October 2010
October 30, 2010
『フォーキャスト2011』
※11/1付けのメリマン・コラムは訳者の都合によりお休みさせていただきます。
m(_"_)m
※『フォーキャスト2011』の予約が始まったようです。詳しくは投資日報社さんのショップページをご覧ください。
◆フォーキャスト本について自分なりに思ったこと。
まずは前置きめいたことから・・・。わたしが実践しているパーソナルなアストロロジーは、まず個人の意識とその構造について分析していきます。天体の動きによって絶対的に決められた現象が起きるのではなく、まず人間の意識が天体のエネルギーの刺激を受け、それを各自の意識が独自に翻訳し、自ら体験を創造していくと見るからです。ハードなエネルギーでも、その時の 意識・気持のありようによって色々に使えます。より良い結果に繋げるために、より良いエネルギーの使い方を探っていくことも大きな目的の1つです。より良 いと言っても何が良いかはひとによって様々です。だから基本的に個人目線なんですね。
それに比べると、金融アストロロジー、特に市場予測の世界はマスとしての相場の動き=翻訳された結果そのものを予測しようとするものであり、これは極論してしまえば黒か白か?・上がるか下がるか?に尽きると言えるかもしれません。つまりどんなひとにも同じ結果が見えるという事で、はっきり検証できる世界です。そしてだからこそ、もしかしたら今までアストロロジーに馴染みが無かった方、また怪しげな印象を持っている方にも、いわゆる運命論としての占いとは一線を画したアストロロジーの考え方を知ってもらえる チャンスになるかも?と思い、メリマン・コラムの翻訳を始めたという経緯があります。
2005年、わたしは本当に相場のことなど何も知らないまま株取引を始めました。そしていっとき、右肩上がりのブームに乗って「夢みたい〜♪」な楽しい思いも経験しました。でも今は、自分にはトレーダーとしての才能なんか全然無い・・ただ好きなだけ!ってことに気付いてしまったため、タマに時間のある時しか取引しません。そんなわたしがこの本について何か言うのも気が引けてしまうのですが。。けして安い本とは言えないし、いつも来て下さっている方の中にはどんなものなのか興味はあるけど・・・って方もいらっしゃるかと思い、あくまで自分の経験の範囲で思ったこと、感じたことを書いてみようかと思いました。
そんなわけでこの記事には、もしかするとフォーキャストの出版元であり、わたしの勝手なコラム翻訳を「あなたの姿勢に免じて」と快くOKしてくださった投資日報社さんの本意とは異なった部分もあるかもしれません。ですので、あくまでアストロロジーを実践する立場で相場素人でもある1読者の個人的感想にすぎないことをおことわりしたいと思います。
わたしがメリマンさんを知ったのは、実は金融アストロロジーではなく「ソーラーリターン法」という、主にパーソナル・アストロロジーで使う技法の本からでした。それはかなり以前の本ですが、簡潔ながら示唆に富んでわかりやすく、また著者の人柄も伝わってきて信頼するに足ると思わせるものでした。そして実践でもかなり有効だったんです。それで、金融アストロロジーでの現象予測がどんなものなのか?を知りたくなり、少し勉強を始めました。そして、つたないながらもこのブログでメリマン・コラムの翻訳を始めました。去年出た 「フォーキャスト2010」も、そんな理由から勉強のつもりで購入してみました。
merriman.jpさんのサイトには、当該ページの冒頭にこう書いてあります。
『誤解されやすい事だが、この本は星で相場を占う書物ではない。壮大な星座サイクルと相場サイクルの重なりを確認する書物だ。』 これは本当にそうだと思います。
いわゆる占いとかご託宣とか、そんなのでトレードして常にうまくいくなら超ラクだし世の中はきっと幸せなひとだらけ。でもその前に占いも相場も成り立たなくなるでしょう。それは起こりえないことです。
今振り返ってみると「フォーキャスト2010」は、今年の世界経済(特にアメリカ)や相場の流れをかなり的確に描いて見せてくれたと思います。 個人的にはアメリカの政治・経済の流れが向かう方向性やFRBの動向予測がホロスコープ付きで解説されている部分など、なんとなく日本の動きと比較して考えながら見ていく時、とても興味深く、参考になりました。
けれどこれは、あくまで前の年の秋に立てられた1年間の予測です。(それでもこれくらい詳細に予測を立てられるのは惑星の動きをつぶさに押さえていなければ無理だと思いますが...) 実際の相場に見られる揺らぎやズレの特定、そしてトレンド転換の細かなタイミングなどは、本による大筋の分析を頭に入れた上で、週1のメリマン・コラムや他の資料・テクニックなどを加味して微調整していく必要があると思います。そういう事を通して自分なりのセオリーと相場観を組み立てていくという姿勢も必要かもしれません。 ちなみにメリマン関連では月1のサイクルズレポート、週1のゴールドレポート、日経週報、カレンシーレポート、またサイクル理論の教則本が出ているようです。こちらは有料ですが、もっと詳しく追いたくなった時には有効じゃないかと思います。
また、興味のある方はアストロロジー・ソフトがひとつあると便利かもしれません。windows用ならフリー・ウェアや安価なシェア・ウェアが比較的豊富に揃っています。惑星の記号など、最低限の知識を学ぶ必要はあると思いますが、例えばジオコズミクスの章で解説されている惑星位置やアスペクトをソフトのホロスコープ上で天体マップとして目視しながらその時々の日足チャートと比較してみるだけでも、説明されている内容を直観的に把握しやすくなります。もしかしたら、アストロロジーってけっこう面白いな・・なんて感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ファンダメンタルでもテクニカルでも、使いこなせるようになるにはそれ相応の勉強と努力が必須なように、この本もまたひとつ、取引の実践に応用するなら自分なりの使い方を身に付ける。それによってこそ強味となる相場分析ツールだよね・・・というのがわたしの感想です。確かに『重要変化日』など、十分な確率で一致していたと思います。それでも、何もかも全部ピタリと当たる!とか「読むだけトレード」で儲かる・・・とかをどこかで期待してしまう方には、おすすめ出来ません。 だって、市場からお金を奪って無傷で逃げてくるのはそんなラクなことじゃ無いですもん。本当のトレーダーって、一喜一憂したり時には胃の痛む思いをしながらも、日々頑張って自分なりに向上しようとしているひと達だと思います。(世の中には、例えばネットトレーダーはPCの前に座ってるだけでマジメに働かずお金を稼ぐ・・・なんてひどい誤解をしている方がいまだにいらっしゃるようですが、悲しいことだと思います。)
シツコイようですが、部分的な拾い読みでサクッと儲かるとか、その手の本ではありません。優しく書いてあるけれど、深く理解するにはちょっとだけ手強い部分もあります。買ったら絶対モト以上のものは取ろうという気持でどんどん理解を深めていけば、それだけ応えてくれる・・・って感じがします。
ただ個人的に、2010年度版は少し読みにくい部分がありました。で、それを改善して面白く読めるようにしてください!って1読者としてのお願いをお送りしました。自分を高いタナに上げまくって言ってしまうのですが、訳文が去年よりわかりやすく、スッと入ってくるものになれば、もっと多くのひとが楽しめるはずの内容だと思うんです。多分本の性質上、原稿が来てから翻訳にかけられる時間は普通の出版物に比べて驚異的に短かそうなので、これってかなり無理な注文だとは思うのですが・・・読者としてはやはり次回にちょっぴり期待してしまいます。。。
この本は金融アストロロジーがどんなものか?を知っている方は勿論ですが、たとえ知らなくても新しい技法を身に付けたい、分析の幅をもっと拡げたい、興味がある、知りたい・・・と考える方にはきっと役立つんじゃないかと思います。
ちなみにわたしが時々ウォッチしているアメリカの星読みトレーダーさん達は、惑星のトランシットやサイクルの他に、エリオット・ウェーブや自分の取引スタイルに合わせて編み出した独自のサイクル理論を組み合わせてトレード・プランを立てているようです。彼らは皆基本的にローン・ウルフですが、星読みやサイクルなどの技法ではお互い切磋琢磨してる雰囲気があって、そのオープンな感覚は層の厚さや土壌の違いとはいえ、羨ましい気もします。 "So, what about your trade plan?" どんなに優れた予測が出来ても、またそれを知り得ても、自分のトレードプランをしっかり立ててその通りに実行出来なければ「あ〜ぁ、予想どおりだったのに取れなかったよ」とグチるハメになる・・・彼らのひとりが先日こんなことを言っていました。 わたしはちょっと耳が痛かったですw。
最後に前回の版、「フォーキャスト2010」の目次から要約抜粋してご紹介しておきますね。なんとなく雰囲気がわかるかも?
【FORECASTS 2010】
◆フォーキャスト2010の翻訳にあたって by 皆川弘之氏
◆相場に関する天体の位相 (あれこれサラっと)
◆2008〜2012年カーディナル・クライマックス 解説
◆2010年の主要惑星の位相 解説
◆2010年の強力な天体アスペクト 解説
(土星・冥王星、土星・天王星、木星・・など解説)
◆水星・金星・火星の逆行期について
◆2010年の米国及び大統領について
◆2010年の米国T−ノート及び金利
(サイクルズ、ジオコズミクス、FRB始原図、重要変化日などの解説)
◆2010年の米国株式市場 (上記と同様の解説)
◆2010年の外国通貨/ドル・スイスフラン・ユーロ・円(上記と同様の解説)
◆2010年の日経平均株価(上記と同様の解説)
◆2010年の貴金属/金・銀(上記と同様の解説)
◆2010年の原油相場 (上記と同様の解説)
◆2010年の天候パターン
◆2010年の穀物相場/コーン・大豆・小麦(上記と同様の解説)
◆2010年の良い日/悪い日(参考としての扱い)
◆2010年星座別個人の運勢(参考としての扱い)
◆資料編:メリマン・サイクル理論とアストロロジーの簡単な解説編
Good Luck to You All !!
hiyoka.
