June 2012

June 24, 2012

レイモンド・メリマン 週間コメント 6/25 【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2012年6月25日(フリー版より)
翻訳:hiyoka 
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpさんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の は翻訳者によるものです)
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【お知らせ】来週7/2付けのコラムは訳者の時間の都合で抄訳か、掲載時間が遅れそうです。(最悪の場合もしかするとまたお休みさせていただくかもしれません。。)m(_"_)m


        土曜日にアムステルダムで金・銀トレードのワークショップを開催する。この準備があるため、今回のコラムは短縮版となることをご了承いただきたい。次週は通常版に戻る予定だ。このアムステルダムのレクチャーに関しては録画の予定は無い。しかしながら、コースで発表される金と銀に関しての新しい調査資料の多くは、8/2、ミシガンのアン・アーバーで開かれるMAC(Midwestern Astrology Conference)のワンデイ・ワークショップにおいて、再び解説と共に配布される予定だ。

≪ 先週を振り返って ≫

        先週起こった事柄をみる限り、この天王星・冥王星ワクシングスクエアが二匹のワニの格闘然とした様相を呈するかについては疑念がありそうだ。このシグナルは現在発効中であり、ファイナンシャル・アストロロジーなど単なる迷信や占い、でなければ娯楽以上の何物でもないと信じたがっている人々を大混乱させるに十分なほど、すでにはっきりと顕現している。

        金融市場 – 特に株式、貴金属、そしてエネルギー – は、このサインが暗示するとおり、そして過去数週間にわたってこのコラムで述べてきたように、その何もかもがことごとく常軌を逸していて唐突だった。言葉を換えれば、金融市場は先週、再びジオコズミック・サインの有効性とその市場動向との相互関連性を実証したことになる。市場動向とは本質的に集合体の心理そのものであり、多くの場合、世界の政治や銀行指導者達が取る行動によって増幅されるものだ。

        先週起きた事は正真正銘、木星・海王星のスクエアと共に働く天王星・冥王星のなせる業そのものだった。この強力な2つのジオコズミック・サインは、それぞれ6/25と6/24に正確な形成をみるのだが、影響力のオーブはその10日前あたりから発効している可能性がある。先週初め、世界の株式市場と貴金属市場は強かった。6/19火曜、ダウ工業平均はここ数週間の最高値である12,900を試しつつあり、また5/1につけた、4年ぶりの最高値13,338にも非常に近かった。そして木曜寄り付近では、引き続き12,850以上で取引されていた。 だがその後、非常に強気のテクニカル・シグナルを伴ったこれら月の新高値は、暴力的なまでに否定されたのだ。株式は突如として反転し、ダウ平均はその日250ポイント下がって12,573で引けた。にもかかわらず金曜には、これまた突如としてその下落を中断し、かわりに67ポイント騰がった。

  金と銀も似たような定めに苦しんだ。6/19火曜、金は1635を試しにかかり、あたかもはるか高みまで上りつめる準備が整ったかのように見えた。銀はその前日、2900のラインを再び超えて取引されていた。ところが6/21木曜夏至の日、金と銀はまた突然反転し、金曜までにそれぞれ1558と2651まで急落した。再三言うが、これは天王星が他の惑星 — つまりこの場合は冥王星だが — とハードアスペクトを形成する時の典型的な現象だ。

        ファイナンシャル・アストロロジーは、トレードのハウツーを教えることは出来ない(天王星のハードなシグナルの下ではイージーなトレード法をガイドしてくれるものなど何も無い)。だが、ある特定の時点における市場動向がどうなるかを説明するにあたっては、その首尾一貫した正確さにおいて、ファイナンシャル・アストロロジーを超えるものは無い。先週の状況はまさに、天王星が持つ特性そのものへの旅だったと言える。先週のコラムで述べた事を今一度、参照してみよう。

『 しかしながら、天王星が絡んでくる時の金融市場は常に、殆どのトレーダーやアナリストが予測しないような動きをする可能性がある。そして、それは非常に唐突に起こり得る。そんな時の市場には、3つの特徴がある。第一に、反転の可能性。第二に、誰もが思う以上に素早く上へ上へと情熱的な反騰が起こり、上値抵抗線をブレークする可能性。第三に、下値支持線を割って、誰もの予想を超えたスピードで下落する可能性。( おそらくはファイナンシャル・アストロロジー実践者か、または今後2週間、こうした動きの可能性が非常に強いことを示唆する他のシステムを研究している人々であれば、例外的に予測を立てられるだろうが。 )これはワクワクするような展開を生み出す。だが果たして、利益を生み出すためにはリバーサルかブレークアウトのどちらに向けたポジションを取るべきか、あなたにはわからない。』

        蓋を開けてみれば、3つの可能性の全てが先週、示現した。最初の内、株式指数は複数週にわたる新高値まで勢い良く打ち上げられ、あるものは(例えば米国のように)4年ぶりの新高値をつける十分な態勢にある、と見えた。価格は殆どのアナリストがたった数日前出した最新予測さえも超えて騰がっていた。そして突如、反転したのだ。金と銀もまた、なかなかの反騰をみせていた。そしてその後、突然反転した。だがそれは、単にそこそこの反転という範疇を超えていた。その下落スピードや値幅は皆の予想をはるかに上回り、下落途上で次々と下値支持線を割っていった。だがその後、金曜にも暴落が続くかにみえたにもかかわらず、両市場ともそれなりの下値ラインを見出して、再び騰がり始めた。

        さぁ、天王星が冥王星に対して形成していく初回のスクエアにようこそ。今後の33ヶ月の内、この経験は残すところあと6回のみだ。約束どおり、これから先は非常に荒れた道程になるだろう。この強力なジオコズミック・サインについてもっと知りたい方は、マウンテン・アストロロジャー誌に書いた私の記事『天王星と冥王星:爆発する債務危機』を最近ウェブサイトに掲載したので、どうかそちらをご参照いただきたい。


≪ 先週のベスト・トレード( 購読者版から) ≫

        通貨でのベスト・トレード:ユーロ9月限に関する月曜のデイリー・リポート。『ポジショントレーダーは現在フラットで、1.2750エリア(+/-.0010)をショート』6/18月曜、ユーロ9月限は1.2759まで騰がり、水曜の高値で1.2753まで戻った。そしてその後急落し、金曜ザラ場で1.2528の安値をつけた

        6/18のウィークリー・リポートより、ユーロ現物:『ポジショントレーダーは週の上値抵抗線(1.2723~1.2750)をショート。引け値で1.3150以上にストップロスを置く。積極的なトレーダーは各自のリスク・アロウワンスに依り、引け値で1.2250または1.2350にストップロスを置いてロングしている。…その内1/3を今手仕舞い、残りは今週機会があれば1.2700かそれ以上への反騰で手仕舞う。そしてまた1.2700~1.2800の間でショートを狙う。その場合、各自のリスク・アロウワンスに依って、引け値で1.3000または1.3150にストップロスを置く』実際、週の高値は1.2743であり、これらの取引は全て非常に上手くいった。

        同じくウィークリー・リポートより、スイスフラン9月限:『ポジショントレーダーはフラットで1.0600~1.0650への反騰でショートを狙う。この場合、引け値で1.0900以上にストップロスを置く。積極的なトレーダーもまたフラットで、週の上値抵抗線への反騰を狙ってショート。ストップロスを引け値で1.0650に置く』先週の高値は1.0638だった。そして木曜までに、ザラ場で1.0447まで下落し、週の終わり値は1.0483だった。

このコーナーの翻訳は細かい表現など適当に端折っています。


≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫


        このコーナーは来週本格的に復活するとして、今回はこの事だけを肝に銘じていてほしい。私達は6月末の10日間、この2012年の内で、強力なジオコズミック・サインが最も強烈に集合した時間帯に入っている、ということだ。その詳細については先週のコラムを参照いただきたい。この時期は、新しい着想と革新的な問題解決策がいよいよ生成される、その興奮の一方で、誤った思い込みや妄想でしかない展望にはまり込む危険がある時なのだ( もしこの2つの力学の間に横たわる違いをはっきりと見極める術が少しでもあるならば良いのだが )。
先週のコラムをお休みしたため、こちらには記事がありません。merriman.jpさんの該当ページをご覧ください。

        この週末にアムステルダムで開かれる金と銀のワークショップの予告編として、以下の2つの引用句を掲げておこう。

『 金本位制無くして貯蓄をインフレーションという形の"没収"から護る道はない 』
— アラン・グリーンスパン

『 政府のたかり屋と略奪者共にとっての金本位制は、吸血鬼にとっての日光とニンニクのようなものだ 』
—ハーマン・ケイン, 前カンザスシティ連邦準備銀行頭取

        何故、政治家と中央銀行が金本位制に戻したがらないかには、理由がある。その理由とは、C-R-E-D-I-T 、即ち「信用/クレジット」だ。信用とは負債と同義であり、天王星と冥王星が指し示すように、爆発し制御不能となりつつある。だが、一度土星が蠍座に入場(2012年10/5~2015年9/18)すれば、その結果に取り組まざるを得なくなるだろう。次から次へと道路上で蹴り落とされてきた缶は……断崖の崖っぷちまで転がってきた。もうすでに何処にも缶を蹴る余地など残されていない。それは新しいゲーム、新しい缶、そして何よりも、新しい道、いや…法定不換紙幣以外の、新たな通貨へのバッキングを見出すべき時となるだろう。

メリマン氏は数年前からこの負債爆発への対処を先送りにする行為を「缶蹴りの缶を遠くに蹴り出す」という例えを使って警告してきた。





訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)金融アストロロジー 

June 19, 2012

○6/20の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)「その1」

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。 ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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新月タイムスケジュール
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで00:21前後、北海道周辺で00:27前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は00:02前後、沖縄周辺では6/19の23:32前後に 双子座 28°43’ で新月となります。

