9には2309まで騰がったのみで、6/21の高値2341には遥かに及ばなかった。
このように多くの異市場間弱気ダイバージェンスが重要なリバーサル・ゾーンの只中に見られる時、即ちある地域の1株式指数が新サイクル高値をつける一方、他の指数がそうはならないような時、それに続いて急激な下落が起きるケースが多い。多くの場合、それはプライマリー・サイクルの天井を示している。もし今私達が見ている状況がそれだとすれば、市場は中間選挙もしくは金星が逆行開始する時(10/8)に向けて下落へのプレッシャーに晒されている可能性が高い。 前回の金星逆行は2009年3/6、「パニック・クライシス」と呼ばれた弱気相場の安値と共に起きた。 金星は8年ごとに、黄道帯の大体同じ度数での逆行を繰り返す。今回の星座は蠍座だ。8年前の金星逆行は2002年10/10に開始された。この時も同様に、4年サイクルの安値をつけると共に、米国株式市場における弱気相場の終焉となった。ちなみにその他各国の株式指数は、ブッシュ大統領によるフセイン政権打倒とイラク侵攻への決断と連動して翌年3月、4年サイクルをわずかに割る安値をつけている。
先週注目に値する動きを見せた金融マーケットは株式市場だけではなかった。最も重要な展開を見せたのは債券市場であり、この米国政府の超長期にわたる債務の買取を再開するというFRBの決定と連動して、派手に買われた。私達はバブルの可能性があると言った。そして、もしそれが債券市場に起こるなら、即ち「ダブル・バブル・トラブル」の出来上がりだとも述べた。債券市場が2008年のパニック時に見られた高みに近付いた今、まさにそれが起こっているように思える。FRBの決断は、もし物事がそれほど悪化しつつあるなら、再び経済及び市場崩壊への危険が迫っているのではないかと思わせるものがある。もしも経済がホワイトハウスとその「エコノミック・ドリーム・チーム=経済回復諮問会議」が主張し続けるように安定し、向上しているというなら、何故彼らは債券市場をあの2008年世界金融危機当時のレベルに戻すのだろうか? 誰かがアメリカ国民と世界に対し、事の全容を明かしていないのではなかろうか。
私の言葉をそのまま鵜呑みにはしないでほしい。だが、先週発表されたサンフランシスコ連邦準備銀行の報告書に書かれた言葉は、そのまま受けとめるべきだろう。
『・・・米国経済が今後2年の間に不況に陥る可能性は、景気拡大の確率より高い。』
≪ 短期ジオコズミクス ≫
今週、またひとつ強力なジオコズミック・サインのラインナップが効力を発すべく控えている。それは2008〜2015年のカーディナル・クライマックスとして知られる、とてつもない天体模様の中心部、7/21〜8/21に織り込まれた糸の束だ。まずは良いニュースから始めよう。私達は宇宙の深淵、その最も深い部分からようやく抜け出し始める。そして、あまり良くないニュースはこれだ。過去3週間のうちに下された決定や施行された数ある政策のうちのいくつかが、今後長期にわたる経済的困難と、おそらくは複数の金融市場における弱気相場に導くかもしれない。
まあこれは既成事実というわけではなく、私見にすぎない。私達は海図に載っていない水域を航海中であり、行き着く先がどこなのか誰も知らないのだ。だから私は間違っているかもしれない。 しかし、この先数週間で(そしてフォーキャスト2011の中で)私はこうしたジオコズミック・サインの数々と、政治・経済の動きとの相関関係を、歴史的実例という文脈の中で説明していきたいと思っている。
今週は、ジオコズミックな天体活動に沢山の見るべきものが待ち受けている。それはこの位相 ― カーディナル・クライマックスの最深奥となる第5層 ― を完成させるものだ。 *8/13金曜、天王星が魚座に帰還した。(再び牡羊座に入場するのは2011年3/4で、今度は7年間滞在する)これはさし当たり、医療保険制度改革法の部分的修正を示唆するのかもしれない。(魚座は健康管理・医療、そして天王星は変化・変更を示唆する。) おそらく議会はこの法案の中の、4半期の経費中600ドルを超えるものに対する新規の膨大な報告要件を吸い上げるために何千人もの **IRS職員を雇うという、煩わしく"非健康的"な部分を取り除くことを考えるのではないだろうか。もしそのコストが税金とは無関係なら、より多くのIRS職員を雇うことと、医療保険制度改革との間にいったいどんな関係があるのだろう?
*(日本時間では8/14土曜。文中の日付・時間は全て時差を考慮してください)
**(IRS:Internal Revenue Serviceの略で米国財務省・内国歳入庁のこと。アメリカ国内の税金をコントロールしている。これまで退職者向けの処方薬費用を負担し、それを経費として計上していた企業は、医療保険制度改革法の条項により、税控除を受けられなくなる。このため多くの企業がその資産価値の下落に相当する特別費用を計上しなければならない。)
8/16月曜、木星は全部で3回のうち2回目のオポジション(180°)を土星に対して形成する。これは20年周期を持つ惑星サイクルであり、長期のマーケット・サイクルとはかなりの相関性を持ち、またしばしば4年サイクルと共に起きてくる。 1990年、これら2惑星の前回のオポジションが起きた時、世間では不況と共に、株式市場における比較的穏やかな弱気相場があったことを覚えておられるかもしれない。またこれは、ジョージ・H・ブッシュ大統領("W"― 前大統領の父)による大増税という出来事にも関連していた。
今週末(8/20〜21)には、金星が天秤座で火星とコンジャンクト(0°、天秤座で金星は支配星となり、火星は力を弱める)、太陽が海王星とオポジション(180°、非常に強力なレベル1のリバーサル指標)、水星が9/12まで3週間にわたる逆行を開始、そして土星が冥王星に対する32〜37年サイクルのウェイニングスクエア(90°欠けていくスクエア)を終了する。こうしてカーディナル・クライマックスの現在の位相は終わっていく。先週述べたことを再び繰り返そう。『その時私達はふり返って、この期間に起こった事の重要性を理解することになるかもしれない。いやもしかしたら、私達が全ての事を理解するには、水星がその逆行を終えるまで待たなければならないのかもしれない。』
≪ 長期的考察 ≫
北ミシガンの湖畔、森を背に古い運河を見渡すこの大地に横たわり、ペルセウス座流星群の壮大なシャワーを見つめていた時、私は突然ひらめいた。
カーディナル・クライマックスとは権力のシフト、世界の政治経済の、全面的なパワー・バランスのシフトに他ならないのだ。それは即ち銀行・企業・政府とその新しい支配軍団との間の、権力のシフトに導くような決定の数々のことだと考えてほしい。人々=大衆に関しては言うまでもないことだ。(大体、この新しく創造されようとしている世界の中で、人々とは誰を指すのだろう?) 通貨価値のシフト、それにしたがって起きる各国経済力の順位変更は、カーディナル・クライマックスの熱に醸されて立ちのぼる自然発酵の結果なのかもしれない。私見では、この強力な時間帯は真にその誇大さそのものを体現しきっている。マネーはまもなく、今日とは異なった国々による異なった規格に導かれ、全く違う評価を受けるようになるだろう。
そう、ひとつの時代が終わろうとしているのだ。
こうした権力構造のシフトの原因は、世界中の債務爆発と、いかに各国がそれぞれ全く異なった方法でそれに対処するかに関わっている。木曜のウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されたアレン・メッツナー教授の署名記事『ケインズ主義から飛び降りるヨーロッパ』によれば、『支出削減計画の発表後、イギリスとドイツの経済は以前より明るく輝いて見える』 だがアメリカ合衆国は何をしたか?
先週、合衆国政府と中央銀行、FRBは、経済政策に関する選択肢を持っていた。彼らは、FRBの始原図上の太陽・冥王星オポジションに天秤座の土星がTスクエアを形成した時、イギリスやドイツが取った「スマートな厳格さ」(天秤座の土星)の道を選ぶことも出来た。あるいはこのまま「ケインズ・バス」に乗り続け、同じくFRBの太陽・冥王星オポジションに反対位置からTスクエアを組む、木星・天王星コンジャンクション(スマートな刺激)の道を選ぶことも出来た。この道は、今回こそ本当に国の赤字を減少させるという結果をもたらすという希望(又だ!)のもと、より多くの支出と債務を促進させるだろう。 より多くの支出がこの経済サイクルの局面で、どうやって赤字を減らすことが出来るのか、不思議だ。
FRBと政府が、人々を職に就かせることに対して本当に真剣であるなら、*マーク・ライボビットのアイディアを取り上げ、真に資金を必要としていて信用価値のあるビジネスや、人々を雇う力のある企業のために金利0〜0.25%のローンを用意したほうが、単にFRBのメンバーで金を貯め込むだけの「銀行連中」に資金を手当てするだけよりよっぽど良いと思うが? あなたは、この0.25%という広く喧伝されたレートで本当に資金を借りることの出来る人間を実際に知っているだろうか? どこかの銀行が(このままなら、このレートで借りられるのは彼らだけだ)、金利8%以下で実際に金を貸すことがあるだろうか?仮りそめにも彼らが貸し出すなら、だが? 単にラクラクと全くノー・リスクで米国政府の保証付きの国債4%を買うことが出来る彼らは、たとえ8%の金利を取ったとしても、信用に足るビジネスに対して貸し付けを行うリスクを取るべきではないか?
*(Mark Leibovit:vrtrader.comのチーフ・ストラテジスト/テクニカルアナリスト)
もしかしたら彼らは何かを見落としているのか?それが何かはわからないが、私には彼らが何かを見落としているように見える。木星と天王星があなたの誕生図の太陽に(FRBのチャートに見られるように)スクエアを形成する時、あなたには過大評価の傾向が現れ、その結果、損失に繋がるような決断を行いがちなのだ。そして木星・天王星があなたの冥王星に(FRBチャートのように)スクエアを組む時、負債を削減していかなくてはならない時に借金を増やすような傾向が出てくるのだ。
FRB始原図with8/4大統領誕生日transits
私は過去3週間の、特に先週火曜に下されたこうした決定の結果、いったい何が起こるかについての確信は持ってはいない。しかし、金融アストロロジャーとしての目には、この政府と中央銀行が、いまだにジョン・メイナード・ケインズの亡霊を追いかけ、牡羊座の木星・天王星の道を進みゆく光景がはっきりと見えるのだ。悪化しつつある経済の最後の一走りに向けて、使い古したエンジンの回転を素早く上げようと、彼らはペダルを思いっ切り踏み込んでいる。
水曜日のウォール・ストリート・ジャーナルはこう書いている。(おそらくはここ数週間の当コラムからヒントを得ているようだ) 『昨日連邦政府は、財政の緊縮政策をとらないことを決定した。これは財政策を時速320kmから300km程度まで落として運行するようなものだ。その代わり、FRBはフルスロットルのまま留まり、保有資産のうち償還期を迎えたMBSからの利益を、そのまま長期国債の直接購入にあてる。』
彼らは経済の最も弱い部分である、住宅部門を支え続けようとさえしていない。彼らは銀行を支えようとしているのだ。(勿論、彼ら自身もその内に入る。) だが、外がそろそろ暗さを増してくる頃、この財政政策というレーシング・カーのライトはまさに風前の灯だ。 これはもう一つの「ダブル・オア・ナッシング=一八勝負」であり、まったくもって国債を「ダブル・バブル」に導くものとなりそうだ。
私達がこの耳で 『な、何だ?---何やってるんだ!?おい!!』 という叫び声を聞くのも、単に時間の問題だろう。
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月16日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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☆都合により来週のコラム翻訳はお休みさせていただきます。m(_"_)m
(8/16訳注追記)
≪ 先週を振り返って ≫
あなたは目撃しただろうか?
