February 2017
February 26, 2017
○2/26の新月・日食―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)
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新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)
【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで 2月27日00:17前後、北海道周辺で 00:24前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は2月26日23:58前後、沖縄周辺では23:30前後に魚座 08°12’で新月となります。
*前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。
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サビアン・シンボルによる【 新月がもたらすテーマと挑戦 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。
【太陽・月 魚座8°~9° ー 発効期:2/26~3/11 】
"A girl blowing a bugle"
→ 『ラッパを吹く少女』
↓
"A jockey"
→ 『騎手』
【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★自己の内面の想いや気付きを断固として表明したい気持ち
→★行動やことばを社会的に受け入れられる形に整えていく必要
→★承認または愛情を求めて他者の注意を惹く行動をとる
→★革新的に見えるアイデアの中に受け継がれる古い構造
→★熟考された方法を通し細心の注意を払って「一線を越える」経験
→★競争原理が働く中で気付かないうちに常軌を逸していく心理
→★他者に呼びかけたいという欲望、またはそれに応えたいという欲望
→★自分のイメージの中にだけ存在する究極のゴールを目指して突き進む
→★型破りな生き方、考え方またはヒロイックなイメージの追求
→★社会または周囲に理解されない辛さや苦しみを乗り超える必要
→★「勝つ」ことのみを目標として本来の意図が見えなくなる危険
→★自己利益のために他者を心理的に操る技術、または巧みな印象操作
→★激しやすい状況の中で抑制の利いた態度をとり続ける訓練
→★潜在する未来の「かたち」を見据えながら当面の問題に取り組む
→★体に備わった本能、または直観で活路を見出し道を切り拓いていく
→★単なる利害関係や社交儀礼を踏み越えて触れあう機会を栄養にする
→★霊的インスピレーションや創造の源に触れる一瞬の体験を慎重に扱っていく・・・→
★エネルギーのポイント:『プレッシャーと熱きこころとの相克』
さぁ、獅子座の月蝕に続いてやってくる魚座の新月・日蝕(金環蝕)です。このところのメリマン・コラムでも触れられてきましたが、今回のアスペクトはなかなかに強烈。。でも、もしかしたらここから先はこのくらい強いエネルギーなんか当たり前に感じてくるのかな? なんて気もしないではありません。
今、落ち着かなかったり不安だったり、色んな側面で苦しい思いを抱えているひとは少しずつ、少しずつ息継ぎをしながらこの「圧」に耐えていくうち、いつのまにか新しい大地に辿り着いてた… きっとそんな感じになるかもしれません。だから、今の緊張感や痛みは貴重(イヤではあるけど)で何かかけがえのない発見をもたらしてくれる、必須のプレッシャーなのだと思います(出来れば避けたいけれど...)。
「蝕」、特に日蝕はエネルギーの壁に頭から突っ込んでいくような経験です。そしてその壁は、わたし達が感知しようとしまいと、時間と空間を超えて人々の意識に刺激を与えます。魚座8°台と密接なアスペクトを組む惑星をネイタルに持つひと...そうでなくても敏感なひとにとっては、今回の日蝕は何か大きな区切りのひとつになるかもしれません。それはまるでジェットコースターに乗ったと思ったら突然トンネルに入り、上下左右もわからないまま(あるいは気付かないまま)宙返りして見知らぬ出口に辿り着くような感じかも? もしそれが起きるなら、きっとそれは特別なリニューアルのためのトンネル。あるときは本当に繊細で微細な変化。またあるときは、人生が変わってしまうような体験。 そしてそのトンネルの長さはひとにより意識により、またそのひとがネイタルに持つ惑星達との協働により、半年~数年のスパンを持っています。。
日蝕も月蝕も、年に2回ずつ起こります。そうだとすれば、古代からの長い歴史の中でまだ蝕が起きたことのない黄道上の位置ってあるのかしら...? なんて考えてしまいます。調べたことは無いけれど、もしほとんどの度数で蝕が起きていて、その都度その領域のエネルギーが強化され、全体に大きな、または微細なシフトが起こり、そしてまた長い刻を経て鎮まってきたのだとすれば...。 わたし達人間の意識もその都度、徐々に・・徐々に・・リニューアルを繰り返してきたのかもしれません。(そのわりには似たような歴史の営みが繰り返されてるような気もするけど、それでも。^_^;)
今回の日蝕 ― 新月がネイタルの惑星達にアスペクトを形成することでダイレクトに影響を受けるひとはもちろん、そうでないひとも。。それぞれの人生の中で、あるいは人間が織りなす歴史の中で、年に2回の特別なゲートがもたらすユニークなプロセス ― 内面に何が起き、それが外界にどう翻訳されて見えてくるか ― にいつもより意識を向けて、大切に過ごせたらいいなと思います。 ここから先は、たぶん3~5年先を見据えていく時間領域の始まりだと思うから。。
★2月新月・日蝕の星模様 & サビアンシンボル★
さて、前回の月蝕のエネルギー・ポイントは『アンビバレンスの克服』でした。アンビバレンスって、考えてみればわたし達人間にとっては永遠の課題みたいなものだし、そう軽々と克服出来るようなものじゃないですよね(^_^;。 それでも、まるで二元の両極から引っ張られているような感覚の中でギリギリ踏みとどまって自分の中心を失わずにこれたなら、ミッション・コンプリートかも?
蝕のエネルギーって、実のところその渦中に在る間は真の実体が曖昧で、どれほど論理的な思考を使っていても、本当には何がおきているかを明確に捉えられないことが多いものです。それでも、感情の動きだけは活発。なので気付いたらやみくもに突っ走ってた...なんてことも起きがちです。
だからこういう特別なゲートをくぐってからの数日間は特に、いつも自分が自分の「中心」にいるか? 重心から外れていないか? ...思いっきり上に舞い上がってエネルギーがダダ漏れになっていたり、お腹より下にどよ~んと垂れ下がって背中が鈍く丸くなっていたり、右や左やナナメにはみ出して青くなったり赤くなったりしていないか...なんてことを意識していることが大切かも。そして衝動ではなく、直観に従って感じ、考え、見ていること。 見続けること。 自分が今 何を言い、何をしているかを、意識のどこかできちんと捉えていること。
けど激しくぶつかり合うエネルギーが渦巻くようなときは、知らず知らずに(あるいはわかっていながらも)動かされて「はぁ...やっちまった!」なんてこともよくあります。で、確かにその結果に直面するべきときは必ずやって来るのだけど。 それはもう良いとか悪いとかいう判断を超えた物事の流れです。ただ取るべき責任があればしっかりと取り、必要ならきちんとコミュニケーションをはかる。誤魔化さない。それだけが大事。 結局、痛みをきっちり通り抜けて得られるものの方が後々大きかったりする... たとえいっとき何かを失うように見えても。 それに代わる(もしかしたしたら無形の、でも自分にとってとても大きな)何かを得る、そのスペースを空けるために。 何かが崩れたらまた少しずつ、積み上げていく。それは最初とは違うカタチになるかもしれない。いや、きっとなる。そしてその方がずっと良いかもしれない。 これは蝕の刺激に乗せられてイタイ経験をしたときに思い出してほしい鉄則です。
あ…とか何とか言い出すと、まるで蝕のときは決まって良くないことが起きそうなイメージになってしまうかも? けど決してそうじゃありません。何て言ったらいいのかな… 蝕って、多かれ少なかれひとつの区切り、新しい始まりなんですね。何かが大きく...または密やかにささやかに、変化します。 どちらにしても、それは後々大きな違いを生むようなタイプの変化です。
でもわたし達人間って、どこまでいっても深い、深いところで変化を怖れています。予測を超えた変化を。今、自分の手の中にある平穏を失いたくない。絆を。心地良さを。まだ失ってもいないときから怖れたりします。幸せすぎて不安…とか。 あるいは、自分にとって良くないとわかってはいても、あまりに慣れすぎてしまった状況から出て行くことが出来なかったりします。そして何かと理屈をつけて立ち止まります。 蝕、特に今回のようなサウスノードの蝕は、わたし達が変化を嫌うとき、ネガティブな方向性を顕著に見せます。見せるっていうより、たぶんわたし達が真っ先にそう解釈するのかもしれません。 けれど重心を保ち、受け入れる準備を整えた意識にとって、蝕は限りない創造性へのキックとなり得ます。
けれど。たとえエネルギーの一撃による痛みを抱えて傷つき、凹んだり孤独を感じるひとがいたとしても。 不思議なことだけど、同時に「えへへ」とか「うふふ」とか。。辛い気持ちとはどこかまったく別の領域に存在しながら微笑む自分も確かにいるんです。 低くたれこめた雲を突き抜け、どこか果てしなく温かい、永遠の広さを持つ場所に。気付こうと気付くまいと。 ただ、存在の全てを開いて、そこにタッチ出来るかどうかだけ。。
太陽と月が織りなす変化のリズムを受け入れるのに、もう遅いってことはありません。「やっちまった!」その後でも大丈夫。人生のアミダ籤って、とっても目が細かいんです。いつも選択肢は存在します。誰のホロスコープにも、本当はその360°の円が真っ黒に埋まるほど、多種多様な惑星や星々のエネルギーが詰まっているのだから。 「こうだからこういう傾向が出やすい」とは言えても「あなたは必ずこうなる」なんて誰にも言えないし、言えばそれは暗示になります。でも、選択するのは自分自身。そして自分の胎内宇宙に蓄えていくちから。そう...たったひとつ言い切ることが出来るとすれば、「いつかここにサヨナラするときが来る。それまではココを生きる」それだけかなぁ。
微細なものを含む全ての惑星達が持つ可能性については知らなくても、わたし達が生きる瞬間・瞬間にまだまだ知らない分かれ道が沢山存在し、ひしめきあっていること。囁きかけていること。それをこころの隅に留めながら道を切り拓いていくことって、これからますます大切になるんじゃないかと思うのです。自分を、他のひと達を、もっともっと自由にしていくために。
今回の新月で出て来るエネルギー・ポイント『プレッシャーと熱きこころとの闘い』は、この蝕の時間帯が、アンビバレンスの中で揺れることがあろうと、いつも「自分の中心」(シンボリックに言えば聖なる寺院かな?)に戻っていくための闘技場になることを意味しているのかもしれません。
と、例によって前置きが長くなりすぎ…(^_^;。じゃ、今回はまずこの日蝕のサロス・シリーズを見てみましょう。サロス・ファミリーのナンバーは140です。このシリーズが誕生したのは16世紀、1512年。えっと...ヨーロッパではルネサンス盛期でしょうか。日本は室町幕府も末期の戦国時代かな。 また直近でこのシリーズの蝕が起きたのは1963年、1981年、1999年。 いずれも今年8月の、これまた強烈な蝕サロス145との組み合わせで起きています。 wikipediaの年表をざっと見るだけでも、どの年もエポックメイキングな出来事が起きているのがわかります。そしてその内のいくつかは、今、何らかの因縁めいたものが浮上しつつあるような?(上のリンクから年表をざっと見てみると興味深いかも...。おそらくこの二つのサロス・シリーズの組み合わせが、この春からの一年を彩る大テーマになりそうな気がします。)
一方、いつも言うように、サロス・シリーズはそのファミリーごとに異なる「ニュアンス」を持っています。そしてその性格(特徴)は、そのシリーズの誕生時(初回の日蝕が起きたとき)の様相、つまりその蝕の "ネイタル・チャート" に最も強く顕れるとされています。そのチャートはこんな感じ。。 アストロロジー実践者のひと、学習中のひとは、このチャートからどんな感じを受けるでしょう?
1512年4月26日サロス140
初回日蝕のエリーズチャート
アスペクトとサビアン・シンボルから、わたしにはこのチャートがこんなことを言っているように感じられます。
『...一方では何かとても深いところから来るインスピレーションや美の感覚、または「公正さ」に関わる理想やアイデアがふり注ぐ。それはとても強力なもの。けれどそれを物質的な世界にしっかりしたカタチをとって実現しようとしたとき、様々な制約にぶつかる。そのとき、夢や思考の領域からひとつ次元を下げ、固め、カタチを生み出し、自分が実際に持ち合わせている能力やリソースを駆使して現実のものに出来るかどうか? ...諦めることなく、ルサンチマンに陥ることなく、独りよがりにならず、新しい跳躍の道を発見出来るか? これは人格の有りようを含めたテストでもある。
けれど、一番大きな試練はある種の焦燥感かもしれない。 「これしかない!」と思い定めるのはいいけれど、思い描いた幻を目先に追えば、それは執拗にあなたを追い立てる。そして先を急ぐあまり、根底は建設的であるはずの行為が破壊的な結果を生んでしまうかもしれない。 あるいは理想の美と現実の醜さとのギャップに絶望すれば、破壊的な目的を良しとしてしまうかもしれない。功を焦ってはいけない。こちら側とあちら側に橋をかけたいのか? それとも橋を爆破したいのか? 破壊して残るものは何か? 本来の目的は何だったのか?
何事も急いで呑み下せば喉につかえる。少しずつ動きながら、時をかけて創造的な迂回路を見つけよう。一度ダメだと感じたことも、まず自分の中で、再び蘇らせてみる。それは何か新しい包装紙を必要としているかもしれない。もう一度、内なる世界で思考の冒険を。それは思わぬ道筋を辿り、新しい岸辺にあなたを導いていくかもしれない。さぁ、テストを... 』なんて。
★さてここで新月・日蝕のサビアン・シンボル
では今回の太陽・月が位置する魚座8°〜9°のサビアン・シンボルはどうでしょう? まずベースとなるのは魚座8°『ラッパを吹く少女』です。 この、ラッパにあたる原語の「bugle」は、牛やバッファローなどの角に由来することばだそうです。その大元は獲物を追い求める狩猟用ラッパだったんですね。
まだ大人になる前のいたいけな少女が吹くラッパ。 「吹く」にあたる原語「blow」は、固く閉ざしていた花のつぼみが勢い良く開いていくときに使われることばでもあります。 教室の発表会でしょうか? それとも学校の祝賀行事? 幼い少女は今、誇らしげに自分のラッパを掲げ、習い覚えたばかりのメロディを高々と吹いています。一生懸命です。それは彼女にとって、初めて「個」としての自分を公衆に披露する経験かもしれません。「さぁ、みんな聴いて!これがわたしなの!」
ラッパは人々に対して「集まれ!」と呼びかけるツールでもあります。彼女のアテンション・コールはきっと成功するでしょう。ラッパの音に気付いて集まった人々は感心し、「素晴らしい演奏だね!」と誉めてくれるかもしれません。もしかしたらこころの中に「子供にしては...」というニュアンスを残しながら。 少女の奏でる音色には彼女にしか出せない「何か」が潜んでいます。それは彼女の個性そのもの。けれど息のつき方や運指の技術、そしてそのメロディそのものは、古い伝統に培われ、規則にのっとったものに他なりません。社会の中で揉まれ、受け入れられてきた「美」や「感動」を支えるしっかりした構造が、そこには存在します。 少女はまだ幼く、フレッシュで奇想天外なインスピレーションに満ちているはず。けれど彼女が受け取る称賛=狩りの獲物は、あくまで成熟し練り上げられた技術と作品を通してもたらされるものです。 少女はそれに気付くでしょうか? それを自ら受け入れ、もっと受け入れてもらうために、社会に認められた方法論の中で自分を磨いていこうとするでしょうか? それとも...?
