January 2017

January 27, 2017

○1/28の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
    例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで  1月28日09:26前後、北海道周辺で 09:33前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は09:07前後、沖縄周辺では08:37前後に水瓶座 08°15’で新月となります。


前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマ 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 水瓶座8°~9° ー 発効期:1/28~2/10 】
  "Beautifully gowned wax figures"
『イブニングドレスで着飾ったロウ人形』

  "A flag turned into an eagle"
『鷲に姿を変えた旗』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★水面下に存在する何かを覆い隠すために取る意図的な態度
→★熱をこめて語られる空疎な理想またはアイデア
→★過去の方法論や成功体験に囚われて目の前の現実を見失う危険
→★思いやりや道徳的な言葉に隠された「自分こそが正しい」という本音
→★失敗と成功、何度も繰り返される試行錯誤を耐えてなおも進む強さ
→★煽り立てる/熱を冷ます、押す/引くのタイミングに注意を払う
→★吹き付ける風の中で刷新の内なる炎を大切に燃やし続ける
→★華やかさにはもろさが共存していることへの気付き
→★感情も理性も超えた特別な意識の高まりを要する事態
→★あらゆる種類の「浅薄さ」を避ける必要
→★自分が拠って立つアイデンティティに新たな生命力を吹き込む必要
→★倒れても息がある内は回復出来るという自信とバネを保ち続ける必要
→★不屈の情熱と柔軟な適応力を駆使して事にあたる
→★見るもの、聞くもの全てが現実とはかけ離れている可能性への気付き
→★衝突や煽り立てるような雰囲気に踊らされる危険
→★抑制の利いたこころで賢く立ち回りデリケートな問題に対処する
→★迷ったり抵抗を感じた時は常に自分の出発点に立ち戻って考える
→★ルールや束縛の中で自分自身が成長していくことへの気付き・・・→


エネルギーのポイント:『内なる反動を創造性に変容させる挑戦』

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        今年に入って初めての新月。けどもうすでに世界は騒然としているようです。長い間世界の大国として影響力を奮ってきた米国に新しい大統領が誕生し、ニュースは連日彼の一挙手一投足を報じ、多くの知識人達が世界の政治、経済、金融、社会情勢に与えるインパクトをあれこれと論じています。その間にも、世界各地では沢山のことが起き、漠とした不安が漂う中でわたし達個人の人生にもそれぞれに、日々新たなチャレンジが…ささやかに、または突然の雷鳴のように、やって来ます。 ここしばらく続いてきた「火・水・分裂・爆発」のテーマは、様々に姿を変えながら今年、ますます現実味を帯びて立ち現れるでしょう。

でもそれは、字面から感じられるような破壊的な物事ばかりではないと思います。天王星・冥王星スクエアから始まったカーディナル・クライマックス。そこからここ数年をかけて孵化していく様々な事象の中で、世界においても、わたし達の内面においても、壊れるものは壊れていきます。その灰の中から何を芽生えさせるのか?  ひとりひとりが選んだ限られた人生の中で、「ここ」に何を創り、何を見ようとして生まれて来たのか?  そんな根本的な問題を、あらためて強く問い直さなければならない日々が始まる。新月前の未明に水星が逆行のシャドウを抜け、新しい思考経験を求めて進もうとする今...そんなことを感じています。


星空



★1月新月のサビアン・シンボル★


        さて、今回の新月は社会的な交流の座である水瓶座8°~9°で起こります。ベースとなる8°のシンボルは『イブニングドレスで着飾ったロウ人形』。 このテーマをわたし達は2015年の夏にも経験しています。 その時のシンボル解説を少し変えつつ、もう一度掲載してみますね。


        …このシンボルで語られるロウ人形は、マダム・タッソーのロウ人形館で見られるような有名人のフィギュアともとれるけれど、おそらくは素敵なドレスを売るためのマネキンではな いかと思います。1925年当時、デパートや大手衣料店のウィンドウを飾っていたのはリアルなロウ人形だったからです(今もEbayあたりでは、ロウ製マ ネキンの頭やトルソがアンティークとして販売されています。それを見ると、ロウ独特の半透明な皮膚感と、時代を感じさせる優しげな笑顔がかえって少し怖 かったりするのですが……^_^;)。



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  マネキンはスタイル抜群! そして、その時々の雰囲気や好みをよく研究し、それに基づいてデザインされた顔を持っています。だからゴージャスなイブニングドレスをまとったその姿を見 て、わたし達はこれが自分だったら…って想像し、ちょっぴり夢をみますw。「いいなぁ、この服。もしかしたら自分が着てもカッコ良く見えるんじゃないか な?」 そして、そんな個人的な願望と売る側の欲望が火花を散らし、カチッとはまったとき、ドレスは売れていきます。。 

ロウは型に流し 込んだり練り上げたりして色々な形に創り上げることが出来ます。そのロウは原語で "Wax"。また、よくアストロロジーでは "ワクシングスクエア" のアスペクトなんていいますよね。これもやはり"Wax"で、「満ちる」という意味を持っています。ワクシング・ムーンは満月に向かってだんだん太り、大 きくなっていく月のことです。そのとき、月はある特定の雰囲気を創り出し、盛り上げ、強い引力でわたし達の想いや感情を特定の色に染めていきます。


  B.ボヴィはこのエネルギーを説明するにあたって「マディソンアベニュー・スマート」という言葉を使っていました。1960年代の広告業界を描いた米国 TVドラマ「マッドメン」を見たことのあるひとには、きっとその雰囲気が伝わるかも? これはいわゆる「広告業界のやり手」または「広告業界ノリ」という 感じの言い回しです。広告って、その商品が持つ魅力をどれだけ多くのひと達に伝えるか、手に入れたい!と思わせるかの勝負。そのために、市場調査会社から 一匹狼のアーティストまで、あらゆるジャンルのプロ達が腕にヨリをかけて創り上げるものです。そして、何度かのプレゼンテーションを経て、幾通りかのパ ターンの中から「これだ!」という「作品」を選び出します(たとえそれが新人スターの売り出しキャンペーンであっても、出来上がったものはひとつの「作品」です)。


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  マーケティングの専門家達は時代がもてはやす外見を感知し、型にとり、理想のヒトガタを創り出します。そしてその時代の要請と生産性、コストに見合ったパターンを創り上げ、ド レスという商品が持つ魅力の粋を多くのひと達に見せつけます。彼らは顧客達のセルフ・プロデュースの夢をかき立てていくビジネス集団です。わたし達に新しいステキなアイデンティティを与えてくれるんです。けど…にこやかに微笑むロウ人形の半透明の皮膚の下には、お金を儲けるという "資本主義の夢" が息づいているんですね(ちなみにこの度数の対向、獅子座8°のシンボルには興味深いことに "共産主義の夢" が描かれています)。

わたし達は、今までに見たこともないような煌びやかな衣装をまとったマネキン人形を見て、こころを奪われるかもしれません。「うわぁ、こんな世界があったんだ!ステキ だなぁ。自分もこんな風でありたい。こんな世界に入ってみたいなぁ。。」子供達はプロの大人達が提供する美しい理想の世界に憧れ、ステキな服を手に入れようと一生懸命頑張るかもしれません。あるいはいつの間にかプロの大人達の世界に入り込み、広告宣伝という、理想世界を提供する 側になっているかもしれません。けれどその夢を、美しいメッセージを、生産し続けているのは誰なのでしょう? わたし達自身の「夢」の核はどこにあるので しょう? ロウ人形はリアルであればあるほど、美しければ美しいほど、その内側に死のイメージを内包します。それは何故なのでしょう?