連邦準備制度理事会(FRB)は先週火曜、2007年以降いまや3倍にまで膨れあがった保有資産を縮小させるかわりに、米国債(MBSではないが)の買取プログラムを再開することを決定した。これは7/21〜8/21の期間展開するカーディナル・クライマックスの核となる時間帯の内で、少なくとも3番目に重大な出来事だといえる。他の2つには、7/21に成立した「金融規制改革法」と、ロシアで森林火災を引き起こし、世界中に小麦価格の暴騰を招いた、異常なほどドライで暑い干ばつが含まれる。
6/21(太陽・天王星他のグランドスクエア形成日)からこのカーディナル・クライマックスの中心的時間帯までの高値との間に各地のマーケットで見られた異市場間弱気ダイバージェンスのシグナルに従い、世界中の多くの株式市場が先週、かなり激しい下落を見せた。ヨーロッパでは、オランダのAEXが8/4に直近高値341を示現したが、6/21につけた343.32には届かなかった。スイスのSMIもまた8/6に6409をつけたが、前サイクルの高値6/21の6531に届かずロウワーハイに留まった。しかしドイツのDAXとロンドンのFTSEはこうしたケースには収まらず、6/21につけたそれぞれの高値を超えた。DAXは8/6に6386を示現して年初来高値を記録、そしてFTSEは8/9にサイクル新高値5418まで買われた。だがこれらの指数も木曜か金曜には週安値まで急激に下落した。
アジア・環太平洋地域でも、直近高値からカーディナル・クライマックスの中心部に向かう中で、異市場間弱気ダイバージェンスの徴候がはっきりと見てとれた。7/28と8/3につけた9750〜9760という日本の日経225の高値は、6/21の高値10,251からは遥かに下方にある。またオーストラリアのオールオーディナリーズは8/9に4618まで騰がったが、これも6/21につけた前サイクル高値4631には僅かに届いていない。しかし香港ハンセン、インドNIFTY、そしてモスクワのMICEXは全て、先週末の崩落を迎えるまでこのカーディナル・クライマックスの中心部でサイクル新高値をつけていた。
アメリカ大陸では、ブラジルのボヴェスパとアルゼンチンのメルヴァルが8/9に、ダウ工業平均と連動してサイクル新高値をつけた。これらは皆6/21に示現した前サイクル高値を抜いている。しかしながら、これはナスダック総合では起こらず、8/9には2309まで騰がったのみで、6/21の高値2341には遥かに及ばなかった。
このように多くの異市場間弱気ダイバージェンスが重要なリバーサル・ゾーンの只中に見られる時、即ちある地域の1株式指数が新サイクル高値をつける一方、他の指数がそうはならないような時、それに続いて急激な下落が起きるケースが多い。多くの場合、それはプライマリー・サイクルの天井を示している。もし今私達が見ている状況がそれだとすれば、市場は中間選挙もしくは金星が逆行開始する時(10/8)に向けて下落へのプレッシャーに晒されている可能性が高い。 前回の金星逆行は2009年3/6、「パニック・クライシス」と呼ばれた弱気相場の安値と共に起きた。 金星は8年ごとに、黄道帯の大体同じ度数での逆行を繰り返す。今回の星座は蠍座だ。8年前の金星逆行は2002年10/10に開始された。この時も同様に、4年サイクルの安値をつけると共に、米国株式市場における弱気相場の終焉となった。ちなみにその他各国の株式指数は、ブッシュ大統領によるフセイン政権打倒とイラク侵攻への決断と連動して翌年3月、4年サイクルをわずかに割る安値をつけている。
先週注目に値する動きを見せた金融マーケットは株式市場だけではなかった。最も重要な展開を見せたのは債券市場であり、この米国政府の超長期にわたる債務の買取を再開するというFRBの決定と連動して、派手に買われた。私達はバブルの可能性があると言った。そして、もしそれが債券市場に起こるなら、即ち「ダブル・バブル・トラブル」の出来上がりだとも述べた。債券市場が2008年のパニック時に見られた高みに近付いた今、まさにそれが起こっているように思える。FRBの決断は、もし物事がそれほど悪化しつつあるなら、再び経済及び市場崩壊への危険が迫っているのではないかと思わせるものがある。もしも経済がホワイトハウスとその「エコノミック・ドリーム・チーム=経済回復諮問会議」が主張し続けるように安定し、向上しているというなら、何故彼らは債券市場をあの2008年世界金融危機当時のレベルに戻すのだろうか? 誰かがアメリカ国民と世界に対し、事の全容を明かしていないのではなかろうか。
私の言葉をそのまま鵜呑みにはしないでほしい。だが、先週発表されたサンフランシスコ連邦準備銀行の報告書に書かれた言葉は、そのまま受けとめるべきだろう。
『・・・米国経済が今後2年の間に不況に陥る可能性は、景気拡大の確率より高い。』
≪ 短期ジオコズミクス ≫
今週、またひとつ強力なジオコズミック・サインのラインナップが効力を発すべく控えている。それは2008〜2015年のカーディナル・クライマックスとして知られる、とてつもない天体模様の中心部、7/21〜8/21に織り込まれた糸の束だ。まずは良いニュースから始めよう。私達は宇宙の深淵、その最も深い部分からようやく抜け出し始める。そして、あまり良くないニュースはこれだ。過去3週間のうちに下された決定や施行された数ある政策のうちのいくつかが、今後長期にわたる経済的困難と、おそらくは複数の金融市場における弱気相場に導くかもしれない。
まあこれは既成事実というわけではなく、私見にすぎない。私達は海図に載っていない水域を航海中であり、行き着く先がどこなのか誰も知らないのだ。だから私は間違っているかもしれない。 しかし、この先数週間で(そしてフォーキャスト2011の中で)私はこうしたジオコズミック・サインの数々と、政治・経済の動きとの相関関係を、歴史的実例という文脈の中で説明していきたいと思っている。
今週は、ジオコズミックな天体活動に沢山の見るべきものが待ち受けている。それはこの位相 ― カーディナル・クライマックスの最深奥となる第5層 ― を完成させるものだ。 *8/13金曜、天王星が魚座に帰還した。(再び牡羊座に入場するのは2011年3/4で、今度は7年間滞在する)これはさし当たり、医療保険制度改革法の部分的修正を示唆するのかもしれない。(魚座は健康管理・医療、そして天王星は変化・変更を示唆する。) おそらく議会はこの法案の中の、4半期の経費中600ドルを超えるものに対する新規の膨大な報告要件を吸い上げるために何千人もの **IRS職員を雇うという、煩わしく"非健康的"な部分を取り除くことを考えるのではないだろうか。もしそのコストが税金とは無関係なら、より多くのIRS職員を雇うことと、医療保険制度改革との間にいったいどんな関係があるのだろう?
*(日本時間では8/14土曜。文中の日付・時間は全て時差を考慮してください)
**(IRS:Internal Revenue Serviceの略で米国財務省・内国歳入庁のこと。アメリカ国内の税金をコントロールしている。これまで退職者向けの処方薬費用を負担し、それを経費として計上していた企業は、医療保険制度改革法の条項により、税控除を受けられなくなる。このため多くの企業がその資産価値の下落に相当する特別費用を計上しなければならない。)
8/16月曜、木星は全部で3回のうち2回目のオポジション(180°)を土星に対して形成する。これは20年周期を持つ惑星サイクルであり、長期のマーケット・サイクルとはかなりの相関性を持ち、またしばしば4年サイクルと共に起きてくる。 1990年、これら2惑星の前回のオポジションが起きた時、世間では不況と共に、株式市場における比較的穏やかな弱気相場があったことを覚えておられるかもしれない。またこれは、ジョージ・H・ブッシュ大統領("W"― 前大統領の父)による大増税という出来事にも関連していた。
今週末(8/20〜21)には、金星が天秤座で火星とコンジャンクト(0°、天秤座で金星は支配星となり、火星は力を弱める)、太陽が海王星とオポジション(180°、非常に強力なレベル1のリバーサル指標)、水星が9/12まで3週間にわたる逆行を開始、そして土星が冥王星に対する32〜37年サイクルのウェイニングスクエア(90°欠けていくスクエア)を終了する。こうしてカーディナル・クライマックスの現在の位相は終わっていく。先週述べたことを再び繰り返そう。『その時私達はふり返って、この期間に起こった事の重要性を理解することになるかもしれない。いやもしかしたら、私達が全ての事を理解するには、水星がその逆行を終えるまで待たなければならないのかもしれない。』
≪ 長期的考察 ≫
北ミシガンの湖畔、森を背に古い運河を見渡すこの大地に横たわり、ペルセウス座流星群の壮大なシャワーを見つめていた時、私は突然ひらめいた。
カーディナル・クライマックスとは権力のシフト、世界の政治経済の、全面的なパワー・バランスのシフトに他ならないのだ。それは即ち銀行・企業・政府とその新しい支配軍団との間の、権力のシフトに導くような決定の数々のことだと考えてほしい。人々=大衆に関しては言うまでもないことだ。(大体、この新しく創造されようとしている世界の中で、人々とは誰を指すのだろう?) 通貨価値のシフト、それにしたがって起きる各国経済力の順位変更は、カーディナル・クライマックスの熱に醸されて立ちのぼる自然発酵の結果なのかもしれない。私見では、この強力な時間帯は真にその誇大さそのものを体現しきっている。マネーはまもなく、今日とは異なった国々による異なった規格に導かれ、全く違う評価を受けるようになるだろう。
そう、ひとつの時代が終わろうとしているのだ。
こうした権力構造のシフトの原因は、世界中の債務爆発と、いかに各国がそれぞれ全く異なった方法でそれに対処するかに関わっている。木曜のウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されたアレン・メッツナー教授の署名記事『ケインズ主義から飛び降りるヨーロッパ』によれば、『支出削減計画の発表後、イギリスとドイツの経済は以前より明るく輝いて見える』 だがアメリカ合衆国は何をしたか?
先週、合衆国政府と中央銀行、FRBは、経済政策に関する選択肢を持っていた。彼らは、FRBの始原図上の太陽・冥王星オポジションに天秤座の土星がTスクエアを形成した時、イギリスやドイツが取った「スマートな厳格さ」(天秤座の土星)の道を選ぶことも出来た。あるいはこのまま「ケインズ・バス」に乗り続け、同じくFRBの太陽・冥王星オポジションに反対位置からTスクエアを組む、木星・天王星コンジャンクション(スマートな刺激)の道を選ぶことも出来た。この道は、今回こそ本当に国の赤字を減少させるという結果をもたらすという希望(又だ!)のもと、より多くの支出と債務を促進させるだろう。 より多くの支出がこの経済サイクルの局面で、どうやって赤字を減らすことが出来るのか、不思議だ。
FRBと政府が、人々を職に就かせることに対して本当に真剣であるなら、*マーク・ライボビットのアイディアを取り上げ、真に資金を必要としていて信用価値のあるビジネスや、人々を雇う力のある企業のために金利0〜0.25%のローンを用意したほうが、単にFRBのメンバーで金を貯め込むだけの「銀行連中」に資金を手当てするだけよりよっぽど良いと思うが? あなたは、この0.25%という広く喧伝されたレートで本当に資金を借りることの出来る人間を実際に知っているだろうか? どこかの銀行が(このままなら、このレートで借りられるのは彼らだけだ)、金利8%以下で実際に金を貸すことがあるだろうか?仮りそめにも彼らが貸し出すなら、だが? 単にラクラクと全くノー・リスクで米国政府の保証付きの国債4%を買うことが出来る彼らは、たとえ8%の金利を取ったとしても、信用に足るビジネスに対して貸し付けを行うリスクを取るべきではないか?
*(Mark Leibovit:vrtrader.comのチーフ・ストラテジスト/テクニカルアナリスト)
もしかしたら彼らは何かを見落としているのか?それが何かはわからないが、私には彼らが何かを見落としているように見える。木星と天王星があなたの誕生図の太陽に(FRBのチャートに見られるように)スクエアを形成する時、あなたには過大評価の傾向が現れ、その結果、損失に繋がるような決断を行いがちなのだ。そして木星・天王星があなたの冥王星に(FRBチャートのように)スクエアを組む時、負債を削減していかなくてはならない時に借金を増やすような傾向が出てくるのだ。
FRB始原図with8/4大統領誕生日transits
私は過去3週間の、特に先週火曜に下されたこうした決定の結果、いったい何が起こるかについての確信は持ってはいない。しかし、金融アストロロジャーとしての目には、この政府と中央銀行が、いまだにジョン・メイナード・ケインズの亡霊を追いかけ、牡羊座の木星・天王星の道を進みゆく光景がはっきりと見えるのだ。悪化しつつある経済の最後の一走りに向けて、使い古したエンジンの回転を素早く上げようと、彼らはペダルを思いっ切り踏み込んでいる。
水曜日のウォール・ストリート・ジャーナルはこう書いている。(おそらくはここ数週間の当コラムからヒントを得ているようだ) 『昨日連邦政府は、財政の緊縮政策をとらないことを決定した。これは財政策を時速320kmから300km程度まで落として運行するようなものだ。その代わり、FRBはフルスロットルのまま留まり、保有資産のうち償還期を迎えたMBSからの利益を、そのまま長期国債の直接購入にあてる。』
彼らは経済の最も弱い部分である、住宅部門を支え続けようとさえしていない。彼らは銀行を支えようとしているのだ。(勿論、彼ら自身もその内に入る。) だが、外がそろそろ暗さを増してくる頃、この財政政策というレーシング・カーのライトはまさに風前の灯だ。 これはもう一つの「ダブル・オア・ナッシング=一八勝負」であり、まったくもって国債を「ダブル・バブル」に導くものとなりそうだ。
私達がこの耳で 『な、何だ?---何やってるんだ!?おい!!』 という叫び声を聞くのも、単に時間の問題だろう。
訳文ここまで
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August 10, 2010
●8/10の新月ーみんなに降り注ぐエネルギー(気まぐれUP♪)
8/14惑星運行予定を訂正 8/12追記
今回の新月は8/10火曜日、獅子座17°24′で起こります。 カーディナル・クライマックスの真っ最中にふさわしく、このところ強力なテーマを暗示してくる新月ですが、今回もまた「スーパー・ニュームーン」がやって来ます。 それはペリジー・ムーンの新月。月が地球に一番近いところを通るんです。これが満月だったら、いつもより大きく照り輝く月が見られたはず....。でもそのかわり、昼の明るさにまぎれて目には見えない大きな力が地球に降り注ぎます。
新月は前回からの課題を経て、次の新月9/8までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、わたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。 わたし達ひとりひとりが作りあげている「世の中」も、秘かにこうしたテーマのもとで動いていると言えます。 さて、 前回7/12の新月テーマは『社会の中で「自分自身の歌」を歌い続けるための闘い』。 それぞれが周囲との和/輪を保ちながら、自分らしく生きることとは何か?を考えさせられるようなエネルギーでした。日蝕をともなう新月だったので、中には強い影響を受けたひともいらっしゃると思います。。 うーん、今回はどんな感じになるのかな・・・?
★ 8/10、日本では北海道周辺で12:33ごろ、東京・関東ローカルで12:26、関西方面は12:07ごろ、沖縄周辺で11:38ごろに新月となります。ヒーリング・メディテーションや願い事をしたい方、 可能ならこの時間帯に合わせてみてください。
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Sabianシンボルによる【新月のテーマ】
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。
【獅子座17°~18°】
"A non-vested church choir" + "A watch dog standing guard"
"A teacher of chemistry" + "A man unmasked"
★オールド・ルールを押しつけられる事への抵抗→ ★真新しいやり方を求めて手探りする→ ★衝動的な行動、またはサイキック・アタックへの警戒→ ★思い付いた事、与えられたインスピレーションに対する行動責任を考える→ ★自己防衛のために仮面をかぶる→ ★なぜ自分はもっとイキイキと日々を送れないのか?→ ★自分の中の、硬化してしまった心・精神に気付く→ ★人間関係の中で「裸の自分」を表現したいという願い→ ★その表現は、自分にも周囲(相手)にも喜びをもたらすのか?または新たな誤魔化しにすぎないのか?→ ★挑戦は続く・・・
★エネルギーのポイント: 「挑発は挑発を呼ぶ」
★ラッキーポイント: 寛大さと冷静さ。ものごとを俯瞰で見る。ユーモア。謙虚さ。オープンな心。笑いによる発散。決めない、決めつけない。十分な休息。瞑想。白い花。誘蛾灯。美しい歌声を聴く。
前回のテーマは『社会の中で「自分自身の歌」を歌い続けるための闘いと成長』でした。
それを引き継ぐように、今度もちょっと深いテーマが来ているようです。もしかしたら、少し重たく感じるひともいるかもしれません。 獅子座はもともと明るくクリエィティブで、楽しいことが大好きな星座です。でもその反面、「自分を周囲に対してどう表現するか?」「社会で自分はどんな風に機能していくのか?」 なんていう問題に、なかば本能的に直面してしまうサインでもあるんです。 今回の度数はまさにそんな感じ。 何かあった時、自分と向き合って深く考えることが出来たなら、その収穫はすごく大きい。 反面、衝動的になってしまうと、エゴとエゴとのぶつかり合いになりやすい。疲れます。。で、 とりあえずは仮面をかぶって表面上は取り繕うことができても、自分の中に溜まっていくフラストレーションはいつも出口を求めてやみません。 どうしても、何か根本的な解決を求める方向へと導かれていくエネルギーなのです。
また獅子座の支配星は太陽。占星術上、太陽は「父」をシンボライズし、あらゆる命のエネルギー・ソースとなります。そして月は、そのエネルギーに形を与えてこの地球という惑星に産み落とします。今回のスーパー・ニュームーンでは、「天の父」はパワフルな「母なる月」と、日本の天頂近くで見つめ合います。母はその身に受けた光を力に変えます。 この力が降り注ぐ時、地上ではマグマがたぎり、地殻は揺さぶられ、潮は大きくうねると言われています。ではその上に生きるわたし達にとって、天上で抱き合う父と母の姿はいったい何を物語っているのでしょうか?