前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココ、金星オカルテーションについてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【新月がもたらすテーマと挑戦・6/20~7/18】
*ここでは有名なデーン・ルディアー版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版ではなく、透視家エルシィ・フィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使っています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。


【太陽・月 双子座 28°~29° 】
"A man declared bankrupt"
破産宣告された男

"The first mockingbird in spring"
春一番のマネシツグミ

【テーマの流れ/順不同】
→★過去に構築されよく機能していたシステムが自分の中で崩れていく
→★どう見ても解決困難な状況とその壁を乗り越えようとする意志
→★身に深く染みついた行動や考えが事態の悪化を増幅する危険
→★自己を支えてきた信条を断固として変えまいとする
→★自分だけは高所から見ているつもりが実は罠の中に居る危険
→★壊れつつあるものを護るのか? もう1度人生を信頼していくか?の選択
→★まだ成長途上にある新しい何かをおぼろ気ながら予感する
→★未知の領域に自分を開いていくための葛藤
→★冷笑気分となるか、心からの笑いを体験するかを分ける心の要因を見出す
→★自分の心の中にある作用・反作用の繰り返しに気付く
→★来るべき道を示す予兆と実現可能なリアリティの両立を目指す・・・→

エネルギーのポイント:
「 苦悩やフラストレーションの乗り越え」
「 自分の中に棲む敵と味方の統合 」

120620NM

        このところ、金星逆行→金環食→部分月食→金星・太陽オカルテーション、そして月・冥王星オカルテーション→月・木星オカルテーションと、天文的にもアストロロジカルにも注目すべきイベントが続いています。日々強くなっていく時空エネルギーの下で、ふと気付くと何かがどんどん変化してきていて、その度合いも加速している・・・そんな中、精神的にキツイ、何とも言えない閉塞感がある、何に頼っていいかわからない・・・そんなふうに感じるひとが増えているのではないでしょうか。 

今月も中盤に入って太陽活動も再び活発になり、大規模フレアやプロトン現象が立て続けに発生しています。磁気嵐や台風と天候も不順。(今、ちょうど台風襲来中ですね。警戒地域の方は気をつけてください)体が敏感なひとは、特に原因もみつからないのに体が重だるい、胸腺周辺が苦しい、耳鳴りや偏頭痛、消化不良など、普段から弱い部分にストレス症状が出やすくなっているのではないかと思います。ひどい時や不安な時は、早めに専門家に相談を。それほどではなくても、自律神経に異常を感じた時はなるべく休息をとり、PCや携帯からも出来るだけ遠ざかって、大自然の気に触れる機会を持ってください。


        さて、そんな只中で迎えるこの新月。今回もテーマを見るにつけ、なにやら手強そう。いやもう慣れてきたけどw。でも、6/21日の夏至(太陽の蟹座イングレス)の直後、ここ数年のメイン・イベントとされる天王星・冥王星スクエアを24日夕刻に控えての新月ですもの。ちょっとくらい厳しくたって当然かも? わたし達、かなり鍛えられてきましたw。 というわけで、チラっとは覚悟しつつ、早速シンボルを見てみましょう。(まぁ、ココは戦士サン向けのブログなので!^_^;)

A-plume-on-Betelgeuse


        前回の新月・金環食は、双子座に入った直後の度数で起こりました。そして、今回は終盤度数。まるで双子座の総仕上げのようなテーマです。 とはいえ、金星はまだ双子座を逆行中ですし、木星は12年ぶりに双子座に入ってきたばかり。このテーマはこれから当分、わたし達の人生の背景として働き続けそうです。このところの短期間に、このサインの中でいくつもの大きなイベントが起きてきたことは、単なる偶然ではない大きな意味があります。なので、今回はまず、双子座の原型から振り返ってみたいと思います。長くなりそうだけど、これ、何だか大切な気がするのでしばらくおつきあいください。。m(_"_)m

        双子座に対する一般的な印象って、クールというか、あまり物事にも人にも深入りせず、新しいことを次々と追いながら適度に知的なコミュニケーションでその場をやり過ごしていく如才ないタイプって感じでしょうか。確かに、風のサイン特有のある軽妙さを備えています。けれど、表層の一枚下に吹きすさぶ風は、そうそう生やさしいものではなさそうです。

        わたし達はこの前の新月で牡牛座の極みとも言える孔雀の庭園を後にし、グラスボートに乗り込みました。そして金星の逆行と共に、水中(感情・感性・無意識領域)を深くのぞき込むという、小さな旅をしてきました。でもここではまだ水の中に生身で入っていくわけではありません。あくまで耐水ガラス越し。そして船の床に足を付けて、ある種の気安い安全性に護られながら、そして他の観光客とも言葉を交わしながら、水底 — 自分自身の来し方を見てきました。 それでもこの双子座の初期度数では、まだ一種の疑似体験に過ぎなかったかもしれません。目の前に見ている水中の風景を、あくまで自分とは関係無い「外側の景色・外界が抱えている問題」として、まるで評論家のように知的に処理してしまうことも可能です。自分が今まで使っていた観念に沿って合理化し、「あぁ、そうそう、これはアレなんだよね。ハイ、次いこう!」 なんてふうに。

そして次の満月・月食は、そんなわたし達に 「季節の変わり目の予感」 と、地リスのシンボルが示す 「さて、君は先へ進むのか? それともいつもの巣穴へ戻って様子見するのか?」 という2極の問題を投げかけてきました。これは双子座のエネルギーとその挑戦をとてもよく表したシンボルのひとつです。

        そしてここには「原型としての双子座」がその表層の下、奥底の魂レベルに抱えている深い苦悩が潜んでいます。牡牛座の堅固な大地を立ち去り、水の上に浮かぶグラスボートの中で世界を覗く「窓」を与えられ、わたし達は逃れようもなく 「ココ」と「向こう側」に分けられた世界を知るに至ります。見はるかす限り、果てしない2元世界の始まりです。 その2元世界を映し隔てるガラスには、まぎれもない自分自身の影もうっすらと映っています。 それを統合してひとつの世界観(対向・射手座世界)に昇華していくには、感情をも徹底して道具として使っていくほか無いけれど、深い感性との統合を果たす、そんなチャンスを経験するのは次の蟹座に至ってから。 

だから原型としての双子座は、果てしない2元世界の中でガラスに映る自分の影を無意識に求め、次から次へと手を伸ばしていくしかありません。まるで「コレは何なんだ? ココは何処なんだ?」とでもいうように。 そうやって双子座は新しく獲得した「知ることへの純粋な欲望」と「言葉による確認」、この2つの意識を駆使しながら懸命に探求し、伸びていこうとします。けれどまだ他者と深く関わる術を知らない双子座のコミュニケーションは、向き合った対象を抱きとめ、深く分け入っていくことは難しそうです。 まるで支配星、水星の周期のように、彼/彼女の意識は速いスピードで動き、表層をなでては次の対象へと移っていきます。彼らには最初の「知」への衝動があります。まず、拡がっていくことが必要なのです。

こうした衝動は、双子座の原型に与えられた成長のための特質だと言えます。 そして同時に、この探求と成長への欲求は意識の底で、何処を向いても2面性が拡がるこの世界から 「果てしなく逃走していきたい」 という、二律背反した欲求に結びついていきます。 これは、以前、対向するサイン射手座の時に触れた射手座的原型の特性・・・独自の世界観を持ちながら、同時に深いレベルにおいて 「どうでもいい…」 という、一種の「離人観」を併せ持っていることと、ペアをなす特質かもしれません。射手座の原型が自分自身を「何処にも属さない埒外の者」として半ば意識しているように、双子座の原型はその無意識の中で、ブラックホールの2次元境界を自在に駆け巡る、粒子のような意識存在に回帰していきたいと切望しているのかもしれません。双子座の持つ、どこかアテにならない雰囲気はそんなところからも来ています。けれど今、彼らは人として確かに肉体を生き、此処に在り続けて、どうしても3次元の深みを見出さなければなりません。 そして、ここに双子座という原型の抱える苦悩があるのではないかと思います。


        いったい何処へ逃げられるというのか? Yes, No, Yes, No,……ピリオド無く続く、果てしない2元世界の中を逃げて浮遊して、辿り着ける場所はあるのでしょうか?  今、双子座の位置からダイレクトに魂レベルのゼロ地点(ホロスコープのど真ん中/1オクターブ上への昇華)に至ることが出来るとしたら、やはり「知」の力を使っていくしか術はありません。知力を使って、双子座のグリフ(記号)が示す、2本の柱の間をすり抜けていくしか無いでしょう。 

        双子座の「門」を形成するヤキンとボアズ、そしてカストルとポルックスの兄弟が、ここでわたし達に問いかけてきます。 「さて、君は先へ進むのかい? それとも相変わらず過去の巣穴へと戻り、ガラス越しに様子見するかい? いや、別にどっちでも構わないよ?」 

        わたし達が未解決のままに抱えている様々な感情・・・愛、喜び、執着、恐怖、怒り、哀しみ、妬み、恨み、優越感、劣等感、自己憐憫、罪悪感、寂寥感、孤独、、etc.etc…。何かの拍子に津波のように押し寄せてくる水の力。そんなエネルギーに流され足を取られて溺れないよう、機敏な知力を使って制御すること。・・・まるで医師がカルテを見るように、自分自身の反応をひとつひとつ吟味していくこと。・・・外の世界に投影された物語として知覚された物事を、自分の世界そのものとして受け入れること。そして出来事の断片を組み直し、知の力で再構築していくこと。 現代のアストロロジーがやろうとしていることはまさにこれなのですが、それを自分自身の心を使って作業するのは、けっして生やさしいことではないと思います。ことに今のように時代が大きく変わろうとする時、堆積した不信の澱から沸き上がる激しい感情の渦が世界を覆っているような時は、なおさら。。