m(_"_)m
※『フォーキャスト2011』の予約が始まったようです。詳しくは投資日報社さんのショップページをご覧ください。
◆フォーキャスト本について自分なりに思ったこと。
まずは前置きめいたことから・・・。わたしが実践しているパーソナルなアストロロジーは、まず個人の意識とその構造について分析していきます。天体の動きによって絶対的に決められた現象が起きるのではなく、まず人間の意識が天体のエネルギーの刺激を受け、それを各自の意識が独自に翻訳し、自ら体験を創造していくと見るからです。ハードなエネルギーでも、その時の 意識・気持のありようによって色々に使えます。より良い結果に繋げるために、より良いエネルギーの使い方を探っていくことも大きな目的の1つです。より良 いと言っても何が良いかはひとによって様々です。だから基本的に個人目線なんですね。
それに比べると、金融アストロロジー、特に市場予測の世界はマスとしての相場の動き=翻訳された結果そのものを予測しようとするものであり、これは極論してしまえば黒か白か?・上がるか下がるか?に尽きると言えるかもしれません。つまりどんなひとにも同じ結果が見えるという事で、はっきり検証できる世界です。そしてだからこそ、もしかしたら今までアストロロジーに馴染みが無かった方、また怪しげな印象を持っている方にも、いわゆる運命論としての占いとは一線を画したアストロロジーの考え方を知ってもらえる チャンスになるかも?と思い、メリマン・コラムの翻訳を始めたという経緯があります。
2005年、わたしは本当に相場のことなど何も知らないまま株取引を始めました。そしていっとき、右肩上がりのブームに乗って「夢みたい〜♪」な楽しい思いも経験しました。でも今は、自分にはトレーダーとしての才能なんか全然無い・・ただ好きなだけ!ってことに気付いてしまったため、タマに時間のある時しか取引しません。そんなわたしがこの本について何か言うのも気が引けてしまうのですが。。けして安い本とは言えないし、いつも来て下さっている方の中にはどんなものなのか興味はあるけど・・・って方もいらっしゃるかと思い、あくまで自分の経験の範囲で思ったこと、感じたことを書いてみようかと思いました。
そんなわけでこの記事には、もしかするとフォーキャストの出版元であり、わたしの勝手なコラム翻訳を「あなたの姿勢に免じて」と快くOKしてくださった投資日報社さんの本意とは異なった部分もあるかもしれません。ですので、あくまでアストロロジーを実践する立場で相場素人でもある1読者の個人的感想にすぎないことをおことわりしたいと思います。
わたしがメリマンさんを知ったのは、実は金融アストロロジーではなく「ソーラーリターン法」という、主にパーソナル・アストロロジーで使う技法の本からでした。それはかなり以前の本ですが、簡潔ながら示唆に富んでわかりやすく、また著者の人柄も伝わってきて信頼するに足ると思わせるものでした。そして実践でもかなり有効だったんです。それで、金融アストロロジーでの現象予測がどんなものなのか?を知りたくなり、少し勉強を始めました。そして、つたないながらもこのブログでメリマン・コラムの翻訳を始めました。去年出た 「フォーキャスト2010」も、そんな理由から勉強のつもりで購入してみました。
merriman.jpさんのサイトには、当該ページの冒頭にこう書いてあります。
『誤解されやすい事だが、この本は星で相場を占う書物ではない。壮大な星座サイクルと相場サイクルの重なりを確認する書物だ。』 これは本当にそうだと思います。
いわゆる占いとかご託宣とか、そんなのでトレードして常にうまくいくなら超ラクだし世の中はきっと幸せなひとだらけ。でもその前に占いも相場も成り立たなくなるでしょう。それは起こりえないことです。
今振り返ってみると「フォーキャスト2010」は、今年の世界経済(特にアメリカ)や相場の流れをかなり的確に描いて見せてくれたと思います。 個人的にはアメリカの政治・経済の流れが向かう方向性やFRBの動向予測がホロスコープ付きで解説されている部分など、なんとなく日本の動きと比較して考えながら見ていく時、とても興味深く、参考になりました。
けれどこれは、あくまで前の年の秋に立てられた1年間の予測です。(それでもこれくらい詳細に予測を立てられるのは惑星の動きをつぶさに押さえていなければ無理だと思いますが...) 実際の相場に見られる揺らぎやズレの特定、そしてトレンド転換の細かなタイミングなどは、本による大筋の分析を頭に入れた上で、週1のメリマン・コラムや他の資料・テクニックなどを加味して微調整していく必要があると思います。そういう事を通して自分なりのセオリーと相場観を組み立てていくという姿勢も必要かもしれません。 ちなみにメリマン関連では月1のサイクルズレポート、週1のゴールドレポート、日経週報、カレンシーレポート、またサイクル理論の教則本が出ているようです。こちらは有料ですが、もっと詳しく追いたくなった時には有効じゃないかと思います。
また、興味のある方はアストロロジー・ソフトがひとつあると便利かもしれません。windows用ならフリー・ウェアや安価なシェア・ウェアが比較的豊富に揃っています。惑星の記号など、最低限の知識を学ぶ必要はあると思いますが、例えばジオコズミクスの章で解説されている惑星位置やアスペクトをソフトのホロスコープ上で天体マップとして目視しながらその時々の日足チャートと比較してみるだけでも、説明されている内容を直観的に把握しやすくなります。もしかしたら、アストロロジーってけっこう面白いな・・なんて感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ファンダメンタルでもテクニカルでも、使いこなせるようになるにはそれ相応の勉強と努力が必須なように、この本もまたひとつ、取引の実践に応用するなら自分なりの使い方を身に付ける。それによってこそ強味となる相場分析ツールだよね・・・というのがわたしの感想です。確かに『重要変化日』など、十分な確率で一致していたと思います。それでも、何もかも全部ピタリと当たる!とか「読むだけトレード」で儲かる・・・とかをどこかで期待してしまう方には、おすすめ出来ません。 だって、市場からお金を奪って無傷で逃げてくるのはそんなラクなことじゃ無いですもん。本当のトレーダーって、一喜一憂したり時には胃の痛む思いをしながらも、日々頑張って自分なりに向上しようとしているひと達だと思います。(世の中には、例えばネットトレーダーはPCの前に座ってるだけでマジメに働かずお金を稼ぐ・・・なんてひどい誤解をしている方がいまだにいらっしゃるようですが、悲しいことだと思います。)
シツコイようですが、部分的な拾い読みでサクッと儲かるとか、その手の本ではありません。優しく書いてあるけれど、深く理解するにはちょっとだけ手強い部分もあります。買ったら絶対モト以上のものは取ろうという気持でどんどん理解を深めていけば、それだけ応えてくれる・・・って感じがします。
ただ個人的に、2010年度版は少し読みにくい部分がありました。で、それを改善して面白く読めるようにしてください!って1読者としてのお願いをお送りしました。自分を高いタナに上げまくって言ってしまうのですが、訳文が去年よりわかりやすく、スッと入ってくるものになれば、もっと多くのひとが楽しめるはずの内容だと思うんです。多分本の性質上、原稿が来てから翻訳にかけられる時間は普通の出版物に比べて驚異的に短かそうなので、これってかなり無理な注文だとは思うのですが・・・読者としてはやはり次回にちょっぴり期待してしまいます。。。
この本は金融アストロロジーがどんなものか?を知っている方は勿論ですが、たとえ知らなくても新しい技法を身に付けたい、分析の幅をもっと拡げたい、興味がある、知りたい・・・と考える方にはきっと役立つんじゃないかと思います。
ちなみにわたしが時々ウォッチしているアメリカの星読みトレーダーさん達は、惑星のトランシットやサイクルの他に、エリオット・ウェーブや自分の取引スタイルに合わせて編み出した独自のサイクル理論を組み合わせてトレード・プランを立てているようです。彼らは皆基本的にローン・ウルフですが、星読みやサイクルなどの技法ではお互い切磋琢磨してる雰囲気があって、そのオープンな感覚は層の厚さや土壌の違いとはいえ、羨ましい気もします。 "So, what about your trade plan?" どんなに優れた予測が出来ても、またそれを知り得ても、自分のトレードプランをしっかり立ててその通りに実行出来なければ「あ〜ぁ、予想どおりだったのに取れなかったよ」とグチるハメになる・・・彼らのひとりが先日こんなことを言っていました。 わたしはちょっと耳が痛かったですw。
最後に前回の版、「フォーキャスト2010」の目次から要約抜粋してご紹介しておきますね。なんとなく雰囲気がわかるかも?
【FORECASTS 2010】
◆フォーキャスト2010の翻訳にあたって by 皆川弘之氏
◆相場に関する天体の位相 (あれこれサラっと)
◆2008〜2012年カーディナル・クライマックス 解説
◆2010年の主要惑星の位相 解説
◆2010年の強力な天体アスペクト 解説
(土星・冥王星、土星・天王星、木星・・など解説)
◆水星・金星・火星の逆行期について
◆2010年の米国及び大統領について
◆2010年の米国T−ノート及び金利
(サイクルズ、ジオコズミクス、FRB始原図、重要変化日などの解説)
◆2010年の米国株式市場 (上記と同様の解説)
◆2010年の外国通貨/ドル・スイスフラン・ユーロ・円(上記と同様の解説)
◆2010年の日経平均株価(上記と同様の解説)
◆2010年の貴金属/金・銀(上記と同様の解説)
◆2010年の原油相場 (上記と同様の解説)
◆2010年の天候パターン
◆2010年の穀物相場/コーン・大豆・小麦(上記と同様の解説)
◆2010年の良い日/悪い日(参考としての扱い)
◆2010年星座別個人の運勢(参考としての扱い)
◆資料編:メリマン・サイクル理論とアストロロジーの簡単な解説編
Good Luck to You All !!
hiyoka.
October 24, 2010
金融アストロロジー/週間コメント by レイモンド・メリマン 10/25
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2010年10月25日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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※10/27 ≪長期的考察≫4ブロックめを一部訂正しました。(下線部)
※来週、11/1付けのコラムは都合でお休みさせていただきます。m(_"_)m
なお、merriman.jpさんから『フォーキャスト2011』の予約が次の週末から始まるとお知らせがありました。そこで来週はここでも2010年度版を参考に、フォーキャスト本についてサラッとご紹介しようかと思っています。
≪ 先週を振り返って ≫
以前のコラムで私達は、金と銀の市場における力強い上昇と有力なトップに向けて蠍座の火星が果たす重要な役割について、読者の方々に注意を喚起してきた。また天井を打つ時期についての私達の予測は、理想的には10/4〜26の間であると様々なリポートで特定してきた。その中日は10/15だった。過去数ヶ月間を振り返ってみると、金と銀はカーディナル・クライマックスのちょうど中間地点である7/28、それぞれ価格にして1155と1735あたりで重要な安値をつけたのを見てとることができる。その後、これらの貴金属は両方とも印象的な反騰を開始した。この反騰は実際、9月中旬、火星が蠍座に入場した時から始まっている。
そして今私達は、10/14、ファイナンシャル・アストロロジーというツールによって特定された時間帯中、その中心にあたる日のジャスト1日前、両市場が重要なトップをつけてまさに最高潮に達したことを確認することができる。その当日、金は1388、そして銀は2495にタッチした。 そしてこの1週間、両市場は今や7月下旬のボトム以来最も急激な下落を開始した。10/22金曜、ちょうど満月の日、金は1315まで、銀は2284まで売られた。
また、この反転は10/8金曜から始まった金星の逆行にも関連していたかもしれない。10/14の高値はそれからわずか4取引日目のことだったが、これはいわゆる「スピルオーバー/溢れ出し」としてそう珍しい事でもない。特にこれが、火星の蠍座進行という、天井をつけやすい時間帯の中間地点と調和しながら働いたという事実からすれば、なおさらの事だ。 金星は11/18まで逆行を続ける。また金融市場の歴史には、逆行開始日周辺のタイミングでサイクル高値(または安値)をつけ、その後トレンド転換が始まり、順行に転じる日近くまでその流れが続行するという、いくつかの実例がある。こうした動向は火星逆行のケースでも過去にいくつか観測されている。
株式市場では、先週火曜〜水曜、* 火星がニューヨーク証券取引所の始原図に厳しいアスペクトを形成する蠍座の重要な度数に入った時、強気市場が一時的に中断されたことに注目している。実際、火曜にはダウ平均が数週間のうちで最も大幅な下落を見せた。しかしながらそのすぐ翌日には回復し、事実上今年4/26の土星・天王星オポジション(180°)時につけた年初来高値11,258を試すところまで反騰してきている。だが先週論じたように、土星がカーディナル・クライマックスの惑星達(木星、天王星、そして冥王星)の枠組みからしばらくの間外れるため、今や世界の株式市場は揚力モードに入っている。
* ニューヨーク証券取引所 2010年10/19(火)9:30AMトランシット
(『フォーキャスト2010』に掲載されていた始原図の成立時間は10:30AMですが、このチャートは他のソースから10:10AM成立説をとっています。)