男の子が最初に出会う同性を「父」とするなら、その出会いは彼にとっての「男とは何か?」というイメージに、有形・無形の影響を与えます。理想の姿、反面教師、またはその両方として。 女の子にとっての「母」との出会いも同じです。 また中には生まれながらに父や母との縁を持たないひともいます。 そのひと達もまた、子供の時から出会っていく様々なひとや事物の中に、父や母のイメージを受けとります。 そしてそれによって出来上がった「男」と「女」のイメージは、わたし達の心の一番奥深くに染みこんだ「仮の自己イメージ」と「仮の他者イメージ」を作り上げます。
わたし達が「本来の自分」と思いこんでいるものの中には、こうして作り上げられた「親が作った自分」「家が作った自分」「幼時環境が作った自分像」が深く入り込んでいます。 わたし達は、後天的な出会いによって、自らをある鋳型にはめてきた・・とも言えます。それは、幼い子供時代に、生きていくために、幸せになるために、学習してきた「自己のかたち」です。
それをうまく使って生きていくことが出来れば、スムーズな人生を送れるのかもしれません。
けれど今、カーディナル・クライマックスのただ中で、そうした「仮の自己イメージ」は、足もとをグラグラと揺さぶられてくる可能性がありそうです。今まで通用してきた「○○ってこういうもんだよね、自分ってこういう人だよね・・・」が、だんだん見えなくなってきた・・なんて感じることがあるなら、あなたはこのエネルギーをめいっぱい受けとっているのだと思います。
8/10昼過ぎ、天高く見上げれば(もしかしたら厚い雲に隠されているかもしれないけど・・)そこには、眩しく熱い光の中に父と母の聖なる邂逅の姿があります。彼らはエクスタシーの中で、真新しい挑戦のためのエネルギーを放射しています。わたし達は、必要の無くなったすべての古い自己イメージを脱ぎ捨てて、その純粋な放射の中で、新生児として生まれ変わることが出来るでしょうか? それぞれ本来の、イキイキとした未知の自分に出会うことが出来るでしょうか?
多分これは、とてもとても深い問題だと思います。 もしかしたらこの新月は、わたし達の精神にとって、これから一生をかけて歩んでいく「新しい旅」の始まりになるのかもしれません。
★ さて、サラっと東京ローカル図を見てみましょう。(日本に特化したエネルギーを見るには、首都の新月図を使います。)
★ 新月は天頂近く、9室で起こります。これは海外に関することがら、宗教や思想面、またすこし離れた所から物事の本質を見ようとする精神を喚起しそうです。うまくこのエネルギーを使えれば、カーディナル・クライマックスが引き起こす様々な摩擦を回避できそうです。 ただ、あまり強力なアスペクトが無いことから、これは行動というより、まずは内面の変容として起きやすいエネルギーだとも言えます。
★ 哲学的な思考、知的なエンターテインメント、長期の計画やビジョン、教育や出版、創作に関すること、また長距離旅行などにも良い時期です。ただし突然の出費も考えられるので、お金を使う時はよく考えて。リーダーを目指すひとにとっては、苦労も多いけれど頑張り時です。ただ、すでに力を握っているひとにとっては、ちょっとした試練の体験が待っているかもしれません。
★ 国なら同盟国や近隣諸国、パーソナルなら、パートナーや近しいひととの関係がデリケートになりがち。お互い自己防衛的になって殻に閉じこもったり、自分の陣地から一歩も出ずに相手を変えようとしたり、ワガママやプライド、意地のぶつかりあいが起こりやすい時です。短気なひとは気をつけて。まずは自分の疲れを癒してください。今回はどんな上辺の甘いことばより、素直な本気の笑顔が一番の緩衝材になりそうです。
★ 健康面では季節柄熱射病はもちろんですが、その他にも原因不明の発熱や解毒症状としての発疹、神経痛など体の様々な痛み、突然の事故・怪我などに十分注意してください。事前に予測できるようなら、あまり危ないところには近寄らないでね。 水分を十分に摂ることも大切です。 また消化器系、内分泌系、生殖器などにストレスがかかりやすいので、異常があれば早めに適切な診断を受けて下さい。このところ毎回言ってる気もしますが、早めの休息とデトックス。これ最強です。。
★ 新月のテーマの中に、「サイキック・アタック」という表現が出てきました。ちょっと迷ったけれど、耳慣れない方もいらっしゃるかもしれないので意外と身近にみられる例を軽く説明してみます。
これは文字通り「ある種の想念による攻撃」のことです。そう言っただけで「怖い!」と感じたり、「オカルトの世界は嫌いだ!」と思うかもしれないけれど、けっこう一般のひと同士でも普通に気付かずにやってたりします。つまり強力な「想い」の力のネガティブ版です。(もちろん、世の中には「別世界」が絡むモノもありますが、ここではちょっと脇に置きます・・^^;)
わかりやすいネガティブさなら、ヘンだな・・と感じたら近付かなければ良いのですが、中には「自分の言ってることは正しいんだ!」とか、逆に「あなたの為を思うあまりに・・」とかいう気持が強過ぎて、そのつもりが無くても、そして直接何かしなくても、相手に人知れずダメージを与えてしまうことがあります。 相手の生命エネルギーを低下させたり、奪ったりしてしまうのです。
人間て、意外と自分では意識せずに見えない戦争をしている場合があります。 感受性の強いひとは、自分とは関係無いケンカの怒鳴り声を聴いただけでも具合が悪くなるケースがあります。 ネットで出会い頭に超ネガティブな画像や文章に出会ってしまって、瞬間的にエネルギー低下に陥るケースもあります。 それも一種のサイキック・アタックなんです。
悪夢や悶々とした不眠、ある物事や特定のひとの事ばかりを堂々巡りに考えさせられる。(恋をしている場合はちょっと別ですけど・・・) とにかく何かおかしいな、何でこんなこと考えてるんだろう、と感じたら、へんに逆らわず、「必要ないよ、さようなら」と言ってやり過ごしてしまいましょう。 大事な日の前の不眠など辛いと思いますが、焦れば焦るほど逆効果。さからわず、取り合わず、毅然とした態度で「イザとなったらいくらでも眠れるさ!」と開き直ったほうが、大抵の場合アタックは早く消えます。
もしかして自分が相手にそういうこと、やっちゃったかな・・・?!なんて自覚してしまったら、とりあえず『うわアホクサ、や~めた!』と笑い飛ばしてしまいましょう。そして何より気分転換。出来るひとは瞑想、またはヒーリングを受けてみるのが吉。。
どうしても何かがおかしい場合は、それなりの専門家に相談してください。色んなケースがありますが、自分の深い直観で「OK!」と感じられるひとに依頼してくださいね。
★ 人間って、まだまだ計り知れない能力を持っていると言われます。これから長い長い時が経ったら、私達の脳はもっと効率よく眠ったポテンシャルを使えるようになるでしょうか? でも、たった今も、わたし達は気付かずに、すでにいろいろな「想いの力」を使っています。 サイキック・アタックは単にそのネガティブな一例にすぎません。
本当は、普通に生きていく中で、もっともっと大きな優しさ・・・大好きなひとや、まだ見ぬひとたち、様々な生きもの、滅びゆくもの、そしてこの広大な世界・・・すべてに対する愛おしい気持を、ただただ静かに拡げていく...まるで空間への贈り物のように。
そんなことのためにこそ、わたし達は「想いの力」を与えられているのかもしれない...
わたし自身はそんなふうに考えています。
生きていく中で経験する沢山の出来事は、やがては誰もが思ってもみないようなカタチで実を結んでいくのではないか・・・そんな気がしてなりません。
今回の新月は、確かにちょっと重めのテーマを持ってやってきます。けれどこの期間にもしハードな思いをするひとがいたら、どうかそれを正面から受けて立ってみてください。 スーパー・ニュームーンは、今まで見ることのなかった未知の自分と、これから向かおうとするそのゴールの片鱗を、ふとした拍子にチラッと・・・垣間見せてくれそうな気がします。。
★ まだまだ色々あるけれど、気付いたらもう十分長くなってしまいました。今回はこの辺で切り上げます。 最後に、これから次の新月までの主な惑星イベントを挙げておきますね。
・8/12 深夜~8/13未明 : ペルセウス座流星群 (北東の空)
・8/14 天王星、魚座に帰還
・8/17 朝・牡羊座・天秤座2°で木星・土星のオポジション
・8/21 朝~9/13朝 水星逆行
・8/21 夕刻・山羊座・天秤座2°で冥王星・土星のスクエア
8/12追記:
この新月が起きた時、水瓶座18°に小惑星ネッソスがあり、太陽・月とオポジションを形成していました。ネッソスは終わらせるべき体験を、「時が来た!」とばかりにバッサリ終わらせていく働きを持っています。終わらせるべきものとは? 自分が今まで無意識に縛られていた「場所」「状況」「人々」「関係-古いしがらみ」。また場合によっては、様々なかたちの「虐待」や「ひとの弱味につけいる行為」「家系や血筋に関わる因縁」からの解放をも意味します。 長い間、どうあがいても抜けられなかった状況にピリオドを打つきっかけがやってきそうです。必要なのは勇気。
準惑星研究家でアストロロジャーのメラニー・ラインハートはこう言っています。『ネッソスが働く時、今まで自分を誤魔化してきた楽観がはげ落ちる。そして現実を直視して動く力を与えてくれる。』 ターニングポイントがすぐそこに来ています。
ただし、古いものを切るときはそれなりの痛みをともなうもの。ひとによってはハートをえぐられるような悲しみを感じるかもしれません。けれど、それは幻のお花畑が消え去って、本当の自分らしさに辿り着くための旅の始まりです。
何かに「さよなら」を言いたいひと、新しい第一歩を踏み出したいひとにとって、この1ヶ月間は勇気を持って歩み始めるチャンスです。もしそこまで行かなかったとしても、少なくとも「現実的な方法」を思い付くキッカケに遭遇するかもしれません。。
Good Luck to You ALL!!!★
hiyoka(^_^)
今回の新月は8/10火曜日、獅子座17°24′で起こります。 カーディナル・クライマックスの真っ最中にふさわしく、このところ強力なテーマを暗示してくる新月ですが、今回もまた「スーパー・ニュームーン」がやって来ます。 それはペリジー・ムーンの新月。月が地球に一番近いところを通るんです。これが満月だったら、いつもより大きく照り輝く月が見られたはず....。でもそのかわり、昼の明るさにまぎれて目には見えない大きな力が地球に降り注ぎます。
新月は前回からの課題を経て、次の新月9/8までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、わたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。 わたし達ひとりひとりが作りあげている「世の中」も、秘かにこうしたテーマのもとで動いていると言えます。 さて、 前回7/12の新月テーマは『社会の中で「自分自身の歌」を歌い続けるための闘い』。 それぞれが周囲との和/輪を保ちながら、自分らしく生きることとは何か?を考えさせられるようなエネルギーでした。日蝕をともなう新月だったので、中には強い影響を受けたひともいらっしゃると思います。。 うーん、今回はどんな感じになるのかな・・・?
★ 8/10、日本では北海道周辺で12:33ごろ、東京・関東ローカルで12:26、関西方面は12:07ごろ、沖縄周辺で11:38ごろに新月となります。ヒーリング・メディテーションや願い事をしたい方、 可能ならこの時間帯に合わせてみてください。
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Sabianシンボルによる【新月のテーマ】
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。
【獅子座17°~18°】
"A non-vested church choir" + "A watch dog standing guard"
"A teacher of chemistry" + "A man unmasked"
★オールド・ルールを押しつけられる事への抵抗→ ★真新しいやり方を求めて手探りする→ ★衝動的な行動、またはサイキック・アタックへの警戒→ ★思い付いた事、与えられたインスピレーションに対する行動責任を考える→ ★自己防衛のために仮面をかぶる→ ★なぜ自分はもっとイキイキと日々を送れないのか?→ ★自分の中の、硬化してしまった心・精神に気付く→ ★人間関係の中で「裸の自分」を表現したいという願い→ ★その表現は、自分にも周囲(相手)にも喜びをもたらすのか?または新たな誤魔化しにすぎないのか?→ ★挑戦は続く・・・
★エネルギーのポイント: 「挑発は挑発を呼ぶ」
★ラッキーポイント: 寛大さと冷静さ。ものごとを俯瞰で見る。ユーモア。謙虚さ。オープンな心。笑いによる発散。決めない、決めつけない。十分な休息。瞑想。白い花。誘蛾灯。美しい歌声を聴く。
前回のテーマは『社会の中で「自分自身の歌」を歌い続けるための闘いと成長』でした。
それを引き継ぐように、今度もちょっと深いテーマが来ているようです。もしかしたら、少し重たく感じるひともいるかもしれません。 獅子座はもともと明るくクリエィティブで、楽しいことが大好きな星座です。でもその反面、「自分を周囲に対してどう表現するか?」「社会で自分はどんな風に機能していくのか?」 なんていう問題に、なかば本能的に直面してしまうサインでもあるんです。 今回の度数はまさにそんな感じ。 何かあった時、自分と向き合って深く考えることが出来たなら、その収穫はすごく大きい。 反面、衝動的になってしまうと、エゴとエゴとのぶつかり合いになりやすい。疲れます。。で、 とりあえずは仮面をかぶって表面上は取り繕うことができても、自分の中に溜まっていくフラストレーションはいつも出口を求めてやみません。 どうしても、何か根本的な解決を求める方向へと導かれていくエネルギーなのです。
また獅子座の支配星は太陽。占星術上、太陽は「父」をシンボライズし、あらゆる命のエネルギー・ソースとなります。そして月は、そのエネルギーに形を与えてこの地球という惑星に産み落とします。今回のスーパー・ニュームーンでは、「天の父」はパワフルな「母なる月」と、日本の天頂近くで見つめ合います。母はその身に受けた光を力に変えます。 この力が降り注ぐ時、地上ではマグマがたぎり、地殻は揺さぶられ、潮は大きくうねると言われています。ではその上に生きるわたし達にとって、天上で抱き合う父と母の姿はいったい何を物語っているのでしょうか?
