December 2014

December 28, 2014

お知らせ

今回12月29日付のメリマン・コラムはホリデー・シーズンのため休載でした。

また、来年1月5日付のコラムは訳者の都合によりお休みさせていただきます。楽しみにして下さってる方、すみません! m(_"_)m

皆さま、どうか良いお年を!☆

hiyoka_blue at 23:56|PermalinkComments(2)TrackBack(0)お知らせ 

December 21, 2014

○12/22の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

本日のメリマンコラムはお休みです。m(_"_)m
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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
    例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで 12月22日 10:54前後、北海道周辺で11:01前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は 10:35 前後、沖縄周辺では 10:06前後に  山羊座 0°06’で新月となります。


前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマ 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・フィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 山羊座 0°~1° (12 /22~2015年1/20 )】
    "The Pope"
『ローマ教皇』

    "An Indian chief demanding recognition"
『自らの正当性を承認するよう要求するインディアンの族長』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★理解したことを伝える際の「どう見えるか」の重要性
→★状況に即して「正しい言葉」を選び「正しいふるまい」をする必要
→★借り物や欺瞞ではない希望や明るさを表明していく
→★承認願望が満たされることの歓び
→★本音を吐露することによる成功、または尊大なドグマの開陳
→★自我の欲望を超えて正しく「機能」に徹するための試練
→★人の心理の水面下に醸成される膨大なポテンシャル
→★個人の「力」が経験する栄枯盛衰のサイクル
→★大胆な力の証明、または誇示
→★人生の航路が変わるような体験、また願望への目覚め
→★要求を通すために必要な強い意志と戦闘力を示す必要
→★変化への葛藤と考えを変えていくことの難しさ
→★高い志の器になるか、迷いの中で優柔不断になるかの試練
→★巡りくる風の力に乗って飛翔するために力を溜める・・・→

エネルギーのポイント:「自分の志を表明していく」

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 12月22日 新月と冬至図



        前回の記事であっという間に12月って言ったばっかりなのに、今年もあと1週間と少し。もう冬至ですね。寒い⋚⋚⋚です。 さてと。今回も星の動きは盛り沢山。。 天王星は日本標準時で12月22日朝7:45ごろ順行に転じます。そして8:03に太陽が山羊座入りして冬至となり、続いて10:35に新月に。再び強力なエリーズ・ポイントで起きる今年最後の新月は、ダブルでまたも新しいスタートという感じです。 そして、その後24日には土星が射手座入り。また25日には水星が、27日にはヴェスタが冥王星にコンジャンクトして天王星とスクエアに。そして1月4日、満月の前日には太陽が冥王星にコンジャンクトして天王星・冥王星スクエアのシミュレーションを行います。ふぅ。この新月期も悲喜こもごも、沢山のニュースが生まれそう。。


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        では、早速サビアンシンボルを見てみましょう。 まず基盤となるエネルギーは射手座30°(山羊座0°)の『ローマ教皇』です。射手座の集大成であり、次の山羊座への入り口ともなるこの度数では、射手座的な宗教性や聖なる世界の探求が、ローマンカトリック教会の教皇、生ける「聖性」としての法王様という器に行き着きます。 その存在は「絶対」の信頼と帰依の象徴。 みんなが彼を崇敬し、彼のことばに耳を傾けます。彼の言葉は絶対の善以外にあり得ません。その祝福を受けることは、信者さんにとってこの上ない価値があることでしょう。 それって仏教で考えると、何となく千日回峰行を終えた阿闍梨さんを拝む感じに似ているのかな?とも思うけど、やはり少し違うかもしれません。 何故なら、ローマ教皇はバチカン市国という構造の中にあってその階位の最高位を指し、枢機卿団の投票によって選ばれる、独立した国家の元首でもあるからです。 絶対の聖性の象徴と世俗的な階層の融合。 これって本当に、射手座と山羊座の狭間にぴったりのシンボルではないでしょうか? 

B.ボヴィは、この教皇が果たす機能は「祝福すること」だと言っています。 肉体を持つ "霊的な父" として大衆の前に姿を現し、みんなを祝福する。 そこには見る者と見られる者が存在します。彼は見られ、聞かれる者としての役割を担い、愛と平和を説きます。見る者としての大衆は、彼の姿を目にすることによって祝福されたと自ら感じ、信心を深めます。宗教的愉悦を感じるひともいるかもしれません。 それが「器」となった教皇の役割なんですね。(現法王さまは、実際に和平交渉の仲立ちをなさったりする方のようですが…) 


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ここに見られる射手座の集大成では、ある絶対の「世界観」が確固としたカタチを取っています。そして、そこにはやはり、ミュータブル・サインの特質である二面性、二重性が見られます。生み出される法悦が絶対の組織に支えられるとき、そこにはドグマの危険性が付きまとうからです。 犯してはならないもの。 一瞥しただけであらゆる罪が許されるかもしれないほどの、固く絶対的な権威と信条。それは常に、疎外された者達を生み出す潜在的な構造を持っています。


        射手座は自由を愛する星座宮です。 それでも、ひとつの世界観を持ち、それが絶対性を持ち始めたとき…そしてその絶対性に沿って機能を果たすべく振る舞うことを受け入れたとき、彼は自由と引き換えにカリスマ性と磁力を手に入れるのです。 その力は、彼を見て至福を感じ取ろうとする多くの人々によって支えられるものです。 けれど彼を見る者=人々は、今や彼の聖なるまなざしを通して見られ、見られることによって生かされ、承認されます。彼の存在にこころ洗われ、明日への希望さえ得ることが出来ます。 でもそれは本来、人々自身のこころから生み出された力が「法王」に投影されているだけなのかもしれません。

承認されることの歓び…射手座と山羊座の狭間には、どうやら「見る者」と「見られる者」との共犯関係が生まれたようです。 けどそれは、自由奔放な探求から社会構造へと入っていく際に必ず通らねばならないゲートなのかもしれません。 法王は上り詰めた象徴の玉座にあって、何を思うのでしょう? 階層構造の中で、日々の大変な役割の中で、ひとり黙々と修行する中で得たに違いない法悦と至福を変わらずに保ち、宗教哲学の探求を続けながら、"絶対の普遍性"に至ることは出来るのでしょうか?  キリスト教徒でもないわたしには想像もつきません。ただ、射手座の最終度数として、そして社会構造の頂点を目指す山羊座の始まりとして、「見ること/見られること」に左右されない自由な探求精神を保ち続けること。これは大切なポイントになるのではないかと思います。


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        さて、エネルギーは次の度数、山羊座1° 『自らの正当性を承認するよう要求するインディアンの族長』 をとっていきます。 あら、ここでもまた「承認」が出てきますね。 けど、今度はちょっとコワモテな感じです。 要求するインディアンの族長…。 はて? 族長が自分の正当性の承認を要求する場面って、どんな状況なのでしょう? 米国には沢山の部族が存在しますが、その長を選ぶにあたっては、部族の人々による一種の投票によるもの、シャーマンの託宣が物を言う形式、またイロコイ部族連合のように、族母(クラン・マザー)が族長を推薦し、それを氏族、部族、連邦の公開会議で承認する形式を取るものなどがあったそうです(星川淳/魂の民主主義より)。となると、このシンボルはイロコイ族の族長で、彼はクラン・マザーによって新しく推薦された勇者なのかもしれませんね。