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        さて太陽と月は次のシンボル、水瓶座9°の『鷲に姿を変えた旗』をとっていきます。あれ?これも前に一度経験したっけ? いえ、このシンボルは初めてです。以前経験したシンボルは射手座12°の『高らかに鳴く鷲に姿を変える旗』でした。この二つのシンボルは本当によく似ていて、その違いは、水瓶座はすでに鷲に変わってしまった旗を指すのに対し、射手座の方は鷲に変化するという旗の性質に重点を置いているように見えること。そして水瓶座がただ「鷲」であるのに対して、射手座の方は「高らかに鳴く鷲」であることでしょうか。

鷲が高らかに声をあげて鳴く "an eagle clows" というとき、この "clow" には「自慢する」「得意になる」「勝ち誇る」「大言壮語する」という意味が含まれます。なので射手座の12°に出て来る鷲は、大きな声をあげて自分を主張したり、外の世界に対してはっきりと意志表示していくようなイメージです。 けれどこの水瓶座 ―  "We the people"  ― に来て再び顕れ出た鷲は、「旗」という抽象的なシンボル ― 理想、スローガン ― から、現実に血の通う生命体へ、獲物を狙う鋭い眼光(冷徹さ)と力強い翼、鋭い爪を持つ、個としてのなまなましい強靱さへの変容そのものを象徴しているようです。ここには王者としてのプライド、勇気、リーダーシップ、ゆるぎない高貴さなど、わたし達が社会の中で生き抜く上でひとつの理想となるイメージを、どう使って生きていくか?という問いかけがあるように思えます。

「旗」、それはわたし達それぞれが抱える夢、理想をイメージ化した「しるし」。国旗や団体旗、部族旗や軍旗のように、自分達が誰であり、何を理想としてどのグループに属しているかの証しです。そして憧れやプライドを喚起するシンボルでもあります。

それと同じように、わたし達ひとりひとりもまた、こころの内にそれぞれの「旗」を掲げて生きているのかもしれません。 あるひとはくっきりと描いた紋章入りの旗。またあるひとは、レースのように繊細で様々に色の変わる捉えどころのない旗。重厚な錦の旗、あるいはくたびれて少し汚れてしまった旗…。 質、素材、色… この世界には、本当に多種多様で無数の旗がはためいています。たとえばSNSなどで使うアバターやアイコンにしても、一種の「旗」だと言えるかもしれません。そしてそれは、わたし達が意識・無意識を問わず選択したアイデンティティでもあります。


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  「理想」はあるときは大きく膨らみ鷲のように空高く舞い上がります。またあるときは失望にうちひしがれ、溶け崩れます。それはある意味、人生の中でわたし達が繰り返す、周期的な精神の運動なのかもしれません。それは時間をかけて大きな螺旋を描きながら、わたし達という存在を形作っていきます。

けれど今 このシンボルに至って、いのちを持たない抽象としての「旗」は、生身の「鷲」へと変化を遂げました。鷲はこの現実を生きる、いのちあるものです。強力な猛禽類の王者として生態系に君臨する捕食者であっても、細心の注意力を払っていなければ厳しい野性の世界で生き抜くことは困難でしょう。自然界は、毎日が命懸けの世界。鷲は大空高く舞いながら下界の状況を見極めます。繊細な知覚と、狙った行動を取るときに必要な決断力、容赦のなさ。(実際、獲物となる生物から見た捕食者はこの上なく非情です)

わたし達は「自分が自分であること」そのものを、この人生を通して現実に創り上げていくために、たぶんここに居る......ずっとずっと手探りしてきたけれど、もしかしたら、そろそろ「鷲」として世界を眺め渡すときが来ているのかもしれない。。 

わたし達人間は、美しく尊い理想を抱いて生きるための知性を発展させてきました。けれどわたし達は同時に、生態系の頂上に君臨する強力な捕食者でもあります。その極北ともいえる両方の性質を存在の内に宿すからこそ、歴史が創られ、今の世界があり、そこから葛藤が生まれ、よりよく生き、よりよく死にたいという願いも生まれるのではないでしょうか。

多様で色とりどりの旗 ― わたし達は、風を受けてはためいたり、半旗のように沈みこんだりしながら、その色と紋章を少しずつ変えていくでしょう。けれど内なる旗の存在は永遠です。何故ならそれは「抽象」だから。でも今、それぞれの小さな旗は、再び新たな鷲へと変容しようとしています。猛々しく賢く、時に繊細で忍耐強く。そして限りある時といのちのはかなさを知る、孤高の存在へ。 一羽の内なる鷲を抱いて、わたし達はこれから全く新しい現実の冒険へと旅立つのかもしれません。そしてそれは、今まで掲げてきた既知の旗を染め変え、創り変えていく作業でもあるのだと思います。

さぁこれから2月11日に控えた月蝕に向けて、新しい訓練が始まるかも?!!(^_^


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★1月新月の星模様 ★

【主な惑星スケジュール】
 1月28日02:14 水星が逆行のシャドウ抜け
 1月28日02:49 金星・土星スクエア
 1月28日14:39 火星が牡羊座入り
 2月6日15:52 木星逆行開始(天秤座23°08〜恒星スピカとコンジャンクト)
 
【アスペクトから浮かび上がるあれこれ】
突然噴出する出来事/女性にまつわる問題と怒り/舞台裏で激しく動く政治的応酬/ゴールに達するための狭き門を巡る闘争/事故や暴力の危険/大衆の分化〜相容れない人々の相違が鮮明になっていく/隠される事実/世界を変えるための偏執的欲望/etc.


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        そうえいばもう随分前に、カーディナルクライマックスで米国のひと達が本当に変化を望むとすればトランプさんが当選するんじゃないかな?なんてツイートしたことがありました。何故ならトランプ氏はまさに天王星そのもの。その彼が大統領職に就くということは、天王星が冥王星の力を使うということ。それはカーディナル・クライマックスの申し子が生まれるようなものだから。世界中が色んな側面で行き詰まっている今、世界に大きな影響力を持つ米国の集合意識は率先して(おそらく無意識の内に)リスクを負ってでも変化と混沌を選ぶことになるのではないか?と。その時点で確信があったわけではないのですが…(^_^;

下馬評では勝ち目の無かったトランプ氏が結果的に勝って(このこと自体が米国の選挙制度が孕む矛盾を浮き彫りにしたわけだけれど ― 天王星・エリス)、世界のメディアは連日大騒ぎです。リベラル・バイアスの強いCNNなど、就任式直前にトランプ暗殺を煽るような報道までして物議を醸していたし、実際就任式当日は黒服に身を固めたアナーキスト集団と見られる人々が暴れまわっていました。

トランプ大統領の誕生後、公約通りこれまでのオバマ政権下の路線を覆す政策が強引かつ矢継ぎ早にサインされていく中、様々なニュースサイトやTwitterでは、平和や融合をうたってきたリベラル派の活動家から『トランプはナチだ。だから新たなヒトラーの台頭を防ぐために暴力的な手段を取るのは良いことだ。何故なら彼らが暴れたおかげでその後に各地で行われた "ウィメンズ・マーチ" が世界中に好い印象で受け入れられた。光を目立たせるためには影が必要なことを私達は考えに入れるべきだ』などという意見が出ていて、うーん…そうなのかと。。 古いものが皆壊れていくかもしれない今、もっと足許を深く掘り下げないまま、手段や戦略の方に目を向けていていいんだろうか?とも。。。


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  ただ、ウィメンズ・マーチの集会で行われたセレブ女性達によるスピーチの中には男性への呪詛に満ちた詩の朗読もあり(大受けしていましたが)、その迫力たっぷりに演じられたパフォーマンスを観ていると、そこに上辺には見えにくい、そして日本とはまた趣を異にする、凄まじい性的闘争(あるいはレイプ・カルチャーと呼ばれる状況)を見て取れるようにも感じました(おそらくそれを演じていた元女優の活動家自身も、その瞬間、自分が人生のその一瞬にこなすべき役割 ― 強力なテーマを秘めた政治的「作品」/美しいロウ人形  ― を演じきっていたのだと思います。)。 そして歓声をあげ、ピンクのプラカードや旗の下に一体化し、アイデンティティを確認し合う参加者達。 そうした怒りが噴出する一方ではまた、「ウィメンズ・マーチへの参加体験はまるでオーガズムにも似た宇宙との統合体験だった」という声も出ていました。その気持ちはなんとなくわかるような気がします。

閉じられていた蓋が開き、それぞれに封じていたものが噴出する。今はそんなとき。でも…その後は? 出すべきものを出すことが出来るハレの日が終わった、その後は? 掲げられたプラカードや旗は、果たして生き生きとした本物の鷲に変わることが出来るでしょうか? それはこの先も、幾度となく訪れる大きなチャレンジとして問われ続けるのだと思います。


