June 2015

June 28, 2015

レイモンド・メリマン 週間コメント6/29【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2015年6月29日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の は翻訳者によるものです。原文が"ファンキー"な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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お知らせ

来週7月6日付けのメリマン・コラムは都合によりお休みさせていただくかもしれません。
m(_"_)m


≪ 先週をふり返って ≫

        7月3日は米国市場が休場のため、取引日数の短いホリデーウィークとなる。

先週月曜、6月22日は単に夏の始まりというだけでなく、都合3回のうち最後の木星・天王星トラインが形成された日だった。相場動向は初めの2回、すなわち世界の多くの株式市場がその日付け近辺で印象的な反騰を見せた、2014年9月25日と2015年3月3日の動きに似ていた。初回当時、米国株市場(ダウ平均)はトライン形成のちょうど3取引日前に史上新高値をつけ、その後まもなくその年始まって以来最大の急落が始まり、まさに水星逆行の中間地点だった10月15日に向かって数週間にわたる下落が続いたのだった。2回目の形成は今年3月3日だった。その前日、ダウ平均は再び史上新高値をつけ、その後また4週間にわたる急落があった。

そして3回目となる今回、ダウ平均はアスペクト形成の翌日である6月23日に18,188の戻り高値をつけた。これは史上最高値には届かなかったものの、その差はわずか163ポイントであり、一方で日本の日経はまさに翌日、6月24日に18年ぶりの新高値をつけている。その後、どの株式指数もみな再び下落し始めている。事が起きてから気付く代わりに先見の明をもって事に当たる方が良いのではないだろうか? 今回の私達がまさにそれで、トレーダーにとってのファイナンシャル・アストロロジーの価値を指し示すさらなる好例を提供出来たと思う。

私達の関心事は今や、世界の株式市場が6月14日に起きた太陽・火星コンジャンクションが歴史的に示唆する10%の修正安への動きを再開するかどうかだ。2週間前のコラムで述べたように、
        “今現在、投資家にとって興味深いのは、6月14日に起きる太陽と火星のコンジャンクションだ。このアスペクトは8°のオーブ、または前後1ヶ月のゆらぎを もってダウ工業平均における10%、またはより大規模なリバーサルとの間に非常に高い歴史的相関性を持っている。ここで問題となるのは、その下落がすでに 始まっているのか、または7月半ばまでにあと1回新高値をつけに行き、その後反転するのか、という疑問だ。6月22日月曜には木星が3回目にして最後のト ラインを天王星に対して形成する。そしてこれが、今年2度目で最後のウェビナーを20日に私達が開催するその理由だ。

このアスペクトは、 前後8取引日の内にプライマリー・サイクルまたはそれ以上のサイクルの節目と85%以上の相関性を持ち、これまでのところその2/3が天井だった。同じジ オコズミック・サインの直近2回の形成は今年3月3日と去年9月19日で、どちらもダウ平均の重要な天井と同期している。さて今回は何をもたらすだろう?  もし株式市場が天井をつけるなら、ポジションをいくつか手放すか、またはショートに回るべき時期となるかもしれない。”

        木星が形成するアスペクトが貴金属にとって良かった試しはめったに無い。先週もその例に漏れなかった。金は6月26日金曜に1167.10の安値まで下落した。これは6月につけたハーフ・プライマリー・サイクルの安値1162.10を上回っている。これは重要なポイントかもしれない。何故なら銀は6月26日金曜に15.45まで下落しており、これは過去3カ月の安値を大きく下回っているからだ。もし金が1162に落ちる前に両市場が有意な反騰を見せるなら、これは異市場間強気ダイバージェンスとなる可能性がある。安値はしばしば7月1日前後数日の間に示現する。すなわち、今だ。さもなければ、7月25日〜26日にやって来る金星と天王星の逆行期に向かい、全力で進んで行く(あるいは転げ落ちる)かもしれない。これは貴金属だけでなく、世界中の中央銀行による金利政策の影響を受ける多くの市場にも当てはまることだ。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

        さて、共に重要となるギリシャの債務返済(でなければデフォルト)期日と米国・イラン交渉の妥結期日が今週、6月30日に来るというのは皮肉なものだ。交渉担当者にとって、これ以上良い星回りは望むべくもなかったろう。それでも、これらの期日が守られると楽観視する人々は非常に少ない。マンデーン(そして伝統的な)アストロロジーにおいて、金星は合意の原理を象徴する。そして月曜には金星が天王星に調和的なトラインを形成し、水曜にはアストロロジーの宇宙において最も寛大な惑星、木星にコンジャンクションとなる。その上、太陽もまた7月1日には平和愛好者の海王星に調和的なトラインを形成する。もし世界の金融界、及び政界の指導者達が、天空のもたらすこのような韻律の下で合意に達することが出来なかったなら、この同じ韻律は *大いなる失望の象徴と化し、宇宙がもたらした絶好の機会をまたもや損失することになる。そうなれば、**一部の関係者が抱く水面下の真の動機を疑う必要があるだろう。だがそれはいったい誰だろう?
それぞれ *魚座の海王星 ** 山羊座の冥王星(と蠍座の土星)を指すのではないかと思われる

        金融市場の観点からすれば、これらのジオコズミック・サインは株価の上昇に寄与するが、貴金属にとっては必ずしも良いとは言えないかもしれない(またも木星絡みだ)。だがこれら全ての状況はすぐに変わる可能性がある ー 貴金属と株式の両方において、そして人類にとっての “地球の平和と善意” への機会においてもまた同様だ。

7月初めの数日後、天界のバランスは急速に変化する。太陽系の3つの吉星(太陽、金星、木星)による調和的なアスペクトを経て、太陽と火星が7月6日〜25日、天王星・冥王星とのTスクエア形成に入っていくにつれて、不満声の騒音と闘いのドラムが鳴り響き始める。まるで天気に恵まれた気持ちの良い日にピクニックに出かけたら突然黒雲がムクムクと湧いて風が起こり、あたり一面が猛烈な嵐に見舞われるようなものだ。

私達は今 *金星、そして天王星の逆行開始期に全力疾走で向かいつつある。そしてそれと同時に、天王星・冥王星に対して火星が形成する最後のTスクエア(7月25日)が起きるのだ。

* 金星逆行開始:日本時間 7月25日 18時29分前後
  天王星逆行開始:日本時間 7月26日 19時38分前後



≪ 長期的考察 ≫

        “「アフォーダブル・ケア・アクト(包括的医療保険改革法)は存続する。今日は国中の勤勉なアメリカ人にとっての勝利の日だ」。”

ー「バラク・オバマ大統領  最高裁によるオバマケア合憲判断を受けて声明」
    2015年6月25日 CNBC


         “全ての米国民が税控除を受けられるというIRS(内国歳入庁)の規定が合憲とされたことを受け、もはや医療保険に入ることは危険ではないと知った無数の米国人がホッと胸をなで下ろした。”

ー Timothy Jost(オバマケア専門家、ワシントン&リー大学法学教授 )
  2015年6月25日 CNBC


         “保守派の裁判官アントニン・スカリアは舌鋒鋭く異議を唱えてこの多数決による判定を「笑止千万」と評し、他の裁判官を「法解釈上の誤魔化し」に手を染めていると非難した。彼はロバーツ裁判長の意見を「医療保険改革法に利するために法解釈における通常の規範を変えた… これは所かまわず税控除が利用可能になるよう、法を書き換えるものだ」と書いている。”

ー Dan Mangan, 「最高裁  HealthCare.govのオバマケア補助金を認める」
  2015年6月25日 CNBC


        “今日、最高裁は脅しに屈することを自らに許した… これにより、裁判所は将来の政権に危険なメッセージを送ってしまった。すなわち「もしあなた方が法を犯そうとするなら、高慢に振る舞うことを忘れるな」。今日裁判所はオバマ大統領に、課税し、借金し、そして議会が全くもって承認したこともない7000億ドルもの支出を許すことによって、彼に巨大な権力を掌握させることになった。これは今後大統領なら誰でもが、既に成立した法律を彼/彼女の思い付きで変更し、修正し、または差し止めることが出来るという前例を作り上げたのだ。”

ー Michael Cannon,
  ケイトー研究所 保険政策研究部長 2015年6月25日 CNBC


        先週は米国における国民皆保険を求めて集結した人々にとって良いニュースが流れた。しかしながら、行政機関が握る歯止めの利かない政治権力を怖れる人々にとっては敗北だった。そして天上で繰り広げられる惑星の動きを研究する人々にとっては、隠れていた象意が露わになる週であった。

        そこには社会/政治的な大津波にまで育とうとしている潮流が存在し、米国の社会的伝統に沿った暮らしを標榜する保守派は、生まれ出つつある(彼らにとって) 誤った歴史の波の中で溺れ続けている。この状況は、同性婚の権利を求める平等運動、マリワナの合法化、そしてこの国民皆保険制度への動きの中に見て取れる。こうした社会運動は、海王星が自ら支配する星座宮、魚座を運行する14年間を象徴するものだ。

        アストロロジーの研究においては、惑星と星座宮が持つ原理の内で最も情け深い側面を持つのが海王星と魚座だとされている。最近海王星が方向転換し、また *太陽が海王星に対して調和的なトラインを形成する来週に向けて進んでいることからすれば、最高裁判所が医療保険改革法に有利な判断を下すというのは象意に適合している。いずれにしてもこの法律の誕生は、他者、特に肉体的に苦しむ他者への同情(思いやり)を行動で示すという目的においてスタートしているのだ。そしてこの理想が確かな現実として達成されるかどうかは、また別の問題だ。
* 太陽・海王星トライン:日本時間7月2日 05時45分前後(満月の前)

        * 別の側面から見れば、この社会/政治的な思いやりの運動は、行政区である郡とそこに住む多くの人々を破産や支払い不能に追い込みつつある。たとえば医療保険改革法による「手頃な医療保険」(別名オバマケア)は、より低い保険額という意味合いにおいてこそ、殆どの(まぁ少なくとも一部の)人々にとって手頃なものとなる。だが一方では自己負担額が非常に高いため、多くの人々がこの法の下では未だに医療保険に入れずにいる。彼らにとっては全く手頃ではないのだ。
* 訳注が長くなったのでコラム最後部に置きました。

        事実上、(米国ばかりでなく)世界中の大多数の人々が手頃な医療保険を求めており、彼らの政府に対し、それを提供するか、少なくとも加入への援助を提供して欲しいと望んでいる。これはまさに魚座の海王星の特質だ。またもう一つの事実として、多くの政府にはそれを提供するだけの余裕が無いか、または単に、個人にとっても国にとっても無理のない保険システムを設計するための財政・金融的技術に欠けている。


