November 2016

November 28, 2016

○11/29の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
    例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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新月タイムスケジュール
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで  11月29日21:36前後、北海道周辺で  21:45前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は21:17前後、沖縄周辺では20:48前後に射手座 07°42’で新月となります。


前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマ 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 射手座7°~8°ー 発効期:11/29~12/29 】

  "Cupid knocking at the door"
『ドアをノックするキューピッド』

  "Rocks and things forming therein"
『生成される岩とその他の物質』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★ずっと前から底に存在していた何かが再び浮上して価値を示す
→★感情の渇きを癒やしてくれるものへの抗いがたい強い欲求
→★目先だけの物事、底の浅い楽しみの中で深まる孤独感
→★受けた刺激に対してよく考えず反射的に行動/反応することの危険
→★内側から抗しがたく湧いてくる論理付け不可能なエネルギー
→★現状の変化に全力で抵抗し「今」または
    既得権を失うまいとする気持ちにひそむ貪欲さ
→★『愛』とはいったい何か?という観念について新しい光を当てる必要
→★怖れの中で最も安全そうな道を選ぶか、信じる道を自分の責任で選ぶかの選択
→★突然展開する圧倒的な物事への驚き/ショックによって前進する
→★気付かない内に奥底でフツフツと煮えたぎってきたエネルギーが
             臨界点に達し、創造性 or 破壊性 or その両面において働く
→★社会的な構造を通し自分で自分にかけてきたプレッシャーに気付く
→★板挟みの苦境を巧みで革新的な方法を通して最善のゴールに結び付ける
→★単なる利害関係や立場上の問題を超えたコミュニケーションを図る必要
→★全ての問題の底辺に共通して存在する人間ならではの矛盾に光を当てる
→★全体の移行期にあって、依存的な感情と思考を完全な自立へと向かわせる必要
→★それぞれの道において促される大きな変容を受け入れて進む・・・→

エネルギーのポイント:『まだ見ぬ未来を感知する新たな視座の胎動』

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        もうあとちょっとで12月。空気がしんと冷たくなり、少しずつ冬の匂いが濃くなってきたような。そんな中、福島県沖でM7.4の地震と津波が起こり、そして観測史上初の11月の積雪。大きな驚きや小さな驚きが続く今日この頃です。相変わらず毎日いろんなニュースが流れ、現在進行形の様々な体験の中に居る沢山のわたし達。地球のあちこちから、あらゆるこころ模様が放射され、空間に響くおしゃべりの種は尽きません。 でも…わたし達が毎日を暮らしているこの世界、この大地、この空間の何かが、ひょっとしていつのまにか…音もたてずにもっともっとずっと凄い勢いで変化してるような? ムーン・ウォブルの新月を目前に、そんな感覚に陥りながらこれを書いています。


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★11月新月の星模様


        で、ムーン・ウォブルって何? それは米国の著名なアストロロジャー、故カール・ペイン・トビーの膨大な研究によって発見された特異アスペクトです。元々は長年の自然災害の研究結果から導き出されたもので、月のノード軸と太陽がTスクエアになるフォーメーションのこと。干ばつや洪水などの異常気象や異常気温、地震、火山噴火、山火事などとの相関関係を見ると、一番はやはり日蝕や月蝕などの「蝕」だったそうです。けれど、それと共に相関の確率が高かったのがこのTスクエアで、彼はそれをムーン・ウォブル(震える月、不安定な月)と名付けました。

蝕は月の一方のノードにコンジャンクションの範囲で起きる新月や満月を言います。ムーン・ウォブルはノードにTスクエアを形成する太陽を言うのだけど、今回は月も一緒の新月。なのでフォースは強いかもしれません。このアスペクトは前後約10日間のオーブを持つので、先日の福島沖の地震や異常寒気の訪れも、おそらく関わりがあるんじゃないかな。 ちなみに最初に揺れた22日午前5時59分震源地のイベントチャートでは、MCに月が乗り、オルクスとコンジャンクト中の月のノースノードにおよそ3°のオーブでコンジャンクション、対向にサウスノードと海王星。そして小惑星ジュノーとスクエア(ジュノーも地震チャートにはよく出て来ますね)。太陽はまさに射手座入り寸前の蠍座29°59'のクリティカル度数でした。これで今回放出すべきエネルギーが健全に消費(というのか…)され尽くしているといいけれど、日本を含めた環太平洋地域も、まだもう少し用心が必要かもしれません。


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  ただ、ムーン・ウォブルは自然災害だけに影響するわけではありません。わたし達のこころにも大きな影響を及ぼします。震える月、不安定な月という名称どおり、何か強烈な感情を引き起こすトリガーになり得るんですね。ムーン・ウォブルの影響下で何かに深くこころ動かされるときは、感動、慈愛、癒し…などと、ことばで簡単に言えてしまうような感じではないかもしれません。何とも言えない深い部分に触れてくるような。。「ことばになんかならない。でも、こころが確かに揺れている。何だろうこの気持ち…」そんな感じでしょうか。 これは「生きる」という事実がその深みに抱く、それぞれの「抽象」に触れてくるからかな。うーん、うまく表現出来ないけど、そんな気がします。

ムーン・ウォブルの影響下で愛や感動を経験出来るなら、それはとても幸福なことです。だから大切にそっと扱うのが一番いいかも。理解あるひとと分かち合うもヨシ、ひとりそっと胸の奥にしまうのもヨシ。何かを創造するのに使うのもヨシ。何故ならその、ピュアな感覚はこれからずっと先までの栄養になるから。

けど、その「こころ動かされる感覚」をあまりに具体的・即物的に受け取りすぎると、幻想、幻覚、誤解、狂信の領域に入ってしまう怖れもあります。また、このエネルギーに触れて感覚が全方向的に引っ張られ、なんとなくボーッとしてしまうひと、感情的に身動きが取れない感じがするひともいると思います。そんなときは無理をしないで、なるべくこころと身体を休ませてね。ミスや事故にも気を付けて、運転や危険な作業は慎重に、気を引き締めていきましょう。


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  また、その領域を過ぎてもっとネガティブに影響すると、かなり強烈な破壊衝動を感じることもあります。なので怒りやストレスを溜めているひとは、ちと用心。感情の潮位がぐんぐん上がって津波を起こす前に「おっと!」と気付けるといいな。 また、近しいひとでこころ乱れやすいひとがいたら、気を付けてあげましょう。牡羊座の天王星、エリス、そして小惑星セレスはいまだコンジャンクト中で、何かあれば一騒動起こす気満々(それがアイデンティティの証明だ!とでも言うように)。 この組み合わせはセレスのダークサイド(何かを奪われる怖れと怒り)を引き出しやすいとも言われます。

また、金星も天王星とはスクエア。ことばの使い方の失敗やミスが起きやすい度数だけど、狙いを定めさえすれば集中力は使えるはず。 それに、金星とカイロンはセクスタイルを形成しています。みんなそれぞれ思いや意見は違って当たり前。それでOK。でも、ひととしての究極のゴールを見れば、そこに共通点はあるんじゃないかな。。参加するにしろ、そっと立ち去るにしろ、そんな大きな部分にまっすぐ視点を定めていくといいかもしれません。 

そうそう、エリスと天王星といえば、ヘリオセントリックでは12月4日~9日前後に、わたし達の生涯でたった一度のコンジャンクションがあります。これは来年3月に起きるジオセントリックでの最後のコンジャンクションを前にして「人としての新しいアイデンティティと変容を求める」というテーマをこころの浅瀬から深層意識〜無意識レベルまで一層浸透させる働きがあるのではないでしょうか。 それは今、世界中で多様な動揺を見せる集合的な潜在意識にも深く作用しそうな気がします。電脳世界が日常になったわたし達は、これから先いったい何処に向かうのか?  そんな視点を頭の片隅に留めて、世の中を、自分を、眺めてみるのもいいんじゃないかな。おりしも12月2日からは、水星が逆行前のシャドウ・フェーズ入りだし、"観察するこころ" は大事かも。。 (水星逆行は12月19日〜来年1月8日


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        そして。月のノード軸とTスクエアになる新月のもうひとつの側面に、「やり残したことのテスト」というのがあります。これはエボリューショナリー・アストロロジーの大御所、故ジェフリーW.グリーンのテクニック。 どういうことかというと、うーん…例えば階段を一段ずつ昇ってきたとします。で、ちょうど曲がり角の踊り場に差しかかり、そこから上の一段は何故か二段分の高さがある…そんな感じ。そこから先へ進むには、その高い段を上らないといけない。でもそんな高さの段を越えるなんてこと、慣れてない。人生設計の何処かで、一段飛ばして進んで来てしまったのかもしれない。けど、今こそ乗り越えなくちゃ。

この新月は小惑星ジュノー(また出た!)とぴたりコンジャンクトしています。そして近くには蠍の毒針、恒星アンタレス。そのテーマはサビアンシンボルで読み解くとして、ムーン・ウォブル&階段越えにジュノーだのアンタレスだのが寄り添っているってことは… ちと棘が出そうな? やはりパートナー関係に要注意かな。家庭、恋愛、仕事…いろんな場の近しい人間関係の中で、内にこもってしまった怒りを抱えているひとがいたら、それに光をあてるチャンス…または、直面するような体験があるかも?