まだ彼女の個性は明確に音に顕れてはいません。人々の注目は彼女の幼さ、可愛らしさの方に注がれています。けれどこれから先、少女が社会の中で様々な人間関係に触れ、愛を求め、成熟していくにつれて、素の彼女自身が何らかの主張をもって表現されてくるでしょう。彼女が演奏家になっていくのか他の道に行くのかは、まだこの時点ではわかりません。けれどこのシンボルの少女は今、連綿と培われた伝統を通して自分という存在を上手に表現することを学んでいます。
問題はこれから先です。人々のこころに真に訴えかける演奏をするには? 若々しい、新しい息吹、他の誰も考え付かなかったような解釈、それでいて誰もがこころの奥底に抱く共感を呼び起こす感性。果たして彼女はそれを磨いていくのでしょうか? それとも、反復練習やルーティンに嫌気がさし、ある日突然思うがままにラッパを吹き鳴らすのでしょうか? ならばそれは、ひとときの馬鹿騒ぎや遊びでしょうか? それとも、何か新鮮な感性を感じさせる管楽器演奏の革命になるでしょうか...?
さて、太陽と月が向かう度数、魚座9°のシンボルは『騎手』です。 ここは観衆でいっぱいの競馬場。どの馬が勝つのか? みんな馬券を手に、期待を込めて馬場をみつめています。居並ぶサラブレッドの名馬達。騎手の仕事は彼らにまたがり、馬と一体になって最高の力を出させ、誰よりも早くコースを駆け抜けてレースに勝つことです。ここは勝つか負けるか、速いか遅いか、結果が全ての世界。男性原理がしのぎを削る、激しい競争の場です。 男性原理といえば、原語の「jockey」は男性の名前「John」の愛称のひとつである「Jock」から来ているのだとか。また「jock」は男性器の婉曲的な表現のひとつとしても使われるし、「jockey」を動詞として使えば「出し抜いて優位に立つ」とか「ひっかけて騙す」という意味にもなります。俗語としては「ナンパする」という意味合いも。。 うーん、一見やりたい放題にも思えるけど、自己を証明するためにひとつのゴールを目指して我先にと競う…その原型は、すでに生命誕生のシステムそのものに組み込まれた、生きとし生けるもの全ての営みでもあります。
プロの騎手は体重の軽い、小さな体つきのひとが選ばれます。彼らはその小さな体で何百キロもある大きな馬を巧みに操らねばなりません。ラッパが鳴り響く中をパレードする最中も気を抜かず徐々に集中力を高め、スターティングゲートへと入っていきます。そしていざ出走すれば、それからはゴールまで、ありとあらゆる手段を使った駆け引きとポジション取りの闘いです。けれどいくら騎手が先を急いでも、肝心の馬が闘争本能を発揮して走ってくれなければ結果は出ないでしょう。先行逃げ切りか? それとも差し馬か追い込み馬か? 騎手は自分が騎乗する馬の脚質と性格とを熟知し、鞭の入れ方まで考慮した上で作戦を立てると聞きます。でも、実際のレースでは何が起きるかわかりません。だから騎手達は、短時間で臨機応変に判断を下し、勝ち抜こうとします。それは荒ぶる本能を支配し、定めたゴールに向かって全ての条件を統制する、熟練の技ではないかと思います。
レースが終わり、歓声とファンファーレの中、勝ちを収めた騎手は優勝馬と共に誇らしげです。けれどそこに至るまでの道程には、生来の才能はもちろん、積み上げた経験と鍛錬がどれほど必要なことでしょう。 その途上では、体力作りから始まりあらゆる運動能力を磨き上げる激しい訓練が必要になります。落馬すれば怪我どころか生命に関わるからです。
このシンボルが優しげな魚座に存在するのって、なんだか不思議に思いませんか? 確かに魚座はふうわりと霧に覆われ、うつろいやすくはかなげにも見える...女性的な星座宮です。けれどさすがにそこは黄道帯最後のサイン、一筋縄ではいきません。魚座は「こちら側」と「あちら側」の通路、いわば識閾とも言える領域。物質、精神、霊が渾然一体となってフラクタル模様を創っています。 けれどそこでも、生きとし生けるわたし達は肉体を持ち、競争原理が支配する社会の中で生々しい本能を抱えながら歩まなくてはなりません。 では、わたし達はどんな闘いをするのでしょう? もしかしたら、誰かの愛を奪い合うのかな? それとも仕事やお金や名誉や自尊心、あるいはより良いポジションを巡る駆け引き? 社会に蔓延する不公平? それは…もしかしたら他の誰かじゃなくて、霧に巻かれて散漫になってしまいそうな自分との闘い? それともそれとも...霊的闘いでしょうか?
確かに、競争にはネガティブな側面が付きまといます。平和に穏便に済ませられたらそれに越したことはありません。競争は格差を生み出すのも事実。けれどこの世を生きていれば、どんな競争だろうと闘いだろうと、受けて立ち、勝たねばならない場面もときにはあるのだと思います。それも、限りなくフェアなかたちで。それを怖れて避けるとき、このエネルギーは「YES」と言いながらのらりくらりと動かなかったり、約束をしながら「そうだったかな?」と煙に巻いてひそやかに優位に立つ…そんな方向に意識を導くかもしれません。それは魚座的な冷たさです。または、覚悟がつかないまま状況に先を越されてパニックになる…なんてことだってあるかもしれません。
誇らかにラッパを吹いていた少女は、今や手練れの騎手へと成長しなければなりません。感情や気分にまかせるのではなく統御することを覚え、ゴールを見据え、少しずつ。少しずつ。鍛えていく。それにはもう、怖れずに立ち向かうだけではきっと足りない。曖昧なままでは負ける。ここまで来たら、具体的なスキルを身に付けていくことも必要です。そして、やがて自分のスタイルを見出し創造していく。上辺の上品さや優雅さではなく、いつの日か内的宇宙の勝者として本物の品格を身に付けるために。そして何より、自分自身が自分のマスターになることを目指して。。 このシンボルは、そんな大きな挑戦の始まりを示唆しているのではないでしょうか。...ということはつまり、このあたりでひとムチ入るひとも多いのかな?(^_^;
サロス140ファミリーのネイタル・チャート。そして新月・日蝕のサビアン・シンボル。その両方が干渉し合うことで、自分の中になんとなく浮かび上がるイメージはあるでしょうか? もし何か思い浮かんだなら、それはこの日蝕期...そして今後数ヶ月間を彩る大きな底流のテーマとなるかもしれません...。
★最後にアスペクトなど
今回の新月図で目を惹くのはやはりこのアスペクトですね。
◆太陽・月・海王星がコンジャンクト
これにオルクス(と小惑星カルマ、アヌビス)がオポジション
(海王星は新月とパラレル、新月には小惑星ソフロシネ、
アポフィス、ディヴァインがコンジャンクト)
これには太陽と月が織りなすサビアン・シンボルのテーマに呼応するようなエネルギーが感じられます。うーん、ちょっとポエムっぽく描写してみようかな。
『…日蝕という強いエネルギーが、魚座の海王星が吐き出す霧の中で得体の知れない「像」を結ぶ。それはまるで濃霧の中にドッペルゲンガーを見るよう。 何が何でも向こう岸に辿り着きたい!という願望があるのに、手を伸ばせばサッと遠のいてしまうような。
けれど、確かに聞こえる。向こう側から自分に呼びかける、美しく聖なる声が微かに。素直な子供のように手を伸ばし、「わたしはここだよ!ここにいるよ!」そう叫びたいのに。 何かが邪魔してる。喉が詰まったみたいに。まるで四方から伸びるジェリー状の触手に引っ張られるみたいに。幾重にも歪んだリアリティ。その中で輝くちっぽけなプライド。こう見られたいという野心。なぜ自分だけが?という疑念。 それは柔らかく密やかににじり寄る「破壊の闇」そのものかもしれない。
けれどたぶん、負けない。意識と、意図とを保つ。迷ったら目を閉じる。そこにはいつだって、偏りの無い場所があるから。 そして夢見に遊び、信じることと信じないこととの狭間で、開く。 起きることは起きる。起きないことは起きない。それでいい。手探りしながら、自分の道を進む。揺らされても、沈着に。ただ、経験を積む。なぜなら審判者オルクスの公正さの下に、やがて本当の勝利者が決まるのだから…』
海王星 by Voyager 2, 1999
◆牡羊座の火星・天王星・エケクルス・エリス
(と小惑星ファエトン)がコンジャンクト
これに天秤座の木星がオポジション
(火星・天王星はパラレルで新月とはコントラパラレル)
◎3月3日 木星・天王星が2回目の正確なオポジション形成
◎3月17日 天王星・エリス最後の正確なコンジャンクション形成
牡羊座の天王星・エケクルス・エリスについてはもう何度か触れてきました。今回はこれに闘争的な火星が加わります。これはかなり爆発性を秘めたアスペクトです。世界的に、何か予測のつかないことが起きてくる可能性があります。それは地震や噴火を含むあらゆるタイプの天災かもしれないし、テロや暗殺、暴動、衝動的な殺傷・暴力事件かもしれません。また、新月に海王星が絡むことから、政敵を陥れる陰謀や根拠のない誹謗中傷も考えられます(すでにあちこちで起きつつありますね)。
これは、何より先に自分自身のアイデンティティ、立場、優位性を主張して声高に叫び、認めない相手、意見の違う相手を拒否し糾弾するようなエネルギーとして使われやすい分化・破壊・分裂の組み合わせです。この種のエネルギーはもう以前から発効中だけど、火星が加わること、木星が対峙することでフォースは増大するかもしれません。
心理的には、ちょっとした刺激で通常よりも「ムカつく」ことが多くなりそう。何気ないことばの行き違いや相手の態度が、普段なら考えられないくらい腹立たしく思える。自分が軽んじられているように感じる。そんなことが起きるかもしれません。なので「あ、この感じはもしや!?」と思ったら、一度深呼吸して冷静さを取り戻しましょう。
また新月に海王星が色濃く絡むことから、物事に集中しにくくなったり、頭がボーッとして注意力が欠けてしまうことも考えられます。間違った思い込みで突っ走ってしまうこともあるでしょう。ふとしたミスが大きな事故や火災に繋がりやすいので、いつもよりこまめに休んだり、記憶に間違いがないかなど、よく確認することも大事かな。アルコールやドラッグにも要注意。 またパエトーンが影響範囲内にあるので、バイクや車、自転車など、スピードの出し過ぎにも気を付けてね。
準惑星エリス
天王星とエリスは次回満月後の3月17日に最後のコンジャンクションを形成しますが、その後もしばらくはオーブ圏内に留まります。前回このコンジャンクションが起きたのは1927年と1928年。この組み合わせについては以前、1929年〜の世界恐慌に繋がった根拠のない投機熱の時代に同期していたことを紹介したと思います。(1927年に開かれたジュネーブ会議では、恐慌に備えるための国際的な関税引き下げや独占禁止、生産調整の国際協定など多くの決議がなされました。けれど、そのほとんどは参加国の議会によって否決されたそうです。)
また、それとは異なる要素として注目したいのは、E.フランシスが挙げていた「電子的コミュニケーション」と「エゴ」に関わる問題提起です。彼は1927年〜1928年を「ラジオの時代、そしてテレビの黎明期」と位置づけ、今回のコンジャンクション期を「インターネットに覆われた時代」としています。これら電子的なコミュニケーション・ツールは今、わたし達の生活に欠かせないものとなりました。もう単なる道具以上にわたし達の一部になっています。そしてこのツールは、天王星的なテクノロジーによって成立する 「拡張する自我=重層化するアイデンティティ(エリス)」 という新しい要素をわたし達に突き付けています。この、天王星とエリスによってもたらされた「拡張する自我」は、自己の内外の至るところに潜在し蓋をされてきた、様々な不和を攪拌し浮上させています。
ネットを介して世界中を駆け巡り、拡がり続けるわたし達の自我。どんなふうにも変容することが出来る画像技術。そこに新たな実体というべきものは存在するのでしょうか? それは実体ではなく、肥大していく自我の影なのでしょうか? それとも、実体を超えた新しいわたし達? けれどそれが真に存在するのはネット上ではなく、わたし達の内的宇宙ではなかったかしら…? もしかするとわたし達がスマホやPCのスクリーンに見ているのは、本来の内的宇宙が完全に反転してしまった "真" の虚像なのかもしれませんね。。 それもまた、はかなくも美しい煌めきに見えるけれど。。
そんなわけで、火星・天王星・エリスetc.の組み合わせは、インターネット上で起きる大きな出来事にも関連するかもしれません。 何か重大なことがネット上に暴露されて大騒ぎになったり、大規模なサイバー戦争が起きたりするのかな。。 いずれにしてもリアルと同様…というより特にネット上では、互いのコミュニケーションに細心の注意を払い、地雷原には近付かないほうが良さそうです。たとえ何を見せられたとしても、それが果たして本当のことかどうかは しばらく時が経つまで(あるいは長い間ずっと)誰にもわからない可能性があります。何かヤバイ感じのフォースが飛んできたら、対処の鍵は「どんな状況にあってもけっして自分で自分の品格を傷つけないこと」だと思います。
そういえば、お休みさせていただいた今週のメリマン・コラムでは、天王星・木星のオポジションに絡めて2本のニュースが紹介されていました。それは、「水瓶座に属する太陽系近隣の小さな星系に7個の惑星が見つかり、そのうちの6個に生命を育むに足るだけの暖かさと液状の水が存在するかもしれない」 というウォールストリートジャーナルの記事。 そしてもう1本は「NASAの科学者グループが惑星の新しい定義付けを提案。それによって冥王星がもう一度惑星として返り咲くかも?」というUSA Todayの記事です。ふーむ。。
メリマンさんはこれらの記事に、やはりウォールストリートジャーナルからの引用として、『真理というものは存在しない。何故なら実在は可変だ。』という哲学者ジャック・デリダのことばを沿えていました。。
天王星は新しい発見とテクノロジーを支配する惑星です。「ニュー・フロンティア」ということばも大好き。それに牡羊座の天王星は「こちら側から境界を突破する欲求」、天秤座の木星は「肥沃なあちら側」を意味します。 その対峙が、一連の新たな地球型惑星の発見へと繋がったのでしょうか。けれどまだ地球外生命の可能性については何ひとつわかっていません。今後の観測が待たれるところです。 それに、惑星の定義を再考するんですって? まぁ、アストロロジーの世界から見れば今さら…という気もするのだけれど。
うーん、もしかしたら、これもまた今回の蝕にふさわしい霧に巻かれたようなニュースなのかもしれませんね。。
そして…
◆山羊座の冥王星・蟹座のキラルスがオポジション
これに牡羊座の火星・天王星・エリスetcのコンジャンクション、木星で
ゆるめのグランドスクエア
◆冥王星・・キラルス・月の両ノードが形成する "ウォリサム・レクタングル"
◆木星・新月(太陽と月)・火星〜パエトーンの惑星集合・乙女座のオルクスが
形成する "ウォリサム・レクタングル"
◆その他:
★3月4日、18:09金星逆行開始
牡羊座13°08'49 "~
(4月15日 19:18 金星順行開始魚座26°54~)
★土星・イクシオンのコンジャンクション
★土星とイクシオンが銀河中心へ向かう。小惑星グリーヴとセクスタイル
★新月・オルクス・小惑星ジュノー・セレスでカイト形成
★カイロンと小惑星レクイエムがコンジャンクション etc.