であれば、彼は決然と自分の力を主張するはずです。「他に選択肢など無い。自分こそが族長にふさわしい存在なのだ。」  新たな長として他者から承認されるには、権威にふさわしいカリスマ性と力量を見せつけなければなりません。 就職の面接じゃないけど、様々に意地の悪い質問をされたり、無理難題をふっかけられるかもしれないのです。 一族を率いるからには、口でも力でも、並みいる長老さえも打ち負かすほどの存在であることを証明しなければならないでしょう。 新しい力の台頭は、古い権力を引きずり下ろすものです。長老達も、そして推薦に漏れた元候補者達も、一斉に彼を試しにかかります。それは、力と力の真剣勝負です。 そして、試練の全てに打ち勝ったとき、古い旗は巻き上げられ、新しい旗が風になびくのです。


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        山羊座の門をくぐって最初に招待される歓迎パーティは、いかにも山羊座らしい力の闘争です。そこで優柔不断な態度は見せられません。 断固とした態度、一歩も引かない姿勢を要求されます。 このエネルギーの下では、傍観者でいたくてもなかなかそうはいかないかも。。 けれど、ただ勇猛果敢なだけでも承認は得られません。 ここから始まる山羊座の旅路は、高度な政治的駆け引きや冷徹な判断力、そして時には憎まれ役となっても動じない強い心が物を言う世界に入ってきます。そうでなければ多くの人々を束ねることは出来ないでしょう。たとえ内面では打ち震えていたとしても、それを表に見せてはならないのです。 彼はどうしても勝たねばなりません。 でも、何のために? ただ人の上に立ちたいだけ? みんなに尊敬の目で見られ、族長のみが持てる特権と名誉を得たいから? リーダーになって部族を感化し、自分の信条を押し通すため? いえ、そうじゃないはず。ただひたすら、部族連合の繁栄のために。 外敵を防ぎ、部族を護り、みんなで平和に暮らすために…。 

そう、彼の志は高いはずです。だからこそ、自信を持って長老達からの試練を受けて立ちました。彼はきっとみんなの承認を得ることでしょう。 そして…… それから先。 彼は自分に課された機能を、預託された任務を果たすことが出来るでしょうか?  ひとりの生身の人間として、高い志を保ち続けることが出来るでしょうか? ………はい、きっと。。 ここから先は、新しい学びの道。そこには様々な魔物や罠が待ち受けているかもしれません。厳しい闘いに傷付くこともあるでしょう。 けれど彼がその志を捨てない限り、大いなる精霊達の声が導いてくれます。たとえ傷付き膝を折っても、再び立ち上がることが出来ます。だって彼は自分を高らかに宣言し、ビジョンを探求し、確かに門をくぐったのですから。


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        山羊座最初の度数で迎える新月。新たな族長の姿は、天王星・冥王星の最後の試練に向かうわたし達自身の姿なのかもしれません。 わたし達は今、冬至という最小の光の下で見えない月に向かい、それぞれに自分が向かう道、辿り着きたい場所を宣言するべき時を迎えました。そう、本当にやってみて! 胸をはって、堂々と。 今の、不完全で赤裸々な自分を理屈抜きに信頼して。 "世界" の承認を得るってことは、まず自分が自分を承認すること。 それが全ての旅の始まりです。 そして、空間に遍在するあまたの精霊達をハートに感じてご挨拶などしてみようw。 本当に軟弱な自分だけど、それでも、ほんのちょっぴりでも、他のひと達みんなの幸せを祈ることだって出来る。それは今の自分がここに存在出来ているから。だから去っていったひと、これから来るひとみんなに、この世界に、そして精霊達に、沢山の感謝を捧げよう… 自分というミクロ王国の教皇として。細腕まくりの族長として。。 今、本当にそう思います(^_^。




射手座入りする土星、その他

        24日午前1:36ごろ、土星がいよいよ射手座入りし、約2年にわたる旅を開始します。これから来年の初夏まで、土星は射手座初期度数を運行し、一度蠍座に戻って再び秋に射手座入りします。 時の使者として、ともすると重くシリアスな感じになりがちな土星ですが、一方で土星がもたらすプレッシャーは、何かそのひとにとってとても重要なことを現実世界にしっかり固めていくこと、そして自分の2本の足でしっかり大地に立つ力を鍛えるための経験をもたらします。 これってちょっといかめしい天のオヤジからカツが入る・・なんて感じかも。 なので太陽や主要な個人惑星を射手座に持つひとは、これからしばらくの間、人生のいろんな分野に(射手座が占める室区分に応じて)新しい挑戦がやってくるかもしれません。または、わかっちゃいるけどまぁいいか…と見て見ぬフリをしてきたことがあれば、そこを突かれるなんてことも。。(^_^;

特に、自分のもののとらえ方ー世界観、信じることに対してどの程度責任を負えるか? 出来ることと出来ないことの境界線をきちんと引けるか? ノリだけではなく、地道に足許を固める行動が出来るか? 相手の具体的な理解を得られるか? 信条、文化、環境や置かれた状況の違いによる多様な「正しさ」を受け入れられるか? などなど…もうワンステップ、最終的に自分の器をぐいっと大きくするための挑戦を受ける機会が訪れそうです。 なのでふだん明るくてノリの良いひとでも、土星が関与すると内省的になったりシリアスに見えるときがあります。
 

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        けど天のオヤジ様は厳しいだけじゃありません。過ぎ去った後で頑張っただけのご褒美を形にしてくれる存在です。そして、「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉の意味をよく知っている、苦労人オヤジでもあります。だから土星が肩にズシリと乗っかっても、いつもいつも張りつめている必要はありません。けっして焦らず、出来るだけ自分のスペースを確保し、ここぞ!というときに踏ん張りが利くようにしておきましょう。 また今回の射手座土星は魚座の海王星とはスクエアの関係です。なので、ひとによっては逃避願望が強く働くかもしれません。 そんなときは自分の中で、まず「ギリギリこれだけは絶対逃げないぞ」という一線を引いてしまうのもひとつの手です。そして他のことにはちょっと肩の力を抜いて、自分をいたわってあげましょう。 それには時間の使い方を少し工夫してみる(ひとによっては「鍛える」)のも良さそうです。

また、自分の中の「マコト」に対してどこまで誠実でいられるか? そして、時に迷ったり、フラストレーションを感じてもがく自分を支え、黙って働いてくれてる神経と体にどれだけ気を配れるか? これもひとつの注意点かもしれません。肉体性の喪失に気を付けること。自分に対しても、また他のひと達の肉体に対する思いやりの感覚も忘れないこと。 つい見過ごしがちだけど、これもまた、射手座に入った土星と魚座の海王星がもたらすテーマのひとつになると思います。

そして…蠍座に太陽や主要惑星を持つひとはお疲れさまでした! これまでの約2年で培ってきたものはとても大きいと思います。みんな、こころが一段とシェイプアップされてるんじゃないかな?  