結局これは木星が支配している魚座における、木星・天王星のコンジャンクション(0°)に尽きる話だと言える。それは『資産インフレ特急』だ。世界各国が相次いで貿易市場の競争力で優位な立場をものにしようと、自国の通貨価値を下げようとしている。これは愚かな競争であり、おそらくはいわゆる貿易戦争や通貨のひずみといった、望ましくない結果へと導く行為だ。だがその後はまた、私の友人でミュージシャンの *ジョータウンが歌うように、『木星と恋に落ちるほどバカげたことはない/"Nothing Could be Stupider than to Fall in Love with Jupiter."』
私達は今や競争の時代に生きている。そしてこれは今後8年間、天王星が牡羊座を進行する間続いていくだろう。数週間前に無分別な考えが生み出された時、木星は天王星と共にあった。そして来年前半、今度は牡羊座で再び天王星と邂逅する。これはそれ自体で、多くの金融市場における、ワイルドな価格変動を強く指し示すものだ。だがまず第1に、株式市場にとっての強力な上昇気運をもたらすだろう。これは去年の『フォーキャスト2010』に書いたとおりだ。こうした事象は今現在、進行中だ。私はそれが制御しきれなくなるまでの間に何らかの物事がその流れを止める事になるのかどうか、確信が無い。これが木星(過剰)と天王星(行きすぎた興奮とリスク)の本質なのだ。*1)火星が射手座に入ろうとしている今、私達はそのシグナルを目撃するだろう。何故なら射手座もまた、木星がその支配権を握る星座宮だからである。
*)Jotown: メリマン氏のホームタウンでもあるミシガンを拠点に活動するミュージシャンで、アストロロジーの歴史や哲学に関するドキュメンタリー映画 『Return of Magi』 のサウンドトラック(歌・演奏)を担当している。(個人的にこの映画はスティーヴン・フォレストやロバート・ハンドなど、アストロロジー界の錚々たるメンバーのインタビューが網羅されているようで興味を惹かれる。)
"Return of Magi" Astrology Documentary Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=5-MLbqxTeYo
*1)火星の射手座入場:10/28 16:07頃(東京ローカル)
≪ 短期ジオコズミクス ≫
太陽はこの土曜日、天秤座を去って蠍座に入った。それは天秤座/牡羊座の最終度数で起きた満月の翌日だった。そして火星はまもなく蠍座を抜け、射手座での6週間にわたる旅を始める。今後、海王星が*11/7に順行に移るまでは、天上での主要な惑星の滞留やアスペクトは見られない。*1)11/18には金星と木星が両者共に順行を開始するが、それまでは穏やかな天界模様となるかもしれない。これはまるで全ての物事が11/2に行われる米国中間選挙後の余波の如何にかかっているかのようだ。
しかしながら、射手座に入った火星が「大人しくしている」とは考えにくい。射手座の火星は馭しがたい野生の馬だ。隙を見て手綱を逃れ、路上の全てを踏み散らしながらひたすら駆けていく。 あるいはまた、止まれない止まらない〜・・とばかりにフルスピードで爆走する長距離貨物列車に例えてもいい。これは「資産インフレ超特急」だ。この列車にはしばしの一休みをするような停車駅も無いのだ。 問題は選挙のみではない。様々な決定を保留することは、とりもなおさず株やその他の資産への資金の流れ込みを塞き止めない、ということだ。 そしてこの撥ね馬は、侵略者達の今後の軍事行動やテロリスト活動への企みも止めることがないだろう。とどのつまり射手座〜山羊座期の火星は、中東において常に緊張が高まり、イスラエルが普段より高度な危機に晒される時期と重なる。まずは原油に注目だ。
(東京ローカルタイム)
* )海王星順行:11/7 15:24
*1)金星順行:11/19 06:37 木星順行:11/19 02:13
※天王星順行:12/6 11:09
≪ 長期的考察 ≫
さてここで、蠍座における金星の逆行について少しばかり学習してみよう。蠍座は金星が *ディトリメントとなる星座でもある。まず注目すべきは、この蠍座の金星逆行が、火星と共に進行しているという点だ。火星は蠍座を支配している。そしてまた傍らに金星が寄り添うこともあって、この組み合わせはかなり蠱惑的で色っぽい働きをする。この際私は、あえて"政治的に正しくない"「性差別」的と言われそうな危険を冒してでも、金星とその支配する星座を「彼女」と呼ぶことにする。そして火星とその支配する星座は「彼」だ。アストロロジーの観点では、私達のだれもがその人格の中に(実際の性別に関係なく)男性性と女性性の両局面を持っているという理解があるとしても、である。
これら両惑星と蠍座は、金銭の持つスペクトルの両極を司っている。即ち、「富」と「負債」だ。同様に火星と金星は、蠍座と共に「愛」と「セクシュアリティ/性」というスペクトルの両極をも司っている。蠍座の火星は情熱を表し、蠍座の金星は渇望にも似た情動を示す。「富」を司る金星が、同時に「愛の探求」をも司るというのも、また興味深い事ではないだろうか? 金星は「美」と「フォルム/かたち」の惑星、いや、女神なのだ。彼女のシンボルは、*1)その手にバランス秤をかかげた正義の貴婦人だ。だがどんなに美しい貴婦人もそうであるように、蠍座での金星は、「誘惑する女=男たらし」となることが出来る。ことに彼女の情熱的な恋人、火星というかたちをとった「軍神」と結びつけたられた時はなおさらだ。
「で、それがいったい経済とどんな関係があると言うんだ?」とあなたは尋ねるだろうか? 象徴学的なスケール、即ちアストロロジー的言語から言えば、関係は大ありだ。 牡牛座の支配星としての金星は、美と安定性に満ちた世界を求める。これは、「物の価値」に関する確固とした基盤の上に成り立つ、経済的、そして心理的な安全感覚を必要とするということだ。 一方、天秤座の支配星としての彼女は、(あたかもバランス秤で均衡を保とうとするかのように)「パートナーを持つこと」に対する基本的な欲求を持っている。天秤座は常に『私達』という概念を中心に据えて考える。しかしながら火星はといえば、(例えペアを組んでいたとしても)多くの場合『私』を優先しがちだ。『私はそれが欲しい。今すぐにだ。』といったふうに。
金星は言う。『何かこう、美しくてお互いにその価値を認めあえるような物はないかしら?』 すると蠍座の火星が言う。『何でもいいから欲しいものをゲットしようぜ。値段の心配なんか要らない。借金なんて、オレ達なら何とでもなるさ!』 しかし金星は、預金で負債を相殺したいと望んでいる。彼女は堅実な牡牛座との繋がりにより、自分の総勘定元帳のバランスが負債に傾かず、ウェイトが資本や収益に置かれる事をとても重視している。だが蠍座はそうではない。何故なら、蠍座は「力」を望んでもいるからだ。「征服する」という行為にともなう野生的な力、そこから彼が得る「自分は強者なのだ」という感覚。そしてまた彼は、敵を支配するためなら大いに借金しても構わないとさえ思っている。最終的に彼が勝てば、その負債は結局、非常に良い投資だったことになるのを知っているからだ。
そのうえ彼は、その「力」が金星に対しては *2) 媚薬として効くことも知っている。だがこれはギャンブルだ。負債やデフォルトに密接に関連する星座や惑星を挙げるとすれば、そのトップに来るのは蠍座とその複支配星、冥王星と火星だからだ。そう、そして彼らは税金にも関わっている。もし土星または山羊座(政府)が全体図に含まれているならなおさらで、実際そのとおりの状況になっている。冥王星は山羊座に2008年〜2023年まで滞在する。そして私達は、土星が冥王星に対してウェイニング(閉じていく)スクエアを形成する年を終えたばかりだ。
言い換えれば、蠍座の金星と火星は、1年という長きにわたる土星へのスクエアを終えたばかりの山羊座の冥王星と共に、私達がこれからどちらの方向に向かおうとしているのか? その分かれ道となる重要な時点に達したことを示唆しているのだ *3)(金星と牡牛座 VS 火星と蠍座)。私達は金星が願っているように、安定した「かたち/形態」と「安全性」を選ぶことになるだろうか? それとも、彼女は自分の恋人が抱く「力」と「征服」への野望を抑えきれないだろうか? もし火星が勝てば、彼は負債の大増加をもたらす。彼はこれまでずっと、それを確実な投資であると自分に納得させてきた。だが本当のところ、この行為は実際にデフォルトをもたらすものであり、彼の通貨はグチャグチャになるだろう。その上さらに、彼は自分の恋人(即ち支持基盤と安全保証)を失うことになるのだ。
この、蠍座の金星と火星 — それぞれ「価値」と「その低下」のシンボル — の物語中には1つの教訓が存在する。ことに金星が逆行している状況下では、伝統的な価値体系と金銭に対する細やかな神経を持っていた過去の時代に戻りたいという衝動が生まれるてくる、ということだ。そしてこれが今日、確実に成長しつつある「勢い」の正体なのだ。それは国家の、そして個人レベルにおいても、バランスの取れた予算と、今よりはるかに規律を保った経済への取り組み姿勢に戻って行こうとする力だ。 あなたは今度の投票結果にその力を見ることができるだろう。
しかしそうは言っても相手は火星だ。時に彼は、もう手に負えないほどひたすら頑固になることがある。(蠍座に在っては特にそうだ。)そんな時は何ものも彼の征服への衝動をなだめることは出来ない。そしてこのために彼は金銭を必要し、当然のごとく債務を負う。
彼の行く末をどう推測するかって? 彼は判断を誤り、最愛の彼女を失うだろう。何故なら彼が方向転換を完了する以前に、すでに大きすぎる負債を背負うことになるからだ。彼女は彼の態度に引いてしまい、逆行している。彼女は彼から離れつつある。彼は勝利した。と同時に、彼は敗北したのだ。
だが一体金星は今、何をやっているのだろうか? 彼女は自分が支配する天秤座に戻ろうとしている。そこで彼女は自分が本来持っていた強さと勢いを盛り返し、自分自身の価値や個としての美しさを再確認するのだ。即ち11/8〜12/7、金星は彼女のホームである天秤座に里帰りする — というよりエステ付きのスパにでも行くのかもしれない。そして11/18、天秤座で順行に転じる(その時米国始原図の冥王星とスクエアになる)時をもって、彼女は「愛」と「価値保証=安全」を求める自らの探求の旅を、再び開始する。彼女は今や以前より強く、魅力的だ(つまりもっと支持されるようになる)。
その一方、火星は蠍座から射手座に活動の場を移し、10/28〜12/7まで滞在する。あなたは、彼が恋人(支持)を失ったというだけで、その浪費癖が止まると考えるだろうか? いや、それは無理だ。反対に、彼はもっと支出を増やし、さらに断固として支配力を求めるようになる。射手座と山羊座の領域を火星が旅する時(10/28〜1/15)、彼はより攻撃的に、より好戦的になり、そしてこれまで戦うために多くの資金を必要としてきた、"戦争"そのものに向かって行く傾向があるのだ。
だがまだだ。まだ金星は終わっていない。彼女はその、愛と安全への探求をけして終えてはいない。彼女はもう一度恋人と再会することになるが、次の逢瀬の場は彼女のターン、彼女の縄張りの牡牛座だ。それは来年晩春、五月の下旬となる。その時、彼女にはパワーがある。言い換えるならこれから先、その再会の時までは、リベラル派と保守派 、そして鷹と鳩は、選挙の過程で示された大衆の判断に関わらず、国の経済に関して真っ向から対立するアジェンダを追求することになるだろう。金星と火星は次の春、彼らが牡牛座で再び触れあう時、何かについて合意に達する地点をついに見出すことになるかもしれない。そしてこの時、触れあいの場所は彼女が支配するもう1つの星座宮であり、今度は彼のほうがディトリメントという、居心地の悪い立場に立たされるのだ。
*)ディトリメント:主に古典占星術の技法で星座と惑星の組み合わせにより品位/力の強弱が定められている。ディトリメント/障害の場合は力が弱まるとされている。
*1)金星は牡牛座と同時に天秤座の支配星でもある。
*2)原文 aphrodisiac:媚薬・催淫的な。ギリシャ神話における美と愛の女神アフロディーテ(英語名ビーナス=金星)から来ている言葉。この女神の奔放さを物語る逸話は多い。
*3)牡牛座と蠍座はホロスコープ上で180°対向に位置している。
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2010年10月25日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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※10/27 ≪長期的考察≫4ブロックめを一部訂正しました。(下線部)
※来週、11/1付けのコラムは都合でお休みさせていただきます。m(_"_)m
なお、merriman.jpさんから『フォーキャスト2011』の予約が次の週末から始まるとお知らせがありました。そこで来週はここでも2010年度版を参考に、フォーキャスト本についてサラッとご紹介しようかと思っています。
≪ 先週を振り返って ≫
以前のコラムで私達は、金と銀の市場における力強い上昇と有力なトップに向けて蠍座の火星が果たす重要な役割について、読者の方々に注意を喚起してきた。また天井を打つ時期についての私達の予測は、理想的には10/4〜26の間であると様々なリポートで特定してきた。その中日は10/15だった。過去数ヶ月間を振り返ってみると、金と銀はカーディナル・クライマックスのちょうど中間地点である7/28、それぞれ価格にして1155と1735あたりで重要な安値をつけたのを見てとることができる。その後、これらの貴金属は両方とも印象的な反騰を開始した。この反騰は実際、9月中旬、火星が蠍座に入場した時から始まっている。
そして今私達は、10/14、ファイナンシャル・アストロロジーというツールによって特定された時間帯中、その中心にあたる日のジャスト1日前、両市場が重要なトップをつけてまさに最高潮に達したことを確認することができる。その当日、金は1388、そして銀は2495にタッチした。 そしてこの1週間、両市場は今や7月下旬のボトム以来最も急激な下落を開始した。10/22金曜、ちょうど満月の日、金は1315まで、銀は2284まで売られた。