この通称(というか勝手に名付けたのですが^_^;) "ウォリサム・レクタングル"については、前回の月蝕記事に書きました。今回はこれが二つも形成されています。一つは前と同じレクタングルが依然として発効中(キラルスは若者や年少者の犠牲という意味も持つけれど、子供の虐待などの悲しいニュースはまだまだ続きそう…)。そして新たな一つは新月を巻き込んだカタチ。そして多くの惑星達を含むゆるめグランドスクエア。。
新月チャートを見ると、黄道帯最高点付近に位置するオルクス(審判者)、そしてカルマ(文字通り…)とアヌビス(真実の秤、責任、慈愛)を頂点に、今回は他にも沢山の小さな惑星達が天上の輪舞に参加しています。こうした星達は皆、今までに書いてきた様々な象意と互いに呼応しながら、わたし達それぞれが主役となる創世神話の素材となってくれるでしょう。無数の光と影を使って、さてどんな物語を創ろうかな? 今夜は海王星に抱かれながら、注意深くダイブしていきましょう。
... 日本の新月・日蝕図で黄道帯の頂点に最終的な審判を意味する星々が来るというのは象徴的に思えます。 この日蝕期に全ての物事が決着することはないでしょう。何もかもが曇りガラスに隔てられたように見えるかもしれません。けれど、わたし達は昔からこんなことばを聞かされてきました。「天は見ている」って。そう、天が見てる。 けど天って、誰だろう? わたし達は、何を天と呼んでいるんだろう...?
黄道帯の最低点、IC近くで起きる日蝕。そして広大な宇宙円環の頂点からわたし達を見下ろす、異界の審判者達。過去をクリアにし、リニューアルを迫る蝕のエネルギーと切り結びながら、はるか深奥から呼びかける彼らの声は、きっとこう言ってるんじゃないかな?
『最善の君を。ただ、裸の魂を。それだけが君の生に値するものだ。生きよ。終わりの全てを天に委ね、なおも強く生きよ』 と。
ふぅ。なんだか今回も、星々のエネルギーは濃密ね。。 けど。
have a great trek!!!★ 素適な蝕の夜を!
hiyoka(^_^
新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)
【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで 2月27日00:17前後、北海道周辺で 00:24前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は2月26日23:58前後、沖縄周辺では23:30前後に魚座 08°12’で新月となります。
*前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。
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サビアン・シンボルによる【 新月がもたらすテーマと挑戦 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。
【太陽・月 魚座8°~9° ー 発効期:2/26~3/11 】
"A girl blowing a bugle"
→ 『ラッパを吹く少女』
↓
"A jockey"
→ 『騎手』
【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
→★自己の内面の想いや気付きを断固として表明したい気持ち
→★行動やことばを社会的に受け入れられる形に整えていく必要
→★承認または愛情を求めて他者の注意を惹く行動をとる
→★革新的に見えるアイデアの中に受け継がれる古い構造
→★熟考された方法を通し細心の注意を払って「一線を越える」経験
→★競争原理が働く中で気付かないうちに常軌を逸していく心理
→★他者に呼びかけたいという欲望、またはそれに応えたいという欲望
→★自分のイメージの中にだけ存在する究極のゴールを目指して突き進む
→★型破りな生き方、考え方またはヒロイックなイメージの追求
→★社会または周囲に理解されない辛さや苦しみを乗り超える必要
→★「勝つ」ことのみを目標として本来の意図が見えなくなる危険
→★自己利益のために他者を心理的に操る技術、または巧みな印象操作
→★激しやすい状況の中で抑制の利いた態度をとり続ける訓練
→★潜在する未来の「かたち」を見据えながら当面の問題に取り組む
→★体に備わった本能、または直観で活路を見出し道を切り拓いていく
→★単なる利害関係や社交儀礼を踏み越えて触れあう機会を栄養にする
→★霊的インスピレーションや創造の源に触れる一瞬の体験を慎重に扱っていく・・・→
★エネルギーのポイント:『プレッシャーと熱きこころとの相克』
さぁ、獅子座の月蝕に続いてやってくる魚座の新月・日蝕(金環蝕)です。このところのメリマン・コラムでも触れられてきましたが、今回のアスペクトはなかなかに強烈。。でも、もしかしたらここから先はこのくらい強いエネルギーなんか当たり前に感じてくるのかな? なんて気もしないではありません。
今、落ち着かなかったり不安だったり、色んな側面で苦しい思いを抱えているひとは少しずつ、少しずつ息継ぎをしながらこの「圧」に耐えていくうち、いつのまにか新しい大地に辿り着いてた… きっとそんな感じになるかもしれません。だから、今の緊張感や痛みは貴重(イヤではあるけど)で何かかけがえのない発見をもたらしてくれる、必須のプレッシャーなのだと思います(出来れば避けたいけれど...)。
「蝕」、特に日蝕はエネルギーの壁に頭から突っ込んでいくような経験です。そしてその壁は、わたし達が感知しようとしまいと、時間と空間を超えて人々の意識に刺激を与えます。魚座8°台と密接なアスペクトを組む惑星をネイタルに持つひと...そうでなくても敏感なひとにとっては、今回の日蝕は何か大きな区切りのひとつになるかもしれません。それはまるでジェットコースターに乗ったと思ったら突然トンネルに入り、上下左右もわからないまま(あるいは気付かないまま)宙返りして見知らぬ出口に辿り着くような感じかも? もしそれが起きるなら、きっとそれは特別なリニューアルのためのトンネル。あるときは本当に繊細で微細な変化。またあるときは、人生が変わってしまうような体験。 そしてそのトンネルの長さはひとにより意識により、またそのひとがネイタルに持つ惑星達との協働により、半年~数年のスパンを持っています。。
日蝕も月蝕も、年に2回ずつ起こります。そうだとすれば、古代からの長い歴史の中でまだ蝕が起きたことのない黄道上の位置ってあるのかしら...? なんて考えてしまいます。調べたことは無いけれど、もしほとんどの度数で蝕が起きていて、その都度その領域のエネルギーが強化され、全体に大きな、または微細なシフトが起こり、そしてまた長い刻を経て鎮まってきたのだとすれば...。 わたし達人間の意識もその都度、徐々に・・徐々に・・リニューアルを繰り返してきたのかもしれません。(そのわりには似たような歴史の営みが繰り返されてるような気もするけど、それでも。^_^;)
今回の日蝕 ― 新月がネイタルの惑星達にアスペクトを形成することでダイレクトに影響を受けるひとはもちろん、そうでないひとも。。それぞれの人生の中で、あるいは人間が織りなす歴史の中で、年に2回の特別なゲートがもたらすユニークなプロセス ― 内面に何が起き、それが外界にどう翻訳されて見えてくるか ― にいつもより意識を向けて、大切に過ごせたらいいなと思います。 ここから先は、たぶん3~5年先を見据えていく時間領域の始まりだと思うから。。
★2月新月・日蝕の星模様 & サビアンシンボル★
さて、前回の月蝕のエネルギー・ポイントは『アンビバレンスの克服』でした。アンビバレンスって、考えてみればわたし達人間にとっては永遠の課題みたいなものだし、そう軽々と克服出来るようなものじゃないですよね(^_^;。 それでも、まるで二元の両極から引っ張られているような感覚の中でギリギリ踏みとどまって自分の中心を失わずにこれたなら、ミッション・コンプリートかも?
蝕のエネルギーって、実のところその渦中に在る間は真の実体が曖昧で、どれほど論理的な思考を使っていても、本当には何がおきているかを明確に捉えられないことが多いものです。それでも、感情の動きだけは活発。なので気付いたらやみくもに突っ走ってた...なんてことも起きがちです。
だからこういう特別なゲートをくぐってからの数日間は特に、いつも自分が自分の「中心」にいるか? 重心から外れていないか? ...思いっきり上に舞い上がってエネルギーがダダ漏れになっていたり、お腹より下にどよ~んと垂れ下がって背中が鈍く丸くなっていたり、右や左やナナメにはみ出して青くなったり赤くなったりしていないか...なんてことを意識していることが大切かも。そして衝動ではなく、直観に従って感じ、考え、見ていること。 見続けること。 自分が今 何を言い、何をしているかを、意識のどこかできちんと捉えていること。
けど激しくぶつかり合うエネルギーが渦巻くようなときは、知らず知らずに(あるいはわかっていながらも)動かされて「はぁ...やっちまった!」なんてこともよくあります。で、確かにその結果に直面するべきときは必ずやって来るのだけど。 それはもう良いとか悪いとかいう判断を超えた物事の流れです。ただ取るべき責任があればしっかりと取り、必要ならきちんとコミュニケーションをはかる。誤魔化さない。それだけが大事。 結局、痛みをきっちり通り抜けて得られるものの方が後々大きかったりする... たとえいっとき何かを失うように見えても。 それに代わる(もしかしたしたら無形の、でも自分にとってとても大きな)何かを得る、そのスペースを空けるために。 何かが崩れたらまた少しずつ、積み上げていく。それは最初とは違うカタチになるかもしれない。いや、きっとなる。そしてその方がずっと良いかもしれない。 これは蝕の刺激に乗せられてイタイ経験をしたときに思い出してほしい鉄則です。
あ…とか何とか言い出すと、まるで蝕のときは決まって良くないことが起きそうなイメージになってしまうかも? けど決してそうじゃありません。何て言ったらいいのかな… 蝕って、多かれ少なかれひとつの区切り、新しい始まりなんですね。何かが大きく...または密やかにささやかに、変化します。 どちらにしても、それは後々大きな違いを生むようなタイプの変化です。
でもわたし達人間って、どこまでいっても深い、深いところで変化を怖れています。予測を超えた変化を。今、自分の手の中にある平穏を失いたくない。絆を。心地良さを。まだ失ってもいないときから怖れたりします。幸せすぎて不安…とか。 あるいは、自分にとって良くないとわかってはいても、あまりに慣れすぎてしまった状況から出て行くことが出来なかったりします。そして何かと理屈をつけて立ち止まります。 蝕、特に今回のようなサウスノードの蝕は、わたし達が変化を嫌うとき、ネガティブな方向性を顕著に見せます。見せるっていうより、たぶんわたし達が真っ先にそう解釈するのかもしれません。 けれど重心を保ち、受け入れる準備を整えた意識にとって、蝕は限りない創造性へのキックとなり得ます。
けれど。たとえエネルギーの一撃による痛みを抱えて傷つき、凹んだり孤独を感じるひとがいたとしても。 不思議なことだけど、同時に「えへへ」とか「うふふ」とか。。辛い気持ちとはどこかまったく別の領域に存在しながら微笑む自分も確かにいるんです。 低くたれこめた雲を突き抜け、どこか果てしなく温かい、永遠の広さを持つ場所に。気付こうと気付くまいと。 ただ、存在の全てを開いて、そこにタッチ出来るかどうかだけ。。
太陽と月が織りなす変化のリズムを受け入れるのに、もう遅いってことはありません。「やっちまった!」その後でも大丈夫。人生のアミダ籤って、とっても目が細かいんです。いつも選択肢は存在します。誰のホロスコープにも、本当はその360°の円が真っ黒に埋まるほど、多種多様な惑星や星々のエネルギーが詰まっているのだから。 「こうだからこういう傾向が出やすい」とは言えても「あなたは必ずこうなる」なんて誰にも言えないし、言えばそれは暗示になります。でも、選択するのは自分自身。そして自分の胎内宇宙に蓄えていくちから。そう...たったひとつ言い切ることが出来るとすれば、「いつかここにサヨナラするときが来る。それまではココを生きる」それだけかなぁ。
微細なものを含む全ての惑星達が持つ可能性については知らなくても、わたし達が生きる瞬間・瞬間にまだまだ知らない分かれ道が沢山存在し、ひしめきあっていること。囁きかけていること。それをこころの隅に留めながら道を切り拓いていくことって、これからますます大切になるんじゃないかと思うのです。自分を、他のひと達を、もっともっと自由にしていくために。
今回の新月で出て来るエネルギー・ポイント『プレッシャーと熱きこころとの闘い』は、この蝕の時間帯が、アンビバレンスの中で揺れることがあろうと、いつも「自分の中心」(シンボリックに言えば聖なる寺院かな?)に戻っていくための闘技場になることを意味しているのかもしれません。
と、例によって前置きが長くなりすぎ…(^_^;。じゃ、今回はまずこの日蝕のサロス・シリーズを見てみましょう。サロス・ファミリーのナンバーは140です。このシリーズが誕生したのは16世紀、1512年。えっと...ヨーロッパではルネサンス盛期でしょうか。日本は室町幕府も末期の戦国時代かな。 また直近でこのシリーズの蝕が起きたのは1963年、1981年、1999年。 いずれも今年8月の、これまた強烈な蝕サロス145との組み合わせで起きています。 wikipediaの年表をざっと見るだけでも、どの年もエポックメイキングな出来事が起きているのがわかります。そしてその内のいくつかは、今、何らかの因縁めいたものが浮上しつつあるような?(上のリンクから年表をざっと見てみると興味深いかも...。おそらくこの二つのサロス・シリーズの組み合わせが、この春からの一年を彩る大テーマになりそうな気がします。)
一方、いつも言うように、サロス・シリーズはそのファミリーごとに異なる「ニュアンス」を持っています。そしてその性格(特徴)は、そのシリーズの誕生時(初回の日蝕が起きたとき)の様相、つまりその蝕の "ネイタル・チャート" に最も強く顕れるとされています。そのチャートはこんな感じ。。 アストロロジー実践者のひと、学習中のひとは、このチャートからどんな感じを受けるでしょう?