この新月図で蠍座29°に在泊する土星は、水瓶座28°のネッソスとスクエア。そして新月図のアセンダントに乗っている海王星ともスクエアになろうとしています。なのでここに来て、最後のカルミックな試験を受ける設定のひともいるかもしれません。仲間内で裏切られた悔しさ、激しい怒りや恨み、性差別や暴力的な体験の記憶、その途上で抱いてきた罪悪感など、様々な感情に苛まれているひとがもしいるなら、黒いケンタウルス、ネッソスの痛みと共に、今のままの自分を、流れる血ごと、どうか抱きしめてあげてください。今は誰も解ってくれないかもしれない。でも、土星は無言でその重さを受け止め、そっと支えてくれるでしょう。土星の輪。それは自分本位に動こうするひとには一種のくびきであり、障害となり得ます。でも、苦しみに耐えてひとり立つひとには、その身を護る護符の首飾りとなって、真の強さを与えます。それはいつかきっと、首元を飾る勲章になって輝くから...。

一方、新月のアセンダントに乗る海王星は、魚座の中でも社会的な要素を備え持つ度数にあります。実際には具体的な目標が決まっているわけじゃない。でも漠然と大きな夢がある。全体のための奉仕になるような何か。。  そして今は自分が属する社会やグループを眺め、巡り廻る浮き沈みのサイクルを目にしつつ、その中で溜めて来た力と技量を見せて自然に社会的なポジション取りをしていくような感じです。みんなを鼓舞し一つにまとめる力は十分。紹命がかかればいつでも動く準備は出来ています。(そういえば新月のシンボルとも共通するエネルギーがありますよね!)さぁ出動する時です。何処に向かいましょうか? あ、だけど土星とぶつかった挙げ句に自分(達)だけが正義!他はみんな卑怯者!みんな滅んじゃえばいいのに... なんて思わないよう注意しなくちゃだわ...(^_^;

土星は来年一度蠍座に戻ってきます。 もし心にやり残したことがあれば、そのときが仕上げのチャンスになるかも? 使うべきエネルギーは、もう綺麗に使い切った~ヘトヘトだ〜!と感じるひとは、きっとそこでひと味違う発見があるかもしれません。今までとは少し異なる角度から状況を見られる自分に気付く…なんてひともいそうです。 でも、どう感じるにしても、たとえ今も拭えない様々な感情を抱き続けているとしても。土星は過ぎ往く時の担い手です。そして今、ひとつの区切りがやって来ます。息つきながらも過ぎ越してきたひとにとって、少し長い目で見たとき、土星と共に過ごした2年間は掛け替えのない資産になると思います。だから天のオヤジさんの帰還を、ちょっぴり歓迎してあげられるといいな。(^_^


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        ところで今、月のノード軸は牡羊座ー天秤座の14°台。23日夜にはサウス・ノードが牡羊座15°台に入ってきます。牡羊座の15°は、来年3月17日に起きる最後の天王星・冥王星スクエアで天王星が位置する度数です。そして、今年10月8日に起きた皆既月食の度数でもありました。 うーん、何かダメ押しみたいですね…(^_^;   

月のノード軸は、わたし達の世界を循環するエネルギーに、約1年半をかけて大きなテーマを投げかけてきます。 じゃ、そのテーマって何だろう?  度数のテーマは皆既月食のときにも書いたので端折るとして。。 牡羊座・天秤座軸のテーマを考えると、やはり核となるのは「アイデンティティー」の問題かな、と思います。 「わたしとあなた」「わたしの世界と彼らが居る世界」「わたしとは誰か? 彼らとは何か?」… 

わたし達は、結局鏡を見ながら一生を生きていくのか? あなたの世界、彼らの世界と本当の意味で繋がることは果たして可能なのか?  

ネットやSNSの発展で、見る者と見られる者の関係は複雑に増幅し、絡み合っています。 天王星・冥王星スクエアの最後の2回にサンドイッチされた今、世界中で様々な事件や闘いが起こり、極端な思考が溢れ、人々は毎日密に繫がりながら、疑心暗鬼の中でどんどん分断されているようにも見えます。世界は大きく変わろうとしている。 けどそんな中、"見る者"であったはずの自分が、いつの間にか"見られる者" の目で世界と自分を見ているかもしれない・・・そんな風に思うことがあります。"見る者" と "見られる者" の逆転とねじれ。。 それが徹底的に起きるとき、ひとは自らの足場を失い、孤立し、傷付き、怒りを抱えます。 何かの保証や誰かの承認が無ければ虚しくて生きていけない…そんな感覚さえ起きたりします。わたし達の本当のキャパシティは、足許に無限に拡がっているかもしれないのに……。


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集合体としてのわたし達は今、世界の中にあって、ますます「自分とは何か?」という本質的な問いかけの答を必要としているのかもしれません。 コスモスのエネルギーを意識に取り入れると言われるノースノードが天秤座に在り、この世へのエネルギー噴出口と言われるサウスノードが牡羊座に在るということは、そんな挑戦を示唆しているように思えます。カーディナルサインはホロスコープの基本となるクロスロードです。  牡羊座は「わたし」、天秤座は「あなた」、蟹座は「この場所」、山羊座は「向かう場所」と考えてみたら…。 わたし(天王星)と向かう場所(冥王星)のぶつかり合いは、これからのわたし達ひとりひとりが何処に行こうとしているのか? 何処に向かって行きたいのか? というテストでもあるように思えるのです。

もちろん、今、とても幸せなひと、物事が思い通りに行っているひとも沢山いると思います。でも世の中で、個人の暮らしの中で、それぞれの星回りで…沢山のひと達が犠牲を払い、それでも必死にぬくもりや希望を求めて生きようとしているのも、否定出来ない現実です。 みんなそれぞれの生き方を探りながら。たとえ意見が違っても、ときにぶつかり合ったとしても、生と死を超えて、それぞれのリズムの中で。 その一歩一歩が、いつかふり返ったとき「素晴らしかった」って、言えるように。。 これからもわたし達は「自分とは何なのか?」そして「そう思っている主体とは誰なのか?」という謎の答を求め、向かうべき場所を探求していくのだと思います。


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        山羊座0°という特異点で起きる新月。 再び新しいスタートを切るその前夜。 毎年恒例の忙しさに輪をかけた日々の中で、ふぅっと息をつきながらこれを書いています。 たまにマンデーン+パーソナルアストロロジーなんかを囓っていると、ふと人間って何だろう? どんな立場にあるひとも、みんなこんなに一生懸命生きてるのに、どうしてこうなってしまうんだろう?…なんて、ため息ついてしまうこと....正直言ってあります。 

けどそれと同時に、理屈も何もなく、何処からか本当に優しく大きなエネルギーが差し込んで来るのを感じます。 いわゆる宗教も精神世界も関係無い。だってそれは言葉には出来ない何か。わたし達が知っている愛とも呼べない何か大きなもの。 ただ哀しみが底を付いたそのとき、気付くとそこに確かにあり続けるもの。。 巨大でありながら精妙なもの。何も語りかけたりしない。けどそれで、それだけでいいと思えるもの。 そんなものの中に、本当はみんな生きているんだな…。 希望も絶望も、美も醜も生も死も、何故かその中では等しく輝いているように見える。 うまく表現出来ないけど、きっとそれがあるから「わたし」はココに生きているんだろうな…と思ったりするのです。


ではでは、今年最後の新月を前にして。
今を生きる幾多の戦士サン達に、星々から沢山の祝福が降り注ぎますように!





have a great trek!!!★


hiyoka(^_^



hiyoka_blue at 18:30|PermalinkComments(6)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

December 14, 2014

レイモンド・メリマン 週間コメント12/15【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2014年12月15日(フリー版より)
翻訳:hiyoka 
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の は翻訳者によるものです。原文が"ファンキー"な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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【お知らせ】

  来週12月22日付けのメリマン・コラムはお休みさせていただきます。
  m(_"_)m


≪ 先週をふり返って ≫

        天王星よ、過去3週間というもの、君は何処に隠れていたのか? ついに君の存在を感じさせるまでにこうも長くかかるとは、一体何をしていたのだろう?