        これは今年終盤から来年にかけて海王星とのスクエア形成へと近付いていく土星の持つ特質だ。連邦医療保険法に反対する人々はこの事を理解し、これを前提として動く必要がある。そうしなければ、巨大な票田へと変容しつつある集合体の潮流に逆らい、ますます力を失うという危険に陥るだろう。


* 医療保険制度改革法(オバマケア)と海王星

        オバマケアは日本のような社会保障制度としての国民皆保険ではない。あくまで民間保険会社の商品である医療保険の購入を国民に義務付ける形をとっている。

この場合、保険会社は既往歴を理由とした加入拒否が出来ず、また法で定められた保証内容も、様々な予防医療から薬物中毒カウンセリングまで多岐にわたるため、当然そこから利益を出さねばならない民間会社の商品としては保険料が高くなる。

        これまで自分の経済事情に合わせて保証内容を選択出来る既存の民間保険に加入していた多くの人々にとって、オバマケアは非常に高く付くものとなった。また、 企業が従業員に提供していた保険の費用も高額となり、人件費としての保険料負担分に耐えきれなくなった企業がリストラを断行したり、罰金を払ってでも保険提供の 廃止に踏み切るか、フルタイムの正社員を解雇して保険提供義務の無いパートタイマーに雇い代えるという動きが続出しているという。

オバマケアに 反対する人々がこの制度を評して「中間層を壊滅に追い込む」「"Change"ーオバマ政権の遺産作りのための悪政」と言うのは、こうした思いやり行政が生み出すであろう様々な負の結果を指している。(米国において、歴代の大統領は政権を担う間にどんな「遺産」- 歴史に残る偉業を遺すかが問われ、任期満了が迫れば誰もがそれを意識すると言われている)

        また、同時に話題になった同性婚の合憲判断、生む権利・生まない権利を含むフェミニズム運動、人種問題/銃規制なども、一般論としての平等概念だけでは括れない。キリスト教原理主義が根強く存在する米国においては、これが一種の "宗教戦争" 的な一面も持つ(たとえばリベラルの中には同性婚に反対する人々を "アメリカン・タリバン" と呼び、敵視あるいは蔑視する人達も存在する)。保守派から見ればこれらの動きは全て、伝統的な社会秩序の破壊に繋がる動きであり、天王星・冥王星スクエアを通過した今後はそれが現実となっていく可能性はある。但し、これらが社会的理想の追求である事は事実で、エクストリームな右派でもない限り、「総論」としては 正面から反対しにくいムードが生まれつつあるのかもしれない。

米国の建国への道程は、極端な言い方をすれば、銃と血の闘い(そして人間としての理想と自由への希求)によって彩られてきた(フロンティア・スピリットetc.)。特に大都市部を除く保守系白人社会には自助の精神を尊ぶ気風が脈々と生きていると感じる。現在の米国保守派による銃規制反対や、これまで社会福祉的な保険制度が整備されてこなかったことの一因は、このような歴史にもあるのではないだろうか。

メリマン氏がオバマケアや一連の "思いやり行政" への政府・大衆の指向と動きを魚座の海王星の一側面(ともすると現実と乖離しやすい理想の追求)を通して取り上げ、現実的な基盤を固める(土星)こと抜きに運べば予測のつかない結果を招くという危惧を示す根底に、こうした米国固有の事情もまた存在することを頭に入れておきたい。


以下は個人的観点です。
(同じ集合意識の流れは当然日本にも生まれ出つつあるが、国情、歴史や文化・情緒的背景、抱える問題は米国とは全く異なる点も多い。
これもまたアストロロジカルな一般論では語りきれない側面を持っていると思う。日本を考えるにあたって、2020年まで続くカーディナル・クライマックスの基幹部である天王星、冥王星、そして重要なバイプレーヤーとして有機的に絡み合う海王星と土星を何にどう当てはめて考えて行くかについては、日本の戦後始原図の基盤となる日本国憲法誕生の特殊な経緯や、もう一つの戦後始原図サンフランシスコ条約発効/主権回復図が意味する物事などについても、かなりの熟考を要するのではないだろうか。)






訳文ここまで
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June 21, 2015

レイモンド・メリマン 週間コメント6/22【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2015年6月22日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の は翻訳者によるものです。原文が"ファンキー"な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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★ 告知 ★
今週は6月20日土曜にウェビナー “MMA’s Mid-Year Financial Markets Update” を開催するため、コラムは休載し来週からの再開とさせていただく。

いつも休載の時は何も送られてこないのですが、今回は何故か先週わたしの都合でお休みした6月15日付けのコラム原稿が22日の日付けで再び送られてきました。なので1週間前の記事ですが、もしかすると暗に読者の方々に再読を促してるのかも?と思い、一応全訳し掲載します。(誤解を避けるため、6月15日現在での「先週」は「前週」としています。)


≪ 先週をふり返って ー 6月15日付け≫

        6月8日からの週は、水星と海王星が共に方向転換する週だった。水星は6月11日木曜に逆行運動を終え、一方海王星はその翌日6月12日金曜に逆行を開始した。天上で惑星達が方向転換(あくまで地球から見て)する時、それらの惑星が持つ力学が人間活動または自然現象において強調される。また金融市場、とりわけそれらの惑星が支配するセクターの市場にも影響を及ぼす可能性がある。したがって、ファイナンシャル・アストロロジーの観点から言えば、前週は水星と海王星の原理に支配されていたことになる。これは非常に興味深い。何故なら水星と海王星はあまりにも違っており、互いに正反対の関係でさえあるからだ。

        水星はコミュニケーション、情報、そして正確な事実を掴もうとする衝動を支配する。水星の逆行はその衝動に困難をもたらすように見える一方で、海王星は正確な事実にはあまり重きを置かず、その代わりに不正確な事物や、少なくとも何らかのメッセージを含んだ物語に共感するという傾向を持つようだ。何故かといえば、海王星は美徳や善といった事柄、そして普遍的な原理を信じるからだ。海王星は、スピリットやハートの道の方が、常に変化し続けるマインドの道よりも重要だという理屈を正当化する。その結果は混乱、誤解、どこにも出口のない沢山の会話、有望に見えはするが 必ずしも誠実とは言い難い多くの約束、そしてしばしば、事の信憑性を考えれば “理不尽” とも言えるような非難や告発に結び付く。とは言え、もしあなたが一般的なエンターテインメントに興じたいムードであれば、歌ったり踊ったりするには良いエネルギーだ。

これは皆、6月20日に起きるより強大なトランシット、都合3回の内2回目となる土星・冥王星間のセミスクエアが影響する時期と重なっている。したがって、前週はギリシャの負債問題も膠着状態が続き、そしておそらくはイランの核開発問題で交渉中の米国とイランに立ちはだかるデッドラインに関しても、また似たような状況だったろう。つまりこういう事だ。海王星と冥王星が働く時は、何が主張されようと、そこに透明性は一切無い。あなたが見聞きするものは、真に起きている事象とは異なっている。そしてそんな隔絶状態の中で、あらゆる種類の奇っ怪な論理が立ち現れるのだ。

例えば前週私が出席した会合では、「中国がペンタゴンのコンピュータをハッキングし、たった4分間で米国の秘密軍事情報の全てをダウンロードした。今や彼らはその情報をロシアに渡そうとしている」という話が伝えられた。その時私は「こりゃ自分のアイデンティティを誰かに盗み取られる前に、そろそろこの会合を抜け出した方がいいんじゃないか?」と思ったものだ…いやもうすでに、私に内密の身元情報などある筈もない。それでも、水星と海王星の精神に忠実なる者として、私には個としてのアイデンティティがあると “思い” たいのだ。

世界の株式市場では、殆どの市場が前週6月9日火曜〜10日水曜に底を打った。その後は6月11日木曜にかけて急激なリバウンドがあり、金曜に再び下落した。6月9日〜10日の安値は、それが多くの場合(ダウ平均のように)数ヶ月ぶりの安値となる一方で他の指数(例えばS&P)ではそうならなかったことから、異市場間強気ダイバージェンスを示唆しているかもしれない。銀は6月11日に15.77と月初来安値をつけたが、金は前週の安値を割らなかったことから、金と銀にもまた異市場間強気ダイバージェンスの特徴が顕れている。しかしながら、どちらもそれほど勢い良く週を終えたわけではなかった。金はいまだに1200以下、銀は16.00以下で喘いでいる。原油は数ヶ月ぶりの新高値に届くべく頑張り、6月10に61.82に達した。これは海王星が逆行に転じる場合の象意と合致している。その後原油は60近辺で週を終えた。


≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察(6月15日付け)≫

        見たところ、どうも6月30日には重要なデッドラインが数多くやって来るようだ。ギリシャのデフォルトに関する新たな最終期限が6月30日に先送りされた。変更が常となったイラン核交渉のデッドラインもつい最近6月30日に延期された。イレクショナル・アストロロジーの観点からすれば、これは実際のところ有益な日付けではある。何故なら、6月30日前後のジオコズミックな配置はそれまでのものより非常に調和的だからだ。例えば、6月22日には木星が天王星に対して調和的なトラインを形成する。これは突然起きるエキサイティングな急進展という象意を持っている。その後6月29日〜7月1日には、金星が木星にコンジャンクトして同時に天王星とはトラインとなる。これは何かが合意に達する可能性を強化するものだ。もしこうした象意が示現するなら、世界の株式市場は高々と爆発するかもしれない。

        しかしながら、そのタイミングで合意に達することが出来なかった場合、その後はより不調和なアスペクトが待っている事実も指摘しておかねばならない。太陽と火星の両方が冥王星に対してオポジションとなり、天王星とはスクエアを形成するべく進んでいくのだ。太陽・冥王星、そして火星・冥王星のオポジション(7月6日〜15日)は特に厄介なフォーメーションだ。これらは妨害工作、敵を陥れるための陰謀や謀議、そして世界規模の安全への脅威(軍事、テロ、災厄などを含む)と金融的保証やその安定への新たな懸念のシグナルとなり得るからだ。

        最近になってマリオ・ドラギが「投資家はボラティリティの高さに慣れたほうが良い」と公言した。今後及び7月のジオコズミック・サインもまた同じことを示唆している。実際、6月29日〜8月6日の期間には強力なジオコズミック・サインのシリーズが入れ替わり立ち替わり顕れることからしても、私達はかなり不穏な金融台風のただ中に足を踏み入れようとしているのかもしれない。

        今現在、投資家にとって興味深いのは、6月14日に起きる太陽と火星のコンジャンクションだ。このアスペクトは8°のオーブ、または前後1ヶ月のゆらぎをもってダウ工業平均における10%、またはより大規模なリバーサルとの間に非常に高い歴史的相関性を持っている。ここで問題となるのは、その下落がすでに始まっているのか、または7月半ばまでにあと1回新高値をつけに行き、その後反転するのか、という疑問だ。6月22日月曜には木星が3回目にして最後のトラインを天王星に対して形成する。そしてこれが、今年2度目で最後のウェビナーを20日に私達が開催するその理由だ。