また、この反転は10/8金曜から始まった金星の逆行にも関連していたかもしれない。10/14の高値はそれからわずか4取引日目のことだったが、これはいわゆる「スピルオーバー/溢れ出し」としてそう珍しい事でもない。特にこれが、火星の蠍座進行という、天井をつけやすい時間帯の中間地点と調和しながら働いたという事実からすれば、なおさらの事だ。 金星は11/18まで逆行を続ける。また金融市場の歴史には、逆行開始日周辺のタイミングでサイクル高値(または安値)をつけ、その後トレンド転換が始まり、順行に転じる日近くまでその流れが続行するという、いくつかの実例がある。こうした動向は火星逆行のケースでも過去にいくつか観測されている。
株式市場では、先週火曜〜水曜、* 火星がニューヨーク証券取引所の始原図に厳しいアスペクトを形成する蠍座の重要な度数に入った時、強気市場が一時的に中断されたことに注目している。実際、火曜にはダウ平均が数週間のうちで最も大幅な下落を見せた。しかしながらそのすぐ翌日には回復し、事実上今年4/26の土星・天王星オポジション(180°)時につけた年初来高値11,258を試すところまで反騰してきている。だが先週論じたように、土星がカーディナル・クライマックスの惑星達(木星、天王星、そして冥王星)の枠組みからしばらくの間外れるため、今や世界の株式市場は揚力モードに入っている。
* ニューヨーク証券取引所 2010年10/19(火)9:30AMトランシット
(『フォーキャスト2010』に掲載されていた始原図の成立時間は10:30AMですが、このチャートは他のソースから10:10AM成立説をとっています。)
結局これは木星が支配している魚座における、木星・天王星のコンジャンクション(0°)に尽きる話だと言える。それは『資産インフレ特急』だ。世界各国が相次いで貿易市場の競争力で優位な立場をものにしようと、自国の通貨価値を下げようとしている。これは愚かな競争であり、おそらくはいわゆる貿易戦争や通貨のひずみといった、望ましくない結果へと導く行為だ。だがその後はまた、私の友人でミュージシャンの *ジョータウンが歌うように、『木星と恋に落ちるほどバカげたことはない/"Nothing Could be Stupider than to Fall in Love with Jupiter."』
私達は今や競争の時代に生きている。そしてこれは今後8年間、天王星が牡羊座を進行する間続いていくだろう。数週間前に無分別な考えが生み出された時、木星は天王星と共にあった。そして来年前半、今度は牡羊座で再び天王星と邂逅する。これはそれ自体で、多くの金融市場における、ワイルドな価格変動を強く指し示すものだ。だがまず第1に、株式市場にとっての強力な上昇気運をもたらすだろう。これは去年の『フォーキャスト2010』に書いたとおりだ。こうした事象は今現在、進行中だ。私はそれが制御しきれなくなるまでの間に何らかの物事がその流れを止める事になるのかどうか、確信が無い。これが木星(過剰)と天王星(行きすぎた興奮とリスク)の本質なのだ。*1)火星が射手座に入ろうとしている今、私達はそのシグナルを目撃するだろう。何故なら射手座もまた、木星がその支配権を握る星座宮だからである。
*)Jotown: メリマン氏のホームタウンでもあるミシガンを拠点に活動するミュージシャンで、アストロロジーの歴史や哲学に関するドキュメンタリー映画 『Return of Magi』 のサウンドトラック(歌・演奏)を担当している。(個人的にこの映画はスティーヴン・フォレストやロバート・ハンドなど、アストロロジー界の錚々たるメンバーのインタビューが網羅されているようで興味を惹かれる。)
"Return of Magi" Astrology Documentary Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=5-MLbqxTeYo
*1)火星の射手座入場:10/28 16:07頃(東京ローカル)
≪ 短期ジオコズミクス ≫
太陽はこの土曜日、天秤座を去って蠍座に入った。それは天秤座/牡羊座の最終度数で起きた満月の翌日だった。そして火星はまもなく蠍座を抜け、射手座での6週間にわたる旅を始める。今後、海王星が*11/7に順行に移るまでは、天上での主要な惑星の滞留やアスペクトは見られない。*1)11/18には金星と木星が両者共に順行を開始するが、それまでは穏やかな天界模様となるかもしれない。これはまるで全ての物事が11/2に行われる米国中間選挙後の余波の如何にかかっているかのようだ。
しかしながら、射手座に入った火星が「大人しくしている」とは考えにくい。射手座の火星は馭しがたい野生の馬だ。隙を見て手綱を逃れ、路上の全てを踏み散らしながらひたすら駆けていく。 あるいはまた、止まれない止まらない〜・・とばかりにフルスピードで爆走する長距離貨物列車に例えてもいい。これは「資産インフレ超特急」だ。この列車にはしばしの一休みをするような停車駅も無いのだ。 問題は選挙のみではない。様々な決定を保留することは、とりもなおさず株やその他の資産への資金の流れ込みを塞き止めない、ということだ。 そしてこの撥ね馬は、侵略者達の今後の軍事行動やテロリスト活動への企みも止めることがないだろう。とどのつまり射手座〜山羊座期の火星は、中東において常に緊張が高まり、イスラエルが普段より高度な危機に晒される時期と重なる。まずは原油に注目だ。
(東京ローカルタイム)
* )海王星順行:11/7 15:24
*1)金星順行:11/19 06:37 木星順行:11/19 02:13
※天王星順行:12/6 11:09
≪ 長期的考察 ≫
さてここで、蠍座における金星の逆行について少しばかり学習してみよう。蠍座は金星が *ディトリメントとなる星座でもある。まず注目すべきは、この蠍座の金星逆行が、火星と共に進行しているという点だ。火星は蠍座を支配している。そしてまた傍らに金星が寄り添うこともあって、この組み合わせはかなり蠱惑的で色っぽい働きをする。この際私は、あえて"政治的に正しくない"「性差別」的と言われそうな危険を冒してでも、金星とその支配する星座を「彼女」と呼ぶことにする。そして火星とその支配する星座は「彼」だ。アストロロジーの観点では、私達のだれもがその人格の中に(実際の性別に関係なく)男性性と女性性の両局面を持っているという理解があるとしても、である。
これら両惑星と蠍座は、金銭の持つスペクトルの両極を司っている。即ち、「富」と「負債」だ。同様に火星と金星は、蠍座と共に「愛」と「セクシュアリティ/性」というスペクトルの両極をも司っている。蠍座の火星は情熱を表し、蠍座の金星は渇望にも似た情動を示す。「富」を司る金星が、同時に「愛の探求」をも司るというのも、また興味深い事ではないだろうか? 金星は「美」と「フォルム/かたち」の惑星、いや、女神なのだ。彼女のシンボルは、*1)その手にバランス秤をかかげた正義の貴婦人だ。だがどんなに美しい貴婦人もそうであるように、蠍座での金星は、「誘惑する女=男たらし」となることが出来る。ことに彼女の情熱的な恋人、火星というかたちをとった「軍神」と結びつけたられた時はなおさらだ。
「で、それがいったい経済とどんな関係があると言うんだ?」とあなたは尋ねるだろうか? 象徴学的なスケール、即ちアストロロジー的言語から言えば、関係は大ありだ。 牡牛座の支配星としての金星は、美と安定性に満ちた世界を求める。これは、「物の価値」に関する確固とした基盤の上に成り立つ、経済的、そして心理的な安全感覚を必要とするということだ。 一方、天秤座の支配星としての彼女は、(あたかもバランス秤で均衡を保とうとするかのように)「パートナーを持つこと」に対する基本的な欲求を持っている。天秤座は常に『私達』という概念を中心に据えて考える。しかしながら火星はといえば、(例えペアを組んでいたとしても)多くの場合『私』を優先しがちだ。『私はそれが欲しい。今すぐにだ。』といったふうに。
金星は言う。『何かこう、美しくてお互いにその価値を認めあえるような物はないかしら?』 すると蠍座の火星が言う。『何でもいいから欲しいものをゲットしようぜ。値段の心配なんか要らない。借金なんて、オレ達なら何とでもなるさ!』 しかし金星は、預金で負債を相殺したいと望んでいる。彼女は堅実な牡牛座との繋がりにより、自分の総勘定元帳のバランスが負債に傾かず、ウェイトが資本や収益に置かれる事をとても重視している。だが蠍座はそうではない。何故なら、蠍座は「力」を望んでもいるからだ。「征服する」という行為にともなう野生的な力、そこから彼が得る「自分は強者なのだ」という感覚。そしてまた彼は、敵を支配するためなら大いに借金しても構わないとさえ思っている。最終的に彼が勝てば、その負債は結局、非常に良い投資だったことになるのを知っているからだ。
そのうえ彼は、その「力」が金星に対しては *2) 媚薬として効くことも知っている。だがこれはギャンブルだ。負債やデフォルトに密接に関連する星座や惑星を挙げるとすれば、そのトップに来るのは蠍座とその複支配星、冥王星と火星だからだ。そう、そして彼らは税金にも関わっている。もし土星または山羊座(政府)が全体図に含まれているならなおさらで、実際そのとおりの状況になっている。冥王星は山羊座に2008年〜2023年まで滞在する。そして私達は、土星が冥王星に対してウェイニング(閉じていく)スクエアを形成する年を終えたばかりだ。
言い換えれば、蠍座の金星と火星は、1年という長きにわたる土星へのスクエアを終えたばかりの山羊座の冥王星と共に、私達がこれからどちらの方向に向かおうとしているのか? その分かれ道となる重要な時点に達したことを示唆しているのだ *3)(金星と牡牛座 VS 火星と蠍座)。私達は金星が願っているように、安定した「かたち/形態」と「安全性」を選ぶことになるだろうか? それとも、彼女は自分の恋人が抱く「力」と「征服」への野望を抑えきれないだろうか? もし火星が勝てば、彼は負債の大増加をもたらす。彼はこれまでずっと、それを確実な投資であると自分に納得させてきた。だが本当のところ、この行為は実際にデフォルトをもたらすものであり、彼の通貨はグチャグチャになるだろう。その上さらに、彼は自分の恋人(即ち支持基盤と安全保証)を失うことになるのだ。
この、蠍座の金星と火星 — それぞれ「価値」と「その低下」のシンボル — の物語中には1つの教訓が存在する。ことに金星が逆行している状況下では、伝統的な価値体系と金銭に対する細やかな神経を持っていた過去の時代に戻りたいという衝動が生まれるてくる、ということだ。そしてこれが今日、確実に成長しつつある「勢い」の正体なのだ。それは国家の、そして個人レベルにおいても、バランスの取れた予算と、今よりはるかに規律を保った経済への取り組み姿勢に戻って行こうとする力だ。 あなたは今度の投票結果にその力を見ることができるだろう。
しかしそうは言っても相手は火星だ。時に彼は、もう手に負えないほどひたすら頑固になることがある。(蠍座に在っては特にそうだ。)そんな時は何ものも彼の征服への衝動をなだめることは出来ない。そしてこのために彼は金銭を必要し、当然のごとく債務を負う。
彼の行く末をどう推測するかって? 彼は判断を誤り、最愛の彼女を失うだろう。何故なら彼が方向転換を完了する以前に、すでに大きすぎる負債を背負うことになるからだ。彼女は彼の態度に引いてしまい、逆行している。彼女は彼から離れつつある。彼は勝利した。と同時に、彼は敗北したのだ。
だが一体金星は今、何をやっているのだろうか? 彼女は自分が支配する天秤座に戻ろうとしている。そこで彼女は自分が本来持っていた強さと勢いを盛り返し、自分自身の価値や個としての美しさを再確認するのだ。即ち11/8〜12/7、金星は彼女のホームである天秤座に里帰りする — というよりエステ付きのスパにでも行くのかもしれない。そして11/18、天秤座で順行に転じる(その時米国始原図の冥王星とスクエアになる)時をもって、彼女は「愛」と「価値保証=安全」を求める自らの探求の旅を、再び開始する。彼女は今や以前より強く、魅力的だ(つまりもっと支持されるようになる)。
その一方、火星は蠍座から射手座に活動の場を移し、10/28〜12/7まで滞在する。あなたは、彼が恋人(支持)を失ったというだけで、その浪費癖が止まると考えるだろうか? いや、それは無理だ。反対に、彼はもっと支出を増やし、さらに断固として支配力を求めるようになる。射手座と山羊座の領域を火星が旅する時(10/28〜1/15)、彼はより攻撃的に、より好戦的になり、そしてこれまで戦うために多くの資金を必要としてきた、"戦争"そのものに向かって行く傾向があるのだ。
だがまだだ。まだ金星は終わっていない。彼女はその、愛と安全への探求をけして終えてはいない。彼女はもう一度恋人と再会することになるが、次の逢瀬の場は彼女のターン、彼女の縄張りの牡牛座だ。それは来年晩春、五月の下旬となる。その時、彼女にはパワーがある。言い換えるならこれから先、その再会の時までは、リベラル派と保守派 、そして鷹と鳩は、選挙の過程で示された大衆の判断に関わらず、国の経済に関して真っ向から対立するアジェンダを追求することになるだろう。金星と火星は次の春、彼らが牡牛座で再び触れあう時、何かについて合意に達する地点をついに見出すことになるかもしれない。そしてこの時、触れあいの場所は彼女が支配するもう1つの星座宮であり、今度は彼のほうがディトリメントという、居心地の悪い立場に立たされるのだ。
*)ディトリメント:主に古典占星術の技法で星座と惑星の組み合わせにより品位/力の強弱が定められている。ディトリメント/障害の場合は力が弱まるとされている。
*1)金星は牡牛座と同時に天秤座の支配星でもある。
*2)原文 aphrodisiac:媚薬・催淫的な。ギリシャ神話における美と愛の女神アフロディーテ(英語名ビーナス=金星)から来ている言葉。この女神の奔放さを物語る逸話は多い。
*3)牡牛座と蠍座はホロスコープ上で180°対向に位置している。
訳文ここまで