それは力のせめぎ合い(家庭内権力も含めて)かもしれないし、互いの誠実さに関することかもしれません。妥協を強いられることにフラストレーションが溜まり、爆発寸前のひとがいるかもしれないし、いつのまにかがんじがらめになって、自分らしさや情熱を失いかけているのかもしれません。反対に、積み重なった全てのフラストレーションが、自覚を持てないままに尊大さやワガママ、支配的態度に表れているようなケースも考えられます。 ジュノーの怒りは深いものがあります。その原因は誰がどうしたとか何を言ったとか、目に見えるもの、理屈付けしやすいものだけではなさそうです。例えば相手の中に自分の中の一番イヤなところ、見たくない部分を強烈に見てしまう… そんな種類の怒りとか。。(これには木星・冥王星・ケンタウルス族のエケクルスTのスクエアも作用してそう…)  


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  でも、だからこそ。何か小さなことでもいい、ふとした発見があったなら、それを自分の中でもっと深く探求してみて。 今までけっして口に出来なかった、自分の本当のこころ。本当のニーズ。真底の欲望はいったい何だったのか? 自分が感じる汚さや醜さ、みっともなさとはいったい何なのか? 何処から来るのか?  たぶん、乗り越えなくてはならない初体験の高い階段は、自分の内側の…そこらあたりに立ちはだかっているかもしれません。

アストロロジャー、セレステ・ティールは「ムーン・ウォブルの発効期に人生の大切な決断をしないように」と警告していました。これは、売り言葉に買い言葉で後悔先に立たずにならないよう、この新月期は慎重にいこうねってこと。 でも、変容のエネルギーはこれからどんどんやって来ます。偽の思い込みで行動するのは本当に危険。衝動的な言動によって意図せぬストリーキングを演じてしまうのも、結局は自分自身を傷つけることになります。

けど、何かに気付くなら今かもしれない。少なくとも、その一歩が始まろうとしています。すぐにパパッと解決出来るような物事は少ないでしょう。でも、新しい道を探り始めるなら今しかないかもしれません。深く、もっと深く。 これは良くも悪くも激しさを持つエネルギーです。けど、そのことに気付いてさえいれば、そして半歩でも進むきっかけにしよう♪という意図さえ失わずにいれば、きっと何があろうとこころの豊かさを失わずにいられるはず。そして、それにはまず、自分自身に向かって とてつもなく正直になることが必要なのだと思います。


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        最後に。今、水星は銀河中心(射手座27°台)に向かって進行中。その近辺にはケンタウルス族のフォルス(過去の小さな出来事が突然大きな出来事として噴出する)が在泊中です。 それに加えてここしばらくの間、月のサウスノードには魚座の海王星が、ノースノードには乙女座オルクスがそれぞれコンジャンクトし続けてきました。 そして過去の嘘や秘密、誤魔化してきたことが明るみに出る(海王星とサウスノード)ようなことが沢山起きています。ノースノードと冥界の渡し守/冥王星族のオルクス(即座にふさわしい結末を!)のコンビは、嘘がバレたり誠実でない存在にはとても懲罰的なエネルギーを放射します。「ここで一回クリアボタンを押して、綺麗になって出直そうぜ!」とでも言うように。。 けれど、海王星が関わるってことは、「事実」が「拡散」していくとき、全ての真実が明るみに出るわけではないことも示唆しています。そして、それが早のみこみや思い込み、フラストレーションのはけ口としての過剰な「叩き」と辛辣さに発展しやすいことも。

試されているのは「悪いことをした」とされる存在だけではありません。それを裁こうとするとき、わたし達自身もまた星々から試されています。「小さな事が積もって突然大きな事として噴出する」…まるで火山が突然噴火するように。 わたし達の日常にひそむ小さな摩擦と矛盾が、あるとき突然頭をもたげ、結果を突き付けてくることもありそう。 銀河中心に口を開ける巨大ブラックホール。その影響範囲に近付いていくフォルスと水星は、自分の中の「正義」を、より大きな目線でもう一度よく吟味してみることを薦めているのではないでしょうか。 

それでも、ここにはもうひとつの可能性だってあります。 これまでの色んな体験の記憶がはるかな宇宙の引力によって攪拌され、あるとき、それが思考の中で一辺に化学変化を起こす。ささやかな爆発。。 降ってくる突然のひらめき。。  すかさずキャッチしたら、どんなことでもOK。メモして温めておいて!(^_^


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        …そして、土星がこれからゆっくりと銀河中心に向かって行きます。  実際に土星が銀河中心にコンジャンクトするのは来年3月と11月です。けど銀河アストロロジャーの P.セジウィックによれば、その前にこれからいくつものブラックホールを通っていくのだそう。ホロスコープで見る銀河中心の周辺って、地球に生きるわたし達から見ると、銀河の腕を通してその中心を見る方向なんですね。なのでこのあたりは沢山のブラックホールが存在する、ホロスコープのいわば特異領域。 おそらく個人惑星と外惑星の境目でもある巨大惑星、土星(それに木星)が、一番このエネルギーの影響を溜め込み、放射していく器になるのかもしれません。そしてこれもまた、時代の変わり目を生きるわたし達に根底からの変容を迫るエネルギーになっていくと思います。銀河中心が位置する射手座27°~28°のサビアンシンボルは 「一度象徴的に死んで橋を渡り、生まれ変わる人生」という意味を持っているのだから。。。

でも、ブラックホールは物質を吐き出したりはしません。そこから何か具体的な物事をダイレクトに期待しても、たぶん何も知覚出来ないかもしれない…P.セジウィックはそう言っていました。うん、確かにそうかも。。 多分それは、地球を生きるわたし達にとって当座は「抽象」としてしか感じられない類のエネルギーです。けど土星だって夢を見るんです。それが、固い殻の中に眠る「抽象」。あるいは水瓶座の支配星としても働く、土星のもうひとつの顔。 だから土星は確かにそのフォースを受け取るでしょう。そしていつか、今のわたし達には考えられないような「構造」が生まれてくるかもしれません。新しい時代を創っていくために。わたし達が世界と自分の変容を受け入れ、視点が変化していったその先に。。。


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★11月新月のサビアンシンボル

        ではでは、新月のシンボルをざっと見てみましょう。まず新月がベースとして取っていくのは、射手座7°『ドアをノックするキューピッド』。キューピッドと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、ヴァレンタインデーのカードに描かれている天使みたいな姿かな? 小さな羽をはやし、恋の弓矢をつがえた愛らしい姿。。 それはバラ色の恋愛成就のシンボル。 けど昔から「恋は気まぐれ」「恋は盲目」とか、理屈の通じない厄介ごとのように言われたりもしますよね。

B.ボヴィはこのシンボルを、「呼び覚まされる欲望」のイメージと言っていました。そう、確かにこのシンボルはそんなバイブレーションを持っています。欲望とは激しく何かを追い求めるこころ。これは恋愛だけとは限りません。また、キューピッドの矢には金のヤジリと鉛のヤジリの2種類あって、金のヤジリで刺されたこころは激しい恋に狂い、鉛のヤジリで射抜かれたこころは強い恐怖におののいて、何者をも拒むようになるのだそうです。

  このシンボルで「ドア」が象徴するのは、わたし達の内部と外部をへだてる壁に開いたゲートです。内界への入り口、または外界への出口。。 そのドアを今、キューピッドがトントンとノックしています。さぁノックに応えてドアを開け、彼を招き入れたわたし達は… たちまちその矢に射抜かれて、うっとりと夢見心地になってしまうのでしょうか? …それとも? 


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  キューピッドはいたずら好きで有名です。彼が気まぐれに放った矢は、何処の誰に当たるかわかりません。神話では、誰かの欲望を満たすために射られるときもあれば、報復のために放たれるときもあります。そして射手座第1ディーカンのキューピッドは豪腕ですw。 開いたドアから放たれた矢は、幾層にも折り重なったわたし達の感情のヒダを攪拌しながら、どこまでも奥深く突き進んでいきます。

彼の矢が射抜こうとする的は、わたし達の底深い欲望です。蠍座から出て来たばかりのわたし達が抱く、まだ冷め切らぬ熱くて底知れない欲望。その的に届くまで、キューピッドの矢がその勢いを失うことはないでしょう。こうして解き放たれた欲望は、もしそこに制御する「主」がいなければ、蓋の開いたパンドラの箱みたいなもの。何が飛び出すかわからない。いえ、あらゆるものが噴出してくるかもしれない。四方八方、何かを求めて。または一直線に、自分にとって足りないと感じる何かに、誰かに向かって。それは何? それは誰? 