わたし達は今、この全方位的不信感の中に身を浸して、自分達の知力を試されているように思います。その知力を目に付いた他者への批判に使い、そしてまた次に信じられるものを求めて走る。これを繰り返すのか。またはPCの前に座り、自分を含めた全世界をアラカルトで味わうために、その知性を使うのか。それとも全てから適度に身をかわして逃げていくのか……。あるいは、自分の人生にも、全体にも共通する、新たな第3の道を見出すために全力を挙げるのか?  この、双子座の苦悩は、今の時代を生きるわたし達人間全てが抱える苦悩ではないのか?・・そんな気がしてなりません。わたし達は皆、4次元や高次元世界に憧れます。けれど、実は今在ると信じているこの3次元のことさえ、深くは知らないのではないでしょうか?

ending


        さて、ここで今回のシンボルです。(うは、前置き長かったですね・・・^^;) 「破産宣告された男」から「春一番のマネシツグミ」へという流れ。 起点となる28°の破産宣告、元の単語は「bankrupt」ですが、アストロロジャー、ブレイン・ボヴィによれば、この語源はイタリア中世期に広場で営まれた貸金業者の使うbench(作業台または木製の長椅子)=ラテン語で"banka"と、その業者が破綻した時にその作業台を壊さねばならなかったという故事からきた"banka rupta"という言葉に由来するのだそうです。

ここでは今まで構築してきたシステム、人生、ビジネス・・・その土台が危うくなるという経験が示唆されています。サビアン・シンボルの不思議さとして、この度数にプログレスやダイレクション、それにトランシットで惑星が来た時など、実際にシンボルそのままの現象が起きるケースもあります。けれど、このシンボルの本質はやはりメンタルな部分にあって、これまで確固としたシステムとして機能してきた「観念」という作業台にガタが来て、もう上手く働かなくなってしまうこと、またはそれに気付く状態を指しているのだと思います。面白いことに、英語の"bench"には作業台や長椅子という意味の他に、ジャッジ、裁く人、裁判官という意味があります。 この裁判官はわたし達の心の中で長い間権威と権力を保ってきた、判断の基準そのもの。 それがこれから先、何かを考える上で突然、指針としての力を失うのかもしれません。

        そして、破産の後に向かっていくエネルギーは、春を告げるマネシツグミ!この鳥は物まね鳥とも言われ、他の鳥のさえずりを上手に模倣するのだそうです。今っぽく言えば、サンプリングの名手かな。だからわたし達は、物まね鳥が歌うようになると、今耳にしている鳥の声が本当にオリジナルなのかどうか、確信を持てません。 もしかしたらそれは、空間を飛び交う願望や様々な思いの断片を集めて創られた、擬似的な「春」に過ぎないのかもしれません。それでも、確かに新しい季節、春の訪れが予感されます。何かが変わり始めた・・・たとえそれが物まね鳥の、偽の歌であろうとも、確かに何処かから新しい歌が聞こえてきます! 

だからここでの挑戦は、今自分が耳にしたもの、目にしている状況、その真の姿を見分けることです。ここは双子座の終盤。未知の突破口を求めてきたわたし達が、新しい領域の目前まで辿り着いた時、最初に遭遇するのは混沌と不確かさです。 もう古いベンチ/判断基準を使って自動的に黒・白と反応することには何の意味も無さそう。。ただ注意力を傾け、今自分に、世界に、何が起こっているのかを、聞き分けること、見分けること。 そして新しい予感を抱きながら、新しいリアリティに向かう意図をもって、落ち着いて、そっと小さな一歩を踏み出していくこと。 たとえ最初は手探りで心許なくても・・・何処からともなくわき起こる春の微笑みが、きっとその先に待っているから。

そして・・・それが上辺の社交的微笑と化して再び華やかに通り過ぎていくのか、それとも深い歓びに満ちた祝福となっていくのかは、この先のわたし達の選択次第なのだと思います。

        双子座28~29°。この度数で起こる新月がこれからの1ヶ月、何か大きな出来事の発生を示唆するのか、それとも一種の個人的・集合的・心理変化として顕れるのかはわかりません。ただひとつ言えるとすれば、この時期にもし万一何かを失う経験をするひとがいるなら、もうそのことに固執しない方が良いということ。たとえそれが何であろうと、多分もう、幻になろうとしているから。もしそんな経験をしたなら、いったん人生という水流の外縁に身を引いて、ガラス越しにそっと、自分という世界を見直してみると良いかもしれません。 もう1度、新たなリアリティを創る力を取り戻すために。。

結局、双子座の自己と外界を隔ててきたガラス板は、世界から逃走し続けるのをやめ、自ら新しい知に向かおうと立ち上がった時、再び彼らを護る透明なガードとなって機能するのかもしれません。 そして、何も頼るべき基準など無いのだと気付いた時にこそ、今までに無く大きなエネルギーが流れ込んでくる・・・そんな逆説。実はそれこそが、双子座の原型に与えられた一番素晴らしいギフトなのかもしれません。


        さてっと。原型とサビアン・シンボルだけで今回もすでに十分長くなってますが…一応アスペクトのチラ見読みを、に別記事として置きますね。(^_^;)


hiyoka_blue at 13:30|PermalinkComments(2)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

○6/20の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)「その2」

土星・エリスのオポジション/水星・ヴァルーナでTスクエア
ジュノー・火星からエリスにYOD
星達の言葉:
「他者と上手く付き合っていこうとする前に、まず自分の足許を見て!」
自分自身の心理的葛藤を隠したままで小手先の手段を取っても、結局は徒労に終わるかトラブルを招きやすいという暗示。事なかれ主義や期待を持たせるような態度は逆効果になるかも? 感情抜きにサラッと本心を伝えて、結果がどうあろうと相手の問題は相手に任せた方がよさそう。そしてまず、自分の足許を整理して心を軽くすることを考えよう。


太陽、蟹座にイングレス(6/21 08:09)
天王星・冥王星ワクシングスクエア(6/24 18:06)
冥王星・金星・ヴァルーナ/変形YOD
星達の言葉:
「さあ新しい季節、新しい領域が始まるよ。カーディナル・クライマックスの門にようこそ!」
今後3年間にわたる天王星・冥王星カーディナル・スクエア期の先駆けのような夏至。この日からわたし達は、1960年代に種が蒔かれた革新と闘争のエネルギーをどう方向付けしてこれからの社会に実りをもたらすか、または荒廃と抑圧を選ぶか、その選択を行う時期に入っていく。それはわたし達個人、ひとりひとりが日々を生きる上でなされる選択の集積だと思う。 今回天王星の側にパラスが寄り添っていることから、知的で賢明な判断力や、交渉力・政治力が加わる期待もあるけれど、不正や欺瞞に対しては逆効果になるかも。。

        日本国憲法衆院通過時の始原図では、現在アセンダントの支配星・海王星がネイタルのアセンダント上に在泊中。ヌエのような曖昧さと高度な精神性の狭間で、見えにくいが強力な力を発揮している。対外的な犠牲の精神とそれと表裏一体の自己欺瞞性がハイライトされているように見える。今回の双子座で起きた一連のアストロ・イベントは始原図上の3室~4室。そして前回の月食はMC上で起きている。政治的な変動と改革への模索期。全体に、改革を求める動きは海王星が絡むことから当初まとまりにくく、心の奥に抑圧された闘争心としてあちこちに乱反射していく可能性。なので当面は社会や「相手方」を仮想敵とみなして全否定するような感情に動かされていきそう。けれど、逃げられないリアリティをよく観察せざるを得なくなった時、それが結局は自分達自身との闘いであり、国としても個人としても、根本的な自己改革を求められていることが理解されていくかもしれない。不信の根源をどう絶っていけるかが鍵だけれど、時間はかかりそう。天王星・冥王星スクエアはネイタル7室の海王星を加えてTスクエア。やがては国内の状況、民意、近隣諸国との関係性を軸に、新しい独自性を持った国体の姿を考えていくような流れになる可能性も。「日本の精神性」やアイデンティティと考えられてきたものの源が一体何を指し示すのか、考えさせられるような事があるのかもしれない。但し今後も国難を経験する可能性は大きいと思うので、震災のスローガンとなった「絆」がまだ生きているのかどうか、その拡がりの如何と共に各自の精神が試されるということかもしれない。

エリス・ジュノー・セドナ・土星/イリテーション・レクタングル
ジュノー・火星・水星・セドナ/クレイドル
海王星・オルクス/オポジション
星達の言葉:
「父性的な権威が持つ欺瞞は許せない。何も変わらないなら対価を求めちゃうよ!」
すでに化石と化しているはずの家父長的な権威と義務だけれど、まだ社会の、そして実はわたし達の心理の隅々にまで根をはっている。強いリーダーシップへの憧れや誰かに依存したい気持ち。そしてリーダーシップの中に巣くうちっぽけなプライドと満たされない子供の感情。この組み合わせはそのまま幻想と失望と攻撃性の三つ組みとなって繰り返される。けれどエリス、ジュノー、セドナの女神グループはそのあたりのご都合主義的な欺瞞に光を当て、幻滅というカタチで見せてくるかもしれない。男性・女性の双方が都合良く相手を利用しあったり、依存しながら同時に否定しあうような関係への苛立ち。その他女性やジェンダーに関する問題の再考、性と所有と金銭にまつわる関係性への不満が出口を見つけられずに鬱積する暗示も。他に海洋資源の適正利用に関する話題や海洋生物、海に関わる異変などが続く可能性。

全体に常に知的な面を伸ばしたい、答を求めたいという願望が強い配置。対人関係では蟹座水星の冷たすぎないコミュニケーション力と乙女座火星の緻密な分析・行動力を使えると心が安定しやすいと思う。良い意味でのギブ&テイク。ただ、自分が一度決めたことに固執し始めると、突然、頑なで懲罰的になりやすいので要注意。そうなると精神が停滞してフラストレーションに陥り、再び黒か白かの2元性の葛藤にはまっていくので。

心理面では海王星とオルクスの対立軸が絡み、物事を複雑にする傾向も。無意識に溶け込むような動きとクリアな意識がせめぎ合って、気分が変わりやすい。注意力を維持出来るよう、適度な休息を。無理な約束はしない。けれど一度約束したことは出来る限り果たすようにしたい。