男の子が最初に出会う同性を「父」とするなら、その出会いは彼にとっての「男とは何か?」というイメージに、有形・無形の影響を与えます。理想の姿、反面教師、またはその両方として。 女の子にとっての「母」との出会いも同じです。 また中には生まれながらに父や母との縁を持たないひともいます。 そのひと達もまた、子供の時から出会っていく様々なひとや事物の中に、父や母のイメージを受けとります。 そしてそれによって出来上がった「男」と「女」のイメージは、わたし達の心の一番奥深くに染みこんだ「仮の自己イメージ」と「仮の他者イメージ」を作り上げます。
わたし達が「本来の自分」と思いこんでいるものの中には、こうして作り上げられた「親が作った自分」「家が作った自分」「幼時環境が作った自分像」が深く入り込んでいます。 わたし達は、後天的な出会いによって、自らをある鋳型にはめてきた・・とも言えます。それは、幼い子供時代に、生きていくために、幸せになるために、学習してきた「自己のかたち」です。
それをうまく使って生きていくことが出来れば、スムーズな人生を送れるのかもしれません。
けれど今、カーディナル・クライマックスのただ中で、そうした「仮の自己イメージ」は、足もとをグラグラと揺さぶられてくる可能性がありそうです。今まで通用してきた「○○ってこういうもんだよね、自分ってこういう人だよね・・・」が、だんだん見えなくなってきた・・なんて感じることがあるなら、あなたはこのエネルギーをめいっぱい受けとっているのだと思います。
8/10昼過ぎ、天高く見上げれば(もしかしたら厚い雲に隠されているかもしれないけど・・)そこには、眩しく熱い光の中に父と母の聖なる邂逅の姿があります。彼らはエクスタシーの中で、真新しい挑戦のためのエネルギーを放射しています。わたし達は、必要の無くなったすべての古い自己イメージを脱ぎ捨てて、その純粋な放射の中で、新生児として生まれ変わることが出来るでしょうか? それぞれ本来の、イキイキとした未知の自分に出会うことが出来るでしょうか?
多分これは、とてもとても深い問題だと思います。 もしかしたらこの新月は、わたし達の精神にとって、これから一生をかけて歩んでいく「新しい旅」の始まりになるのかもしれません。
★ さて、サラっと東京ローカル図を見てみましょう。(日本に特化したエネルギーを見るには、首都の新月図を使います。)
★ 新月は天頂近く、9室で起こります。これは海外に関することがら、宗教や思想面、またすこし離れた所から物事の本質を見ようとする精神を喚起しそうです。うまくこのエネルギーを使えれば、カーディナル・クライマックスが引き起こす様々な摩擦を回避できそうです。 ただ、あまり強力なアスペクトが無いことから、これは行動というより、まずは内面の変容として起きやすいエネルギーだとも言えます。
★ 哲学的な思考、知的なエンターテインメント、長期の計画やビジョン、教育や出版、創作に関すること、また長距離旅行などにも良い時期です。ただし突然の出費も考えられるので、お金を使う時はよく考えて。リーダーを目指すひとにとっては、苦労も多いけれど頑張り時です。ただ、すでに力を握っているひとにとっては、ちょっとした試練の体験が待っているかもしれません。
★ 国なら同盟国や近隣諸国、パーソナルなら、パートナーや近しいひととの関係がデリケートになりがち。お互い自己防衛的になって殻に閉じこもったり、自分の陣地から一歩も出ずに相手を変えようとしたり、ワガママやプライド、意地のぶつかりあいが起こりやすい時です。短気なひとは気をつけて。まずは自分の疲れを癒してください。今回はどんな上辺の甘いことばより、素直な本気の笑顔が一番の緩衝材になりそうです。
★ 健康面では季節柄熱射病はもちろんですが、その他にも原因不明の発熱や解毒症状としての発疹、神経痛など体の様々な痛み、突然の事故・怪我などに十分注意してください。事前に予測できるようなら、あまり危ないところには近寄らないでね。 水分を十分に摂ることも大切です。 また消化器系、内分泌系、生殖器などにストレスがかかりやすいので、異常があれば早めに適切な診断を受けて下さい。このところ毎回言ってる気もしますが、早めの休息とデトックス。これ最強です。。
★ 新月のテーマの中に、「サイキック・アタック」という表現が出てきました。ちょっと迷ったけれど、耳慣れない方もいらっしゃるかもしれないので意外と身近にみられる例を軽く説明してみます。
これは文字通り「ある種の想念による攻撃」のことです。そう言っただけで「怖い!」と感じたり、「オカルトの世界は嫌いだ!」と思うかもしれないけれど、けっこう一般のひと同士でも普通に気付かずにやってたりします。つまり強力な「想い」の力のネガティブ版です。(もちろん、世の中には「別世界」が絡むモノもありますが、ここではちょっと脇に置きます・・^^;)
わかりやすいネガティブさなら、ヘンだな・・と感じたら近付かなければ良いのですが、中には「自分の言ってることは正しいんだ!」とか、逆に「あなたの為を思うあまりに・・」とかいう気持が強過ぎて、そのつもりが無くても、そして直接何かしなくても、相手に人知れずダメージを与えてしまうことがあります。 相手の生命エネルギーを低下させたり、奪ったりしてしまうのです。
人間て、意外と自分では意識せずに見えない戦争をしている場合があります。 感受性の強いひとは、自分とは関係無いケンカの怒鳴り声を聴いただけでも具合が悪くなるケースがあります。 ネットで出会い頭に超ネガティブな画像や文章に出会ってしまって、瞬間的にエネルギー低下に陥るケースもあります。 それも一種のサイキック・アタックなんです。
悪夢や悶々とした不眠、ある物事や特定のひとの事ばかりを堂々巡りに考えさせられる。(恋をしている場合はちょっと別ですけど・・・) とにかく何かおかしいな、何でこんなこと考えてるんだろう、と感じたら、へんに逆らわず、「必要ないよ、さようなら」と言ってやり過ごしてしまいましょう。 大事な日の前の不眠など辛いと思いますが、焦れば焦るほど逆効果。さからわず、取り合わず、毅然とした態度で「イザとなったらいくらでも眠れるさ!」と開き直ったほうが、大抵の場合アタックは早く消えます。
もしかして自分が相手にそういうこと、やっちゃったかな・・・?!なんて自覚してしまったら、とりあえず『うわアホクサ、や~めた!』と笑い飛ばしてしまいましょう。そして何より気分転換。出来るひとは瞑想、またはヒーリングを受けてみるのが吉。。
どうしても何かがおかしい場合は、それなりの専門家に相談してください。色んなケースがありますが、自分の深い直観で「OK!」と感じられるひとに依頼してくださいね。
★ 人間って、まだまだ計り知れない能力を持っていると言われます。これから長い長い時が経ったら、私達の脳はもっと効率よく眠ったポテンシャルを使えるようになるでしょうか? でも、たった今も、わたし達は気付かずに、すでにいろいろな「想いの力」を使っています。 サイキック・アタックは単にそのネガティブな一例にすぎません。
本当は、普通に生きていく中で、もっともっと大きな優しさ・・・大好きなひとや、まだ見ぬひとたち、様々な生きもの、滅びゆくもの、そしてこの広大な世界・・・すべてに対する愛おしい気持を、ただただ静かに拡げていく...まるで空間への贈り物のように。
そんなことのためにこそ、わたし達は「想いの力」を与えられているのかもしれない...
わたし自身はそんなふうに考えています。
生きていく中で経験する沢山の出来事は、やがては誰もが思ってもみないようなカタチで実を結んでいくのではないか・・・そんな気がしてなりません。
今回の新月は、確かにちょっと重めのテーマを持ってやってきます。けれどこの期間にもしハードな思いをするひとがいたら、どうかそれを正面から受けて立ってみてください。 スーパー・ニュームーンは、今まで見ることのなかった未知の自分と、これから向かおうとするそのゴールの片鱗を、ふとした拍子にチラッと・・・垣間見せてくれそうな気がします。。
★ まだまだ色々あるけれど、気付いたらもう十分長くなってしまいました。今回はこの辺で切り上げます。 最後に、これから次の新月までの主な惑星イベントを挙げておきますね。
・8/12 深夜~8/13未明 : ペルセウス座流星群 (北東の空)
・8/14 天王星、魚座に帰還
・8/17 朝・牡羊座・天秤座2°で木星・土星のオポジション
・8/21 朝~9/13朝 水星逆行
・8/21 夕刻・山羊座・天秤座2°で冥王星・土星のスクエア
8/12追記:
この新月が起きた時、水瓶座18°に小惑星ネッソスがあり、太陽・月とオポジションを形成していました。ネッソスは終わらせるべき体験を、「時が来た!」とばかりにバッサリ終わらせていく働きを持っています。終わらせるべきものとは? 自分が今まで無意識に縛られていた「場所」「状況」「人々」「関係-古いしがらみ」。また場合によっては、様々なかたちの「虐待」や「ひとの弱味につけいる行為」「家系や血筋に関わる因縁」からの解放をも意味します。 長い間、どうあがいても抜けられなかった状況にピリオドを打つきっかけがやってきそうです。必要なのは勇気。
準惑星研究家でアストロロジャーのメラニー・ラインハートはこう言っています。『ネッソスが働く時、今まで自分を誤魔化してきた楽観がはげ落ちる。そして現実を直視して動く力を与えてくれる。』 ターニングポイントがすぐそこに来ています。
ただし、古いものを切るときはそれなりの痛みをともなうもの。ひとによってはハートをえぐられるような悲しみを感じるかもしれません。けれど、それは幻のお花畑が消え去って、本当の自分らしさに辿り着くための旅の始まりです。
何かに「さよなら」を言いたいひと、新しい第一歩を踏み出したいひとにとって、この1ヶ月間は勇気を持って歩み始めるチャンスです。もしそこまで行かなかったとしても、少なくとも「現実的な方法」を思い付くキッカケに遭遇するかもしれません。。
Good Luck to You ALL!!!★
hiyoka(^_^)
August 08, 2010
金融アストロロジー/週間コメント by レイモンド・メリマン 8/09
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月9日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報も出されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。わかりにくいメリマン用語の解説も充実しています。(文中の*は翻訳者によるものです)
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≪ 先週を振り返って ≫
カーディナル・クライマックスの中心部は先週、自然界においてまさに強力な影響力を見せつけた。パキスタンを襲ったモンスーンは数百人の犠牲者を出し、そして最近の中国では豪雨による水害で1000人以上が命を落とし、100万人を超える人々(*ロイター伝では240万以上)が避難を余儀なくされた。 ヨーロッパの記録的酷暑は森林火災を引き起こし、ロシアを穀物の輸出禁止に踏み切らせ、小麦相場を急騰させた。 小麦先物市場は、木曜のストップ高に続く金曜ザラ場高値で841まで騰がり、6/8の木星・天王星コンジャンクション(0°)時につけた安値425からおよそ100%の上昇を見せた。 多分、拙著『フォーキャスト2010』に記述した予測の中で最も印象的な事柄があるとすれば、それは7~8月にかけての干ばつと、それに伴う小麦相場の上値ターゲットを880+/-108と予測したことかもしれない。これは、2009年11月当時に立てた予測としては悪くない。小麦は金曜日、高値をつけたその日のうちに、ストップ安725まで売られた。
カーディナル・クライマックスの最深奥5層目(7/21~8/21)に私達が居る間に、政治・経済の両面においてもまた、大きな展開と見なすべきいくつかの事例があった。前述のとおり「金融規制改革法」は、7/21に始まった、まさにこの時間帯に施行されたのであり、この事は政府と銀行間のパワー・バランスにとてつもないシフトが起きたことを確約するものだ。以前はまるで政府が銀行の利益のために存在するかのように見えたかもしれない。それがこれからの10年の内に完全に逆転し、『規制者=首締人の新時代』が到来するさまを想像してみて欲しい。だが、それと同じくらいに重要な事は、「政府の4番目の権力」としてのFRB(連邦準備制度理事会)の役割ではないだろうか。この問題は、今後もこのコラムの≪長期的考察≫で頻繁に触れていく事になると思う。FED(FRB)の一時的な動きに関する前週の*よくコントロールされた「リーク」は、この国の経済と国民、そして結果的に世界の人々の暮らしの健全性に影響を与える、重大な問題だからだ。
*(8/10のFOMCの内容に関するものと思われる。7/21のバーナンキ議長発言「米経済の先行きは異例なほど不透明だ」「必要があればさらなる政策行動を取る用意がある」などの発言をふまえて、FRBが追加金融策を本格検討するとのニュースが流れている。今回の≪長期的考察≫参照。)
7/23~8/9の、この信じ難い惑星間構造の影響下で、どれだけの市場がトレンド反転を迎えるかに言及するのはまだ早い。しかし前週、多数のマーケットにおいて、高値や安値からのリバーサルを示すに十分な早期の徴候が見られた。 ヨーロッパではドイツのDAXが、新しいサイクルの高値のみならず、年初来高値までもを8/6金曜日につけた。木曜にはロンドンのFTSEが、6/21につけた前サイクル高値を抜けた。だがオランダのAEXとスイスのSMIは、やはり6/21につけたサイクル高値を抜くことはなかった。
同タイプの*「異市場間弱気ダイバージェンス」はアジア及び環太平洋地域でも目立った。インドのNIFTYはドイツのDAXと同様に年初来高値を記録、そして香港ハンセンは6/21~22につけた前のサイクル高値を抜き、サイクル新高値をつけた。しかし、オーストラリアのオール・オーディナリーズの8/3高値は、6/21の高値には届いていない。そして日本の日経平均に至っては先週やっと9750に達したのみだ。これは6/21の高値10,251に届かないばかりか、前週の高値9760にも満たない。
*(普段同期するはずの同ジャンルの市場群において、高値・安値の更新などに顕著なバラツキが見られるケース。天井圏で起きれば弱気、底値圏では強気とみなされる。)
驚くべきジオコズミック・リバーサル・ゾーンの只中での異市場間弱気ダイバージェンスは、アメリカ大陸においても同様に見られた。 ダウ工業平均は8/5木曜、6/21の高値10,594をはるかに抜いて新サイクル高値10,703まで上昇した。ところがナスダック総合は8/4の2291までの上昇しか出来なかった。これは6/27につけた高値2307に届かないだけでなく、6/21の高値2341をはるかに下回っている。 またブラジルのボヴェスパとアルゼンチンのメルヴァルは先週早々に上昇したものの、その後6/21~22につけたサイクル高値の大分下まで下落している。 これらの市場が本当に天井をつけ、今にも激しく下落するだろうと断定するにはまだ早すぎる。しかし、今見られるこれらの徴候は、現在目の前で繰り広げられている強力なジオコズミック・サインの只中で、私達が探している主要な方向指示器たる指標なのだ。
その他に、このところの干ばつによって燃え上がった穀物市場、特に小麦の大相場がある。大豆とコーンもまた、6月の安値から見れば大きな上昇を見せた。 通貨もまた、射手座を進行している(8/2~12)ヘリオセントリック(太陽を中心点とするアストロロジー)の水星による影響下で、先週大きな動きを見せた。日本円は数ヶ月来の高値に達し、その勢いには劣るものの、ユーロとスイス・フランもまた、ドルが数ヶ月来安値に沈むにしたがい上昇した。 こうした通貨の動きとヘリオセントリックの水星の追い風を受けて、金と銀、両方の市場もまた上昇した。
≪ 短期ジオコズミクス ≫