このアスペクトは、前後8取引日の内にプライマリー・サイクルまたはそれ以上のサイクルの節目と85%以上の相関性を持ち、これまでのところその2/3が天井だった。同じジオコズミック・サインの直近2回の形成は今年3月3日と去年9月19日で、どちらもダウ平均の重要な天井と同期している。さて今回は何をもたらすだろう? もし株式市場が天井をつけるなら、ポジションをいくつか手放すか、またはショートに回るべき時期となるかもしれない。この時期の戦略がウェビナーでの肝となるだろう。

        この時期を越えた後の私達は、2015年晩秋〜2016年、これからやって来る土星・海王星のウェイニングスクエアに焦点を当てていくことになるだろう。これは重要な長期サイクルと最も同期しやすく、より長期の投資戦略が必須となるジオコズミック・サインだ。これは金利とも重要な相関関係を持つ。これに関しては9月にイタリアのトスカーナにおいて開催するMMA投資合宿のテーマとなる予定だ。 

しかしながら今のところは、6月20日〜7月1日に示現する調和的な天体模様が、もっと高度な協調姿勢と金融界の安定に向けて世界を導く歩み寄りの精神を生み出すよう、天に希望を託そうではないか。






訳文ここまで
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June 15, 2015

◆『マンデーン 2015』発売のお知らせ◆

『6月16日の新月』はこの一つ下の記事になります。m(_"_)m
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マンデーン2015:
2015年の占星学から見た世界と個人の運気予測

[Kindle版] 発売になりました!



md2015_coverAmazon Kindle Shopへ


        出る、出ると言い続けながら、随分長いことお待たせしました。レイモンド・メリマンさんの『マンデーン 2015』Kindle本(¥1,214)がやっと出版されました! 内容は投資家の方々には毎年お馴染みの年刊本『フォーキャスト』シリーズからマンデン・アストロロジーに関する記述部分を抜粋し、一般の方にも購入しやすいお値段にしたものです(抜粋と言っても、下の章立てを見ていただいても解るとおり、かなりのボリュームがあります)。

マンデン・アストロロジーは世相の占星学とも言われます。このブログを読んでくださっている方でアストロロジー実践者の方は、パーソナル・アストロロジーから入られることが多いのではないでしょうか? この本は、現在ファイナンシャルやマンデンを学んでいらっしゃる方だけでなく、「社会占星学に興味はあるけど敷居が高そう」とか「どう学習してよいかわからない」という方にとっても、テクニカル面だけでなく「どうアプローチしていけば良いのか?」という意味で面白くヒントになる記事が沢山詰め込まれています。

また世界と米国の情勢について、今リアルな現実としてどんな流れが作られつつあるかを、アストロロジーというレンズを通して俯瞰で見てみたい方にとっては、「読み物」としても興味深い本ではないでしょうか。『フォーキャスト 2015』でも出来る限り訳注を付けるようにしましたが、今回の出版にあたっては、初学者の方のためにアストロロジーの基本的用語や政治・経済用語集が巻末に付けられています。

テクニック的にはおそらく中級かそれ以上の方向けの本かもしれません。けれど、今のわたし達が生きる世界、そして米国にどんなエネルギーが降り注ぎ、人間の集合体がどう動こうとしているかを、惑星の動きからかいま見てみることって、米国とは今切っても切れない関係の中にある日本と、そこに生きるわたし達個人の人生を考えて行くとき、とても大切な要素だと思います。もしかしたら、ちょっぴり固めの用語が出て来てめげたりすることもある.....かもしれないけど、そんなのポンと飛び越えて、トライしてみる価値はあるんじゃないかな?って思います。(ニュースや新聞の政治経済面がもっと面白くなるかも?)

        色々な事情から大幅に出版が遅れ、すでに今年も半分過ぎてしまいました。それでも時間の経過にかかわらず、ずっと色褪せず読んでいただける内容だと思います。
ぜひ一度ご覧になってみてください。(^_^


この電子本、Kindle端末はもちろん、PC、Mac、スマホやタブレットのKindleアプリでお読みいただけます。 そうそう、Kindle端末をお持ちでプライム会員の方は、無料で試し読み?できるオーナーズ・ライブラリーに入っているので、費用ナシでダウンロードしていただくことも可能らしいです。(わたし自身はまだ端末未体験なので、買ってみないとイイ加減なこと言えない…のですが。^_^;)
もし読んでくださった方がいらしたら、ご感想やご希望など、amazonにレビューを投稿してくださると投資日報社さんが喜ぶかもしれませんw。今後、毎年早々に出る年刊本になるかどうか?がかかってるかもしれないので...(^_^;)


じゃ、とりあえず章立てに沿ってざっとご紹介しますね。


『マンデーン 2015』

第一章 まえがきにかえて 
(by Mr. T. Kaburagi)

        出版元の投資日報社代表取締役である鏑木高明氏によるメリマン・アストロロジー解説、そして電子本発刊にあたっての企図が説明されています。メリマンさんとの出会い、それに世界情勢や相場予測の驚異的な的中率について、何年も前のフォーキャスト本の記述を引用し、それと照らし合わせて具体的な事例を挙げながら解説された鏑木さんのエッセイは、金融市場の現場を毎日生で見つめ続け、仕事をされてきた方から見たアストロロジー体験記としても、とても興味深い内容となっています。


第二章 2015年 星座宮別 個人の運気予測
(by Mr. Raymond Merriman)

        太陽占星術の技法を基に、牡羊座から魚座まで「仕事とお金」「人間関係」の2項目にわたってこの1年のエネルギーの流れを解説。こころに留めておくべき方向性や注意点、調和的な日や危険日など、例を挙げてわかりやすく解説してあります。『フォーキャスト』シリーズを毎年購入される相場師の方々も、このコーナーを真っ先に読まれるのだそうです。

第三章 パーソナルからマンデーンへ 
(by hiyoka)

 Who is Mr. Merriman? 

        レイモンド・メリマン氏の経歴(いろいろ凄いです)・背景や人となり、そしてわたし自身が翻訳体験を通して感じてきた、メリマンさんのアストロロジーへの情熱と真摯なアプローチのありかたをご紹介しています。またパーソナル・アストロロジーとマンデーン・アストロロジーとの有機的な関係性についてもちょこっと触れています。

 補足として ー 各サインの集合的心理傾向

        マンデーン・アストロロジーから見た各サインの象意を、メリマン・セオリーを参考にまとめてみました。もちろん、ここに抽出したものだけが全てではありませんが、パーソナルを見る場合の象意との重なりや相違を考えながら見ていただくと面白いかもしれません。


第四章 『フォーキャスト2015』より
ー マンデーン・アストロロジーの記述部分 ー
 

(by Mr.Raymond Merriman)

        以下はこの本のキモとなるパートです。内容が豊富過ぎてここではご紹介しきれないので、見出しや各項目のタイトルのみ掲載しますね。新しいセオリーやマンデン・アストロロジー特有の読み方、国家始原図の読み解き方、要人のネイタル・チャート、遅い惑星同士のサイクル論など、天王星・冥王星スクエアが終わっていく2015年の様相を背景に、メリマンさんの背骨となるアストロロジーの理念を通して詳しく解説されています。今年前半をじっくりふり返りながら読んでみても、いろいろな発見がありそうです。(この本の第三章でも少し触れたのですが、特に最後の「十字路に立つアメリカ」は読み物としてもとても面白く、興味深いのではないかと思います。)

2008年〜2015年 カーディナル・クライマックスの溶解

 結局のところ、何だったのか?

  カーディナル・クライマックスの基幹部
  クライマックスの余波:全体像から見て
  長波と外惑星

 終焉に向かって

  土星・冥王星サイクルの最終局面
  ザ・水星コネクション

 活動する深淵の惑星サイクル

 宇宙からの使者:脇役編

 2015年のノード・サイクルと住宅・金融市場・経済との対応関係

 2015年の水星逆行期

 2015年の金星逆行期

十字路に立つアメリカ

  米国は窮地に立っている

  アストロロジー

  アストロロジーの基礎を通して

  米国始原図と現在のトランシット

  ネイタル・チャートの著しい重要性

  ザ・ダークサイド・オブ・アメリカ

  米国のプログレス・チャートと火星の逆行

  米国の未来 ー 月・冥王星への冥王星リターン


 バック・トゥ・ザ・フューチャー

2015年の季節的なテーマ

◆用語解説集


以上です。よろしくお願いします。m(_"_)m
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○6/16の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
    例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで 5月18日 23:24前後、北海道周辺で23:30前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は 23:05 前後、沖縄周辺では 22:36前後に  双子座 25°07’で新月となります。


前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマ 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・フィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 双子座25°~26° ー6/16~7/15 )】
  "A man trimming palms"
『シュロの葉の手入れをする男』

  "Winter frost in the woods"
『森に降りる冬の霜』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★古くて害になるものを取り除きリニューアルをはかる
→★自分の手とスキルを実際に使って物事を為すよろこび
→★固執している物事を先に進めようと猪突猛進し自爆する危険…
→★または細部についての脅迫的なまでのこだわりが物事を壊す危険
→★次の段階に備えるための刈り入れと収穫の調整
→★親密さと非個人的な微笑みとの違いに気付く
→★立ちはだかる現実を前に自分のゴールに焦点を定める
→★自分よりはるかに大きな何かの呼び声を聞く
→★超然とした外面からほの見える内側の熱情
→★皮肉や鋭すぎる舌鋒によりヤケドを負う危険
→★新しい可能性を試すために手を広げていく
→★心深く潜む、むずむずするような渇望を見切る必要
→★変化や変革へのインスピレーションが下りる
→★自分をはっきりと打ち出していくための準備と挑戦
→★常に人の振り見て我が振りを直す必要
→★年齢差や経験値の違いによる摩擦を和らげていく
→★自らの脚でしっかりと立つための誇りと勇気
→★具体的で整合性のあるビジョンに基づいて人生を変革し始める・・・→

エネルギーのポイント:『観察し、整えつつ、変えていく』

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        水星逆行も終わり、6月27日までのリハビリ・タイム(シャドウ・フェーズ)のただ中、逆行の海王星の下、新月がやってきます。 今回の水星逆行、けっこうキツイ思いをしたひとも多いのではないでしょうか?  「いや、意外と平穏に過ごせたよ♪」なんていうひとも、深層に触れてくる遠い惑星達が形成してきた沢山のアスペクトから知らず知らずのうちに影響を受けて、思いの外ストレスが溜まっているかもしれません。 この新月は、かなりアグレッシブなエネルギーを持っています。でも、まだまだ心身共にリハビリ途上?のわたし達。ちょうど季節の変わり目でもあるし、ゆっくり足慣らしをしていきましょう。

そんなわけで(?)、今回の新月はサビアン・シンボルが示すテーマに星々のアスペクトを織り交ぜながら、じっくり見ていこうかと思います。


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        双子座終盤度数の始まりで起きるこの新月。なんといっても目に付くのは、太陽・月に火星、そして小惑星エロスが24°台〜26°台にかけてコンジャンクトしていることでしょうか。火星のデクリネーションを見ると、太陽の軛を受けず、次元の異なるエネルギーで動いていくとも言われるアウト・オブ・バウンズ(OOB)に入っています。もしかするとこの火星はいつにも増して、理屈抜きの本能的な衝動を強く刺激してくるかもしれません。その衝動の大本にはセクシャルなプレッシャーが潜んでいそうです。もしそんなエネルギーを感じたら、それをどうクリエィティブに使えるか?  どう楽しめるか? これ、大切だと思います。今の時期は、たとえ少しずつでも自分の意志をクリアにしておき、「自分の意志で楽しく踊ることはあっても、(その場や相手の)エネルギーには踊らされない」くらいの気持ちを持ったほうが良さそうです。


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 北半球の1/3が水で覆われていたという4億年前の火星...