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  火星・土星スクエアが終わり、魚座を進んで来た火星がイクシオン、ジュノー、フォルスと立て続けにスクエアを形成してきたここ数日、全体の雰囲気には、怒りが怒りを呼び、たとえどんな正論が声高に叫ばれたとしても、結局のところ「闘争」それ自体が、それに何らかのかたちで関わる自分のアイデンティティ確認や気持ちの拠り所となっていくような危険があると思います。

たとえばヒトラー? たとえばナチス? 自分が憎しみを感じる対象を「悪」のシンボルとされる名称で呼ぶことによって、わたし達は自分の感情や行為を簡単に合理化することが出来ます。現実を見れば、悲惨な物事は身の回りに沢山存在します。けれどその「悪」はいったいどこから来ているんだろう? 人々が目指しているはずの「愛」はどこに生まれるんだろう? いや、いざ現実の悪を排除するためならそんなことは言っていられない! その通りです。わたし達は何か悪いことが起きそうで不安なとき、無意識に記憶をたぐり寄せ、いつか来た道を辿ります。人生の中で。人類の歴史の中で。たぶん、勝つために。そして護るために。たとえそれが結果的には同じことの繰り返しかもしれなくても。確かに闘わなければならない状況は厳然とやってきます。けれど、もうこの足許にはいつか来た道などどこにも存在しない...としたら? 

        トランプというひとは予測不能の天王星タイプであり、幾度も浮沈を繰り返し、修羅場を経験してきたビジネスマンです。それも、かなり異形のビジネスマンではないでしょうか。毀誉褒貶かまびすしい中、今のところ、米国が誇る「民主主義」の中で、渦中の大統領はヒトラーでもなければKKKにもなっていません。ただ彼は、「時代の特異点」となる宿命を負って生まれたかもしれないひとだとは思います。もし彼が米国の政治制度の中で非情で凄惨な独裁者になるのだとすれば、そんな彼自身と彼をそう仕立て上げていく流れに力を貸すのは、反トランプなら何をしても正義だと叫ぶ大衆かもしれません。ナチスにあれだけの力を与えたのは当時のドイツの民衆だったように。賛同や崇拝だけが抑圧や強圧的リーダーを生むのではなく、自分自身を含む人間という存在への深い怖れと不信、その投影と反動もまた、わたし達の行く道に暗い影を落としてきました。


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『善はすべからく悪をはらみ、悪はすべからく善をはらむ』

これは今回の新月で土星がコンジャンクト(オーブ1°強)するイクシオンに見られる深い象意のひとつです。このアスペクトの正確な形成は全3回。2017年2月15日、6月6日、10月30日です。そしてトランプ大統領は、このイクシオンの影響も強く受けています。 わたし達はトランプ騒動で幕を開けたこの2017年から、イクシオンが示唆するこの命題を何度となく意識させられるのかもしれません。



        さてと。こんなタイミングでもあるし、ここでトランプ大統領のネイタル・チャートを見てみましょうか。といっても、いわゆる10惑星を使っての分析は『フォーキャスト2017』や、もう少し後で出版予定の電子本『マンデーン2017』でメリマンさんによる詳しい解説を読むことが出来ます。 なのでここでは、彼のチャートで最も注目すべき他の要素について少しだけ見てみたいと思います。

注目すべき要素のひとつ。それは彼がアセンダント上に「恒星レグルス」を持っていることです。これは古来からロイヤル・スター、または帝王星と呼ばれる星。良くも悪くも歴史に名を残したり、あるジャンルで大きな功績を挙げたり、影響力を誇るビッグネームとなる宿命を持つと言われる星です。

著名アストロロジャーの一人で恒星研究に生涯を捧げたダイアナ・K・ローゼンバーグの研究によれば、ネイタル・チャート上で何らかのかたちでレグルスが強調されている歴史上の人物は多岐にわたり、数多く存在します。


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  たとえば… アレキサンダー大王、徳川家康、オリバー・クロムウェル、カール大帝(フランク王国)、スチュワート朝最後の女王アン、ロマノフ朝のアレクサンドル1世、ロスチャイルド男爵、大正天皇、昭和天皇、マーガレット・サッチャー、リンドン・ジョンソン、イスラエルの軍人宰相シャロンなど、枚挙に暇がありません。

また王侯貴族や政治家だけではなく、軍人や革命家、活動家、世界的な大実業家(ビル・ゲイツ、ロイター通信社を創立したポール・ロイターなど)、宇宙飛行士なども輩出しています。たとえば世界最初のエベレスト登頂者ヒラリー卿、また悪漢として名高いビリー・ザ・キッドやメキシコの革命家パンチョ・ヴィッラも強いレグルスを持っていたそうです。

マンデーン・アストロロジーにおいても、この恒星が強調されるときは歴史上大きな革命や戦争、あるいは世界を変えるような冒険的試みがなされてきたようです(米国独立戦争の契機となったレキシントンの戦いなど)。

私見として、レグルスが放射するエネルギーを簡単に表現するとしたら
 「自分が "王" であることを生まれながらに(自我以前に)"知って"いる状態」
 「権力の本質を良くも悪くも心得ている」
 「常人を超えた(ときに妄想的とも言える)決断力」
 「怖れを知らない」「勇気」「自分が思った事を貫く」
 「破壊的な壁や敵に立ち向かい、破壊する」
 「変革者」 「頑固」 「独自のビジョン」
 「欲するものは必ず手に入れる」「支配かそれとも死かという精神」
 「戦士としての王/リーダー」「不屈さと非情さ」

などと形容出来そうです。おそらくトランプ氏は、幼少時から無意識下でこのレグルスの影響を強く受け続け、その基本的な人格形成期を過ごして来たのではないでしょうか。


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        ここで重要なのは、恒星は惑星と違って1°動くにも長大な時間を要することです。なので、土星以降の遅い惑星は世代的なものと考えられ、レグルスとコンジャンクトしていても、その人の個性にはなり得ません。また、コンジャクトする惑星や感受点、そのアスペクト次第では、上記のような特徴の表れが抑えられるケースもあります。

たとえば、オバマ前大統領もレグルスが強調されたネイタルを持っています。けれど彼の場合、コンジャンクトしているのは月のノース・ノードでした(オーブ2°)。これはどちらかというと今生、努力して目指さなければならない境地を意味します。彼は一生を通じて「王者としての強さと有無を言わせぬ決断力」を発揮しなければならないという「課題」を抱えている…と読めます。

トランプ大統領の場合、レグルスとコンジャンクトしているのは4分に1°動くアセンダント(自我、人格)であり、しかもオーブは1°を切ります。しかも火星ともコンジャンクトです。なのでレグルスの体現度は強力。。 彼はきっと自分のアイデンティティを「王」であると心得ているし、自分が良しと信じる目的のためには破壊も厭わないでしょう。

また、彼のアセンダントとコンジャンクトしているのは帝王星レグルスだけではありません。驚くことに、小惑星アメリカもまたぴたりとそこに来ています。調べれば調べるほど、このタイミングで米国の大統領になるのは彼しかいなかったのだろうと思えてきます。


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        ではもうひとつ、準惑星エリスがトランプ大統領にどんな要素を与えているかを見てみましょう。

牡羊座のエリスが放射するエネルギーを簡単に言ってしまえば、
 「今まですでに存在していながら蓋をされてきた "不和" を浮上させる」
 「自分の存在を無視したり、ないがしろにしてきた者/物事への報復」
 「自分が信じる真のアイデンティティを復活させるための闘い」
 でしょうか。

エリスは冥王星やセレスと共に「準惑星」として分類される惑星です。冥王星が惑星から準惑星に "格下げ" される原因を作った存在としても有名ですよね。現在は牡羊座の22°台で20°台の天王星と長期のコンジャンクト中。 正確な形成は2016年6月、9月、そして今年3月17日に最後のコンジャンクション形成があります。ちなみに前回エリスが天王星とコンジャンクトしたのは1927年〜1928年。世界大恐慌の直前でした。

        トランプ大統領はエリスを牡羊座6°台に持っています。ただエリスは大変遠い星なので、その公転周期は560年。なので、ネイタルでのエリスの位置は広い世代で共有されるものです(サビアン・シンボル的には1°違えばテーマも微妙に異なりますが)。