金星、エコーフェイズへ(6/28~ 7/31)
星達の言葉:
「イナンナの冥界の旅は終わった。わたしは地上に出てすこしずつ体を慣らしながら、地下世界で見てきたことにひとつひとつ、光をあて、深い理解を促していくだろう」
金星は滞留(ストームフェイズ)経て順行に入り、逆行が始まった度数23°59’までエコーフェイズに入る。5月中旬に逆行を開始してから今世紀最後の太陽面通過の儀礼も終え、金星が還ってくる。彼女はわたし達の精神性、愛、お金や物質のとらえ方や芸術表現に、新しい状況(環境)と創造性をもたらすかもしれない・・・と期待。

天王星・パラス・冥王星・太陽/Tスクエア(6/29~30
天王星・月・パラス・冥王星/スクエア(7/10午後)
天王星・冥王星のスクエアを基盤に一時的に強いエネルギーの高まり。

木星双子座進行(~2013年6/26)
星達の言葉:
「さあ双子座の二重性をよく見てみよう。そこにはきっと共通の土台がある。君はそれを見いだせるかな?」
木星は双子座特有の二極性・二重性を増幅する。それと同時に、自分の中で「敵」と見なしている存在との間に自分と共通の土壌や立場を見出そうとする働きもある。この1年木星が双子座を進行することはマインドパワーの増大も意味する。なので、もしかしたら2元性の苦悩を超えるための土台となるような知的発見に寄与してくれるかもしれない。 その他、エネルギーが注がれそうな分野はコミュニケーション・ビジネス、教育問題、旅行、交通手段の進化、宇宙、外宇宙に関する新しい発見、ロボット工学やナノテク、新基軸のコミュニティ、ハンドメイド製品や手を使うヒーリング、自給自足、アンチエイジングや不老不死の夢とそれに関わる薬品、テクノ・ミュージックへの新しいアプローチや進化、多角経営、通信技術、新しいメディアや書籍のあり方、そして言語障害や学習障害に関する研究が進むかも。。

    また、天王星・冥王星を背景とした双子座の木星の下、似たような精神を持つ者同士が集まってひとつのウェーブを形成していくような動きも顕著になりそう。けれど、木星の注意点は典型的な脳天気クンでもあること。一度にアレもコレもとあまりに多くの物事を取り扱えば、結果的に何一つモノにならず、バラバラな断片の山が残るだけかもしれない。また、リアルの対人関係でもネット上やメディアでも、対話や会話がどんどんショウ化して面白オカシクなる一方、よく考えてみたら内容は全くの空疎・・・なんてこともあり得るかな。。批判やぶつかり合いを回避したいがための双子座の得意技、注意逸らしの術があちこちで発揮されるなんて可能性も。。なのでその辺は少し気をつけたいところ。

       ん ・・・・・・と、木星の双子座入りに早速乗せられて、思い付くままにアレもコレもと沢山のコトバを書き連ねてしまいましたw。でも、カーディナル・スクエア手前のスペシャルな新月でもあるし、まぁいいかな。。(^_^;) 



        さて今回新月が起きる双子座28°~29°という度数。アストロロジャー、エリック・フランシスは最近の研究の中で、マンデーン的に一種の特異点である可能性を示唆しています。9.11のテロ事件や2004年にインドネシアを襲った大地震、そしてウィキリークスの設立、去年の東日本大震災、古くはタイタニック号の沈没などなど、一見繋がりは無いように見えるものの、どれも世界を震撼させた出来事の数々。これらのイベント・チャート上では、この双子座28°〜29°に、いずれも重要な惑星や感受点の在泊があるのだとか。 ちなみに、東日本大震災では月のサウス・ノードがぴたりとこの位置に来ていました。この度数が今回の新月期に再び世界で威力を発揮するのかどうかは未知数です。でもここには戦士の星とも呼ばれるオリオンの赤い恒星ベテルギウスが位置しているのも事実。 この新月は食ではないけれど、日食に準じる強い力を持っていると考えて良さそうです。 

この新月期、新しい季節の到来を告げるマネシツグミの声にぜひ耳を澄ませてみてください。その歌が映し出すだろう世の中の断片・・・怖ろしい歌、魅惑的な歌の数々。けれどそのどちらにも惑わされることなく、自分と自分に繋がる全体のために、どんなリアリティをイメージ出来るのか、そしてわたしはどんな歌を創っていけるのか、、、まずそこから思いを巡らせてみたい・・・。もうすぐ新月を迎える今、そんなふうに感じています。



Symphony of Science - 'We Are All Connected'
「サイエンス交響曲」 featuring : カール・セーガン(天文学者)/リチャード・ファインマン(物理学者)/ニール・デグラス・タイソン(天体物理学者)/ビル・ナイ(ザ・サイエンスガイ・俳優・教育者)
● ↑自動的に日本語字幕が出ない時は、映像がスタートした後、画面下に出る「CC」ボタンをプレス、「Japanese」を選択してください。


have a great trek!!!★


hiyoka(^_^)

hiyoka_blue at 13:28|PermalinkComments(6)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

June 10, 2012

レイモンド・メリマン 週間コメント 6/11 【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2012年6月11日(フリー版より)
翻訳:hiyoka 
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。またmerriman.jpさんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の は翻訳者によるものです)
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来週6/18付のメリマン・コラムは都合によりお休みさせていただきます。m(_"_)m


 ≪ 先週を振り返って ≫

        私達は現在双子座の季節(5/21~6/20)に入っており、6/11月曜には木星もまた双子座に入りその1年にわたる旅を開始する。それもあってか先週は、株式と貴金属の両市場が典型的な双子座スタイルのふるまいをみせた。世界の多くの株式市場は、前週金曜に出た米国雇用統計の弱さに加え、6/4に起きた月食が及ぼす影響の下、ギリシャの欧州連合離脱の危機が再燃したことを受けて急激な下落をみた。株はその後、木曜と金曜に向けて勢いよく反騰した。金市場と銀市場では前週からの反騰が続き、6/6水曜、金星による太陽のオカルテーションが起きると共にトップアウトした。金は6/6の高値1642.40から6/8の安値1556.40まで下落、銀は水曜の高値2986でトップアウト、2日後には2791まで下落している。ユーロ通貨は週の殆どで騰勢をみせたが、米ドルに対する日本円の相場は前週6/1に二番天井をつけた後、下落に転じた。一方、原油は先週3日続きの反騰の後、やはり6/7木曜にバレルあたり87.00をわずかに超えたあたりでトップアウトし、80.00を目指す動きを継続している。


≪ 先週のベストトレード ≫

        6/4月曜のデイリー購読者リポート【E-Mini & S&P】: 『積極的なトレーダーはフラットまたは本日のサポート(1257-1262.5)で買い。そして/または、本日のレジスタンスを売り。その場合各ラインを超えたところに引けでのストップロスを置く。』この日の安値は1262で引け値は1273だった。この後6/7のデイリー・リポートではこうアドバイスした。『…全てのロングポジションを1319.50か可能ならそれ以上で手仕舞うことを目指そう。』そしてそうなった。この日の高値は1329.50で引け値は1316.75。積極的なトレーダーにとってはたった3日で57ポイントのゲインとなった。

        木曜のデイリー購読者リポートでは5/15~16の金星の逆行に伴い示唆した【銀】のロングに関してこうアドバイスした。「全てを手仕舞ってショート。ストップロスは3020以上、10%の下落を待って買い戻し。」その日は2946で寄り付いた。【SLV(銀のETF)】のトレーダーは5/16(安値25.99)以来26.08でロングしてきた。6/7木曜のリポートでは「全てを手仕舞ってショート。引け値でのストップロスは各自のリスク・アロウワンスによって2910または3000以上に置く。この日の寄付値は28.74だった。高値は28.76で引け値は27.79となり、翌日金曜には27.32まで下落した。

訳文の文体など適当に省略しています。


≪ 短期ジオコズミクス ≫

        『 一方、経済の息の根を止め得る断崖絶壁はといえば、予定されている増税だ。この中には3倍増となる利益配当税、キャピタルゲイン(資本利得)に対する60%近い課税、個人所得税の20%引き上げが含まれており、これは小規模企業にとって打撃となる…』— ウォールストリートジャーナル2012年6/8付・「バーナンキの危機一髪」(Bernanke’s Cliffhanger)より

        アストロロジーの観点から言えば、月曜の月食と海王星の方向転換~逆行開始で幕を開けた先週は、なかなかに並外れた週だった。殆どの株式指数がその日の内か、翌日6/5の早い段階で底をつけた。

        現在効力を発している各惑星の動きを見るにあたっては、考慮に入れるべきいくつかの要素がある。まずは、金星が6/27まで逆行中ということだ。以前示唆したように、この期間中は一部の中央銀行が政策を変更する可能性がある。案の定、中国はほんの少し金利を引き下げると発表して世界を驚かせた。日本では、財務閣僚が会見で円高の再発は容認出来ないと発言し、先週を通じて円の価値は極めて高い水準から下落した。