今週もまた、カーディナル・クライマックスの中枢部を構成するジオコズミック・サインの驚くべきラインナップは続く。 天秤座にその支配星である金星が入場(8/6~9/8)、これは株のような資産に関連した惑星であることから、通常は株式市場における強気相場の惑星サイクルを示すのだ。しかしながら、金星がカーディナル・クライマックスの惑星との間に形成する初期のアスペクトは、この特別なサイクルにちょっとした上下動を与える可能性がある。 金星は8/7土曜日、天王星とオポジションを形成し、その後8/8には土星とコンジャンクト(0°)する。 8/9月曜、今度は冥王星とスクエアを形成、同時に木星とはオポジションとなる。 そしてその晩(ヨーロッパとアジアでは翌朝)、獅子座で新月となるのだ。 また、週末までにはヘリオセントリックの水星がその10日間にわたる射手座滞在を終え、逆行中の天王星は牡羊座から戻って2011年3/11まで魚座に滞在することになる。
だが、まだまだそれで終わりはしない。来週(8/16)は、木星・土星の20年周期中2度目のオポジション形成で始まるのだ。週末(8/20~21)には、金星が天秤座で火星とコンジャンクトし(金星は天秤座を支配し、*火星は天秤座ではディトリメントである)、太陽は海王星とオポジションを形成する(強力なレベル1のリバーサル・サイン)。また水星は9/12まで、3週間にわたる逆行を開始し、そして土星はその32~37年周期にわたる冥王星とのウェイニング・スクエア(欠けていくスクエア)を終える。 その時私達はふり返って、この期間に起こった事の重要性を理解することになるかもしれない。いやもしかしたら、私達が全ての事を理解するには、水星がその逆行を終えるまで待たなければならないのかもしれない。
*(ディトリメント:主に古典占星術の技法で星座と惑星の組み合わせにより品位/力の強弱が定められている。ディトリメント/障害の場合は力が弱まるとされている)
実際のところ、今この時点の私達には洞察しきれないような流れの渦中で、私達の体験するリアリティを潜在的に変容させ、私達の未来を変革してしまうような、幾多の決断や多くの出来事がおそらくは展開していくのだろう。これはエキサイティングで危険な時間帯だ。私達は未だにこの新しい入り口の奥深くにいる。そしてここでは古いルールはもう通用せず、現在適用されるべき新しいルールはまだ手探りで学習中なのだ。
しかし、ここでより大きな疑問に突き当たる。
一体誰が主役なのだろうか? 人々か? 政府か? 銀行か? それとも多国籍企業か?
社会経済において、これらスクエアの4隅をなす全ての存在。その間に横たわる微妙なバランスは、2008~2015年にわたるカーディナル・クライマックスが今フル・ギヤに入るにつれ、徐々に変化しようとしている。
≪ 長期的考察 ≫
以前、と言ってもそれほど前の事ではないが、私が現在のカーディナル・クライマックスにおけるFRB始原図(1913年12月23日18:02, ワシントンDC)の*トランシットを読み解き、その内容をこんな風に例えた。『ある夜あなたは真新しいフェラーリを駆ってテストドライブに出かける。アクセルをグッと踏み込み、瞬く間に時速250kmを超えようかという時、突然全てのライトは消え、アクセルがスタック・・・そして目の前には急カーブが迫る。あなたは運転席で何が起こったのか理解しようと懸命に考える。『な、何だ?何・・・あ?何やってるんだ!!』
つまり、私にとってこれは、木星が牡羊座で天王星とコンジャンクトし、FRB始原図で山羊座・蟹座のそれぞれ0°と1°に位置する太陽・冥王星のオポジション(180°)とTスクエア(90°の三つ組)を組む時のシンボリズムなのだ。
*(前回8/2付けコラム≪短期ジオコズミクス≫のFRBチャート参照)
ひとつ牡羊座の木星のみを取ってみても、これがFRBの太陽・冥王星組とスクエアを形成すれば、それはこの組織の議長(バーナンキ氏。彼は木星が支配する射手座の生まれだ)が自己過大評価に陥り、リスクを多く取りすぎる(牡羊座の天王星のマイナス面)傾向が生まれる時期だということを指し示す。 このアスペクトは、自信過剰と、おそらくは過度の寛大さを暗示し、その結果多大な損失へと導くものだ。それに追い打ちをかけるように今度は天秤座の土星が、牡羊座の木星・天王星とオポジションとなり、これら全ての惑星とグランドスクエアを形成するという運びになる。あ~あ...。ライトは突然消えアクセルは戻らない!フェラーリはトップスピードだ!『あ?何やってるんだ、おい!』
それで? たった今、FRBには一体何が起きてるいるだろうか? 彼らは、経済が新たなパニックや ~絶対に許されない~ 2度目の不況に陥るまでボロボロになる事の無いような、ある種の確固たる基礎の上に立ったと確信するまで、金利のレートを低く保つと決意している。いいだろう。そして彼らは、より長期の債券価格とその低金利を維持するために、さらに多くの国債を買い付けようかと議論している。 火曜日のウォール・ストリート・ジャーナルのトップ記事は、見通しを次のように述べた。
『論点はここだ:買い入れたモーゲージ証券が償還を迎えた場合、ポートフォリオの段階的収縮を許容するのではなく、新たに国債や別のモーゲージ証券に再投資するのか』
さてここで、私が問題を良く理解しているかどうか検討してみよう。 FRB/連邦準備制度理事会は、米国での紙幣の印刷と通貨の流通量を制御している。彼らは政府の銀行であり、政府は彼らに国民の金(税金)を預ける。その銀行は、*民間所有でありながら、急速に政府の「第4の権力」になりつつある。そしてその銀行が、政府の過剰支出の結果を受けて、国の(実際は米国民の)債券=負債を買おうとしている。これは言い換えれば、政府が自分の銀行に対する大規模負債へと、まっしぐらに向かっているという事なのだ。 さあ、ここで疑問がわき起こる。もし米国債(負債)に今、高値をつけるほどの需要があるなら、FRBは何故ここでこんな議論をするのだろうか? それこそまるで、夜中にフェラーリのアクセルをめり込むまで踏み抜くようなものではないのか? やがては自分自身がいったい何処に向かっているのか、見通しを失ってしまうのではないか?
*(FRBの株主はJPモルガン・チェイスやシティ・バンクなど民間の大銀行であり、政府・財務省はその株を一切所有していない。大株主はユダヤ系国際金融資本であるため、陰謀論めいた話も後を絶たないようだ。)
また同記事によると、『中央銀行(連邦準備銀行/FRB)の2兆3000億ドル(2億ではなく2兆だ)にもなるポートフォリオは、2007年以来膨らみ続け、今や当時の3倍近くになった。』 しかもFRBは、このとんでもなく膨張したポートフォリオを収縮させるのではなく、むしろ今、もっと膨らませようと議論しているって? だがちょっと待ってほしい、何かがおかしい。
米国債と10年債の最近の市場動向を見ると、2008年12月、マーケットのパニックがそのピークに達した時に記録された史上最高値に向かって、意気揚々と騰がり始めているのが見てとれる。当時は恐怖がバブルを引き起こした。そして今再び、債券市場は同じ恐怖によって引き起こされる、新たなバブルの様相を呈し始めている。そう、それはダブル・バブルになろうとしている。そしてもしこれが続くなら、即ち「ダブル・バブル・トラブル」の出来上がりだ。
もし問題が全く無ければ、国債にバブルは起こりえないのだ。ライトが消えようとしている今、FRBはアクセルから足を外し、リスクを減らす事を考えるべき時期かもしれない。 勿論、これが国債やモーゲージ証券を新たに購入することにより低金利を保ち、新たな不況に陥るのを防ぐというFRBなりの方法だという主張は承知の上だ。
しかし、何故政府は中央銀行に、これほどまで自らの「負債」を買われ続ける状況を許しているのだろうか? 誰がこれをコントロールしているのか? 勿論、負債を制御している者達だ。
それでは一体、この決断でコントロールを失うのは誰なのだろうか?
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月9日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報も出されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。わかりにくいメリマン用語の解説も充実しています。(文中の*は翻訳者によるものです)
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≪ 先週を振り返って ≫
カーディナル・クライマックスの中心部は先週、自然界においてまさに強力な影響力を見せつけた。パキスタンを襲ったモンスーンは数百人の犠牲者を出し、そして最近の中国では豪雨による水害で1000人以上が命を落とし、100万人を超える人々(*ロイター伝では240万以上)が避難を余儀なくされた。 ヨーロッパの記録的酷暑は森林火災を引き起こし、ロシアを穀物の輸出禁止に踏み切らせ、小麦相場を急騰させた。 小麦先物市場は、木曜のストップ高に続く金曜ザラ場高値で841まで騰がり、6/8の木星・天王星コンジャンクション(0°)時につけた安値425からおよそ100%の上昇を見せた。 多分、拙著『フォーキャスト2010』に記述した予測の中で最も印象的な事柄があるとすれば、それは7~8月にかけての干ばつと、それに伴う小麦相場の上値ターゲットを880+/-108と予測したことかもしれない。これは、2009年11月当時に立てた予測としては悪くない。小麦は金曜日、高値をつけたその日のうちに、ストップ安725まで売られた。
カーディナル・クライマックスの最深奥5層目(7/21~8/21)に私達が居る間に、政治・経済の両面においてもまた、大きな展開と見なすべきいくつかの事例があった。前述のとおり「金融規制改革法」は、7/21に始まった、まさにこの時間帯に施行されたのであり、この事は政府と銀行間のパワー・バランスにとてつもないシフトが起きたことを確約するものだ。以前はまるで政府が銀行の利益のために存在するかのように見えたかもしれない。それがこれからの10年の内に完全に逆転し、『規制者=首締人の新時代』が到来するさまを想像してみて欲しい。だが、それと同じくらいに重要な事は、「政府の4番目の権力」としてのFRB(連邦準備制度理事会)の役割ではないだろうか。この問題は、今後もこのコラムの≪長期的考察≫で頻繁に触れていく事になると思う。FED(FRB)の一時的な動きに関する前週の*よくコントロールされた「リーク」は、この国の経済と国民、そして結果的に世界の人々の暮らしの健全性に影響を与える、重大な問題だからだ。
*(8/10のFOMCの内容に関するものと思われる。7/21のバーナンキ議長発言「米経済の先行きは異例なほど不透明だ」「必要があればさらなる政策行動を取る用意がある」などの発言をふまえて、FRBが追加金融策を本格検討するとのニュースが流れている。今回の≪長期的考察≫参照。)
7/23~8/9の、この信じ難い惑星間構造の影響下で、どれだけの市場がトレンド反転を迎えるかに言及するのはまだ早い。しかし前週、多数のマーケットにおいて、高値や安値からのリバーサルを示すに十分な早期の徴候が見られた。 ヨーロッパではドイツのDAXが、新しいサイクルの高値のみならず、年初来高値までもを8/6金曜日につけた。木曜にはロンドンのFTSEが、6/21につけた前サイクル高値を抜けた。だがオランダのAEXとスイスのSMIは、やはり6/21につけたサイクル高値を抜くことはなかった。
同タイプの*「異市場間弱気ダイバージェンス」はアジア及び環太平洋地域でも目立った。インドのNIFTYはドイツのDAXと同様に年初来高値を記録、そして香港ハンセンは6/21~22につけた前のサイクル高値を抜き、サイクル新高値をつけた。しかし、オーストラリアのオール・オーディナリーズの8/3高値は、6/21の高値には届いていない。そして日本の日経平均に至っては先週やっと9750に達したのみだ。これは6/21の高値10,251に届かないばかりか、前週の高値9760にも満たない。
*(普段同期するはずの同ジャンルの市場群において、高値・安値の更新などに顕著なバラツキが見られるケース。天井圏で起きれば弱気、底値圏では強気とみなされる。)
驚くべきジオコズミック・リバーサル・ゾーンの只中での異市場間弱気ダイバージェンスは、アメリカ大陸においても同様に見られた。 ダウ工業平均は8/5木曜、6/21の高値10,594をはるかに抜いて新サイクル高値10,703まで上昇した。ところがナスダック総合は8/4の2291までの上昇しか出来なかった。これは6/27につけた高値2307に届かないだけでなく、6/21の高値2341をはるかに下回っている。 またブラジルのボヴェスパとアルゼンチンのメルヴァルは先週早々に上昇したものの、その後6/21~22につけたサイクル高値の大分下まで下落している。 これらの市場が本当に天井をつけ、今にも激しく下落するだろうと断定するにはまだ早すぎる。しかし、今見られるこれらの徴候は、現在目の前で繰り広げられている強力なジオコズミック・サインの只中で、私達が探している主要な方向指示器たる指標なのだ。
その他に、このところの干ばつによって燃え上がった穀物市場、特に小麦の大相場がある。大豆とコーンもまた、6月の安値から見れば大きな上昇を見せた。 通貨もまた、射手座を進行している(8/2~12)ヘリオセントリック(太陽を中心点とするアストロロジー)の水星による影響下で、先週大きな動きを見せた。日本円は数ヶ月来の高値に達し、その勢いには劣るものの、ユーロとスイス・フランもまた、ドルが数ヶ月来安値に沈むにしたがい上昇した。 こうした通貨の動きとヘリオセントリックの水星の追い風を受けて、金と銀、両方の市場もまた上昇した。
≪ 短期ジオコズミクス ≫
今週もまた、カーディナル・クライマックスの中枢部を構成するジオコズミック・サインの驚くべきラインナップは続く。 天秤座にその支配星である金星が入場(8/6~9/8)、これは株のような資産に関連した惑星であることから、通常は株式市場における強気相場の惑星サイクルを示すのだ。しかしながら、金星がカーディナル・クライマックスの惑星との間に形成する初期のアスペクトは、この特別なサイクルにちょっとした上下動を与える可能性がある。 金星は8/7土曜日、天王星とオポジションを形成し、その後8/8には土星とコンジャンクト(0°)する。 8/9月曜、今度は冥王星とスクエアを形成、同時に木星とはオポジションとなる。 そしてその晩(ヨーロッパとアジアでは翌朝)、獅子座で新月となるのだ。 また、週末までにはヘリオセントリックの水星がその10日間にわたる射手座滞在を終え、逆行中の天王星は牡羊座から戻って2011年3/11まで魚座に滞在することになる。
だが、まだまだそれで終わりはしない。来週(8/16)は、木星・土星の20年周期中2度目のオポジション形成で始まるのだ。週末(8/20~21)には、金星が天秤座で火星とコンジャンクトし(金星は天秤座を支配し、*火星は天秤座ではディトリメントである)、太陽は海王星とオポジションを形成する(強力なレベル1のリバーサル・サイン)。また水星は9/12まで、3週間にわたる逆行を開始し、そして土星はその32~37年周期にわたる冥王星とのウェイニング・スクエア(欠けていくスクエア)を終える。 その時私達はふり返って、この期間に起こった事の重要性を理解することになるかもしれない。いやもしかしたら、私達が全ての事を理解するには、水星がその逆行を終えるまで待たなければならないのかもしれない。
*(ディトリメント:主に古典占星術の技法で星座と惑星の組み合わせにより品位/力の強弱が定められている。ディトリメント/障害の場合は力が弱まるとされている)
実際のところ、今この時点の私達には洞察しきれないような流れの渦中で、私達の体験するリアリティを潜在的に変容させ、私達の未来を変革してしまうような、幾多の決断や多くの出来事がおそらくは展開していくのだろう。これはエキサイティングで危険な時間帯だ。私達は未だにこの新しい入り口の奥深くにいる。そしてここでは古いルールはもう通用せず、現在適用されるべき新しいルールはまだ手探りで学習中なのだ。
しかし、ここでより大きな疑問に突き当たる。
一体誰が主役なのだろうか? 人々か? 政府か? 銀行か? それとも多国籍企業か?