ですから、エリスも恒星と同じように他の惑星とのアスペクトによって強調されているかどうかがネイタルを観る場合の肝になります。


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  トランプ氏の場合は2室(資産)で海王星とKBOイクシオンがコンジャンクション(オーブ4°強)。それに11室(政府機関etc.)水星と8室(負債)エリスとでTスクエアが形成されています。そして9室(法)牡牛座(物質的リソース)の黒いケンタウルス族ネッソス(カルミックな争い/人種的偏見が絡むケースがある)がクインカンクスとセクスタイルでイクシオン・海王星と水星に絡んでいます。彼がこれまでに幾度も破産し、訴訟沙汰や黒い噂も数限りないというのに、その度に不死鳥のように蘇り今に至ることをエリスの象意と共に考え合わせると、とても大きな意味を持つ星回りだと思います。ちなみにしばしば「サバイバル」を意味するケンタウルス族のアスボルスは、オーブ4°で彼の月蝕の太陽とコンジャンクトしています。

ここでもう一度、イクシオンの象意の代表的なものを挙げておきますね。

 「どんな人間であろうと、状況次第ではどんな事だってやれる」
 「人間が持つ神をも怖れぬ勇気、そしてそのこと自体がはらむ愚かさ」
 「どんな結末に襲われても懲りない性分」
      そして…「全ての善は悪をはらみ、全ての悪は善をはらむ」です。


   それと、もうひとつ覚えておかなければならないのは…彼の水星がアウト・オブ・バウンズ(OOB)だということです。これは彼の思考回路が常識の範疇(くびき)を超えていることを示唆しています。OOBは天才タイプやアウトロー的な人物を輩出しやすいと言われます。水星がOOBだということは、彼の思考経路はともすると誰にも理解されないような筋道を辿る場合があるということ(彼自身にとってはそれが自然です)。ただし、太陽、月、金星という3つの個人惑星のデクリネーションが22°〜23°台でギリギリOOBに近いことから、自分の思考を社会的な枠組みの中で表現するための助けになっています。けれどあくまでOOBはOOB。彼が権力志向であることは間違い無いけれど、ではいわゆるファシストかというと、またちょっと次元が違う気がします。OOB的思考は堅固でリジッドな権力構造にはそれほど価値を感じません。物事の絶頂で、本人にしか理解出来ないような理由で止めてしまうことも起こります。ただ大統領職ともなると、それが果たして可能かどうかは微妙ですが...。

トランプ大統領という存在をこれまでの常識的・政治的枠組みの範囲内で理解しようとすれば、ことごとく的外れになる怖れがあるかもしれません。おそらくトランプ氏は、政治やビジネス世界の「良心」や「道徳」という定義が、いかに矛盾していてインチキくさいものかを理性というより "本能的" に知っており、言いたい放題、やりたい放題の限界を自らの物差しで決めているように思います。その尺度に合わない細かいことなどどうでもいい...と。

だからこそ彼は「破壊者」なのかもしれません。…そしてまた同時に、自らの国家的愛や資産の対象を護るために「壁を打ち立てる者」でもあるという、一見矛盾する二つのベクトルを体現しているようにも思えます。。(11室蟹座の金星・土星・小惑星カルマのコンジャンクション、3室天秤座の小惑星キング・ケンタウルス族キラルス、9室牡羊座のケンタウルス族エケクルス・小惑星ニニギのTスクエア)


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  この水星は11室(議会、国家が抱える目標や国としての欲望)に在泊し、10室(政府と大統領)で太陽とコンジャクトするノースノード(冥王星のメッセンジャー、オルクスとコンジャンクト)の支配星です。だからチャート上でもとても重要な役割を果たしています。小惑星を調べると、面白いことにクシナダヒメとヤマタノオロチがぴたりとこの水星にコンジャンクションなんですね。神話では、怪物に食べられてしまう最後の生贄だったクシナダヒメを救ったのが素戔嗚尊。そしてこのスサノオが怪物ヤマタノオロチとの闘いにクシナダヒメを櫛に変えて伴ったという話が残っていますが…。もし小惑星クシナダヒメが女性に備わった生命力や何かを生み出す力、そしてある種の咒力を意味するとしたら、大統領は政治的にも個人的にも女性の力やエネルギーを活かすことを必要としていて、それを彼独自のやり方で実現しようとするのかもしれません。

けれど、それと同時に自分がその力の「捕食者」であり、「敵」でもあるという矛盾を抱えているように見えます。これは複雑。。  チャートを見るかぎり、彼は自分を破壊者や女性の敵とは全く考えていないし、多くのひとに愛されたいと望んでいるように感じられますが…(深層心理的には、外側に出ている人格面とは全く異なる側面が見て取れます)。

        おそらくトランプ大統領がこころ深く意識する自己のアイデンティティは「選ばれし王」であり、「救済者・保護者」であり「ドラゴンを退治する怒れる戦士」という感じだと思います。きっと彼の内部にはその旗がへんぽんとはためいてきたのではないでしょうか。そして今年、ホワイトハウスにもまた彼の旗が高々と立てられました。米国に、新たな「鷲」が生まれたことになります。

良くも悪くも壊すひとであり、理解されない者であり、降り注ぐ嫌悪もまた原動力にしていくような存在。世界をまったく異なるパースペクティブで観ていながら、細やかな説明や行き届いた配慮など一切しないだろう存在。もしかしたら、ひとつの長いサイクルの終わりにあって、何かの役割を負っているのかもしれない存在。 彼のOOBの水星は、凡庸な理想主義者を最も嫌います。 戯画的・超常的なレベルで自分の理屈を押し通そうとします。それでいて、彼を支持するひとも反対し憎むひとも、彼から目を逸らすことが出来ない、そういう存在、特異点...。 そんな大統領との交渉に直面する各国の首脳は、彼と同等の強さと抜け目なさ、そして自分が是とする目的のためなら手段を選ばないくらいの信念と決断力が必要になりそうです。


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  帝王星レグルスが強調されるひとは、幸不幸や善悪ではかれないところがあります。トランプ大統領への抵抗の度合いによっては、4年の任期を全う出来るかどうかもわかりません。おそらく弾劾への動きや暗殺の企てがあっても不思議ではないでしょう。 ただし、ここに書いてきたのはひとりの公人、ひとりの人間の内界に拡がる広大な可能性のほんの一部にすぎません。でも、たとえそうであっても、やはり米国の新大統領は今という時代、宇宙、そしてわたし達が創り上げる集合意識が選択した結果としての存在だと思うのです。  (「冗談じゃない!! 選んだ覚えなんかないわ!」という沢山の声が聞こえるような気もするけど ^_^;)


  カーディナル・クライマックス期の中央部付近を過ぎようとする今。大国、米国に生まれた新しい荒鷲さんは…もしかしたら女神エリスがわたし達の世界に投げ入れた「金の林檎」かもしれません。それはけっして新たな争いを創るわけではありません。これまでの来し方にすでに潜んでいた歪みや腐敗、不和をえぐり出すのです。そこから生まれる争いは、トロイア戦争に繋がっていくのでしょうか? それとも?

その答の一部は、この新月、わたし達それぞれの小さな旗がどんな鷲に変容していくのか、わたし達がそれをどれだけ大切に扱い、どう育てていくのかにもかかっているような気がします。それは決して小さなことではないと。。。


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  昨今の星回りは、ネットを介して怒濤のように各国の問題が露わになると同時に、集団やそれを構成している個人が抱える人生の問題、こころの澱を噴出させるような働きがあります。今、様々な抗議行動に参加するひと達もまた、何らかのかたちでそれを外界に投影しているのかもしれません。もしそういう要素が存在するとしたら、それは今という時代がはらむ危険性です。

  前にも書いたように、今後の数年は、ショッキングな出来事や変化と混沌の中を通り抜けながら、世界が今までに持てなかった視点を見出していけるかどうかのテスト期間になると思います。ということは、世界を創っている無数のわたし達個人もまた同じこと。徐々に自分の、そしてそれぞれのひとの「本性」がどうしようもなく鮮明に顕れてくる。そこには見たくもない一面だってあるかもしれない。でも、それを含めて今この手にあるものこそが、これから先を創造していくために自分に残されたリソースであり、唯一の素材です。