1512年4月26日サロス140
初回日蝕のエリーズチャート
アスペクトとサビアン・シンボルから、わたしにはこのチャートがこんなことを言っているように感じられます。
『...一方では何かとても深いところから来るインスピレーションや美の感覚、または「公正さ」に関わる理想やアイデアがふり注ぐ。それはとても強力なもの。けれどそれを物質的な世界にしっかりしたカタチをとって実現しようとしたとき、様々な制約にぶつかる。そのとき、夢や思考の領域からひとつ次元を下げ、固め、カタチを生み出し、自分が実際に持ち合わせている能力やリソースを駆使して現実のものに出来るかどうか? ...諦めることなく、ルサンチマンに陥ることなく、独りよがりにならず、新しい跳躍の道を発見出来るか? これは人格の有りようを含めたテストでもある。
けれど、一番大きな試練はある種の焦燥感かもしれない。 「これしかない!」と思い定めるのはいいけれど、思い描いた幻を目先に追えば、それは執拗にあなたを追い立てる。そして先を急ぐあまり、根底は建設的であるはずの行為が破壊的な結果を生んでしまうかもしれない。 あるいは理想の美と現実の醜さとのギャップに絶望すれば、破壊的な目的を良しとしてしまうかもしれない。功を焦ってはいけない。こちら側とあちら側に橋をかけたいのか? それとも橋を爆破したいのか? 破壊して残るものは何か? 本来の目的は何だったのか?
何事も急いで呑み下せば喉につかえる。少しずつ動きながら、時をかけて創造的な迂回路を見つけよう。一度ダメだと感じたことも、まず自分の中で、再び蘇らせてみる。それは何か新しい包装紙を必要としているかもしれない。もう一度、内なる世界で思考の冒険を。それは思わぬ道筋を辿り、新しい岸辺にあなたを導いていくかもしれない。さぁ、テストを... 』なんて。
★さてここで新月・日蝕のサビアン・シンボル
では今回の太陽・月が位置する魚座8°〜9°のサビアン・シンボルはどうでしょう? まずベースとなるのは魚座8°『ラッパを吹く少女』です。 この、ラッパにあたる原語の「bugle」は、牛やバッファローなどの角に由来することばだそうです。その大元は獲物を追い求める狩猟用ラッパだったんですね。
まだ大人になる前のいたいけな少女が吹くラッパ。 「吹く」にあたる原語「blow」は、固く閉ざしていた花のつぼみが勢い良く開いていくときに使われることばでもあります。 教室の発表会でしょうか? それとも学校の祝賀行事? 幼い少女は今、誇らしげに自分のラッパを掲げ、習い覚えたばかりのメロディを高々と吹いています。一生懸命です。それは彼女にとって、初めて「個」としての自分を公衆に披露する経験かもしれません。「さぁ、みんな聴いて!これがわたしなの!」
ラッパは人々に対して「集まれ!」と呼びかけるツールでもあります。彼女のアテンション・コールはきっと成功するでしょう。ラッパの音に気付いて集まった人々は感心し、「素晴らしい演奏だね!」と誉めてくれるかもしれません。もしかしたらこころの中に「子供にしては...」というニュアンスを残しながら。 少女の奏でる音色には彼女にしか出せない「何か」が潜んでいます。それは彼女の個性そのもの。けれど息のつき方や運指の技術、そしてそのメロディそのものは、古い伝統に培われ、規則にのっとったものに他なりません。社会の中で揉まれ、受け入れられてきた「美」や「感動」を支えるしっかりした構造が、そこには存在します。 少女はまだ幼く、フレッシュで奇想天外なインスピレーションに満ちているはず。けれど彼女が受け取る称賛=狩りの獲物は、あくまで成熟し練り上げられた技術と作品を通してもたらされるものです。 少女はそれに気付くでしょうか? それを自ら受け入れ、もっと受け入れてもらうために、社会に認められた方法論の中で自分を磨いていこうとするでしょうか? それとも...?
まだ彼女の個性は明確に音に顕れてはいません。人々の注目は彼女の幼さ、可愛らしさの方に注がれています。けれどこれから先、少女が社会の中で様々な人間関係に触れ、愛を求め、成熟していくにつれて、素の彼女自身が何らかの主張をもって表現されてくるでしょう。彼女が演奏家になっていくのか他の道に行くのかは、まだこの時点ではわかりません。けれどこのシンボルの少女は今、連綿と培われた伝統を通して自分という存在を上手に表現することを学んでいます。
問題はこれから先です。人々のこころに真に訴えかける演奏をするには? 若々しい、新しい息吹、他の誰も考え付かなかったような解釈、それでいて誰もがこころの奥底に抱く共感を呼び起こす感性。果たして彼女はそれを磨いていくのでしょうか? それとも、反復練習やルーティンに嫌気がさし、ある日突然思うがままにラッパを吹き鳴らすのでしょうか? ならばそれは、ひとときの馬鹿騒ぎや遊びでしょうか? それとも、何か新鮮な感性を感じさせる管楽器演奏の革命になるでしょうか...?
さて、太陽と月が向かう度数、魚座9°のシンボルは『騎手』です。 ここは観衆でいっぱいの競馬場。どの馬が勝つのか? みんな馬券を手に、期待を込めて馬場をみつめています。居並ぶサラブレッドの名馬達。騎手の仕事は彼らにまたがり、馬と一体になって最高の力を出させ、誰よりも早くコースを駆け抜けてレースに勝つことです。ここは勝つか負けるか、速いか遅いか、結果が全ての世界。男性原理がしのぎを削る、激しい競争の場です。 男性原理といえば、原語の「jockey」は男性の名前「John」の愛称のひとつである「Jock」から来ているのだとか。また「jock」は男性器の婉曲的な表現のひとつとしても使われるし、「jockey」を動詞として使えば「出し抜いて優位に立つ」とか「ひっかけて騙す」という意味にもなります。俗語としては「ナンパする」という意味合いも。。 うーん、一見やりたい放題にも思えるけど、自己を証明するためにひとつのゴールを目指して我先にと競う…その原型は、すでに生命誕生のシステムそのものに組み込まれた、生きとし生けるもの全ての営みでもあります。
プロの騎手は体重の軽い、小さな体つきのひとが選ばれます。彼らはその小さな体で何百キロもある大きな馬を巧みに操らねばなりません。ラッパが鳴り響く中をパレードする最中も気を抜かず徐々に集中力を高め、スターティングゲートへと入っていきます。そしていざ出走すれば、それからはゴールまで、ありとあらゆる手段を使った駆け引きとポジション取りの闘いです。けれどいくら騎手が先を急いでも、肝心の馬が闘争本能を発揮して走ってくれなければ結果は出ないでしょう。先行逃げ切りか? それとも差し馬か追い込み馬か? 騎手は自分が騎乗する馬の脚質と性格とを熟知し、鞭の入れ方まで考慮した上で作戦を立てると聞きます。でも、実際のレースでは何が起きるかわかりません。だから騎手達は、短時間で臨機応変に判断を下し、勝ち抜こうとします。それは荒ぶる本能を支配し、定めたゴールに向かって全ての条件を統制する、熟練の技ではないかと思います。
レースが終わり、歓声とファンファーレの中、勝ちを収めた騎手は優勝馬と共に誇らしげです。けれどそこに至るまでの道程には、生来の才能はもちろん、積み上げた経験と鍛錬がどれほど必要なことでしょう。 その途上では、体力作りから始まりあらゆる運動能力を磨き上げる激しい訓練が必要になります。落馬すれば怪我どころか生命に関わるからです。
このシンボルが優しげな魚座に存在するのって、なんだか不思議に思いませんか? 確かに魚座はふうわりと霧に覆われ、うつろいやすくはかなげにも見える...女性的な星座宮です。けれどさすがにそこは黄道帯最後のサイン、一筋縄ではいきません。魚座は「こちら側」と「あちら側」の通路、いわば識閾とも言える領域。物質、精神、霊が渾然一体となってフラクタル模様を創っています。 けれどそこでも、生きとし生けるわたし達は肉体を持ち、競争原理が支配する社会の中で生々しい本能を抱えながら歩まなくてはなりません。 では、わたし達はどんな闘いをするのでしょう? もしかしたら、誰かの愛を奪い合うのかな? それとも仕事やお金や名誉や自尊心、あるいはより良いポジションを巡る駆け引き? 社会に蔓延する不公平? それは…もしかしたら他の誰かじゃなくて、霧に巻かれて散漫になってしまいそうな自分との闘い? それともそれとも...霊的闘いでしょうか?
確かに、競争にはネガティブな側面が付きまといます。平和に穏便に済ませられたらそれに越したことはありません。競争は格差を生み出すのも事実。けれどこの世を生きていれば、どんな競争だろうと闘いだろうと、受けて立ち、勝たねばならない場面もときにはあるのだと思います。それも、限りなくフェアなかたちで。それを怖れて避けるとき、このエネルギーは「YES」と言いながらのらりくらりと動かなかったり、約束をしながら「そうだったかな?」と煙に巻いてひそやかに優位に立つ…そんな方向に意識を導くかもしれません。それは魚座的な冷たさです。または、覚悟がつかないまま状況に先を越されてパニックになる…なんてことだってあるかもしれません。
誇らかにラッパを吹いていた少女は、今や手練れの騎手へと成長しなければなりません。感情や気分にまかせるのではなく統御することを覚え、ゴールを見据え、少しずつ。少しずつ。鍛えていく。それにはもう、怖れずに立ち向かうだけではきっと足りない。曖昧なままでは負ける。ここまで来たら、具体的なスキルを身に付けていくことも必要です。そして、やがて自分のスタイルを見出し創造していく。上辺の上品さや優雅さではなく、いつの日か内的宇宙の勝者として本物の品格を身に付けるために。そして何より、自分自身が自分のマスターになることを目指して。。 このシンボルは、そんな大きな挑戦の始まりを示唆しているのではないでしょうか。...ということはつまり、このあたりでひとムチ入るひとも多いのかな?(^_^;
サロス140ファミリーのネイタル・チャート。そして新月・日蝕のサビアン・シンボル。その両方が干渉し合うことで、自分の中になんとなく浮かび上がるイメージはあるでしょうか? もし何か思い浮かんだなら、それはこの日蝕期...そして今後数ヶ月間を彩る大きな底流のテーマとなるかもしれません...。
★最後にアスペクトなど
今回の新月図で目を惹くのはやはりこのアスペクトですね。
◆太陽・月・海王星がコンジャンクト
これにオルクス(と小惑星カルマ、アヌビス)がオポジション
(海王星は新月とパラレル、新月には小惑星ソフロシネ、
アポフィス、ディヴァインがコンジャンクト)
これには太陽と月が織りなすサビアン・シンボルのテーマに呼応するようなエネルギーが感じられます。うーん、ちょっとポエムっぽく描写してみようかな。
『…日蝕という強いエネルギーが、魚座の海王星が吐き出す霧の中で得体の知れない「像」を結ぶ。それはまるで濃霧の中にドッペルゲンガーを見るよう。 何が何でも向こう岸に辿り着きたい!という願望があるのに、手を伸ばせばサッと遠のいてしまうような。
けれど、確かに聞こえる。向こう側から自分に呼びかける、美しく聖なる声が微かに。素直な子供のように手を伸ばし、「わたしはここだよ!ここにいるよ!」そう叫びたいのに。 何かが邪魔してる。喉が詰まったみたいに。まるで四方から伸びるジェリー状の触手に引っ張られるみたいに。幾重にも歪んだリアリティ。その中で輝くちっぽけなプライド。こう見られたいという野心。なぜ自分だけが?という疑念。 それは柔らかく密やかににじり寄る「破壊の闇」そのものかもしれない。
けれどたぶん、負けない。意識と、意図とを保つ。迷ったら目を閉じる。そこにはいつだって、偏りの無い場所があるから。 そして夢見に遊び、信じることと信じないこととの狭間で、開く。 起きることは起きる。起きないことは起きない。それでいい。手探りしながら、自分の道を進む。揺らされても、沈着に。ただ、経験を積む。なぜなら審判者オルクスの公正さの下に、やがて本当の勝利者が決まるのだから…』
海王星 by Voyager 2, 1999
◆牡羊座の火星・天王星・エケクルス・エリス
(と小惑星ファエトン)がコンジャンクト
これに天秤座の木星がオポジション
(火星・天王星はパラレルで新月とはコントラパラレル)
◎3月3日 木星・天王星が2回目の正確なオポジション形成
◎3月17日 天王星・エリス最後の正確なコンジャンクション形成
牡羊座の天王星・エケクルス・エリスについてはもう何度か触れてきました。今回はこれに闘争的な火星が加わります。これはかなり爆発性を秘めたアスペクトです。世界的に、何か予測のつかないことが起きてくる可能性があります。それは地震や噴火を含むあらゆるタイプの天災かもしれないし、テロや暗殺、暴動、衝動的な殺傷・暴力事件かもしれません。また、新月に海王星が絡むことから、政敵を陥れる陰謀や根拠のない誹謗中傷も考えられます(すでにあちこちで起きつつありますね)。
これは、何より先に自分自身のアイデンティティ、立場、優位性を主張して声高に叫び、認めない相手、意見の違う相手を拒否し糾弾するようなエネルギーとして使われやすい分化・破壊・分裂の組み合わせです。この種のエネルギーはもう以前から発効中だけど、火星が加わること、木星が対峙することでフォースは増大するかもしれません。
心理的には、ちょっとした刺激で通常よりも「ムカつく」ことが多くなりそう。何気ないことばの行き違いや相手の態度が、普段なら考えられないくらい腹立たしく思える。自分が軽んじられているように感じる。そんなことが起きるかもしれません。なので「あ、この感じはもしや!?」と思ったら、一度深呼吸して冷静さを取り戻しましょう。
また新月に海王星が色濃く絡むことから、物事に集中しにくくなったり、頭がボーッとして注意力が欠けてしまうことも考えられます。間違った思い込みで突っ走ってしまうこともあるでしょう。ふとしたミスが大きな事故や火災に繋がりやすいので、いつもよりこまめに休んだり、記憶に間違いがないかなど、よく確認することも大事かな。アルコールやドラッグにも要注意。 またパエトーンが影響範囲内にあるので、バイクや車、自転車など、スピードの出し過ぎにも気を付けてね。
準惑星エリス
天王星とエリスは次回満月後の3月17日に最後のコンジャンクションを形成しますが、その後もしばらくはオーブ圏内に留まります。前回このコンジャンクションが起きたのは1927年と1928年。この組み合わせについては以前、1929年〜の世界恐慌に繋がった根拠のない投機熱の時代に同期していたことを紹介したと思います。(1927年に開かれたジュネーブ会議では、恐慌に備えるための国際的な関税引き下げや独占禁止、生産調整の国際協定など多くの決議がなされました。けれど、そのほとんどは参加国の議会によって否決されたそうです。)
また、それとは異なる要素として注目したいのは、E.フランシスが挙げていた「電子的コミュニケーション」と「エゴ」に関わる問題提起です。彼は1927年〜1928年を「ラジオの時代、そしてテレビの黎明期」と位置づけ、今回のコンジャンクション期を「インターネットに覆われた時代」としています。これら電子的なコミュニケーション・ツールは今、わたし達の生活に欠かせないものとなりました。もう単なる道具以上にわたし達の一部になっています。そしてこのツールは、天王星的なテクノロジーによって成立する 「拡張する自我=重層化するアイデンティティ(エリス)」 という新しい要素をわたし達に突き付けています。この、天王星とエリスによってもたらされた「拡張する自我」は、自己の内外の至るところに潜在し蓋をされてきた、様々な不和を攪拌し浮上させています。
ネットを介して世界中を駆け巡り、拡がり続けるわたし達の自我。どんなふうにも変容することが出来る画像技術。そこに新たな実体というべきものは存在するのでしょうか? それは実体ではなく、肥大していく自我の影なのでしょうか? それとも、実体を超えた新しいわたし達? けれどそれが真に存在するのはネット上ではなく、わたし達の内的宇宙ではなかったかしら…? もしかするとわたし達がスマホやPCのスクリーンに見ているのは、本来の内的宇宙が完全に反転してしまった "真" の虚像なのかもしれませんね。。 それもまた、はかなくも美しい煌めきに見えるけれど。。
そんなわけで、火星・天王星・エリスetc.の組み合わせは、インターネット上で起きる大きな出来事にも関連するかもしれません。 何か重大なことがネット上に暴露されて大騒ぎになったり、大規模なサイバー戦争が起きたりするのかな。。 いずれにしてもリアルと同様…というより特にネット上では、互いのコミュニケーションに細心の注意を払い、地雷原には近付かないほうが良さそうです。たとえ何を見せられたとしても、それが果たして本当のことかどうかは しばらく時が経つまで(あるいは長い間ずっと)誰にもわからない可能性があります。何かヤバイ感じのフォースが飛んできたら、対処の鍵は「どんな状況にあってもけっして自分で自分の品格を傷つけないこと」だと思います。
そういえば、お休みさせていただいた今週のメリマン・コラムでは、天王星・木星のオポジションに絡めて2本のニュースが紹介されていました。それは、「水瓶座に属する太陽系近隣の小さな星系に7個の惑星が見つかり、そのうちの6個に生命を育むに足るだけの暖かさと液状の水が存在するかもしれない」 というウォールストリートジャーナルの記事。 そしてもう1本は「NASAの科学者グループが惑星の新しい定義付けを提案。それによって冥王星がもう一度惑星として返り咲くかも?」というUSA Todayの記事です。ふーむ。。
メリマンさんはこれらの記事に、やはりウォールストリートジャーナルからの引用として、『真理というものは存在しない。何故なら実在は可変だ。』という哲学者ジャック・デリダのことばを沿えていました。。
天王星は新しい発見とテクノロジーを支配する惑星です。「ニュー・フロンティア」ということばも大好き。それに牡羊座の天王星は「こちら側から境界を突破する欲求」、天秤座の木星は「肥沃なあちら側」を意味します。 その対峙が、一連の新たな地球型惑星の発見へと繋がったのでしょうか。けれどまだ地球外生命の可能性については何ひとつわかっていません。今後の観測が待たれるところです。 それに、惑星の定義を再考するんですって? まぁ、アストロロジーの世界から見れば今さら…という気もするのだけれど。
うーん、もしかしたら、これもまた今回の蝕にふさわしい霧に巻かれたようなニュースなのかもしれませんね。。
そして…
◆山羊座の冥王星・蟹座のキラルスがオポジション
これに牡羊座の火星・天王星・エリスetcのコンジャンクション、木星で
ゆるめのグランドスクエア
◆冥王星・・キラルス・月の両ノードが形成する "ウォリサム・レクタングル"
◆木星・新月(太陽と月)・火星〜パエトーンの惑星集合・乙女座のオルクスが
形成する "ウォリサム・レクタングル"
◆その他:
★3月4日、18:09金星逆行開始
牡羊座13°08'49 "~
(4月15日 19:18 金星順行開始魚座26°54~)
★土星・イクシオンのコンジャンクション
★土星とイクシオンが銀河中心へ向かう。小惑星グリーヴとセクスタイル
★新月・オルクス・小惑星ジュノー・セレスでカイト形成
★カイロンと小惑星レクイエムがコンジャンクション etc.
この通称(というか勝手に名付けたのですが^_^;) "ウォリサム・レクタングル"については、前回の月蝕記事に書きました。今回はこれが二つも形成されています。一つは前と同じレクタングルが依然として発効中(キラルスは若者や年少者の犠牲という意味も持つけれど、子供の虐待などの悲しいニュースはまだまだ続きそう…)。そして新たな一つは新月を巻き込んだカタチ。そして多くの惑星達を含むゆるめグランドスクエア。。
新月チャートを見ると、黄道帯最高点付近に位置するオルクス(審判者)、そしてカルマ(文字通り…)とアヌビス(真実の秤、責任、慈愛)を頂点に、今回は他にも沢山の小さな惑星達が天上の輪舞に参加しています。こうした星達は皆、今までに書いてきた様々な象意と互いに呼応しながら、わたし達それぞれが主役となる創世神話の素材となってくれるでしょう。無数の光と影を使って、さてどんな物語を創ろうかな? 今夜は海王星に抱かれながら、注意深くダイブしていきましょう。
... 日本の新月・日蝕図で黄道帯の頂点に最終的な審判を意味する星々が来るというのは象徴的に思えます。 この日蝕期に全ての物事が決着することはないでしょう。何もかもが曇りガラスに隔てられたように見えるかもしれません。けれど、わたし達は昔からこんなことばを聞かされてきました。「天は見ている」って。そう、天が見てる。 けど天って、誰だろう? わたし達は、何を天と呼んでいるんだろう...?
黄道帯の最低点、IC近くで起きる日蝕。そして広大な宇宙円環の頂点からわたし達を見下ろす、異界の審判者達。過去をクリアにし、リニューアルを迫る蝕のエネルギーと切り結びながら、はるか深奥から呼びかける彼らの声は、きっとこう言ってるんじゃないかな?
『最善の君を。ただ、裸の魂を。それだけが君の生に値するものだ。生きよ。終わりの全てを天に委ね、なおも強く生きよ』 と。
ふぅ。なんだか今回も、星々のエネルギーは濃密ね。。 けど。
have a great trek!!!★ 素適な蝕の夜を!
hiyoka(^_^
February 19, 2017
レイモンド・メリマン 週間コメント2/20【金融アストロロジー】
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2017年2月20日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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★お知らせ
来週2月27日付のメリマン・コラムはお休みさせていただきます。
m(_"_)m
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【NOTE】
2月20日月曜は祝日『プレジデント・デー』にあたるため、米国の金融市場は休場となるので注意されたい。
≪ 先週をふり返って ≫
先週はまたも米国とロシアの株式指数に史上新高値が生まれ、オランダ、スイス、オーストラリア、ブラジルにおいても年初来高値や数年ぶりの高値が見られた。だがヨーロッパやアジアの他の市場ではそうはならなかった。私達は、今週2月22日に始まる今年最も大きな潜在力を秘めるジオコズミック期間に近付いている。
他の市場を眺めるなら、銀は2月16日に11月11日以来の最高値18.14のサイクル新高値に舞い上がった。金はあと一歩というところで、1245.10をつけたものの2月8日のサイクル高値1246.60には僅かに届かなかった。これは異市場間弱気ダイバージェンスの潜在的可能性を示している。このシグナルは金が1220を割って引けた時に確認される。だがそれが起きるまでは、今後反騰して2月25日〜3月10日の重要変化ゾーン(CRD)に再度サイクル新高値をつける可能性を排除出来ない。原油のプライスレンジは低く、52.68〜53.95で取引されていた。だが2月25日〜3月10日のジオコズミック・サインはこの市場(とナスダック)に強い関連性を持っており、今後2週間の内に急激なブレークアウトが起きる可能性は高い。
全体に様相はワイルドになりつつある。だがこれは始まりに過ぎない。強力な金星逆行によって囃され煽られながら、2月22日〜3月6日、火星、木星、天王星が天上でタンゴを踊り始める...。
≪ 短気ジオコズミクスと長期的考察 ≫
うむ。まぁ、仰る通りだ。大統領でさえ、このコズミック・エネルギーを感知しているではないか。それは活火山の溶岩のように地中をせり上がり、今世紀初めて噴火しようとしているのだ。
これは通常の2カ月ではない。この期間は2月22日の火星・冥王星スクエアから始まり、4月5日〜21日の金星・土星スクエアを以て終わる。金星と土星の両方が方向転換する(土星は4月5日に銀河中心が位置する射手座27°から逆行、金星は4月15日に魚座27°から順行)。両惑星は4月8日と21日に正確なスクエアを形成する。どちらもが方向転換しながらのスクエア形成が前回いつ起きたかについては、私には確信が無い。しかしながら、これが非常に稀な出来事だという確信はある。
この期間の始まりにおいては、火星のエネルギーが極めて活発だ。2月22日に冥王星とのスクエア形成を終えた後、2月26日には天王星とコンジャンクトし、その後27日には木星とオポジションになる。前回までのコラムで述べたように、短期間の内に火星、木星、天王星が互いにアスペクトを形成する時は、多くの場合、世界の株式市場に大規模な価格変動が見られる。今回の場合、それらの惑星は全てが暴発的なカーディナルTスクエアの一部を成しており、冥王星はそのミッドポイントにあたる。それだけでも十分だと思えるが、2月26日には魚座で日蝕が起こり、そのたった3日後には日蝕を終えたばかりの太陽が魚座を支配する海王星と正確なコンジャンクションになる。
先週、私達は攻撃的な火星と受動的で平和的な性質を持つ魚座及び海王星の結び付きは、衝動に突き動かされての行動や短絡的な決断、または事故を原因として、無辜の人々(そしてひょっとすると動物達)が犠牲となる可能性を示唆すると論じた。起こり得る事象の可能性を象徴する事件としてまず頭に浮かぶのは、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)のオイル漏れ事故で、水の王国である海洋のエコシステムに脅威を及ぼすことだろう。魚座、海王星、木星は全て原油を支配するし、火星は判断や行動上のミス、または他者を実際に害する意図を持つことに関連している。
これは2月26日〜3月1日の日蝕と太陽・海王星コンジャンクションで終わるわけではない。3月2日、プライマリーサイクルかそれ以上のサイクルの頂点に関連する全ジオコズミック・サインの草分けとも言えるシグナルが形成される。それは14年周期を持ち今回は全3回シリーズで起きる木星・天王星のオポジションの2回目で、エネルギーの発効期間は前後12取引日だ。換言すれば、私達はすでにそれを体感していることになる。その2日後、金星が牡羊座13°で逆行に転じる。金星は8年ごとに黄道帯のおおよそ同じ位置から逆行を始める。前回これが起きたのは2009年3月6日で、これは米国株が75年サイクルの底をつけた ― 1932年7月につけた世界大恐慌の安値以来の最も激しい暴落が終わりを告げた ― まさにその日だった。もしも当時から始まった現行の大規模な強気相場が、金星による次の8年サイクルの始まりと共に終わるとすれば、何と共時的なことだろう?