        澄み渡った青空に突然放たれる稲妻のように、今後の天気予報でも完璧な晴天と報じられる中、世界の金融の大地に嵐を予感させる雲が突如として湧いて来た。ちょうど1週間前の12月5日、米国とヨーロッパの株式市場は数年ぶりの高値、あるいは史上新高値をつけ、日本の日経はそれを追って12月8日に7年ぶりの最高値をつけていた。12月9日火曜、中国の上海指数は2010年11月以来の高値を記録した。そして、天王星の一撃があった。底が抜けた。突然湧き起こった嵐雲は、急激な悪天候を予感させる雲行きとなった。お気付きと思うが、これは天候で言えばカリフォルニアを襲った今年最悪の嵐と同期した。だが、株式指数においてもまるで竜巻のような顕れ方をしたのだった。


        私達がそれを予測していなかったとは言わない。11月半ばからずっとこれを予測していたのだ。火星が冥王星とコンジャンクトし、天王星にスクエアとなった11月10日〜17日に、私達は嵐が襲うのではないかと考えていた。何故ならそれは、天王星・冥王星ワクシングスクエアの都合7回の内、最後の2回に対する引き金となるからだった。株式市場がその時下落しなかったということは、12月15日に起きる6回目の天王星・冥王星スクエアの前に、12月4日〜14日の重層的な木星のトランシットによって高値が示現することを示唆していた。そして高値はその時確かに示現した ー 米国では12月5日、ヨーロッパとロシアでは12月4日〜5日、そして日本と中国では12月8日〜9日だった。だが示唆された通りの展開だったとしても、その素早さと凄まじさは、やはり驚きだった。週の終わりには殆ど全世界の指数がヒステリーに見舞われ、木星と天王星のエネルギーがまさにネガティブに顕れる結末となった。

        株式の苦悶に寄り添い、また同時に株式市場が急落する大きな原因の一つともなったのが、下がり続ける原油価格だった。これは木星をその副支配星とするものだ。12月13日金曜、原油は2009年5月以来の安値水準である57.34をつけた。たった3週間前、原油が75近辺で取引されていた時に執筆していた『フォーキャスト2015』だが、その中で示した私達の目標価格あたりまで、ついに近付いてきたのだ。嵐がある意味完璧な日付けに襲うなら、その効果は非常に素早く顕れる。金融市場に身を置く誰もが今や台本を書き換えている。以前の予測は役に立たなくなり、それを見た天王星はニヤッと笑っている。彼は群衆と共に行動するなど真っ平ご免だ。彼はピクニックを滅茶苦茶にする突然の嵐の方を好む。天王星にとっては大自然の威力の爆発こそが美であり、母なる自然が放電するハイ・ボルテージの火花を鑑賞することこそが歓びなのだ。

        金と銀は中期国債(10年国債)と並んで、落ち行く株式を横目に見ながら上昇した。先週の金融市場の展開は、FRBが迅速に金利を上げるといった論調をストップさせるだろう。これも天王星が好む展開だ。プランの変更は、過度の自己満足と頭の固さから人類を遠ざける。天王星は誰に対しても、何に対しても、化石のように固まって欲しくないのだ。


≪ 短期ジオコズミクス ≫


        先週のコラムでこう述べた。“…..これが12月4日~14日を "木星ゾーン" と考える理由だ。この場合、木星は軽さと楽観だ。この期間はちょうど金曜の雇用統計のように、良いニュースで満たされる。株式市場はこのような木星の時間帯には通常、芳しい反応を示す。しかしながら、これらは重要な天井とも相関する可能性があり、その場合、後に価格の落ち込みが始まる。今回は何が起きるか、見てみるのは興味深い。何故なら12月15日に天王星・冥王星スクエアが起きるからだ。また12月21日には天王星が方向転換する。そしてその後1月3日には太陽が冥王星にコンジャンクトし、天王星にスクエアを形成する。これは19日間にわたる、天王星エネルギーに充ち満ちた時間帯だ。前述したように、天王星は抵抗帯または支持帯を破る爆発的なブレークアウトか、あるいは突然のトレンド反転のどちらかになる可能性を持つ。”

        こうして私達は、新しい週を、33カ月の長期にわたる天王星・冥王星ワクシングスクエアの最終ステージの始まりである6回目の形成と共に迎える。私達は花火が上がると約束したが、これらは現在爆発しつつある。だから次の事だけは覚えておこう。天王星が関わる時は、トレンド反転か、あるいは抵抗帯や支持帯を破る強力なブレークアウトが見られる。それはオプション取引をする人々が驚喜する ー そして投資家が憎む ー 相場だ。何故なら短期トレーダー(オプション取引のような)の金科玉条は「取引最短・利益は最大」だからだ。だがこのホリデー・シーズンには、これは私達全てにとって悪くない作戦かもしれない。先週示唆したように、「大胆に行動し、かつ安全を保て」に尽きる。


≪ 長期的考察 ≫

        “権力は闘うこと無くしては何も認めようとしない。しかし… 国家の良心は、ある種の不都合によって喚起されるというのもまた真実だ。(これが)平和的な反対運動や抗議活動の価値である。”
ーバラク・オバマ大統領, 2014年12月8日

        “もし我々が過去の世紀から何かを学んできたとするなら、それはこういう事だ。「政治的な理由によって是認された暴徒が、政治的正義の名の下に小売店主の店を襲って彼らのショーウィンドウを破壊する時、それは社会があるべき軌道から逸れていくことの兆候である。」”
ーダニエル・ヘニンガー “Mobs of New York,”
 2014年12月11日付 ウォールストリートジャーナル

        天王星・冥王星スクエアに付随する悪徳の力が強まってきたような気がしないだろうか? 今週12月15日には、2015年3月に終わるまで全33カ月にわたるスクエア形成期間の内、最後の2回シリーズが始まる。これはまず間違いなく、この時代、いやおそらく全人生において、最も強力かつ危険なアスペクトだ。良いニュースはこれがもうすぐ終わろうとしていること、そして私達がこれを通して重要なレッスンを学んできたことだ。そしてもう一つ、集合体としての意味合いで高い可能性を持つ事柄がある。それは、次に何が起きてくるかについて、私達には何の手掛かりも無いということだ。

USA Today紙は12月12日金曜に次のような見出しの記事を掲載している。“Poll: This Year Was Bad. Next year? Maybe Worse(世論調査結果:今年は悪かった。来年?もっと悪くなるだろう)” 小見出しはこうだ。“Americans don’t trust that anybody has their back(米国人は自分達を護る者は誰もいないと信じている)”  記事は、世論調査によると71%のアメリカ人が米国で起きている事に不満を感じており、2015年はもっと良くなるだろうと予想する者は50%に満たないと報じている。次の年への楽観論が50%を割ったのは実に24年ぶりのことだ。

では2015年は2014年より物事が悪化するのだろうか? 私はそうは思わない。非常に良い年になるかどうかについては確信が無いが、もうすぐ刊行される『フォーキャスト2015』で論じたように、“より不幸ではない” 年にはなるだろうと思う。世界中の政治指導者が自らの闘争性を和らげ、もっと大人の態度を取るようになるにつれて、集合的なムードも変わってくる筈だ。政治指導者達は、自分の立場と遺すべき手柄のみに固執する代わりに、より長期の国家的展望について考え始める。そうでない者達は、2015年晩秋〜2016年にかけて、射手座初期度数に在泊する土星が魚座の海王星にスクエアを形成する時、大きな問題に直面するだろう。

        だが長期的な状況を理解するにあたり、もっと重要なのは土星・冥王星のサイクルだ。2014年11月27日、土星は冥王星に対するサイクルの “バルサミック・フェーズ” すなわち全サイクル32年〜37年の内、最後の1/8局面に入った。バルサミック・フェーズとは、どのサイクルにおいても「ダーク・フェーズ」であり、そのサイクルに関わる物事が破壊され、新たな基礎が築かれる局面だ。そして土星・冥王星サイクルは非常に重要な経済と政治のサイクルなのだ。