社会経済において、これらスクエアの4隅をなす全ての存在。その間に横たわる微妙なバランスは、2008~2015年にわたるカーディナル・クライマックスが今フル・ギヤに入るにつれ、徐々に変化しようとしている。
≪ 長期的考察 ≫
以前、と言ってもそれほど前の事ではないが、私が現在のカーディナル・クライマックスにおけるFRB始原図(1913年12月23日18:02, ワシントンDC)の*トランシットを読み解き、その内容をこんな風に例えた。『ある夜あなたは真新しいフェラーリを駆ってテストドライブに出かける。アクセルをグッと踏み込み、瞬く間に時速250kmを超えようかという時、突然全てのライトは消え、アクセルがスタック・・・そして目の前には急カーブが迫る。あなたは運転席で何が起こったのか理解しようと懸命に考える。『な、何だ?何・・・あ?何やってるんだ!!』
つまり、私にとってこれは、木星が牡羊座で天王星とコンジャンクトし、FRB始原図で山羊座・蟹座のそれぞれ0°と1°に位置する太陽・冥王星のオポジション(180°)とTスクエア(90°の三つ組)を組む時のシンボリズムなのだ。
*(前回8/2付けコラム≪短期ジオコズミクス≫のFRBチャート参照)
ひとつ牡羊座の木星のみを取ってみても、これがFRBの太陽・冥王星組とスクエアを形成すれば、それはこの組織の議長(バーナンキ氏。彼は木星が支配する射手座の生まれだ)が自己過大評価に陥り、リスクを多く取りすぎる(牡羊座の天王星のマイナス面)傾向が生まれる時期だということを指し示す。 このアスペクトは、自信過剰と、おそらくは過度の寛大さを暗示し、その結果多大な損失へと導くものだ。それに追い打ちをかけるように今度は天秤座の土星が、牡羊座の木星・天王星とオポジションとなり、これら全ての惑星とグランドスクエアを形成するという運びになる。あ~あ...。ライトは突然消えアクセルは戻らない!フェラーリはトップスピードだ!『あ?何やってるんだ、おい!』
それで? たった今、FRBには一体何が起きてるいるだろうか? 彼らは、経済が新たなパニックや ~絶対に許されない~ 2度目の不況に陥るまでボロボロになる事の無いような、ある種の確固たる基礎の上に立ったと確信するまで、金利のレートを低く保つと決意している。いいだろう。そして彼らは、より長期の債券価格とその低金利を維持するために、さらに多くの国債を買い付けようかと議論している。 火曜日のウォール・ストリート・ジャーナルのトップ記事は、見通しを次のように述べた。
『論点はここだ:買い入れたモーゲージ証券が償還を迎えた場合、ポートフォリオの段階的収縮を許容するのではなく、新たに国債や別のモーゲージ証券に再投資するのか』
さてここで、私が問題を良く理解しているかどうか検討してみよう。 FRB/連邦準備制度理事会は、米国での紙幣の印刷と通貨の流通量を制御している。彼らは政府の銀行であり、政府は彼らに国民の金(税金)を預ける。その銀行は、*民間所有でありながら、急速に政府の「第4の権力」になりつつある。そしてその銀行が、政府の過剰支出の結果を受けて、国の(実際は米国民の)債券=負債を買おうとしている。これは言い換えれば、政府が自分の銀行に対する大規模負債へと、まっしぐらに向かっているという事なのだ。 さあ、ここで疑問がわき起こる。もし米国債(負債)に今、高値をつけるほどの需要があるなら、FRBは何故ここでこんな議論をするのだろうか? それこそまるで、夜中にフェラーリのアクセルをめり込むまで踏み抜くようなものではないのか? やがては自分自身がいったい何処に向かっているのか、見通しを失ってしまうのではないか?
*(FRBの株主はJPモルガン・チェイスやシティ・バンクなど民間の大銀行であり、政府・財務省はその株を一切所有していない。大株主はユダヤ系国際金融資本であるため、陰謀論めいた話も後を絶たないようだ。)
また同記事によると、『中央銀行(連邦準備銀行/FRB)の2兆3000億ドル(2億ではなく2兆だ)にもなるポートフォリオは、2007年以来膨らみ続け、今や当時の3倍近くになった。』 しかもFRBは、このとんでもなく膨張したポートフォリオを収縮させるのではなく、むしろ今、もっと膨らませようと議論しているって? だがちょっと待ってほしい、何かがおかしい。
米国債と10年債の最近の市場動向を見ると、2008年12月、マーケットのパニックがそのピークに達した時に記録された史上最高値に向かって、意気揚々と騰がり始めているのが見てとれる。当時は恐怖がバブルを引き起こした。そして今再び、債券市場は同じ恐怖によって引き起こされる、新たなバブルの様相を呈し始めている。そう、それはダブル・バブルになろうとしている。そしてもしこれが続くなら、即ち「ダブル・バブル・トラブル」の出来上がりだ。
もし問題が全く無ければ、国債にバブルは起こりえないのだ。ライトが消えようとしている今、FRBはアクセルから足を外し、リスクを減らす事を考えるべき時期かもしれない。 勿論、これが国債やモーゲージ証券を新たに購入することにより低金利を保ち、新たな不況に陥るのを防ぐというFRBなりの方法だという主張は承知の上だ。
しかし、何故政府は中央銀行に、これほどまで自らの「負債」を買われ続ける状況を許しているのだろうか? 誰がこれをコントロールしているのか? 勿論、負債を制御している者達だ。
それでは一体、この決断でコントロールを失うのは誰なのだろうか?
訳文ここまで
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August 01, 2010
金融アストロロジー/週間コメント by レイモンド・メリマン 8/02
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月2日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報も出されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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≪ 先週を振り返って ≫
世界は未だに終わってはいない。私達は獅子座におけるこのカーディナル・クライマックスの中心部(7/21〜8/21)の最初の1週間を終えたが、真の地殻変動レベルの物事は(まだ)何も起きていない。
私達はこの期間を、何か目を見張るような時間帯に仕立て上げるような、ドラマティックな出来事をひとつも体験せずに過ぎ越していくことは可能だろうか? そして、もしそうだとすれば、それは、市場動向や私達の生きる時代性を予測するツールとしての金融アストロロジーやマンデーン・アストロロジーの有効性を否定するものだろうか? その答はYESと、そしてNOだ。 YES。この稀に見る惑星配置の時を、後世に語り継がれるような時間帯とするような壮大な出来事は何も起こらないかもしれない。そう、それはあり得る。 NO。だがそれは金融アストロロジーやマンデーン・アストロロジーの有用性を無効にしはしない。
どんなジャンルのアストロロジーであれ、その価値の本質は、予言したり現象をピタリと当てたりすることのみにあるのではない。アストロロジカルな表徴というものは、その最も純粋な形態においては、単に互いに関連するそれぞれの惑星、そして/または 星座の固有のテーマによって象徴されるエネルギーの力学なのだ。
こうした力学は現状を変革するような集合意識レベルでの決意という形で起きるかもしれない。または、まずある現象が引き起こされ、その反応として現状を変えざるをえないような状況に私達を導くかもしれない。多くはその両方が起きる。
しかし今、予期せぬドラマティックな出来事が起きる時間はまだ残っている。そして、現在世界のあちこちで激しい変革に繋がりそうな意志決定が行われつつある。(少し前に米国で通過した金融規制改革法など)
いつの日か私達はふり返り、
『ああ!全てを変えたあの法案を可決したのはあの時だったんだ!』
としみじみ言うかもしれない。 私に言わせてもらうなら、
『ああ!あの時から「取り締まり人の時代」が始まったのさ』
といった感じだろうか。
そして興味深いことに、多くの金融市場が今、強力なリバーサルの可能性を未だに保ち続ける重要な高値や安値を付けつつあるようだ。結局、金融アストロロジーの最も価値ある側面はマーケットの時間予測だと言える。そして、世界中の資本家、大企業家、社会主義者、マルキシスト、役人、*射手座の人々、そして共和党員達がこぞって大金をアストロロジャーに払う理由もそこにある。何故か? 時代や時間に先行して、金融市場の主要な変動のタイミングを常に正確に予測する研究は、今のところ他に無いからだ。金融アストロロジーは究極の先行指標なのだ。 世界を揺るがすような出来事は未だに全く起こっていないが、私達はそれに不平を言うことは出来ない。前週、私達のデイリー・サービスは株式指数と貴金属相場のタイミングにおいて、著しく正確であった。
*(原文"Sagittarians"。調べても射手座の他に特にイディオムも無さそうなことから、ここで特に射手座が挙げられる理由は、占星術上、射手座の持つ性質が形而上学・現象学を好むタイプで知的好奇心にも富むとされていることから、ウィットとして入れられたものではないかと思う。)
さて、この稀に見る天上のイベントと、その、人間の活動サイクルへの符合に相応する出来事として、先週一体何が起こったろうか? 先週FDIC(連邦預金保険公社)は新たに4銀行を閉鎖し、今年の合衆国における銀行閉鎖は総計100行となった。これは去年1年、驚くべき数と言われた総数140行を考えれば、そのペースにおいて遥かに先行している。これらの大部分は、小規模な地方銀行だ。この事は、「too big to fail/潰すには大きすぎる」と言われる巨大組織のその「大きさ」が、どんどん膨れあがっていることを示している。もし『too big to fail』の日々が、先々週の羊頭狗肉気味な金融規制改革法によって過ぎ去ったのだというなら、「競争を生き残るには小さすぎる」銀行が完全に消滅した時、いったいどんな事が起こるだろう? 新世界の出現だ。規制法と取り締まり人の新時代。そして、私達が進入したこの奇妙な入り口は、その様相を想像できないどころか、今まで体験してきた物事のどれとも異なっている筈なのだ。 「効率」「能力」などは急速に時代遅れの概念になっていくだろう。
7/25、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、*Wikileaks.comによって『・・・何千もの軍の機密文書が公開された』。山羊座の冥王星のもと、人は衝動的な行動から逃れることが出来ない。この代償は大きいことだろう。 7/27、インドの中央銀行は、2桁のインフレーションと闘うために主要な金利を引き上げた。 7/28、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事はこう告げた。『監査によると、米国国防総省はイラク再建のために使用したとされる91億ドルのうち、「87億」ドルの用途について説明不能であることが発覚・・・戦争で荒廃し、キャッシュに飢えた国にどんどん送り込まれた膨大な基金の使途が表面化することは殆ど無い』
なに?95%が不明だって? これは「取り締まり人」が広く責任を持つ立場に立たされた時、どんな事が起こるかの予告編的出来事であり、何故「効率」や「能力」という概念が、まもなく古風なノスタルジアと化していくかの答でもある。そこでは、サービスと金の両方が大きな塊となって消えていくのだ。
** 同じく7/28、アリゾナ州連邦裁判所は、アリゾナの新しい移民法の成立を、発効の直前に妨げた。司法省は、連邦政府の専任事項である移民法を州が定めるのは憲法違反だとしてアリゾナ州を訴えていたが、今回素晴らしい道徳的勝利をホワイトハウスにもたらすこととなった。だがしかし、肝心の連邦政府は、自らの専任事項である筈の移民法については殆ど何も実行していないのだ。 私達が進入したこの入り口のなんと奇妙なことか。 ここで問題となっているのは、「権力」をめぐる古典的な演し物に他ならない。果たして州は、いや連邦政府は、幾多の州に影響を及ぼす移民法を実施するパワーがあるだろうか?
またその同じ日、スペインのカタロニア地方では闘牛が禁止され、『スペイン伝統のシンボルに打撃』とウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。
そう、これは新しい世界、新しい日だ。アリスはまさに『不思議の国』・・いや、待てよ?そうだ、『カーディナル・クライマックス』にいるのだ! 私達は今深い深い渦の底にいる。地面は一体どこだろうか?
金曜日、ウォール・ストリート・ジャーナルの見出しはこう宣言した。『債券 稀な高値に上昇』
おっと、ここにも地面が無い! これは債券がまもなくトップアウトしようとしているに違いない。私が今年始めごろ、カーディナル・クライマックスは株や貴金属のような資産への過剰投機に関連すると考えていたことを、きっと記憶されていることだろう。 だが数週間前私は、この惑星間構成では、天王星とコンジャンクトした木星より、土星の力のほうがよりパワフルなことに気付いた。そして過剰投機の代わりに、投資家のパニックと債券の安全性への逃避という形になりそうだと思い至ったのだった。起きていることはまさにそれだ。 そして今、債券市場の死を予告する鐘が、メディアの一面を賑わせながら鳴り響いている。 しかし、何故債券価格が落ちるのだろうか? FED(連邦準備制度理事会)議長が上げないと言ったばかりの金利が、何故上がるのだろうか? おっと、チャンネルはそのままに♪
おそらく、カーディナル・クライマックスでは、常識や一般通念、あるいは世界の指導者達の発言とも矛盾するような、多くの驚きがもたらされるだろう。
* (Wikileaks.comによる米軍機密情報暴露の話は、日本では一般に興味をもたれないし、アメリカでもTVなどでは否定的な論調も多いそうだ。アストロロジャー、エリック・フランシスのニューズレターによれば、例えば退役軍人が出てきて「あれはもう昔の済んだ話の情報ばかりだ」などと言ったり、情報漏洩による軍関係者の身の危険などが話題に上っているという。ただ、彼が実際にWikileaksの膨大な情報の中身を調べた限りでは、アフガンやイラクでは演習ごとに民間人を巻き込んで殺すことがごく日常のこととして扱われるなど、相当数のショッキングな内容が含まれているということだった。またアメリカが支援するパキスタンがテロ支援国家で、インドなど周辺の国々の偽札を国家ぐるみで刷っていたり、9.11とアルカーイダとの結び付きに疑いを持たせるような情報も含まれるとのこと。こうした動きが今後どういった波紋を呼ぶのか、それとも潰されていくのか、日本からでは見えない部分が多いけれど、実際かなりのエポックメイキングな事件なのではないかと思う...。)
** (この移民に関するアリゾナ州法については、外見だけで職務質問できるなどの人種差別的な要素があるとしてオバマ大統領以下ホワイトハウスの有力者が続々と反対したが、その時点では法案の原文さえ読んでいなかったという説がある。実際の法案の中身は連邦移民法の執行を強化するという内容であり、連邦政府の執行不足のせいで増大する移民犯罪に頭を悩ませた州が先行して対策を講じようとした・・というのが真実に近いという。日本で言えば政府と自治体との軋轢? ホワイトハウス側が裁判にまで持ち込んだのは、選挙を控えて「人道的」という印象を大衆に与えたい、特にヒスパニックや人権保護団体の票を稼ぎたい、というパフォーマンスに過ぎないとの見方が拡がりつつあるとか。こうした状況をふまえて、メリマンさんの上記の発言が出ているように思う。 訳者の私見ではあるけれど、こうした社会状況の解説は、今の日本の状況ともよく重なっているような気がする。ただ、日本の状況はアメリカよりもっと混沌として見えにくくはあるけれど....。)
≪ 短期ジオコズミクス ≫
先週は45年周期を持つ土星・天王星オポジションの最終形成、そして13年周期を持つ木星・冥王星スクエアの両方が起きた。 これはまた、7/30〜8/3にかけて、火星がハードアスペクトを取りながらカーディナル・クライマックスを構成する4惑星のトランスレーションを行う、そのスタートでもあった。今週、木星が冥王星との2度目の正確なワクシング・スクエアへと接近すると同時に、火星がそのトランスレーションの役割を終える。8/3のことだ。(8/3はオバマ大統領の誕生日の1日前) そして今度は金星が同じ様にカーディナル・クライマックスのクロス構成をトランスレートし始めるのだ。(8/7〜9)
しかしまだこれでは終わらない。それからの2週間、20年周期を持つ木星・土星のオポジション、それを追うように32〜37年周期を持つ土星・冥王星のウェイニング・スクエアが続く。先週のコラムではそれぞれが暗示する社会的な物事について詳細を述べた。
さて私達の目的から見てみれば、この全タイム・バンドにおいて、多くの金融市場でサイクル上の天上または底が示現する機が熟しており、それに続いてパワフルなリバーサルが起きる可能性が高い。今週、強力な価格変動が見られたとしても驚くには値しないだろう。特に貴金属相場では、ヘリオセントリック(ジオセントリック=地球中心ではなく、太陽を中心点として捉えるアストロロジー技法)の水星が射手座に入る時期(8/2〜12)が注目だ。この惑星と星座の関係は、また他の商品相場や為替の価格変動にも重要な役割を果たす。 そして、今やカーディナルサインである天秤座に入場した火星の働きによって、私達は、「金利」に関連する全ての市場におけるトレンド反転を目撃することになるかもしれない。何故ならFRB始原図(1913年12/23, 6:12PM, ワシントンDC/ソースNYタイムズ) における太陽・冥王星のオポジションに対して、これがハードなアスペクトを結ぶからだ。また同時にこれは、アメリカ合衆国の始原図、そしてバラク・オバマ、ティモシー・ガイトナー両氏の誕生図にも同様のハードな惑星配置をもたらし始める。
また繰り返しの言及となるが、これらのアスペクトは暑く乾いた気候とも深く関連し、今現在ロシアの穀倉地帯で観察される干ばつなどを引き起こす。
*FRB, USA(Merriman Chart), USA2(Sibley Chart)
いずれもオバマ大統領のソーラーリターン時のトランシット
≪ 長期的考察 ≫
オバマ大統領、誕生日おめでとう!2008年のキャンペーン期間中、彼のウェブサイトに掲示されていた出生証明書によれば、オバマ氏は1961年8月4日、午後7:24、ハワイ州ホノルルで生まれている。幾人かの読者は未だに彼がケニア出身だと信じているようだ。だが私は謹んで反対意見を唱える。何故なら、もし彼がケニア生まれであるなら、出生時の月は双子座ではなく、牡牛座になる。しかし、もし今まで双子座の月の代表的性格である「二重性」と「弁舌の才能」を顕現する著名人がいたとするなら、それはオバマ氏だからだ。そして、牡牛座の月に代表される、倹約家でありながら優しく、安定性を好む性質を全く表さない人物がいたとするなら、それはオバマ氏だからだ。
先週述べたように、全ての獅子座の人達にとっては、今年はカーディナル・クライマックスのまさに中心部で彼らのソーラーリターンが起きる。そのためこの人達にとっては、これからの丸1年を通してずっとカーディナルTスクエアの影響下にあるような気がするだろう。その時の他の惑星配置がどうであれ、太陽(実際には地球)が、毎年その人の出生時の正確な位置に戻ってきた瞬間のチャートは、それからの1年、その人が直面するエネルギーの力学(そして様々な条件)の本質を表している。今の私には、大統領が今年のソーラーリターンの瞬間にパーティをしているか、資金調達の集まりに出ているかはわからないが、もし彼が東部標準時のタイムゾーンにいるとするなら、リターンは多分8/4の午後9:24に起きるだろう。彼がミシシッピーより西に行くのでない限り、彼はそのソーラーリターン図に双子座の月を持ち、おそらくは魚座が上昇宮となる筈だ。これは重要なポイントだ。つまり、今年は彼にとって単にソーラーリターンだけでなくルナーリターンも同時に起きることになる。 オバマ大統領は出生の月を双子座に持つが、今年のソーラーリターン図上の月もまた出生時の位置から1°という、極めて近い度数に位置することになるのだ。
同じ日にソーラーリターンとルナーリターンが起きるというのはなんと珍しいことだろう。これは相当に稀なことであり、つまりは彼にとって次の1年が、潜在的に人生の中で最も忘れられない年のひとつになるだろうことを意味している。それが良い年になるか困難な年になるかは、ひとえに彼が、自身の言葉を見失うことなく、整合性を持って行動できるかどうかにかかっていると言えそうだ。ある意味漠然と移ろいやすい魚座の上昇宮と、同時多発的な思考をその特徴として移り気にも見える双子座の月。この組み合わせにより、彼は、必ずしも思考とその結果としての反応がきちんと繋がったとはいえない、とっちらかった状態になる可能性がある。
また魚座が上昇宮であるということは、彼が理想を失っていないことも示している。 しかし、『偉大なコミュニケーター=米国大統領』は、彼の持つ理想を、実用的かつ現実的で、また彼が出した他の声明とも良く一致して破綻が無い・・という印象を他者に与えること、そしてそれを広く伝えていくことが、いつもより難しいと感じるだろう。彼は、他の人々にとって矛盾としてしか感じられない物事について説明し、また説明し、それでもなお、言葉を尽くして繰り返し説明する必要がありそうだ。今後の彼の思考過程について行こうとするなら、彼自身にとっても、また他の人々にとっても、その過程で多くの混乱が生じる可能性がある。そして これがまた、彼の内面に生じるであろうある種の感情的な衝動を、きちんと抑制された状態に置いておくという、なお一層の厳しいチャレンジへと導いていきそうだ。
また彼はいつもより批判に対して過敏になりがちだが、演説においては常よりもっと華々しいか、または雄弁になる可能性がある。 来年、合衆国はその8度目のサターン・リターン(土星が始原図や出生図の正確な位置に戻ってくること)を迎える。これは政府の主要な構造変革を伴う傾向のある、28〜30年の土星周期だ。当然、彼はそうなっていく必要があるだろう。
前回このサターン・リターンが起きた時のことをあなたは覚えておられるのではないか。それは1980〜81年、レーガン革命(レーガノミクス)と呼ばれた時代であり、その前は合衆国によって先導された、戦後の世界経済復興の時期であった。 この2つの時代ともに、アメリカがアフガニスタンとイラン(1980〜81年)、そして韓国(1951〜52年)の国際紛争に関わったというのは、いかにも皮肉なことではないだろうか? まさしくカーディナル・クライマックスの中心で迎えるオバマの誕生日、そしてサターン・リターンを迎えようとしているアメリカ。 私達は今共に、「オバマ革命」の渦中にいるのだ。 非常に多くの「チェンジ=変化」がスタートした。そして、来年には、この「変化」に対する非常に多くの「チャレンジ」がやってくることになりそうだ。
それは、何かとてもシンプルであるべき物事が、非常に複雑で理解しにくい物事へと変わってしまいそうな1年だ。取り締まり人/規制者達が、その法の意図するところを勝手に解釈して実施することを許すような法律が可決される時、そこには常にある種の危険が付きまとうことを肝に銘じておきたい。
さあ、「効率」に、そして「能力」に、 さようならを言おうか。
オバマ大統領2010年ソーラーリターン図
(オーブは通常の個人チャートより狭く取っています)
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2010年8月2日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報も出されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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≪ 先週を振り返って ≫
世界は未だに終わってはいない。私達は獅子座におけるこのカーディナル・クライマックスの中心部(7/21〜8/21)の最初の1週間を終えたが、真の地殻変動レベルの物事は(まだ)何も起きていない。
私達はこの期間を、何か目を見張るような時間帯に仕立て上げるような、ドラマティックな出来事をひとつも体験せずに過ぎ越していくことは可能だろうか? そして、もしそうだとすれば、それは、市場動向や私達の生きる時代性を予測するツールとしての金融アストロロジーやマンデーン・アストロロジーの有効性を否定するものだろうか? その答はYESと、そしてNOだ。 YES。この稀に見る惑星配置の時を、後世に語り継がれるような時間帯とするような壮大な出来事は何も起こらないかもしれない。そう、それはあり得る。 NO。だがそれは金融アストロロジーやマンデーン・アストロロジーの有用性を無効にしはしない。
どんなジャンルのアストロロジーであれ、その価値の本質は、予言したり現象をピタリと当てたりすることのみにあるのではない。アストロロジカルな表徴というものは、その最も純粋な形態においては、単に互いに関連するそれぞれの惑星、そして/または 星座の固有のテーマによって象徴されるエネルギーの力学なのだ。
こうした力学は現状を変革するような集合意識レベルでの決意という形で起きるかもしれない。または、まずある現象が引き起こされ、その反応として現状を変えざるをえないような状況に私達を導くかもしれない。多くはその両方が起きる。
しかし今、予期せぬドラマティックな出来事が起きる時間はまだ残っている。そして、現在世界のあちこちで激しい変革に繋がりそうな意志決定が行われつつある。(少し前に米国で通過した金融規制改革法など)
いつの日か私達はふり返り、
『ああ!全てを変えたあの法案を可決したのはあの時だったんだ!』
としみじみ言うかもしれない。 私に言わせてもらうなら、
『ああ!あの時から「取り締まり人の時代」が始まったのさ』
といった感じだろうか。
そして興味深いことに、多くの金融市場が今、強力なリバーサルの可能性を未だに保ち続ける重要な高値や安値を付けつつあるようだ。結局、金融アストロロジーの最も価値ある側面はマーケットの時間予測だと言える。そして、世界中の資本家、大企業家、社会主義者、マルキシスト、役人、*射手座の人々、そして共和党員達がこぞって大金をアストロロジャーに払う理由もそこにある。何故か? 時代や時間に先行して、金融市場の主要な変動のタイミングを常に正確に予測する研究は、今のところ他に無いからだ。金融アストロロジーは究極の先行指標なのだ。 世界を揺るがすような出来事は未だに全く起こっていないが、私達はそれに不平を言うことは出来ない。前週、私達のデイリー・サービスは株式指数と貴金属相場のタイミングにおいて、著しく正確であった。
*(原文"Sagittarians"。調べても射手座の他に特にイディオムも無さそうなことから、ここで特に射手座が挙げられる理由は、占星術上、射手座の持つ性質が形而上学・現象学を好むタイプで知的好奇心にも富むとされていることから、ウィットとして入れられたものではないかと思う。)
さて、この稀に見る天上のイベントと、その、人間の活動サイクルへの符合に相応する出来事として、先週一体何が起こったろうか? 先週FDIC(連邦預金保険公社)は新たに4銀行を閉鎖し、今年の合衆国における銀行閉鎖は総計100行となった。これは去年1年、驚くべき数と言われた総数140行を考えれば、そのペースにおいて遥かに先行している。これらの大部分は、小規模な地方銀行だ。この事は、「too big to fail/潰すには大きすぎる」と言われる巨大組織のその「大きさ」が、どんどん膨れあがっていることを示している。もし『too big to fail』の日々が、先々週の羊頭狗肉気味な金融規制改革法によって過ぎ去ったのだというなら、「競争を生き残るには小さすぎる」銀行が完全に消滅した時、いったいどんな事が起こるだろう? 新世界の出現だ。規制法と取り締まり人の新時代。そして、私達が進入したこの奇妙な入り口は、その様相を想像できないどころか、今まで体験してきた物事のどれとも異なっている筈なのだ。 「効率」「能力」などは急速に時代遅れの概念になっていくだろう。
7/25、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、*Wikileaks.comによって『・・・何千もの軍の機密文書が公開された』。山羊座の冥王星のもと、人は衝動的な行動から逃れることが出来ない。この代償は大きいことだろう。 7/27、インドの中央銀行は、2桁のインフレーションと闘うために主要な金利を引き上げた。 7/28、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事はこう告げた。『監査によると、米国国防総省はイラク再建のために使用したとされる91億ドルのうち、「87億」ドルの用途について説明不能であることが発覚・・・戦争で荒廃し、キャッシュに飢えた国にどんどん送り込まれた膨大な基金の使途が表面化することは殆ど無い』
なに?95%が不明だって? これは「取り締まり人」が広く責任を持つ立場に立たされた時、どんな事が起こるかの予告編的出来事であり、何故「効率」や「能力」という概念が、まもなく古風なノスタルジアと化していくかの答でもある。そこでは、サービスと金の両方が大きな塊となって消えていくのだ。
** 同じく7/28、アリゾナ州連邦裁判所は、アリゾナの新しい移民法の成立を、発効の直前に妨げた。司法省は、連邦政府の専任事項である移民法を州が定めるのは憲法違反だとしてアリゾナ州を訴えていたが、今回素晴らしい道徳的勝利をホワイトハウスにもたらすこととなった。だがしかし、肝心の連邦政府は、自らの専任事項である筈の移民法については殆ど何も実行していないのだ。 私達が進入したこの入り口のなんと奇妙なことか。 ここで問題となっているのは、「権力」をめぐる古典的な演し物に他ならない。果たして州は、いや連邦政府は、幾多の州に影響を及ぼす移民法を実施するパワーがあるだろうか?