FRBとECB(欧州中央銀行)はといえば、政治家達に対し、金融刺激策を続けることでこれ以上自分達中央銀行に過剰依存するのはやめて、分別のある財政政策を実施し、成長志向の経済を支えるという、彼らの本分を果たして欲しいと嘆願した。彼らの国の経済 — 世界の経済を、制御不能な支出と来るべき増税の重石に逆らって支え続けるには、彼らの弾丸は尽きかけているのだ。彼らはそれを「fiscal cliff/財政の断崖」と呼んでいるが、米国においてこの断崖絶壁は1月1日以降、その重く巨大な姿をうっそりと現している。各国政府は今こそ税制と支出政策の改革を声高に主張し始めねばならない。あるいはぜひともあるレベルの財政的成熟に達して、6/24から正式に始まり33ヶ月続いていく天王星・冥王星のワクシングスクエアの只中で一貫して示現する、全面的パニック状況という可能性を避けるための制御行動をとるべき時だ。
財務相のG7緊急電話会議での発言、または民主党前原政調会長の会見のことを指していると思われる
        だが、今月はどんな解決策も期待してはならない。しかしそれと同時に、今月から来年中を通して、掃いて捨てるほど多くの解決策が提案されるだろう。何故か?何故なら今太陽は双子座に(逆行の金星と共に)在り、そして6/11月曜には、木星がその1年にわたるトランシットを双子座で開始するからだ。双子座はアイデアの星座宮だ。それは明晰で、賢く、刺激的なアイデアだ。だが木星は豊富さ、または過剰をも示す。つまりそこが効いてくれば、非常に多くのアイデア — 多すぎるほどのアイデアが湧き出して、話し合いはそこここで活発に行われるのだが、実行に移されるための合意には達しない、という結果になるかもしれない。誰も彼もが張り切るが、そのくせ誰も責任を負ったり実現に向けて主導しようとはしない。誰もが解決策を引っさげているが、それは全て思考の中に存在する段階なのだ。皆が一様にすぐ目の前にあると言う栄光の大地。そこにどうやって辿り着くのか、誰も実質的なプランは持ち合わせていない。もし持っていたとしても、合意のためにもう一方の側に寄るれるようには見えない。そして典型的な双子座の特性として、彼らは(アイデアを空間に)投影する。つまり、討論は自分が投影した光を相手が見ていないという文句の言い合いに陥るのだが、その光は明らかに、それを真摯にみつめる勇気を持つ者の目を眩ませているのだ。
木星双子座入場:日本時間6/12午前2時半少し前
        それでは木星がディトリメントになるとされる双子座に在る時、市場はどう反応するだろうか?価格は急騰し、その後急落し、そしてまた非常にシャープな上昇をみせる — またはその逆も然りで、一気に希望に満ちたかと思えば一気に落ち込み、またそれ以上の希望が舞い戻り、そしてもし幸運なら、問題解決となる。もし幸運に見舞われなければ、生まれるのはぐるぐると同じ軌道を走り回ることから来るフラストレーションと懐疑だ。
ディトリメント:惑星はその時在泊する星座宮によって力の強弱が変わるといわれる。例えば自分が支配する星座宮(木星なら射手座)に在るときは支配星として強い力を持つ。射手座の対向星座宮である双子座にあっては木星はディトリメントとなりその力は損なわれる。
        これからの2週間は、来年全体の予告編となるだろう。何故ならこの時太陽が双子座に在り、そして来年にかけて木星が双子座に在泊するからだ。合意可能な結論を目指して多くの動きがみられ、多くの物事が見直され、やり直されるだろう。そしてその間、多くの市場が長期サイクルの天井や底をつけ、その後トレンド反転が起こるだろう。さらにそれら全ての上に、天王星がその7回にわたる冥王星へのスクエア形成を2012年6/24に開始し、それが2015年3/17まで続く。アストロロジーにおいて、この組み合わせは飛び抜けた才気と独創的な思考を特徴づける。それは大いに必要とされることだ。一方、これは狂気、そして常識や良識を見失うという特技をも持っている。

        再び言おう。大いなるスリル、そして大音響で演じられる(だがおそらくは滑稽な)英知と馬鹿馬鹿しさの喜劇を乗せて走り回る、ジェットコースターが出発する。今、シートベルトを締める時が来た。それは例えば先週ギリシャのアテネでTV放映されたライブ番組中に起きた、男性国会議員が女性議員を平手打ちした喧嘩のようなものだ。この一件は2012年6月に展開し、2013年6月まで持ち込されるジオコズミック・サインを何とよく象徴していることか。成熟、良識、そして自己制御の価値は今やひどく貶められてしまっている。


≪ 長期的考察とトランシット物語 ≫

        さて、これらのトランシットに1つポジティブな顕れがあれば、と私は願っている。それは個人的なものだ。それは私が双子座(学習と知識)の木星(教育)の下で立ち上げようとしている、新しいマーケット・タイミング・アカデミーに関することだ。そして双子座の典型として、私達もまた発足の前に、ある重要な変更を加えようとしている。更新された内容は、私のチャートで今教育を司る9室に在泊するトランシットの木星と金星オカルテーションが、双子座にある私の月のノース・ノード(と天王星)をヒットしている事実に合致している。この月のノース・ノードは私のネイタル・チャート上にある、神の指と呼ばれるヨッド(蠍座の金星・木星のコンジャンクションと山羊座の月に向かっている)構造の頂点にあたるのだ。これが新しい目的と方向性を暗示している。
ヨッド(YOD):2つのクインカンクス(150°)と1つのセクスタイル(60°)からなるアスペクトの組み合わせ。指差すような鋭い三角形を形成し、その頂点にエネルギーが向かうとされる。別名を「神の指」ともいう。
        最近私は、私の市場分析と市場タイミングに対する情熱を分かち合う人達のトレーニングを専門とする、アカデミーの設立を発表した。その機関の名称は「オンライン・マーケット・タイミング・アカデミー(OLMTA)」となるはずだった。

        発表に対して寄せられた反応は目を見張るほどで、私は大変嬉しく思った。私達のオフィスで新しいアカデミーに対応するということは、沢山の刺激的な変化を受け入れることに繋がっていった。何故なら私の目標は新たなアカデミーの全入所者に対し、長い年月の間、私達の既存の顧客が享受してきたのと同じ水準のプロフェッショナルな方法で貢献することだからだ。

        いくつかの変化の中には、今までよりずっと広いオフィスに移ること、より高速なインターネット・サービスを確立すること、電話システムのアップグレード、そしてアカデミーのためのプロジェクト・コーディネーターを雇うことが含まれている。

        そしてもう1つ、重要な変更がある。読者の皆さんの多くが既にご存知のとおり、私は1993年にオンライン・マーケット・タイミング・アカデミー(OLMTA)のドメイン・ネームを取得している。その当時はこれが予感されたアカデミーにふさわしい名称だと思ったのだ。しかしながら、今日ではその名称はこのアカデミーが将来遂行するであろう活動計画の全てを包含していない。そこで今や新しい名称、「メリマン・マーケット・タイミング・アカデミー(MMTA)」に変更された。

        こうした名称変更がもたらすかもしれない混乱を避けるために、古い名称を使ってなされた全てのメッセージ、申し込み、そしてウェブサイトに掲載された投稿は、皆有効であり内容に変更は無いことを理解していただきたい。変わるのは名称のみだ。

        私達はウェブサイトmerrimanta.com、それと「Basic Principles of Financial Astrology for Financial Market Timing」コースの入門課程への登録開始にゆうに間に合うよう立ち上げ予定のmerrimanmarkettiming academy.comと同様に、このウィークリー・コラムによって、全ての人に最新情報をお届けするつもりだ。この講座はミシガン州トロイ(デトロイト市のすぐ外側)で9月15~16日に開講予定で、またライブ形式のウェビナー(オンライン・セミナー)に参加することも出来る。






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)金融アストロロジー 

June 05, 2012

エロスとカオスの邂逅_金星太陽面通過(金星オカルテーション)

金星オカルテーション(ビーナス・トランシット):日本標準時でコンジャンクションは6/6、10:09頃です。但し実際に各地から太陽眼通過を観察出来る時間とはズレがあります。こちらのサイトに詳細が掲載されていますのでご参照ください。

今回の背景にひろがる新月のテーマはココ、満月のテーマはココにありますのでよろしければ併せてご覧ください。

とりあえずサビアンシンボルを再掲載。。
【金星・太陽 双子座15~16°】
"A woman suffragist orating"
「演説する婦人参政権論者」

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
 →★自ら変化と現実を創り出す決意
 →★プライドを超えて赤裸々な事実を把握する力
 →★力VS力の危険をどう乗り越えるかの挑戦
 →★男|女、左|右などあらゆるステレオタイプの先鋭化とそこからの自由
 →★煽動に乗る心の動きとそれを鋭くみつめる眼
 →★あらゆる刺激を前進の力に変容させていく内的な力
 →★この世界で自分がどう機能していくかの問いかけ

        6/6、今世紀最後のイベント金星の日面通過が起こります。金環食~部分月食から次の新月までのテーマを背景として天空に起こる、この稀な出来事は、わたし達にどんなエネルギーを与えるのでしょうか。今回は特に、その創造的な側面に的を絞って考えてみたいと思います。

        月食の記事でも触れましたが、この金星トランシットの時、ホロスコープ上では太陽と金星にキュビワノ族の準惑星(候補)カオスがタイトにコンジャンクトしています。そういえばUACのインタビューの中で、これまでの金星による太陽掩蔽の歴史上、これほど強力なフォーメーションは無かった、と言っていたアストロロジャーの言葉が印象に残ったのですが、天王星・冥王星ワクシングスクエアを大背景に立て続けに起こる食やハードアスペクトの中心部にこの太陽・金星・カオスの合が存在しています。この事には何か大きな意味があるように感じます。

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以前にも書いたように、ネイタルでカオスが存在する場所は、そのひとにとって人生で一番の挑戦を受ける領域を示すと言われています。けれど、それは常にはっきりと意識されるわけではありません。意図と思考をもって、きちんと見ようとしない限り、なんとなくズルズルと逃避してしまったり後回しにしたり、ボンヤリとふけってしまうような何かの誘惑、クセ。沢山の可能性を自ら逃しているかもしれない、それはわかっているのに、なかなか前に踏み出せない・・・。