        また、チャートに表示されてはいないけど、ここには牡牛座の南の角先に位置する 恒星アルヘッカ が輝いています。 双子座25°ぎりぎり手前に在泊するアルヘッカは、"ドライバー/操縦者/牽引者"とも呼ばれる星。ヴィヴィアン・ロブソン(The Fixed Stars & Constellations in Astrology)によると、この星は火星(そして時に水星・土星)的な質を帯びているとされ「闘争、悪意、疑念、事故、軍事、戦略、騙し、ワナ」など、ちと怖ろしげな象意を持つのだとか。

一方、天文学に基づくアストロロジーを提唱しているニック・アンソニー・フィオレンツァは、このアルヘッカをこう解釈しています。「ー 古めかしい十字軍意識の闘争 ー 社会的には特に政治や宗教的な闘争に目立つ。盲目的、または自らの慣習から一歩も出ないパターン化した戦法で戦い続けることを通して、何に対して闘うのかという本来の目的からはどんどん乖離していく傾向が出る」。そしてトランシットで惑星が来る時は "肉の闘争" を手放し、歩み寄りと協働を目指すべき時期を暗示する、とも...。


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        …こうして見ると、今回の新月に彩りを添える恒星アルヘッカの象意って "悪いこと" ばかりみたいですが...(^_^;. 「戦略」的な思考を得意とし、闘争心も兼ね備えるこの領域のエネルギーは、上手く使えればメディアやコミュニケーション、ビジネス分野の才能として発揮されるケースも多いと言われます。 でもきっと、策にこだわるあまりそれに溺れて本来の目的を見失い、闘争のための闘争になってはいけない。勝つことが目的になってしまっては、この恒星のエネルギーは活かせないということじゃないでしょうか。そう、ブルの角先は鋭いです。ひらりと翻る紅い布きれに興奮したり、高々と掲げたプライドの旗印に縛られてしまってはダメ。いつも柔軟に精神を新陳代謝していこうってことかも。。

        この新月が起きる双子座第3ディーカンあたりには、優しい「鳩の気付き」と冷徹な「ハンター」のエネルギー、その両極が入り混じっています。思うにここは、このところずっと二極・二元のワインディングロードを神経スロットル全開で突っ走ってきた双子座の意識にとって、内的な変容への節目である蟹座入りを目前に控えた地点です。そこには通過すべき最後のヘアピンカーブが待っているのかもしれません。それには注意力と十分な減速も必要。 何だかこの新月期を通して少しずつ少しずつ...わたし達の中に、新しいキャラクターが芽生えていくような感じがします....。


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        さてと。新月の基盤となるエネルギーは 『シュロの葉の手入れをする男』。 南国の青空の下、高々と育ったシュロ(椰子)の木。シュロにいわゆる「枝」はありません。全方向的に拡がるその葉は、いつだってぐんぐん伸びた幹のてっぺんから生え、世界の四方八方を見下ろしています。 B.ボヴィによると、古代ローマでは勝利をおさめた剣闘士をシュロの葉で称えたのだとか。また聖書「マタイによる福音書」には、イエス・キリストの勝利を意味するエルサレム入城の折りに、群衆がシュロの葉を振って歓びの声をあげたとあります。 幹の最も高いところに生えるシュロの葉は、何かを成し遂げたことを象徴する勝利のシンボルなのかもしれません。ただシュロってきちんと手入れをしないと、すぐにみすぼらしい姿になってしまうと聞きます。 古くなって垂れ下がった葉が枯れてきたり、毛状の樹皮がとんでもなくモサモサと伸びて、不注意から火が燃え移ったりする例もあるそうです。

 "palm tree" は「手の平の木」。自分がこれまでに、この両手の平で掴んできたもの。それは広い世界から比べたら手の平サイズっていうくらい、ちっぽけかもしれません。けど、実はものすごく大きい気がする。だから、それだけで、いい。他の余計なものは、もう要らない。新しい可能性を伸ばしていくために、エネルギーを体中に行き渡らせるために、古くなって枯れていくものは落としていこう。植物だってわたし達だって、そうやってリニューアルしていきます…。 このシンボルの原文は  "A man trimming palms" です。 "trim" で「綺麗に整える」という意味があるので 「シュロの葉を手入れする男」と訳しましたが、 "trim" には他に 「(船体などの)バランスを取る」 、「帆を調整する」、「中道を行く」という意味もあります。そして、"palm" は手の平。。。 

わたし達は今、自らの手を使って人生を、いえ、もしかしたら、わたし達の持つエネルギーそのものを調整し、選り分け、手放し、バランスを取っていく必要があるのかもしれません。 この新月期は、機会があったら手を使うヒーリングやエネルギー・ワークを受けてみるのもいいかも? (レイキの実践者なら、この新月はプラクティスやセッションに良さそうです。小惑星"REIKI" は今、「混沌の中にあって、こころの強さと静けさをもたらす」度数に在泊しています。)


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        そしてわたし達は、新月がとっていくエネルギー 『森に降りる冬の霜』 を受けていきます。前の度数とはうって変わって、今度は厳しく寒い冬の森。 真っ白な霜が降りた森。 すっかり葉が落ちた木々の枝は、まるで森全体を覆い尽くす神経組織みたい。。 そして、太陽の光を受けてキラキラ輝く、無数の微細な氷の結晶… そこには音も動きも無く、ただ静謐の美があるだけ。本当に、魔法のように綺麗な光景です。

けれどその半面、何もかもが凍った森は、もろくもあります。固く凍った細い枝は、少しのインパクトで折れてしまいそう。 その美しさに魅せられて森に分け入ったわたし達も、あまりの寒さにそう長くは居られないでしょう。そこは温かい血と肉を持つ者が同化していける世界ではありません。 もちろん、森は沢山の命を育みます。どこかの洞穴では、春に備えて動物達が眠っているかもしれません。凍った土の下では、実りの季節に落ちた種が、雪解けの季節を待っているかもしれません。けれど、凍り付いた真冬の森は、ひととき違う顔を見せます。それは古い生から新しい生を生み出すための、一時的な「死の顔」です。

でもその「顔」は、やはり美しく輝いて見えます。何故でしょう。。 全ての色を失い固く結晶化した森の姿が、やがては腐敗していく身の定めとは一線を画した「永遠」を感じさせるからでしょうか? 死を超えて生きる姿をかいま見せてくれるからでしょうか?  そこには長い長い年月を経て繰り返されてきた、生命のサイクルがあります。その透徹した冷厳さ、完璧な冷徹さに、わたし達はこころの何処かでひそかに憧れを抱くのかもしれません。 

けれど、わたし達の手が霜に触れたなら、永遠を象徴する美は一瞬で溶けてしまいます。 もしわたし達の体が霜で覆われたなら、わたし達はすぐに死へと誘われます。 永遠の理想は常に美しい… まるで結晶のように完璧な姿に、わたし達は憧れます。 その「完璧な姿」、 「こうありたい」 「こうでなくては」 がどのようなものかは、ひとそれぞれに異なるとしても……。


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生身のわたし達にとって、結晶は死です。永遠に変わらぬ美や基準はひとつの旗印、シンボルではあっても、赤裸々な現実とは言えません。 霜や氷の美に魅せられて、一段深い地下に熱く脈打つ生身を、猥雑な肉体や理屈抜きに生きようとする自他の欲望を忘れ去ったとき、わたしたちは非個人性という壁に突き当たって生命力を失っていきます。 そうなったとき、霜が降りた森に虚しく木霊するのは、刺すように冷たい言葉の応酬でしょうか。。 クリスタルのように輝いたマジカルな森は、そのとき、本当に死んでしまうのかもしれません。 結晶の森は、抽象の森、夢の森。。 わたし達が生きる未来の森とはきっと違う次元に存在してる。 この二極性のギャップを、ことばのテクニックや浅薄な戦術で超えることは出来ません。

        天王星・冥王星スクエアの孵化期を迎えて様々な危機が叫ばれる中、わたし達の社会はますます「固さ」を増していくと思います。 それはたとえば、色も無く匂いも無く清潔で安全でデジタルで黒か白かの美しい銀世界…みたいなものかしら。。。そこは結晶化した「わたしとあなた」、「わたしと彼ら」、 そして 「わたしとわたし」 がぶつかり合う世界。 冷たい霜が降りた森に、春はやって来るでしょうか?  わたし達の手の平は、抽象の平穏ではなく、具体としての猥雑な平和を創り出すことが出来るでしょうか?  はたしてこれから先の世界は、わたし達 ー 肉とスピリットの統合体 ー が生息出来るだけのゆるさを許容出来るのでしょうか?  きっとその答は、わたし達ひとりひとりの手の平にあるのではないかと思います。 まだはっきりとは見えていないけれど。。。


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        わたし達はこのところ、「個」と「公」という二極のテーマを追いかけてきました。その二元性探求の道は、カタチを変えて、まだまだ続きそうだなぁ。。でも、この新月にはちょっっとしたリニューアルのエネルギーがやってきます。 わたし達それぞれのインスピレーションに基づいて…枯れかけたシュロの葉を落とす作業が待っているんじゃないかな? 古い葉を落としてサッパリしたシュロの樹には、もしかしたら冬の霜が降りる日だってあるかもしれません。それを冷たい現実だと感じるときがあるかもしれません。でも。 その 「冷たさ」 の中にこそ、生きとし生けるあらゆるもの達が苦闘の中で発してきた 「生きたい…!」 という無音の叫びが結晶化されているのだとしたら。。  森に降りる冬の霜。その美しさの原点は、そこにあるような気がします。 