またその同じ日、スペインのカタロニア地方では闘牛が禁止され、『スペイン伝統のシンボルに打撃』とウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。
そう、これは新しい世界、新しい日だ。アリスはまさに『不思議の国』・・いや、待てよ?そうだ、『カーディナル・クライマックス』にいるのだ! 私達は今深い深い渦の底にいる。地面は一体どこだろうか?
金曜日、ウォール・ストリート・ジャーナルの見出しはこう宣言した。『債券 稀な高値に上昇』
おっと、ここにも地面が無い! これは債券がまもなくトップアウトしようとしているに違いない。私が今年始めごろ、カーディナル・クライマックスは株や貴金属のような資産への過剰投機に関連すると考えていたことを、きっと記憶されていることだろう。 だが数週間前私は、この惑星間構成では、天王星とコンジャンクトした木星より、土星の力のほうがよりパワフルなことに気付いた。そして過剰投機の代わりに、投資家のパニックと債券の安全性への逃避という形になりそうだと思い至ったのだった。起きていることはまさにそれだ。 そして今、債券市場の死を予告する鐘が、メディアの一面を賑わせながら鳴り響いている。 しかし、何故債券価格が落ちるのだろうか? FED(連邦準備制度理事会)議長が上げないと言ったばかりの金利が、何故上がるのだろうか? おっと、チャンネルはそのままに♪
おそらく、カーディナル・クライマックスでは、常識や一般通念、あるいは世界の指導者達の発言とも矛盾するような、多くの驚きがもたらされるだろう。
* (Wikileaks.comによる米軍機密情報暴露の話は、日本では一般に興味をもたれないし、アメリカでもTVなどでは否定的な論調も多いそうだ。アストロロジャー、エリック・フランシスのニューズレターによれば、例えば退役軍人が出てきて「あれはもう昔の済んだ話の情報ばかりだ」などと言ったり、情報漏洩による軍関係者の身の危険などが話題に上っているという。ただ、彼が実際にWikileaksの膨大な情報の中身を調べた限りでは、アフガンやイラクでは演習ごとに民間人を巻き込んで殺すことがごく日常のこととして扱われるなど、相当数のショッキングな内容が含まれているということだった。またアメリカが支援するパキスタンがテロ支援国家で、インドなど周辺の国々の偽札を国家ぐるみで刷っていたり、9.11とアルカーイダとの結び付きに疑いを持たせるような情報も含まれるとのこと。こうした動きが今後どういった波紋を呼ぶのか、それとも潰されていくのか、日本からでは見えない部分が多いけれど、実際かなりのエポックメイキングな事件なのではないかと思う...。)
** (この移民に関するアリゾナ州法については、外見だけで職務質問できるなどの人種差別的な要素があるとしてオバマ大統領以下ホワイトハウスの有力者が続々と反対したが、その時点では法案の原文さえ読んでいなかったという説がある。実際の法案の中身は連邦移民法の執行を強化するという内容であり、連邦政府の執行不足のせいで増大する移民犯罪に頭を悩ませた州が先行して対策を講じようとした・・というのが真実に近いという。日本で言えば政府と自治体との軋轢? ホワイトハウス側が裁判にまで持ち込んだのは、選挙を控えて「人道的」という印象を大衆に与えたい、特にヒスパニックや人権保護団体の票を稼ぎたい、というパフォーマンスに過ぎないとの見方が拡がりつつあるとか。こうした状況をふまえて、メリマンさんの上記の発言が出ているように思う。 訳者の私見ではあるけれど、こうした社会状況の解説は、今の日本の状況ともよく重なっているような気がする。ただ、日本の状況はアメリカよりもっと混沌として見えにくくはあるけれど....。)
≪ 短期ジオコズミクス ≫
先週は45年周期を持つ土星・天王星オポジションの最終形成、そして13年周期を持つ木星・冥王星スクエアの両方が起きた。 これはまた、7/30〜8/3にかけて、火星がハードアスペクトを取りながらカーディナル・クライマックスを構成する4惑星のトランスレーションを行う、そのスタートでもあった。今週、木星が冥王星との2度目の正確なワクシング・スクエアへと接近すると同時に、火星がそのトランスレーションの役割を終える。8/3のことだ。(8/3はオバマ大統領の誕生日の1日前) そして今度は金星が同じ様にカーディナル・クライマックスのクロス構成をトランスレートし始めるのだ。(8/7〜9)
しかしまだこれでは終わらない。それからの2週間、20年周期を持つ木星・土星のオポジション、それを追うように32〜37年周期を持つ土星・冥王星のウェイニング・スクエアが続く。先週のコラムではそれぞれが暗示する社会的な物事について詳細を述べた。
さて私達の目的から見てみれば、この全タイム・バンドにおいて、多くの金融市場でサイクル上の天上または底が示現する機が熟しており、それに続いてパワフルなリバーサルが起きる可能性が高い。今週、強力な価格変動が見られたとしても驚くには値しないだろう。特に貴金属相場では、ヘリオセントリック(ジオセントリック=地球中心ではなく、太陽を中心点として捉えるアストロロジー技法)の水星が射手座に入る時期(8/2〜12)が注目だ。この惑星と星座の関係は、また他の商品相場や為替の価格変動にも重要な役割を果たす。 そして、今やカーディナルサインである天秤座に入場した火星の働きによって、私達は、「金利」に関連する全ての市場におけるトレンド反転を目撃することになるかもしれない。何故ならFRB始原図(1913年12/23, 6:12PM, ワシントンDC/ソースNYタイムズ) における太陽・冥王星のオポジションに対して、これがハードなアスペクトを結ぶからだ。また同時にこれは、アメリカ合衆国の始原図、そしてバラク・オバマ、ティモシー・ガイトナー両氏の誕生図にも同様のハードな惑星配置をもたらし始める。
また繰り返しの言及となるが、これらのアスペクトは暑く乾いた気候とも深く関連し、今現在ロシアの穀倉地帯で観察される干ばつなどを引き起こす。
*FRB, USA(Merriman Chart), USA2(Sibley Chart)
いずれもオバマ大統領のソーラーリターン時のトランシット
≪ 長期的考察 ≫
オバマ大統領、誕生日おめでとう!2008年のキャンペーン期間中、彼のウェブサイトに掲示されていた出生証明書によれば、オバマ氏は1961年8月4日、午後7:24、ハワイ州ホノルルで生まれている。幾人かの読者は未だに彼がケニア出身だと信じているようだ。だが私は謹んで反対意見を唱える。何故なら、もし彼がケニア生まれであるなら、出生時の月は双子座ではなく、牡牛座になる。しかし、もし今まで双子座の月の代表的性格である「二重性」と「弁舌の才能」を顕現する著名人がいたとするなら、それはオバマ氏だからだ。そして、牡牛座の月に代表される、倹約家でありながら優しく、安定性を好む性質を全く表さない人物がいたとするなら、それはオバマ氏だからだ。
先週述べたように、全ての獅子座の人達にとっては、今年はカーディナル・クライマックスのまさに中心部で彼らのソーラーリターンが起きる。そのためこの人達にとっては、これからの丸1年を通してずっとカーディナルTスクエアの影響下にあるような気がするだろう。その時の他の惑星配置がどうであれ、太陽(実際には地球)が、毎年その人の出生時の正確な位置に戻ってきた瞬間のチャートは、それからの1年、その人が直面するエネルギーの力学(そして様々な条件)の本質を表している。今の私には、大統領が今年のソーラーリターンの瞬間にパーティをしているか、資金調達の集まりに出ているかはわからないが、もし彼が東部標準時のタイムゾーンにいるとするなら、リターンは多分8/4の午後9:24に起きるだろう。彼がミシシッピーより西に行くのでない限り、彼はそのソーラーリターン図に双子座の月を持ち、おそらくは魚座が上昇宮となる筈だ。これは重要なポイントだ。つまり、今年は彼にとって単にソーラーリターンだけでなくルナーリターンも同時に起きることになる。 オバマ大統領は出生の月を双子座に持つが、今年のソーラーリターン図上の月もまた出生時の位置から1°という、極めて近い度数に位置することになるのだ。
同じ日にソーラーリターンとルナーリターンが起きるというのはなんと珍しいことだろう。これは相当に稀なことであり、つまりは彼にとって次の1年が、潜在的に人生の中で最も忘れられない年のひとつになるだろうことを意味している。それが良い年になるか困難な年になるかは、ひとえに彼が、自身の言葉を見失うことなく、整合性を持って行動できるかどうかにかかっていると言えそうだ。ある意味漠然と移ろいやすい魚座の上昇宮と、同時多発的な思考をその特徴として移り気にも見える双子座の月。この組み合わせにより、彼は、必ずしも思考とその結果としての反応がきちんと繋がったとはいえない、とっちらかった状態になる可能性がある。
また魚座が上昇宮であるということは、彼が理想を失っていないことも示している。 しかし、『偉大なコミュニケーター=米国大統領』は、彼の持つ理想を、実用的かつ現実的で、また彼が出した他の声明とも良く一致して破綻が無い・・という印象を他者に与えること、そしてそれを広く伝えていくことが、いつもより難しいと感じるだろう。彼は、他の人々にとって矛盾としてしか感じられない物事について説明し、また説明し、それでもなお、言葉を尽くして繰り返し説明する必要がありそうだ。今後の彼の思考過程について行こうとするなら、彼自身にとっても、また他の人々にとっても、その過程で多くの混乱が生じる可能性がある。そして これがまた、彼の内面に生じるであろうある種の感情的な衝動を、きちんと抑制された状態に置いておくという、なお一層の厳しいチャレンジへと導いていきそうだ。
また彼はいつもより批判に対して過敏になりがちだが、演説においては常よりもっと華々しいか、または雄弁になる可能性がある。 来年、合衆国はその8度目のサターン・リターン(土星が始原図や出生図の正確な位置に戻ってくること)を迎える。これは政府の主要な構造変革を伴う傾向のある、28〜30年の土星周期だ。当然、彼はそうなっていく必要があるだろう。
前回このサターン・リターンが起きた時のことをあなたは覚えておられるのではないか。それは1980〜81年、レーガン革命(レーガノミクス)と呼ばれた時代であり、その前は合衆国によって先導された、戦後の世界経済復興の時期であった。 この2つの時代ともに、アメリカがアフガニスタンとイラン(1980〜81年)、そして韓国(1951〜52年)の国際紛争に関わったというのは、いかにも皮肉なことではないだろうか? まさしくカーディナル・クライマックスの中心で迎えるオバマの誕生日、そしてサターン・リターンを迎えようとしているアメリカ。 私達は今共に、「オバマ革命」の渦中にいるのだ。 非常に多くの「チェンジ=変化」がスタートした。そして、来年には、この「変化」に対する非常に多くの「チャレンジ」がやってくることになりそうだ。
それは、何かとてもシンプルであるべき物事が、非常に複雑で理解しにくい物事へと変わってしまいそうな1年だ。取り締まり人/規制者達が、その法の意図するところを勝手に解釈して実施することを許すような法律が可決される時、そこには常にある種の危険が付きまとうことを肝に銘じておきたい。
さあ、「効率」に、そして「能力」に、 さようならを言おうか。
オバマ大統領2010年ソーラーリターン図
(オーブは通常の個人チャートより狭く取っています)
訳文ここまで
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