現行の土星・冥王星サイクルは、1982年11月に両惑星のコンジャンクションと共に始まった。これが終わるのは *2020年1月12日だ。2020年までの4〜5年は、サイクルにおける最終1/8局面であり、土星と冥王星が互いにセミスクエア(360°の内の45°)を形成する時期だ。経済モデルの実験の時は終わる。何故なら目的を完了したか、あるいは失敗したと見なされるからだ。この後は新たなモデルが施行されるようになるが、それは、独創的な思考と時の試練に耐えてきた政策とを組み合わせたものになるだろう。

土星・冥王星サイクルの前回のバルサミック・フェーズ(1978年〜1982年)はインフレが問題になった時期で、それが解決されたのは、金融緩和政策を終えて非常に高い金利が適用された後だった。それは厳しい痛みを伴った。世界経済は当時のバルサミック・フェーズの中で大変な苦しみを味わった。だが苦い薬を飲み込んだ後、経済は再び成長し始めた。実際、世界の自由市場経済は、2000年まで続いた大好況期に入ったのだった。

それ以前のバルサミック・フェーズもまた同じように印象的だ。それは1942年〜1947年のことだった。ちょうど第二次世界大戦が終わって多くの国々が戦費による巨大な負債を抱えていた。しかしながら、戦争が終わった後、人々と国々は共に再建に励んだ。そして膨大な負債の苦痛から経済史上またもう一つの脚本が生まれ、その流れは1966年まで続いた。

        これが私の見るところの今後4〜5年だ。2008年〜2015年の金融緩和策はまもなく終わるだろう。今現在、怖れられているのはデフレであり、中央銀行は世界経済をインフレに導きたいと欲している。彼らは今後2年の内に、彼らが考えているより早くそのタスクを完了させることに成功するだろうと私は考えている。だが彼らはそれが十分に進展し切る時まで、起きつつある事を理解しないだろう。実際、世界の株式市場が史上最高値や数年ぶりの高値に沸き、通貨価値が下がっていく状況に顕れているように、彼らはすでに主要な資産インフレを完了している。この土星・冥王星バルサミック・フェーズの中間部に達するまでに、その流れは覆りそうだ。今水面下で起きつつあるのはそういう事だ。

        一旦土星・冥王星サイクルが終われば(そしてほんの少し時が過ぎれば)、その後の未来、つまり2020年1月以降の新しいサイクルの始まりに対する私の観点は楽観的だ。だが、そこに至るまでの道程について、私は懸念を抱いている。




*土星・冥王星サイクルの終了と新サイクルの始まり:
日本時間では2020年1月13日明け方。この時、太陽・水星・土星・冥王星・セレスの5惑星が揃って山羊座22°台でコンジャンクションとなる。現憲法衆院通過の戦後始原図では、11室山羊座のフォルス(長く水面下に蓄積してきた物事の爆発etc.)とタイトにコンジャンクト、8室天秤座のカイロン(トラウマ、疎外)とはスクエアを形成、トランシットのエリス(浮上する不和)と共にTスクエアを形成する。また、サンフランシスコ条約発効・戦後主権回復図では、4室牡羊座の金星・トランシットのエリスのコンジャンクションに対して1室からタイトなスクエアを形成。MC/IC軸に対してはTスクエアとなる。
ちなみにこの時、米国始原図では4室に在泊する月・冥王星のコンジャンクションの上でこれが起き、中国の2種類の始原図では12室木星の上で起きる。また、そこに至るまでのバルサミック・フェーズでは、各国それぞれの形で大きな変化、または不安定さを示す象意が顕れている。





訳文ここまで
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December 07, 2014

レイモンド・メリマン 週間コメント12/8【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2014年12月8日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が"ファンキー"な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫

        先週は、特に米国とヨーロッパの株式にとってはすこぶる良い週となった。金曜の米国雇用統計はこれ以上無いほどの数字だった。非農業部門の雇用者数変化は11月で321,000となったが、これは殆どこの3年間で最高の数字だ。また時間当たり賃金は前年比2.1%増となった。

巷では、米国の経済は今やFRBのアシスト無しに自力で立てるほど強いという声が出ている。さて、これに関してはイエスでもありノーでもある。まず、FRBはいまだに短期金利をZIRP(Zero Interest Rate Policy)として知られる通り、ゼロ%レベルに操作している。この事実は、量的緩和以上に株式市場にとって重要なのではないか。ZIRPが終わったらどうなるのだ? それは株式にとって、QEが終わるという事とは全く異なる筋書きを持つかもしれない。多くのアナリスト達が今や、FRBは短期金利を2015年後半より早めに引き上げるのではないかと予測している。しかしながら、ジオコズミクスは2015年を通して低いままであり、FRBは2016年以前にZIRPを終了することは無いと示唆している。もしかすると彼らは2015年3月〜9月にかけて、まず最初に何らかの形を取って一種の量的緩和策に戻る可能性さえある。

        先週は、株価の上昇にとって考慮すべき2番目の要因があった。それは前回のコラムで述べたジオコズミック分析にピタリと合致するものだった。すなわち『今後2週間(12月4日~14日)は、12月15日に起きる6回目の天王星・冥王星スクエアに向かって進む中、木星のジオコズミック・サインが束になってやって来る。この時期は例年株高の季節だが、それと共に訪れる木星のシグナルは世界の株式指数の一層の反騰を示すものだ』。

        そして今私達は、この木星エネルギーの真っ只中を、12月15日に起きる6回目の天王星・冥王星ワクシングスクエアに向かっている。木星の典型的な顕れとして、株式相場は騰がった。天王星の典型的な顕れとして、それは留まる所を知らない。様々な市場がひたすら新高値をつけ、新安値をつけ、または短期間に非常に急激な価格反転を起こしている。

        ヨーロッパでは、ドイツのDAXが12月5日金曜に10,093と新高値を記録、チューリヒのSMIは2008年10月以来の最高値水準、9218に達した。オランダのAEXは2008年6月以来の最高値432.22まで反騰した。モスクワのMICEXもまた騰がって1600以上で取引され、これは2012年3月以来の最高値水準となった。MICEXは自らが依って立つ根本的な基盤であるロシアのルーブルや原油の崩壊など、気にもしていないようだ。しかしながら、ロンドンのFTSEは先週騰がりはしたものの、月の最高値さえつけ損ねている。要するに、ヨーロッパの全株式市場が新高値まで爆発的に騰がったわけではなく、それは異市場間弱気ダイバージェンスに発展する可能性を秘めている。

        極東及び環太平洋地域では、中国にビッグ・サプライズが起きた。先週終盤に入って上海総合が急騰し、2011年4月以来の最高値水準2978をつけたのだ。日本の日経もまた強く、2007年6月〜7月につけた6年サイクルの天井以来初めて18,000を試すところまで来ている。私達が追っている他の市場も騰がりはしたが、新高値に届くことは無く、重層的な木星ジオコズミック・サインの中を進むにつれて、ここにもまたもう一つの異市場間弱気ダイバージェンスの可能性が見え始めている。

        株式市場が史上最高値や数年ぶりの高値を競い合う一方で、銀と原油は別の筋書きに沿って動き、数年ぶりの安値まで下落した。原油は12月1日に2009年7月以来の最安値水準63.71まで下がった。同日、銀は2009年8月以来の最安値14.15/オンスまで下落した。この12月1日月曜は金と銀の両方にとって、純粋に取引値幅で見て注目に値する日となった。14.15まで下落した後、銀は急騰して同じ日の内に16.81をつけた。金もまた見事なパフォーマンスを見せた。金は12月1日早々に1141.70まで下落して3週間ぶりの最安値水準に達した。だがそれは銀のような5年ぶりの安値ではなかったことから、異市場間強気ダイバージェンスが顕現した。その日の引けまでに、金は1221に達したが、これは5週間ぶりの最高値であり、ほんの数時間の間に80$/オンス近く騰がるという反転ぶりを見せた。これらは2014年11月〜2015年3月ー天王星・冥王星スクエアの最後の2回が形成される時間帯への接近に関連して、私達が金融市場の動向として予測してきた種類の動きだ。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