  もしかしたらそれは…名付けようもない、いのちの泉。わたし達を今、生かしているとてつもない源泉の力。 でもそれは、神々には見えても人間には見えない。何故なら、わたし達はそのものだから。それがわたし達の名を借りて生きているのだから。。。

ドアをノックするキューピッドは、わたし達のこころの井戸に矢を射ってきます。そしてそこから、様々なドラマが始まります。けれどドアを開けてキューピッドを迎え入れたわたし達の思考は、波立つ感情と入れ替わりにドアから外へ出て行くかもしれません。金の矢の渇きに飢えて、癒しの水を探す旅に出たり。鉛の矢がもたらす怖れにおののいて、防御の舌戦を繰り広げたり。神話の神々は肩をすくめながら、そんなわたし達を見物しているのかもしれません。でも。ドラマを創るのはわたし達。キューピッドのもたらす刺激の矢を、それと知って招き入れるなら。彼とともに、自分の深奥に茫々とひろがるいのちの水が見えるまで。疲れて醒めた身体に熱が蘇るまで。まっしぐらに、進んでみる。 このシンボルはそんな激しさを秘めながら、日々のドラマを生きるわたし達の、「自分の主」としての覚悟を問いかけているのかもしれません。


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        さて、新月がメインで取っていくシンボルは、射手座8°『生成される岩とその他の物質』です。前の度数とうって変わって、コチコチと固いイメージかな。でもB.ボヴィはこのイメージを「地球誕生直後の時代に見られる内的創造のフォース」なんて呼んでいました。これはすごくダイナミックな力です。わたし達の足下、目に見えない大地の直下は、はるか太古の地球という炉 ― 煮えたぎる大釜 ― の中で創造され、あるいは今も創造され続けている様々な物質 ― 鉱物、原油、水、ダイヤモンド、そして無数の岩など…わたし達人間社会の営みを支える重要な資源の宝庫です。そのフォース、熱や圧力がどれほど凄まじいものかを、わたし達は火山噴火や地震を通していやというほど思い知らされます。あらゆる生命を乗せ、種と文明の興亡を見届けながら今も生き続ける地球。本当に奇蹟のような惑星だと思います。。

また、B.ボヴィはこのシンボルに出て来ることば「things」は、「物質でもあり非物質でもあり得る」ことを指摘していました。「thing」と「think」には言語学的に非常に近しい関係があるのだそうです。つまりこのイメージは、わたし達の内部で「思考」が生成されるときに働く内圧や外圧の創造的フォースを語っていることになります。ん、じゃ、もしかすると「rock」は…? これも動詞として見ると「揺れ動く」「動揺させる」「感動させる」という意味を持ちます。音楽の「ロック」もそのあたりから来ていると言われますが、本当はセックスを意味するスラングから来ているとも聞きました。…ってことは、欲望の内圧ってことか。。 また同じ「rock」でも名詞なら、岩のイメージそのままに「堅固なもの」とか「揺るぎないもの」を意味します。面白いですね。。

ところで…自分らしく生きる。自分を貫く。わたし達はけっこう気軽にそんなことばを使います。その「自分」って何なんだろう? 実は外圧の盾として築きあげた高い壁のこと? それとも内なる暴走の圧力を抑えるためにぶ厚くなっていった岩盤? もしかするとわたし達って、抵抗と摩擦とそこから生まれる力が服着て歩いてるようなものだったりして(^_^;。


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        わたし達は今も一瞬一瞬、外界から刺激を受け、その圧力をパルス/振動に変換しつつ思考を生成しています。 蓄積した記憶、それにともなう多様な感情、そして欲望。そんな内圧と外圧のバランスを取りながら、わたし達は毎日毎日、そして今も、この複雑な思いを生成し続けてる...。ときどきアサッテの方角に逸れながら、それでも健気に想いという非物質を創造し続け、それをリソースとして明日に向かい生き続けてる。そう考えると、ひとりひとりが奇蹟の星、地球の写し絵のようにも思えてきます。

ならば地球と同じように、わたし達にもカタルシスの時が訪れるでしょう。それは必要だから起きてくる。思いが、熱が、情動のエネルギーが臨界点を超えたとき。内的バランスをコントロールする理性がまるで岩のように固く弾力を失って、そのままではこれ以上の成長が望めなくなったとき。自分の内部の、固い岩盤を突き破る必要があるとき。そして、キューピッドの矢がわたし達のいのちの井戸に達し、その深奥を射抜いたとき。

  噴火、爆発、津波、洪水、地震、隕石の衝突… 四大の乱舞。地球はその誕生以来、無数のカタルシスを経験してきました。その時々の経験は、長い刻を経て地層となり、豊富な資源を生み出し、地球の年輪と成熟の印になっていきます。そして新しいサイクルに入り、新しい活動を始めます。ゆっくり変容しながら。地球はそれを知っている。 きっとわたし達も同じかもしれない。どんなカタルシスも変容と前進のために起きる。それを "知っている" こと。そして進むこと。 もしかしたら、それが地球に生きることのアルケミーであり、マジックなのかもしれません。


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        少し前に、こんなツイートをしました。『…今後しばらくの間、それぞれの心にとって大事な時期になりそう。分かれ道的な。もう一度「わたしって何だったっけ?」と問い直すような』

『ルビコン川を渡るという表現があるけど。見えない、気付かないうちにそんな川を渡るひともいると思う。少しずつ、別れていく。だから自分が選んで舵をとる。目の前の光景や音やことばの触手に絡め取られずに。もう一度、目を見開いて。夢見が何かを教えてくれることも。感情で受け取らないこと、大事』

少しずつ、気付かないうちに、分かれていくこと。これはいわゆる「世界は分断している」とか「右派と左派のあつれき」ということとは少し違ったニュアンスのような気がします。もちろん、現象的にはそういうことが起きています。人生の中で、これまで共に過ごしてきた「何か」からの別れを選択するひともいるでしょう。新たな出逢いのために。

でも、それはひょっとしたら大海原の表面に立つ白波みたいなものかもしれません。もっと目に見えない深い領域で、わたし達ひとりひとりが生きる胎内宇宙の中で、その変化は起きてくるし、今、起き始めているのだと思います。 それは...物質と非物質の繋ぎ目に存在する、わたし達それぞれの "ルーツ" に関わる何か。知らずにそれを辿っていくうちに起きてくる「ヒト」としての構造変化みたいな...ものかも。たとえ今、同じ空間に存在し、同じ食卓を囲んでいたとしても。分かれていく。けどそれは寂しいことでも悲しいことでもない。もしかしたら、出会い直すことかも?

面白い時代だと思います。 夢のない時代なんて言われるし、そうかもしれない。でも別のところに新しい夢を見出す可能性はある。。 大変だし、しんどいことも本当に多いのだけど…けど面白い。

そんな時代を生きる戦士サン達が、ムーン・ウォブルの新月期に沢山の感動とロケンロール♪を味わえますように…!




have a great trek!!!★

hiyoka(^_^


hiyoka_blue at 20:30|PermalinkComments(8)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

November 20, 2016

レイモンド・メリマン 週間コメント11/21【金融アストロロジー】

今回のコラムは ≪先週をふり返って≫ を割愛し、≪短期ジオコズミクスと長期的考察≫ のみとさせて頂きます。

来週のコラムは都合によりお休みさせて頂きます。
m(_"_)m


http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2016年11月21日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

“「白人男性特権」という概念について考えてみるといい。それが何を意味するものかはわかる。富裕層の白人 学生には多くのコネがあり、投資のチャンスにも恵まれるが、有色人種の貧しい学生はそれを得られない。しかし、「白人男性特権」というものを、厳しい経済 状況に苦しむ低学歴の白人男性にどう説明するのか.... これは以前からずっと明確になるべきだった。そして今は明確だ。アイデンティティ政治* はこの国にとって善いものではない。それは善い政策でさえない。”

― From a Harrod “Democrats Must Drop Identity Politics”
  アリゾナ・リパブリック 2016年11月17日付

“ISARの12人のパネリストが10月中旬にヒラリー・クリントンの勝利を予測したことについて、多くのことが言われた。最新のクック・ポリティカル・リポートの集計では彼女は143万票と、ドナルド・トランプより多くの票を獲得している。だから彼らは正しかったのか? あるいはドナルド・トランプが選挙人団獲得で勝ったのだから彼らは間違っていたのか? その後の総括では、ISARの一人の海外招待パネリストが正しい予測をしていたことがわかった。英国のクリスティーン・スキナーは、選挙当日にヒラリーが勝つかもしれないが、大統領に就任することは出来ないだろう、そしてその原因は健康問題や身の安全の問題ではないと予測していた。おめでとう、クリスティーン!素晴らしい仕事だ。ヒラリーは過半数の票を得たが、選挙人団投票では勝てず、したがって確かに1月20日に大統領に就任することは出来なかった。”

― ISAR Ezine
  www.isarastrology.org. 2016年11月20日
*Identity Politics:アイデンティティ政治。主に社会的不公正の犠牲になっているジェンダー、人種、民族、性的指向、障害などの特定のアイデンティティに基づく集団の利益を代弁して行う政治活動。(Wikipedia)



        いくつかの市場では、驚きの選挙結果の後、ヘリオセントリックの水星の射手座離脱がジオセントリックの水星の同星座宮入りと同期する誇張の暗示からも予測し得る、またもドラマチックな週となった。

さて11月21日月曜、太陽は射手座の水星(と土星)にコンジャンクトする。米国では祝日の休みを含むホリデー・ウィーク(11月24日の感謝祭)だが、金融市場ではいまだにワイルドなサプライズが起きる可能性がある。何故ならこの時間帯が、これから起きようとする沢山の重要なジオコズミック・サインを含むからだ。11月19日、魚座の海王星が逆行運動を終えて順行に転じる。これは海王星に関連するテーマを強調する。たとえば不確実性、希望的または妄想的な思考、そして未来に対する大きな希望だ。また、ハイライトの当たる市場は海王星が支配する医療、調剤、医薬品、雨、洪水、そして原油関連だ。海王星の滞留期に株価が急に上昇するのはよくあることで、それは元FRB議長アラン・グリーンスパン言うところの「不合理な活況」を示唆している。