カオスの発見チャートでこの惑星は恒星アルゴルとタイトなコンジャンクトでした。アルゴル=神話の怪物メデューサ。この、頭髪が蛇の元乙女は、あのリリス3姉妹の1オクターブ上の存在と言われています。そしてリリスは聖書に出てくるアダムの最初の妻だとも。彼女は服従を拒否し対等を求めたことで罰され、楽園を追われた原初の女です。そしてアダムの肋骨から作られた2度目の妻イヴを、智恵の果実を食べて目を見開くよう誘惑したとされる蛇、これがリリスの化身した姿。メラニー・ラインハート、そしてエリック・フランシスは、その対談の中でそんなふうに指摘していました。そう考えると、アルゴル/リリスは蛇となってアダムとイヴを眠りから覚まし、混沌の眠りから進化の道へと誘ったのだとも言えます。発見時、このアルゴルのエネルギーを色濃く受け取ったカオスは、眠りから覚めるのか?いやだ、平和に眠ったままでいたい・・・そんな厄介な二律背反の仕組みを突き付けてくるのかもしれません。

けれど同時に、このカオスの挑戦に意識的に立ち向かい、意図を持って乗り越えることが出来たとき、その霧のような混沌は類い希な創造力の源泉となる可能性があるのではないでしょうか。ギリシャ神話のカオスは、天・地・神が創造される以前の「存在」、ただエネルギーとポテンシャルが渦巻き、粒子と反粒子が対消滅を繰り返していた混沌のように、全ての「個の神話」を繰り返し産み出し、死と再生を与える力を象徴しています。それは原初から、そこに"在る"もの。自らの内部の、永遠と触れあう場所に消えることなく存在しています。けっして他から与えられるものではないし、力が生まれるために必要な刺激さえも、自らの揺らぎと歪み(良いも悪いも無く)によって生まれます。だから、この混沌から望む現実を創り出す力を、パワーがありそうに見える誰かや既成の道具に頼っても、多分道は行き止まりになるでしょう。それだけ、このカオスの挑戦を克服するのは人間にとって簡単なことじゃないのだと思います。

        そのカオスが、太陽・金星のオカルテーション組とコンジャンクト。火星、フォルス、月と冥王星、天王星、月のノードやリリスにジュノーなどが結び合って、そのチャートはネガ・ポジ両面でとても強力なエネルギーを示唆しています。大地にも天空にも、何か異変がありそうな気もします。でも、それと同時にここには、もしかしたらまたとない1つのチャンスがあるのかもしれません。

        金星は5/15の夜から逆行を続けています。金星はシュメールでは出産や豊穣、そして性愛を司ったといわれる女神イナンナ。金星逆行を、神話の中で語られるイナンナの冥界下りと結びつけて考えるアストロロジャーも多いようです。伝えられる神話では、イナンナは冥界でその姉でありアンダーワールドの女王であるエレシュキガルによって捕らえられたり殺されたり、さんざんな目に遭います。詳細は長くなるので控えますが、金星はこの逆行=冥界下りの苦行を通して自らの奥深くにくまなく光をあて、過去と未来を繋ぐ様々な記憶の中に潜む痛みを、こころと体で追体験しているように思えます。そして、最終的には地上と冥界、2つの世界の2人の女神として分かたれてしまった自分自身を、再び1つに統合しようとしているのではないでしょうか。この神話の最後の部分は、地上の女神イナンナと地下の女神エレシュキガル、両方への賛歌で締め括られているそうです。

そして6/6、冥界の旅の途上で金星は太陽と出会い、ぴたり重なり合います。それは、金星が象徴する女性エネルギーと太陽が象徴する男性エネルギー、真言立川流風に言えば赤白二滞の和合によって太陽のもたらすロゴスのエネルギーをいっぱいに受けた金星、イナンナが、地下世界からいっとき蘇って自らの存在を宣言する日、2つの世界の境目にあって新たな存在としての「声」を上げる日、そして、この世界という存在の在りように、新たな可能性を生み出す日ではないかと思います。そして…その影にはカオスがそっと寄り添っています。。

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 Venus transit to the Sun (credit : ESO)

        トランスプルートの研究でも知られるアストロロジャー、リン・コイナーはUACカンファレンスの席上で、金星のオカルテーションを『世界や事物に対する全く新しい視座、物の見方が生まれる時』だと述べ、1800年代に起きた2回のオカルテーションと芸術分野での印象派の誕生との関わりを指摘していました。『それまでの時代には怖ろしくて考えもつかなかったような新しいパースベクティブが与えられる』。そして、『金星よりは頻繁に起こる水星のオカルテーションの場合、思考面で世界同時多発的な方向性が生まれるのではないかと考えている』とも付け加えていました。

また、同じくUACで行われたエリック・フランシスによるインタビューで、デビッド・トレスマーが金星オカルテーションのエネルギーを利用した強力なビジュアライゼーションを薦めていたことも印象に残りました。

彼はこう言います。『金星(ビーナス)は自らの体内に息子であるエロスの力を孕んでいる。エロスこそが「混沌」からあらゆる事物を産み出すパワーそのものだ。私達の住む世界は「物語」そのものであり、ひとりひとりの物語が有機的に寄り合わさってこの世界が創られていく。そしてエロスが自らの内側で働く時、初めて物事に「意味」を与える。エロスは幻像に生命を与えるのだ。ならば今このエロスの力を自分の中に見出し、身近な状況で良いので、自分と世界全体、共に「こうありたい」という神話の1シーンを具体的に描いてほしい。それが金星オカルテーションにあたって人類が出来ることの一歩だ』。

そして、『これに必要なのはしっかりとした意図と視座であり、曖昧でキラキラした願望ではない。この世界の実情を見すえ、自分の生き方を見つめた上で、自分自身のエロスが一体何処に向かいたいのか、人生という宇宙に何を創造したいのか、その詳細を具体的に思い描き、思考のカタチを創り上げることだ』とも言っていました。また、『もし災害や死や喪失など、ネガティブな未来しか思い浮かばなかったらそれでも良い。それを思い描くと同時に自分の中にどんな反応が起こるのかを観察し、打ち消そうと焦らず、それを全てそっとホールドすればいい。そして、これを自分自身の思考以上の世界にただ、預けると意図する。そこに怖れは全く必要ない』とも。この最後の部分はきっと、天王星とスクエアを形成する月・冥王星が生み出す緊張感と、このペアにセクスタイルで大きな援助を与えるカイロンの、再生へと導く深いヒーリングエネルギーが請け負ってくれるでしょう。

        でもこれって・・・いわゆる「引き寄せの法則」として紹介されているシステムによく似ていますよね。原理としては同じようなものかも。で、多分これに対して予想される反応って大体はこんな感じかな?・・・A)世の中そんな上手い話があるわけないじゃん、ったくうさん臭いよな~ B)あぁこれね、もう普通に実践してるよ♪ C)興味はあるけどやったことないし、果たしてうまく行くもんなの? D)いや、まぁわかるけど。自分は別の道を行く。

A)のひととB)のひとは、そのままGoing My WayでOK!で、C)のひとは、もし興味があるなら簡単なことからトライしてみる価値はあると思います。必要なら教科書的な本はいくらでも出ています。でも、別にそんなのに頼らなくても、試すのはひとりで出来ます。もし心許なければ、例えば何でも話し合えるひとと共にうんとリラックスした状態で、互いにどんな感じが理想的な状況かを訊ねあう。相手がいつか本を書きたい・・とか言ったら、「いつ出すの?どんな内容?装丁は?値段は?どのくらい売れるの?」とか具体的な質問を投げかけ合って、話の中でどんどん幻像が具体的な絵になっていく様子を互いに分かち合う。そうやって出来上がった「像」をしっかり胸にとどめて、それをもとに、またひとりで仕上げていく・・・といったふうに。

でも、これを読んでくださっているひとの中で、もし『自分はそういうのとは違う道を行く』と思うひとがいたなら、その「異なる道」を歩むためにこそ、このエネルギーが持つ創造の可能性を、そのひとオリジナルのやり方を見出して使って欲しいな、と思います。2つの道には重なる部分とそうでない部分があります。何が違い、何が違わないのか?…それは多分、幸福になるためのテクニックを超えた、真の"サレンダー"という意図が存在するかどうか、それだけかもしれません。

言葉にならないくらい、外から見たらわからないくらい、微妙な違い。勿論、何が良いとか悪いとかいう話でもありません。多分、宇宙は何でもアリなんです。ただそのささやかな道の違いは、対向のフォルス(小さな要因・大きな結果)が受け取って、いつか静かに増幅していくでしょう。いずれにしても、わたし達がこれからどんな神話を産み出していけるかは、わたし達ひとりひとりの内側に生きる、エロスとカオスのダイナミックな出逢いにかかっているのかもしれない…そんな気がしてなりません。

        ところで、今年2012年はマヤ・カレンダーでひとつの時代が終わり、新しい時代が始まる要の年としてずっと話題になってきました。その区切りとなるのが今年の冬至、12月21日。でも、アストロロジャー、ジェミー・パートリッジによれば、他にも今年をクリティカルな年として預言している暦があるそうです。それは北米大陸の先住民族、チェロキー族に伝わる「チェロキー・カレンダー」。そして1811年2月、ロッキー山近郊で啓示を受けた預言者達が、この部族の暦にのっとって受け取ったビジョンを伝えたとされています。この中に「ラトルスネーク・プロフェッシー(ガラガラ蛇の預言)」と呼ばれる記述があるのですが、それは彼らに伝わる天文学上の星座「ガラガラ蛇座」にまつわる預言でした。ちなみに、このチェロキーに伝わる星座の先端には、あの涙をもたらすと言われるプレアデス星団が位置しています。

そしてこの預言に、今回の金星オカルテーションのことが出てきます。『2004と2012の年にチェロキー・カレンダー、そして天空におわすガラガラ蛇座の両方に、ひとつの配列が顕れる。それは「双頭の蛇」が頭をもたげる時だ。それはオリオンの赤き者と木星が、プレアデスの青白き者と金星に対し、立ち向かう時だ』。ジェミー・パートリッジの研究では、2004年6/8、このシリーズ初回の金星オカルテーションの時、金星はオリオン座の青白い恒星、リゲルとコンジャンクトしていたそうです。そして今回のオカルテーションはプレアデスの位置で起きた金環食から2週間後、まさに木星がプレアデスの位置を占め、太陽と金星は再びオリオンの青白き星リゲルに、そして水星もまたオリオンにあるのだそうです。このオリオンとプレアデスの位置の交換は何を意味しているのでしょう?そして赤き者とは?太陽・金星・カオスにスクエアを形成して一触即発のムードを醸し出す、火星でしょうか? それともオリオンの赤色巨星、ベテルギウス?・・・そういえば次の新月は奇しくもこのベテルギウスが位置する度数、双子座28〜29°で起こります。