        これから年末、そして1月最初の5日間にかけて、いくつかの重要なジオコズミック・サインが展開していく。先週木曜、12月4日、金星が木星にトラインを形成した。12月8日月曜には木星が逆行に転じる。12月14日は太陽が木星にトラインとなる。これが12月4日〜14日を "木星ゾーン" と考える理由だ。この場合、木星は軽さと楽観だ。この期間はちょうど金曜の雇用統計のように、良いニュースで満たされる。株式市場はこのような木星の時間帯には通常、芳しい反応を示す。しかしながら、これらは重要な天井とも相関する可能性があり、その場合、後に価格の落ち込みが始まる。今回は何が起きるか見てみるのは興味深い。何故なら12月15日に天王星・冥王星スクエアが起きるからだ。

また12月21日には天王星が方向転換する。そしてその後1月3日には太陽が冥王星にコンジャンクトし、天王星にスクエアを形成する。これは19日間にわたる、天王星エネルギーに充ち満ちた時間帯だ。前述したように、天王星は抵抗帯または支持帯を破る爆発的なブレークアウトか、あるいは突然のトレンド反転のどちらかになる可能性を持つ。これが興味深いという理由は、この時間帯の多くがホリデー・シーズンの出来高が少ないタイミングと重なるからだ。導火線に火が点くのは簡単かもしれない。また、クリスマスの花火が見られるのは株式市場だけではないかもしれない。貴金属や通貨市場もその舞台となる可能性がある。その上さらに、爆発が起きるのは何も金融市場のみとは限らない。地政学的な紛争地域には、文字通り火花が散る可能性がある。これらは危険のシグナルとなるジオコズミック・サインなのだ。

        木星の下で、今は楽しく過ごすための季節だ。木星は他のどんな惑星にも増して、サンタ・クロースに似ている。それはポジティブな顕れ方をする時、幸運の惑星となる。だがネガティブに顕現すれば、ヒステリーとパニックの惑星だ。また、天王星と絡む時もヒステリーやパニックとして顕れる可能性を持つ。もうお解りのように、12月14日までは木星が全て、という時間帯だ。その後、12月15日〜1月5日には全てが迅速に天王星一色となる。この年末はドカンという音と共に終わるかもしれない。それが祝福の砲声であり、悪意によるものでないことを祈ろうではないか。

この年末の過ごし方へのアドバイスをするなら、キーワードは「危険に近寄らないこと」、そしてこのエネルギーを "独創的な新年の決意" に活かしていくことだ。
「大胆に考え、かつ安全を保て」こひと言に尽きる。





訳文ここまで
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December 06, 2014

●12/6の満月 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180°対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのか を、あらためて見せてくれる鏡だと言えるかもしれません。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにそのテーマを消化、エネルギーはゆっくり静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで12月6日21:45前後、北海道周辺で21:51前後、
関西方面は21:26頃(日本標準時の場合はこの時間)、
沖縄周辺で20:56前後に双子座14°17’で満月となります。

今回のベースとなる新月のテーマについてはココをご覧ください。

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サビアン・シンボルによる【満月のテーマ ― 12/6~12/21】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・フィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしてしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【月 双子座14°~15° + 太陽 射手座14°~15°】
  "A conversation by telepathy" +
  "The Pyramids and the Sphinx"
「テレパシーによる会話」 + 「ピラミッドとスフィンクス」 

  "Two Dutch children talking" +
  "The groundhog looking for its shadow"
「話をしている二人のオランダ人の子供達」 + 
    「自分の影を探しているグラウンドホッグ(地リス)」

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★今の自分に強く影響を与えてきた過去との出逢い
→★忘れられない過去の記憶を掘り出し、より理解を深める
→★言葉で表現出来ない気持ちを抱え、みつめる
→★謎めいた言葉や態度に振り回される危険
→★理屈を超えてハートに響く言葉を信頼する
→★二面性、ダブル・スタンダード、こじつけ論法を見抜く
→★事実をゆがめたり、はぐらかすような言説に注意
→★親しい者達だけに通じるコミュニケーション
→★物事の「影」の部分に惹かれる傾向
→★軽い会話の中に見え隠れする「薄氷」を識別する
→★言いにくい事をバランスを取りながら明確に伝える挑戦
→★不安な状況を新しい言葉や表現によってユーモアに変えていく
→★不可能なことをもっともらしい理想に変えて語る誘惑
→★将来の変化への理屈を超えた予感
→★必要な変化を受け入れる準備と選択の必要・・→

エネルギーのポイント:『二律背反の中で最上の選択をする 』 


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 満月図と天王星・冥王星ワクシングスクエア図

        あっという間に今年も12月。早いなぁ…。昨夜、玄関のドアを開けて中に入ろうとした時、急にひとつの光景が一瞬頭に浮かびました。そういえば去年ここにお正月のお飾りを下げたっけ。でも、何故かそれがたった1週間前の光景のように思えたんです。この一年、一度も思い出したことは無かったけれど。 そして去年お飾りを下げたときに特に何も考えていなかったこと、またいつものように一年が終わり、新しい一年が始まる…そんな気分の中に居たことを思い出しました。

今年の終わりは…どうかな。何となく違う、今までに無い不思議な気がします。
もちろん、それは自分自身の星回りも関係しています。どんな人でも、たとえアストロロジーの実践者であっても、自分自身として感じたり考えたりすることは、常に惑星エネルギーの影響を受けています。しかも、学べば学ぶほど、星々のエネルギーを先取りして感じることだってあります。そしてそれを言葉に翻訳するとき、特に特定のひととの対面セッションではなく、こうして不特定のみんなに向けて何かを伝えようとするとき…どんなことに力点を置くか、どんな方向性が浮かび上がるかを、自分のネイタルを意識しつつ、把握し、バランスを取ることは大事なことかもしれないと思います。とは言ってもやはり紡ぎ出す物語には人間が出てしまうのですが。とりあえず、自分のチャートが示す、最高の顕現に少しでも近付けるといいな… なんて思いつつ。。(^_^;

        なんでイキナリこんなことを書き始めたかというと、まずひとつは、この満月期に全7回中6回目の天王星・冥王星ワクシングスクエアが起きること。それは壮大な光と影を孕む、火のグランドトラインと共に起きること。 そして、今回の満月が双子座のど真ん中で起きること。 そんな三つの大切で象徴的な要素に、惑星配置やサビアン・シンボルから浮上する様々な物語が交差して、自分の中でこんな思いが強くなるからなんです。今から来年、2015年の約1年間が、日本にとっても、わたし達ひとりひとりにとっても、肌身に感じる現実として、とても大切なカナメになりそう… って。 


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        この満月が起きるのは双子座14°〜15°です。 ここで出て来るサビアン・シンボル、以前からこのブログを読んでくれてるひとには、何となく覚えがあるかも? そう、前回の新月の星読みの時にも触れたように、この度数は 2012年6月4日に起きた月蝕のちょうど反対側。 つまり、あの当時とは太陽と月が正反対になるんですね。 