11月24日には、都合3回起きる木星・冥王星ウェイニングスクエアの初回が起きる。これはこの2惑星がコンジャンクトした2007年12月のテーマの再来となるだろう。当時は大不況(グレート・リセッション)が公的に始まった最初の月だった。そして4つのD、負債(Debt)、赤字(Defisits)、デフォルト(Default)、信用格下げ(Downgrades)に関連している。これらのテーマが3回のアスペクト形成の全期間において浮上しやすく、それが2017年8月まで続く。その途上でこのスクエアは天王星とカーディナルTスクエアを形成するが、2017年3月±2ヶ月には最強の力を発揮する。このタイプのカーディナルTスクエアは、突然の金融危機または株価の急落が起きる時にしばしば発効する。

今週はまた金星のトランスレーションも起きる。11月25日、金星が冥王星にコンジャンクトし、木星に対してスクエアとなる。その4日後、金星は天王星にスクエアを形成し、もう一つのカーディナルTスクエアが起きるのだ。これらは皆、強力なジオコズミックの反転のシグナルで、11月30日に起きる太陽・海王星ウェイニングスクエアもまた同様だ。金融界、またもしかすると大衆の政治的見通しを変化させるような新情報が突然出て来ることで、多くの金融市場が直近の動きに対する反転を起こしやすい。しかしながら今は新たなプラマリー・サイクルに入っているので、たとえ激しく動いたとしても、どんなリバーサルであれ短期で終わるかもしれない。


  さて、どう話したものか… 米国に住む私達は、11月8日の衝撃からいまだに立ち直っていない。立ち上がって前進するべきだが、私達はそうしていない。もしかするとそれは、太陽がまだ降伏を拒否する蠍座に在泊しているせいかもしれない。もしかすると、これから9カ月間発効する木星と冥王星(冥王星は蠍座を支配)のハードアスペクトの影響を受けているのかもしれない。米国人がまだ立ち直っていないというだけではなく、反ドナルド・トランプのデモ参加者達は色々な物を破壊したがっているようだ(彼らの多くが投票さえしていないのだが)。最近の投票結果が入ってくるにつれ、アンチ・トランプの抗議者達にとって状況はどんどん受け入れがたいものになっている。クリントンの人気度がドナルド・トランプのそれを大きく上回っているからだ。

選挙日前夜、彼女はトランプに60万票を超える差をつけていた。無党派のクック・ポリティカル・リポートによれば、現在のところ公式な集票結果ではその差が140万票を超えており、一般投票全てを集計した場合の見積もりでは、クリントン票が選挙人団による投票の勝者であるトランプより200万票上回るとの結果が出ている。米国の大統領選は国内でも唯一、大衆から最も多くの票を獲得した候補者に勝利を与える制度ではないことから、何故クリントン夫人に投票した多くの若者達が選挙人団による投票結果に抗議するかは理解出来る。ドナルド・トランプ自身でさえ、以前は一般投票と異なる結果を生む場合の選挙人団制度に反対していた(彼は選挙前、それを「大惨事」と呼んでいたくらいだ)。

この一般投票と選挙人団投票との食い違いをアストロロジーがどう告げていたかを有りていに言うなら、ここに一つ、私が前回のコラムの段階では明瞭に考え付いていなかった解答がある。それは、クリントンとケイン(副大統領候補)のネイタルの太陽が調和的なグランドトラインを米国の金星・木星コンジャンクションに形成していたことだ。金星と木星は「人気」に関わっており、彼らは一般投票で驚くほど大きな差をつけて勝っていた。しかしドナルド・トランプのチャートでは、プログレスの太陽が彼のネイタルのアセンダントに来ている。これは個人的な栄誉とおそらくは勝利の時を意味しており、一方のクリントンのチャートではトランシットの土星が天底(もし2:18が彼女の正しい出生時間とするなら)に来ている。これは個人の人生で最も波の低い時期だ。


  選挙は終わった。そして、法の下ではトランプが次の大統領だ。個人としての私達には、好ましくない状況の時、二つの選択肢がある。もし可能なら状況を変えるために努力するか、または結果を受け入れ、適応し、潔く前へ進むかだ。考え得る限り最悪の選択はどちらもしないことで、これは生涯を通じて起きる対立と不幸に繋がる定番の行為だ。さて今、木星(幸福と楽観)は、もしあなたが人生から彼を閉め出すことを選ぶなら、きっとそれを不快に思うだろう。

私達は選挙結果を100%の正確さで予測することは出来ないかもしれない。だが一つだけ保証出来るとすれば、太陽は明日も昇って来るということだ。困っている誰かを助けたり役に立ったりする機会は訪れる。そして人生は絶えず続く変化の連続だ。それを頭に入れながら、その日その時を精一杯やっていくのが賢明な道だ。畢竟、人生で経験するリアリティを創造するのは自分自身の決断と行動なのだ。






訳文ここまで
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今回の≪短期ジオコズミクス≫の冒頭には、実はもう一つ、KKKの総司令デヴィッド・デュークスが新聞のインタビューに答えて語った、「トランプ大統領の誕生には確かに我々の力が働いた…」というような短い一節が入っていました。 アストロロジーの世界はリベラル派が多く、どちらかというとヒラリー寄りの言論が多いのは確か(というか、サンダース支持かな)。 おそらくそんな中、「トランプ支持者なんてならず者のような人間ばかりだ」という意見を反映するような一文と、「民主党のアイデンティティ政治は行き過ぎだ。だからこそトランプ大統領を生んだのだ」という意見を裏付けるような一文を併記して、引用文のバランスを取ったのかと思います。 

けれどもそれをMMAのサイトで見てショックを受けたトランプ支持者のひと達から、デュークスなんか出さないで欲しいというかなり必死なメールが複数来たようです。MMAを閲覧するひとは多いとは思うけれど、殆どが投資家さんだと思うので、そこまでの反応があるとは少し意外な気もしました。(KKKがトランプ氏を支持していたのは周知の事実ですが...でも確かに米国史を考えればデリケート。かなりインパクトがあるかもしれません。 寝た子を起こすな的な意味でも。。) ここは日本なので「あらま...」と思うくらいで、単なる新聞からの引用に過ぎないひと言がそこまで話題になることもないと思います。ただ即座にそういう反応が来るほど今の米国は皆の神経がヒリヒリと尖っているのだな…と思わせる一件でした。というわけで、早朝の差し替え指示の作業と共に そんなムードの一端をちょっぴりシェアしたいと思いました。

メリマンさんは、「私達は誰も攻撃するつもりはない......いや、もしかしたら今、全ての集団の攻撃的姿勢を提示したいとは思っているかもしれない...」と、結んでいました。(^_^;

hiyoka


hiyoka_blue at 20:49|PermalinkComments(2)TrackBack(0)金融アストロロジー 

November 13, 2016

●11/14の満月 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

11/14付メリマン・コラムは2つ下の記事になります。
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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180° 対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのかを、あらためて見せてくれる「鏡」だと言えるかもしれません。なので満月のテーマは新月の瞬間から色濃く育っていくとも言えるでしょう。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにその経験を消化(昇華)し、エネルギーはゆっくりと静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯(ずれるなら満月前がベター)に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで11月14日23:11前後、北海道周辺で23:17前後、関西方面は22:52頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で22:21前後に牡牛座22°37'で満月となります。

今回のテーマのベースとなる新月の大テーマについてはココをご覧ください。

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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【月 牡牛座22°~23° + 太陽 蠍座22°~23°】
 "White dove over troubled waters" +
 "Hunters starting out for ducks"
「荒波の上を飛ぶ白鳩」+
  「鴨撃ちに出かけるハンター達」 

 "A jewelry shop" + "A bunny metamorphosed into a fairy"
「宝飾店」 + 「妖精に変身した子ウサギ」

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期~11/28】
→★全てを乗り超えるか?トラブルの元を探すか?の選択
→★陶酔と失望の心理の核にひそむ共依存の影
→★「どっちもどっち」のゲームから離れ世界を俯瞰する視線
→★手当たり次第、または臨機応変の交渉術を駆使する
→★目の前の状況に対応するための全く新しい道を見出す必要
→★広い視野を保ちながらも、ゴールから目を逸らさない集中力の必要
→★無力な存在のために闘いの最前線に立とうとする心理
→★あわや!のときにひょいと身をかわしてサバイバルする能力
→★喧噪の中で何が真実か?何が現実か?の識別力を問われる状況
→★現実と「もう一つの世界」の境界の希薄さを知覚しながら生きる
→★生々しい衝動や性的エネルギーを「研磨」し、洗練していく力
→★「上から目線」の攻撃性にエネルギーを吸い取られない強靱さを持つ
→★過去からの情念を燃料とする共依存、またはそこからのサバイバル
→★あの世的な巧みさや美の価値を支えるこの世的な規律と訓練に気付く
→★対象を「十把一絡げ」に総括して語ることの危険と狡猾さ
→★夢見、変性意識状態、または「別世界の美しい現実」への誘惑
→★崩壊していく何かを超然と見ている内なるの魂の眼を知覚する
→★自分の中の「世間とは異質な傾向」を大切にしつつ道を切り拓いていく・・・→


エネルギーのポイント:『内なる眼を鍛える』 

161114FM
 

        さて。1948年以来という、大きなエネルギーが降り注ぐスーパームーンの満月です。満月は、その瞬間に近付いていくに従ってじわじわと影響が大きくなり、満月の瞬間から少しずつ力が減衰していくもの。なので、身近なひととのコミュニケーションに、ニュースや世相の中に、あるいは自分自身の情動に、すでにその抗しがたい力を感じているひと、かいま見ているひとはとても多いのではないでしょうか? 