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October 17, 2010
金融アストロロジー/週間コメント by レイモンド・メリマン 10/18
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2010年10月18日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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※今回は都合により≪先週を振り返って≫と≪短期ジオコズミクス≫のみの抄訳とさせていただきます。m(_"_)m
※なお、≪長期的考察≫では、金・銀市場、そして穀物市場とカーディナル・クライマックスとの正確な符合について言及、穀物市場にみられた急騰と急落が金や銀にも 起こりうるかという設問に対しては、特に火星の蠍座離脱後と11月の選挙結果で「反赤字グループ」が勝つような結果になればそれもありうると述べていま す。ただし、それも「資産インフレ超特急」の終着駅ではなく、木星・天王星の牡羊座進行にともない、2011年前半まで続いてしまう可能性もあること、またそうした素晴らしい相場環境には常にバブル崩壊の危機が付きまとうとしています。
また、株式市場については、1928〜1934のカーディナル・クライマックス時と今回を比較検証。当時の世界経済破綻の進行と今回の様相の相関関係に言及、そして今回の相場動向が超長期72〜90年サイクルでの18ヶ月にわたるボトム形成に符合し、実際の底がカーディナル・クライマックスのパラメータ範囲内にあったことを検証・・・と、大体こんな感じだったかと思います。
≪ 先週を振り返って ≫
木星・天王星(土星抜きの)が走らせる「資産インフレーション列車」は、先週、世界の株式市場でフル・スロットル状態となった。ドイツのDAX、ブラジルのボベスパ、アルゼンチンのメルバル、香港のハンセン、インドのニフティなど、いくつかの株式指数が年初来高値まで上りつめ、そのうちメルバルのケースでは史上最高値を記録した。他の市場では、4月下旬の年初来高値と肩を並べる水準まで騰がった。またこれはオランダのAEX、ロンドンのFTSE、オーストラリアのオールオーディナリーズ、モスクワのMicex、ダウ工業平均、そしてナスダック総合においても同様であった。日本の日経とスイスのSMIはサイクル新高値をつけることはなかった。だがこれは未だに異市場間弱気ダイバージェンスとは言えない。何故なら全ての指数が先週、その高値付近で引けていて、安値で終わってはいないからだ。10/8、金星逆行の滞留があった日でさえ、木星・天王星が作り出す怒濤の群れの勢いは止まらなかった。とりあえず、今のところは...。
「資産インフレ超特急」は株式市場に留まらなかった。金もまた、木曜日の*「月の反転日」に1388まで達し、史上最高値に急騰した。また銀は同日、1980年以来の最高値水準である2500を試しに行った。一方、諸悪の根源は滝落とし状態の米ドルで、これは連邦準備制度理事会の超緩和的金融政策と、ホワイトハウス及び議会の財政上アンバランスな支出政策に関連している。彼らは今年の予算への合意さえせずに会議を終わらせた。こうした政策に呼応して、スイスフランは米ドルに対しこれまでの最高値水準まで急上昇、その間日本円も今や15年前に達成された史上最高値に迫る勢いを見せている。「フォーキャスト2010」がこうした状況をどれくらい正確に予測していたかに関するレビューは www.mmacycles.com (SCORECARD FOR FORECAST 2010)を参照してほしい。
*)月の反転日:原文 "lunar reversal date"
メリマン氏の著書 『The Ultimate Book on Stock Market Timing Vol. IV - Solar-Lunar Correlations to Short-Term Trading Cycles.』
and/or
『The Sun, the Moon and the Silver Market: Secrets of a Silver Trader 』 に出てくる用語ではないかと思われる。
≪ 短期ジオコスミクス ≫
9/18の木星・天王星コンジャンクションがその勢いを止めることはなかった。9/21、木星と天王星に対しオポジションとなった太陽が、殆どの国の株式市場で少しの間ブレーキをかけたものの、米国市場はノーブレーキで突っ走った。(これは一体何を意味するだろうか?) 10/7、天秤座の新月や10/8の金星滞留と逆行もまた、それを止めることはなかった。8月下旬のカーディナル・クライマックスから土星が抜けて行って以来、世界中の株式市場が今、熱く燃えている。魚座の木星・天王星にとってこれは順風満帆の船出であり、そしてまもなく牡羊座へと向かうことになる。
だがちょっと待って欲しい。今後もこれらの市場が何ヶ月もストレートに騰がっていくことなど不可能ではないか? 普通はそう考えるだろう。特に私達は今週、天秤座の満月を迎え、また進行する火星が、少なくとも2〜3日の急激な下落としばしば一致する黄道帯の重要なポイントにあるのだ。しかも私達は、依然として金星逆行が示唆する反転の有効圏内にある。それは余すところたったの5取引日だが、時にはそのオーブは最大12取引日まで引き延ばされることがある。今までのところ、ダウ工業平均の高値は10/13木曜に付けており、これは金星逆行開始からわずか3日後のことだ。とはいえ、要するに私達が「バブル」を経験する時は、何ものもそれを予定通りに止めることは出来ない。それはいつも、止まるべきラインを踏み越えていくのだ。
今週はまた、いくつかのジオコズミック・サインが展開する時間帯が控えている。これらのトランシットに関わる主要な惑星は蠍座の火星だ。10/20、火星は木星とトライン(120°)を形成、その2日後10/22には海王星とスクエア(90°)になる。この組み合わせは相場の流れそのものを変える程の強さは無いかもしれない。しかし、そのトレンドを維持しつつも、一旦調整に向かう、という動きと一致する可能性がある。
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2010年10月18日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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※今回は都合により≪先週を振り返って≫と≪短期ジオコズミクス≫のみの抄訳とさせていただきます。m(_"_)m
※なお、≪長期的考察≫では、金・銀市場、そして穀物市場とカーディナル・クライマックスとの正確な符合について言及、穀物市場にみられた急騰と急落が金や銀にも 起こりうるかという設問に対しては、特に火星の蠍座離脱後と11月の選挙結果で「反赤字グループ」が勝つような結果になればそれもありうると述べていま す。ただし、それも「資産インフレ超特急」の終着駅ではなく、木星・天王星の牡羊座進行にともない、2011年前半まで続いてしまう可能性もあること、またそうした素晴らしい相場環境には常にバブル崩壊の危機が付きまとうとしています。
また、株式市場については、1928〜1934のカーディナル・クライマックス時と今回を比較検証。当時の世界経済破綻の進行と今回の様相の相関関係に言及、そして今回の相場動向が超長期72〜90年サイクルでの18ヶ月にわたるボトム形成に符合し、実際の底がカーディナル・クライマックスのパラメータ範囲内にあったことを検証・・・と、大体こんな感じだったかと思います。
≪ 先週を振り返って ≫
木星・天王星(土星抜きの)が走らせる「資産インフレーション列車」は、先週、世界の株式市場でフル・スロットル状態となった。ドイツのDAX、ブラジルのボベスパ、アルゼンチンのメルバル、香港のハンセン、インドのニフティなど、いくつかの株式指数が年初来高値まで上りつめ、そのうちメルバルのケースでは史上最高値を記録した。他の市場では、4月下旬の年初来高値と肩を並べる水準まで騰がった。またこれはオランダのAEX、ロンドンのFTSE、オーストラリアのオールオーディナリーズ、モスクワのMicex、ダウ工業平均、そしてナスダック総合においても同様であった。日本の日経とスイスのSMIはサイクル新高値をつけることはなかった。だがこれは未だに異市場間弱気ダイバージェンスとは言えない。何故なら全ての指数が先週、その高値付近で引けていて、安値で終わってはいないからだ。10/8、金星逆行の滞留があった日でさえ、木星・天王星が作り出す怒濤の群れの勢いは止まらなかった。とりあえず、今のところは...。
「資産インフレ超特急」は株式市場に留まらなかった。金もまた、木曜日の*「月の反転日」に1388まで達し、史上最高値に急騰した。また銀は同日、1980年以来の最高値水準である2500を試しに行った。一方、諸悪の根源は滝落とし状態の米ドルで、これは連邦準備制度理事会の超緩和的金融政策と、ホワイトハウス及び議会の財政上アンバランスな支出政策に関連している。彼らは今年の予算への合意さえせずに会議を終わらせた。こうした政策に呼応して、スイスフランは米ドルに対しこれまでの最高値水準まで急上昇、その間日本円も今や15年前に達成された史上最高値に迫る勢いを見せている。「フォーキャスト2010」がこうした状況をどれくらい正確に予測していたかに関するレビューは www.mmacycles.com (SCORECARD FOR FORECAST 2010)を参照してほしい。
*)月の反転日:原文 "lunar reversal date"
メリマン氏の著書 『The Ultimate Book on Stock Market Timing Vol. IV - Solar-Lunar Correlations to Short-Term Trading Cycles.』
and/or
『The Sun, the Moon and the Silver Market: Secrets of a Silver Trader 』 に出てくる用語ではないかと思われる。
≪ 短期ジオコスミクス ≫
9/18の木星・天王星コンジャンクションがその勢いを止めることはなかった。9/21、木星と天王星に対しオポジションとなった太陽が、殆どの国の株式市場で少しの間ブレーキをかけたものの、米国市場はノーブレーキで突っ走った。(これは一体何を意味するだろうか?) 10/7、天秤座の新月や10/8の金星滞留と逆行もまた、それを止めることはなかった。8月下旬のカーディナル・クライマックスから土星が抜けて行って以来、世界中の株式市場が今、熱く燃えている。魚座の木星・天王星にとってこれは順風満帆の船出であり、そしてまもなく牡羊座へと向かうことになる。
だがちょっと待って欲しい。今後もこれらの市場が何ヶ月もストレートに騰がっていくことなど不可能ではないか? 普通はそう考えるだろう。特に私達は今週、天秤座の満月を迎え、また進行する火星が、少なくとも2〜3日の急激な下落としばしば一致する黄道帯の重要なポイントにあるのだ。しかも私達は、依然として金星逆行が示唆する反転の有効圏内にある。それは余すところたったの5取引日だが、時にはそのオーブは最大12取引日まで引き延ばされることがある。今までのところ、ダウ工業平均の高値は10/13木曜に付けており、これは金星逆行開始からわずか3日後のことだ。とはいえ、要するに私達が「バブル」を経験する時は、何ものもそれを予定通りに止めることは出来ない。それはいつも、止まるべきラインを踏み越えていくのだ。
今週はまた、いくつかのジオコズミック・サインが展開する時間帯が控えている。これらのトランシットに関わる主要な惑星は蠍座の火星だ。10/20、火星は木星とトライン(120°)を形成、その2日後10/22には海王星とスクエア(90°)になる。この組み合わせは相場の流れそのものを変える程の強さは無いかもしれない。しかし、そのトレンドを維持しつつも、一旦調整に向かう、という動きと一致する可能性がある。
訳文ここまで
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October 10, 2010
金融アストロロジー/週間コメント by レイモンド・メリマン 10/11
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2010年10月11日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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※10/12≪短期ジオコズミクス≫の最後のパートを飛ばしてました!スミマセン。m(_"_)m 下線部分を付け足しました。
※来週のメリマン・コラムは都合により、またまたお休みさせていただくか、または抄訳にさせていただくかもしれません。m(_"_)m
≪ 先週を振り返って ≫
まず始めに、先日の講演旅行を成功に導いて下さったアルゼンチンとブラジルの全ての読者と購読者の皆さんに感謝申し上げたい。ブエノスアイレスでは皆さんの株価指数メルヴァルが史上最高値を記録し、リオデジャネイロでは皆さんの国のボヴェスパが4月以来の最高値ゾーンに駆け上った。その時、その場に居あわせることが出来たのは、私にとって大変にエキサイティングな経験だった。
さて前回、2週間前のコラムから、世界の株価は8月下旬の反騰開始以来力強く反騰し続けてきた。アジア及び環太平洋地域では、私達が追っている全ての指数で数ヶ月来の最高値が記録された。だがその中でも最も輝くパフォーマンスを見せたのは香港のハンセンであり、金曜には2009年11月以来の最高値レベル、23,000まで上りつめた。