晴れ晴れと照る歓びと希望の日もあれば、曇る日、嵐の日もあるでしょう。世界を織りなす力の地図が刻々と変化していく中で、わたし達の住む日本もきっと小舟のように揺さぶられるかもしれません。けれどわたし達は、そのタイミングを選んでここに生まれてきたのではないかしら? もしかしたら....生きて、望み......そして視るために。


  大声で振りかざす必要の無い、自分だけの旗を内界に掲げて。目を開いて静かに考えながら生き抜いていくこと。一番大切なことは譲らず、でも責めず、大鷲のように堂々として。 誰も、自分以外の人間には成れないのだから。あのひとは素晴らしいかもしれない。けれどあのひとはどんなに望んだとしても、あなたには成れないのだから…。





have a great trek!!!★


hiyoka(^_^

hiyoka_blue at 22:30|PermalinkComments(4)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

January 22, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント1/23【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2016年1月23日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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【お知らせ】
来週1月30日付のメリマン・コラムは月イチのお休みとさせていただきます。
m(_"_)m


≪ 先週をふり返って ≫

        “トランプ氏は彼の掲げる課題を進展させるための手腕を持つパートナーが必要だ。そして彼は、共和党の議員達が専門知識や助言の源となることを理解しなければならない。もし大統領が彼らを味方につけて共通の利害を打ち出せれば、彼は自らの政権最初の2年間を、レーガン一期目以来の最も意義深い期間にすることが出来るだろう。だがもし彼が腹を立てたり、些細な政治的意見の相違から共和党の議員達と戦争状態になれば、民主党は大喜びでその戦いによって壊された残骸を引き受けるはずだ ― そして遅くとも4年後には彼を政権から追い落とすだろう。”

― ウォールストリートジャーナル 
  Opinion page, “The Audacity of Trump” 2017年1月20日付


        私達は今や非常に天王星的な人格の持ち主であるドナルド・トランプが率いる新たな大統領任期の始まりに来たが、それと時を同じくして、太陽は天王星が支配する星座宮、水瓶座に入居した。新しい日々の始まりだ。それは天王星が持つ力学の典型として、全ての事柄がまた異なった様相を呈し、そして誰も ― トランプ氏でさえも ― 予測しないような展開を見せるような日々だ。多くの事象がこれまでとは異なり、少なからず予測不能であることに誰もが慣れなければならない。ある物事は皆の予想を超えて非常に上手く働き、別の物事は期待するほど上手く運ばない。

私達はこれから新しくエキサイティングな高みの期間、そして新たな懸念の谷間に入っていく。とりわけ今後90日間(4月21日まで)はそういった時期となるだろう。これは十中八九、金融市場にも当てはまりそうで、激しく急激な価格変動の可能性がある。これは短期トレーダーには朗報であり、またいつ急落が終わるかを正しく推測出来て格安資産を買い集めることが出来る長期の投資家にとっても好機となりそうだ。とはいえ、「恐怖」と「貪欲さ」が市場動向を支配すると共に、ジオコズミック・サインは今後90日間、この両方が巷に溢れかえるだろうことを示唆している。

        先週の株式市場はおおかた下げていたが、米国株式市場はトランプ新大統領による前向きな就任演説を期待して金曜に反騰した。しかしながら、これも1月3日の★★★ジオコズミック重要変化日(CRD)に非常に近い新年最初の週につけた史上最高値のはるか下にいまだ留まっている。現在まで続く例外はナスダックで、1月20日金曜にさらなる史上新高値をつけている。

株式とは対照的に、通貨はまさに1月3日の重要変化日にユーロが13年ぶりの安値をつけた後、反騰し続けた(そして米ドルは下がり続けた)。以前このコラムでも述べたように、共和党の候補が大統領に選ばれる1月の前後6カ月の間に米ドルがトップアウトするという16年サイクルが存在する。その16年サイクルが天井をつける時期が現在来ており、それが2017年1月±6カ月ということだ。米ドルはやはり1月3日、2002年12月以来の最高値水準に舞い上がり、その時点から徐々に下がり続けている。

        米ドルが下がるにつれて金と銀は反騰し、どちらも先週は月初来高値をつけた。貴金属と通貨は共に、1月29日に開催する「ザ・グレート・リセット」を主題としたウェビナーの重要テーマだ。このグレート・リセットは米国、FRB、ドナルド・トランプ、ジャネット・イエレンのチャート分析と、これらがトランプの新閣僚や特定の金融市場とどう相互に干渉し合うかに基づいて導き出されている。もしアストロロジーについて全く知識を持たなくても、これは見逃せないウェビナーとなるだろう。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

        “米国史において最も多数を占める世代が今年、引退後の生活のために資金を引き出さねばならなくなる。これは来たるべき10年で総計数十億ドルになろうかという現金の必須の流れが始まることを意味する。”

― Vipal Monga and Sarah Krouse
  “Boomers To Start Mandatory 401 (K) Exit”
  ウォールストリートジャーナル 2017年1月18日付


        今年からここ何年かの間、退職者が彼らの口座から撤退し始めると共に、株式市場からは資金が吸い出される大音響が響き渡るだろう。それは今年終盤の木星による蠍座(負債)運行とその後2018年に起きる天王星の牡牛座(貯蓄の星座宮)入居への膳立てとなる動きだ。

しかしながら、こうした事象がフルに展開する前に、土星が調和的なトラインを2016年11月〜2017年9月まで形成中だ。この45年サイクルは歴史的に見て、米国株式指数の長期サイクルの天井との同期性を持っているが、これはまだたった4回を数えるのみだ。今回起きれば5回目となる。つまり、私達は今年この長期的天井が示現するかどうかを見守っており、それは土星・天王星トラインのようなジオコズミック要因と共に、あまりに多くの人々が引退年齢という事情から株を売らざるを得なくなるというファンダメンタルな現実の両方に基づくものだということだ。2017年からは、投資計画を進める際にこれらの事柄を常に頭に入れておくことが投資家としての賢明さだろう。

        短期的には、現在1月19日の火星・土星スクエアが終わろうとしており、1月27日の金星・土星スクエア*へと向かいつつある。先週のコラムでは大統領就任日の火星・土星スクエアが米国始原図(ドナルド・トランプとイランのチャートも同様に)に与える影響の重大さについて論じた。金星・土星スクエアもまた興味深いシグナルだ。金星が「価値」を支配し、土星が「収縮」を意味することから、このアスペクト形成に向かって下落してきた市場はその後のリバーサルと反騰の筆頭候補になるというルールがある。

したがって、今週私達がトレーダーとして注目するのはこの動きだ。何故なら、その後まもない2月6日〜11日にはエネルギーの焦点が木星へと移るからだ。木星は2月6日に逆行に転じ*、その後2月11日には太陽と調和的なトラインになる*。これは1月27日前後に安値をつけ、2月6日〜11日の天井に向かう市場を示唆する古典的なジオコズミック・サインだ。もしこれが発効するなら短期トレードを大いに楽しめるだろう。
*金星・土星スクエア:日本時間1月28日02:49
*木星逆行:日本時間2月6日15:53
*太陽・木星トライン:日本時間2月12日0:25
(2月11日午前中には日本からは見えない半影月蝕が起きる)


        その後は2月22日から4月21日まで続く、最強のジオコズミック・サインの時間帯が控えており、いよいよ興味深くなってくる。この期間は2月26日に起きる強力な日蝕(サウスノード・イクリプス)から始まるが、このサウスノード・イクリプスは通常、ノースノードと共に起きる蝕よりも困難をもたらすとされる。そしてこれは、まさに火星・天王星コンジャンクションが木星と冥王星にTスクエアを形成するただ中に起きるのだ。

トランプ氏が名だたる天王星タイプの人物であることを考慮すれば、彼(もしくは同様に天王星タイプの他の人物)がその時点で自他に対するコントロールを利かせられるかを観察するというのが興味深さの最たるものになるだろう。コントロールが不可能であれば、それは世界的な状況における爆発または分裂の象徴となる。そしてまた、母なる大自然における同様の原動力と同期するかもしれない。この時期はリスクを取るのに良い時ではない。潜在的な危険性が懸念されるからだ。






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)金融アストロロジー 

January 15, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント1/16【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2016年1月16日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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【告知】
月曜はマーティン・ルーサー・キング・デイに当たるため、米国市場は休場となる。