結局わたし達は皆、ひとりひとりが柔らかく温かいナマモノなんだと思います。そんな、ワケのわからないナマモノとして、一瞬と永遠の両方をニラミながら、その狭間を突き、しぶとく優しく生きていく。 次の存在の層に入る、そのときが来るまで…。 ちと双子座っぽく抽象的に語ってみたけれどw、「冷たい現実」も「永遠の美」も、見方を変えれば全ては抽象から始まるのではないでしょうか? だってそれをそれと名付け、真っ先にそれを感じ取り、体験することを選ぶのは、他ならないわたし達自身だもの。 

双子座1°のシンボルを覚えていますか? 『静かな水面に浮かぶガラス底の遊覧船』でした。水の世界は感情の世界を象徴すると言われます。一見静かに見える水面ほど、表面から見ただけではわからない深淵を持つもの。双子座の旅は、みんなでひととき遊覧船に乗り合わせ、自分達それぞれが創り上げてきた物語をガラス越しの安全さの中で観察していく旅、そして自分が見た物語を通してコミュニケートしあう旅でもありました。そして今、それも終わりに近付いています…。


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        この新月期には、感情的、肉体的な衝動と溜まった澱をどう扱うか? 自分の本音を押し通したいという気持ちをどんなカタチで表現したらいいか? なんて課題を経験するひともいるかもしれません。 これ、政治的な糾弾とか、怒りにまかせた暴力的なエネルギーとしても顕れる可能性があります。 壁が高ければ高いほど、固ければ固いほど、体当たりしたくなるような。 または誰彼かまわず「こいつバカじゃないの?」って感じてしまうような。 けれどそれは一過性の「踊らせるエネルギー」だということを、知っていてください。 獅子座の金星が持つ 「デリケートで気品ある尊厳」 を出来る限り保つこと。これ、鍵になるかもしれません。 また、第三者的な構えで超然と語る誰かのことばの中に、隠しきれない生身の本音(欲望)が漏れてしまう…なんて場面をかいま見ることもあるかもしれません(自ら体験する可能性も)。 いつもじゃなくても、ふと気付いたら、自分の内側と外側、自己と他者、この二つの領域にバランスよく注意を払っていくと良さそうです。焦らず、挑発に乗らず、自分にも周囲に対しても優しさを保てるだけのエネルギーを、まず確保していきましょう。


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ひさびさに(かな?)アスペクトすこし…

        … 水星の逆行も終わり、シャドウ期のリハビリに入ったわたし達は、今、自分の手の平の内に確かに存在するものを見つめます。うーん、何が見えるだろう?  え、何も見えない?  それもまた、アリかもw。だって水星と海王星のスクエアはまだ終わっていません。 わたし達の視界は、まだクリアになったとは言えません。本当に、これからです。

コミュニケーションへの渇望みたいなものが湧いてくる可能性は大いにあるし、双子座最後のディーカンらしく、その気になればウィットやジョークの連発で楽しむことも出来そうです。でもこの新月の水星は、乙女座のオルクス・イカルスのコンジャンクションとはスクエアです。 なのでちょっぴり要注意!  特に水星とオルクスのコンビネーションは、ついつい辛辣でストレートな物言いになりがちです。「そこまで言うか!」なんて思われる前に、こころのブレーキに足をかけておいて。そういう物言いは、もっと知りたい、もっと理解したい…っていう純粋な欲求の表れでもあるけど、相手に理解してもらうのは難しそうです。

6月23日の深夜、順行する水星は双子座9°台のアスボルスとコンジャンクト、イカルスとスクエア。  そして日付けが変わって少し経ったころ、5月9日、5月29日に次いで3回目の海王星との正確なスクエアを形成します。 (三度目の正直かな?) これまで一生懸命思考を働かせても、どこか奥歯…というか脳?に物が挟まったようで、見透しきれない曖昧さが残る…または、思考が時間軸より空間の方に拡がってしまって全然まとまらない…なんてひと、いないでしょうか? もしそう感じてたなら、この3度目の水星・海王星スクエアが終わって水星がシャドウを抜ける27日あたりから、徐々に思考がクリアになってくるかもしれません。 それまでのわたし達は、片翼飛行の飛行機みたいなものです。 でも、このあたりの数日で、壁を突破するインスピレーションが湧くひともいると思います。そしたらそれを、もっとクリアで現実的なビジョンに育てていけるといいな。 きっと変革の力って、思わぬところから湧いてくるんじゃないかと思います。ただし27日はムーン・ウォブルも同時に起きます。これは大地もひとも、不安定になりがちと言われるフォーメーション。この新月期はまだまだ地震や噴火など、地殻が安定しにくい星回りが続きます。またイカルスと水星のフォーメーションは、事故との密接な関連を持っています。 敏感なひとは体調が崩れないよう注意して、あまり無理せず、活動と休息のバランスをよくとってくださいね。


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もう一つ、忘れちゃいけないのは木星・天王星、そしてパラスのグランドトラインでしょうか。 これ、アスペクトをグループで取ると、イクシオンやエリス、ジュノーまで入ってしまうのでなかなか複雑です。これはどちらかというと、理想家肌のエネルギーかもしれません。 虐げられた立場のひと、恵まれないひとに手を差し伸べよう、何とか助けたいという精神の発露。そしてデリケートかつ厄介な問題をうまく扱う政治力…というか、上手に "すべらせる" ことが出来る、そんなスキルも感じさせるエネルギーです。また、何かの解放へのメッセージとも取れるのですが、もしかしたらその裏には極化した二元性が隠されている可能性も。 社会的にもパーソナルにも、コミュニケーションスキルや政治力を感じさせるトライン。これを本当に良い方向に使えたらいいなぁ。。

ただ、火のグランドトラインは良くも悪くもイージーに燃える面があるだけに、現実に直面したとき、裏側に潜む背反矛盾を超えられるのかどうか? ただ 「すべらせる」 だけで事は解決するのか? という問題が出て来るのかもしれません。しかも、今はダブル・グランドトラインとしてエリス(疎外、不和、フェミニズム)やイクシオン(良心の不在または倫理からの解放)、フォルス(潜在する物事の突然の浮上、毒や依存症/中毒、因縁)が絡んでいます。こちらは背景として、癒やす必要のある物事を表現しているのかもしれません。もともと不和や対立の種があるところには、不条理な出来事が浮上する可能性も。根深い問題にはそれなりの時間をかけて、根底から向き合う姿勢を見せ続けること、相手の尊厳をけっして無視しないことが鍵となりそうです。

6月29日〜7月2日(満月)にかけて、獅子座21°37'で金星・木星のスーパー・コンジャンクションが起きます。(ジャストは7月1日16:33ごろ) 今回は2惑星の赤緯がとても近いので、お天気さえ良ければ夜空に輝くゼウスとアフロディーテのステキなランデブーが見られるのではないでしょうか。獅子座の金星・木星の合。実はこれ、トリプルコンジャンクションで、小惑星オルフェウスが参加しています。これってとてもロマンティック…というか、恋愛に使うなら "愛することのせつなさ" や "過ぎ去った過去を懐かしく思い出す" なんてニュアンスを添えてきそう。オルフェウスは大切なものを失った深い哀しみを知るひとの星なんですね。とてもデリケートな深みを持つエネルギーです。また音楽やアートを楽しむにもとても良い配置。ただサビアン・シンボル的には 「偽物の期待」「一過性の陶酔や混乱」 の後で 「本当に大切なメッセージを受け取る」「身の安全を護る」「トレーニング」なんてキーワードが出て来ます。本当に大切なひと達と、星空でも眺めながらゆっくり過せたら、それが一番楽しめるのかも。


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        えっと・・・大体こんなところだっけ?(何か忘れてそうな気もするけど...^_^;)

        こうしていろいろおしゃべりしてきてきましたが、何といっても今回の新月、ロードは逆行の海王星です。なのでサビアン・シンボルのテーマを追究していく途上では、いったんは何もかもが霧のように拡散してしまい、つかみ所が無くなるような感覚を味わうひともいると思います。でもそれって、後になってみれば結果的にはすごく良かった…って、思えるんじゃないかな。何故なら、わたし達が努力してもなかなか手放せなかった「何か」を、海王星の霧がいつの間にか溶かしてくれるかもしれないから。海王星の求める「犠牲」って、本当はそういうものだから。。
 

短いようで長かった双子座の旅も終わりに来て、6月21日の夏至で太陽は蟹座入りします。そこでいったんギア・チェンジ。そして、7月2日にはギア・チェンジ後の満月がやってきます。 そのとき、わたし達の中で少しずつカタチを取り始めた新たな「キャラクター」が顔を覗かせ始めるかな? それが何なのか、どの程度クリアなものかはわからないけど...。 

ちょっぴり楽しみにしつつ、ゆるっとがんばって行きましょう☆(^_^


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have a great trek!!!★


hiyoka(^_^


June 07, 2015

レイモンド・メリマン 週間コメント6/8【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2015年6月8日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の は翻訳者によるものです。原文が"ファンキー"な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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お知らせ

来週6月15日付けのメリマン・コラムは月イチのお休みとさせていただきます。
m(_"_)m



≪ 先週をふり返って ≫

        先週はまったくもって水星逆行(5月19日〜6月11日)の週だった。前週の金曜5月29日、米国商務省は “2015年第一四半期の実質国内総生産(GDP)-- 米国内における商品やサービスの付加価値の総額(季節調整済み)-- が年率0.7%に落ち込んだ”  と発表した。それはそうだ。景気後退の手順として… 経済は縮小する。

        だがその後6月5日先週金曜になって、米国労働省が “非農業部門の総雇用者数が5月に28万人増加し、一方失業率は5.5%と基本的に変化無し” と発表した。それはその通りだ。働く人々はどんどん増加し、それに加えて給与は先月0.3%上昇している。

さて、どういうことだろう? 
労働市場は好転しているのに経済は縮小している? 
もしかしたらその答は全米雇用法プロジェクトのレポートに見出せるかもしれない。

        “ファストフード産業における雇用は、民間全部門の雇用増加率5.1%に対し23.3%の上昇率となり、2000年以来雇用面での先導役となっている。具体的に述べればニューヨーク市では、ファストフード店の雇用率が何と87%と爆発的な増加を見せた…”
ー Jeff Cox, CNBC, 6月5日


そうでないとすれば、ひょっとするとこの背反矛盾したメッセージは、単に水星逆行下の情報サイクルとして典型的な顕れに過ぎないのかもしれない。すなわち、一方では強気の発表があると同時に、そのまた一方では弱気な報告が出て来るといった具合だ。