ヨーロッパでは、ロンドンのFTSEもまた数ヶ月来の新高値まで上昇し、火曜の新月には5707を記録した。これは9/21の直近高値5635を超えたものの、4/16につけた5833には届かなかった。しかしながら、アムステルダムのAEX、ドイツのDAX、またチューリヒのSMIはどれも9/21の高値を抜いていないことから、金星逆行に伴う異市場間弱気ダイバージェンスの潜在的事例を示唆している。またロシアのMIXEXは、FTSEと同様に9/21の高値を超えている。
アメリカ大陸では、アルゼンチンのメルヴァルが先週、史上最高値を記録し、そしてブラジルのボヴェスパが半年ぶりの新高値まで上昇した。ダウ工業平均は5月初旬以来初めて11,000台に乗せて引けた。またナスダック総合は短時間2400以上に達し、9/30と10/5にもかろうじて達成したラインに届いた。
先週は貴金属と通貨にとってもまた重要な週となった。10/7、金は史上最高値1366を達成、一方銀は2356まで上昇して反落したが、これは1980年の活気あふれる時代以来の最高値水準であった。こうした動きの要因は米ドルの崩壊であり、ドルはスイス・フランに対して史上新安値まで下がり、そして日本円に対しては新たにここ15年来の最安値まで下落したのだった。
≪ 短期ジオコズミクス ≫
私達は今や、11個の重要なジオコズミック・サインが目白押しだった9/8〜10/8という強力な時間帯の終わりに来ている。そのうち最も重要だったのは、9/18の木星・天王星コンジャンクション(0°)、9/21の太陽・木星オポジション(180°)、そして10/8からの金星逆行であった。これらの全てが、『The Ultimate Book on Stock Market Timing (究極の株価タイミング)第3巻 "Geocosmic Correlations to Trading Cycles"』で述べたように「レベル1」のジオコズミック・サインだったのだ。レベル1のサインは株式市場におけるプライマリー・サイクル、またはより長期のサイクルとの間に、歴史的に見て少なくとも67%という相関関係を持っている。そのオーブ(時間的ズレの許容範囲)は12取引日だ。(だが通常そのゆらぎはずっと少ない。)
前置きでも述べたように、ヨーロッパのいくつかの市場が9/21にサイクル高値をつけたが、これはこの時間帯の中間地点だった。また他の市場は、天秤座の新月と金星逆行というサインが展開した先週末、新高値をつけた(10/7〜8)。 月曜には2日間にわたり射手座ファクターが展開するが、これは先週末からの相場傾向の余波をもたらすかもしれない。しかし、この期間が強力なミュータブル(柔軟宮で起きる)ルナーサイクル(太陰/月の周期)であることから、このあたりから相場の反転も同様に始まる可能性がある。
しかしながら、金融アストロロジャーにとって今現在効力を発している最も重要な要素は、蠍座で逆行に転じた金星と、同じ蠍座での火星とのコンジャンクションだ。金星は通貨や高付加価値資産に関連する。そして金と富のサインである牡牛座の支配星だ。だが、現在金星の位置する蠍座は牡牛座のオポジット(180°対向の)サインであり、これは金星の品位が「フォール」であることを意味する。つまり力が弱まるのだ。自分の資産価値を上げたいという願望は金星と牡牛座のものだ。だが、蠍座とその支配星である火星は負債の蓄積に関連している。ある理由から、米ドルは火星が蠍座を進行中に下がりやすく、そして貴金属は急上昇する傾向がある。これが再び起こっている。
しかし金星の逆行は、それだけでパワフルな相場反転のシグナルだ。これは歴史的に見て、プライマリー・サイクルの底よりは天井と、より高い相関性を持つ。とはいえ前回これが起きた2009年3/6は、ダウ平均における72年サイクルの底を打った、まさにその日だったのだが。金星は5回目の逆行で黄道帯の同じ位置(同じ星座のほぼ同じ度数)に戻り、これを8年毎に繰り返す。以前蠍座の中間度数で逆行が起きたのは2002年10月のことで、これは4年サイクルの底を打ちITバブル後の弱気相場に終わりを告げた、まさにその日であった。 だが今回は底(安値)ではない。これが相場の反転と関連しているとすれば、それはプライマリー・サイクルの天井から始まることになる。何故なら、どの指数を見るかによって基点は異なるものの、多くの株式指数が5/20〜6/6につけた安値からほぼ最高値水準まで上りつめているからだ。もし市場がここで反転しないなら、これは確率として残り22%のケースとなる。
すなわち、ここでの重要な相場反転の歴史的頻度は78%ということになる。こうした反転がその規模においてどの程度で、どれくらい長く続くかは、今週末のMMAサイクルズ・レポートで検討する予定の多くの要素に依拠している。 だがとりあえず今のところは、天秤座の新月期周辺で高値をつけた場合、*2週間後に控えた満月に向かって急激な下落が後に続くという事例が過去にあったことを、頭に入れておくに留めよう。 これは金星逆行の経過と共に起きてくる。 経済情勢の変化、金融・財政政策の転換等を示す兆候に十分注意を払わなければならない。それは相場変動に拍車をかけるものだからだ。
*)次の満月は日本時間(東京ローカル)で10/23 午前10:54ごろ、牡羊座29°32'で起きる。以前のコラムでメリマン氏が言及した「ブルー・ムーン」(同じサイン、又は同じ月間に満月が2回起きること)の1種となる。
≪ 長期的考察 ≫
私は間違っていた。そうだ、勿論これはそう頻繁に起こることではない。
だがもし1度でも起こってしまえば、それはもう十分過ぎるくらいのことなのだ。これは全てのマーケット・アナリストへの呪いだ。あなたはチャートを眺め、数字を見つめ、そして起こりうる物事の確率を把握している。あなたはきちんとした準備とリサーチを終えているからだ。そしてあなたは歴史的実例に基づく、少なくとも80%の確率と共に歩を進める。しかし時に物事は20%未満の確率で起こるものだ。そして事実上、あなたが予想したシナリオ通りに事が起こらない時には、まったく正反対のことが起きているのだと考え始めねばならい。あるいは、あなたが天王星の関わるアスペクトの影響下にあるか、のどちらかだ。その場合は何をどう予測しようが、何事も思った通りには起きてこない。
そして私はここに至り — ファイナンシャル・アナリストのマスターたる者として、また音に聞こえた金融アストロロジャーの強者として、*そして脳内伝説に生きる誉れ高き愚か者として — 株式市場が今年の終わりを節目とした、より長期サイクルの底値に向かっているのだと完全に確信していたのだ。つまるところ、あの2010年7/2の安値を2009年3/6からの50週サイクルの大底とするにはいかにもタイミングが遅すぎた。これは実際には69週目に起きており、67週目を過ぎてから50週サイクルの底を打つというケースは、歴史を振り返ってもたったの8%しか無い。 一体誰が8%の確率に賭けることを選ぶだろうか? 50週サイクルの底は2/5(48週目)の、あの安値でなければならなかった。このことは、新しい50週サイクルがその時から始まっていて、2010年9月以降、他の幾つかの、より長期サイクルの節目が丁度やってくる頃までは底をつけることが無いということを意味していた。 だが、8%の確率は現に起こったのだ。今まで市場のトレーダーに対し、傲慢さや教条主義の罠について散々語ってきた筈の私なのだが...。
こうして私は今に至り、実際には新しい50週サイクルの最初の位相にあるという時に、あたかも古いサイクルの最終位相にあるかのようなポートフォリオで取引し、ポジションを取っている。サイクル理論研究に馴染みが無い人達にとって、以下の事柄は重要なポイントだ。サイクルの最終位相は殆ど常に弱気である。それはずっと強気であった1サイクルの中で、最も弱気な部分なのだ。そしてサイクルの第1位相は殆ど常に強気だ。それゆえ、サイクルの最終位相における売買戦略は、第1位相のそれとは全く異なってくる。最終位相での戦略は反発を売ること。第1位相での戦略は突っ込みを買うこと。それがサイクル・アナリストやサイクル・トレーダーの手順だ。
それでは金融アストロロジーの観点ではどうだろうか?
過ぎ去った今年の夏について、天体位相は何を語っていたのだろうか? 『フォーキャスト2010』で述べたように私は、5月下旬と6月上旬に起きた木星・天王星のコンジャンクションの影響下で非常に投機的な市場環境が始まり、その只中で金融資産(株や金など)は急激な反発に見舞われやすいという先入観を持っていた。それは「金融資産インフレの暴走」となる筈だった。過去140年強の木星サイクルに基づき、株式市場は2011年初頭にかけて高々と舞い上がることが期待された。(『フォーキャスト2010』参照) だがそれは、共に投機の力学を示唆する木星・天王星の牡羊座入場直後には起こらなかった。そして実際には8月下旬まで始まることはなかった。では何故5月下旬から6月初頭には起こらなかったのか? さて、ここで私自身と全ての金融アストロロジャーにとって学びの体験でもあった、金融アストロロジーの力学に辿り着く。私達プロフェッショナルもまた、常に学習の徒なのだ。
ワイルドで投機的な組み合わせである木星・天王星が、衝動的な火のサイン、牡羊座に入った5月下旬〜6月上旬。だが市場がそこから飛翔することはなかった。何故ならその時同時に、土星が牡羊座の木星・天王星とオポジションを形成していた。(そしてそれらは全て山羊座の冥王星とスクエア(90度)だった。)土星は「恐怖と抑制」の原理に関係している。投資家達がより投機的な株式を選ばず米国債の安全性を求めた時、恐怖が市場のセンチメントに入り込んできた。このトランシットの土星によるハードアスペクトは・・・8/21まで終わることはなかった。そしてその後、株や貴金属のような金融資産の価格爆発が始まったのだ。投資家達は結局、株や貴金属市場に見られる、より力強い伸びしろを求めて国債からのごく僅かな利回りを見限った。それはまさに予測通りではあったが、ただ時間にして2ヶ月ほど遅く、土星がカーディナル・クライマックスの中心部から離れ始めた直後のことだった。
今やその土星も2011年3月までは木星・天王星とのアスペクトの埒外となり、資産インフレ祭りを先導する楽隊車を止めるような金融アストロロジー上の要素は殆ど無いに等しい — おそらく金星逆行期の数週間の調整を除いては。 一方私は、その合間に、新しいサイクルの最初の位相(強気)であることが明確になったこの時間帯を、より長期サイクルの最終位相(弱気)として扱ったことにより負った、自分自身の傷を克服するつもりだ。
残念ながら、ごく普通の人間である私にもまた相場と同様、人として幾つものサイクルがある。だが幸いなことに、過去の経験から常に学ぼうとしてきたごく普通の人間として、私は市場における自分のライフスタイルを危険に晒してはいない。だから私は一旦理解の光を得れば必要な調整を行う。(勿論、その光が再び私の目を眩ましていなければ、の話だが。) 傲慢さと凝り固まった精神は、とどのつまり、相場の覇者への道程において致命的な一撃となる。
さて、もし中央銀行の総裁達や政治家達が同様に、今や再び戻ってきた*1)過去のサイクルから学ぶことが出来たなら、そしてもし理解の光を得て、彼らの足を猛烈な支出と果てしない刺激というアクセルから離すことが出来たなら、私達はこの経済の*2)『トワイライト・ゾーン』を抜け出せるかもしれない。
何故昨今の投資環境が、1990年代終盤そしてITバブル当時の様相をこうまで私に思い出させるのだろうか? この疑問を2011年初頭にもう一度投げかけてみよう。それまでは、悪いニュースが巷を駆け巡り、ネガティブな内容に満ちあふれた選挙運動が繰りひろげられようとも、この波乗りを楽しんでほしい。 特に土星が自分の道をひたすら歩むことに専念し、あれこれと物事を押さえつけるのをやめている今、市場はこうした*3)「心配事の壁」をよじ登りたがるだろう。
そうこうしている間に、連邦政府の取り締まり屋達(規制当局)は、先週ワシントン州のショアライン・バンクを閉鎖した。これは今年に入って129行目の破綻だ。そしてその数は去年潰れた銀行数、140行に刻々と近付きつつある。
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* )脳内伝説に生きる誉れ高き愚か者として:原文"Legend in his own mind"
自分は誰よりも賢くスマートでモテまくりで全知全能だと思いこみ、それらしくふるまうが、実際には口だけの愚か者を皮肉った言葉。70年代から活躍する、黒いディランと呼ばれた闘うジャズ・ファンク詩人、ギル・スコット・ヘロンがこのタイトルで歌っている。
GIL SCOTT HERON Legend In His Own Mind
http://www.youtube.com/watch?v=tPTE0Fbruzg
*1)過去のサイクル:以前のメリマン・コラムや『フォーキャスト2010』で詳述されている、米国やFRBの始原図などにおいて、進行中の惑星サイクルが今後長期にわたって回帰し再びアスペクトを形成することを指すと思われる。
*2)Twilight Zone:黄昏時。1959年〜1960年代にアメリカで放映された、シュールで少し不気味なSFテレビドラマシリーズのタイトルでもある。その後1985年、2002年にリメイクされている。日本では60年代に主に「ミステリー・ゾーン」のタイトルで放映された。円谷プロの「ウルトラQ」シリーズに影響を与えたことでも有名。
(以前のコラムで語られたカーディナル・クライマックスの文学的描写は、秘かにこのあたりのイメージから来ているような気もしたりしなかったり。。。)
Twilight Zone Opening THEME MUSIC 1962 Rod Serling
http://www.youtube.com/watch?v=-b5aW08ivHU
ミステリーゾーン(日本語版)
http://www.youtube.com/watch?v=eRwRU0nSPKM
*3)「心配事の壁」="wall of worry":市場が経済危機や政治的な要因などで不安定な時に株価が上昇する場合に使われる言葉。"The stock market is climbing a wall of worry".