で、いつもならシンボル解説+アスペクトという感じでいくのですが、今回は準備する時間が全然足りず、アタマもあっちこっちに飛んでしまってます。なのでまとまらないままに行き当たりばったりで行ってみますね。。



★スーパームーンの下、思い付くままにグダグダと...

        この月の下ではこころの起伏 ー 波立ちも高まります。そしてオーラの境界が薄くなり、好むと好まざるとにかかわらず、他のひと達のバイブレーションに影響を受けて共振しやすくなります。うっかりしてると、ひとの感情を自分のものだと勘違いして、気が付けば一緒に同じダンスを踊り出してる…他者の価値観に彩られた物語を生き始めてしまう…てなことが起こり得るかも? もちろん、それが明るく楽しいもの、インスピレーションを与えてくれる何かであればひとときの体験としては素敵だけど、万一ネガティブで暴力的な棘を含んでいれば、つられて互いに血を見るなんてことにもなりかねません。また別の見方をすれば、嘆きや哀しみ、それに伴う怒りは、巧みな表現力を伴いさえすれば同情を集めることが出来るとも言えます。けれどそこに浸ってしまえばその物語は自分の手を離れて自己増殖していきそう。それは自分のコントロールを超えた世界に拡がるかもしれません。良くも悪くも、やがてその結果は未来の自分に返ってくるでしょう。


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  それでも、この満月はひとときの毒出しと浄化の季節。 新月のエネルギー・ポイントは『見て・見つめて・見極める』でしたよね。おそらくこの満月は、満ちていく途上で磨いてきた視線を通して、これまでの価値観 ― 美意識や社会的モラルに関わる感覚、自分にとってのリアリティを規定している境界線、無意識の内に肉体と精神のバランスを取っている物差しなど ― を、何かのかたちで試す機会になるかもしれません。なので、もしこの満月前後に出逢うひと、見たり聞いたり読んだりする物事に対して「え?」と引っかかるようなことがあれば、それはこれから自分が進んで行く方向性への大きなヒントになると思います。たとえば「これは…違うでしょ」とか。「そう、この感じ」とか。。。

それを発信元にフィードバックした結果が有意義な話し合いになるか、それとも血を見るかwはわかりません。受け取った感覚をエネルギーにしてオリジナルな考察を創るのも選択。誰かと一緒に思考を競う遊びに興じてスーパーな満月祭を祝うのも選択。。けど、気心の知れないひとやこの満月効果を知らないひとが相手だと、不用意なフィードバックはちょっと危ないかもしれませんね(^_^;

ということは、逆に考えればわたし達自身も…無意識のうちに今まで気付きもしなかった本音を四方に放射している可能性が高いんですね。声音、物腰態度、バイブレーション、行間などなど…(とか言ってしまうと書いてるわたしもどきどきですがw)けど、何が出ようと受け入れるしかありません。甘いお酒も苦い薬も、両方とも。それがこの満月期の贈り物だし、あとあと資産になっていくものだから...そう、深い光を放射し続ける本物の宝石のように。


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  なのでもし今、疲れ切って意気消沈し、どっとベッドに倒れ込んでいたとしても。気持ちの上ではどこかにちょっぴりでも『ヘヘーンだ!(^へ^;)』的な気概を保っておくのがポイントかな。自分を含めた全てに対して。 

毒だろうと薬だろうと出るものは出る。枯渇すれば、ヘタレる。それをしっかり見て、消化・消火・昇華・・・>鎮魂していく。自分を通して、全体を。 もし他のひとが関わるなら、出来る限り互いの了解と寛容のこころの下に。あるいは創造的な表現として、内的に渦巻く感情と思考のエネルギーを研磨し、物質に変換していく。スクリーンに、紙に、板に、土に、食物に、布に……音に、ことばに。大地から鉱物として掘り出され、磨かれ、透明な輝きを持つ宝石へと変容していくように。無駄なものはそぎ落とされ、子ウサギは肉体の痕跡を消し、はかなく夢のような光を放って「向こう側の世界」に飛び去る。その全ての過程を、わたし達は目撃するかもしれない。気付こうと、気付くまいと。

でも。それはもしかしたら、一夜の夢かもしれない。

煌びやかな宝飾店は、ガラス玉で出来たコスチュームジュエリーのショップに過ぎないかもしれない。妖精になった子ウサギなんて、単なるジョークに過ぎなかったんだ。。 あ〜ぁ。騙された。。 やっぱりね。そんなことだと思ったよ! 目覚めたわたし達の中に、そのとき不信と冷笑の種がむっくりと起き上がります。


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  でも。わたし達はいったい何を見たんだろう? 何を感じたろう? そこに見た美も、光も謎も、嬉しさや哀しみや共感の涙もぬくもりも、たぶんわたし達の中にもともと在ったからこそ味わえたんじゃなかったのか? そしてそのイメージは価値あるものじゃなかったのか? その体験を価値あるものにしたのは、そしてそれを本物の輝きへとしっかり育てていく力を持つのは、一体誰? 

そして全てが終わり呑み干され、からっぽになったとき。入って来る。次のまっさらな力が……。


おそらくわたし達は、これから先こうした作業を何度も経験することになりそうです。痛い思いをすることだってあるかもしれません。でもその度に視点が変化していき、自分という存在が軽くなっていくんだと思います。それは、新しい地球を発見すること......なのかも。

これって...もしかして、すごく楽しみなことじゃないでしょうか!?



CarinaNebula





have a great trek!!!★

hiyoka(^_^

この後、大統領選が終わった後で走り書きしたもののまとめをUPしてみます。その中にちょろっと今回のシンボルも出て来るので...。整理してないので読みにくいかもしれないけど、もしよろしければどうぞ...m(_"_)m


hiyoka_blue at 22:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

★大統領選など、気ままに.....

        米国の大統領選が終わり、トランプ・ショックが世界中を駆け巡りました。紆余曲折のあと、直前までヒラリーさん有利と言われて逆転って、Brexitと似たような結果になりましたね。投票結果の総数はヒラリーさんの方が多かったにもかかわらず。。 でも、なぜヒラリーじゃなく、大統領になる資質さえも疑われたトランプなのか? みんなが首をかしげ、憎悪によって、愛によって、彼という存在に惹きつけられています。そんな現実が顕れた原因については、あらゆるメディアで、ネットで、本当に沢山のひと達の様々な見解が披露されています。そのどれもが皆、正しいのかもしれません。

そして今、スーパームーンに向かって増大していくエネルギー下で米国では反トランプ・デモが盛り上がっています。(ん、今TVをつけたら韓国では朴大統領への抗議デモも凄い勢い。。) そしていまだに物議をかもした トランプ発言を繰り返し流して煽るメディア。というか何となく嬉しそうな? この異常なほどのエネルギーが次の現実をもたらすのか、それとも一時的なものとなるのかはまだ見えません。けれどいずれにしてもこのエネルギーは、その中身が何であろうと、一度解放されなければならないのでしょう。一方、Twitterでは今「Dear Liberals」というワードがトレンドの1位に上がっています。デモで暴れているひと達に対して諭したり皮肉を言ったり怒ったりからかったりするためのタグ。白人男性ばかりでなく、 ゲイ、ブラック、ヒスパニック、様々な人種、性別、年齢のひと達。これは勝ち組の余裕ということなのでしょうか…?


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        今回の満月、ベースとなる牡牛座22°台のシンボルは『荒波の上を飛ぶ白鳩』です。これは、様々な理由でこころや体に激しい苦痛を感じるひとに対する、深い共感を象徴すると共に、どうにかして手を差し伸べたい…と感じる純粋な気持ちを示唆するものです。けれど同時に、汚れることの無い高みから見下ろし、風(思考の象徴)に乗って理想を追い続ける精神をも指し示すものです。きっと白鳩が荒れ狂う海に舞い降りることはないでしょう。一方、太陽が位置する蠍座22°のシンボルは『鴨撃ちに出かけるハンター達』です。これは獲物という報酬を狙い、散弾銃を携えて出発する一団。彼らの狙いはとてもシンプル。少しでも多く獲物を撃ち落とすことだけです。狩る者と狩られる者のドラマは、野性の世界では毎日のように見ることが出来ます。

このシンボル・ペアには多様な解釈が可能です。けれど、大統領選のひと騒動にからめて読むなら、「白鳩」を大脳新皮質=理性、理想系「鴨撃ち」を大脳辺縁系=本能、報酬系と見てもいいのかもしれません。今のわたし達は両方のバランスが取れているくらいでちょうど良い気がするけれど、たとえばトランプさんの言う『ポリティカル・コレクトネスなんてもう沢山だ!』ということばは、大脳新皮質によって課された理性の抑圧に対する大脳辺縁系の逆襲とも言えそうです。