そうだ。だからトランプ大統領、ファイナンシャル及びマンデーン・アストロロジャーは皆あなたに同意するに違いない。
“『まだ大仕事に取りかかってもいない』トランプはなおも言った。『それは来週早々に始まる』”
≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫
過去2週間にわたり、このコラムでは2017年に米国とイランの間にジオコズミックの戦闘的な力学が働くことについて述べてきた。これは『フォーキャスト2017』で詳説した通り、両国の建国図、米国大統領就任式のイベントチャート、ドナルド・トランプの出生図に基づいて導き出されたものだ。そして今週このコラムで私達が指摘するのはFRBの設立図、それに再びドナルド・トランプ、そしてFRB議長ジャネット・イエレンの出生図に2017年から2020年にかけて訪れる重要なジオコズミック・サインについてだ。
2017年12月21日、ジオコズミックにおいて最も際立つ様相が展開し始める。この日は太陽が山羊座入りするだけではなく、土星もまた同行するのだ。これは1870年12月21日以来初めて起きるコンビネーション・シグナルだ(リサーチに当たったダニエル・ゴードンに感謝する)。連邦準備制度理事会法が1913年12月23日に成立し、設立図の太陽が山羊座1°に在って蟹座0°に在泊する冥王星とオポジションを形成していること、そしてトランシットの土星がFRBの太陽にコンジャンクトし冥王星にオポジションとなること、また土星が「説明責任/最終責任」(「監査」もその一種)を支配し2020年まで山羊座を運行することを合わせて考慮すれば、新政権がまもなくFRBをある種の権力闘争に引きずり込むと考えたとしても、それほど突飛な話ではないだろう。
こうしたジオコズミックの様相は事実上、2016年秋にはすでに始まっていた。それは土星が射手座13°〜山羊座27°の領域を運行し始めた時で、FRBチャート上の10惑星の内の8惑星に対してハードアスペクトを形成し、それに加えてディセンダントを越えていく。FRBにとってはまぁ何とも多くの土星的試練に対処しなければならないことか。そしてその試練の多くはトランプへの対応になりそうだ。何故なら彼のチャートにとって、イエレンのチャートとの組み合わせは火に油を注ぐような効果をもたらすからだ。
これは人間活動のサイクルにおいて私達が名付けた『ザ・グレートリセット ― 2017年〜2020年』で展開するパズルの単なる1枚のピースに過ぎない。他にも数多くのジオコズミック・サインが訪れる。私はこのテーマに関し、世界最高のサイクル・アナリスト達が集結して今後3年の状況分析・研究を分かち合う予定のMMAインベストメント・リトリート(3月10日〜13日, カリフォルニア州サンディエゴにて開催)で解説するが、それは現行の『フォーキャスト2017』とその後のウェビナーで述べた内容を発展させた形の発表となるだろう。
もし私達がこの時期について正確に読んでいるとすれば、まさに展開し始めたばかりのこれら長期のジオコズミック・サイクルに関連して、例外的とも言える投資機会が巡ってくることになる。これはまた世界の指導者達、そして投資家達にとっても、多くの試練と好機がやって来る興奮に満ちた期間となるだろう。
※注意
上記のようにMMAインベストメント・リトリートにかかり切りになるため、3月13日付のコラムは休載とさせていただく。
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2017年2月20日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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★お知らせ
来週2月27日付のメリマン・コラムはお休みさせていただきます。
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【NOTE】
2月20日月曜は祝日『プレジデント・デー』にあたるため、米国の金融市場は休場となるので注意されたい。
≪ 先週をふり返って ≫
先週はまたも米国とロシアの株式指数に史上新高値が生まれ、オランダ、スイス、オーストラリア、ブラジルにおいても年初来高値や数年ぶりの高値が見られた。だがヨーロッパやアジアの他の市場ではそうはならなかった。私達は、今週2月22日に始まる今年最も大きな潜在力を秘めるジオコズミック期間に近付いている。
他の市場を眺めるなら、銀は2月16日に11月11日以来の最高値18.14のサイクル新高値に舞い上がった。金はあと一歩というところで、1245.10をつけたものの2月8日のサイクル高値1246.60には僅かに届かなかった。これは異市場間弱気ダイバージェンスの潜在的可能性を示している。このシグナルは金が1220を割って引けた時に確認される。だがそれが起きるまでは、今後反騰して2月25日〜3月10日の重要変化ゾーン(CRD)に再度サイクル新高値をつける可能性を排除出来ない。原油のプライスレンジは低く、52.68〜53.95で取引されていた。だが2月25日〜3月10日のジオコズミック・サインはこの市場(とナスダック)に強い関連性を持っており、今後2週間の内に急激なブレークアウトが起きる可能性は高い。
全体に様相はワイルドになりつつある。だがこれは始まりに過ぎない。強力な金星逆行によって囃され煽られながら、2月22日〜3月6日、火星、木星、天王星が天上でタンゴを踊り始める...。
≪ 短気ジオコズミクスと長期的考察 ≫
“『やれカオスだカオスだと言い立てる記事をそこら中に見かける。ところが実際は正反対だ』トランプは言う。『この政権はまるで精妙にチューニングされたマシンのように突っ走っている… まだ大仕事には取りかかってもいないというのにだ』トランプはなおも言った。『大仕事は来週早々にスタートする』”
― William Cummings
“Trump Accused Media of Generating Fake News”
USA Today 2017年2月17日
うむ。まぁ、仰る通りだ。大統領でさえ、このコズミック・エネルギーを感知しているではないか。それは活火山の溶岩のように地中をせり上がり、今世紀初めて噴火しようとしているのだ。
これは通常の2カ月ではない。この期間は2月22日の火星・冥王星スクエアから始まり、4月5日〜21日の金星・土星スクエアを以て終わる。金星と土星の両方が方向転換する(土星は4月5日に銀河中心が位置する射手座27°から逆行、金星は4月15日に魚座27°から順行)。両惑星は4月8日と21日に正確なスクエアを形成する。どちらもが方向転換しながらのスクエア形成が前回いつ起きたかについては、私には確信が無い。しかしながら、これが非常に稀な出来事だという確信はある。
この期間の始まりにおいては、火星のエネルギーが極めて活発だ。2月22日に冥王星とのスクエア形成を終えた後、2月26日には天王星とコンジャンクトし、その後27日には木星とオポジションになる。前回までのコラムで述べたように、短期間の内に火星、木星、天王星が互いにアスペクトを形成する時は、多くの場合、世界の株式市場に大規模な価格変動が見られる。今回の場合、それらの惑星は全てが暴発的なカーディナルTスクエアの一部を成しており、冥王星はそのミッドポイントにあたる。それだけでも十分だと思えるが、2月26日には魚座で日蝕が起こり、そのたった3日後には日蝕を終えたばかりの太陽が魚座を支配する海王星と正確なコンジャンクションになる。
先週、私達は攻撃的な火星と受動的で平和的な性質を持つ魚座及び海王星の結び付きは、衝動に突き動かされての行動や短絡的な決断、または事故を原因として、無辜の人々(そしてひょっとすると動物達)が犠牲となる可能性を示唆すると論じた。起こり得る事象の可能性を象徴する事件としてまず頭に浮かぶのは、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)のオイル漏れ事故で、水の王国である海洋のエコシステムに脅威を及ぼすことだろう。魚座、海王星、木星は全て原油を支配するし、火星は判断や行動上のミス、または他者を実際に害する意図を持つことに関連している。
これは2月26日〜3月1日の日蝕と太陽・海王星コンジャンクションで終わるわけではない。3月2日、プライマリーサイクルかそれ以上のサイクルの頂点に関連する全ジオコズミック・サインの草分けとも言えるシグナルが形成される。それは14年周期を持ち今回は全3回シリーズで起きる木星・天王星のオポジションの2回目で、エネルギーの発効期間は前後12取引日だ。換言すれば、私達はすでにそれを体感していることになる。その2日後、金星が牡羊座13°で逆行に転じる。金星は8年ごとに黄道帯のおおよそ同じ位置から逆行を始める。前回これが起きたのは2009年3月6日で、これは米国株が75年サイクルの底をつけた ― 1932年7月につけた世界大恐慌の安値以来の最も激しい暴落が終わりを告げた ― まさにその日だった。もしも当時から始まった現行の大規模な強気相場が、金星による次の8年サイクルの始まりと共に終わるとすれば、何と共時的なことだろう?
そうだ。だからトランプ大統領、ファイナンシャル及びマンデーン・アストロロジャーは皆あなたに同意するに違いない。
“『まだ大仕事に取りかかってもいない』トランプはなおも言った。『それは来週早々に始まる』”
≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫
“『すでに8年が経過したが、ゼロ金利と膨れあがったFRBのバランスシートが健全な経済に寄与した証拠など全くのゼロだ』米国下院金融サービス委員会の議長ジェブ・ハンサーリングはイエレンにこう告げた。… イエレンは議会監査が中央銀行に疑いの目を向けることを許すのは、FRBが正しい政策を施行する上で必要な独立性を傷つけることだと答えた… 共和党はイエレンに対し、共和党がホワイトハウスと上院下院の両方を掌握したことで情勢は変化しつつあることをよく理解すべきだとあからさまに言及した。”
― Martin Crutsinger
“Republicans to Yellen: Change Is Coming”
Naples Daily News 2017年2月16日付
過去2週間にわたり、このコラムでは2017年に米国とイランの間にジオコズミックの戦闘的な力学が働くことについて述べてきた。これは『フォーキャスト2017』で詳説した通り、両国の建国図、米国大統領就任式のイベントチャート、ドナルド・トランプの出生図に基づいて導き出されたものだ。そして今週このコラムで私達が指摘するのはFRBの設立図、それに再びドナルド・トランプ、そしてFRB議長ジャネット・イエレンの出生図に2017年から2020年にかけて訪れる重要なジオコズミック・サインについてだ。
2017年12月21日、ジオコズミックにおいて最も際立つ様相が展開し始める。この日は太陽が山羊座入りするだけではなく、土星もまた同行するのだ。これは1870年12月21日以来初めて起きるコンビネーション・シグナルだ(リサーチに当たったダニエル・ゴードンに感謝する)。連邦準備制度理事会法が1913年12月23日に成立し、設立図の太陽が山羊座1°に在って蟹座0°に在泊する冥王星とオポジションを形成していること、そしてトランシットの土星がFRBの太陽にコンジャンクトし冥王星にオポジションとなること、また土星が「説明責任/最終責任」(「監査」もその一種)を支配し2020年まで山羊座を運行することを合わせて考慮すれば、新政権がまもなくFRBをある種の権力闘争に引きずり込むと考えたとしても、それほど突飛な話ではないだろう。
こうしたジオコズミックの様相は事実上、2016年秋にはすでに始まっていた。それは土星が射手座13°〜山羊座27°の領域を運行し始めた時で、FRBチャート上の10惑星の内の8惑星に対してハードアスペクトを形成し、それに加えてディセンダントを越えていく。FRBにとってはまぁ何とも多くの土星的試練に対処しなければならないことか。そしてその試練の多くはトランプへの対応になりそうだ。何故なら彼のチャートにとって、イエレンのチャートとの組み合わせは火に油を注ぐような効果をもたらすからだ。
これは人間活動のサイクルにおいて私達が名付けた『ザ・グレートリセット ― 2017年〜2020年』で展開するパズルの単なる1枚のピースに過ぎない。他にも数多くのジオコズミック・サインが訪れる。私はこのテーマに関し、世界最高のサイクル・アナリスト達が集結して今後3年の状況分析・研究を分かち合う予定のMMAインベストメント・リトリート(3月10日〜13日, カリフォルニア州サンディエゴにて開催)で解説するが、それは現行の『フォーキャスト2017』とその後のウェビナーで述べた内容を発展させた形の発表となるだろう。
もし私達がこの時期について正確に読んでいるとすれば、まさに展開し始めたばかりのこれら長期のジオコズミック・サイクルに関連して、例外的とも言える投資機会が巡ってくることになる。これはまた世界の指導者達、そして投資家達にとっても、多くの試練と好機がやって来る興奮に満ちた期間となるだろう。
※注意
上記のようにMMAインベストメント・リトリートにかかり切りになるため、3月13日付のコラムは休載とさせていただく。
訳文ここまで
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February 12, 2017
レイモンド・メリマン 週間コメント2/13【金融アストロロジー】
※ 『2月11日の満月・月食』の星読みは一つ下の記事になります。
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レイモンド・メリマン・コラム 2017年2月13日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫
上記の発表は、迫り来る2月22日〜4月21日という期間、すなわち私達が今年最も重要なジオコズミック・サイン群が集まる重要な時だとして強調した時期に関するもう一つのヒントを与えるものだ。もしハーカーが正しければ、そしてFRBが3月半ばに2回目の利上げを表明するなら、ほとんど全ての金融市場に急激な価格変動が起きることになるだろう。
先週の市場動向は予想通り株式にとって非常に強気だった。実際は2月3日、前週の金曜に始まったトレンドに沿って全米の主要な株式指数が史上最高値に舞い上がった。先週のコラムで述べた様に
ヨーロッパでは、オランダのAEXが数年ぶりの高値をつけ、ドイツのDAXは年初来高値を記録した。しかしながら、チューリヒのSMIもロンドンのFTSEも、年初来高値をつけることはなく、異市場間弱気ダイバージェンスの可能性を示唆している。
アジアと環太平洋地域では、日本の日経が反騰したが、年頭1月5日につけた高値には届かなかった。オーストラリアのオールオーディナリーズは6週間ぶりの安値に下落した。インドのニフティ、中国の上海と香港のハンセンは全て数週間ぶりの高値をつけたが、年初来高値には至らなかった。ロシアのMICEXのみが史上新高値をつけた米国と並んだ。
他の市場では、先週の勝者は11月初頭以来の高値17.95をマークした銀だった。金は週中にやはり11月中旬以来の高値1250を試したが、木曜〜金曜には下落している。1月29日のウェビナーで解説したとおり、今なお貴金属は上々のパフォーマンスを見せている。Tノートは金と同様に水曜まで強く、その後下落した。おそらくその理由は、先週月曜に示されたフィラデルフィア連銀総裁ハーカーの見解 ― FRBが3月に再び利上げを行う可能性 ― の現実味を投資家が理解したためだろう。高い金利は低い国債価格を意味する。
≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫
金についてもう一つ注目すべき点は、ヘリオセントリックの水星が射手座の旅(2月1日〜12日)を終えることだ。歴史的に見て75%の確率をもって、この時間帯は金市場における上々の反騰との相関性を持つ。トップアウトはこのトランシットに入って4日~12日前後だ。水曜の高値は1246.60で7日めにマークしており、想定時間どおりだと言えよう。
とはいえ、これら三つのトランシット ― 2月6日〜11日の木星絡みのジオコズミック・サイン、ヘリオセントリックの水星による射手座運行(2月1日〜12日)、今週末の獅子座の月蝕 ― は、これからやって来る(2月22日〜3月6日)シグナルと比べればまだマイルドだ。それは2月22日〜27日に起きる牡羊座の火星の木星・冥王星・天王星Tスクエアによって始まる。火星、木星、天王星が互いにアスペクトを形成する時、株価は通常上下どちらかに向けて爆発する。時には両方向に動くこともある。 またこれは、大自然に不気味な現象が見られることとも相関性を持つ。集合心理的な面では、重要な紛争、戦争、またはテロ行為の危険にも関連している。皆さんには、安全第一を旨として可能な限り危険な状況に足を踏み入れないことを強くお勧めする。
この時期 ― 2月26日〜3月1日 ― は、何かと不気味な感のある時間帯だ。何故ならこの期間に海王星とコンジャンクトした日蝕が起きる。火星は熱、火、怒り、そして過剰に攻撃的な存在によって引き起こされる衝突を意味するが、一方で魚座と海王星は受動性、引き籠もり、湿気や洪水、平和への願いを意味する。ここに象徴されるのは、攻撃者と無垢の、受動的な、犠牲者だ。何かしらの失敗や誤算、見込み違いが他者を害したり、危機を及ぼすことになるかもしれない。
この流れは3月1日に終わるわけではない。3月2日、木星・天王星オポジションの2度目の正確な形成が起き、その後3月4日に金星が逆行を開始する。先週のコラムで述べたように
この注視すべきジオコズミック期間は、2週間足らずの内にそのオーブ圏内に入る。投資家や読者の皆さんに対し、このエネルギーの宇宙的ピークに備えるためにどれほどのことが出来るか私にはわからない。この後にも4月5日〜21日に2度目の山場が来る。金星と土星が方向転換し、魚座/射手座の27°で正確なスクエアを形成するのだ。そして射手座の土星が位置するこの度数には銀河中心が存在する。これについてはまた追って触れることになるだろう。
≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫
今週はバレンタインデーがやって来るが(2月14日)、イランがトランプ大統領からバレンタインデーのカードを受け取ったり、その逆が起きることはないだろう。ミサイルなら送り合うかもしれないが、それは愛と親しみのミサイルではなさそうだ。
先週論じたテーマの中でも米国とイラン間の緊張は高まっていると述べたが、大統領就任式、米国、そしてドナルド・トランプのチャートに基づいて私達が予測したのは、まさに1月20日の大統領就任日から時を経ずしてそれが始まるということだった。これらのチャートのどれを見てもミュータブルサインの20°〜25°が強調されており、それは正しく就任式の1日前に成立した火星・土星スクエアの位置だったのだ。米国とイランは両方共そこに火星を持っており、それは国の軍隊または軍事的衝突を支配する。ドナルド・トランプの太陽・月のオポジション(彼は月蝕生まれ)もそこに在り、近くには中国の最高指導者である習近平の太陽が在泊している。
これらのジオコズミック・サインに基づくなら、イランと米国大統領トランプ及び彼の政権の間に見られるレトリックを単なる脅しと考えてはならないだろう。これらは重大なアスペクトであり、急速に重大問題へと発展する怖れがある。『フォーキャスト2017』において長きにわたって述べたように、こうした宇宙的様相のみを見ても、トランプは容易に「戦争する大統領」となる可能性がある。これはなにも戦争が必ず起きるというわけではない。何故なら誰も究極の正確さをもって「予言」することなど出来ないからだ(予言者なら別だが、私達はそうではない)。しかしながら、その可能性は通常より高い。それは古代のアストロロジャー達によって好戦的とみなされてきた火星と土星を含む宇宙原理に対する私達の理解に基づいた判断だ。
このような流れを脱する解毒剤は何か? 単純に、戦争を仕掛ける側にならないことだ。自己抑制の訓練を行い、可能なかぎり言い合いや論争を避け、解決策を探る(短気を起こさずに)。ここで言う解決策とは、怒りや報復の念に基づくものであってはならない。火星のエネルギーは戦線布告や攻撃をしかけたり「勝利のための戦い」のみに使われるものではない。それは科学や思索の世界における胸躍るような興奮や、先進的取り組みへと繋がる新しい思考経路をも意味しているのだから。
訳文ここまで
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http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2017年2月13日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫
“フィラデルフィア連銀総裁パトリック・ハーカーは月曜、3月のFOMCでの利上げは選択肢となると語った。「私は今も今年3回の利上げを支持している。もちろんこれは経済の見通しと財政政策の進展具合にもよるが」「私は3月に再度25ベーシスポイントの利上げを行う可能性を考えておくべきだと思う」ハーカーは金融工学系企業への規制政策の講演を終えた後、記者団に対しこう述べた。”
― “Fed’s Harker Says March ‘Should Be Considered’
For Next Rate Hike”
Reuters News 2017年2月7日付
上記の発表は、迫り来る2月22日〜4月21日という期間、すなわち私達が今年最も重要なジオコズミック・サイン群が集まる重要な時だとして強調した時期に関するもう一つのヒントを与えるものだ。もしハーカーが正しければ、そしてFRBが3月半ばに2回目の利上げを表明するなら、ほとんど全ての金融市場に急激な価格変動が起きることになるだろう。
先週の市場動向は予想通り株式にとって非常に強気だった。実際は2月3日、前週の金曜に始まったトレンドに沿って全米の主要な株式指数が史上最高値に舞い上がった。先週のコラムで述べた様に
“株式市場は強さを見せて週を終え、現在2月6日の木星逆行開始とその後2月11日(週末)に起きる太陽・木星トラインに向かっている。通常であれば、これは株価が上昇し、この時期にそこそこ重要な天井をつける可能性を示唆する。”そして十分通常通りとなり、ダウ平均は2月10日金曜に今回の最高値20,298まで爆発した。そしてナスダックとS&P先物も史上最高値をつけた。
ヨーロッパでは、オランダのAEXが数年ぶりの高値をつけ、ドイツのDAXは年初来高値を記録した。しかしながら、チューリヒのSMIもロンドンのFTSEも、年初来高値をつけることはなく、異市場間弱気ダイバージェンスの可能性を示唆している。
アジアと環太平洋地域では、日本の日経が反騰したが、年頭1月5日につけた高値には届かなかった。オーストラリアのオールオーディナリーズは6週間ぶりの安値に下落した。インドのニフティ、中国の上海と香港のハンセンは全て数週間ぶりの高値をつけたが、年初来高値には至らなかった。ロシアのMICEXのみが史上新高値をつけた米国と並んだ。
他の市場では、先週の勝者は11月初頭以来の高値17.95をマークした銀だった。金は週中にやはり11月中旬以来の高値1250を試したが、木曜〜金曜には下落している。1月29日のウェビナーで解説したとおり、今なお貴金属は上々のパフォーマンスを見せている。Tノートは金と同様に水曜まで強く、その後下落した。おそらくその理由は、先週月曜に示されたフィラデルフィア連銀総裁ハーカーの見解 ― FRBが3月に再び利上げを行う可能性 ― の現実味を投資家が理解したためだろう。高い金利は低い国債価格を意味する。
≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫
金についてもう一つ注目すべき点は、ヘリオセントリックの水星が射手座の旅(2月1日〜12日)を終えることだ。歴史的に見て75%の確率をもって、この時間帯は金市場における上々の反騰との相関性を持つ。トップアウトはこのトランシットに入って4日~12日前後だ。水曜の高値は1246.60で7日めにマークしており、想定時間どおりだと言えよう。
とはいえ、これら三つのトランシット ― 2月6日〜11日の木星絡みのジオコズミック・サイン、ヘリオセントリックの水星による射手座運行(2月1日〜12日)、今週末の獅子座の月蝕 ― は、これからやって来る(2月22日〜3月6日)シグナルと比べればまだマイルドだ。それは2月22日〜27日に起きる牡羊座の火星の木星・冥王星・天王星Tスクエアによって始まる。火星、木星、天王星が互いにアスペクトを形成する時、株価は通常上下どちらかに向けて爆発する。時には両方向に動くこともある。 またこれは、大自然に不気味な現象が見られることとも相関性を持つ。集合心理的な面では、重要な紛争、戦争、またはテロ行為の危険にも関連している。皆さんには、安全第一を旨として可能な限り危険な状況に足を踏み入れないことを強くお勧めする。
この時期 ― 2月26日〜3月1日 ― は、何かと不気味な感のある時間帯だ。何故ならこの期間に海王星とコンジャンクトした日蝕が起きる。火星は熱、火、怒り、そして過剰に攻撃的な存在によって引き起こされる衝突を意味するが、一方で魚座と海王星は受動性、引き籠もり、湿気や洪水、平和への願いを意味する。ここに象徴されるのは、攻撃者と無垢の、受動的な、犠牲者だ。何かしらの失敗や誤算、見込み違いが他者を害したり、危機を及ぼすことになるかもしれない。
この流れは3月1日に終わるわけではない。3月2日、木星・天王星オポジションの2度目の正確な形成が起き、その後3月4日に金星が逆行を開始する。先週のコラムで述べたように
“ 木星・天王星オポジションの2回目の正確な形成が3月2日に起こり、その後金星が3月4日に逆行に転じる。木星と天王星のオポジションは、米株市場のプライマリーサイクルかそれ以上のサイクルとの相関性においては前後12取引日のオーブをもって最強を誇るアスペクトだ。一方、金星逆行もそれに迫る強度を持ち、やはり前後12取引日をもってプライマリーまたはそれ以上のサイクルとの相関性を見せる5つのシグナルの内の一つだ。これら2種のジオコズミック・サインが互いに時を置かずして起き、それが海王星とコンジャンクト(2月26日~3月1日)して起きる日蝕の週だという事実は、それ自体でもう一つのレベル1ジオコズミック・サインとなる。もし今の私達がカオスと混乱を経験していると言うなら、この時期には何が起きるのか。ただ想像するほかない。”
この注視すべきジオコズミック期間は、2週間足らずの内にそのオーブ圏内に入る。投資家や読者の皆さんに対し、このエネルギーの宇宙的ピークに備えるためにどれほどのことが出来るか私にはわからない。この後にも4月5日〜21日に2度目の山場が来る。金星と土星が方向転換し、魚座/射手座の27°で正確なスクエアを形成するのだ。そして射手座の土星が位置するこの度数には銀河中心が存在する。これについてはまた追って触れることになるだろう。
≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫
“「もし敵が一つでもミスを犯したら、我々が放つミサイルが唸りを上げ彼らを標的として飛んでいくだろう」 防空演習のさなか、イスラム革命防衛隊空軍チーフのアミール・アリ・ハジザデーが語った言葉をイラン国有のファース・ニュース・エージェンシーが報じた。イランはまた、攻撃を受けた場合はバーレーンに司令部を置く米国海軍第五艦隊をミサイルの標的にするだろうとも警告した。これはインド洋とテルアビブをカバーする米国の軍事基地だ。「これらの地点全てがイランのミサイル・システムの攻撃範囲であり、もし敵が一つでもミスを犯せば跡形も無く破壊し尽くされるだろう...」”
― Oren Dorell
“Iran Warns U.S. Against Hostile Actions; China Tests Missiles”
USA Today, 2017年2月7日付
“最近語られたところによると、前国防長官ロバート・ゲイツは新政権にとって最初の安全保障上の危機を生み出しそうな四つの地域を列挙した。ペルシャ湾におけるイランとの衝突、核開発をめぐる北朝鮮との対立、南シナ海における中国との戦闘、バルト海でのロシアとの衝突だ... チーム・トランプが始動して丸三週間となるが、イランとの衝突は確実にリストのトップに躍り出た...”
― Gerald F. Seib
“Iran Moves Atop Trump’s Confrontation List”
ウォールストリートジャーナル 2017年2月7日付
“私達はあまりにも多くの誤りに満ちた思い違いをする。”
― ヨギ・ベラ
今週はバレンタインデーがやって来るが(2月14日)、イランがトランプ大統領からバレンタインデーのカードを受け取ったり、その逆が起きることはないだろう。ミサイルなら送り合うかもしれないが、それは愛と親しみのミサイルではなさそうだ。
先週論じたテーマの中でも米国とイラン間の緊張は高まっていると述べたが、大統領就任式、米国、そしてドナルド・トランプのチャートに基づいて私達が予測したのは、まさに1月20日の大統領就任日から時を経ずしてそれが始まるということだった。これらのチャートのどれを見てもミュータブルサインの20°〜25°が強調されており、それは正しく就任式の1日前に成立した火星・土星スクエアの位置だったのだ。米国とイランは両方共そこに火星を持っており、それは国の軍隊または軍事的衝突を支配する。ドナルド・トランプの太陽・月のオポジション(彼は月蝕生まれ)もそこに在り、近くには中国の最高指導者である習近平の太陽が在泊している。
これらのジオコズミック・サインに基づくなら、イランと米国大統領トランプ及び彼の政権の間に見られるレトリックを単なる脅しと考えてはならないだろう。これらは重大なアスペクトであり、急速に重大問題へと発展する怖れがある。『フォーキャスト2017』において長きにわたって述べたように、こうした宇宙的様相のみを見ても、トランプは容易に「戦争する大統領」となる可能性がある。これはなにも戦争が必ず起きるというわけではない。何故なら誰も究極の正確さをもって「予言」することなど出来ないからだ(予言者なら別だが、私達はそうではない)。しかしながら、その可能性は通常より高い。それは古代のアストロロジャー達によって好戦的とみなされてきた火星と土星を含む宇宙原理に対する私達の理解に基づいた判断だ。
このような流れを脱する解毒剤は何か? 単純に、戦争を仕掛ける側にならないことだ。自己抑制の訓練を行い、可能なかぎり言い合いや論争を避け、解決策を探る(短気を起こさずに)。ここで言う解決策とは、怒りや報復の念に基づくものであってはならない。火星のエネルギーは戦線布告や攻撃をしかけたり「勝利のための戦い」のみに使われるものではない。それは科学や思索の世界における胸躍るような興奮や、先進的取り組みへと繋がる新しい思考経路をも意味しているのだから。
訳文ここまで
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February 10, 2017
●2/11の満月・月食 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)
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満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180° 対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのかを、あらためて見せてくれる「鏡」だと言えるかもしれません。なので満月のテーマは新月の瞬間から色濃く育っていくとも言えるでしょう。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにその経験を消化(昇華)し、エネルギーはゆっくりと静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯(ずれるなら満月前がベター)に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。
【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで2月11日09:51前後、北海道周辺で09:57前後、関西方面は09:32頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で09:03前後に獅子座22°28'06"で満月となります。
*今回のテーマのベースであり、今も発効し続ける新月の大テーマについてはココをご覧ください。
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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。
【月 獅子座22°~23° + 太陽 水瓶座22°~23°】
"A carrier pigeon" +
"A rug placed on a floor for children to play"
→『伝書鳩』+
『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』
↓
"A bareback rider" +
"A big bear sitting down and waving all its paws"
→ 『裸馬の乗り手』 +
『腰を下ろして両手足を振る大熊』
【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期~2/25】
→★成熟の過程でステージが上がるごとに新たに必要になる忍耐心と持久力
→★ここまでは安全、ここから先は危険という境界/限界を遵守する必要