≪ 先週をふり返って ≫

        “ダウ平均は20,000ポイントまであと約90ポイントであり、投資家は毎日のように指数がこの捕らえにくい数字を突破することに賭けている。しかし、トランプの政策に関わる不確定性と、水曜の記者会見への失望は投資家の警戒心を強めた。”

― CNBC News
  1月13日金曜朝, www.cnbc.com


        去年12月18日に発行した株式市場スペシャルリポートで論じたように、私達は現在、都合3回形成される木星・天王星オポジションの初回形成のオーブ圏を脱しようとしている。木星・天王星オポジションは前後12取引日のオーブをもって、米国株式指数(ダウ工業平均など)のプライマリーサイクルかそれ以上のサイクルと、1928年以来分析されてきた全ジオコズミック・サイン中歴史的に最も高い相関性を持つ。木星の逆行運動のせいで、時によりこのアスペクトは3回シリーズの形成をみるが、また別の時はたった1回しか形成されないケースもある。今回は3回シリーズの方で、2016年12月26日(日本時間27日)、2017年3月2日(日本時間3日)、9月27日(日本時間28日)だ。12取引日のオーブを考慮すれば、2016年12月26日初回形成で発効した影響力の支配圏は1月12日までだ。これまでのところ、ダウ平均の最高値は1月6日月曜につけた19,999だ。しかしながら、まもなくやってくる2017年3月2日、もう1回の形成が起きる。これは3月4日の金星逆行のたった2日前という理由から、もっと重要だ。

しかし、12月26日前後の12取引日というオーブ圏内でプライマリーサイクルの高値または安値をつけたかもしれない金融市場は株式市場ばかりではない。ユーロとスイスフランは1月3日に数ヶ月ぶりの安値に下落した。同日、米ドルは2002年12月31日以来の最高値水準、103.82に上昇した。その頃原油もまた数ヶ月ぶりの高値をつけ、大豆はその翌日の1月4日に最安値をつけた。国債と金はアスペクト形成の前、12月15日〜16日にプライマリー・サイクルの安値をつけた可能性があるが、アスペクト圏を過ぎるまでの間に活力ある反騰が始まることは無かった。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

        今週発効するたった一つのジオコズミック・サインは、1月19日木曜に起きる好戦的な火星・土星スクエアで、ちょうどドナルド・トランプが次期米国大統領に就任する日の1日前だ。これは重要な火星・土星スクエアだ。何故なら、魚座と射手座の23°台で形成されるスクエアは、米国の火星・海王星スクエアとグランドスクエアになるからだ。またイランの火星・海王星スクエアとも同じ度数であり、双子座・射手座21°〜22°のドナルド・トランプの太陽・月オポジション(月食)とも近い。ここで懸念されるのは、トランプ氏に対する抵抗運動が暴力化することだ。彼に敵対する側はいまだに、ヒラリー・クリントンに2800万票の差をつけられたにもかかわらず彼が選挙人団の票を獲得し、結果的に選挙に勝ったことを受け入れられずにいる。

        この時期にヨーロッパに滞在しているとなかなか興味深いことがある。ここドイツとオランダで話す機会を得た沢山の人々が、トランプはロシアの大統領ウラジーミル・プーチンの操り人形だと信じているのだ。多くがプーチンを非常に知的能力が高く賢い ― トランプよりも ― と見ている。彼らはプーチンが黒幕、また場合によってはチェスの名人にも匹敵するほどの策謀家と見なしている。しかしながら、多くのトランプ支持者(特に米国において)は全く正反対の受け取り方だ。つまり、トランプの方が知能が高く(ある記事によると彼はIQ171だと言われている)、まるでトランプが黒幕でプーチンが繰り人形であるかのように、プーチンの方がトランプに従っているというわけだ。

私達は、新政権の最初の100日間で多くの事を学ぶことになろう。何故なら私達は12月から3月を通して、初回〜2回目の木星・天王星オポジション中間部に居るだけでなく、木星、冥王星、天王星のカーディナルTスクエアの心臓部に在るからだ。これらは驚愕と予測不可能のジオコズミック・サインであり、しばしば金融市場の激しい価格変動と相関する。そのうえ、株式指数のリバーサルに関わるもう一つの強力なジオコズミック・サイン、金星逆行が3月4日に起きる。これは2009年3月6日、株式市場の75年サイクルがボトムをつけ、現行の強気市場が始まった当時とおおよそ同じ度数で始まる。

この先に待つ興奮に満ちた日々のために備えねばならない。





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訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)金融アストロロジー 

January 11, 2017

●1/12の満月 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180° 対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのかを、あらためて見せてくれる「鏡」だと言えるかもしれません。なので満月のテーマは新月の瞬間から色濃く育っていくとも言えるでしょう。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにその経験を消化(昇華)し、エネルギーはゆっくりと静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯(ずれるなら満月前がベター)に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで1月12日20:53前後、北海道周辺で20:59前後、関西方面は20:34頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で20:05前後に蟹座22°27'22"で満月となります。

今回のテーマのベースであり、今も発効し続ける新月の大テーマについてはココをご覧ください。

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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【月 蟹座22°~23° + 太陽 山羊座22°~23°】
  "A woman awaiting a sailboat" +
  "A general accepting defeat gracefully"
→「期待を込めて帆船を待つ女」+
 「潔く敗北を受け入れる将軍」 

  "Meeting of a literary society" +
  "Two awards for bravery in war"
→ 「文芸協会の集まり」 +
  「戦場での勇敢さに対する2つの賞」

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期~1/27】
→★期待と不安が拮抗する中で風向きを読もうとする心理
→★自分が価値を置くものに対するプライドを誇示し固執する
→★たとえ犠牲が大きくても為すべき事を徹底しようとする精神
→★あちら立てればこちらが立たずという状況で生じるフラストレーション
→★自己のコントロールが及ばない事柄に忍耐強く対応していく
→★すぐに見えそうで見えない、掴めそうで掴めない新しいビジョン
→★言葉の技巧に囚われてその下に存在する本質を見逃す危険
→★今自分が置かれた立場や立ち位置を明確に受け入れることによる再生の一歩
→★黒か白か、善か悪か、上か下か、左か右か、美か醜か、損か得か…など
    交じり合おうとしない物事をめぐって二つに引き裂かれる状況
→★利害の衝突する闘いの中、大義名分を通し切ることで生き残る術
→★利他的な自己犠牲に憧れながら自分を護ろうとする矛盾
→★優しさと強さ、知性と感情を統合していくことの困難さと挑戦
→★過去におろそかにしてきた物事の露呈とけじめの時
→★人に知られぬ純粋な行いや努力が報われる経験
→★全ての物事が持つ二面性への気付きとその狭間で身動きの取れない状態
→★自己の内部を精査しながら外界の喧噪と内界の空白に耐える・・・→


エネルギーのポイント:『より高度な二元性の認識から始まる新たな訓練』 

170112FM


        去年も押し詰まって迎えた新月。そのエネルギー・ポイントは『不確実性の壁を前にした乱反射、逡巡と適応力』でした。外の世界も自己の内部も壮大なトランジッションの渦中に入り、手探りの旅は始まったばかり。みんな、お正月はどうだったかな? 家族や恋人、友人と、あるいはひとりで。毎年変わらぬお正月風景やその営みの中、ふと何かが変わってしまった… と感じたひともいるかもしれません。 変わったのは自分自身なのか? それとも他の何かなのか? もしかしたらそれも判然としないままに。二重の空間を生きているような? 感じ方はひとそれぞれだとしても、もし意識や知覚に微妙な変化を感じるひとがいるとしたら、それはこのタイミングで贈られた宇宙のプレゼントだったかもしれません。


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  去年〜今年の変わり目は、ちょうど水星逆行と重なりました。事故も多かったし、過去に絡んで土星・ヴェスタ・ネッソスが創り出す「火による浄化」の霊的な体験を通過したひと(これからするひと)もいるかな。(火事も多かったですね。。) 過去…それもすっかり忘れていたような過去の想いや経験が蘇ってきたり。また新月図のMCに乗っていた海王星の力添えも受けて、昔はわからなかった物事の様々な断片が今、急に浮上してひとつに繫がり、ハッとわかってしまったり。その他様々なインスピレーションに恵まれたひとも多いのではないでしょうか。 

新月の記事にも書いたように、現在水星は順行しながら来た道を元へ辿るシャドウフェーズの真っ最中。シャドウ抜けは1月28日、次の新月が起きる日です。ということは、逆行中に得た気付きやインスピレーションもまた、意識の中で消化(昇華)運動の真っ最中かも。焦らず、結論を急がず。大切に温めながらいきましょう。それがどんな物事であれ、ゆっくりと自分の中に根付かせることで、きっとこれから先、新たな視座を得るための鍵になるんじゃないかな。。


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        そして…2017年に入ったわたし達は、今年最初の結実、満月を迎えます。満月図はまぁなんともダイナミック。12月27日に初回のオポジション形成を終えた木星・天王星だけど、今回は木星とエリスがオーブ20’強のタイトなオポジションとなり、それに天王星 、そして離れつつあるセレスも十分なオーブ圏内でエネルギーを放射しています。そして今回はこれに満月の月と太陽がグランドスクエアを形成しているんですね。牡羊座の天王星・エリスが高らかに(狂おしいほど)主張する「我らのアイデンティティを尊重せよ!」「何がなんでも自主独立!」「問答無用!」という声が止むことはなさそうです。それを受ける天秤座の木星は本来、外交力に長けた力ではあるけれど。この位置ではプライドを護ったり虚勢に力を注ぐ傾向も強まりそう。狭く深い井戸の底から「自分が王だ!」と空に向かって叫ぶように。。。 

そんなわけで、背反矛盾したエネルギーの綱引きは、蟹座の満月がもたらすディープな感情をともなって最盛期を迎えそう。多くのひと達がセンセーショナルなニュースを巡って右往左往してみたり、一方で情熱的な献身をしたかと思うと同じひと達が冷酷な報復行為を行ったり。気分的にボラタイルというか、固唾を呑んだ緊張感で静まり返った途端にすぐ燃え上がるような感じさえあります。これは広い世界にも身近な社会環境にも、下地として共通するちと不穏な雰囲気かもしれません。


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  また、この満月のエネルギーにダイレクトに触れる惑星や感受点をネイタルに持っている場合など、自分自身の中に背反する思いを抱え、葛藤したり気分が激しく上下するようなひともいるでしょう。それは「あちら立てればこちらが立たず」みたいな感じかもしれないし、ゴージャスさや純粋でロマンティックなものに対する欲求が高まる反面、実世界の醜さが目について立ち向かってみたり意気消沈してしまったりとか。。 あるいは去年〜今年にかけて新たに分け入った意識の謎を抱え、二つの世界の間で判断がつかず立ち往生するような感覚を抱くひともいるかもしれません。それはちょうどこの満月のシンボル『期待をこめて帆船を待つ女』のようでもあるし、また『文芸協会の集まり』に出席し、皆に感動を与える技巧を批評することで、賞をかけたペンの闘いをジャッジする人々から放射されるエネルギーともオーバーラップします。

        わたし達は今、欺瞞と驚きと対立と疑念に満ちた土星・海王星スクエアの2016年から、カーディナルTスクエアと土星・天王星ウェイニングトラインの2017年に入ったばかり。今まで隠されてきた…または薄々わかっていながらも蓋をしてきた様々な社会的・個人的な偽りや思い込みの結果を消化しつつ、疑いと手探りの中で、肌身に感じる現実的な変化を体験していく…そんなトランジッションの渦中にあります。そこではまだまだ慣性の法則が働き、不安や疑いを引き起こすようなことも起きるし、過剰な疑念がかえって破壊的な結果を招く危険も残るでしょう。 

こうしたトランジッションのとば口で必要になるのは、とにもかくにも自分自身の「今」を丸ごと認めて引き受けることかもしれません。帆船がやってくるかどうかは風向き次第。いくら待っても来ないのかもしれない。半分は、わかっている。でも、そこに立ち続ける。水平線を眺め続ける。それだけの毎日かもしれなくても。何を待っているのかわからなくなってさえも。。


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  けれど、やがて船はやってくるのかもしれない。もし船が来なくても、その立ち続けた行為から新たな物語が芽生えるかもしれない。今、自分に出来ること。自分のエネルギーが向いていくことに賭けてみる。 期待に惑わされてではなく、意志と選択の結果として。 たとえ敗軍の将になったとしても、出来ること全てを尽くした上で結果を受け止め呑み込むその姿は、戦場で見られる一番勇敢な姿のひとつではないでしょうか。 『戦場での勇敢さに対する2つの賞』は、目に見える行為と目に見えない内的な高貴さの証しとして与えられるものです。 そして、物語は終わることなく新しい局面へと入っていくでしょう。 もし思い描いていたのと違う船が港に着いたとしても、そこから新しい物語が始まり、文芸協会の面々を沸き立たせるような、新たな感動が生まれてくる可能性があります。 わたし達は潜在意識の中でいつも何かの訪れを待っているような気がします。幸せが、不幸が、素適なことが、嫌なことが...。でも、本当は今のわたし達の理性では見ることの出来ない「何か」の方が、時を超えたその先でわたし達の来訪を今か今かと待っているのかもしれません。

        満月のグランドスクエアの一角をになう天王星とエリスにトラインを形成する土星は小惑星ジュノーとコンジャンクト。言いたくても言えないことを胸に秘めつつ、そのプレッシャーと、もしかしたらちょっぴり怒りさえも抱えながら、新しい挑戦と慣れない状況の中で地にしっかり足を着けようと頑張っています。土星の度数は去年12月14日の満月で太陽が位置していたところ。そのシンボルは『入国する移民達』でした。 不安の中、忍耐と持続する情熱を希望に変えて新しい環境に入っていく人々。「今」を、今ある場所と立ち位置を新たな「ホーム」と思い定め、新たなアイデンティティを求めて岐路に入っていく勇気。もし何かを怖れて言い出せなかったことがあるなら、落ち着いてお腹に力を保ち、肩と首の力を抜いて、一度相手にきちんと伝えることは大切かもしれません。この継続するエネルギーは、この新月・満月期を過ぎ越していくためのひとつのヒントになりそうです。


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        この満月図には、いくつかのセスキスクエアが形成されています。その中でも一番目立つのは、MCに対して太陽・木星スクエアから伸びる形のクァドリフォームと呼ばれるフォーメーションです。図には表示されていないけれど、このMC上には小惑星クシナダヒメ、トゥルース(真実)、キルケーが乗っています。二人の女神と「真実」を意味する小惑星ですね。そしてクァドリフォームが形作る二等辺三角形を貫く形のAscには冥王星のエージェントであるオルクスが乗り、Decには金星と海王星が乗っています。日本の空に形成されるこの形。これは何を意味するのかな? 

クァドリフォームは別名「神の拳」とも呼ばれるかなりハードなアスペクトパターンです。太陽・木星スクエアの緊張状態が創り出す傲慢さや無頓着さ、不用意さ、エネルギー的・物質的な浪費などの傾向は、天王星やエリスが放射する「何が何でも・・!」というナマな欲望とも呼応して、忍耐力不足(煽り耐性の無さにも顕れやすい)、気まぐれや混乱状態、反対のための反対といったエネルギーに変換されていきます。 太陽・木星のエネルギーは、一度神の拳を通して頂点となる双子座7°台の小惑星達に向けて放射され、そこで何とかクリエイティブな解決法を見出す必要があるかもしれません。クシナダヒメのキーワードは「生命の力 ― いのちを受け宿し育てる強力な咒の力、反転の力」。キルケーのキーワードは「自分が持つ力を使ってひとを手助けすること」そしてそこに文字通り「真実」があるということ。。


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  なので日本では、女性性が持つ柔軟な受容力(または咒力)としたたかな強靱さが、一触即発のエネルギーを過ぎ越していくための鍵として役立ちそうです。ただキルケーにはネガティブな側面もあり、自分勝手に他者をコントロールしようとする傾向があります(隠れ女王様?)。またミサンドリー(男性嫌悪)的な側面があるとも言われています。実のところ、キルケーには小惑星モロン(愚かさ)もコンジャンクトしているので、拳を振り上げた怒れるフェミニストを彷彿とさせる好戦的態度には、要注意です。クァドリフォームは頂点となる惑星がネガティブなエネルギーに転じると、とても破壊的な効果を発揮します。これをどう使えるかは、本当にわたし達次第。もし上手く治めることが必要な場面に遭遇したら、この特別な女神のエネルギーを使いこなせるかどうか、ぜひ挑戦してみて。

そしてAsc上のオルクス。それにピタリとコンジャンクトするのは小惑星メンター。これはこの満月期に「わたし達が自分自身をどうジャッジしているのか」あるいは「どんなアイデンティティを保って生きているか」という問題を吟味してみることがちょっとした鍵になる可能性を示唆しています。対向のDecには金星と海王星。なのでおそらくそのための鏡になるのは、理想や夢、ロマン、美に対する感覚。何に惹かれ、何を美と感じるか。それを外界や他者に投影する前に、内なる世界の夢として探査していくこと。移ろいゆく世界、不安定な社会にではなく、今・ココの胎内宇宙にこそ、未来に繋がるヒントが沢山が存在する。。 このAsc/Dec軸は、去年9月1日、やはりAsc/Dec軸上で起きた金環蝕(オルクスとコンジャンクト)の位置なんです。


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  この日蝕は、メリマンさんを始め多くのアストロロジャーが2016年最強の力を持つと示唆していたもので、日本の日蝕図では、天頂近くに昇った土星が蝕と海王星にTスクエアを形成していました。当時の記事にはこの蝕についてこう書いています。「日本という国、そしてその大地に生きる集合体であるわたし達ひとりひとりの精神にとっても、この日蝕とそれを挟む月食の三つ組みは、これから中長期にわたってとても重要なゲートの役割を果たすのではないでしょうか。」

このときDec上で起きた日蝕はオルクスとコンジャンクトし、Asc上の海王星とオポジションでした。そしてこれによって強力にチャージされた度数が再びオルクスとメンター、金星と海王星、アングルによって今、蘇ります。去年の9月ごろ、何をしてたかな? あまりに時が早く進み過ぎてあまり思い出せないくらい(^_^;。 小惑星メンターは、文字通り深い学びを意味します。それは誰かから(あるいは空間から)教えを受け、学び、マスターし、やがて誰かに教えるようになるかもしれない何か、または領域。そしてオルクスの容赦ない審判の力。他者や外界ではなく、まず自分に対して使うべき力。新たなアイデンティティ、未来の自分という存在のために。金星と海王星の最善の力を使って。沢山のインスピレーションをもらって。 これ、この満月と木星・天王星・エリスのグランドスクエアが放射する強力なテンションを使いこなす「冒険」としては、一番の道/未知じゃないかな?


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        今朝の新聞には、2019年元旦に新天皇が即位され、元号が変わる方向で進むというニュースが載っています。これは日本にとって外面の変化には終わらない大きなことだと思います。去年、天皇陛下のお気持ち表明があったのは、木星と小惑星ニッポニアから天王星にYODが形成された8月8日でした。そして今、ニッポニアは太陽にコンジャンクトしようとしています。わたし達の象徴が変わり、時が変わり、認識もまた変わり... そしてわたし達が立つ大地とそれを取り巻く環境も音を立てて変わろうとしています。それを創り出すわたし達自身も、また大きく変化していくことでしょう。

小さな幸せも、大きな夢も、今はまだ不確定な回廊の中。 目を瞑り岸辺に立って良い風が吹くの待ちながら… 文芸協会であれやこれやと議論しながら… 一日、一日を歩む小さなわたし達。 けれどそんなわたし達の内に拡がる広大な海には、すでにいっぱいに帆を張った一艘の船が… 新大陸を目指して航海に出ているのではないでしょうか?  たとえ内なる羅針盤が震えていようとも。風が凪いでいようとも。ありったけの帆を張って。それぞれの美が待つ水平線を目指して。進みましょうか!(^_^





have a great trek!!!★


hiyoka(^_^

hiyoka_blue at 21:45|PermalinkComments(2)TrackBack(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

January 08, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント1/9【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2017年1月9日(フリー版より)
翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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※お知らせ
今週は都合により ≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫ のみの抄訳とさせていただきます。また、来週16日付のコラムも抄訳になると思います。
m(_"_)m



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

“私は何もかも見通すほど十分若くはない。”

― サー・ジェームス・マシュー・バリー
  スコットランドの小説家、劇作家(『ピーターパン』の作者)
 ( 1860〜1937)


        1月6日〜12日は5つの強力なジオコズミック・サインが展開している短期の非常に重要な時間帯だ。これは水星が逆行に転じた12月19日から1月12日まで、11種のジオコズミック・サインを含む、より長期の時間帯の締めくくりとなるパートだ。

時に市場は、より長い時間帯の中央部で反転する。今回これにあたる日は12月31日(週末のため、重要変化日は12月30日〜1月3日±3取引日)だった。また時に市場はジオコズミック・サイン群の長期の時間枠内に存在する、より短い時間帯の中央部で反転する。今回の場合それは1月9日±3取引日に相当する。多くの場合、どちらの重要変化日も異なる市場に適用することが出来る。例えば、原油は1月3日の重要変化日に55.24まで上昇し、2015年7月6日以来の最高値を記録した。米ドルもまた当時から見ての最高値に達している。だが他の市場は、この1月6日〜12日の期間に向けて大いなるトレンドを継続している。

        1月6日〜12日という時間帯は非常に重要だ。何故ならこれは1月8日の水星順行ばかりでなく、以前から言及している太陽による木星・天王星・冥王星カーディナル・Tスクエアのトランスレーションをも含むからだ。つまり、太陽は居住地域によって1月6日〜7日に冥王星とコンジャンクトする。その後太陽は1月10日に天王星に、居住地域によって1月11日〜12日に木星にスクエアを形成する。これが重要だという理由は、12月26日に起きた木星・天王星オポジションの初回形成のエネルギーの火種を煽り立てるからだ。 

12月18日に発行した株式の購読者向けスペシャル・リポートで述べたように、このアスペクトそれ自体で、私達が発見した中でも最強のプライマリーサイクル(の安値または高値)との相関性を持っている。時間のオーブは前後12取引日だ。もしハーフ・プライマリーサイクルを含めるなら、その相関性は90%をはるかに上回り100%近い。前述のリポートで述べたように、プライマリーまたはハーフプライマリーサイクルに関わるこのアスペクトの時間帯は1月12日まで続く。

        米国株式指数に相関する木星・天王星オポジションの歴史的研究に基づき、私達は12月18日〜1月12日にダウ平均において重要な高値が示現し、おそらくはハーフプライマリーサイクルの天井となるだろうと予測した。現在、私達はこの反騰が今週終わるかどうかを注視しているところだ。もしそうなるなら、株式市場は次回の木星・天王星オポジションが起きる3月2日*±12取引日に向けて急激な下落を開始するだろう。

* 木星・天王星オポジション2回目:日本時間3月3日10:15前後


  3月2日近辺といえば、これはまた8年周期で金星が牡羊座中盤で逆行に転じるタイミングに非常に近い。これが前回起きた2009年3月6日には、75年サイクルの安値と同期している。もし株式が現在の時間帯で下げに転じるなら、10%の下落幅が考えられる。

そして、もしそうなる代わりに1月12日以降も上昇を続けるなら、私達は超・長期サイクルの完了を目撃する可能性がある。それは宇宙の対称性に沿って動く市場の対称性の好例となるかもしれない。すなわち、2009年3月6日に始まり2017年3月4日*に終わりを迎えるとすれば、それはこの逐次的な2つの日付が牡羊座中盤で起きる2回の逐次的な金星逆行と同期することであり、つまりは完璧な宇宙の8年サイクルに合致するということなのだ。 

愛とお金の惑星である金星がそうも信頼に足るとするなら、これは素適なことではないか? この貴婦人は、プライマリーサイクルのリバーサルとの関連においては78%の信頼度を保っている。


*金星逆行開始:日本時間3月4日18時過ぎ






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)金融アストロロジー 

January 01, 2017

★A Happy New Year!!!★

2017

あけましておめでとうございます。
2017年、降り注ぐ星々のエネルギーと共にみんなが健やかに歩んでいけますように!(^_^


hiyoka_blue at 00:00|PermalinkComments(2)TrackBack(0)