この前の新月のとき、こう書きました。『今年も終盤に入っての射手座の新月。この新月と次の双子座の満月は、2012年5月21日に起きた金環日蝕とそれに続く月蝕ペアの対向度数で起きます。こ れは、月のサイクルに当てはめれば、ちょうど「満月」にあたる位置で起きるということ。なのでアストロロジー的には、この新月期に生まれる流れは、あの日 本を縦断した金環蝕の時期(2012年5月21日〜6月19日)に創り出され、今に至り、今後も続いていくだろう流れの中で節目となる小さな回答 ー ささやかな結果なのだとも考えられます。そして、その結実がまたひとつ、次の方向性を決めていきます。 今から2年半前、社会の雰囲気はどんなだったろう? みんな、何を考え、何をしていたかな? いずれにしても、これから次の新月(冬至)までにわたし達それぞれが取る行動や選択って、今、自分で意識し ている以上に大切かもしれません。』


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そして、今回月がとっていく度数、双子座15°は、2012年6月の月蝕の直後、6月6日に起きた金星オカルテーション(金星日面通過)の度数でもあるんです。 次にこの現象が起きるのは2117年! だから本当に、一生に一度の天体現象でした。 …ということは… 今回の満月はダブルどころかトリプルにパワーをチャージされた度数で起きることになります。 本当に、あれから2年半。 その間にわたし達は、それぞれに泣いたり笑ったり怒ったりシーンとしたり........色んな日々を送り、ここまで来ました。 わたし達のマインドが意識しようとしまいとそれは、体で、こころで、魂で、何かを求めて歩いてきた旅だと思います。 だとすれば、この満月期には、ちょっとした小さな結果と遭遇したり、または…2年半探求してきた懸案事項に何らかの解答を自ら出す…なんてことがあるのかもしれません。 

たまたま・・というより、おそらく必然的な流れによって、12月14日は選挙の日となりました。 この満月期に何かの選択をすることは、とても大事。結果はどうあれ、自分の中で選択したこと、今この時点で考え抜いたことが、後になってきっと手許に帰ってきます。こころして、かかりたいなと思います。

参考までに、本当に稀有だった金星オカルテーションのチャートと、サビアンシンボルのキーワードを再掲してみますね。

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金星オカルテーション(金星日面通過)のサビアンシンボル
【金星・太陽 双子座15〜16°】

"A woman suffragist orating"
「演説する婦人参政権論者」 双子座16°

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
 →★自ら変化と現実を創り出す決意
 →★プライドを超えて赤裸々な事実を把握する力
 →★力VS力の危険をどう乗り越えるかの挑戦
 →★男|女、左|右などあらゆるステレオタイプの先鋭化とそこからの自由
 →★煽動に乗る心の動きとそれを鋭くみつめる眼
 →★刺激を前進の力に変容させていく内的な力
 →★この世界にあって自分がどう機能していくかの問いかけ

エネルギーのポイント:『第3の道・探求の開始』 『しなやかに声を出す』


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        では、もう満月までそんなに時間も無いので、早速月がとっていく度数、双子座15°のサビアンシンボルを見ていきましょう。

双子座ど真ん中のこのあたりは、双子座の持つ二元性、アンビバレンツな面が強調されます。でも、それと同時に、カストルとポルックス=二元の柱=双子座マークの2本の柱の、それこそど真ん中に存在するもう1本の道…裂け目…がそっと触れてくる領域でもあります。ただしそれは、普段の忙しいマインド次元では決して見ることの出来ない領域に拡がるものです。(2面性というのはミュータブル・サインの特徴でもあり、乙女座、射手座、魚座にもまた、エレメントという別の表現を通して顕れます。そして、この"裂け目"も、それぞれの星座宮なりの感知の仕方で触れていくことになります。)軽やかなコミュニケーション能力と機知に富んだ受け答え、あちこちに拡がる知的好奇心などを特徴とする双子座のエネルギーですが、その反面、意外と悩ましくて神経質なところがあります。まるで、何かから永遠に逃げ続けているみたいに見えることも...。それってもしかしたら、マインドの力では決して突破することの出来ない、何か得体の知れないものの影が時折フッと射してくること、それを理解することは不可能なことを、どこかで知っているからかもしれません...。

        さて、今回のシンボルは…『話をしている二人のオランダ人の子供達』。 これ、何故ただの子供達じゃなく、オランダ人の子供なんだろう?って思います。 一般的に、わたし達日本人にとってのオランダのイメージって、チューリップや風車とかチーズとか…海面より低いんだっけ...みたいな感じじゃないかな?

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けれど、少なくとも米国語でオランダやオランダ人を指す"Dutch"という言葉には、ひそやかに侮蔑の意味がこめられていると言います。それは、あからさまな差別意識とも異なる、どちらかというと 「チッ いまいましいヤツらめ」 とか、「何考えてるんだかさっぱりわからんわ」 みたいな感じに近いようです。 

例えば、ダッチ・アカウントと言えば「割り勘」のこと。 それにダブル・ダッチと言えば、2人の子供が2本のロープを操る中を飛んでいく、トリッキーなチーム縄跳びとして有名です。この縄跳びの技法からの連想で、B.ボヴィは 「ダブル・クロス=裏切り」 や、「ダブル・アンタンテ=ヒネリのある二重表現」 を挙げています。 また、このダブル・ダッチのもう一つの意味に 「ちんぷんかんぷん」というのがあります。 「イン・ダッチ」と言えばトラブったという意味だし、ダッチ・ラックと言えば、「いわれのない(受ける資格も無いのに降ってきた)幸運」。 「フライング・ダッチマン」は幽霊船だし……うーん、なんかロクなのありませんね。。これって何か因縁がありそう。。


        と、思ったらやっぱり。新月の時と同じ様に、ここでアメリカの建国史が出てきます。調べてみると、アメリカ大陸の発見から、米国の基盤が造られ、そして独立を経て大国になっていくまでの歴史の中で、このオランダという国が果たした役割はとても複雑で、ひそやかで、ひねりが入ったものだったようです。その内容は込み入っていて、とても簡単にくくれるようなものではありません。


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けど、ランダムに要素を挙げていけば何となく…ニュアンスが出て来るかな? たとえば17世紀の東インド会社のころからオランダ人達は米国史に深く食い込んでいたけれど、それは膨大な移民としてではなく、あくまで自由と共和を重んじる商人としてのスタンスが主であり、利を求めて臨機応変に立ち回る人々だったということ。 永住する覚悟や宗教的な熱誠を持ってやってきた人々はとても少なかったこと。 それが、ある種のこだわりの無さや自由主義の種を米国建国の精神に蒔いたこと。。 それでも、マンハッタン島を当時の先住民から超安値で買収したことは、米国では「史上最大のバーゲン」と呼ばれて今も歴史上有名な話となっていること。 商人的な要素、利にさといイメージが強く残っていること。 また、英国や英国人達との争いや確執…。そして、その後英国の支配から独立した米国が、(独立宣言と共に)オランダ的なものを排除していったこと。 米国の歴史は、オランダとの関係と、その光と影を抜きにしてはどうも語れないらしいこと……。

ものすご〜くシンプルに、表層的に並べてもこんな感じですが..。米国人、それも、このシンボルが降ろされた1925年頃の米国人の話し言葉を推しはかってみるとき、Dutch ということばの響きが今よりもう少し色濃く、複雑なニュアンスを持っていたのかな、とも思えます。ちょっとアンビバレンツな感情を交えて...軽く扱うような、クスっと笑ってしまうような...何かとても双子座的なマインドの二面性とも言えそうです。


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        ここは米国の、ある街。 ニューヨーク ー 昔のニュー・アムステルダムかな? 二人のオランダ人の子供がオランダ語で話をしています。何を話しているのか、"ちんぷんかんぷん" で、わかりません。謎です。 彼らははるばる母国から旅をしてきました。 だからここは、彼らにとっては慣れない外国です。新天地に来て、ちょっと緊張しているのかもしれません。子供同士、母国語でおしゃべり出来るのって、きっとホッとしますよね。大声ではしゃいでいるかもしれません。彼らは商人の子供なのでしょうか。。 そのことばは、聞き慣れない耳にはユーモラスにも聞こえます。 子供がしゃべっているなら、よけいにジベリッシュみたい。 面白おかしく口真似してみたくなります。 