政治、経済、思想が創り上げた理路整然とした正しさ。でも、わたし達の精神は果たしてその通りに生きられるほど進化をとげているのでしょうか? わたし達はみんな、なま温かく、ときに生臭いまでの矛盾を抱えながら生きているのではないでしょうか? そして、集合体レベルでも個人レベルでも、無理に無理を重ねてきた結果が…現在の分裂や爆発に繋がっていると言えはしないでしょうか? 


sunrise


  荒海のはるか上を飛ぶ真っ白な鳩は、平穏で平和な大地を求めて飛んでいます。はるか彼方にうっすらと見える、ゆるがぬ理想の牡牛座的大地を。白鳩の力で荒波を抑えることは出来ないでしょう。けれど何かのメッセージを上空から落としていくことは出来るのかもしれません。対向の蠍座の深みに、原始の本能とも言われる大脳辺縁系のシンボルが出て来るのは面白いと思います。生き抜くことを懸け、闘い取るという本能。この二つの意識はせめぎ合うことが多いけれど、本当はどちらも、大事。集団の中でも、ひとりひとりの存在の中でも、どちらもが謙虚に手を取り合っていかなければ、わたし達はきっと生きていけない。

満月がとっていくシンボル・ペア、牡牛座の「宝飾店」ー 鍛錬されたワザと注意深く研磨された原石によって本物の輝きを得る宝飾品達。そして太陽が在泊する「妖精に変身した子ウサギ」は、肉体そのものでもあるわたし達にとって、マジカルな領域(全く新しい精神領域)への知覚力/識別力をどう使っていけるのか?という問いかけを示しているとも言えます。また、「肉体性の希薄化」が何をもたらすのか? その結果をどう引き受けられるか?という問いであるかもしれません。これはひとつ前のシンボル・ペアが包含するせめぎ合いに対するひとつのヒントであり、第三の「解」への入り口として、今わたし達に贈られるエネルギーのような気がします。

テクノロジーが発達し、簡単に繋がることの出来る世の中。そして簡単に殺し合うことも出来る世界。今、至るところで見られる分断は、そんなとてつもない便利さの中を生きるわたし達に突き付けられた、天王星とエリスの挑戦でもあるんじゃないかな...。


trump


        わたしは今回の米国大統領選をはるか海の彼方から見せてもらって、こんな風に感じました。ドナルド・トランプというひとは、必要な変化を誘発するための起爆剤として立ち現れたひと。そして米国の多くのひと達の無意識に呼びかけ、選ばれるべくして選ばれたのではないかなと。トランプさんご本人が意識するしないにかかわらず、彼の暴言も、スキャンダルもひっくるめて米国の有権者の意識の蓋を吹っ飛ばすような爆発力を持っていました。だからこそ、米国史中の大事なトランジッションの時期に、ある役割を果たすひとの一人として選ばれたのではいかと。

クリントンさんにも限りなくダークなスキャンダルの匂いはあったけれど、それはこれまでの米国が抱える闇とも重なるイメージです。おそらく自分に課された仕事をしっかり成し遂げるだろう彼女が大統領になったとしても、今 行く手は苦難の道。いずれ必ず大きな変化が起きてくるとしても、おそらくクリントンさんでは、溜まりに溜まった澱を底から掻き出すような激しいエネルギー、見ないふりをしてきた大きな矛盾に光は当たらないだろうと思います。マイノリティーや弱者救済の旗印は理想だし、多くの若い学生達やリベラル層を惹きつけたかもしれません。でも、経済的にも社会的にも「希薄化」させられたと感じるひと達には響かなかったのではないでしょうか。そのひと達にとっては、『米国は常に偉大だったし、今も偉大です』なんて綺麗なことばより『米国は腐ってる。共にもう一度偉大な米国を創ろう!』というコールのほうがずっと真実味があったんじゃないかなと思うのです。まぁ、これはそこに住んでいないからこそ気軽に言えてしまう類のことなのだけど。。

今も世界に大きな影響力を持つ米国の集合無意識が、火・水・爆発・分裂のエネルギーを宿命的に背負ったトリックスターのような(少なくともそう見える)存在をトップに頂くことを選んだとすれば、それは凄いことだと思います。トランプさんは月蝕の下に生まれました。「蝕の子」は、それぞれに何かしら果たすべき宿命を持つとも言われます。月は女性を象徴するけれど、月蝕生まれの彼が、女性初の大統領候補であるクリントンさんを破ったというのも象徴的ですね。。


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        ちなみにトランプさんは、ネイタルでアセンダントにロイヤル・スターと呼ばれる王者の恒星レグルスが乗っています。そして2016年~2017年のプログレッションでは、長い年月を経て2011年に乙女座入りし0°に位置するレグルスにプログレスの太陽がコンジャンクト。なんとダブルで太陽・レグルスの合になります。そしてもっと詳細に見ると、このアセンダント上にはネイタルの「小惑星アメリカ」が在泊し、まさに上昇しようとしていました。(これだからアストロロジーは面白いんですよね^_^;) そして、もうすぐトランシットの木星がネイタルの木星にコンジャンクトする新たな発展のジュピター・リターン! あらためて見ると、やはり頂点に昇りつめるタイミングだったのだな…と思わされます。

また、ジェフリー・ウルフ・グリーンの進化アストロロジー的にチラ見してみるなら、彼の冥王星は12室、おそらく今生向かうべき方向は「公への全面的な奉仕」。そのための機能として働く、月のノースノードのルーラー水星は蟹座11室「We the People」にあって、天秤座のイクシオン、そのお隣の海王星とスクエア。 彼はその「喋り」が命というところがあるけれど、不特定多数の公衆を前にするよりはビジネス・ネゴシエーション的な規模の喋りの方が得意かもしれません。虚と実を織り交ぜて相手の勘所やツボを押さえながらやっていけるからです。それはきっと、リアリティー番組の役どころとしても使えるキャラクターだったのではないでしょうか?(観たことないので無責任なことを言えないのですが…)

けれどそれをターゲットの定まらない大観衆の前で同じようにやろうとすれば、今度は世界中のメディアを通して増幅されていく内的矛盾の質も量も以前とは格段に異なるでしょう。おそらく無意識に自分を強く大きく見せることが多いと思うけど、防衛本能が強く働いたときにはとりわけ事実を無視した発言やトリックスター的変わり身の早さが発揮され、多くの人々を振り回すことになるかもしれません。おそらくそれを彼は計算しつつやれるひとだと思うけれど、大統領職となると、重さも緊張度も全然違うはず。

また何かを批判するときは、内容が合っていようと間違っていようと、そこに彼なりの「公」という強い思いがあり、そのこと自体が…受けるひとには受けるのだとも思えます。彼は数々の女性蔑視発言でも物議をかもしてきました。けど、おそらくご本人は「蔑視」のつもりなどさらさら無いのではないでしょうか。


Venus



  彼は自己の内的ロマンと理想の狭い範囲内で女性を捉えるのではないかと思います。(蟹座11室で金星・土星コンジャンクト、これに山羊座のフォルスがオポジション、天秤座3室のキラルスのTスクエア) それはたぶん、ゴージャスでしかもよくオーガナイズされた女性かな。自分の(特に自分の中に確固として存在するポジティブな自己イメージの)安全を脅かさない範囲で驚かせてくれる女性。公衆の中で際立つ女性。それ以外は異性としては眼中に無いのではないでしょうか。蔑視の対象でさえ無いので、女性蔑視と言われても気分的にピンとこないかもしれません。ただ能力があって役立つ存在かどうかだけ。男性女性を問わず、気に入らなければ言いたい放題やりたい放題。でも、根深いコンプレックスが絡んだ侮蔑とは違うので、言った本人は根に持たず、忘れてしまうのかもしれません。なにせロイヤルスター、レグルスをアングルに持つ射手座の月蝕のひとですから。。

そうそう、余談になるけれど… トランプさんのネイタルのICに、小惑星ウラジーミルがオーブ1°でコンジャンクトなのを見つけて思わず笑ってしまいました。あぁ、だからトランプさんはプーチンさんが好きだし、意識せざるを得ないのかもって。ICに乗るということは、潜在意識深くに眠っている、かなり影響力の強い「イメージ」を意味します。必ずしもこれが自己イメージと重なるわけではないのだけど、でも否定しようとしても、どうしても振り払うことが出来ないイメージ。それは好むと好まざるとに拘わらず、隠されたもうひとりの自分の姿かもしれません。

なので、トランプさんは公私共に強い父権的な姿を演じようとしているのかもしれません。ただ、彼の自己イメージと公のイメージはどこか転倒しているところがある気がします。家父長的にふるまい、父権的なことを言っていても、なぜか強力な母…みたいな側面が顔を覗かせてしまう…なんてことが…ひょっとしたらあるのかな?(ほんと、お会いしたこともないのにあんまりなスペキュレーションですが…^_^;)


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        なお、トランプさんの今年のソーラーリターン図は、まさに牡羊座の天王星・エリス・セレスのコンジャンクション(グローバリゼーションやポリティカル・コレクトネスというこれまでの社会構造的な抑圧=山羊座の冥王星に対し、徹底的反抗&アイデンティティ再生への要求)がMCに乗り、彼自身を今年のハイライトの一つとも言えるこのエネルギーの体現者=時の人にしていました。きっとトランプさんという「存在」は、旧構造から見る2極 ー 保守でもリベラルでもないところから生まれたのではないでしょうか。それは「ビジネスマン」という括りからも何処かはみ出たものかもしれません。けれど、だからこそ誰も考えつかないような発想を押し進める力はありそうです。そして時にはそれが酷薄な判断を伴うこともあるかもしれません。それは当然、彼自身の身にも返ってくるのですが。(月のノースノード・天王星・オルクスのコンジャンクションに対してサウスノード・月・小惑星リリスのオポジション)

彼の口から放射される不和の女神エリスのエネルギーは、新たな不和ではなく、すでにそこに潜在していた不和をえぐり出してきます。選挙を巡って人々が抑えていたヘイトや暴力性は、不安や恐怖を道連れにしつつ露わになっていきました。選挙結果を論評する識者の方々の感情さえも、彼という存在によってそれぞれに大きく波立っているのを数多く見たような気がします。この力。それは破壊か統合か? これは外野の無責任な言い方になってしまうけれど… 米国は今のうちにこの荒波を少しでも見る必要があったかもしれないと思えるのです。

また、彼のソーラーリターン図では、自己表現の5室射手座に土星、イクシオン、フォルスが在泊し、その全てが逆行で、過去のドグマを否定したり反抗したりの動き。放言無頼のイクシオンは共にMC、天王星、エリス、セレスにトライン。11室の太陽・金星のコンジャンクションとはオポジション。つまりMC上のエリスや天王星がそのオポジションを調停するような形です。なるほど…な感じかな。

        ただ、小惑星の配置を見ると、彼は自分の放言への人々の反応に、実は内心傷付いているのかも?とも思えます。ネイタルからも、剛胆さや抜け目の無さと同時に二面性としての傷付きやすさ、気分の変わりやすさ、自己弁護的なところが感じられます。それが彼を支持するひとには「正直さ」に、嫌うひとには「大統領としての品格に欠ける不安定さ」として映るかもしれません。彼はたぶんそれを「隠さなければならないもの」とは感じてこなかったと思います。本当に隠さなければいけないものはもっと別の深いところにあって、自分自身にも見えにくいのではないでしょうか。また、ある種の「乱」のエネルギーと共に大きな役割を負ったひとは、様々な危険も(多分霊的には自ら率先して)背負います。彼の場合は行く手に多くの障害が予想されるし、たとえ「公」に向かう意志は強くても、実際にビジネスや私生活も含めて「私」の部分があまりに犠牲になってくると、閉じて防御に回るという難しい面が出て来るかもしれません。けれど大統領職ってたぶんそういうもの。果たして任期を全う出来るかな?という疑問を感じたりもするけれど。。 


Eris



  トランプさんは、おそらく保守とかリベラルとか以前の問題として、自分が生まれ育った「ホームランド」を護りたい・・そこに「しっかり根を張った状態」でいたいという強い思いを抱くひとだと思います。「ゆるぎないホームとしてのアメリカ」が最優先事項。その他については、この第一条件にいかにプラスになるかによって力を入れたり妥協したりするような感じになるのではないでしょうか。アセンダントにぴたり小惑星アメリカが来ていることから見ても、「祖国アメリカ」というイメージが彼自身の人格形成の上でアイデンティティの核となってきたことを示唆していると思います。つまり「Make America Great Again!」は単なる選挙キャンペーンのキャッチフレーズではなく、殆ど彼の心根そのままなのでしょう。それはオバマさんが「Change」を旗印にして勝ったときと同様に、今まで希薄化していた米国の多くのひと達のこころを同調させ、動かし、受け入れられたのではないでしょうか。そして、おそらくこれを(自分が信じる米国の姿を取り戻すことを)成功させることが、自分の残りの人生を全うするために必要不可欠だと感じているのだと思います。

けれど、昔のままのグレートなアメリカはもう戻ってこないでしょう。保守・リベラルを問わず、今までとは異なるかたちと価値観の上に立つグレート・アメリカ。崩壊を避けるためにはそんな国家を目指す必要があるのではないでしょうか。新しい大統領職には、そのビジョンをこれから創っていくという前人未踏の試練が待っているのかもしれません。(それは日本も世界も同じことだけど…)けど、今の時点でそのビジョンがハッキリ見えているひとは、知識人を含めてまず殆どいないのではないでしょうか? 

そういえば、彼のネイタルの太陽に対向する位置は、まさに「移民」のサビアン・シンボルです(12月17日の満月はこの位置で起きます。これは想像でしかないけれど、もしかするとトランプさんは上辺の政治・社会的理由だけではなく、正規の移民VS不法移民のような事象に対して何か特別な思いがあるのかもしれません。)移民問題とリベラル的思考への抵抗については、ヨーロッパのオルトライトの動きと共に思うところもあるのだけど、それはまた別の機会があれば書いてみたいと思います。

良いも悪いも超えて目立つ存在であるトランプさんを批判するひと、さげすみ憎むひと、敵とする人々の数はこれからも多いでしょう。実際、彼に危害を加えようとする動きの可能性はチャート上でも示唆されています。また、来年の就任式あたりのトランシットを見ると、なかなか厳しいものがあります。 けれど少なくとも今は… トランプさんというひとの存在を、米国は本当に必要としているのではないでしょうか。 

これから1月末まで、毎回の新月・満月は全て彼のネイタルの個人惑星から最大オーブ2°までの位置で起きます。お騒がせなトランジッションはまだ続きそう。そして地球規模のトランジッションは今後もまだまだ続いていきます。米国だけでなく日本や世界の進化への刺激としても、つつがなく「最善のかたち」でご自身の選んだ役割を全うしていただけるといいな…。



milkyway



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        わたしは普段あまりひとのチャートについて書きません。たとえ有名人でも(歴史上の人物とかは別としても)会ったこともないひと、異なる文化に生きるひとの中身についてあれこれ言える立場でもないなぁ…なんて。でも、なぜかトランプさんという存在には興味をひかれました。自分のチャートとの相性が良いというわけでもないので、きっとそれも彼のカリスマ性によるものかもしれません。また、わたし自身にとってもこの満月を迎えるにあたり、必要なエネルギーの放出だったかもしれません。

いずれにしても、人間とはとてもとても複雑な存在です。だからこれは、わたしというフィルタを通してホロスコープ越しにチラとかいま見た ドナルド・トランプ氏という存在であり、矮小化されたスケッチです。それでも、彼のひととなりの小さな一側面を、ほんの少しでも描けていたらいいなと思います。

米国大統領という想像もつかないほど大変な仕事を控え、騒乱の発生源のような存在になっているトランプさんがこれからどんな仕事をしていくのか? きっとそれはメリマンさんが『フォーキャスト2017』や『マンデーン2017』で詳しく分析してくださるでしょう。それを楽しみに待ちたいと思います。


Great trek!!!★


hiyoka(^_^


hiyoka_blue at 22:20|PermalinkComments(4)TrackBack(0)星読み随想 | パーソナル・アストロロジー

レイモンド・メリマン 週間コメント11/14【メモ】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2016年11月14日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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今回は都合により≪短期ジオコズミクス≫とその後半のメモとさせていただきます。
m(_"_)m


≪ 短期ジオコズミクス ≫

    “AccuWeatherのマーク・パケットによれば「スーパームーン」という言葉は1979年にアストロロジャーのリチャード・ノールによって創られた。ノールは、月が地球に最も近い時に起きる新月または満月を指すためにこの言葉を使う… 正確な満月の瞬間は6:52AM(MST)だ。月は近地点 ― 月が地球に最も近接するポイントで、時間にして約90分の出来事だ… この11月の満月は、1948年以来最も地球に近い満月となる”

― Doyle Rice
  “Supermoon to be Closest Since 1948”
  Arizona Republic, November 11, 2016. 


    ワイルドな週だった。そして高揚感または絶望感から来る極端な感情を伴うものだった。おそらくアストロロジャーなら十分予測出来たことだろう。これらはヘリオセントリックの水星が射手座を運行中であることから来ている(11月5日〜16日)。射手座は何でも誇張するのだ。

今週はジオセントリックの水星が射手座入り(11月12日〜12月2日)する。感情のボラティリティ(月)は、1948年以来最も明るく輝くスーパームーンに向かってこれからピークに達するだろう。

そのスーパームーンが前回起きたのは、奇しくも米国で同じような驚くべき国政選挙が行われた年だった。その年、ハリー・トルーマンがトマス・デューイを破って大統領になったのだ。誰もそれを予測出来なかった。誰もがショックを受けた ― 高揚感、または将来への不安による錯乱状態だ。誰もがそのショックを生き延び、もちろん国も滅びなかった。とはいえ、世論調査会社は非難の的となった。それでも人々はそれ以来ずっと世論調査をアテにし続けている。それは時々結果を間違えるにもかかわらずだ。アストロロジャーも似たようなものかもしれないが。

では、いったい何が起きたのか? 何故信頼のおけるプロフェッショナルな多くのアストロロジャー達がこの選挙結果を正しく予測出来なかったのか? その答はそう難しくない。世論調査会社と同様に、アストロロジャー達は彼らの予測モデルにおける様々な要因を重く見積もりすぎたか、または軽く見積もりすぎたのだ。アストロロジーは正しい結果を指し示していた。だがアストロロジャー達は(世論調査会社のように)これらの要因を量る上でミスをした。この事は全ての宇宙サイエンスの研究者達にとって良い学習体験となるものだった。

実際、ジオコズミックとサイクル研究においては、トランプの勝利の可能性を示すいくつかの相関性が存在した。その多くについてはこのコラムでも述べたが、クリントンの勝利を指し示す他の要因に比べて重きを置いてはこなかった。

それは多くの場合、個人的判断の問題だ。また、クリントンが一般投票では勝っているという事実を見落とさないようにしなくてはならない。それは分析を目的とするアストロロジーによる予測がはらむ限界を真に意味している。私は選挙結果の可能性を量ったり推定する上で、一般投票以外のケースにおいてより予測整合性の高いアストロロジカル・モデルは一つとして思い付かない。アストロロジーは対象となる人物(候補者のような)が特定の日や人生の一時期におおよそどんな気分でいるかについては高い確率で予測することが出来る。そしてそれにより、特定の候補者の成功や挫折を推定することが出来るのだ。たとえば歓喜や高揚感なら勝利、悲嘆なら破れることを前提とする。今回もそうなっていたのかもしれない。


ここでメリマン氏は4つのレッスンを挙げています。(これよりメモ)

1.出生時間問題

以前のコラム(10月31日付)で触れていたヒラリーさんの出生時間問題について。選挙結果を受けて、これはやはり午前2時18分説が一番有力だと結論付けられるのではないか…と。(これについては米国アストロロジー界でも大騒ぎが起こり、色々としこりを残したのではないかと思います)けれども今となってはあまり使い道が無いかもしれないと残念そうでした。

2.共和党とドルの16年サイクル

これについては米ドルの16年サイクルの天井と共和党の勝利の相関性に触れてきたが、ドルが騰がって喜ぶ側は果たしてどちらか?について今回は考え過ぎてしまったことが反省点だとしています。(これも乙女座が上昇宮の悪癖か?などともw)

3.共和党は火星で民主党は金星が支配する

大統領と副大統領候補のペアを比べて、米国始原図とどちらがマッチするかで予測を立てていたが、火星と金星の分析を誤っていたと。たとえば火星は怒り、闘争心、戦闘的行動と関連するが、同時に一番になること、ベストであることも目指す。トランプの戦いは不和と闘争の連続だったが、彼のモットーは『Make America Great Again』であり、これは火星のポジティブな一面(競争的ではあるが)を物語っている。「私が犯したミスは、殆どの米国人が融和的で平和的な道に投票するだろうという前提で判断し、金星・木星が関わる民主党ペアが勝つとしたことだ。米国民は現状維持よりもワシントンの腐敗を排除する道を選んだ」etc.

4.プログレッションの威力

今年セカンダリー・プログレッションの太陽は恒星レグルスとコンジャンクトしていたこと、それは彼のネイタルのアセンダントでもあった。これを判断するに、トランプが当初の泡沫扱いから特別なメディア露出に恵まれ、追い風を受けてどんどん知名度を上げていったことに関連する程度だろうと考えたが、これがミスだった…etc.


そして
さて、これから彼のリーダーシップが米国を統合していけるか、そして現在の分断の傷を癒やしていけるかどうかを見ていかねばならない。これらは来たるべき『フォーキャスト2017』の中で論じよう… と結ばれています。

また、「今回の選挙ではもっと多くの学びがあった。スピリチュアルな領域は言うに及ばず、アストロロジー的にも、心理学的にも、沢山得るところがあった。だが、今回の選挙で得られた一番重要なことは、アストロロジーは正しい示唆を与えていたということだった。」とも最後に書かれていました。






メモ及び訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)金融アストロロジー 

November 06, 2016

レイモンド・メリマン 週間コメント11/7【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2016年11月7日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫

“10月の米国経済は予想を下回る161,000の雇用増と4.9%の失業率を数え... しかし雇用統計でより目立った数字は賃金で、労働統計局の発表によると、時間あたりの平均賃金は10セント上昇し、年間上昇率2.8%に達した。この数字はFRBによる12月の利上げを確実なものにする可能性がありそうだ。”

― Jeff Cox
  CNBC, 2016年11月4日


        先週は米国において単に選挙前の週というだけではなく、金曜には10月の雇用統計が発表された。非農業部門の雇用者数変化は161,000人増加となり、予想の175,000をわずかに下回った。しかしながら賃金は ― 驚くべきことに ― 時間当たり10セントの増加という大ジャンプを遂げていた。これは現政権の失政のせいで経済、雇用拡大と賃金の見通しは暗いというドナルド・トランプの主張を打ち砕くものだ。したがって、このコラムと3月〜5月にYoutubeにアップしたビデオで述べたとおり、最後の最後までFRBは短期金利を引き上げることはしなかったし、その代わりに政府の経済報告は好況 ― とりわけ、大統領選に向かってより多くの人々が働いて賃金が上がったこと ― を示した。彼らの目的は、有権者の気分に「富の効果」を植え付けることだった。彼らは成功した。虚偽によってではなく、緩和的な財政政策によって…(少なくとも私はそうであって欲しいと願う)。とはいえ、もし来月か再来月、選挙がすっかり終わった後にこれらの数字が下方修正されたとしても驚くなかれだ。

        有望な雇用と時間給の数字にもかかわらず、株式市場は下落した。おそらくこれはFRBが12月に短期金利の引き上げを行うという説の信憑性が上がったことが要因だろう。だが、先週は国債と貴金属の価格が騰がった。米ドルが他の殆どの通貨に対して下げたのに対して、金は10月4日に崩落して以来の最高値水準1300以上に戻して引けた。その一方、原油は株式と共に下落し、9月20日につけたメジャーサイクルの底以来の最安値水準まで落ち込んだ。



≪ 短期ジオコズミクスとより長期の考察 ≫

“記録破りのスーパームーンが今月半ば(11月14日)夜空に輝く。11月の満月は2016年で最も地球に近いというだけではなく、1948年以来最も近接して起きる。”

― Doyle Rice
  “November Supermoon to be Biggest in Nearly 70 Years”
  The Arizona Republic, 2016年11月4日付


        1948年以来だって? それは大統領選で共和党のトマス・デューイに対し、どの世論調査でも一致して勝ち目が無いと出ていたハリー・トルーマンが世界をあっと言わせた年ではなかったか?

今週は、おそらく11月8日火曜の米国大統領選が行われた直後に全市場に急激な価格の上下動が起きやすくなるだろう。今週、金融市場の動きが荒れる可能性をさらに増大させるのは、ヘリオセントリックの水星が11月5日〜16日まで射手座入りするという事実だ。その数日後の11月12日〜12月2日には、ジオセントリックの水星がやはり射手座を運行する。これらの水星の動きは両方とも、多くの市場、特に貴金属と通貨市場における激しい価格変動との強い相関関係を持っている。通常は最初に上昇し、その後終盤に向かって下落する形となる。しかしながら、一つが終わるとすぐにもう一つが始まる場合は、2〜3週間続く花火大会になるかもしれない。

        火星と金星もまた今週は星座宮を移行する。火星は山羊座ではイグザルトでよく統御されるが、そこを離れて大統領選の翌日に水瓶座に入居する。 そうなると物事は突然混乱状態になるかもしれない。選挙結果が出るのが予想より遅れる(11月8日中ではなく)か、集計の終わりが驚きの展開となるという可能性もある。金星もまた11月11日に射手座から山羊座へと居場所を変え、12月7日まで滞在する。1週間の内にこれらのサイン・チェンジが起きるということは、状況が極めて流動的で変わり身が早いことを示しており、金融市場にも似たようなふるまいが見られるだろう。



≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫

“ペテン師でなければ政界で金持ちにはなれない。”

― ハリー・トルーマン, 米国大統領(1948年〜1952年)
  “Letter to Editor”
  Jim Dunlap of Newport Beach, CA
  ウォールストリートジャーナル 2016年11月3日付


        ハリー・トルーマンが大統領だった時代から長い時が経ち、政治は人々に奉仕する職業から、個人とその友人達が莫大な富を得るための道へと根本的な変化を遂げた。私はそれをつくづく皮肉な事だと感じる。だが、得られる機会と利得が民間セクターよりはるかに多く期待出来る政府関連の職業には人々がどんどん群がるということのようだ。政府関連職の安定度にしても、自営業などよりずっと高い。 となれば若者達にとって、自分で事業を始め起業家になるための誘因は非常にわずかだ。こうしたサイクルは「不信の時代」としてこの2010年代の残りの日々を通して続き、政府に対する冷笑的不信感はそのピークに達しそうだ。

2017年は、世界の指導者達と政治プロセスに見られるこの冷笑と不信が小休止するかもしれない。『フォーキャスト2017』のために行った私の研究によれば、今週米国で行われる選挙で誰が勝つのであろうと、その人物は失われた信頼を任期一年目で取り戻すにあたり、かなり良い仕事をすることが示唆されている。それはちょうど、彼らが「安全策」を取り、腐敗や利益の衝突が露わになるのを避けるというような感じだ。 だが残念なことにこの同じ研究と分析は、この状態が単に一時的なものであって、大衆を不信と疑惑に導く古い悪習のパターンが2017年後半〜終盤には舞い戻り、それが2020年まで続くだろうことも示唆している。人間はそう長いこと違う自分を演じることは出来ない。

この小休止を楽しめるうちに楽しむことだ。






訳文ここまで
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