訳文ここまで
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【翻訳を終えて】
今回の長期的考察でメリマン氏は自分自身のサイクルについて少しだけ触れている。実際彼のバース・チャートを見ると、ここ数ヶ月の間、アングルと呼ばれる重要な感受点上で(オーブ2°〜4°)このカーディナル・クライマックスが起きていたことがわかる。これだけのハードアスペクトを受け続ければ、メリマン氏ほどの人でも柔軟な判断がしにくくなるということなのかもしれない。人間である以上、どんなに理屈がわかっていたとしても、目に見えない圧力によってこころも体も影響を受けることには変わりない。自分でもひとのチャートを見るとき、今の自分の状況が判断に影を落とさないよう、今まで以上に気をつけていこうと思った。
それにしても、プロフェッショナルとして自分の間違いを正面から認める(しかも無料版で)というのは勇気の要ることじゃないかと思う。相場の世界は、ニッコリ笑ってひとをカモにするようなひと達も存在する。けれどメリマン氏の文章からは、アストロロジーの研究者としての矜恃と誠実さを感じる。今回の長期的考察は、アストロロジーを学ぶものとして色んな意味で教えられる部分があった。
・・・それにしても毎回、なかなかにハードル高い長文です。時にはメリマン氏特有のお茶目もサクレツして、よくわからずアセることもしばしばです。(^_^;) またいつも時間切れ気味で、見直しが行き届かない部分もあるかと思います。もしなにかヘンなところがありましたらツッコミよろしくお願いします。。
hiyoka.
レイモンド・メリマン・コラム 2010年10月11日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の*は翻訳者によるものです)
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※10/12≪短期ジオコズミクス≫の最後のパートを飛ばしてました!スミマセン。m(_"_)m 下線部分を付け足しました。
※来週のメリマン・コラムは都合により、またまたお休みさせていただくか、または抄訳にさせていただくかもしれません。m(_"_)m
≪ 先週を振り返って ≫
まず始めに、先日の講演旅行を成功に導いて下さったアルゼンチンとブラジルの全ての読者と購読者の皆さんに感謝申し上げたい。ブエノスアイレスでは皆さんの株価指数メルヴァルが史上最高値を記録し、リオデジャネイロでは皆さんの国のボヴェスパが4月以来の最高値ゾーンに駆け上った。その時、その場に居あわせることが出来たのは、私にとって大変にエキサイティングな経験だった。
さて前回、2週間前のコラムから、世界の株価は8月下旬の反騰開始以来力強く反騰し続けてきた。アジア及び環太平洋地域では、私達が追っている全ての指数で数ヶ月来の最高値が記録された。だがその中でも最も輝くパフォーマンスを見せたのは香港のハンセンであり、金曜には2009年11月以来の最高値レベル、23,000まで上りつめた。
ヨーロッパでは、ロンドンのFTSEもまた数ヶ月来の新高値まで上昇し、火曜の新月には5707を記録した。これは9/21の直近高値5635を超えたものの、4/16につけた5833には届かなかった。しかしながら、アムステルダムのAEX、ドイツのDAX、またチューリヒのSMIはどれも9/21の高値を抜いていないことから、金星逆行に伴う異市場間弱気ダイバージェンスの潜在的事例を示唆している。またロシアのMIXEXは、FTSEと同様に9/21の高値を超えている。
アメリカ大陸では、アルゼンチンのメルヴァルが先週、史上最高値を記録し、そしてブラジルのボヴェスパが半年ぶりの新高値まで上昇した。ダウ工業平均は5月初旬以来初めて11,000台に乗せて引けた。またナスダック総合は短時間2400以上に達し、9/30と10/5にもかろうじて達成したラインに届いた。
先週は貴金属と通貨にとってもまた重要な週となった。10/7、金は史上最高値1366を達成、一方銀は2356まで上昇して反落したが、これは1980年の活気あふれる時代以来の最高値水準であった。こうした動きの要因は米ドルの崩壊であり、ドルはスイス・フランに対して史上新安値まで下がり、そして日本円に対しては新たにここ15年来の最安値まで下落したのだった。
≪ 短期ジオコズミクス ≫
私達は今や、11個の重要なジオコズミック・サインが目白押しだった9/8〜10/8という強力な時間帯の終わりに来ている。そのうち最も重要だったのは、9/18の木星・天王星コンジャンクション(0°)、9/21の太陽・木星オポジション(180°)、そして10/8からの金星逆行であった。これらの全てが、『The Ultimate Book on Stock Market Timing (究極の株価タイミング)第3巻 "Geocosmic Correlations to Trading Cycles"』で述べたように「レベル1」のジオコズミック・サインだったのだ。レベル1のサインは株式市場におけるプライマリー・サイクル、またはより長期のサイクルとの間に、歴史的に見て少なくとも67%という相関関係を持っている。そのオーブ(時間的ズレの許容範囲)は12取引日だ。(だが通常そのゆらぎはずっと少ない。)
前置きでも述べたように、ヨーロッパのいくつかの市場が9/21にサイクル高値をつけたが、これはこの時間帯の中間地点だった。また他の市場は、天秤座の新月と金星逆行というサインが展開した先週末、新高値をつけた(10/7〜8)。 月曜には2日間にわたり射手座ファクターが展開するが、これは先週末からの相場傾向の余波をもたらすかもしれない。しかし、この期間が強力なミュータブル(柔軟宮で起きる)ルナーサイクル(太陰/月の周期)であることから、このあたりから相場の反転も同様に始まる可能性がある。
しかしながら、金融アストロロジャーにとって今現在効力を発している最も重要な要素は、蠍座で逆行に転じた金星と、同じ蠍座での火星とのコンジャンクションだ。金星は通貨や高付加価値資産に関連する。そして金と富のサインである牡牛座の支配星だ。だが、現在金星の位置する蠍座は牡牛座のオポジット(180°対向の)サインであり、これは金星の品位が「フォール」であることを意味する。つまり力が弱まるのだ。自分の資産価値を上げたいという願望は金星と牡牛座のものだ。だが、蠍座とその支配星である火星は負債の蓄積に関連している。ある理由から、米ドルは火星が蠍座を進行中に下がりやすく、そして貴金属は急上昇する傾向がある。これが再び起こっている。
しかし金星の逆行は、それだけでパワフルな相場反転のシグナルだ。これは歴史的に見て、プライマリー・サイクルの底よりは天井と、より高い相関性を持つ。とはいえ前回これが起きた2009年3/6は、ダウ平均における72年サイクルの底を打った、まさにその日だったのだが。金星は5回目の逆行で黄道帯の同じ位置(同じ星座のほぼ同じ度数)に戻り、これを8年毎に繰り返す。以前蠍座の中間度数で逆行が起きたのは2002年10月のことで、これは4年サイクルの底を打ちITバブル後の弱気相場に終わりを告げた、まさにその日であった。 だが今回は底(安値)ではない。これが相場の反転と関連しているとすれば、それはプライマリー・サイクルの天井から始まることになる。何故なら、どの指数を見るかによって基点は異なるものの、多くの株式指数が5/20〜6/6につけた安値からほぼ最高値水準まで上りつめているからだ。もし市場がここで反転しないなら、これは確率として残り22%のケースとなる。
すなわち、ここでの重要な相場反転の歴史的頻度は78%ということになる。こうした反転がその規模においてどの程度で、どれくらい長く続くかは、今週末のMMAサイクルズ・レポートで検討する予定の多くの要素に依拠している。 だがとりあえず今のところは、天秤座の新月期周辺で高値をつけた場合、*2週間後に控えた満月に向かって急激な下落が後に続くという事例が過去にあったことを、頭に入れておくに留めよう。 これは金星逆行の経過と共に起きてくる。 経済情勢の変化、金融・財政政策の転換等を示す兆候に十分注意を払わなければならない。それは相場変動に拍車をかけるものだからだ。
*)次の満月は日本時間(東京ローカル)で10/23 午前10:54ごろ、牡羊座29°32'で起きる。以前のコラムでメリマン氏が言及した「ブルー・ムーン」(同じサイン、又は同じ月間に満月が2回起きること)の1種となる。
≪ 長期的考察 ≫
私は間違っていた。そうだ、勿論これはそう頻繁に起こることではない。
だがもし1度でも起こってしまえば、それはもう十分過ぎるくらいのことなのだ。これは全てのマーケット・アナリストへの呪いだ。あなたはチャートを眺め、数字を見つめ、そして起こりうる物事の確率を把握している。あなたはきちんとした準備とリサーチを終えているからだ。そしてあなたは歴史的実例に基づく、少なくとも80%の確率と共に歩を進める。しかし時に物事は20%未満の確率で起こるものだ。そして事実上、あなたが予想したシナリオ通りに事が起こらない時には、まったく正反対のことが起きているのだと考え始めねばならい。あるいは、あなたが天王星の関わるアスペクトの影響下にあるか、のどちらかだ。その場合は何をどう予測しようが、何事も思った通りには起きてこない。
そして私はここに至り — ファイナンシャル・アナリストのマスターたる者として、また音に聞こえた金融アストロロジャーの強者として、*そして脳内伝説に生きる誉れ高き愚か者として — 株式市場が今年の終わりを節目とした、より長期サイクルの底値に向かっているのだと完全に確信していたのだ。つまるところ、あの2010年7/2の安値を2009年3/6からの50週サイクルの大底とするにはいかにもタイミングが遅すぎた。これは実際には69週目に起きており、67週目を過ぎてから50週サイクルの底を打つというケースは、歴史を振り返ってもたったの8%しか無い。 一体誰が8%の確率に賭けることを選ぶだろうか? 50週サイクルの底は2/5(48週目)の、あの安値でなければならなかった。このことは、新しい50週サイクルがその時から始まっていて、2010年9月以降、他の幾つかの、より長期サイクルの節目が丁度やってくる頃までは底をつけることが無いということを意味していた。 だが、8%の確率は現に起こったのだ。今まで市場のトレーダーに対し、傲慢さや教条主義の罠について散々語ってきた筈の私なのだが...。
こうして私は今に至り、実際には新しい50週サイクルの最初の位相にあるという時に、あたかも古いサイクルの最終位相にあるかのようなポートフォリオで取引し、ポジションを取っている。サイクル理論研究に馴染みが無い人達にとって、以下の事柄は重要なポイントだ。サイクルの最終位相は殆ど常に弱気である。それはずっと強気であった1サイクルの中で、最も弱気な部分なのだ。そしてサイクルの第1位相は殆ど常に強気だ。それゆえ、サイクルの最終位相における売買戦略は、第1位相のそれとは全く異なってくる。最終位相での戦略は反発を売ること。第1位相での戦略は突っ込みを買うこと。それがサイクル・アナリストやサイクル・トレーダーの手順だ。
それでは金融アストロロジーの観点ではどうだろうか?
過ぎ去った今年の夏について、天体位相は何を語っていたのだろうか? 『フォーキャスト2010』で述べたように私は、5月下旬と6月上旬に起きた木星・天王星のコンジャンクションの影響下で非常に投機的な市場環境が始まり、その只中で金融資産(株や金など)は急激な反発に見舞われやすいという先入観を持っていた。それは「金融資産インフレの暴走」となる筈だった。過去140年強の木星サイクルに基づき、株式市場は2011年初頭にかけて高々と舞い上がることが期待された。(『フォーキャスト2010』参照) だがそれは、共に投機の力学を示唆する木星・天王星の牡羊座入場直後には起こらなかった。そして実際には8月下旬まで始まることはなかった。では何故5月下旬から6月初頭には起こらなかったのか? さて、ここで私自身と全ての金融アストロロジャーにとって学びの体験でもあった、金融アストロロジーの力学に辿り着く。私達プロフェッショナルもまた、常に学習の徒なのだ。
ワイルドで投機的な組み合わせである木星・天王星が、衝動的な火のサイン、牡羊座に入った5月下旬〜6月上旬。だが市場がそこから飛翔することはなかった。何故ならその時同時に、土星が牡羊座の木星・天王星とオポジションを形成していた。(そしてそれらは全て山羊座の冥王星とスクエア(90度)だった。)土星は「恐怖と抑制」の原理に関係している。投資家達がより投機的な株式を選ばず米国債の安全性を求めた時、恐怖が市場のセンチメントに入り込んできた。このトランシットの土星によるハードアスペクトは・・・8/21まで終わることはなかった。そしてその後、株や貴金属のような金融資産の価格爆発が始まったのだ。投資家達は結局、株や貴金属市場に見られる、より力強い伸びしろを求めて国債からのごく僅かな利回りを見限った。それはまさに予測通りではあったが、ただ時間にして2ヶ月ほど遅く、土星がカーディナル・クライマックスの中心部から離れ始めた直後のことだった。
今やその土星も2011年3月までは木星・天王星とのアスペクトの埒外となり、資産インフレ祭りを先導する楽隊車を止めるような金融アストロロジー上の要素は殆ど無いに等しい — おそらく金星逆行期の数週間の調整を除いては。 一方私は、その合間に、新しいサイクルの最初の位相(強気)であることが明確になったこの時間帯を、より長期サイクルの最終位相(弱気)として扱ったことにより負った、自分自身の傷を克服するつもりだ。
残念ながら、ごく普通の人間である私にもまた相場と同様、人として幾つものサイクルがある。だが幸いなことに、過去の経験から常に学ぼうとしてきたごく普通の人間として、私は市場における自分のライフスタイルを危険に晒してはいない。だから私は一旦理解の光を得れば必要な調整を行う。(勿論、その光が再び私の目を眩ましていなければ、の話だが。) 傲慢さと凝り固まった精神は、とどのつまり、相場の覇者への道程において致命的な一撃となる。
さて、もし中央銀行の総裁達や政治家達が同様に、今や再び戻ってきた*1)過去のサイクルから学ぶことが出来たなら、そしてもし理解の光を得て、彼らの足を猛烈な支出と果てしない刺激というアクセルから離すことが出来たなら、私達はこの経済の*2)『トワイライト・ゾーン』を抜け出せるかもしれない。
何故昨今の投資環境が、1990年代終盤そしてITバブル当時の様相をこうまで私に思い出させるのだろうか? この疑問を2011年初頭にもう一度投げかけてみよう。それまでは、悪いニュースが巷を駆け巡り、ネガティブな内容に満ちあふれた選挙運動が繰りひろげられようとも、この波乗りを楽しんでほしい。 特に土星が自分の道をひたすら歩むことに専念し、あれこれと物事を押さえつけるのをやめている今、市場はこうした*3)「心配事の壁」をよじ登りたがるだろう。
そうこうしている間に、連邦政府の取り締まり屋達(規制当局)は、先週ワシントン州のショアライン・バンクを閉鎖した。これは今年に入って129行目の破綻だ。そしてその数は去年潰れた銀行数、140行に刻々と近付きつつある。
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* )脳内伝説に生きる誉れ高き愚か者として:原文"Legend in his own mind"
自分は誰よりも賢くスマートでモテまくりで全知全能だと思いこみ、それらしくふるまうが、実際には口だけの愚か者を皮肉った言葉。70年代から活躍する、黒いディランと呼ばれた闘うジャズ・ファンク詩人、ギル・スコット・ヘロンがこのタイトルで歌っている。
GIL SCOTT HERON Legend In His Own Mind
http://www.youtube.com/watch?v=tPTE0Fbruzg
*1)過去のサイクル:以前のメリマン・コラムや『フォーキャスト2010』で詳述されている、米国やFRBの始原図などにおいて、進行中の惑星サイクルが今後長期にわたって回帰し再びアスペクトを形成することを指すと思われる。
*2)Twilight Zone:黄昏時。1959年〜1960年代にアメリカで放映された、シュールで少し不気味なSFテレビドラマシリーズのタイトルでもある。その後1985年、2002年にリメイクされている。日本では60年代に主に「ミステリー・ゾーン」のタイトルで放映された。円谷プロの「ウルトラQ」シリーズに影響を与えたことでも有名。
(以前のコラムで語られたカーディナル・クライマックスの文学的描写は、秘かにこのあたりのイメージから来ているような気もしたりしなかったり。。。)
Twilight Zone Opening THEME MUSIC 1962 Rod Serling
http://www.youtube.com/watch?v=-b5aW08ivHU
ミステリーゾーン(日本語版)
http://www.youtube.com/watch?v=eRwRU0nSPKM
*3)「心配事の壁」="wall of worry":市場が経済危機や政治的な要因などで不安定な時に株価が上昇する場合に使われる言葉。"The stock market is climbing a wall of worry".
訳文ここまで
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【翻訳を終えて】
今回の長期的考察でメリマン氏は自分自身のサイクルについて少しだけ触れている。実際彼のバース・チャートを見ると、ここ数ヶ月の間、アングルと呼ばれる重要な感受点上で(オーブ2°〜4°)このカーディナル・クライマックスが起きていたことがわかる。これだけのハードアスペクトを受け続ければ、メリマン氏ほどの人でも柔軟な判断がしにくくなるということなのかもしれない。人間である以上、どんなに理屈がわかっていたとしても、目に見えない圧力によってこころも体も影響を受けることには変わりない。自分でもひとのチャートを見るとき、今の自分の状況が判断に影を落とさないよう、今まで以上に気をつけていこうと思った。
それにしても、プロフェッショナルとして自分の間違いを正面から認める(しかも無料版で)というのは勇気の要ることじゃないかと思う。相場の世界は、ニッコリ笑ってひとをカモにするようなひと達も存在する。けれどメリマン氏の文章からは、アストロロジーの研究者としての矜恃と誠実さを感じる。今回の長期的考察は、アストロロジーを学ぶものとして色んな意味で教えられる部分があった。
・・・それにしても毎回、なかなかにハードル高い長文です。時にはメリマン氏特有のお茶目もサクレツして、よくわからずアセることもしばしばです。(^_^;) またいつも時間切れ気味で、見直しが行き届かない部分もあるかと思います。もしなにかヘンなところがありましたらツッコミよろしくお願いします。。
hiyoka.
October 07, 2010
●10/8の新月—みんなに降り注ぐエネルギー(気まぐれUP♪)
※今回はフルの星読みが間に合いそうにないのでとりあえずエネルギーの骨子だけUPしてみました。これから約1ヶ月のテーマです。もしかしたら、後で続きを書くかもしれません。(^_^;
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※10/10 金星逆行・水星土星コンジャンクションの日付(9月→10月)修正しました。
新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つ時があるんじゃないかと思います。 ではでは今月も行ってみます!(^_-)
★新月タイム・スケジュール★
10/8、日本では東京・関東ローカルで04:02、北海道周辺で04:13前後、関西方面は03:45前後、沖縄周辺で03:14前後に天秤座14°23’で新月となります。ヒーリング・メディテーションや願い事をしたい方、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。
* 前回の新月のあらましについてはココ、満月についてはココをご覧ください。
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Sabianシンボルによる【新月のテーマ】
*ここではディーン・ルディアー版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版ではなく、透視家エルシィ・フィーラーのオリジナル版サビアン・シンボルを使っています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。
【太陽・月 天秤座14°〜15° 】
"A serpent coiling near a man and a woman" + "A Noon siesta"
"An Indian weaving a blanket" + "Circular paths"
★「欲望」と「愛」の違いを認識する必要性→ ★問題に直面して結果を出すか?目先的な解決に逃避するか?の選択→ ★自信の欠如によるためらい→ ★臭いモノ(混沌)に蓋をしたくなる→ ★事を荒立てず危険を回避しようとする試み→ ★またか・・!という諦めによる落ち込み→ ★過去から蘇るフラストレーションと内省→ ★取捨選択の試み→ ★別の観点がある事に気付く→ ★内的経験を生かして再び立ち上がる力を得る→・・・・
★キーワード: 「柔軟な精神は真夜中に輝く太陽を見る」
★エネルギーのポイント:「他者との関係・価値観の見直し」
★ラッキーポイント: 2つあるもの、ユーモア、写真、古代の叡智、風、鳥、小動物、水辺、海、深いブルー
★金星逆行開始:10/8 16:25〜11/19 06:36(東京ローカル)
逆行期間中に促される意識
→長く抱えてきた世界観・価値観・金銭感覚の見直し。パートナーとの関係を見直す。過去の恋愛・仕事・友人関係etc.が再びよみがえる可能性。未来に向かって必要なもの、捨て去るべきものを判別する。・・・逆行が終わるころには何か新しい視野が生まれる可能性
★水星・土星コンジャンクション(0°): 10/8 20:44(東京ローカル) at 天秤座8°39
→今後の為に、過去から曖昧にしてきたことにフォーカスし、何らかの形を与える必要性。判断を示す必要。理想を現実に合わせて妥協と調整を加える。自分の精神構造の弱点を活かし、長所に変える方法を探る。まだはっきりとは見えぬゴールへ向かって踏み出すために物事を整理する。
今回はとりあえずココまで。。
Good Luck to All of You!!!★
hiyoka.(^_^)
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※10/10 金星逆行・水星土星コンジャンクションの日付(9月→10月)修正しました。
新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つ時があるんじゃないかと思います。 ではでは今月も行ってみます!(^_-)
★新月タイム・スケジュール★
10/8、日本では東京・関東ローカルで04:02、北海道周辺で04:13前後、関西方面は03:45前後、沖縄周辺で03:14前後に天秤座14°23’で新月となります。ヒーリング・メディテーションや願い事をしたい方、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。
* 前回の新月のあらましについてはココ、満月についてはココをご覧ください。
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Sabianシンボルによる【新月のテーマ】
*ここではディーン・ルディアー版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版ではなく、透視家エルシィ・フィーラーのオリジナル版サビアン・シンボルを使っています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。
【太陽・月 天秤座14°〜15° 】
"A serpent coiling near a man and a woman" + "A Noon siesta"
"An Indian weaving a blanket" + "Circular paths"
★「欲望」と「愛」の違いを認識する必要性→ ★問題に直面して結果を出すか?目先的な解決に逃避するか?の選択→ ★自信の欠如によるためらい→ ★臭いモノ(混沌)に蓋をしたくなる→ ★事を荒立てず危険を回避しようとする試み→ ★またか・・!という諦めによる落ち込み→ ★過去から蘇るフラストレーションと内省→ ★取捨選択の試み→ ★別の観点がある事に気付く→ ★内的経験を生かして再び立ち上がる力を得る→・・・・
★キーワード: 「柔軟な精神は真夜中に輝く太陽を見る」
★エネルギーのポイント:「他者との関係・価値観の見直し」
★ラッキーポイント: 2つあるもの、ユーモア、写真、古代の叡智、風、鳥、小動物、水辺、海、深いブルー
★金星逆行開始:10/8 16:25〜11/19 06:36(東京ローカル)
逆行期間中に促される意識
→長く抱えてきた世界観・価値観・金銭感覚の見直し。パートナーとの関係を見直す。過去の恋愛・仕事・友人関係etc.が再びよみがえる可能性。未来に向かって必要なもの、捨て去るべきものを判別する。・・・逆行が終わるころには何か新しい視野が生まれる可能性
★水星・土星コンジャンクション(0°): 10/8 20:44(東京ローカル) at 天秤座8°39
→今後の為に、過去から曖昧にしてきたことにフォーカスし、何らかの形を与える必要性。判断を示す必要。理想を現実に合わせて妥協と調整を加える。自分の精神構造の弱点を活かし、長所に変える方法を探る。まだはっきりとは見えぬゴールへ向かって踏み出すために物事を整理する。
今回はとりあえずココまで。。
Good Luck to All of You!!!★
hiyoka.(^_^)