        また、これはどうだろう? 雇用統計の強い数字は、多くのアナリスト達に今や(再び…)FRBの利上げは早そうだと信じさせる。“早期” は9月の代わりに今や12月か2016年初頭を意味している。思い出して欲しいが、たった1ヶ月前の彼らは6月に利上げがありそうだと予測していた。FRBの設立図に基づいて、2015年最終四半期か、ことによっては2016年に入るまで利上げは無いだろうとしてきた私達の年間予測とは対照的だ(FRB設立:1913年12月23日/フォーキャスト本を参照のこと)。ところが、金曜(6月5日)のウォールストリート・ジャーナルにはイアン・ターリー記者のこんな見出しが踊っていた。
        “IMF、FRBに対し2016年まで利上げ延期を勧告” 記事はこう続く。“… IMFは、金融の安定と市場のボラティリティに鑑み、利上げが国際ポートフォリオに起きる重要かつ突然のリバランシングの引き金となる可能性があると警告した”。
今日読むニュースが、以前自分が書いた ー 予測した ー 内容と同じだった時のフィーリングを解っていただけるだろうか? 今を生きている感覚ではない。それは、あたかも同じ日に過去と未来の両方に居るような感じだ。またちょうど水星と海王星の両方が天上で滞留し、しかも今にも方向転換しようとしているような感覚だ。そしてこれは、あなたが地球の何処に住んでいるかによって6月11日〜12日にかけて、まさに起きようとしている現象なのだ(言うまでもなく、あなた自身が身を置いている現実が ー 過去・現在・未来かはさておくとして)。

        まぁ、私がどう思うかは問題ではない… いや、待てよ… 他の人達が明日、来週、来年に何を思い何をするかに関心がある人にとっては、確かに私が何を思うかは問題かもしれない。ご存知の通り、私は此処よりあちら側でより多くの時を過ごしている。そして、もし私が読者である皆さんのことをよく解っているとするなら、皆さんは私が提供するこの現実を楽しんで ー そこに価値を見出して ーいるはずだ。それはこのひと言で言い表せる。「ネクスト」だ。

        風の星座宮で起きているこの水星逆行下にあって、株式市場だろうが国債市場だろうが、どんな物事にとっても楽しめる雰囲気にはならない。どちらの市場も先週はかなりの急落をみたが、特に米国が顕著だった。米国株(ダウ工業平均とS&P)は水星逆行の開始日だった5月19日に天井をつけて以来下落し続けている。国債(少なくとも10年中期債)は前回の水星逆行が始まってすぐの1月29日に天井をつけた。だが現在、5月29日 ー 現行の水星逆行の中日 ー に戻り高値をつけた後、中期国債は10月以来の最安値水準まで急落している。国債市場には怖れと動揺が走りつつある。

        だが、まるで私の第三の眼のようなこのコズミック・レンズを通して、こうした出来事を私がどのように見るか、それがお解りだろうか? それは何か?と尋ねてもらえて嬉しい(おっとと、OK。自分にそれを尋ねたのは私自身だ… 水星と海王星が今にも方向転換しようとするにあたり、“今の私” が “未来の私” に尋ねているのだ。未来の私こそが、その額の眼に取り付けられたコズミック・レンズの持ち主なのだから…)。

私はこう見る。 
FRBがすぐにでも利上げをするだろうという、こういった全ての話題 ー 全ての妄想と確信 ー は、最近では5月19日に水星が逆行に転じたあたりで急激に拡がった。そして今週、水星は6月11日に順行に転じる(その時海王星も方向転換すると言ったろうか?)。この1週間、もしFRBが、市場のこのところの確信事項である早めの利上げに関して完全な方向転換を表明したり行ったりしたとしても、私は驚かないだろう。そしてそうなれば、市場は再び反転する可能性がある。

        誰もが狂気じみているか、または現実から目を逸らしている。それが風性星座宮における水星逆行と、その水星が海王星にスクエアを、土星にオポジションを形成するということなのだ。だが怖れることはない。一時的な援助の手がまもなくやって来るのだから。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

        すでに述べたように、海王星が地球から見て進路を後退し始める一方で、水星はその逆行運動を6月11日に終了する。したがって、今週と来週は *水星(コミュニケーション)と海王星(誤報、誤解、または理想主義)の原理が集合体のマインドにおいて強調されることになる。見た事、聞いた事、読んだ事を何でもすぐ信じないよう気を付けねばならない。真実を探求する自らの姿勢を投げ捨て、レミングの群れと化した群衆に加わって崖から飛び降りてはならない。何故なら、彼らは夜明けへの新たな道、潜在的な状況反転を象徴する新しい道を見出すよりも、ひたすら怖れによって拓かれる道を辿ろうとしているからだ。
水星順行開始:日本時間6月12日午前7時半ごろ
 海王星逆行開始:日本時間6月12日18時過ぎ

        6月は大変に興味深い月だ。非常に多くの惑星サイクルに変化が起き、非常に多岐にわたる異質な原理が対処を求めてせめぎ合う。6月14日には太陽・火星コンジャンクションが起き、巷の雰囲気が非常に闘争的となる可能性がある。これは世界のリーダー達や、その敵方からの、かなり脅迫的な語調を導き出しそうだ。6月22日には火性の星座宮(獅子座、牡羊座)において木星・天王星のトラインが成立することで、懸念を一時的に解消するニュースが流れる可能性があることから、投資家には希望を提供するかもしれない。

これらのジオコズミック・サイン(太陽/火星と木星/天王星)が両方とも、ニューヨーク証券取引所設立図(ISARのファイナンシャル・マーケット e-zine においてロブ・ロビンソンにより提示された “バトンウッド・チャート”)の調和的な位置取りを強調する度数に来ることを考慮すれば、まもなく新たな史上最高値が示現する可能性を無視するわけにはいかない。しかしながら、この枠組みに木星が含まれることを考えると、まず始めに激しい下落が起きる可能性も完全には排除出来ない。これらの事柄について、そして今週海王星が方向転換すると同時に非常に重要な局面に入っていく金と銀についても、講読版週間レポートにおいて詳説するつもりだ。



≪ 長期的考察 ≫

        “ 負債に苦しむギリシャがIMF(国際通貨基金)への3億ユーロ(2.2億ポンド)の借金返済を滞らせて欧州統一通貨圏の未来に向けての怖れを喚起した後、政府の大臣はこう言った。「ギリシャはユーロ圏の一部として残留するためにどんな事でも行う用意がある」。… 経済相ジョージ・スタサキスは、ギリシャがワシントンに本拠を置くファンドに対し返済を行うことは出来たのだが、EUやECB(ヨーロッパ中央銀行)を始めとする債権者達がまず経済の立て直しを要求している事を直視した上で、あえて期日に返済しない事を選択したのだと初めて正式に確認した。 ”

ー Jill Treanor, 「ギリシャ経済相、ユーロ圏残留への決断を語る」より
 2015年6月5日
ザ・ガーディアン紙


        先週のコラムにおける「何故 欧州連合(EU)からのGrexis(ギリシャの離脱)はあり得ないか」についての私の理由付けは、どうも“ユーロ圏” と “EU” の定義に混乱があったようだ(まさに水星・海王星の原理そのままだが)。 私の結論そのものは正しかったと思うが、両者の定義付けは、曖昧で正確ではなかったかもしれない。その責めは、わたし自身のチャートに負わせることにしよう(水星と海王星は自ら犯した間違いの責任を追わせる誰か ー 何か ー を必要としている… そして今週は、読者の皆さんもまた、こうした原理の典型例を多く見かけることになるだろう)。ニューヨーク在住でアストロロジー教育者として著名なロバート・カレの示唆によれば、あなたの惑星がデトリメント(弱い)となる星座宮に在泊し、同時にその惑星が強化されるような室区分にある時は、思い通りの結果を達成しはするのだが、その筋道は必ずしも思った通りとはならない。

それにしたがって私の例をネイタル・チャートで紐解くなら、私の金星、水星、そして月は順に2室、3室、4室に入っており、強い。これはナチュラル・システムにおいてそれぞれの惑星が最も強化される室区分だ。だがこれらは順に蠍座、射手座、そして山羊座に在泊している。つまりそれぞれにデトリメントとなる星座宮にあるのだ。私はこの領域(ファイナンシャル、コミュニケーション、家庭面)で成功を収めるが、ごく一般的、または “思い通りの(無難な)” 方法による訳ではない。これは私が “エッジィ(先端的)” であることを意味するが、それでも大抵の場合は、自分が求めたものを得ることになる。

        まぁ自分の事はこれくらいにして、ヨーロッパの話に戻り、欧州連合対ユーロ圏に関する考察を続けよう。democraticunderground.com によれば、   “ユーロ圏(Eurozone)... とは、ユーロを自国の共通通貨および法定通貨として承認したと発表した欧州連合(EU)メンバー17カ国による欧州通貨統合(EMU)を指す”。 ウィキペディアによると、2015年1月にリトアニアが参加したことによって、実際には現在19カ国がユーロ圏となる。ギリシャはこれら19カ国の内の1国だ。

        その一方で欧州連合(EU)の方は、 “主にヨーロッパに位置する27カ国(ウィキペディによれば現在28カ国)によって構成される、経済と政治の連合体であり… EU憲法条約上の根拠に関わる最近の修正条項であり、2009年に発効したリスボン条約では… ユーロ圏(Eurozone)はその殆どが通貨に関する物事を扱うのに対し、欧州連合(Euro Union/EU)は社会要因、通商、そして人々、商品、サービスの自由な往来に関わる物事を統轄する”。
      
すなわちユーロ圏の全メンバー国は同時にEUのメンバーでもあるが、その逆は成立しない。  lisbon-treaty.org の記述によれば、リスボン条約の第50条にはこうある。“(EUの)全ての加盟国は、自国の憲法上の必要に応じて欧州連合からの脱退を決定することが出来る”。

        つまりはこういう事だ。誰もギリシャをEUから追い出すことは出来ない。しかしながら、ギリシャが(または他のどの加盟国であれ)自国自身の決断でEU脱退を選択することは可能だし、もしそうするなら、ユーロ圏(通貨統合)からも離脱することになる。だが一体何の理由があってギリシャがそれを選ぶだろう? 彼らはそんな選択はしないだろう。金曜のロイターによれば、“金曜に行われた世論調査発表では、国民の半分近くが自国の債権者と政府との合意成立を好感し、4分の3がユーロ圏に留まることを望んだ”。

という訳で、ギリシャが金曜に期限を迎えた3億ユーロの債務返済を行わずしてユーロ圏に留まり続けたとしても、何の不思議も無い。


        海王星が天上でじっと立ち止まる時、その力は非常に強い。海王星が強力な時は、自分がどうすべきかを知る者など誰もいない。それはまるで、濃く立ちこめる霧の中で地点Aから地点Bに辿り着こうとするようなものだ。誰にも道は見えない。出来る事はただ、時が至った時点で、存在した筈の場所にまだ道がある事を願いながら霧が晴れるのを待つのみだ。そして、あなた ー またはあなたが抱えている主題 ー が、あまりに本来の道から外れてしまったなどということの無いよう、祈るしかない。

まぁここまで来たら、 *“ビッグバン・セオリー” でも鑑賞しつつ、少なくとも現況のバカバカしさを、そしてこの濃霧の中にあってもなおかつ指導者達が懸命に一連の金融政策の限界を拡げようとしている様子を眺めて楽しんでいる方が良いだろう。




*訳者の独り言
 
“ビッグバン・セオリー” とは通常、宇宙創成のビッグ・バン理論のことを言うが、ここではおそらく米国TVドラマ「ビッグバン・セオリー」を指していると思われる。これは日本のCATVでも「ビッグバンセオリー/ギークなボクらの恋愛法則」としてオンエアされたコメディで、IQ170以上を誇り、物理学や宇宙論の博士号を持つ「オタク」の若者達の日常を “論理的にイッちゃってる” 会話やふるまいを通して面白可笑しく描いたもの。また、最後の「一連の金融政策の限界を拡げる」という一節の原文は “push a string” だが、通常は “push on a string” で「自分に括り付けられた紐を引き寄せることは出来ても押しやることは出来ない」という意味になり、主に経済政策上の比喩的表現として使われる。一方で “string” は物質の基本単位に関わる「ひも理論(ストリング理論)」をも意味している。なので、TVドラマビッグバン・セオリーの主要キャラクターが専門とする分野がこの「ひも理論」であることからも、これはメリマン氏一流のウィット/言葉遊びが(あきれ顔と共に?)サクレツした.....と思われる。




訳文ここまで
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June 02, 2015

●6/3の満月 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180°対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのか を、あらためて見せてくれる鏡だと言えるかもしれません。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにそのテーマを消化、エネルギーはゆっくり静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで6月3日01:38前後、北海道周辺で01:44前後、関西方面は01:19頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で00:50前後に射手座11°49’で満月となります。

今回のベースとなる新月のテーマについてはココをご覧ください。

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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしてしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【月 射手座11°~12° + 太陽 双子座11°~12° 】
  "The lamp of physical enlightenment in the left temple" +
  "A new path of realism in experience"
「左の寺院に灯る現実的悟りのランプ」 +
   「経験の中に見出される現実主義の新しい道」 

  "A flag turns into an eagle that crows"
  "A topsy saucily asserting herself" +
「高らかに鳴く鷲に姿を変える旗」 +
  「生意気なほど断固とした自己主張をする黒人奴隷の少女」

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期6/3~6/15】
→★現実の出来事への感情移入を余儀なくされる
→★個としての感情、精神、肉体の赤裸々な現実に新しい光を当てる必要
→★思考に集中して肉体や物質的な現実を顧みない傾向
→★苦境にある者を思いやる気持ち
→★情念の嵐が明瞭な思考を妨げる危険
→★現実の痛みが幻想からの覚醒を促す
→★人生における突然の進路変更
→★自分が見知ってきた現実とは異なるバージョンの現実を知る
→★誇れる物事、または闘うべき相手を見つけて活性化する心理
→★些細なことに固執して大きな結果を呼び寄せる危険
→★無邪気な偏見に対処していくための意志
→★自分自身の人生を引き受けるために発する言葉の力、行動の力
→★法外な要求や無礼な言いがかりに冷徹に耳を澄まし、断固防衛する
→★先入観、偏見を捨てて率直かつ公平であろうとする
→★自分にとって真に正しい道を選択したと感じる歓び
→★目に見えないバリヤーを突破していく力・・→


エネルギーのポイント:『 濾過した末の内的真実を護る 』 

150603FM

        水星逆行に始まったこの新月期。急に暑くなったと思ったら火山が噴火したり地震があったり、いろんな事件が起きたり。世界の政治経済も、国内の社会的現実も、なんとなく落ち着かない感じです。そして今、その新月期の結実とも言える満月がやってきます。 今回の水星逆行は、いろんな意味で大きな経験をもたらした(またはその途上)ってひとも多いのではないでしょうか? わたし自身、通信やパソコン関係の小さな不具合からびっくりするような出来事まで、様々な出来事を通過中です。それに、終わってしまったはずの物事を回顧するような状況も…。これもまた、一皮むけるためのステップを昇る作業なのかもしれません。 ところで、前回 新月のポイントは 『譲れない一線を知る』 でした。 自分の中に見え隠れしてきた一筋の道。 「こうなんだ」って思ってきたこと。今回の満月は、それが果たして本物かどうか?のテストという側面もありそうです。

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        さて今回のサビアン・シンボルは、とても強い促し(というか、ひとによっては蹴りが入る感じかも…^_^;)と、目覚めへの呼びかけを意味する度数です。 月と太陽が取っていく基盤のエネルギー、「左の寺院に灯る現実的悟りのランプ」 と 「経験の中に見出される現実主義の新たな道」 の組み合わせについて、B・ボヴィは 『いつもの日常の中で半ばボーッとしながらいつもの部屋を歩いていたら、いきなりテーブルの角に足をぶつけ、あまりの痛さに「アッ」と叫ぶ。その叫び声と共に何かが喉を通り抜け、ひとは自分が今置かれている肉体と物質の総合的な現実に気付く』 という感じの説明をしています。 

ともすると、まるで 「今」 が永遠に続いていくような錯覚を起こして半分眠ってしまいがちなわたし達。 あるいは、何かが起きる前から居心地の良い 「今」 を失うのではないかと怖れたりするわたし達。 また、「現実なんて幻影に過ぎない…」なんて、哲学的 or スピリチュアルな概念で何かを納得しようとするわたし達。 きっと、刻々と変化して留まるところを知らない赤裸々なエネルギーから見れば、そのどれもが「思考の寝ぼけ」なのかもしれません。

ところで…左の寺院って何でしょう? 左が左脳なら、それは演繹的な思考や分析能力、また言語によるコミュニケーション・スキルにも関わります。けれど 「左の道」 と言うときは、右の「正道」に反する方向、または邪道、不謹慎な道、多くのひとが歩かない影の道を指します。また政治の世界で「左」と言えば、"基本的には" 国をより良くしていくための取り組み方として、保守派(右派)に対する革新勢力(左派)を意味します。 また「左」は女性性、受容能力、直観力を指す場合もあります。 では寺院は?  


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        サビアン・シンボルの創始者マーク・エドモンド・ジョーンズ、そしてその体系に手を入れて独自のコスモスを構築したデーン・ルージャーは、共に神智学徒でした。その神智学の流れをくむアグニ・ヨガでは、肉体を持たないグルのことばとして 『ハートは内的な寺院である』 と教えられています。 「Heart」とは、Soul/魂に繋がる道、「こころ」。 そして、ハート=心臓は自分から見て(通常は)左側に存在します。 うーん・・。ならばハートに灯る現実的な悟りって…… 思考を研ぎ澄まし、曇りなく覚醒した状態を通して "物質的な現実" を捉え、それを深く感じ取り、こころの視座を常に革新していくことなのかもしれません。 けどそれには、たとえ一時でも、人が行かない道、仄暗い影の道、そして誰のものでもない、自分ひとりの道を歩いて行く強さが必要になりそうです。

わたし達は、そんなにいつもいつもクリアな状態ではいられません。平穏な日常がいつまでも続くという心地良い夢の中で、眠っていたほうがラクなときだってあります。。 

それでも、ランプはいつもハートの内部を照らしています。そこには小さな炎がチラチラと燃えています。この火を絶やさずに歩いていきたい。何故なら、この小さな火こそがきっと本来の自分だから。「わたし」という感覚と、精神と、魂を貫いて存在する、ことばに表せないコアな部分だから…。 そして、思考の手が届かない一瞬の経験が起こります。それは「痛いっ!」かもしれないし、「嬉しいっ!」かもしれません。 そのとき、わたし達は瞬時に目を覚まし、意識しようとしまいと、小さな選択をします。 白か?黒か? Yesか? Noか? どっちに行くのか? それは目覚めたハートによる選択です。そして、ハートから喉へ。わたし達は、そのささやかな選択をことばに翻訳し、クリアに宣言し、「現実」とコミュニケートしていきます。 

本来の「現実」には右も左もない。右は左を含み、左は右と共に働いてる。「ハート」はそんな場所にこそ存在する。。でもココは2元の世界です。右があって左がある。上があって下がある。だから、わたし達は選択します。自分が行くべき新しい道を求めて。 だって、現実に歩き出すには一度体の均衡を崩し、どちらかの足を前に出さなければいけないもの。でも、こころの何処かではきっとわかっているんです。その道は、実は本当の 「ど真ん中」 を 目指しているんだって…。


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        さて、わたし達は何かに促されて(どつかれて?)余計なものをいったんハラリとそぎ落とし、歩き出します。だけどそれにはちょっとしたエネルギーが必要です。そして、胸を張れるだけの自信も。ここで月は 「高らかに鳴く鷲に姿を変える旗」 のエネルギーをとっていきます。 「旗」 は国家、組織、またはグループの存在や理念を示す静的な象徴です。 また、暗黙の内に何かを誰かに伝えるためにも使われます。それが生命を得て高らかに鳴く鷲に変わるということは、ひっそりとした主張が能動的な宣言、または自己主張に変わるということです。 鷲はプライド、捕食者、強さの象徴。 また米国を象徴する鳥でもあることから、このシンボルは米国旗が生命を吹き込まれて白頭鷲に変化し、誇り高く、あるいは尊大さを示しつつ声をあげるというイメージなのかもしれません。発することばには力がこもり、コミュニケーションは影響力を持ち始めます。そこには光と影の両方が宿っています。

ここで太陽が取るエネルギーは双子座12° 「生意気なほど断固とした自己主張をする黒人奴隷の少女」 。 原文の "topsy" は、1852年に出版されたストウ夫人の有名な小説 『アンクル・トムの小屋』 に出て来る黒人少女の名前から来ています。 この物語は、どんなに虐げられてもひたすら自分の良心に従って生きた "トム" という黒人奴隷を中心とした長編小説です。またこの小説は、当時の奴隷解放論議を燃え上がらせ、南北戦争への引き金となったとも言われています。 宗教的理想と良心的な生き方を問う "ことばの力" は、当時多くの人々のこころを深く動かしたのでしょう(それによって脅かされた奴隷制度維持派の人々からは強烈な批判を受けたそうですが)。。 

この物語の1キャラクターである 「トプシー」は、虐待を受けてきたこころの傷と根強い不信感を抱え、嘘をついたり物を盗ったり、主人の側からは非常に反抗的と見られるような少女でした。 『お前は元々どこの者だ?』 と聞かれ、『わたしはどこの者でもありません。ひとりで大きくなったんです』 と答えたトプシー。 当時の雰囲気は現代日本の片隅に住むわたしの想像を超えるけど、きっと彼女を "買った" 主人はその返答に 『なんて生意気な!奴隷の分際で…』 と目を剥いて怒ったことでしょう。それは命がけの挑戦にも見えるけれど、アンクル・トムのような信念に裏付けられた言動ではなかったと思います。

英語で "topsy-turvy" と言えば、滅茶苦茶になること、上下逆さまなこと、大混乱状態を意味します。 トプシーの傷付いたこころは物語の中で救われたとはいえ、幼い頃から奴隷として虐待されてきた彼女を単に「自分を主張する勇気ある少女」と見てしまうとすれば、それは今の時代を生きるわたし達の浅さなのかもしれません。彼女の中には感情的に溜まりに溜まった澱のようなものが存在するはずです。


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        こうして一世を風靡した物語 『アンクル・トムの小屋』 ですが、 1960年代の米国で公民権運動が起きてからというもの、ブラック・アメリカンにとっての 「アンクル・トム」 という名は、奴隷解放の象徴から「白人に媚びを売る卑屈な黒人」を表す侮蔑のことばとなってしまったそうです。何故なら、トムは立ち上がらなかったから。こぶしを挙げて闘わなかったから。 白人達に従順なまま殺されていったから…。

        米国で公民権法が成立し、法的な人種差別が終わった1960年代半ばは、天王星・冥王星コンジャンクションの時代でした。 そして今、天王星・冥王星スクエアが終わり、そのエネルギーが現実となって孵化する時期が始まっています。 このところ米国では警官による黒人青年の射殺事件が多発するなど人種問題が再燃し、抗議運動や暴動のニュースが流れることが多くなりました。 『アンクル・トム』 の物語が内包していた問題 ー 人種差別、宗教的善悪二元論 ー はとても根深く、今後、米国という国の根幹を "topsy-turvy" にするほどの潜在力を秘めているのではないかと想います。そこには長い時を経て相互に醸成されてきた強い不信感が存在しているように見えます。 そして社会に根強い不信感が存在するとき、対立する者の間に建設的な対話が生まれることは殆ど不可能です。 けれど、これは米国に限ったことではありません。そしてもちろん、わたし達個人と個人の間にも同じことが言えます。

        鷲が高々と声をあげて鳴く…"an eagle crows"。 この "crow" には自慢する、得意になる、勝ち誇る、大言壮語する…なんて意味もあるそうです。わたし達が鷲のように声を上げるとき、それはもしかしたら、単に無邪気な自慢かもしれませんん。あるいは強い立場に立った上でのごり押しの要求かもしれません。または高邁な理想や素晴らしい救済計画のアジテーションかもしれないし、もしかしたらすでに傷だらけのこころを隠し、傲然とふるまっているだけかもしれません。 けどその姿には 「我が想いこそが世界の全て」 なんて、一種の万能感さえ漂って見える可能性があります。 そしてそんな自分を見つめている誰かの不信に満ちた眼差しは、堂々たる鷲の姿に隠された、柔らかいこころには届かないかもしれません。


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        うーん… でもそれなら自分が受け入れがたい物事を提示されたとき、いったいどう対処すればいいんだろう?  

鷲は強靱な猛禽類です。誇り高い王者の風格があります。でも、けっして不死身じゃありません。 旗は象徴としてのゆるぎない永遠性を持っていたけれど、鷲になった旗は生物になりました。彼は強い能動性と同時に、だからこその弱さもまた持つようになります。彼は傷付き、そして血を流す経験を手に入れるんですね。

何かを選択し、何かを自分のものにしようとするとき、それに向かって手を伸ばし、それは自分の道だと宣言しなければならない局面が人生にはあります。たとえこれまで平穏だった環境を乱すようなことになったとしても。 あちこちから矢が飛んできたとしても。 

双子座・射手座軸の第2ディーカンに入るこのあたりの度数には、経験の中で常に黒白を分けながら選択し、周囲を波立たせ、それによって思考を活性化していくような動きが出て来ます。活性化した思考は雄弁にドラマを語り、やがてそのドラマは周囲のこころを巻き込み拡がっていくかもしれません。その雄弁さは、傷付いた自分という現実を見据えた上での、フレキシブルな武器となっていくでしょうか? それとも、ど真ん中に在り続ける問題を覆い尽くす、果てしないドラマへの逃走が始まるのでしょうか?


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        もし周囲との間に不信感が横たわっているとしたら、それを一朝一夕に変えていくのは難しいでしょう。けれど、このエネルギーはたとえ一時期バランスを崩したとしても、進んで行くよう促してきます。わたし達が鷲であれ、鷲に狙われる小動物であれ、あくまで自分がこれと信じた道を行け、とばかりに押してきます。 

なので、ひとによっては過去に生じ、そのままずっと解くことのできなかった問題が浮かび上がってくるかもしれません。それは誰かのアイデンティティに関わってくる問題かもしれないし、共依存のような関係をどうすべきかという問題かもしれません。あるいは、思いも寄らない事実が判明するのかもしれません。 けどいずれにしても、何かが明るみに出るならその方が良い時期です。

ただ……もし本当に信じた道を行こうとするなら。 裸になるのを怖れないこと。 けっして 押し付けず、言いなりにならず、毅然としていること。 自ら創り出したドラマや共同創造した罪悪感に取り込まれないこと。 嘘をつかないこと。 ハートを開いて、伝え続けること。  鷲の誇らしい姿の影に見え隠れする弱さをきちんと理解しておくこと。 そして、一番大切なものだけを携えてこの2元世界の境界線に立ち、いつもそこから現実を見渡し、あえて黒白2元のシーソーゲームに参加していくこと。  その途上でもし援助の手が差し伸べられたなら、こころからの感謝と笑顔で乗ってみること。。 うん、そんなの言うほど簡単じゃないかもしれない。けどちょっとでも、そんな心構えを持てたなら……ちょっぴり世界を変えられるかもしれない。 自分の内側に映る荒野が、いつか鷲の舞う雄大な自由の野になっていくかもしれないから……!


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        満月図をみると、月と太陽の軸は恒星アンタレスとアルデバラン軸の勢力圏内にあります。 この恒星軸もまた、くっきりとした2元性の特質をこの満月に与えてきます。まるで、巷に溢れる情報戦の中で起きてくるサバイバル劇を象徴するかのように。 身近な環境の中でもみんなの気分は変わりやすく、いろんな感情が掘り起こされそう。

また、この満月は海王星とスクエアを形成しています。これ、一昨日(だっけか?)ツイートしたメリマン・コラムの要約でも触れられていました。最善の形で使えれば、自分本来の夢や理想を思い描き、それを導きとして見えない壁を突破していくことが出来るでしょう。海王星は逆行の水星とコンジャンクトするアスボルスと折り合いをつけながら、フィーリング+体感を通して働くナビシステムになってくれそうです。 けれど、欺瞞や自己憐憫、あらゆるカタチの逃避行動や依存症への誘惑が、無意識領域から囁きかけてくる時期でもあります。それに絡め取られたら厄介そう。。 自分本来の立ち位置を見失い、内部で行き場を失ったエネルギーが暴走する…なんてことも起き得ます。 それは内に向かえば果てしない罪悪感や挫折感となり、外の世界に向かえば、仮想敵をみつけて徹底的に叩くような行為として顕れます。スクエアの海王星は、不信感の女王様でもあるんですね。。


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        本当に、今回の満月図には2元世界特有の果てしない闘いが浮き彫りになっている気がします。地平線にかかる、牡羊座・天秤座の月のノード軸しかり、このところずっと発効してる、山羊座の冥王星と蟹座のキラルス(無謀さ、無意味な喪失の怖れ、突然断ち切られる若さ/いのち/甘さ)しかり。 火星の位置からすると、これはセクシャルな側面での闘争に結び付く可能性もあります。(どうせなら奪い合うのではなく、"与え合う性の実験" 的な感覚にもっていければいいけれど…あ、でもその可能性はあるかな。。 火星に対向するグレート・アトラクターは、わたし達が持つ 「他者とひとつになりたい」 という欲望を密やかに刺激してきます。(反感や反撥も同時に起きる可能性があるけど)もしガッツ・レベルでOKを出せるなら、いってみるしかないかも?...^_^;)

ふぅ。。 もし海王星のやるせない圧力に負けて逃避したくなったら、思い切って休みを取り、目に染みる緑の森に入って木々の持つ強力なヒーリング・エナジーを受けるのが一番いいかもしれません。いやマジで。
 
待った無しの現実。強風が吹き荒れ、波立つ水面。その水底深く沈んでいるハートの寺院。。 そこに燃える小さな炎を見つけ出し、大切に癒やしていくこと…。 この賑やかな満月図にひそむ隠された意図って、実はそのあたりにあるのかもしれません。


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       6月。 社会的にもまだまだ様々なことが起きそうな今年後半に向かい、わたし達は歩き出しました。天王星・冥王星スクエアをリアルタイムで経験していたときより、感覚的な負荷はこれからの方が高いかもしれません。 でも、わたし達は階段を昇ってきたんです。たとえ自分では転がり落ちたように思えても。たとえ自分では頂点に登り詰めたように思えても。線路はまだまだ続きます。 

今、ここにいるのはひとりぼっちの "わたし" かもしれないし、もしかすると隣には誰かが座っているのかもしれない。この人生で出会うひと達は、ひととき同じ列車に乗り合わせ、同じ景色を眺め、駅弁を分け合ったり、笑ったり泣いたり怒ったりしながら… やがてみんな、それぞれに選んだ駅で降りていきます。 魂としてのわたし達はみな、一人旅。 けど、だからこそ。 今、わたし達が互いに目にしているこの情景は、この瞬間、唯一無二の宇宙です。それって、本当に掛け替えのない祝福ではないでしょうか? たとえ今がどんなに辛かったとしても。


今夜遅く、わたし達はそれぞれの道の途上で立ち止まり、ファ~って息をつきます。そして、様々に交差しながら拡がる宇宙の今を眺めるでしょう。 けどその視線はいつだってわたし達の内奥、どこか果てしなく遠いところからやって来る。。 

きっと今を生きてるって、そういうことかもしれないな...。


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<MEMO>
水星順行開始:6月12日 前後のストーム・フェーズに注意
いろんな意味で要注意日:6月14日前後数日間
太陽・火星コンジャンクト:6月15日0:26ごろ
逆行の土星が蠍座入り:6月15日午前中
6月16日23:05ごろ 双子座の新月
6月27日 水星シャドウ抜け


have a great trek!!!★

hiyoka(^_^