そうそう、ジベリッシュといえば、「アバアバババ○□△×・・・ふじこw」とか、とにかく何でもいいからメチャクチャ語を大声でしゃべり散らし、身振り手振りと一緒に空間に向かって表現する…というヒーリング法があります。そうやって、自由気ままに人目も何も気にせず、意味の無いことばをノドから出していくひとときが、鬱屈したマインドを解放させる働きがあるんですね。(もっとも一人のときにやらないと、怖がられそうだけど..^_^;)

一方、疑い深く見始めたらキリ無く想像が働き始めます。 他愛ないおしゃべりに聞こえるけど、何か子供ながらに商売の相談でもしているんじゃないの? 例の茶会事件だって、実は愛国者の影にいて糸を引いていたのはオランダ人のお茶の密輸業者だったそうじゃないの…なんて、こじつけ話にもなりかねません。(おそらく当時は子供といっても、環境によっては今の子供よりずっと大人びていたかもしれませんから)。それに、すぐ側で誰かと誰かの親しげなコミュニケーションを目撃し、しかもその内容が全く理解出来ない時、わたし達は妙に気になったりするものです。

また、オランダには "アンダー・ワールド" というイメージもあります。国土の26%が海面より下の土地で、最も低いところは海抜がマイナス6.7メートルだそうです。 堤防に守られた街や村、耕作地。 そのイメージからは、無意識のシンボル 「海」 に浸され、覆われ、溺れてしまうことから精神という国土を守るために、懸命に、縦横無尽に、知の壁を築こうとする働きさえも見て取れます。なんだか双子座マークの2本の柱が、長い堤防に見えてきそう。。 けれど、この海は、2本の柱の真ん中に空いた穴・・・虚無の空間からチラチラ顔を覗かせます。 ときには、そこからチョロチョロと漏れ出してくることだってあるかもしれません。 双子座精神は、その都度忙しく知を働かせ、修復します。「意味」「名称」というパッチを当てて、穴を塞ぐのです。けれど広大な "海" はそれでも、双子座と "共存" することを止めないでしょう。 オランダは風車でも有名です。 風=知の力は、「わたし」という精神の生産性を高めておくために、漏れ出してくる海水を常に掻き出しています。 「オランダ」というイメージは、ここでは「知」と「無意識」の力が一体となって、常に休みなく運動することによって成立しているんですね。 なんてダイナミックな精神のありようでしょう…。

でも、それでもたまに漏れ出してくる得体の知れない"何か"。いつか荒れ狂う海に直面したとき、それが堤防を越えて襲ってきたとき、そしてそこに自分自身のドッペルゲンガーを見てしまったとき.....双子座にとって、本当の知的突破への試練がやって来るのかもしれません。 


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        アンダー・ワールドからやって来た二人の子供達は、ヒネリの利いた何重ものダブル・イメージをわたし達に見せつけます。 けれど、この満月に光を与える太陽のシンボルは射手座15°『自分の影を探しているグラウンドホッグ』 です。 この太陽の位置は、射手座領域の特異点のひとつ、「グレート・アトラクター」が存在する領域。とても強い力を持っています。そしてこのシンボルは、2012年6月の月蝕で説明したように、ある「選択」を迫るシンボルでもあります。 当時も書いたけれど、これは『まさにこれから何かが起きることを予感しながら、五感・六感をフルに使って慎重に方向を決めようとしている野生の姿です』。この、冬眠から覚めたばかりの地リスは、自分の影を見つけるのでしょうか? もし見つければ、それは向こう6週間の天候の予兆となるのです。 今は慎重に、目を見開き、様々な二重性や二面性、迷いの元となるイメージの乱反射を乗り越えて、自分自身の選択をしていく必要があります。


この満月期、わたし達それぞれにとって「二人のオランダ人の子供」って何でしょう? ワケのわからない言葉を耳にして、見えにくい意味を求めて、右と左、合と否とにくっきり分かれた2本の柱の間で、その間の何とも得体の知れない未来に向かって、何をどう判断すればいいのでしょう? 世の中はトリッキーな事だらけに思えます。 けれど、もしかしたらその答は、知の堤防の向こうに存在する、広大な大海原にあるのかもしれません。わたし達は風の力、知の力をふりしぼり、その大海原から新しい智恵の可能性を汲み上げることが出来るでしょうか? YesかNoかじゃない。どうでもいいとも思わない。ただ自分の現実という大地に立って、今まで気付かなかった第三の小道を見出すことが出来るでしょうか? 

双子座ど真ん中で起きる満月は、この2年半の小さな答であり、またこれから来年への新しい道、2元の柱のど真ん中を行く道への試金石になっていくのかもしれません。そしてそれは、あれ、とか これ、という明確な言葉ではなく、ただそっと踏み出す一歩、ひそやかな身振りから始まるのかもしれません。


        なんか、すでに双子座満月のエネルギーを先取りして、あちこちに想念が拡がってしまったような気もします(^_^;。 けど、もうすぐに迫った今年最後の満月。6回目の天王星・冥王星スクエアと冬至を前に、そして、(おそらく)わたし達の日本にも、世界という名の現実がはっきりと迫ってきそうな2015年を前にして。雑音に惑わされず、今を生き、味わっていることの幸運さをめいっぱい感じていたいと思います。 わたし達それぞれのささやかな選択が… もし出来るなら、自分自身と、そして全体のために...ちょっぴり役立つといいな。。


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        そうそう、メリマンさんの『フォーキャスト2015』の翻訳、やっと校正まで終わりました。 今回のマンデーン・パートは、私がお手伝いするようになってから一番と言っていいくらい力のこもった記事だったと思います。訳しながら、これからの米国や世界全般だけでなく、日本の今後にも密接に関わってくる様々な要素に触れて、ある意味ヘビーでもあったし、また行間の情熱に打たれることもしばしばでした。それをどれだけ表現出来たか..正直、わかりません。ただ濃密な1カ月が終わった途端、ちょっと脳ミソも体も脱力しています。2、3日眠りこけたい気分というか(^_^;。

けど、毎年12月はそうも言ってられない時期。これから先も太陽活動は活発な状態が続きそうだし、異常と呼ばれるような天候が世界各地を襲うと思います。また、フォルスが刺激されるこの冬は、冬恒例の火事と共に、火山噴火や伝染性の病気にも引き続き要注意かもしれません。

        けど、何が起きようと起きまいと、光をもたらす者として生まれ、その後宗教的 "こじつけ論法" のために「悪魔」として貶められた金星の分身、ルシファーのように。明けの明星と宵の明星、二つに分かれて影と光。金星のダブルイメージがひとつになった時、そこに創世の地母神が微笑みます。それこそが、魚座の海王星が持つ最高度の顕現に繋がる第三の道かもしれません。だから、もし戦士さんなら。影が射すなら影を喰らい、めげず、出来るかぎり純粋さを失わず、ただ自分なりの探求を続けたい...そんなふうに思ったりする、満月直前です。(天王星・冥王星スクエア図で、木星・エリス・太陽・フォルス・イクシオン…それにヘカテ、セレス、水星のステリウムから成る火のグランド・トラインに対向するように、2室双子座の最終度数ーアトランティス度数に独り在るのが.....ルシファーです)


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have a great trek!!!★



hiyoka(^_^

hiyoka_blue at 09:17|PermalinkComments(6)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー