February 2014

February 28, 2014

○3/1の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
    例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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新月タイムスケジュール
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで 3月1日 17:19前後、北海道周辺で 17:28前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は 17:00 前後、沖縄周辺では 16:30前後に 魚座 10°39’で新月となります。


前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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サビアン・シンボルによる【 新月がもたらすテーマ 】
*ここでは有名なデーン・ルディアー版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・フィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 魚座 10°~11°(3/1~3/30 )】

"An aviator in the clouds"
『雲の中を飛ぶ飛行士』

"Men seeking illumination"
『光明を探し求める人々』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★見通しが立たない中で直観とフィーリングを頼りに進む
→★明確な打開策を見出すために集中し熟考する
→★知識や感情のより所、または社会的立ち位置を見失う
→★何かの結果がもたらす強いインパクト
→★混沌の中で新たな道を見出す本能的な力
→★これまでの自信や盲信が崩れる体験
→★血筋や文化から継承してきた価値の高さ、または闇の深さを知る
→★他者が敷いたレールを脱却するための新しい発想
→★先人の努力の上に自分の進む道があることを知る
→★自分の中に連綿と受け継がれてきた「見て見ぬふり」に気付く
→★自分が真に追うべき志とは何かを探る
→★新しい旅路の始まりの予感と精神の準備・・・→

エネルギーのポイント:「焦点を合わせる」 「発想の転換」

140301NM

        今年に入って2カ月が過ぎ、冷たい風の中にもいつの間にか春の匂いが混ざり始めたような気がします。梅、桃、桜…相変わらず世の中は日々色んなことが起きているけれど、今、土の下では虫達や植物達が蠢きの合図を今か今かと待っているんだなって、感じます。

さて、3月早々の新月です。一つ前のメリマン・コラムやその前の逆行の記事にも書いたように、4月のカーディナル・クライマックスを控え、今年1、2を争うビッグ・ストームフェイズに入っている今日この頃。濃い人間関係に彩られた職場にいる人からは、すでに少し前から茶碗の中の嵐的な出来事が頻発中・・なんて話も聞きました。 全体に 『先が見えない感』 が強まる逆行・順行の端境期。みなさんの環境ではどうでしょうか? 


squares


        一つ前の新月のポイントは、『自己のコアからの選択』そして『仕切り直し』でした。1月は新年早々から、世界でも日本でも沢山の事が起きました。ほんの少ししか時間は経っていないのに、今ではもう遠い過去のようにさえ思えます。そして2月に入り、天からはちょっぴり自分を立て直し、ほんのり再生の予感を感じさせてくれるようなエネルギーが降りてきました。そんな中、オリンピックの中継で夜更かししたひとも多かったのではないでしょうか? けれど水星の逆行下、様々な情報が錯綜する一方で関東・東北圏には大雪が降り、自分から仕切り直しするというよりは、状況に押されて結果的に仕切り直しになった…なんて感じもあったかと思います。

        そしてやって来る、魚座の新月…。まずベースとなるのは、魚座10°の 『雲の中を飛ぶ飛行士』 です。 分厚く垂れ込めた雲の中を飛ぶ飛行機。 おそらくこの飛行士は、視界ゼロの状況で操縦桿を握っているのでしょう。ライト兄弟による人類初飛行は1903年でした。wikipediaによれば、民間飛行機の歴史が始まったのは第一次大戦後、1919年のヨーロッパからで、払い下げられた軍用機を改造して旅客や貨物を運んだのだとか。サビアン・シンボルが降ろされた1920年代中盤、チャネラーであるエルシィ・フィーラーの脳裏に浮かんだのは今から見ると可愛らしくも感じられる、複葉機の姿かな? それとも、その後一般的になっていった単葉機でしょうか。。

airplane


当時は旅客機の黎明期だったようで、飛行機は文明の最先端を行く乗り物。 文字通り、「命を預けて乗る」という感覚だったそうです。そのイメージは、お金のかかるとても贅沢な冒険。または緊急事態の中で、どうしても目的を遂げるために乗らなければならない危険な乗り物という感じかな。
(余談になりますが、サビアン・シンボル研究家リンダ・ヒルによれば、エルシィは後年、篤志家?の招待を受け、不自由な体をおして飛行機旅行をしたそうです。これは当時ニュースとなって、ローカル新聞に掲載されたのだとか。それって今では想像も付かないほど大変な旅だったのではないでしょうか。でも、彼女はきっと、自分に与えられた全ての体験を取り込んでいこうとする果敢なスピリットを奥底に宿していたのかもしれませんね…。<IC 獅子座 合火星・イクシオン・エケクルス、スクエア蠍座木星、セクスタイル天秤座金星・天王星、セクスタイル双子座冥王星>)

さて、シンボルの飛行士は必死で操縦桿を握っています。彼の背後には大事な乗客が同乗しているのでしょうか? それとも、顧客から預かった貨物? いえ、彼はたった一人で冒険の旅に出たのかもしれませんね。そして今、ピンチに見舞われています。 現代の飛行機なら計器まかせにも出来るけれど、この時代に有視界飛行が不可能なとき、頼りになるのは経験、勘、そして "フィーリング" のみだったでしょう。 そういえば、太平洋戦争当時にパイロットだった方の体験談を読んだことがあるのですが、それによると、ベテラン操縦士にとっては翼の先が自分の指先に、そしてプロペラのスピンナー(飛行機の最先端部分)が自分の眉間に "感覚的に" 直結していたのだそうです。 つまり、飛行機と飛行士は文字通り一心同体で、だからこそ、自由自在に飛ぶことが出来たのだと…。 

一切の見通しが立たず、外部の全てがアテにならない今。飛行士は持てる感覚の全てを使って機体を水平に保ち、目的地に辿り着こうと試みています。 もしかしたら、どこか安全に不時着出来る場所を見つける必要があるかもしれません。 燃料計は、そろそろ一つの旅を終えるべき時間帯に差し掛かったことを示しています……。

thefog


        今、空間には様々なエネルギーが入り乱れています。その密度は日を追って増し、まるで先行きに分厚い雲がかかったように、身の回りのいろいろな物事の「道筋」や「見通し」が曖昧に感じられるかもしれません。 太陽は魚座にあって、ミルク色の霧に取り巻かれています。海王星とカイロンもすぐ側にいます。何が本当で、何が正しいのか? いや、そんな分類など何の意味も無いのかもしれない…これからどうなるんだろう? とりあえず、どうすれば一番いいんだろう? 目の前に見えている物事、聞こえてくる様々な言葉。 そんな刺激に反応して、自分のこころに自動的に湧いてくる様々な感情。でも、そのどれもが現実把握のための確かなフックにはなり得ないのだとしたら....。

こんなときに頼りになるのは、海面に立つ白波のような一過性の感情ではないはずです。波ではなく、海そのものとなって感じ取れる何か…結局のところそれは、自分自身の一番奥底に宿る、微細な "フィーリング" または "センサー" のようなものかもしれません。 それは多分、理屈じゃないところからやってきます。アタマに「べき論」が渦巻くタイプのひとは、いったんそれを全部捨てて、目を閉じてみてください。 波立ちが鎮まるのを少し待っていたら、こころの声が、聞こえてくるかな? 

…ブレイン・ボヴィはこう言っていました。 『このエネルギーは魚座の海で溺れる人のものだろうか? いやそうではない。ここで人は仰向けに泳ぐアザラシになるのだ』 って。。 例え進行方向は見えなくても、背泳ぎしているアザラシは自分が正しく進んでいることを、ただ、知っています。 そんなとき、アザラシはきっと茫漠とした海そのものと一体になっているのかもしれません。。  ならばわたし達も…魚座の霧に乱反射する "リアリティ" を、"わたし達そのものの姿"としてそっくり受け入れてみたら? …そして混沌だからこそ、そこに自由があるのだと知っていたなら? …たとえ聞こえなくても、見えなくても…何も怖れる必要はないこと、そしてその先の何処かに何か新たな扉があって、開かれるのを待っていることを、ただ、信頼してみたら…? 原文の "in the clouds" には、「地に足が着かない」 とか 「夢見心地」 という意味もあります。 だから、ひとによってはこのエネルギーを、ただ「ココじゃないところ、何処でもないところ」に逃げ込むために使う可能性もあるでしょう。けれど今は、合理性の一切を切り離したその夢の中にこそ、雲を突き抜けていくためのヒントが隠されているのかもしれません。さぁ、このエネルギー、どう使えるかな? 太陽と月は、わたし達にそう問いかけているような気がします。


wintersky


        そしてエネルギーは次のシンボル、魚座11°の  『光明を探し求める人々』 をとっていきます。 人々は行く道を明確に照らす光を探し求めています。曖昧な感情、はっきりしない態度、どうにでもとれる未来、何処に続くかわからない道。。でも、人間はあきらめずに探し続けます。何かに向かって、何かに成っていく道を。 

光明の探求とは、何かを真に理解したいと望むことではないでしょうか。時を介さない、理解。 そして、もう今のままではいられないことを悟り、次のステージに進みたいと欲すること。 でも、新しい道の予感はまだカタチにもならず、チラリチラリとかいま見える未来の光景も不明瞭で、すぐに闇のとばりにかき消されてしまいます。 それでも、その暗い霧の中には生まれたばかりの光の種子が渦を巻いていて、そっと自分をガイドしてくれる…人々はそれを感じ始めています。 それぞれが歩む旅路の途上で、何か新たな岐路がやって来る。それはもうすぐだ…いや、もうすでに始まっているのかもしれない…。 

ここでわたし達の意識には、生まれたばかりの赤ん坊のようなデリケートさと、自分にとって本当にフィットする道を選び取ろうとする、意志のエネルギーが降り注いできます。 わたし達は、何かとても大切な地点に差し掛かっているようです。 探し求める "光明" が何を指すかは、きっとそれぞれに異なることでしょう。 別に "スピリチュアル" なこととは限りません。政治経済、金融世界も見通しがはっきりしない今、物やお金が持つ価値との出逢いに光のスパークを見るひともいるでしょう。開こうとする花の蕾にふっと春を感じ、その一瞬、マインドが気付かないままに、時の精霊との出逢いを果たすひとだっているかもしれません。 それらのひとつひとつが、ほんの小さな、けれどとても大切な岐路…いえ、少なくとも岐路に誘う道標かもしれないのです。 それは一見、孤独な旅の始まりのように感じられるでしょう。 でも今は、押し寄せる情報の中からそぎ落とせるものはそぎ落とし、正直な自分に立ち返るとき。 自分の中に蓄積してきた習慣や思い込みのアレコレを、いったん整理して生まれたままになってみるとき。 眉間に、指先に、そしてハートに、確かに触ってくるものだけを頼りに進む時です。 出来ることなら、好きな音楽と優しい笑いを道連れにして。。


clouds


        けれど、もし辛い思いをしているなら.....たとえ今、誰にも理解されなくても、誰かの期待に応えることが出来なくても。そして、周囲から置いていかれるような恐怖を感じていたとしても。湧き起こる怒りに苛まれていたとしても。 やがて扉は開き、光明は差し込んできます。 わたし達が一瞬一瞬、踏み出すところに道が出来ていきます。ならばきっと、別の近道などありません。そして、絶対に安全な道もありません。 

目を閉じて、赤子のように両手をひろげ、内側に宿るかすかな光の種子を頼りに、日々を過ぎ越す。手探りで、進んでいく。 遠い惑星達が織りなす大きな背景の中、微細な織り目のひとつひとつであるわたし達に、はっきりと解るような好ましい変化はすぐには訪れないかもしれません。淀んだ澱を搔き起こす嵐はいつだって先にやって来るから。 でも、わたし達がまず自分をほんの少しだけ変え、果てしない空間に誰の物でもない優しさを供物として託すとき、その小さな行為が全体の色や模様に影響を与えるのは確かです。たとえ自分が今、どんなに小っぽけな存在に見えていたとしても。 光明を求める人々の魂は、きっと何処かでそれを知っているのだと思います....。


アスペクトからのキーワード

先へ進もうとする情熱 芯の強さと熱誠 サバイバルの必要 自分に対する約束を守り抜く 他者を裁く 対人関係の哀しみ 貴重なインスピレーションを得る 日々の何でもない事柄の中に大切な意味を発見する 素の自分に秘められた宝石 カモフラージュ戦略の効用 喧伝される情報より皮膚感覚を信じる 逃避行為の危険 食事や健康に関わる習慣を見直す セクシャルエネルギーの誤用、悪用によるトラブル 雨、雪など天候不順や水に関わる問題

惑星逆行・順行スケジュール(今回の逆行についての記事はこちら

3月2日 火星逆行開始(天秤座27°台〜5月20日まで)
3月3日 土星逆行開始(蠍座23°台〜7月21日まで)
3月6日 木星順行開始(蟹座10°台) 
3月17日 これまた強力な満月!

3月4日〜6日前後の期間はけっこう強いアスペクトが生じます。血統や家系の中に受け継がれてきた力や観念、因果のようなものを発見してしまったり、既存の社会の掟の中で適応するか逸脱するかの瀬戸際に立ったりするような感じのエネルギー。また、強力なインスピレーションが湧き起こったり、あるいは抑えていた本能が噴出して考え無しの行動に出たりするようなエネルギーも考えられます。何をするにも、とりあえず一回深呼吸して、自分の芯にある、感情の上下動を創り出す源を観察・確認してみましょう。



        さてと…いつももっと長々と書くような気もするけれど、今回の新月はちょっと短めになったかな? というか、本当にアスペクトもそれに伴うエネルギーも盛り沢山な今、この強力な魚座の霧の中、再び水っ気たっぷりな中で、たった一つ確かな鍵となるのは…きっと裸の自分に備わったコアな感覚なのだと思います。 それぞれに、一番の基本に帰ってもう一度自分の視点を問い直す。 余計な情報も観念も今は要らない。分厚い雲に投影された影は、実物よりずっと巨大に見えているかもしれないから。 今もし混沌や混乱があるのなら、きっとそれこそが次のステージへのチャンスだから…。この新月は、文字通り新しい月の始まりです。わたし自身も、もう一度、自分の道に一番大切なことって何だったかを見つめなおしてみようと思います。 それはきっと揺るぎなく変わらないと思うけど、いつのまにか、余計なものを沢山くっつけているかもしれないから……。(本当はもう整理すべき物とか習慣とか、ちょこちょこと浮かんできているのですが…^_^;)


earthrise



have a great trek!!!★


hiyoka(^_^)

hiyoka_blue at 17:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

February 23, 2014

レイモンド・メリマン 週間コメント2/24【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2014年2月24日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の は翻訳者によるものです。原文が"ファンキー"な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週を振り返って ≫

     先週は水星逆行(2月6日〜28日)の中間期であり、この段階にある水星逆行の典型として、殆どの金融市場は行き詰まりの中で身動きの取れない状態だった。先週はどこを見渡しても爆発的な物事は起きなかった。しかし、銀と金はいかにも今後の上昇に向けて発射準備が整ったと期待させるものがあった。ところがそれと同時に銀はテクニカル的に危険な状況にあり、もし真っ先にブレークアウトしなければ今後1〜2週間の内に急激なリバーサルに向かう可能性がある。間近に迫った3月1日に火星が12週間に及ぶ逆行期に入ることから、こうしたテクニカル上のリバーサルの可能性は無視出来ないだろう。

ついでに言えば、株式市場の重要な反転の可能性もまた無視は出来ない。何故なら逆行を開始するのは火星のみならず、土星もまたその翌日、3月2日に逆行に転じるからだ。いやそれでもまだ足りないと言わんばかりに、水星と木星がそれぞれ2月28日と3月6日の順で逆行運動を終え、順行に転じる。これほど短期間にこれら全ての惑星が運動方向を反転させることを思えば、これはどうもカイロプラクティックの診療所が繁盛しそうだ。この期間は価格が上から下へ、下から上へと上下に激しく動き、売ったら騰がり買ったら下がるという展開になりやすい。言うなれば一種のムチ打ち症にも似た感覚と同期しやすいのだ。その上、その先にもまだ控えている事がある( ≪短期ジオコズミクス≫ を参照)。


≪ 短期ジオコズミクス ≫

        今週末、2月28日に水星が逆行を終える。しかしながら、このトリックスターの平常モード回帰を祝うパーティを予定するのは待った方がいい。その前に、翌日には火星が逆行を開始(3月1日〜5月20日)することを考慮するべきだ。そしてその翌日、今度は土星が逆行に転じる。だがちょっと待った! 3月6日には木星もまた、逆行運動を終えるのだ。ということは、4つの惑星が1週間の間に方向を反転させることになる。やれやれ…どっちを向いても方向転換だらけだ。そして私達は『上なる如く、下もまた然り』という法則を信じている。だから、人間活動の様々な面においても ー 例えば金融や政治面等においても ー 数多くの方向性の変化が見られるだろうと予測出来る。
日本時間:2月28日23:00
        今後2週間の間に重要な方向転換が起きそうな人間活動のリスト中に、金融市場を加えることも出来る。だがそこに変化が起きる理由としては、むしろ今週水曜2月26日に形成される、木星・天王星のワクシングスクエアという重要アスペクトの方が深い関連性を持っているかもしれない。拙著『 The Ultimate book on Stock Market Timing, Volume 3: Geocosmic Correlations to Trading Reversals 』の中で長きにわたって論じたように、これは米国株市場のプライマリーサイクル、またはより大きなサイクルとは12取引日のオーブ(許容範囲)をもって歴史的な相関関係を持つ、最強のジオコズミック・サインの一つだ。その相関性は70%になる。

さて皆さん、4つの惑星による滞留〜方向転換がこうも短期間に起きるという事実への懸念はもう十分だとお思いだろうか? まぁ、確かに十分かもしれない。ところが、まだまだあるのだ! 豊かさと過剰の神 ー 木星が、大空で大きく寝返りを打つかもしれない。つまり、この時期にはまさに「もっと!」、いや「もっともっと!」の精神が幅を利かす時であり、これは次の日曜2月23日に太陽が魚座の海王星とコンジャンクトすることに起因する。魚座は木星と海王星の両方が支配する星座宮なのだ。

だが、それよりもっと核となる事実を言えば、その太陽・海王星のコンジャンクションが、株式市場のプライマリー・サイクルと14取引日のオーブを持って歴史的な相関関係を持っているという事だ。その確率はなんと79%にも達する。したがって、(全ての惑星逆行に付き物の現象と同様に)起き得る全ての政策転換と、それに対して木星・天王星スクエアが示唆する強烈な反応に加え、私達はさらなる『混乱』に対処しなければならない。 そう、混乱と不確実性 ー それは海王星と魚座の紋章に他ならない!

皆さんは、市場が混乱と不確実性をどう受け止めるかを知っている。 よく噂で売って事実で買えと言われるが、時には噂で買って事実で売れとも言われる(誰に?)。何故なら、えぇっと…...  と、いった調子で、今週もまた皆が混乱するわけだが、特にこうした事の全てがまだ逆行中のトリックスター、水星の下で起きることを思えば、なおさらその度合いは増すだろう。こんな時、皆さんは一体誰を信頼するだろう? 当然、自分の地位がもたらす権威という幻想の中から物を言うような誰かではないだろう。

市場はこれら全ての宇宙の "騒音" に対してどう反応するだろうか? まぁ、木星が滞留〜順行という状況で、太陽もまた木星にトラインを形成し、市場がこのところ上昇し続けてきたことからすれば、これは天井をつけに行くとみるのが自然かもしれない。次の週末には火星と土星が両方とも逆行に転じることから、これは "多幸症"(euphoria) が突如として "多驚症"(oh no!-phoria) に道を譲ると考えて良さそうだ。火星と土星の組み合わせには緊迫感がある。これらは抑圧とストレスの典型的なシグナルだ。抑圧とストレスが過度な状況に達した時 ー そして木星の働きによって全てがまさに "過剰" となる時 ー そこには対立の危険が生じ、その時口にした言葉、行った行為を後で後悔することになる。


初めていらした方へ:よろしければ今回の逆行スケジュールとパーソナル向けの記事も併せてどうぞ。(メリマン・コラムではありません)


≪ 長期的考察 ≫

        ここで付け加えたい事は、私達がいまだに2013年8月〜2014年4月の木星・天王星・冥王星によるカーディナルTスクエア期のただ中に在るという事実だ。これを思い出さねばならない理由は、今週、このTスクエアの中で、木星・天王星が占めるパートの2度目の正確なアスペクト形成があるからだ。最初の正確なアスペクト形成は2013年8月21日だったが、その時、株式市場は3週間にわたる激しい下落を終えて反転し、上昇に向かった。
日本時間:2月26日16:30ごろ
        しかしながら今回は、2014年4月の宇宙的構造、すなわち火星、木星、冥王星、そして天王星の全てがそれぞれカーディナル・サインの13°に位置し、非常に稀なカーディナル・グランドスクエアを形成するという事象(以前こんな事があったろうか?)の、まさに前哨戦となる。今日のエネルギーの源となっているのは天王星・冥王星スクエアであり、この33カ月も続く怪物的な天のシグナルは、私達の人生で最も長く、また最も困難で挑戦的なアスペクトだ。天王星・冥王星は112〜147年のサイクルを持っており、現在は初回1/4局面となる。そのスタートは1965年〜1966年だ。この時はダウ工業平均が始めて1000に届いた。そしてそれからまもなく、その年の内に25%下落した。皆さんはまた、当時の事を、世界中至る所で若者達が "権力者層" に反旗を翻した時代として思い出されるかもしれない。これは少なくとも文化的センスにおける革命の時代であったが、同時に政治的にも経済分野でも、革命は起きていたのだ。クレジットカードが生まれたのも当時なら、信用(または負債)の爆発的増加が始まったのもこの時だった。そして今、私達は当時(約50年前)始まった試みの結果に直面し、対処しようとしている。

        私は天王星・冥王星のような長期の惑星アスペクトに関する一つのセオリーを持っているが、これはファイナンシャル、そしてマンデーン・アストロロジャーの興味を引くのではないかと思う。これは、過去50年間に起きてきた事、そして今後30年強の間にどんな事が展開していくかについて、幾ばくかの光を当てることになるだろう。それは以下のような事だ。

2つの惑星がコンジャンクションとなる時、より支配的なのは速い惑星の方だ。これらがオポジションに達する時に最も支配力をふるうのは、より遅い方の惑星だ。そして、ワクシング及びウェイニングスクエアにある時、2惑星はその表現において、殆ど同等の力を発揮する。ワクシングスクエアにある時、これらの力は同等ではあるのだが、支配力はより速く運行する惑星の力学から、より遅い惑星の持つ力学へと移行していく。ウェイニングスクエアにおいてもこれらは同等の力を持つが、その後支配力は、より速い惑星の持つ原理、及びそれが支配する領域へと移行していく。

        こうしたセオリーを現行の天王星・冥王星アスペクトに適用するなら、結論は1960年代半ばの天王星と冥王星のコンジャンクションにおいて、より支配的に表出したのは天王星のエネルギーだったことを意味する。

それは革命の時代だった(天王星)。だがその全背景の地下には、負債の創造と権力の拡大という未来の脅威が潜んでいた(潜在力としての冥王星)。現在、私達は2つの惑星原理(天王星・冥王星)とその力を両方とも殆ど等しく目撃している。しかしながら、力のバランスは革命、発明、そして進歩性(天王星)から、少数の手に支配と権威を集中させるための強力な取り組みへとシフトしようとしており、その過程において、負債爆発は悪化の一途を辿り続ける。好転するのではない。

もちろん、冥王星が非常にポジティブで建設的な顕現をする可能性は常に存在する。たとえば、単に全ての人々や全ての物事を支配するような力を追い求める少数の個人が利益を得るのではなく、大衆を活かし力づけるような "改革" の中に、それが見られるかもしれない。

        水星(コミュニケーションとニュース)、火星(戦闘的な新しい取り組み)、そして土星(権威と政府)、この全てが進行方向を変えようという今週、FCC(連邦通信委員会 ー 米国の政府機関の一つ)が新たな構想を立ち上げたいと表明しており、その構想では政府当局者が国中のニュース編集室に立ち入ることが可能で、そこでニュースがどんな風にまとめられ、広められるかを "モニター" 出来るという。興味深いではないか? これは確実に、国の報道機関による公平な報道という側面から見た開示性に対し、安全感覚と保証を提供するものだ。より大きなスケールで見れば、それはいかにして山羊座の冥王星が牡羊座の天王星に対して支配力を増していくかという一例かもしれない。手遅れになる前に集合体が自分自身の力を再び取り戻さない限り、このトレンドは今世紀半ばに向かってエスカレートしていく可能性がある。





訳文ここまで
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久々の翻訳後記
(長期的考察の翻訳を終えて抱いた小さな感想です)

        天王星・冥王星のワクシングスクエアから冥王星の支配力が高まっていくという今回のメリマン氏の解説について思うことが一つありました。それは、現在見られる政治的な対立とその捉えられ方が、保守対リベラルとか右派対左派など、2惑星のコンジャンクションで始まった1960年代の感覚と手法をいまだに引きずっているのではないか?ということです。もちろん、各国それぞれに事情は異なるでしょう。けれど、抵抗側の「徹底抗戦」が上手く行って、以前より良い状況になりつつある国はまだ見られないし、これから良くなるという兆しも感じられぬまま、世界は泥沼へと向かっているように見えます。

日本はまた少し事情が異なるけれど、その日本の事情と特殊性の中で自分なりに見る限り、政府や権威に抵抗する市民側の主軸となるような人々が、昔と同じように政府や企業を単純に全て「敵」と見なし、抵抗運動を拡大していこうという考え方からなかなか脱却出来ずにいるのではないかと感じられるのです。これからの時代はトップダウンからボトムアップになるのだという話も聞くけれど、本当にそうなるのでしょうか? 

トップダウンの力を強化するのは、他ならぬもう一方の頑なな拒絶の力です。世界の現状を創り出したのが少数の権力者だというのはひとつの定説となっています。けれど、実際に時を重ねて現状を創り出したのは、名も無い個人の精神の集積とその大きなうねりであり、他ならぬ私達の内面です。数多くの犠牲とそれぞれの幸不幸の中で、解決しきれない内面の闇が時代の怪物を創り出し、それでもひるまずに片隅を照らし続けた個の光がわたし達という集合体を生かしてきたのだと思うのです。そして今、天王星・冥王星スクエアという形をとって、私達に結果との直面を迫っています。全ての不都合を自分達以外の(外側に存在する)誰かのせいだとして戦うことから卒業し、大きな自己変革を経て新しい発想に辿り着かない限り、やがては山羊座の冥王星に力を明け渡すしか無くなる…このコラムでメリマン氏は個人レベルのことに触れてはいません。けれど、わたし個人の感想としては、そんな風に連想するのでした。

今回のワクシングスクエアにおいて、牡羊座の天王星側は新しい発想で統治側に新風を吹き込み、その中心を突き刺すような方法論で変化をもたらすような…そんな食い込み方を発見することが急務かもしれません。天王星に突き刺された山羊座の冥王星は、その異物を内側に溶かし込み、自分の一部として一体化することによって統制を図るかもしれません。それがやがては互いの変容という結果を生むでしょう。そうしないと、ボトムアップは成功しないのではないでしょうか。

        また、日本の場合に興味深いのは、一般に「右傾化」と言われる流れの中にこそ牡羊座の天王星の原理が示現していると思われることです。何故なら、それは過去を懐かしんで戻りたいという願望ではなく、もっとシンプルにこれ以上の欺瞞と外圧には我慢出来ない、それらを撥ねのけて自由になりたい、個としてだけでなく、国の一員としての誇りと自主独立を手に入れたいという生々しい願望の新たな台頭にも見えるからです。この、まだ生まれてまもないエネルギーの流れを、いたずらに過去に戻ることとして鋳型にはめ、戦争と結びつけて恐れおののき、ひたすら拒絶しようとする側がリベラルな思考とするなら、日本のリベラルはすでに過去に顔を向けた旧守の側に回っていると言えはしないでしょうか。そして、もしそうだとするなら、それはは60年代の天王星を引きずっていることに他なりません。

旧い天王星的思考は、新世代の天王星的思考と向き合って論議を尽くし、理解し、変容し、溶け合っていく必要がありそうに思います。それが出来なければ、山羊座の冥王星の中心軸を突き刺して共に改革に進むことは不可能だし、結局はお互いの劣悪な側面を助長しエネルギーを無駄に使うことになるかもしれません。あるいは、新世代の天王星的思考の下に旧世代はその力を失っていくでしょう。

けれど、新たな天王星的思考もまた、危うさを多く持っていることは確かです。インターネットの普及による様々なノイズの中で、情報はヒステリックに肥大化し、あらゆる幻を見せてきます。今わたし達の身近にみられる様々な情報が潜在的に持つ破壊力はいつの間にかわたし達の心理的磁場を狂わせ、ダメージを与えていく可能性があります。それは、目立たないだけに、銃器や火器を使った局地戦より怖い部分もあります。感情的な排他主義に陥ることなくその流れをかいくぐって一つの力となり、自分達が望むような平和と繁栄と誇りを手にするためには、そして世界に何らかの形で貢献していくためには、本能的とも言える知性が必要とされるでしょう。

        これから先は、世界的にイデオロギーなど通用しない時代になるのかもしれません。全く新しい視座を持った思想は登場しているのでしょうか? (もしかしたら既に生まれていて、世界の片隅で認知を待っているのかもしれません)国際的な常識も、あるべき "政治的に正しい" ふるまいも、徐々に変化していくでしょう。極端な言い方をすれば、規範になるような過去など何処にも無く、何が正しいのかは誰にもわからず、あるのはただ待った無しの赤裸々な現実なのだと思います。4月のカーディナル・クライマックスは、戦後日本の始原図の内重要な2種類のチャートをしたたかにヒットします。今年は日本にとって、大きなギアチェンジの年になるかもしれません。その始原図が有効で、もしそれが起きるとするなら、対立的な思考のままでは乗り越えるのが困難になるかもしれません。それでも、それは同時に解放への糸口でもあると思います。

わたし自身は日本には希望があると思っています。そして、世界にも。ということは、わたし達、人間にも。魚座に入った海王星は多くの欺瞞と混沌をもたらしますが、ある種のしたたかさを持っています。そのしたたかさは、内面の清さと優しさをすっかり失ってしまわない限り、どんな紆余曲折を経ても最終的には全てを呑み干してそっと笑って生きている…そんな感じです。それはお花畑とは無縁の氷の海を渡りきり、極地を見ないと得られない境地かもしれないけれど。。

天王星・冥王星のカーディナルスクエアを対立ではなく、対話として使えるかどうか? 蠍座に土星が在泊し、冥王星とのミューチュアル・レセプションを通じて他者に対する責任を受け入れるエネルギーを与えてくれる内に、魚座の海王星(そしてカイロン)の最高の顕現をわたし達が使えるようになるかどうか…。

でも…きっと、そんな大それたことじゃなくていいのだと思います。それぞれに日々を生きる中で、前に進み、成長し、進化し続けることを意図していれば。いえ、たとえ意図出来なくても、惑星達の力はわたし達をあるべき方向に押しやっていくでしょう。その流れに乗って、少しでもエネルギーを使えたなら、わたし達が持つ最善の部分が…もっと輝けるようになるのかもしれないから。

hiyoka.(^_^)

hiyoka_blue at 20:55|PermalinkComments(8)TrackBack(0)金融アストロロジー 

February 14, 2014

●2/15の満月 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180°対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのか を、あらためて見せてくれる鏡だと言えるかもしれません。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにそのテーマを消化、エネルギーはゆっくり静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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満月タイムスケジュール
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで2月15日09:11前後、北海道周辺で09:17前後、関西方面は08:53頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で08:24前後に獅子座26°13’で満月となります。

今回のベースとなる新月のテーマについてはココをご覧ください。

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サビアン・シンボルによる【満月のテーマ】 ― 2/15~2/28
*ここでは有名なデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・フィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしてしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【月 獅子座26°~27° + 太陽 水瓶座26°~27°】
 "A rainbow" + "A hydrometer"
「虹」 +「比重計」

" Daybreak " + "An ancient pottery bowl filled with violets"
「夜明け」 +「スミレの花で一杯の古色蒼然とした陶器鉢」

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★周囲に拡散していく「思い」とその媒体となる感情に気付く
→★起きてくる事の表面に隠れた「力/システム」を測る眼を持つ
→★過去の亡霊の再来、またはそこからの解放
→★「美」の中に解放をもたらすメッセージを見出す
→★自分を活かし続ける力、気力の源泉を再確認する
→★不屈の意志と緻密な作業によってのみ見出せる光
→★ごく普通の出来事の中にひらめきを得る
→★人生の容赦ない力の来襲の中でデリカシーを保つ必要
→★古い伝統を再び輝かせる新鮮なアプローチの発見
→★ささやかながら誠実な贈り物が持つ大きな価値
→★苛酷な環境を生き延びることがもたらす生命の歓び
→★全てに分け隔て無く訪れる休息と再生のリズム
→★復活と新生のおぼろげな兆しをかいま見る・・・→

エネルギーのポイント:『 ささやかな再生の予感 』

140215FM


        前回の新月後に水星が逆行を開始、そのストームフェイズのさなかに冬季オリンピックが開幕、そして何かと話題の多かった東京都知事選が終わりました。水星逆行下で精神集中が必要な競技を戦う選手達、本当に大変だろうな…厳しい中、ネイタルによっても全員がエネルギー的に同条件とは言えない中、様々なドラマと共にスペシャルな空気が支配する場、オリンピック。みんな凄いし頑張ってほしい…って、こころから思います。選挙の方は…水星ストームフェイズたけなわな中で結果を見たことから、もしかしたら今後何らかの形で尾を引くようなことがあるのかな?とも思わせます。でも、今の全体の雰囲気としては 「もういいから、ひたすら穏やかに、無難に無事に上り坂で行ってくれたら…」 という気持ちも強くなってきている感じが…。 では、新月のポイントだった『自己のコアからの選択』『仕切り直し』そして"インスピレーション"というテーマは、この満月に向かってどう成長してきたのか、どう結実しようとしているのかな? 早速、見てみましょう。

        まず基盤となるのが獅子座26°『虹』のシンボルです。以前、このシンボルが新月で顕れたとき、こんな風に言いました。
『 …虹はその美しさ、儚さで、不思議さで、見る者に何かフッと浮き立つような、華やぐような、そして癒やされるような感覚をもたらしてくれます。 幸運を感じるひともいます。 願いをかけるひともいます。空に美しい虹が架かるとき、わたし達はそこに、何を見ているのでしょう?  ・・・虹とは、「 太陽の光が空気中の水滴によって屈折・反射されるときに、水滴がプリズムの役割をするため、光が分解されて、複数色(日本では7色)の帯に見える」 現象(wikipediaより) 。・・・誰かと一緒にいても、けっして同じ虹を見ることはありません。全く同じ角度で光の反射を見ることも不可能なら、全く同じ虹彩で光を受け止めることも出来 ないからです。わたし達がそこから受け取るメッセージは、それぞれに、たった1つのもの。 自分は何故ここに居るのか?  「私」と「皆」との関わりの中 で、社会の中で、地球の上で・・・生きて、前に進もうとする自分の価値とは何なのか?  虹の光の中にふと、そんなメッセージのかけらをキャッチ出来た ら・・・どんな小さな断片に見えても、それはゆくゆく大きな意味を持ってきそうです。』


rainbow


つまり "虹" とは、世界という空に微細に拡散する水分(感情)が太陽(純粋な生命の意志)から放たれる光を反射して、わたし達のこころに映し出すメッセージ。それを翻訳し、意味を与えるのはわたし達それぞれの思いなのだ…と言い換えることも出来そうです。新月のテーマでもあったインスピレーション。それは、この満月の光にも生きています。 

では今回、空中に拡散する水滴に光を与える太陽は、どんなテーマを持っているでしょう? そのシンボルは『比重計』です。 ちょっと話は逸れますが、このシンボル、日本では『水圧計』とされることが多いようです。でも、これは原語の "hydro" が水を示すことから来た誤訳ではないかと思います。比重計と水圧計とではまったく別物だし、その用途・目的も異なります。 デーン・ルージャーはこのシンボルを改変して "A garage man testing a car's battery with a hydrometer" (比重計を使いクルマのバッテリーをテストしている修理工)としていますが、バッテリー検査に使うのも比重計です。 水圧計は、蛇口から出る水の圧力を測りたいときなど、たとえば1平方センチあたり何キロの水圧がかかるか?なんて感じで測ります。エンジンオイルの圧力を測るときは油圧計を使います。 一方、比重計は水の比重を基準値として、対象となる液体の比重を測ります。えっと、じゃ比重って?  …『比重とは、ある物質の密度(単位体積あたりの質量)と、基準となる標準物質の密度との比である。通常、固体及び液体については水(温度を指定しない場合は 4 °C)、気体については、同温度、同圧力での空気を基準とする(wikiより)』。


night


つまりここでシンボルとなっている "比重計" って、測りたい物質が水を基準としてどれだけの "密度" を持っているかを調べるための道具。 デーン・ルージャー版のサビアンでは「整備士」が主役となりますが、オリジナルのサビアンシンボルではあくまでも "比重計" が主役です。 ところで比重計って、ビールやワインなどのお酒を造るときにも欠かせないそうで、ネットで買える手作りワインキットにも必ず入っているのだとか。 これは液体の密度から発酵の度合いを測るために使われます。

このシンボルが降ろされた1920年代半ばはちょうど米国の禁酒法時代…。殆ど野放し状態に近かったと言われる密造酒の製造にも、この比重計が用いられました。ブレイン・ボヴィはこのシンボルを、「スピリッツ(酒)の中に生きるスピリット(精神)を測る道具」…つまり、水(感情)を溶媒として、「そのものらしさ」がどれほど濃厚に醸し出されているかをテクニカルに見極めることに関連するとしています。 このあたり、やはり水瓶座っぽいですね。 また、密度はその液体が持つ "浮揚力" ー または物を浮かせる力 ー を左右します。 突然の夕立が去り、その後大空にかかる美しい虹。その虹がもたらすメッセージをわたし達が受け取るには、太陽光線とわたし達の間に適切な角度でひととき浮かぶ、まとまった水滴が必要です。わたし達はそこに、自分自身のスピリットと再生の希望を見出します。 けれど、その思いのひとつひとつがこの世界に果たして何をもたらすのか…何が発酵していこうとするのか... この満月では、どこかでそれを測りながら歩む必要があるのかもしれません。スピリッツで酔っ払った目に映るのは、単なる幻かもしれないのです。。


sunrise


        さて、エネルギーは次の度数、獅子座27°「夜明け」をとっていきます。原語の "Daybreak" は、東の地平線から太陽が顔を覗かせる瞬間…「暁」と呼ばれる短いひととき。 闇は光に追われ、冷たい夜を覆っていた霧はいつのまにか拡散し、消えていきます。 わたし達が虹の中に見ていた最も高い周波数の色、紫は、ここでは夜明けにそっとたなびくスミレ色の雲となって顕れます。かすかに瞬く明けの星。。そして、日が高く昇り始めると共にそのデリケートな天幕は色を失い、朝の光は徐々に物のカタチを明らかにしていきます。いつもの屋根、いつもの街。 さぁ、いつもの一日の始まりです。それは毎日繰り返される、ささやかな奇蹟。

このとき、太陽から送られる光線が持つシンボルは 「スミレの花で一杯の古色蒼然とした陶器鉢」。 陶で出来た器は、とても壊れやすくてデリケートです。けれど、この鉢は長い年月を経てその姿を保ち、今も実用に耐えています。もしかしたら、傷やひびだってあるかもしれません。はるか昔には鮮やかに彩られていたかもしれない表面も、今はもう艶と色を失い、時にさらされた土としての本質がかいま見えそうです。けれど、そんな古い鉢いっぱいに満たされた優しげなスミレの花は、まるで厳しい時の試練を耐え抜いてくたびれた鉢をそっと慰め、静かに賞賛しているかのよう…。 この鉢はきっともう数え切れないほど、美しい花に満たされてきたのだと思います。 たとえどんなに厳しい時を通り抜けなければならないとしても、耐えてそこに在り続けるかぎり、精妙な波長を持つバイオレットの光線は幾度となく訪れて、人知れずわたし達を癒やし、満たしてくれているのだとしたら……。 これもまた、ささやかな奇蹟の光景ではないでしょうか。

flower


こうして日はまた昇ります。いつもの一日の始まり。。それは決して派手な訪れではなく、特別素晴らしい一日ではないかもしれません。もしかしたら、失意の日になるかもしれません。でも、わたし達には必ず夜明けの一瞬が来ます。 夜がやって来て、そして再び朝が戻る、そのリズム。 休息と再生。。その中で、たとえおぼろげであっても、確かにわたし達を再び生かしてくれる、新しい時の始まりを見ていくこと。 このシンボルはそんなテーマをわたし達に告げているように思います。



Eta_Carinae



アスペクトから少しだけ…

        かなり独善的なエネルギーを醸し出す天王星・冥王星・木星のTスクエア(東京ローカル図ではMC・IC軸に冥王星・天王星がかかる)と、水星逆行を大背景として…。

今回、サビアンシンボルのテーマはとてもデリケートな要素を持っていますが、アスペクトの方はなかなか強烈です。でも、こうした強烈なエネルギーに翻弄されないためには、結局は静かでキメの細かい意識を保つことが重要になってくるのかもしれません。満月前夜の白いバレンタインデー…ここは大胆に迫るより、つつましやかで優しい気持ちを表すのがいいかな? 薔薇の花束より小さなスミレのブーケを贈る、そんな感じで…(^_^;

太陽・逆行の水星・ネッソスのコンジャンクション
 太陽・月のオポジションを火星が調停するカタチ
 満月に土星がTスクエア

        どことなく感情的な噴出を思わせるフォーメーション。休火山が突然噴火するようなイメージがあります。わたし達の意識への影響として考えられるのは、ある集団(社会、仕事、家族、おつきあい、その他いろいろ)の中で誰かが行った過去の行いが噴出して、その責任を取らねばならないような場面。また、集団や社会からの同調圧力を受けて悩んだり、それに対する抵抗感が限界を超えたりするような場面。 もしかすると、責める側も責められる側も共に、正しいのは自分の方だ…という思いを抱えているのかもしれません。 

また、モラルに反するようなこと、例えば性的な要素を含む虐待とか裏切りとか、そんな手ひどい仕打ちに対する逆襲という意味も出る可能性はあります。 いずれにしても、対人関係で起きる不適切で行き届かない言動に対しては、何か強い感情的な反応を喚起しそうな雰囲気です。そしてそれが一旦点火されれば、炎の勢いは強いと思います。

なので、もしこの満月期に何らかのカタチで責められる側にまわったら、観念して非があるところは素直にそれを認め、きちんと決着をつけるのが一番良さそうです。 その方が早く夜明けがやってくるでしょう。誤魔化せばそれだけ事態は悪くなります。 また、誰かを糾弾したくなったら、その感情の源はどこにあるのか? 表面的な、または社会的に正しいとされるような理屈ではなく、これまでの自分の人生体験を振り返っていったい心のどんな部分が共振しているのか考えてみてください。もしかすると、過去にインプットされた観念や、実体験の傷の記憶を誰かに投影しているのに気付く可能性もあります。 その上で、正すべきところがあれば静かに話し合ってください。相手にとってそれが無理そうなら、今は無理な接触を避けたほうが良いのかもしれません。


snow


でも、もし何かのキッカケで爆発してしまったら? ならばそれもまた、ひとつのキッカケです。逆行の記事にも書いたけれど、自分が創る自分の物語には、どの瞬間にも無限の選択肢が存在します。ただ、爆発すればそのエネルギーを放った責任は取ることになるでしょう。ネガティブなものをぶつけた相手には出来る限り誠実にふるまうことが次へのステップです。相手が許してくれるかどうかはわかりません。それでも、まずは密度が偏ってしまった自分の重心を、静かに取り戻すことから始めましょう。

        獅子座の満月は、集団の中の「個」としての自分を再生させる機会です。この、ダイナミックで同時にとてもデリケートなエネルギーを上手に受けられたら…。 自分自身を、まわりのひと達を、そして全体を、ささやかに癒やすような気持ちになれたら…。 それは明日に向かって歩くわたし達にとって、最高の贈り物になる可能性を秘めています。


        この週末はまた大雪という天気予報が出ています。。冷たい北の海の女神、セドナは前回に引き続き土星とオポジション。寒気や豪雪を示唆するフォーメーションは他にも様々にあると思いますが、このセドナと土星のサイクル(特にオポジション)もまたその一つかもしれません。 直近でこの2惑星の対峙が起きた1983〜1984年、1952年〜1953年、そして1921年〜1922年の秋冬は、やはり観測史上有数の寒冬として記録されています。 他者を拒絶し、苛酷な体験の末に絶望の中で冷たい海底に沈んでいった美しい乙女セドナ。彼女を最後に海の底に突き落としたのは、他ならぬ父親(土星)でした。・・その後、海の生命を司る女神となって再生したセドナ ー 氷の女王。彼女は、わたし達に何を語りかけているのでしょうか…。


sedna


        あ、とうとう雪が降ってきました。。冷たい雪の中のバレンタインデー。そして厚い雪雲に覆われそうな明日の満月。。 でも、せめてハートだけは温かくして。真新しいささやかな夜明けを、ちょっぴり祝ってみたいと思います。 あ…もしかしたら、強烈なアスペクトの下でもそんな気持ちになれるのって、薄幸だったセドナと父なる土星の哀しみの声がどこからか聞こえてくるからかもしれませんね.....。 さてと、熱いコーヒーでもいれようかなぁ…(^_^




have a great trek!!!★


hiyoka(^_^)


hiyoka_blue at 07:33|PermalinkComments(2)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

February 09, 2014

レイモンド・メリマン 週間コメント2/10【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2014年2月10日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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【お知らせ】
来週2月17日付けのコラムは訳者の都合によりお休みさせていただきます。
m(_"_)m

このブログのURLが http://hiyoka-rsh.blog.jp/ に変わりました。旧URLでも自動的にリダイレクトされますが、ブックマークして下さってる方がいらしたら念のため変更をお願いします。
m(_"_)m


≪ 先週を振り返って ≫

        時折、ジオコズミック・サインと金融市場が見せる相互の対称性が尋常の範疇をあまりに超えていて、ファイナンシャル・アストロロジャーでさえも畏怖の念を感じることがある。金星の逆行と共に展開した先週の ー そして過去6週間をも含む ー 世界の株式市場がそんな一例であった。

        では、少し前の懐かしい思い出を辿ってみることにしよう(いや、何故こう言うかといえば、山羊座の冥王星と蠍座の土星は両方とも “過去に犯した誤り” を象徴しており、その結末によって私達が現在苦しむことになるか、もしくは、そこから学び取って未来に向けての建設的な修正を行うか、という挑戦だからだ )。去る2013年末、株式市場は世界中で25+%騰がった。そして誰もが多幸症の波に乗り、2014年も殆ど同様に(より良いとは言わないまでも)好調だろうと考えていた。多くの株式市場は、例えば米国、ドイツ、インド、そしてアルゼンチンにおいてさえ、史上新高値を記録した。オランダのAEXやチューリヒのSMIなどは数年ぶりの新高値をつけ、ロンドンのFTSEは5月22日につけた史上最高値を試していた(未だに超えていないが)。巷では世界の経済回復は確固たる歩調で回復中だと囁かれ、そういった現実を株式市場も確かに反映していた。

        ところがその後、投資家達が大晦日のパーティから帰途についた頃、奇妙なことが起こった。反騰は止まった。それは12月21日土曜に金星が逆行に転じた時間に非常に近かった。それから5取引日の内に、ちょうど太陽も木星・天王星・冥王星の強力なTスクエア構成に参加したのと時を同じくして、殆どの株式市場が、木星の色濃かった多幸症的な祝祭を終えた。そして2週間の内に、BGMは “Happy Days are Here Again(幸せの日々が帰ってきた♪)” から “The Dark Side of the Moon(月の暗黒面)” に変わったのだった。

いったい何が起きたというのだろう? そうだ、金星が逆行に転じたのだ。それはその時点まで強気トレンドであった多くの市場にリバーサルが起きやすいことを意味していた。株式市場は強い上昇トレンドの中にあった。これらが反転し下がり始めた。ヨーロッパの市場はが下げに転じるにはもう2週間ほどかかったものの、徐々に市場全体が同調し、速いテンポのダンス・ステップを踏みながら坂を下り始めた。太陽が冥王星と重なってカーディナルTスクエアに点火した時、正規のパーティ・タイムはお開きの時刻だったが、ワイルドで頑固なヨーロッパ人達は酒の最後の一滴を呑み干すまでそこを立ち去りたがらなかった。そして酒樽が空になった時、激しい下落が起きた… その勢いは他の地域より激しいくらいだった。何故なら彼らの性として良く知られるように、他の誰よりも長い間パーティを続けていたからだ。

こうして下げ、下げ、下げの連続波が世界の株式市場を襲い、これぞまさに怖れていた大物 “The Big One” ではないかという懸念が世界中で上げ、上げ、上げと水位を上昇させた。但し、それは違っていた。少なくとも、まだだ。

株式がトップアウトして金星逆行開始から約5取引日の内に急降下したのと同じように、1月31日の金星順行開始から3取引日の内に、市場は世界滅亡の日に向かうがごとき急落を止めた。金星の逆行運動が持つ、トレンド転換の美しい対称性が再び働いたのだ。世界の殆どの株式市場が先週月曜〜水曜(2月3日〜5日)にボトムをつけ、情熱的な反騰を開始した。

金曜に出た米国の雇用統計が 200,000近くの予想に反してたった113,000の新規雇用数増加しか示さなくても、そんなことは問題ではなかった。金星が手にする宇宙の時計は12時を打ち、アラームが鳴り響いたのだ。飛び起きて金星逆行前のトレンドを逆から再トレースする時が来た。テーマソングは  “Here Comes the Sun(さぁ太陽が昇ってきた)” に変わり、当然ながら今や誰もが、耳を傾ける者に向かって『あれが単なる修正安だったってことは最初からわかっていたさ。』と声高に話している。だが、彼らは本当にわかっていたのだろうか? 答えはノーだ。少なくとも彼らがファイナンシャル・アストロロジーを知っており、しかも金星逆行が持つ性質について知識を持たない限りは…。

米国債(12月31日にプライマリー・サイクルの安値、2月3日に高値を示現)、ドル円(1月2日に高値を、2月3日に安値を示現)、ユーロにスイスフラン(12月27日に高値を、2月3日に安値を示現)など、他の金融市場もまた金星逆行に同期して見事なリバーサルを見せた。そして勿論、金と銀もだ。これらは12月31日に重要な安値をつけ、その後、現在執筆している時点(現地時間先週金曜夜)に至るまで上昇してきた。実際、銀は金星が逆行に転じた1月31日にダブルボトムをつけ、それから飛び立ったのだ。結局のところこの成り行きを見れば、女神アフロディーテ(金星)としては宇宙のオスカー賞に値する見事な演技だったと言えるだろう。


≪ 短期ジオコズミクス ≫

        金星逆行が終わり、現在水星が逆行を開始している(2月6日〜28日)。先週述べたように、水星逆行下では  “ただ新しいルールに適応し、常識や期待を手放す必要があるだけだ。何故なら、何事も通常のルール通りにはいかず、期待は実現しない。だから変更が必要にな り、一般常識は直観に道を譲るわけだが… これが常に賢明であるとは限らない。水星の逆行下では、金融市場もまたこうした性質を帯びる。つまり、通常の売買シグナルは効力を失い、支持ゾーンも抵抗 ゾーンも効き目が無くなる ー だが、それもほんの短期間だけだ。この時期はひんぱんに “フェイント” がかかり “売ったら騰がり買ったら下がる” といった相場つきとなるため、私達のモットーも「早すぎる手仕舞いに勝るもの無し」だ。
だからどっかり腰を落ち着けて、自分のターゲッ ト・プライスに値が届くまで待っていてはならない。何故なら1日〜4日ごとにモメンタムが約20分ほど失速し、その後反転して1日〜4日動くからだ。だ が、水星逆行の中間日(2月17日)あたりは特に注意を払って欲しい。逆行開始付近で反転しなかった市場はどれもその時点で反転しやすく ー 少なくとも数日の間は続くからだ(1日〜4日よりは長い)”。

        今週の指針としては、上記に加えて2月11日に太陽が土星にスクエアを形成することにも注目したい。これだけでは株式市場の反転に強い相関関係を持つシグナルとはならない。そうは言ってもこれが土星を含むことから、この時期に向けて下落してきた市場はどれも、このアスペクトが終わったところで反騰に展じやすい。今週展開する月のサイクル(2月14日の満月を含む)は株式に対してはそれほど強気ではない。だからおそらく、週半ばまでに1日〜2日ほどの押しがあるかもしれない。

日本時間:12日午前4時50分ごろ


≪ 長期的考察 ≫

        “私の論点は(反ユダヤ主義より)もっと広範な部分にある。すなわち、階級間に存在する妬みの感情を焚き付けるやり方は、すでにお馴染みの、危険で非常に扇動的なプロセスの第一歩だ。どんなイデオロギーや運動も、それが右寄りだろうと左寄りだろうと、政治においては協調よりもむしろ否定的な対決姿勢をもって組織化された集団の方が伝統的に優位性を保つ。彼らが表明するするところの、毒に汚された国体=人々を浄化するというゴールのためなら一切の力を惜しまないような、抑えがたいエネルギーを掻き立てるのだ。”
ー ルース・ワイス ハーバード大学 イディッシュ語及び比較文学教授
 “1パーセントとの戦いーそのダークサイド” 
 ウォールストリートジャーナル 2月4日付けより

        階級間の妬み、闘争、収入格差または社会的不公平....人がこれを何と呼ぼうと、それは黄道12宮における乙女座ー天秤座ー蠍座の領域を運行していく土星に関連している(2007年9月〜2015年9月)。この部分は黄道の中間部で、正義、公正、バランス、そして平等性の原理が、社会政治的な問題として、頂点に達する領域だ。何故なら天秤座は正義の秤をその象徴とし、土星は最終(説明)責任を意味するからだ。土星が蠍座を運行し、天王星が33カ月にわたる冥王星へのスクエア形成(2012年6月~2015年3月)のちょうど中間部に入った現在、このエネルギーは今、一番明白に示現している可能性がある。冥王星は蠍座の支配星であり、したがって、蠍座の土星に自らの性質を帯びさせる(dispose)。同時に蠍座の土星は、自らが支配する山羊座に在泊中の冥王星に土星的な質を帯びさせる。

このコンビネーションは、土星と冥王星が現在互いの支配宮に在ることから、 “ミューチュアルレセプション” として知られる関係にある。ただ、このアストロロジー上の専門用語で皆さんが混乱しないように、今回は特にこれがたった今述べたばかりの社会正義、公正さ、平等の問題を生じさせていると言えば十分だろう。厄介なのは、こうした諸問題が人々を “分裂” させ、社会を階級闘争と妬みが支配する状況へと導く時だ。ルース・ワイスが述べているように、“…どんなイデオロギーや運動も、それが右寄りだろうと左寄りだろうと、政治においては協調よりもむしろ否定的な対決姿勢をもって組織化された集団が伝統的に優位性を保つ”。 こうした背景の下で私達は、この強力な天王星・冥王星間アスペクトのもう一つ別の顕れを体験するのだが、この時、同時にトランシットの土星もまた同様の社会原理を際立たせる黄道上の重要な領域を運行しているのだ。

        過去30年間というもの、トップの1%と下方の50%に見られる収入格差が、殆ど腹立たしいまでに拡大してきていることへの議論は聞かれない。この格差は、ここ5年でもっと拡がりさえした。何故なのか? そして、こうしたトレンドを逆転させるために何が出来るのか? これに介入し、是正することは政府の役割か? もしそうなら、その最善の手段とは、トップの1%に牙を剥くよう大衆をけしかけることなのか?

        この考察におけるポジティブな側面 ー そして理解 ー は、自由と独立への衝動をその原理に含む、天王星と共にあるのかもしれない。だが自由で独立しているという自覚を持つには、そしてそれが自分の望む選択なら、まず最初に自分が属するコミュニティ内部で上昇する機会を持つ必要がある。これを突き詰めれば、オバマ大統領自身が説明するように、強調すべきは真の所得機会であって、分裂を喚起し階級間闘争へと導く挑発を背景として取り沙汰される、所得の不平等ではない。

        これは常にそうなのだが、これらのアストロロジー上の原理には、より高次の顕れ方もある。もちろん、天王星と冥王星はスクエアを形成しているし、これはまず間違いなく、アストロロジャーが知る中で最も困難なアスペクトだ。しかし、二つの惑星が相互にアスペクト(特定の数学的空間関係)を形成する時は常に、その惑星達に関連する作用、活動、そして誘発される現象が互いに融合しようとする。この融合は、アスペクトが形成される時点で頂点に達するが、今回の場合アスペクトを結ぶのは天王星・冥王星スクエアで、最長3年間持続する可能性がある。

だが、これらのピークは調和的な融合としても表現される。前者の(困難な)ケースでは、その結果は二極化と対立だ。両サイドとも対立に引き込まれ、強烈な闘い(今回のケースでは権力争い)が始まる。しかし後者の場合には、結果は統合と解放だ。そこには集合意識の跳躍がある。何故なら、多くの人々と多様なアイデアを包含(排除ではなく)することによって “我々はこの困難を共に克服した” (天王星)からだ。ここに含まれる多様な人々やアイデアは、単に “一般的” ではないからといって、社会に対し敵対的だというレッテルを貼られるようなことはない。

        今日、米国の政治状況は、民主党(またはリベラル)と共和党(または保守)とに分かれているというイメージがある。両党ともこれまでのところ、以前より多くの米国民が、もはやどちらの党にも属していないという事実を上手く抑えつけている。だが実際こうした人々は、 “無党派” と呼ばれるグループに属しているのだ。そうではないか? 米国の大多数の人々は今や、自分達自身を “無党派” だと考えている。まさに天王星の面目躍如というところだ。そして、これら天王星のポジティブな顕現が勝っている限り、米国には希望がある。何故ならこれは、“普通” が変化しつつあることを意味している。このトレンドが、政治的所属からの独立(天王星)に向けて続いていく限り、そこには “多様性を含んだ統合”(天王星の光の側面) への希望があり、“分離と分裂によって掌握される権力” (天王星のネガティブな側面、及び山羊座の冥王星と蠍座の土星)からは離脱していく。

        伝統的な政党システムは、彼らが見張っているその水面下で起きつつある、このような流れを好まないかもしれない。だが私のようなファイナンシャル・アストロロジャーにとって、それは、来たるべき “ポスト天王星・冥王星スクエア期” の明白な前兆だ。結局、これはワクシングスクエアであり、ウェイニングスクエアではない。そしてワクシングスクエアは生みの苦しみを象徴しているのであって、死を意味するのではない。それは夕暮れに沈むというより、夜明けに昇る太陽の方に…より似ているからだ。





訳文ここまで
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メリマン氏が選曲したシャドウ〜金星逆行〜シャドウのBGMです。ジュディ・ガーランド&バーブラ・ストライサンド〜ピンク・フロイド〜ビートルズへという変遷とその雰囲気は、歌詞と共にちょっとニヤッとしてしまいます…(^_^







hiyoka_blue at 20:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)金融アストロロジー 

February 05, 2014

2014年の3惑星逆行ーカーディナルクライマックスへの序章として

2月6日:逆行スケジュールに土星と冥王星逆行の日付けを追記しました。クライマックス第2ピーク後の危険期について少し付け足しました。

        以下は今年1月25日の投資日報社さんの勉強会第三部の歓談タイムに何か参加した方達に役立ちそうなことがあれば…とお声がかかり、ちょこっとお話させていただいた内容をを元に書いています。当日は時間も短く、とっちらかって上手くお伝え出来なかった部分も多かったように思います。なので、もう少し整理して記事にまとめてみることにしました。
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magelan


        以前、今年前半の金星、水星、火星の逆行スケジュールを調べた時のことです。そのとき、個人レベルの感情、思考、行動を司る重要な3つの惑星が、そのエネルギーを相互にグラデーション状に溶け込ませつつ、4月のいわゆる「カーディナル・クライマックス第2局面第2ピーク」へとなだれ込んでいく様を見て、わたしはこう思いました。これは逆行前後のいわゆる「シャドウ期」と、順・逆・順のスイッチ期、そして逆行中間期に、これまでよりは激しい反応が起きてくる可能性があるのでは?と。そして、4月のクライマックス前後がどういう状況であろうと、個人レベルでも、社会レベルでも、そこに至る期間をどう過ぎ越すかがとても大切かもしれないとも。

何故なら、惑星エネルギーが比較的平坦な時であっても、もし逆行時に何か起きるとすれば、その「下地」となるような「物事」や「思い」が、既にシャドウ期に見え隠れしていることが多いからです。そこで、転ばぬ先の杖…じゃないけれど、一種の注意喚起として、逆行とは何か?について、そして3惑星逆行のスケジュールとシャドウ・フェイズ、注意点などについてお話してみたいと思います。実用的?なのは後半部になると思いますが、「逆行」のおおまかな仕組みを理解しているのとそうでないのとでは、そのエネルギーに対応するとき、自分なりの応用が利くかどうかに大きな違いが出そうです。なので、ちと面倒かも知れないけどその仕組みから行ってみますね。(あまり馴染みのない方向けの説明ということで、詳しい方には不要かつ舌っ足らずかもしれませんが…^_^;)


        さて、逆行運動というのは、あくまでわたし達の地球から見た「見かけの運動」で、惑星が公転軌道上で実際に逆に動くわけではない…っていうのは皆さんご存知ですよね。下の2つの図は惑星の見かけの逆行運動を簡略化して作ったものです。(但し、静止画と違って実際には地球も他の惑星も常に動き続けているので、正確なものではありません。あくまで「画像はイメージです」ってことで…^_^;) 
まずは地球より太陽に近い「内惑星」金星と水星に逆行が起きるときのイメージから。地球が自分より内側を公転する水星に追い抜かれる時、水星が逆行して見えます。

各画像をクリックすると大きな画像が別ページで開きます。
retro1

ピンクの直線がわたし達の視線です。(実際には毎回定時に定位置で観測するものとする)わたし達は、無限に拡がる天空を、地球を囲む仮の球面に見立てます。そしてそれを背景として、その上の座標を使い、対象となる水星がその時どこに位置するかを確認しています(例えば一般的なアストロロジーなら、今水星の位置は "黄道12宮の魚座3°だ" とか)。天空上の黄色い線が水星の見かけ上の動きですが、それは背景の恒星や銀河のように、惑星と比べて「不動」とされる目印を頼りに測っているのだと言えます。

次は、地球より外側を公転する惑星達の見え方。火星を例に取ります。地球が外側を廻る火星を追い抜くとき、不動の恒星達をバックに火星が逆行して見えます。(実際には軌道傾斜角のせいでクルリと輪を描く形になりますが、描きにくいので省略します)

retro2

現実には、各惑星の公転軌道には角度の違いや円のいびつさなど、形の違いもあります。実際の星座と星座宮の違いもあれば、恒星も完全に不動ではないし、もっとずっと複雑。でもまぁ、原理としてはこんな感じです。


さて、「逆行現象」というものが……
太陽を中心に閉じられた輪を廻る惑星同士で起きること。
惑星達がお互いを見たときの相互の位置関係が原因で、見る側に生じる見かけの運動
…ってこと、なんとなく掴めたでしょうか?


では…
わたし達の意識にとって惑星逆行運動が意味するものとは?

        銀河の一恒星である太陽を中心に、公転軌道をそれぞれに廻る惑星同士。太陽系(恒星系)というのは、いわば「いくつもの円環によって閉じられた世界」だと言えます。そして、その閉じられた世界の惑星同士に起きる、逆行現象。

それは「それぞれの軌道で公転している惑星と地球が、お互いに追い抜いたり追い越されたりするときに、地球から見て、天空を背景とする進行方向が一定期間逆にずれて見える現象」のことです。

この現象は同じ太陽という「軸」を持つ様々な円環の中の、惑星同士の相対的な位置関係のせいで起きます。そしてその位置関係は、天空に輝く"不動"の恒星と、星々が織りなす星座の世界を座標として判断しています(トロピカル・アストロロジーなら黄道12宮)。

わたし達は太古から、広大なコスモスに拡がる果ての知れない恒星宇宙や銀河宇宙を目印に座標を描き、それを頼りにしてきました。宇宙にもし他の銀河や恒星系が無かったら、例え太陽系が現在考えられているように物凄いスピードで宇宙空間を移動していたとしても、それを測る術はありません。他に何も対象が存在せず、物事を測る基準も無い空間では「動く」とか「位置」とかいう概念そのものが意味を持たなくなってしまうんですね

        では、ここでアストロロジーの原理に沿って、無数の円運動によって閉じられた太陽系を「わたし達の世界=この世の象徴」だと考えてみましょう。

すると、自分自身(地球に立つわたし) と、自分にとっての他者や外界(他の惑星達)  との関係性(位置) を識別するための座標=基準が、黄道12宮(地上から見て○○座の何度というような)だと言えます。わたし達は、意識・無意識を問わず、常に他者を見ています。その位置を測り、外の世界を測り、それと自分との関係性の中で、確固たる自分自身のイメージを常に再確認しています。

けれど、逆行現象によって他の惑星の動きが「現実の動き」と違って見えるとき、通常時に使えていた判断基準は絶対的なものとは言えなくなり、突然、ある種の曖昧さを持ち始めます。

逆行現象は、ジオセントリック(地上に立つ自分の視点中心=わたし達の自我中心)にこの世(太陽系)を見る時にしか起こりません。閉じられた円運動の中で逆行現象が定期的に起きるとき、わたし達は "自分中心の視点" を介することによって、惑星エネルギーの歪みを体験します。その刺激はわたし達に、自我の視点がはらむ矛盾をかいま見せてくれます。まるで、太陽によって捉えられ、閉じこめられ、その代わりに護られてもいる、わたし達の「意識の限界」を象徴しているかのようです。

その時わたし達は、今まで確固たるものに見えていた外界の曖昧さを無意識に感じ取っています。そして、もう一度自己の内面に立ち帰り、自らの来し方を再吟味するよう促されます。


road


つまり逆行期は、各惑星の原理に基づいて、精神の試行錯誤が起きる期間だと言えるでしょう。逆行期間中は過去の人物と再会したり、前に進もうとしても行き詰まったりすることがあります。無理に前に進もうとすれば、あまり物事をよく理解しないまま、つい慣性の法則に従って、または流されて、「えぇい、こうだろう!」なんて物事を決めたりしがちです。けれど、逆行期のエネルギーは自分の思考や感情、行動の再吟味のために費やすときには、最も効率良く使えます。


それまでの判断基準が曖昧になりがちな逆行期。その中で始めた物事や決めた約束が、その惑星が順行に転じ、天空の座標と運行する惑星の現実が一致し始めたところで「あれ?」となるケースが多いのは、大抵の場合、こうした意識下の仕組みがその原因であり、その後再び変更する結果に繋がりやすいのです。

        これを逆に考えてみましょう。惑星の逆行現象は、全体の流れの中で前へ前へと進む慣性の法則の日々からひととき切り離されて定期的に我に返り、自分の判断や価値基準を見直すチャンスとして使うことが出来るのではないでしょうか? そして、その経験を意識的に積み重ねていくことでわたし達は、自分の進む道を自分の手で選択し掴み取ることを、もっと容易に出来るようになるのではないでしょうか?  それはやがて、新しい視座と展望に繋がっていくのではないでしょうか?

        木星、土星、天王星、海王星、冥王星…そして小惑星や遠い準惑星達。太陽に捉えられた惑星達は皆、わたし達から見て逆行します。(彼らから見たら、地球もまた逆行しているのでしょう)。わたし達の粗い意識の網目では、遠い惑星ほど、そのエネルギーはクリアに感知しにくいのですが、その分、無意識領域に働きかける力は強大です。また、遠い惑星ほど逆行期は長く、3大外惑星は約4〜5ヶ月と一年の約半分近い日々が逆行状態となります。だから自分の出生図で天王星以遠の惑星が逆行しているひと達が人口に占める割合は、逆行期間の長さに比例して高いと言えるでしょう。ジェフリー・ウルフ・グリーンは、著書「PLUTO, The Evolutionary Journey of The Soul」やいくつかの講義録の中で、この3惑星の逆行を出生図に持つひとを『外界の "現状" に決して同化することのない魂』と呼んでいました。判断基準が曖昧でとてつもない矛盾を抱え、カオスにも見える外界。そこに直面して、こころの深奥で深い違和感を覚え、現世に同化することが出来ない魂達。その数は、一つの世代に必ずある一定の割合を占めている。そして、その事実が人類を進化への衝動へと導き、時を経て次の時代が創られる原動力になっていくのだ、と...。



では、この3惑星逆行期を、実際どんな意識で過ぎ越していけばいいのかな? そこで活用したいのがいわゆる "シャドウ・フェーズ" です。


シャドウ・フェーズについて

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shadow


        逆行を前に、その前触れとして逆行時に辿る度数を進んで行くのが前半に起きるシャドウ・フェーズ。そして順行に転じた後、逆行してきた度数を再度運行して逆行が始まった地点まで戻るまでを、後半のシャドウ・フェーズ(またはエコー・フェーズ)と言います。シャドウを入れた逆行期には、同じ星座宮の同じ度数を3回通ることになります。これを、トライ&エラー&トライの時期と言ってもいいかも。シャドウ期は見過ごされがちですが、実際の逆行期をうまく過ぎ越していくためには結構重要です。

最初の方に書きましたが、前半のシャドウの日々は、これから逆行で体験するエネルギー、物事、思いの下地が象徴的に見え隠れする時期です。

その時期はいわば観察期、または疑似体験期。なので、まだ逆行の影響をモロに受けない状態で、自分が抱く考えや感情、仕事上のプラン、他のひととの関係、自分の視点を通して見る世の中の状況、何が起きているか…等々、意識して観察してみてください。何か重要なことがあれば、メモしておくのも良いと思います。逆行の予行演習のような感覚かな。

そして逆行に入ったら、シャドウ期の考えや感覚に変化が出て来るか、状況に何らかの変化があるかについて、いつもよりは気を付けて見てみます。自分だけでなく、周囲のひと達の様子を観察することで、「あぁ、なるほど!」と思うこともあると思います。実は曖昧模糊とした「世界」の中で、ある基準から解き放たれた「自分という自我」が何をしようとしているのか? 見ていくことの全てが発見に繋がっていきます。それは遠い遠い過去の「いつか来た道」かもしれません。忙しい日々の中でも、ちょっとした時間やチャンスがあれば、出来る限り、深く潜行してみましょう。

こうして逆行期への注意力を付けていくことは、現象面においても、期間中のミスを防ぐのに役立ちます。(水星の逆行期はそれでも要注意ですが、意識さえしていれば、ミスから学ぶことも大きいです。筋書きはあらゆるところからアミダ籤のように拡がっています。失敗から「ステキな結末」への筋道だって、たった一つじゃありません。)

        順行に転じたあとは、後半のシャドウに入り、ゆっくりとリハビリが始まります。これは特に水星の逆行時に重要だと言われています。何故ならこの時期に、逆行期間中に決められた物事が変更されたり、誰かの気が変わったり、物事の見え方が変わる事も多いからです。なので、前半のシャドウに入ったあたりから全逆行期を見通すような気持ちでほんの少しでも心の準備をしてみる。節目節目で、物事の推移を意図的に観察していく。これは内的な発見に繋がると同時に、後に起きるかも知れない変化に対応しやすくなるというメリットもありそう。特に今後水星や火星の逆行期に大事なプロジェクトを予定しているひとは、機会をみつけて試してみてほしいな、と思います。

もちろん観察とか意図とか言ったって、何かと忙しい日常で、そんないつもいつもやってられないかもしれません。わたしなど、すぐ忘れてしまいます(^_^;。 それでもシャドウの入り口、シャドウから逆行へ、逆行の中間部、逆行から順行へとスイッチする日の前後はストーム・フェーズと呼ばれ、心理的な乱気流が起きやすい要注意日。その時だけ、フッと歩みを止めて、ひととき目を瞑ってみるのもいいかもしれません。おっと!間一髪、助かった〜・・の体験者として、オススメしますw。


金星、水星、火星逆行のスケジュール

        下の図は、3惑星の逆行期が、4月20日〜22日頃を中心として起きるカーディナル・クライマックスにどんな感じで繋がっていくかをチャートにしてみたものです。金星の逆行が終わり今は水星の色濃いシャドウ&ストームに入り、そして同時に長い火星のシャドウ期にあります。

4月の天王星・冥王星・木星・火星カーディナル・グランドスクエアをどんな風に体験するか? 大きく影響を受けるか、それ程でもないか? 勿論、それは人それぞれ。けれど、もし日本が、世界全体が揺さぶられるとするなら、やはりわたし達にも多かれ少なかれ、影響は生じるでしょう。わたし達みんなにとって、今回の3惑星逆行がクライマックスへの準備期間になるかもしれない…。そう思って過ごしてみるのは、もしかしたら今ある筋書きの選択肢を拡げることになるのではないでしょうか。


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schedule

※2月6日追記

        上記に加えて3月3日〜7月21日(火星のシャドウ抜けの日)まで土星が逆行、4月15日〜9月23日まで冥王星が逆行します。これらは通常は殆ど意識に上らないと思います。ただ全体の雰囲気の中で、わたし達の意識の広範囲をカバーする微細な違和感の一要因として深く潜行していくでしょう。

また、日本では4月の後もグランドクロス形成〜火星の順行開始〜シャドウフェーズを抜ける前後まで、何度か重要なポイントを迎えます。それが大きな危機となるかどうか、全体の方向性がどこに向かうかは、水星・火星のシャドウ&逆行期と4月のクライマックス第2ピークを迎える過程で、わたし達がどのような選択をするかに最終的に懸かっていそうに思えます。特にグランドクロス直後の日食(4月29日 牡牛座8°台)前後、そして6月13日の満月(月:射手座22°台)前後、夏至を経て7月あたりまで、緊張感のあるエネルギー構成が続きます。

ただ、社会でも個人レベルでも、折節のクリティカル・ポイントで何か大きな体験をするような場合は、長い目で見れば、時代の、人生の、ブレークスルー・ポイントだと言えます。長く蓋をされてきて、しかも未来のために変化する必要のある何か。そういう物事がもし存在するなら、その時点で徹底的なエネルギー放出があるかもしれません。そして、もし何か足許が揺らぐようなことがあるとすれば、その体験を未来の希望の種子として揺るぎなく捉え直せるかどうかもまた、わたし達にとって価値ある挑戦なのだと思います。


では、個々の逆行について少し

        金星逆行についても書こうかと思ったけど、もう既に記事も長くなってしまったし、とりあえず逆行現象も終わり、ストーム・フェーズもそろそろ抜けつつあるということで、今回は割愛します。ただ、金星がアセンダントの支配星のひと、ネイタルの金星に強いアスペクトが来ているひと等は、水星・火星のフェイズ進行と共にシャドウ抜けの3月3日あたりまでは、感情的な揺り戻しやこころの揺れを体験するかもしれません。やわらかに抱き留めて、出来れば大切に味わってください。今見えているものは、きっと信頼出来ると思います。

毎年刊行されるメリマンさんの『フォーキャスト』シリーズや『マンデーン』シリーズではその年に起きる全逆行についての解説が掲載されているので、読んでみてね。


水星逆行(魚座3°台〜水瓶座18°台、中間点 水瓶座27°台)
1月23日シャドウ入り〜2月7日逆行開始〜2月16日中間地点〜2月28日順行〜3月20日シャドウ抜け


        水星逆行については、もう既に様々なことが言われ尽くしています。いわく…何か大事なことを決めても覆るかもしれない、矛盾したデータが多く何事も不透明感がぬぐえない、気が変わりやすい、伝達ミスや計算間違いが増える、通信機器やコンピュータの故障、交通事故に注意などなど。

どれも究極の原理は一つだけれど、その中で、思考に関連する問題としては、次のようなことが考えられます。

水星は、左脳と右脳間の "スイッチ" を支配しています。逆行現象によって規則性に乱れが生じるとき、一時的にそのスイッチがうまく働かなくなることがあります。左脳を使うべき時なのに右脳がメインに働いて、思考が霧に覆われることも。。

なので、
スイッチの不具合で思考のバランスが崩れる→誤解、思い込み、上の空など、判断基準が曖昧なまま、物事を進めてしまう傾向→後で変更、または後悔…という筋書きにはまりやすいです。

けれどその代わり、右脳的な要素を否定せずにうまく受け止めれば、今まで取るに足りないと見過ごしてきたような水面下の大事な物事にふと気付くかもしれません。金星逆行のリハビリ期でもあり、感性は新しい衣を欲しがっています。自分にとって本当に意味のある物事は何か? 慌てて結論を出す必要はありません。ただ、今まで蓋されてきた地下世界を覗いてみるようなつもりで、些細な変化や感覚の違いを味わってみるのも良いのではないでしょうか。それはきっと、いつもの反応、いつもの思考法を進化させるための再吟味や再設定に繋がっていくと思います。

今回の水星逆行によるインパクトは、先月のシャドウ入りに続き、特に7日の逆行開始日前後数日、14日に魚座から水瓶座に戻る時、16日の中間日前後、そして28日の順行開始日前後に強さを増します。28日順行開始から3月20日までの後半シャドウ期も大事です。この期間は火星の逆行期と重なるので、様々な物事への対応を迫られるひともいると思います。十分注意しつつ観察眼を発揮してみてください。特に2月28日〜3月2日の前後数日のストームフェーズが持つインパクトは大きいかもしれません。

面白いことに、水星がシャドウ入りした1月23日、ESAの研究チームは準惑星セレスから水蒸気が立ち上っているのを発見したと発表しました。これは地球の水が小惑星の衝突でもたらされたという仮説を裏付け、またセレスに海が存在し、もしかしたら生命も認められるかも?という可能性を示唆しているのだそうです(wikiより)。これからどう研究が進むのか、興味深いニュースです。水の世界の発見…そして発見した事実の再吟味。魚座から水瓶座へと逆行する水星シャドウフェーズの幕開けを象徴するのにふさわしい事象だな、と思いました。

        逆行運動の中でも水星の逆行は一番頻繁に起こります。それに水星はわたし達の思考を司る惑星だけに、一番気付きやすく、意識しやすいと思います。特に今回は水の星座である魚座から風の星座である水瓶座への逆行です。魚座の感性の水にたっぷり浸りきる前にもう一度、思考の星座である水瓶座を辿り戻る今回の逆行は、わたし達の思考法をバージョンアップして、火星逆行のただ中に起きる外惑星グランドスクエア/クライマックスに備える良い機会を与えてくれるかもしれません。


火星逆行(天秤座27°台〜天秤座9°台 中間点 天秤座18°台)
12月25日シャドウ入り〜3月2日逆行開始〜4月9日中間点〜5月20順行開始〜7月21日シャドウ抜け


        火星はバイタリティーと行動を司ります。天秤座は「わたし」に対する「あなた」または「あのひと達」。パートナーや同盟関係を司ります。また、公正さ、正義、美の概念=何が正しく、何が美しいか?の判断をも支配しています。天秤座は「バランス」の星座宮と言われますが、そのバランスは、「何が公正か?何が公平か?」に基づいたバランスです。 それって本来、とても難しいことではないでしょうか? なので、天秤座におけるバランスは、どちらかといえば、『 "あなた" と "わたし" との間で公正なバランスを取ろうとする時、双方が直面しなければならない挑戦または学び』として捉えた方が正確かもしれません。特に、対向する牡羊座の支配星である火星が逆行する今回は、それが前面に浮上してきそうです。

例えば人間関係で言えば、天秤座が示す「正しさ」を、人間の行動規範に当てはめて誰かを判断しようとする。もし自分が正しいと感じる規範に合わなければ、相手を裁きたいと欲する。けれど逆行下にある火星の影響で、その判断基準は一貫性の無いものになりやすく、単に心が狭いだけ…という結果に繫がりやすいです。
 
  逆行中の火星は個人の心身に対しても、進行中の物事に対しても、バイタリティ不足をもたらしがちです。別にエネルギーが無いわけではなく、深く潜行する…という感じかな。それが原因で通常、心理面では自己不信や自信喪失、不安、疑念、今一つ後ろ向き…などの気分が生じやすいし、今まで支障なく動いてきた計画やプロジェクトも突然壁にぶつかったり止まったりしがちです。なのでどうしてもこの時期前後に新しいことを始める必要があるなら、あらかじめ何があっても驚かない、まさかのときの準備はしておく...といった心構えはしておいた方が良いでしょう。 また逆に、何かに追い立てられるように「やり過ぎ」たり「過剰反応」を起こし、その結果として疲れ果ててしまう…という例も多く見られます。

また心理面では、いったん何か刺激を受けると ちょっとしたことでも理不尽に攻撃された!と感じやすく、周囲も自分も驚くくらい突然に、深く潜在していた怒りが爆発することがあります。その場合に出て来る怒りはその時だけのものではありません。自分でも忘れているような、遙か以前に受けた仕打ちの記憶から立ちのぼって来る可能性があります。なので、現象としては突然の怒り、短気、暴力的な争いや事件、事故、爆発などが起こりやすいです。また、遠い過去のよすがのように、以前の知り合いにバッタリ会うこともあります。そこには何かヒントが含まれているかもしれません。

        また、溜め込んだ怒りは受動攻撃性として表現されるときもあります。例えば何か頼まれたり命令を受けたとき、「はい。」と受けるけれど、結局サボって何もやらない。または、一応頼まれたことはやるけれど、おざなりなやり方で上手く行かないようにもっていく。そういう場合は、自分が抱えている怒りをストレートに表現するのではなく、ひそやかに、相手に毒杯を飲ませるようなやり方で不満を表します。相手に迷惑はかかるけれど、自分は一応期待に応えようと頑張っているのだ…という形を守りながら。この場合、傍目には「加害者」と「犠牲者」が巧妙に入れ替わって見えることもあり、文句を言う方が罪悪感を感じさせられるケースもあります。というわけで、まともなぶつかり合いが起きにくいため、人間関係は見えないところでこじれる一方。。 その内に相手の方が追い詰められ、結局はいつか、何らかの形で爆発が起きることになります。

面白いのは、火星の逆行に影響されて爆発しやすいのは普段落ち着いて冷静だ、あるいは大人しいと見られている人に意外と多く見られることです。まさか、あの人が…という状況、時々ありますよね。反対に、いつもイケイケ火星タイプのひとは、その間妙に内省的になったりすることもあります。そのひと達は、逆行に応じて必要とされる自分の行動の再吟味や観察を自然に行い始めます。もしかしたら、 常に何らかの形でエネルギーを発散しているひとより、忍耐強く冷静にをモットーとしながら、処理しきれない怒りを奥底に溜めているひとに影響が強く出るのかもしれません。そしてこうした爆発もまた、再吟味とやり直しのために起きてくる事なんですね。ただ、それには危険がつきまといます。なるべくなら爆発を避けて、おだやかなやり方をしたいけれど…。

        どうしようもないエネルギーを抱え続けている時、それをナマの形で外に出してもあまり良い結果にはならないことが多いけど、特にこの時期は要注意。ネジレの入った表現で周囲を巻き込むのも、状況を悪化させるだけです。ではどうすれば? 結局は自分が抱えている怒りに気付くことが先決なのだと思います。そしてそれに一人で直面していくしかありません。心理面でも行動面でも、ボタンの掛け違えが起きた時点に戻って何度も何度もやり直してみること。怒りがどこから来るのか? いつから溜めてきたのか? 何を怖れて、怒りに蓋をして来たのか?

ダイナミックなエネルギーが襲ってきた時、また他者から怒りをぶつけられた時は、そのウェーブに踊らされず、自分を、相手を、状況を、つぶさに見切っていく必要があるでしょう。短気を出してその場で決着を付けるのではなく、なるべく流して時間と距離を置くようにした方が良いケースが多いです。理屈抜きのエネルギー暴発は、それ自体が凶器になり得ます。出来るならその場を去り、自分にも相手にも、公正さや公平さを再吟味するチャンスを与えてください。

また、長く何事かに、または誰かに、精神的あるいは物質的に依存し続けてきた場合。 火星逆行がもたらす体験を通して、確固としたものなど何一つ無い…という体感に至る可能性があります。もしそんな事が起きたなら、きっと辛いと思います。でも。嘆くばかりでは勿体ないです。世界は不確実で当たり前なのだという厳然たる事実を知り、その体感によって、人生のコマを先に進めるための新しい視点を開拓していく。真新しいチャンスがそこにあります。ただ一人、そこに立って自分の呼吸を感じてみてください。何が無くても、誰がいなくても、確実に、わたし達の呼吸はひとつひとつ、完成し完結しています。そこから新たなエネルギーが生まれ、やがて新しい流れとの出逢いが無理なく自然に生じてきます。だからゆっくりと、始めましょう。

他に火星逆行時の注意点があるとすれば、事故、怪我、機械物の故障、戦争やテロ、喧嘩や暴力事件、火事や異常気象など、火星が象徴・支配する物事全般が強調されるということでしょうか。手術もまたこの時期は可能な限り避けた方が良いと言われます。ただ、火星がそのときどきに逆行する星座宮によっても顕れ方は違ってくるし、個人の場合は逆行が自分のネイタルのどのハウスで起きるかにも注目し、そこから考えて行く必要があるでしょう。


        さて今回の火星は、太陽と共に天王星・冥王星のトランスレーションに入ったあたりのタイミングで去年の12月25日、すでにシャドウ入りしています。その日、西ノ島の隣の海面で火山爆発が起こり、新島が生まれました。日本の領海に生まれた島は今でも大きく成長し続けているそうです。その翌日には安倍首相が靖国神社を参拝し、内外に賛否両論の波紋を巻き起こしました。その波紋は今でも拡がり続けています。翌日は沖縄県の辺野古埋め立てを仲井間知事が承認、その後名護市長選挙では反対派の稲嶺氏が当選、基地問題はまだこれから様々な紆余曲折がありそうです。火星のシャドウ入りと共に起きてきたこれらの事象は皆、カーディナル・クライマックスに向かって行きつ戻りつしながら、何らかのゴールを目指して育っていくのかもしれません。去年のクリスマスごろ、みんなにはどんな事があったかな?


        もちろん、今まで話してきたような事が誰にでも起きるわけではありません。それはその人それぞれが生まれ持ってきたネイタル・チャートにもよります。けれど今後周囲を、世界を見渡していけば、大なり小なり逆行現象を象徴するような事が起きてくるのを目撃出来るのではないかと思います。たとえば物が壊れやすい、特に機械類が突然故障したり壊れたりしやすい…というのも、火星逆行を象徴する現象です。意識という側面から見れば、それは本能的な前進力が内側に向けて自己破壊的に働くときの在りようをかいま見せてくれているのかもしれません。

さあ、そんな中で、金星〜水星〜火星の逆行を過ぎ越そうとするわたし達の精神は、いったいどんなことを発見出来るでしょう? 

今回の連続逆行は、カーディナル・クライマックスの第2ピークがもたらす強大な圧力を背景に、もう一度、わたし達の強靱さと冷静さを鍛えるために、宇宙から贈られた訓練期間なのかもしれませんね。やがていつの日か、わたし達人間の精神が閉じられた時の円環から、自我の呪縛から、解き放たれる日が来るように......。


…そんなわけで、この記事と逆行スケジュールの図が 何かの形で "フツウの戦士サン達" のお役に立ったら嬉しいです!!


rNeb




have a great trek!!!★


hiyoka.(^_^)


hiyoka_blue at 01:36|PermalinkComments(6)惑星達の話 | マンデーン・アストロロジー

February 02, 2014

レイモンド・メリマン 週間コメント2/3【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2014年2月3日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。^_^;)
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【お知らせ】
3惑星の逆行についての新月追加記事は火曜日夜になりそうです。m(_"_)m
来週のコラムは都合により抄訳になるかもしれません。m(_"_)m


≪ 先週を振り返って ≫

        さてこれは、例の “大暴落” の始まりなのか? 今やますます多くのアナリスト達が、世界の株式市場において大幅な下落が進行中だと考え始めている。だが、金星または火星が逆行に転じた時に市場が高値をつけ、その後惑星が順行に転じる時にそれが崩壊するというのは、いつもの事ではないか? 6週間にわたる金星逆行期の内で、後の4週間が世界中で株価の下落と同期したことから、投資家達の懸念は日増しに深まっている。金融界は新年の始まりに見せた “確信” や “自信” を持ち続けているようには見えない。楽天的な木星による多幸症は、敵に囲まれた木星のヒステリーにゆっくりと取って代わろうとしている。先週の終わり(1月31日)、木星は3回あるうち2回目の冥王星とのオポジションを形成したが、どうも冥王星は、木星のシンボルをバブルとして咎めるという役どころを明白に示しているようだ。

        しかし、こうした事は全て、金星が12月21日〜1月31日までの逆行期を終えようという時間帯に沿って起きている。

        世界の株式市場は先週再び下落したが、これは前の週より一層厳しいものだった。実際、ダウ工業平均は11月8日以来の最安値水準に落ち込んだ。一方、これまでのところS&P先物は12月16日につけた安値を割ってはいない(場中に1761.25の安値をつけた後、1776.50で引けている)。これはプライマリ−・サイクルが完成する時間帯の中で金星が順行に転じる日だったことから、異市場間強気ダイバージェンスの可能性を示している。これが金星の逆行終了によって示唆される事かもしれない。

しかしながら、木星による冥王星へのオポジション形成と今後形成される天王星へのスクエアは、もし株式市場が下落し続けるならその勢いは加速し、まさに “大暴落” となるだろうことを物語っている。どの程度か? まず20〜50%程度と思うが、これは4年サイクルと6年サイクルでは通常のことだ。“大統領選の次の年” を拾う4年サイクルの安値は2014年3月〜12月に予定されており、株式市場の6年サイクルは2014年〜2016年の間、いつ何時完成してもおかしくない。これらが重なるのが2014年だ。この事については月報と週報の購読者リポートで最新の情報をお届けするつもりだ。

        このコラムにおいては、現況、株式が非常に重要な岐路にあるとだけ述べておきたい。投資家達は当然ながら神経質になっている。“売るべきか?はたまた買うべきなのか?”

金と銀にとってもまた、先週は興味深い週だった。1月27日火曜、金は1280まで反騰したが、これは11月中旬以来の最高値水準だった。その後30日に太陽と月が両方とも水瓶座に入居するにつれて、金は突如として1240以下に下げ戻し、わたし達の研究(とリポート)が貴金属について予測した通りの展開となった。金でさえ崩れる前に反騰した一方で、銀はといえば既に下落していた。1月30日木曜には、銀は1900以下で取引されており、これは12月31につけた安値1872をそれほど上回らない値だ。おそらくは、まもなく貴金属でも異市場間強気ダイバージェンスが見られることだろう。

金星が逆行を終えようとしている。トレンド反転の動きもまた終わろうとしているかもしれない。だが同時に木星が冥王星とオポジションを形成しており、月が改まると共に、次に控える天王星とのスクエア形成へと向かう。ひょっとすると、こうした反転の動きはすぐにでも急落し、そして急騰しようとしているのかもしれない。天王星が関わる時、ボトムが何処になるかを知ることは全く不可能だ。まるで底知れぬ深淵に落ちていくように感じられる。特に冥王星の暗黒面が絡む時はなおさらだ。そして冥王星の暗黒面は先週も ー 社会的な側面で ー 大いに示現している(長期的考察を参照)。


≪ 短期ジオコズミクス ≫

        まるで投資家と政治家は、金星逆行下の経験でもまだ痛みが足りないと言わんばかりに、現在、もう一つ宇宙からの棘が近づきつつある。水星逆行だ。まぁつまり、もし宇宙がロドニー・デンジャーフィールドそっくりだったら、きっとあなたは『オレ達人類に対してまったく酷い扱いだぜ』と思うだろうということだ。まず金星逆行(12月21日〜1月31日)、その後水星逆行(2月6日〜28日)、そして火星逆行(3月1日〜5月20日)と来る。それはまるで、カメの一群を追い立てるようなものだ。物事は何も片付かない。その上約束事は反故にされるか責任者の執行命令が必要で、それですら変更されそうだ。もし政府のモットーが “前進” だというなら、この期間は事実上、もっと “踵を返して後退する” ような感覚に近いものがあるだろう。

        とはいえ、逆行は必ずしも常に “悪い” とは限らない。“良い” アストロロジャーならそれを知っている。ただ新しいルールに適応し、常識や期待を手放す必要があるだけだ。何故なら、何事も通常のルール通りにはいかず、期待は実現しない。だから変更が必要になり、一般常識は直観に道を譲るわけだが… これが常に賢明であるとは限らない。水星の逆行下では、金融市場もまたこうした性質を帯びる。つまり、通常の売買シグナルは効力を失い、支持ゾーンも抵抗ゾーンも効き目が無くなる ー だが、それもほんの短期間だけだ。この時期はひんぱんに “フェイント” がかかり “売ったら騰がり買ったら下がる” といった相場つきとなるため、私達のモットーも「早すぎる手仕舞いに勝るもの無し」だ。

だからどっかり腰を落ち着けて、自分のターゲット・プライスに値が届くまで待っていてはならない。何故なら1日〜4日ごとにモメンタムが約20分ほど失速し、その後反転して1日〜4日動くからだ。だが、水星逆行の中間日(2月17日)あたりは特に注意を払って欲しい。逆行開始付近で反転しなかった市場はどれもその時点で反転しやすく ー 少なくとも数日の間は続くからだ(1日〜4日よりは長い)。

既におわかりだと思うが、ファイナンシャル・アストロロジーの原理を市場に適用する時は、研究の質的な側面を真に理解している必要がある。型どおりの定量的な研究結果に従うだけではダメなのだ。金星、水星、火星の逆行下では、市場は通常と異なるふるまいを見せる。それは人間と同じことだ。当然ではないか? その最も純粋な意味合いにおけるアストロロジーは、ジオコズミック・サイクルと人間活動のサイクルとの相関関係を指しているのだから。

ロドニー・デンジャーフィールド:米国のコメディアン/俳優。2004年に死去。独特の、怒ったような、ぼやくような低いガラガラ声とシニカルなユーモアでコメディ界の大スターとなった。映画では『ナチュラル・ボーン・キラー』や『キャスパー』などに出演。彼が小咄の枕によく使った “I got no respect …” は「I don't get no respect」というコメディ・アルバムも出ていて、全米で流行った有名なフレーズらしい。今回の原文は “humanity gets no respect” 。


≪ 長期的考察 ≫

        “ギャロップによる世論調査で去年最も注目に値したのは12月の報告で、米国民の72%が「大きな政府」を米国にとって最大の脅威と見なしているという結果だった…… フラストレーションを抱えて…… ホワイトハウスは…… 直接的な国家運営を怠っている。我々は「一方的な大統領の時代」の幕開けに立ち会っているのだ。”
ー by ダニエル・ヘニンガー 『オバマのステート・オブ・ディスユニオン』
  2014年1月30日付ウォールストリートジャーナル紙より抜粋

原文 “Obama’s State of Disunion”:“State of Union” で「一般教書演説」だが、連邦政府の契約職員の最低賃金引き上げや中間層向け職業訓練その他、政権がウリとする政策(支出が増える政策)を実施するためには議会の反対があろうと大統領令を発令するとして、強いリーダーシップをアピールした。そのやり方がUnion=団結 に相応しくないとして、「分裂」を意味するDisunionに差し替え、オバマ氏への皮肉をこめたと思われる。

        OK、さぁ冥王星の暗黒面について掘り下げてみようではないか。まずは2012年6月〜2015年3月に展開する天王星・冥王星スクエアという、驚くべきアスペクトを再吟味だ。『フォーキャスト2014』で論じたように、このジオコズミック・サインは幾つかの不穏な(そして邪悪な)形をとって示現する。その一つが政府による自国民へのスパイ行為と、市民から厚かましくも権力を奪い取り、世界中の政府指導者がその手に握るという動きだ。これら国防の名の下に行われるプライバシーの侵害は、カーディナル・クライマックスが始まった2008年から(そしてそれ以前にも)続いている。一連の “隠匿行為” と “自国民に対するスパイ行為” は、米国では2012年、天王星が3年にわたる冥王星へのスクエアを形成し始めた時、白日の下に曝された。私達は現在、このアスペクトの中間時点に立っている。だからこうした隠匿行為や秘密の活動に関して、今後さらに似たような暴露があるだろうと予測出来る。

        山羊座の冥王星は(他にも様々な意味を持つ中で)政府による隠匿行為、自国民へのスパイ行為、そして権力掌握を象徴している。牡羊座の天王星はこういった活動の暴露と、その影響を被る側の激怒を象徴する。彼らは天王星(水瓶座)が持つ自由と独立という価値観を抱く者達だ。スクエアというアスペクトは、対立する両サイド(市民と政府指導者)が抱えるフラストレーションを象徴するが、これは注意深く扱わないと、突如として極度に暴発的になり得る。ジオコズミックな観点から見て、これは非常に危険な時期だ。そして木星が天王星・冥王星スクエアと共にカーディナルTスクエアに参加してきた現在、すわち2013年8月〜2014年4月は、特に危機的だと言える。

それに加えて、この時期は米国の国家としての安定性にとっては最大の危険期だ。何故なら、米国始原図上の太陽・土星スクエアが、そのまま木星・天王星・冥王星のTスクエアと同じカーディナルサインの度数に在泊しているからだ。社会不安と政治的混乱、これが私達の暮らしのすぐ隣に入ってこようとする新たな隣人達だ。だが既存の住人達は彼らを入れたくない。だから法律を自分達自身の手に握る。あるいは、彼らを寄せ付けないために ー 戦法を変えて ー 新たなルールを作るのだ。

        先週、米国市民に対する連邦機関のスパイ行為の露呈が、(人生の)ゲームがいかに変化しているかについて、またもう一つのショッキングな気付きをもたらした。2008年の金融・銀行危機が勃発した際、消費者を保護するるために設けられた消費者金融保護局(CFPB)が、米国内の市井に暮らす良き人々の安全を護るどころか、それ以外の事なら何でもやっていたと知れたのだ。

この機関は:
 “およそ9億9100万に及ぶ米国クレジットカードのアカウント情報を収集するという、NSAまがいの大規模データマイニング・プロジェクトを実行していた。また、火曜(1月28日)に開かれた議会聴聞で明らかになったところによると、CFPBの職員は連邦住宅金融局と連携し、1996年以来米国人によって借り出された5300万件の住宅ローンに関する2次的データマイニングを試み……”
www.WND.com, “ジ・エコノミスト誌” 及び “USAトゥデイ誌” の関連記事を含む

        では一体何が起きていて、何故それが私達にとって問題なのだろうか? さて、マンデーン及びファイナンシャル・アストロロジャーとして答えるなら、これは明白に、私達が愛して止まない研究によって示される原理の発現なのだ。米国始原図にとってこれは、その上に米国が築かれたまさにその基盤が強力に変容することを示している。建国時の太陽と土星にアスペクトを形成する冥王星の典型的な効き方を通じて、これらの基盤はひそやかに壊されていく。

一方、このシグナルのポジティブな含意は “より良くするための改革” だ。これは何を変換するべきか、あるいは終わらせねばならないかについての価値観を皆が共有することによって達成される。そしてその後、共同体としての合意事項が再構築されていく。他方、あまりポジティブとは言えない発現を象徴するのは、力の誇示と、他者の同意を得ぬまま彼らに強制し、そして通常は抑圧的な手段を取るか、定められた条項を変えることによって、既存の構造を破壊したり終わらせたりすることだ。

最初のケースにはウィン・ウィンの定理が成り立つ。二番目のケースでは、勝者と敗者という結果がその定理だ(要するに“選挙には結果が付いてまわる”)。自分のチャートに形成されたハードアスペクトの中に冥王星がある時は、これが顕現するエネルギーの働きと性質となる。すなわち、共有する価値観(関わりを持つ全ての人々 — 全ての隣人のために、何か価値あるものを再生させようと務める)という共通の土台を見出すか、さもなければ共通の基盤を探すことさえせず、その代わりに権力を握る者に有利になるよう単に結果を押し付けるか、だ。この場合、誰であろうと力を掌握する者が、勝つ。敗者は、帰るしかない — それが何を意味しようと — または、難民となるのみだ。

        というわけで… いったい誰が権力を持っているのか? 国民か、それとも(全てではないが)一部の政府部門やその機関か? 米国民は理解している — ギャラップ調査によれば、彼らは今や72%という多数派の目を通して、問題と脅威を見ている。しかし、彼らに何が出来るだろう? または、何をするだろう? ジオコズミックの研究によれば、5月末までにはその苦境に対する回答が見えてくるかもしれない。しかし皆さん、今述べている事は、なにも米国人だけに課された挑戦ではない。これは世界中に起きることだ。だが米国の始原図にカーディナル・クライマックスがドンピシャで当たるために、その苦境が強調されているのだ。

        いや、さもなければこれまで語ってきた事全てがいわゆる “陰謀論” の範疇に入るのか? 確かにそういった力学もまた、“冥王星の暗黒面” の下では力を持ち得る。私達には冥王星に当てるいくばくかの光が必要だ ー “悟りの稲妻” のように。
幸いなことに、それは天王星の領空から差し込んでくる。そして彼 — 天王星自身もまた、どうやってこの冥王星とのルンバ・ダンスを踊ればいいかを解明すべく、このところ生き生きと活動的だ。




日本もまた、戦後始原図(A:日本国憲法衆院通過時/1946年10月7日15:30、B:サンフランシスコ条約発効時/1952年4月28日22:30)を見る限り、4月のカーディナル・クライマックスの影響の度合いは米国に迫るものがありそうに思う。例えばA図では始原図の太陽が8室に近い7室でジャスト天秤座 13°台(米国の土星とコンジャンクション)に在泊して火星と合になるし、B図では3室牡羊座水星、1室山羊座カイロン、9室天秤座土星/イクシオン、7室蟹座天王星がオーブ1°〜4° でカーディナル・クロスに合致している。ざっと見るかぎり、国としてのアイデンティティを中心に、同盟関係、人/天災、経済・金融、法律など、様々な揺さぶりがあるのかもしれない。



訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)金融アストロロジー 

February 01, 2014

新月追記:パラスが映し出す「今」の断片

        万能細胞製造の新手法を発見したチームの代表、小保方さんについて、日本でのメディアの取り上げ方が「女性差別」だとしてネットで話題になっているのをtwitter見て知りました。「リケジョ」「割烹着着用」「ピンクの壁やムーミンのステッカー」「ペットの亀」など、プライベートな人となりを紹介することに重点がおかれ、研究の紹介などそっちのけ。こんなに読者や女性をバカにした報道は日本くらいだ…というのが批判内容のようです。これを見る限り、その内容は 火星対エリス、そして女神祭の星模様をそっくり映した現象のように思え、とても興味深かったです。

ただ、わたしが見た範囲では、例えばこのニュースが出た30日の読売朝刊には第一面に大きくその研究内容が図入りで紹介され、STAPとは何か?どんな可能性を秘めた研究なのか?まで詳しく掲載されていたので、「ん?」となるところもあります。(バラエティ化したと言われてるTVのニュース番組ではどんな紹介だったのかわかりませんが、うーん…な内容なのは対女性に限ったことでもないしなぁ…)

同じ朝刊の三面では、確かに「リケジョ 柔軟発想」というタイトルで小保方さんの人となりや成功までの苦労談も載っていたけれど、プライベートな趣味に関する記述は全体の10%くらいで、「ほほぉ、可愛いものが好きなひとなんだな」程度の印象でした。おそらく編集サイドとしては、まず画期的な研究内容とその凄さを知らしめ、その発見者が若い女性だ→これも画期的だ!皆、どんなひとか興味あるはず→よし、人となりを取材しろ!…てことになったと推察され、それはそれで自然なことと抵抗なく受け取っていたのですが。。 その後に週刊誌的な内容が盛んに報道されてるのかな?


Virgo


        ここでふと思うのは、この新月図に見られた「パラスを頂点とする新月と天王星のYOD」です。パラスもエリスと同じく生粋の女戦士。ゼウスの額から生まれたされる、智恵と裁きと政治・交渉力を合わせ持つ女神です。今回のことって、アイデンティティ(新月ーASC直下を上昇中)、価値観(天王星ー2室牡羊座)、他者をどう描像するか(パラスー7室乙女座)というテーマ構成の中で、エリスと火星のオポジションが働いている事の顕現なのかもしれません。

パラスはギリシャ神話の処女神パラス・アテーナー。その身に鎧をまとい、アストロロジー的には男戦士を凌駕する激烈な武力と戦略の持ち主とされています。けれどその鋼鉄の防具の下は生身であり、神聖なエロスを抱えてもいます。今回YODの頂点である乙女座のパラス、そして2室牡羊座の天王星(細胞・生命力・科学)は、話題のヒロインである小保方さんを指す星としてふさわしいように思います。 ただ日本では、鎧をピンクのネイルや可愛いムーミンに置き換え、その下に鋼鉄の精神を隠し持つ…それを自然体でこなす…というのも、まさにパラスらしい戦略と言えそうな。。

        「そんな捻れた戦略を取らなければならないのは、日本が女性差別の国だからだ!」という声も聞こえそうです。でも、ただ可愛いものが好きで、おそらくは伸び伸びした環境作りの一環としてそれを職場に持ち込むことを許されている、という側面も(研究所という環境だからというのもあるかもしれないけど)見ておいてもいいのではないでしょうか? 能力を買われている。だからリーダーとなり、趣味を活かした環境が許され、そこからまた素晴らしい研究が生まれる。その事実を経て、もっとマイノリティである「実は可愛い物が好きでそれに囲まれていると伸び伸び才能を発揮出来る」タイプの男性にも、職場で自分らしい表現を許される日が来るかもしれません。それに、チームの方々全員が可愛いもの好きとは限らないけど、少なくともテンションを和らげる効果はありそうです。記者さん達がそこまで見込んでいるとは思えないけれど、そんな副次的効果だって、長い目で見ると大ありかもしれないことを、アタマの隅に入れておいてもいいのではないでしょうか?

        おそらく批判のベースにあるのは、日本のメディアに対する積もり積もった不信感。そして「人となりに関する記事などは、素晴らしい発見をした知性を貶めるものだ」という視点だと思います。けれど今回の件に関しては、これって ー 確かに一理も二理もあるものの ー かなり『知性とはこういうものでなければならぬ。キリッ』的な、リジッドな考え方ではないのかなぁ…しかも実際は今後の課題も含めて知的な部分から先に報道されてるわけだし…と感じました。その後の報道のされ方が(もしワイドショー的な物だったとすれば)欧米的な標準価値観から見てダメダメと言えばそうだろうと思うし、日本が誤解されないためにグローバル基準に当てはめるべき!という考えにも一理あるけれど、それもまた非常に伝統的な「男性的」または「父性的」価値観とも言えるんじゃないかなぁ?と...。

確かに日本では若くて可愛くてちょっとオバカ(素直過ぎるくらいの)な女性が「モテる」という風潮はあると思います。一般に「支配しやすい対象」と見られるからかな。でも実際は、老若関係無く、そんな風に見せながら、一方で人知れず知的に勝る仕事をしている女性は昔から沢山いましたよね。男尊女卑の建前の下で、そんな形で柔らかく自己達成しているひとも沢山。もちろん、それが自分を偽った行為で本人が無理しているなら、やがてそのネジレが本人にも周囲にもネガティブな影響を与えるかもしれません。でも自然体なら?

今は本当に色々な物事が過渡期なのだと思います。今あがっている声もまた、時代の変遷とともに「そんなこともあったねぇ…」と、遠い目で語られる日が来るでしょう。だから、パラスの自然体の戦略「かわいい」と、それに飛びついて報道する姿勢の両方が話題の中心になることも必然かもしれません。ただ、報道姿勢を叩くついでに「ピンク」や「ムーミン」という個人的なキーワードさえも「くだらない」のひと言でバッサリ切ってしまう言葉を見ると、この流れはご本人を傷付け、ヘタをすると職場の雰囲気さえ変えてしまうのでは?という老婆心が喚起されます。

        パラス・アテーナーの前身は、古代の蛇女神。彼女の頭には数匹の蛇が巻き付き、その手には生と死の蛇の頭部を握っていました。(この感じ、なんとなくゲリラ戦にも長けていそうな…^_^;) 彼女がゼウスの頭から生まれたのは、ゼウスが最初の妻でありパラスの母でもあるメティスを呑み込んでしまったからです。何故なら、天界からの忠告を受けたゼウスは、もしメティスが自分の第二子を生めば、彼の権力が失われると知ったから。メティスは神々の中で一番賢く、彼女が生む子供達はみなゼウスを凌ぐ知力の持ち主だったそうです。そして、ゼウスは自らの頭を介してパラス・アテーナーを生み落とすことになりました。パラスは生まれながらにして、真っ向対決を避け、「皮を切らせて骨を断つ」(…骨抜き?^_^;)戦術に長けていたと言えるのかも。アン・ベアリングとジュールズ・キャシュホードによる『世界女神大全』によれば、彼女の神話は『しばしば在る出来事に対する直接的反応を通じて物事を考えたり、その彼方まで見通すことの価値についての考慮を構成しているように思われる 』そうです。

そういったこともひっくるめて、大きく盛り上がった雑多なエネルギーが時を超えてどう落ち着いていくのか? 当事者の力を超えた一過性の"人気"が治まった後で、どう全体に着地していくのか? ひとりの星読みとして、パラスが持つテーマと挑戦の下に生まれた者のひとりとして、見ていきたいと思いました。


        乙女座のパラスが切り取って映し出してくれる、世の中の一側面。様々な意見が飛び交う中で、世界は、わたし達の国日本は、どこへ向かおうとしているのかな? 結局は全てが「かわいい」ってことなのかもしれない…などと、水瓶座的飛躍の思いを抱えつつ。パラスとオポジションを形成するカイロンの示唆する『時を経た痛みを通してこそ発現する根底からのヒーリング』に思いを馳せてみたいと思うのでした。



1月31日 新月の夜に



hiyoka.

追記の追記:
やはり行きすぎた取材活動があったようで、ご本人ばかりかご家族や友人の方々まで被害が及んでいるようです。TV取材かな?(http://www.cdb.riken.jp/crp/news2014.1.31_2.html) メディア報道と、良いにつけ悪いにつけその内容を話題にし知りたがる大衆、そしてターゲットの悲喜劇。その繰り返しの中で、このところの激しい世相に呼応するように取材合戦も激しさを増しているのかもしれません。大きな悲劇が創られないうちに、それらが少しずつ様相を変え、全体が癒やされていくことを"意図"していきたい、そう思います。

hiyoka_blue at 00:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | 惑星達の話