もう少しこの預言を調べてみると、チェロキーの人々はこの日を『蒼き者が帰還する日』とも言っているのだとか。(ん?まるでナウシカに出てくる神話みたい…そういえば砂の惑星のフレーメンの眼も蒼色だったなぁw)そして南米ではこの同じ日を、「羽毛ある蛇」にして平和をもたらす神、また人類に「火」をもたらした神ともされる、『ケツァルコアトルが還ってくる日』と呼んでいるのだそうです。いろいろな意味で興味深いお話。。


        さぁ、今世紀最後の金星日面通過はもうすぐです。チャート上では地底にパートナーシップの女神ジュノーが、天頂にはブラックムーン・リリスが対峙していて(ここでも何だか地上と地底の女神が入れ替わっているみたい)、タントリックな愛の探求には良いけれど、極端な2面性がぶつかりあうと、熱愛もちょっぴりサバイバルモードになるかも?それに東の孤独なトランスプルートには、西で滞留から逆行に入った海王星とネッソスが信用ならない狡猾さをかいま見せています。土星には天王星とリリスから変形YODが来て、うっかりしてると気分の上下や突発事項にやられて足許がふらつきそうなチャートです。

でも、ひっそりとグランドトラインを結ぶ水星・土星・ネッソスは、痛みや暗さから逃げずに見据える強さと冷静さ、そして想いの中でそれを整理し、まとめていく働きを助けてくれるでしょう。そして、もうすぐオカルテーションとなる月・冥王星とカイロンのセクスタイル、また孤独な批評家トランスプルートに遠くからそっと優しく手を差し伸べる1992QB1の精妙な囁きも、侮りがたい宇宙のギフトです。

そして、なによりわたし達の胸にはカオスとエロスの燃える火が!


アスペクト全体をぼんやり見ていたら、ふと大昔のひとが描いた洞窟画みたいに見えてきました。なんだかこの図、今にも翼を拡げて飛び立とうとする鳥のよう。(今回のアスペクト、まるで線画のロールシャッハテストみたいですw)この鳥はもしかしたら将来、わたし達の夢と現実の境界をクールに飛び越えて行くのかもしれません。アストロロジャー、レン・ウォリックの言葉が耳に残っています。『…私達がそれでもなお理想に向かって進んで行こうとする、その全ての動きをひとつの流れへと変容させていくのは、今や逆行に転じて潜行し、万物にひたひたと浸透していく海王星の持つ、至高の美の部分ではないだろうか…』と。


        2012年6月6日、晴れていても雨であっても、遠い宇宙にちょっぴり想いを馳せながら…自分の中に生まれ続ける火を対象の無い愛に向けて、せいいっぱい燃やしてみたいと思います。


have a great trek!!!★


hiyoka(^_^)

hiyoka_blue at 20:30|PermalinkComments(6)TrackBack(0)パーソナル・アストロロジー | 惑星達の話

June 03, 2012

レイモンド・メリマン 週間コメント 6/4 【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2012年6月4日(フリー版より)
翻訳:hiyoka 
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また merriman.jpさんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の は翻訳者によるものです)
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≪ 先週を振り返って ≫

        世界の株式市場は、世界規模で爆発する負債問題の破滅的帰結に対して反応し始めている。これは迫り来る天王星・冥王星ワクシングスクエアが、2012年6月に都合7回起こるアスペクトうち最初の形成をスタートすることによって予測されていたことだ。これについては一言、『だから言ったろうに』という話なのだが、このコラムを去年来読み続けてきた読者の方々は、この33ヶ月に及ぶジオコズミック・サインが2012年6月〜2015年3月まで効力を発揮することを重々ご承知だ。去年の7〜8月にこれら2つの惑星"発電所"が正確なスクエアまであと1°まで迫った時、米国の法的債務上限を引き上げるための最終的で苦渋に満ちた妥協案がついに成立したが、それを追うように、結局のところは次の週、格付機関S&Pによって米国の信用格付がトリプルAから史上初めて格下げされるという結果が待っていた。これにより世界の株式市場は急落した。

        しかし、こうしたタイプの経済危機に際してどう対処するかを見出すにあたって、もし皆さんがトレーダーでないか、またはトレーダーであっても世界の株式市場を十分にショートしているなら、話は全然別の問題だ。全くもって、世界の何処にも安全でリスクの無い投資など見当たらないという、この時代初の状況が存在する。まぁ皆さんはこれまで以上に『ディール・オブ・ザ・センチュリー/世紀の取引』で大儲け、などという誇大宣伝を耳にするだろうが、それは皆、いまだにお金を持っていながらそれをどうしたらよいかわからない人々に対して投げつけられる、無価値なゴミが増えていることを示すだけに過ぎない。(99%の私達が打撃を受けると共に1%の富裕層も莫大な増税に打ちのめさる。それが現在進行中の金融崩壊の裏に分け隔てなく潜む現実というものだろう)。
Deal of the Century : 1983年米国で公開されたウィリアム・フリードキン監督の映画。実は破綻寸前という企業の実態をよそに、最新テクノロジーの武器を南アメリカの独裁者に一番高値で売りつけた者が勝つという、競合企業のセールスマン同士の競争を描いたコメディ?らしい。
        キーワードは『あなたの財産を守れ!』で、これはとにもかくにも土星が冥王星に対してウェイニングフェイズにある時(2001〜2020年)の呪文だ。それは株式市場やそれに類した場に『あなたの財産を投資しよう!』という呪文がしきりに唱えられたワクシングフェイズの時(1947〜1966年,1982〜2001年)とは似ても似つかない。今や状況はその様相を全く異にしている。特に2010年、土星が冥王星とのワクシングスクエアに達し、FRBが短期金利をゼロ近くに抑え続けたばかりか、今や米国10年債がたったの1.5%という記録的に微々たる利回りとなるなど、一連の量的緩和策をスタートさせてからその傾向が顕著だ。

        こうした流れで行けば、皆さんはまもなく自分の貯蓄口座を維持するために銀行に利息を払わねばならなくなるかもしれない。何故なら、ここ何世紀もの間支配してきた賢明な投資の規則書が、逆さまにひっくり返されているからだ。人生を通じて貯蓄に励み、資産に投資してきた。だがそれをやり続けてきた結果が、過去5年間の純資産と利息収入に手ひどい損失を被るという悪夢に終わる。だが政府の指導者が気付いていないのは、それが連邦の2008年と2011年の歳入に16%の減少を同時にもたらし、結局は単に米国の(そして世界の)負債の山を増大させただけだったことだ。私のファイナンシャル・アストロロジーの理解によれば、こうした潮の流れは月のノースノードが不況の座である水瓶座と山羊座を去ってから徐々に終盤に近付こうとしているにもかかわらず、なおも預金者や資産保有者は罰されてきた。そして今や再び、世界の株式市場を嵐が襲おうとしている。

        33ヶ月にわたる、天王星・冥王星スクエアの世界へようこそ!皆さんは今までと同じではいられないだろう。世界もまた、どうすればよいかの手掛かりを持ち合わせはしない。何故なら、1)物事は今までと様相が違い、参照すべき過去は前回天王星・冥王星がスクエアとなった1931〜1934年だが、当時の指導者達はどうすればよいかの手掛かりを持ち合わせなかった。2)効き目のある物事を遂行するには忍耐力と長期を見据えた計画が要求されるが、政治家達は忍耐力を持ち合わせない。何故なら有権者に忍耐力が無いからだ。だが良いニュースがある。2012年終盤(大統領選の後)〜2013年を通して、この苦しみを止めるための実際的な長期計画が進展する可能性を秘めたアストロロジー上の時間帯が存在するのだ。この計画のために払わねばならない犠牲を通してもたらされる結果を見るには5〜8年(土星と冥王星が2020年1月に合流/コンジャンクトするまで)かかるだろう。

ところで、ここで真剣に問わねばならない質問がある。「何故私達は銀行を必要とするのか?」そして、「民主的原理と平等に価値を置く健全な経済と社会において、銀行が果たす適切な役割はどうあるべきなのか?」 冥王星は負債と銀行を支配し、山羊座は政府を支配する。山羊座の冥王星が危機を脱するための鍵を握っているのだが、その危険な曲がり角に到達するのは通常、15年間のトランシットの中間期、すなわち2015年だ(冥王星が実際にその248年周期の中で山羊座に滞在するのは2008〜2023年)。

        世界中の株式市場が手ひどい打撃を受けた先週、貴金属市場が上方に飛び立ったことに注目してみると興味深い。金は金曜1日だけで1トロイオンスあたり60.00ドル騰がった。先週、金はそのトリプルボトムである1520〜1540のラインを割りそうな不穏さだった。それが金曜には、1630まで騰がっている。さて、ここで中央銀行の諸氏方にお聞きしたい。あなた方はこれでもまだ金はリアルな通貨、リアル・マネーではないと思われるのか? 最初からずっと言ってきたように、通貨市場が不安定である限り、金は長期では騰がる以外に無いのだ。しかもヨーロッパの通貨は、ユーロ圏の銀行を支え、いくつかの加盟国で取り付け騒動が起こるのを防ごうとヨーロッパ各国が苦闘する中で、まったくもって不安定となっている。これは全て、土星・冥王星のウェイニングフェイズにおける最後の8年間が見せる様相の一部であり、また天王星(危機の惑星)が冥王星(死、負債、そして再生の惑星)との正確なスクエアを形成しようとしている現在、特に強力だ。


≪ 先週のベスト・トレード ≫

        過去数回の週間コラムで、私はレポート購読者向けに発信した推奨トレードの内容を差し挟んできた。多くのケースでこれらのレポートが非常に正確だったことに応じてか、読者の皆さんにはこうした情報が好評だったようだ。そこで私は今後このコラムに≪先週のベスト・トレード≫という名の新しいコーナーを入れてみようかと思っている。

        先週の週刊購読者レポートから5/28【ダウ平均】:『ポジション・トレーダーは12,610またはそれより高値でショートを狙うのが良いだろう。その場合、引けで12,750以上にストップロスを置くこと』 先週の高値は12,611だった。週末の大引けは12,118で終わっている。これ以上、何処を探しても無いくらいの好結果となった。

        日刊購読者向けレポートから5/21【金】:『積極的なトレーダーもまた、現在1540以下にストップロスを置いてロングしている。今、その1/3を利食いすることでかなりの益を確定しよう。そして1540〜1555まで下落したところで買い戻しを狙おう』 5/21、金は1599でトップアウトした。5/23、金は1532.80まで下落したが、1540以下で引けることはなかった。今日、6/1金曜日現在、金は1630まで騰がり、このトレードは1週間で1コントラクトあたり約80ドルの利益を示している。


≪ 短期ジオコズミクス ≫

        2012年、最も強力なジオコズミック・サインのいくつかが、最も濃密に寄り集まった時間帯が、6/23〜29だ。これには天王星・冥王星のワクシングスクエア、金星と土星両惑星の順行開始、そして木星の海王星へのワクシングスクエア形成が含まれる。これらはそれぞれ市場の崩壊と一致する可能性を持つシグナルの一種だ。この時間帯は、これから起こり得る全ての事象、自らのエネルギーそのものの中で増大していく力の最強の「磁石効果」を象徴し、+/−1週間の揺らぎを持って、その期間の集合心理にクライマックスをもたらす。

        それに先駆けて、今週(そして来週)もまた、私達は並外れたジオコズミック・サインの組み合わせを体験する。6/4月曜、月食を迎えて逆行の金星に火星がスクエアを形成し、海王星が逆行に転じる。これは潜在的にヒステリーが支配する時であり、無防備な人々に投げかけられる非難について、その真偽を見抜くという挑戦の時でもある。愛情関係にとっても奇妙な時で、活発なやり取りはみられるものの、一体誰を信頼出来るだろうか?そして火曜の夜または水曜の朝、非常に稀な金星による太陽のオカルテーション(食)が起こる。直近でこれが起こったのは1761〜1769年、そして1874〜1882年(天王星・冥王星ワクシングスクエア期の半ばで米国市場最長の経済不況が起きた時)の2回だ。これは間に8年を挟む2回のペアで起こる。今回のペアの初回は2004年6月だった。

        6/7木曜には、太陽が火星に対して戦闘的なスクエアを形成する。続く6/11月曜、木星が双子座に入ってその1年にわたる旅を開始し、一方水星は天王星・冥王星スクエアに対してTスクエアを形成、これもまた株式にとっては潜在的な「急落」日であり、なおかつ2012年6/24〜2015年3/17の天王星・冥王星スクエア期全体を通して何が起こり得るかの、もう一つの予告編だ。


≪ 長期的考察及びトランシット物語 ≫

        先週は私にとって良い週だった。いや、良くない訳が無い。結局のところ、牡牛座終盤に入った木星が、乙女座にある私のネイタルのアセンダントに好ましいトラインを形成しつつあり、そしてこれが私の9室(教育、セミナー、旅行)を通っているのだ。

        そんな訳で、私は月曜の夜ニューオーリンズに滞在し、UACが開催されるごとにその最終日に催される大がかりなレグルス賞の晩餐会場で、アストロロジー界、金融業界の親愛なる10人の友人と共にテーブルに着いていた。UAC(United Astrology Conference)についてよく知らない方々のために説明するなら、これは世界各国のプロフェッショナル・アストロロジャーや研究者による最大規模の会合だ。UACは4年毎(大統領選の年)に開催され、50を超える国々から約1500人の実践者が参加する。これは並外れた、しかも高エネルギーに満ちたイベントであり、5日間の間にファイナンシャル・アストロロジーを含めて18の分野で約300もの講座が提供される。

        月曜の夜、レグルス賞の晩餐会が開かれた。ここではアストロロジーの5つの分野に対する貢献に対し、5種類のレグルス賞が授与される。この賞はアストロロジャーにとって、映画界に例えるならオスカー賞に匹敵する。各賞にはそれぞれ5人の候補者がいる。私はレグルス賞の「調査・発見・革新」部門にノミネートされていた。私はワクワクしていたし、同じテーブルに着いた友人達も同様だった。だが、私は選に漏れてしまった。賞は私の良き友人であると共に、真のオリジナル思考の持ち主であり、また惜しくも数ヶ月前にこの世を去った、ロバート・ブラシュクに授与された。私はロバートを良く知っているので、こんなことを言っても彼は怒ったりしないが・・・最近逝ってしまったヤツが相手ではどうしたって勝ち目はない。

        という訳で、OK、それはそれだ。そして私はこの賞がロバートに授与されたことが素直に嬉しかった。彼はこの賞にふさわしい人物だった。また、その後に最後のレグルス賞の発表があったのだが、これは「アストロロジー専門家のイメージUPへの貢献」という部門で、私はこの賞を1995年に受賞していた。そして、なんと驚いたことに、かつ嬉しいことに、この賞がカナダはアルバータ州エドモントンの、クリス・マクレーに授与されたのだ。クリスは私が1998〜2008年までISAR(The International Society of Astrological Research)の会長をしていた時に副会長を務めてくれ、現在の会長の下でもその役割を果たし続けている。彼女は受賞スピーチの中で、アストロロジーの世界で彼女のプロフェッショナルとしての役割をどう活かし開発するかについて、私が与えた助力の全てに対する特別な謝辞を述べてくれた。それは、リサーチ部門のレグルス賞を取れなかったという、私のちょっとした失望感を埋め合わせる以上のもの、特別で、胸を打つ瞬間の訪れだった。私はその時幸福感と共に、自分のチャートを進行する木星の温情と善意を感じたのだった。

        だが、それで終わりではなかった。もう1つ別に、他の5大レグルス賞を凌ぐ賞の授与があったのだ。それは「ライフタイム・アチーブメント」賞といって、これまでのUACではたった3人のアストロロジャーにしか与えられていない。私達の誰も知らない内に、今回はこのライフタイム・アチーブメント賞が2人に授与されることになっていた。2つの内、最初の賞についての紹介が半分ほど進んだ時、突如として私は、彼らが今話しているのは・・・私のことだ!と気付いた。ワォ!驚いた!そして・・・なんて名誉なことなんだ!私の親しい友にして仕事仲間でもありバニティ・フェア誌で高名を博したマイケル・ルティンと共に、この仕事で肩を並べる仲間達によって、アストロロジーという分野に捧げてきた人生そのものに対する賞を与えられたのだ。私はこのように認めてもらえたことに対し、本当に襟を正す思いだった。

        ところでUACの会議は、特別に選ばれたメンバーによる、2012年米国大統領選に関するパネルディスカッションで締め括られた。私はその司会役を務めたのだが、2008年にパネリストとして参加した時には、参加者6人の全てがその年の選挙で勝利者になりそうな候補者としてバラク・オバマの名を挙げた。そして今回もう一度、5人全てのパネリストが何故今年オバマが再選される可能性が強いかについて、それぞれの理由を挙げたのだった。私は彼らのそれぞれに、自分の予測の達成確率を尋ねた。そのレンジは70%(チューリヒのクロード・ウェイス)から90%+αというところだった。また彼らは、今年の選挙結果は問題含みで、投票日から数日の間はどうなるか全貌が見えないという、2000年とよく似たことになるのではないか、という意見でおおむね一致をみた。疑惑に満ちた2000年の選挙結果では、投票日に水星が逆行中だった。そして2012年の投票日、再び水星は逆行するのだ。私はそのパネルディスカッションを、『2012年11月、私達はここに集ったアストロロジャー達が真に優秀であるのか、それともかなりリベラル寄りの色メガネをかけているのか、その結果を目撃することになるでしょう』という言葉で締め括った。

        もしかしたら、殆どのアストロロジャーはリベラル寄りの考えを持っていて、多分私はその殆どの人達と比べてもう少し保守寄りなのかもしれない(とはいえ、私自身は自分を独立・中道派だと思っているのだが)。だが私の観点からすると、オバマの勝利については私のアストロロジャー仲間ほどの自信は持ち合わせない。私の研究では、オバマの勝利には55%かそこらの確信しかなく、そしてこの数字は、もし経済がこのまま落ち込み続ければ、特に天王星(混乱とリーダーシップの変更)と冥王星(経済不況と負債)の下では、変化する可能性が高い。この選挙に関する私の最終予測を出すのは9/20近辺になるだろう。私は自分の考えを定める前に、この天王星・冥王星が発するシグナルに対して有権者と候補者がどう反応するかを観察する必要がある。

        さて一方、先週一週間にわたって、こうした才気溢れる思考を持つ人々のコミュニティで過ごせたことは私にとって良い体験だった。それは、異なるイデオロギーを持った人々が共に仲良く過ごし、互いに敬意を払い、しかも生産的な会話を交わせることを、私にあらためて示してくれたのだ。もし議会とホワイトハウスに、アストロロジーのコミュニティがいかに機能しているかを観察出来るチャンスがあったなら・・・そうだ。そこでは山羊座と牡羊座でさえ、仲良くやっていけるのだ。





訳文ここまで
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UAC大統領選パネルディスカッションのUストリーム録画
http://www.ustream.tv/recorded/22941325

hiyoka_blue at 20:45|PermalinkComments(4)TrackBack(0)金融アストロロジー