→★自分にとっての内的な拠り所、「ホーム」といえる場を再確認する
→★身を護り危険を防ぎ、安全性を高めることに気を配る必要
→★日々の緊張や喧噪を和らげる快活なユーモアや遊び心の大切さ
→★あれこれと気を散らさずに真に重要なことを見極めて進む必要
→★攻撃的な怒りの衝動や性衝動などの本能を抑制する訓練の必要
→★過度の飲酒や薬物の摂取が引き起こす危険に注意
→★自他の「動物性」「人間性」「霊性」の全てを受け入れて成熟していく
→★咄嗟の情動に負けて動くことに起因する重大な結果
→★密やかに遂行される巧みでよく訓練された戦略の存在に注意
→★デリケートで壊れやすい何かを扱うための繊細な注意力
→★気高さや優雅さと真の強靱さの共存を目指す
→★欲望むき出しの態度、または優しげで上品なふるまいの裏に隠された真意
→★あらゆる刺激に耐えて自己の内なる世界を守り育てていく・・・→
★エネルギーのポイント:『アンビバレンスの克服』
天王星・冥王星スクエアから本格的に始まったカーディナル・クライマックス。そしてそこから孵化してきた様々な変化が、世界に、そしてわたし達自身の人生や内的世界の中に、目に見える「形」をとって立ち現れようとしています(このところ、毎回同じようなことを言ってる気もするけれど...これ、特に今年はいつも頭の隅に置いておきたいアストロロジー的大前提だったりします)。 ひとによっては毎朝目覚めるたびに新しく生まれ変わっているひともいるかもしれません。それは本当に一瞬、周囲を見回して「あれ?」と感じるか感じないかという、とても微妙な感覚かもしれないけれど。。 もしも最近になってそんな感覚を抱くことがあるとしたら、自分という存在の中で本当に新しい何かが起きているのかもしれません。それはきっと素適なことだと思います。
また、ひとによっては一つのこと(大抵はちょっとした問題点やテーマ)が頭を離れず、こころの中で絶えずループしながら悶々としている・・なんてこともあるかな。もしそんな経験をしているひとがいるなら、今回の月蝕〜次の日蝕はその問題に正面から取り組むチャンスになるかも? 「蝕」は目前に立ちはだかる巨大な非物質のウェーブに身体ごと突っ込んで通り抜けていくようなもの。外側に起きる事象をコントロールしようと思っても、そう上手くはいかないことが多いです。
なのでダイレクトに蝕のエネルギーを受けるひとは、大波に巻かれていろいろなものが剥がれ落ちていくような経験をする場合もあります。けれどそれは新しい世界に足を踏み入れるための一歩です。自分の視座が変わり、世界が変わり、現実も変わる(多くの場合、わたし達は逆の順序でそれを感じ取るけれど)。あるひとにとってはゴツゴツとリアルに。またあるひとにとっては精妙にデリケートに。けど、どちらのケースもその過程の中で新しく強靱な精神を育むために起こります。人生のブレークスルーはいつだって強烈な悩ましさをとことん通ってみる、その圧力によって起きるものだから。ノースノード・イクリプスの月蝕とサウスノードの日蝕。未来と過去の狭間で今を生きようとするわたし達。この先、どんな大波を通っていくのだとしても、胎内宇宙は永遠の静謐を知っています。
さて前回の新月記事で、これから次の月蝕に向かって新しい訓練が始まりそう...なんて書いたけれど…いよいよその月蝕の満月ですね。 あ、いよいよ...とはいっても、この月蝕が今年のハイライトというわけではありません。おそらく世界的な影響力という点で最強なのはこの夏、8月に起きる日蝕でしょう。また、今回は半影月食で、蝕としての力はそれほど強いわけではありません。ただ、度数のテーマやアスペクトを見るかぎり、この月蝕と次の新月/日蝕は、今年世界に、そしてわたし達の内面に起きてくることやその課題の一端を明示しているようにも感じられます。なので、しっかり受け止めていきたいと思います。
じゃ、早速サビアン・シンボルを見ていきましょう。
★2月満月・月蝕のサビアン・シンボル★
今回のベースとなるシンボルは獅子座22°『伝書鳩』。そして月に光を与える太陽のシンボルは水瓶座22°『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』です。これも確か2〜3年前に一度経験したシンボルですね。ただ、その時より今の方がいくぶんエネルギーは厳しくなってるかも。。 この伝書鳩は「帰巣本能」のシンボルです。どんなに遠いところからでも、初めての土地からでも、一度飛び立てば必ず自分の「ホーム」へと帰ってきます。重要なメッセージ、または何か小さくて大切なものを携えて。B.ボヴィは原語の "carrier" が化学の世界で言う "触媒" の意味を持つことに着目していました。まだ現代のように世界を繋ぐ通信環境が整っていなかった当時、伝書鳩は軍事、報道、医療用の物資運搬、そして重要な情報を人知れず伝えるためのツールとして利用されていました。その働き ― 忠実な帰巣本能とそのための飛翔能力 ― は、人間にとって次の行動を起こすための「触媒」の役割を果たしていたと言えるかもしれません。 1000kmも離れた遠隔地からさえ戻ることが出来る伝書鳩。でも、その行程には危険がいっぱいです。鷲や鷹に襲われて命を落としたり、磁気嵐で感覚器官が狂い、戻れなくなってしまう鳩達も沢山いたそうです。
わたし達は毎日外界に自分自身を曝して生きています。日々いろいろなことが起こっては消え、飛び交う多くの情報の中で、笑ったり怒ったり、打ちのめされて沈んでみたり。ときにはちょっぴり背伸びして遠くまで足を伸ばし、新しい冒険に挑んだりします。けれど、そんな日々の中で、いつもわたし達の支えになっているのは...「巣」「ホーム」「自分の居場所」だと感じられる何処かや、誰かとの絆ではないでしょうか。そしてそれをもう一歩掘り下げてみると、その場所や絆は...自分の記憶の「原点」として存在し続ける「何か」なのかもしれません。
たとえ外側からどう見えようと、迷ったときに常に立ち帰ることの出来る原点を自分の内部に持ち、それを信頼するとき、わたし達は元気になります。ときにはそれが窮屈だったり、しんどかったり、我慢しなければならないような状況があったとしても。そこから遠く離れているとき、わたし達はふとその場所を思い出します。支えられてきた。今も、支えられてる...と。それは辛い状況を耐え抜く力を与えてくれるかもしれません。
このシンボルは自分の真の「ホーム」、そこに戻ればいつだってそっと羽根を休めることの出来る場を持つことの大切さ、かけがえの無さを再確認し、それを大切にしていくことを示唆しているように思います。 ん?「そんなの無いよっ!」てひともいるかな? でも、これってことばで説明したり、論理的にどうこう言うようなことじゃありません。きっと誰でもそれを何処かに持ってる。もしかしたら存在という空間の内部に。もしかしたらわたし達の体が今、生きようと頑張っているそのこと自体の中に。それがどんなものであろうと。たとえ誰が何を言おうと。「ホーム」があるからわたし達はココに存在してるんじゃないかな。
一方、太陽のベースとなるシンボルは『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』。暖かな家の中で遊ぶ子供達の足許には、厚くてフカフカの敷物が敷かれています。ここなら飛び跳ねても大丈夫! 転んだってケガする心配はありません。子供達は、このラグの上なら安全です。もちろん、ラグを敷いてあげた側(親、学校、保護する立場の人々)にとっても、子供達がこの上にいる限り、安心していられます。それに、イタズラな子供達に床を汚される心配だってありません。ラグの上は、誰にとってもホッと安ら げるホームみたいなもの。でも、はたして子供達はおとなしくその中だけで遊んでいられるかな?
ラグの縁は安全と危険の境界線です。そして子供達は、境界や限界をヒラリと飛び越えるのが大好き。どこだって気の向くままに駆け出していきたいのです。 いったん境界を踏み越えれば、転んで痛い思いをするかもしれません。もっと思いがけない危険だって待っているかもしれません。それを理解しておくのはとても大切なことです。でも、経験を積まなければわからないことだって世の中にはあります。 今のようなキツイ星回りの中で、安全地帯を一挙に飛び越えて行くのは暴挙かもしれません。それでも、もしそうしなければならないのなら。この期間は転ぶことも想定した上で冒険に出かけましょう。「今、ラグの外に出ている」それを知った上で慎重に行動するのと意識もせずにただ飛び出していくのとは、結果に大きな違いがあります。そして、常にユーモアや快活さを携えて未知の領域を乗り切っていきましょう。けどもし迷ったら、いつもこころの中に帰るべき場所があることを忘れないで。
さて、次に月が取っていくメインのエネルギーは獅子座23°『裸馬の乗り手』です。裸馬は野生の荒々しいエネルギーのシンボル。 馬がまだ馴れないうちは、乗り手と馬の間でクッション役を果たす鞍を装着することなど出来ません。この馬はまだ野性の一団から捕獲されたばかりなのでしょうか? でも、この乗り手は本能のままに荒ぶる馬を巧みに抑え、思い通りに走らせることが出来るようです。「馬を乗りこなす」ことは「自分自身に備わったパワーを統制する」ことだとB.ボヴィは言っていました。きっと裸馬の乗り手は、荒ぶる馬と自分との間に隔てるものを置かず、野性の荒々しさを受け入れ一体化することによって、それを自分のコントロール下に置くことが出来るのかもしれません。それは人間の「精神」と「本能」との闘いでもあります。
このシンボルのイメージは、半人半馬のケンタウルス族を思い起こさせるところがあります。で、ケンタウルス族の小惑星といえば、まずはカイロン。そしてこのところ様々なアスペクトを形成して活躍中?のフォルス、アスボルス、ネッソス、キラルスなど... 天上には現在発見され名付けられている半人半馬達が沢山存在します。 けれどその中で、崇高な精神と荒々しい武闘派的な衝動とを完全に統合することが出来た存在は、ヘラクレスやアスクレピオスなどギリシャ神話に出て来る英雄達の師でもあった、カイロンだけなんですね(元々彼は出自が他のケンタウルス達とは異なるのですが...)。その他のケンタウルス達は、温厚なフォルスでさえ、好奇心に負けて迂闊な行動を取り、あっけない死を迎えることになるし、他は全員が激昂した末に激しい戦いの中で凄惨な死を遂げています。
ケンタウルス族の惑星達は皆、「<象徴的な死>を経た末の癒しと解放」というテーマを持っています。死を迎えるまでのいきさつも死に方もそれぞれだけれど、彼らのほとんどは死を通して解放されるまで、怒り、恨み、裏切り、復讐、性的欲望や欲しいものを取らずにいられない欲動など、どちらかというと下半身的な生命力のほとばしりに殉じて生きた存在だったのではないかと思います。その豪快な躍動感は裸馬の持つエネルギーそのものです。 けれど同時に半分は人間でもあった彼らの生は、たとえ一時的な高揚感に胸躍ることがあったとしても、実は恒常的に抱える大きな痛みと哀しみを伴うものだったかもしれません。
ネイタルチャートでケンタウルス族が位置する領域は、そのひとが抱える「暴れ馬」、奥深い「傷」を意味します。何かのきっかけでその傷が疼くとき、わたし達の中の裸馬もまた蘇ります。 何か強い感情的な刺激を受けたとき。湧き起こる衝動に抗えず、傍目からは自暴自棄としか思えない行動を取るとき。 あるいは、思わずひどいことを口走ってしまうようなとき。その傷口は開き、深い開口部からは自分でも驚くほど生々しい粗野な力が湧き起こります。
わたし達は文明社会に生き、日頃はいちおう良識的な生活を送っているけれど。でも一皮剥けば、みんな半人半馬のケンタウルスかもしれません。 たとえ表面的には優雅に振る舞えたとしても、底流では縄張り争いが続いているし、支配と被支配をかけた闘争も後を絶ちません。それは広い社会に見られるだけでなく、身近な家族間にも見られるナマの姿です。 そこに愛が絡み、情がからみ、わたし達は身動きが取れなくなります。
結局のところ、他の存在 ― 動物や植物の命によって贖われ、支えられているわたし達の生命。 それもまた自然の営み。 わたし達の中には、理性や善に向かうこころだけでなく、必ず動物としての本能が潜んでいます。それを、善・悪という二元性で割り切れるものでしょうか。 肯定と否定、生に向かうこころと死に向かうこころの全てがわたし達であり、人間として今、ここを生きるということではないでしょうか。
「鞍=Saddle」。これは鶏やアヒルなど家禽類の腰背部の形を示すことばでもあります。 普段は馬の背にやわらかな羽毛のクッションを取り付けて、しずしずと馬を進めるわたし達。中には白馬の騎士然としたひともいます。わたし達の本能なんて、すでに理性によって飼い慣らされたアヒルのようなもの。 けれどふと気が付けば、世界の至るところに攻撃的なエネルギーが溢れています。ゲームやスポーツで「健全」に昇華することの出来ない、何か蠢くものの存在。 それはわたし達の中にも、確かに存在する。たとえそれがあからさまな暴力の形は取っていないとしても...。 それをありのままに見るとき、そこにはシンプルな野性動物の世界よりずっと厄介で、癒やされることのなかった一種の "ねじれ" が存在しているようにも思えます。
でも。。 もしもわたし達が裸馬の乗り手になるのなら? それが出来るとすれば、始まりは「鞍」というクッションを通さずに、自分の中に潜む矯められることのない荒々しさと向き合うことかもしれません。上半身と下半身の中間 ― 裸馬との接点 ― に持てる力を込め、意識を持って一体化し、自我を超える力で全てを呑み干す。傷をみとめ、それでもなお生きて前に進む。 語られる術を持たなかったそれぞれの何かを解き放つ。ただ、美を目指して。。 それは孤独な作業を必要とします。
一人の人間の中には、おそらく何層にも分かれた無数の多様性が存在します。その全てを見切るなんてことは、今のわたし達には不可能に思えます。それでも。自我の奥に潜む広大な存在の闇に意識を向けることも無いまま真の多様性を理解することは可能でしょうか? それをこの世界に実現することは出来るでしょうか? わたし達はこの人生で「美女」と「野獣」を統合し、いつの日か新しい人間のカタチを創り上げることが出来るでしょうか?
…でも獣性と人間性を統合することの出来る裸馬の乗り手って、いったいどんな存在だろう? わたし達の中にそれは在るはず。もしかして...それが霊性?
でもそれって...誰?
一方、対極に位置する太陽のシンボルは『腰を下ろして両手足を振る大熊』です。ぬいぐるみの熊さんは可愛いけど、本物の大熊は恐ろしい力を持つ存在です。いきなり出くわして襲われたら、ひとたまりもありません。けれどこのシンボルの大熊は、座って両方の手足を振っています。何だろう? もしかしたら、サーカスの演し物かな? 恐ろしいはずの熊も、今は観客に向かって懸命に...でもちょっぴり不器用に手足を振り、しきりに愛嬌を振りまいています。いえ、彼自身は別に愛嬌を振りまいているつもりなどないかもしれません。ただ厳しい訓練に耐え、そこで生きるために、自分に課された役割と責任を果たしているだけかもしれません。遠目から見れば愛嬌ある姿に見えても、彼の力は強大です。気軽に握手することなんて出来ません。大熊には悪気や相手を傷つける気持ちなど一切無くても、たとえ穏和な性質だったとしても、わたし達が不注意にも彼を人間と同じように扱えば、彼を怖れさせ、防御の一打を受けて大怪我をしてしまいそう。そしてその結果はいたいけな大熊の生命を奪うことにもなりかねません。。
このシンボルは、訓練によって耐えぬく力、衝動に負けない精神力を身に付けることを示すと同時に、相手と自分の違いをよく知り、安全と危険の垣根にデリケートな注意を払いながら共存を図ることを示唆しているように思います。 熊の手足は大きく力に満ち、美しくもあります。けれど彼はテディベアじゃない。別世界に生きるべく生まれた命です。彼には彼の生きる世界 ― ホームがあり、わたし達にはまたそれぞれのホームがあります。
腰を下ろして両手足を振り続ける大きな熊さん。わたし達が彼の内なるホームを理解し、本当の意味でこころを通い合わせることは出来るのかな? もしそんなことが可能だとしたら…..それはわたし達が自分自身の内なる宇宙の原点を見出し、そこに彼の獣性をそのまま包含し得たときなのかもしれません。
そうそう...余談ですが、ベア・マーケットといえば金融世界では「弱気相場」を意味しますよね。これは『熊を捕らえる前に熊の皮を売るな』という、甘い見通しや安易さを諫める格言から来ていると聞いたことがあります。相場が下がると見込んで高くなったところを空売りする...まだ熊は現れないけど、とりあえず架空の皮を売ってしまうことで儲ける。そんな行為がこの格言と結び付いたのではないでしょうか。うかつな空売りは確かに大怪我のもと。けれどそれは、相場を張るひとにとっては一種の醍醐味かもしれません。けれどこれもまた、 危険と安全の境界線をよく見極めた上で、慎重にトレードプランを立てる必要があります。
ここまで読んでくれたひとの中には、『華やかな獅子座の満月だってのに、ずいぶんディープだなぁ...(´・ω・`) 』なんて思うひともいるかな? けど、どんな星座宮でも最後の第3ディーカンになると、成長した意識が次のステージに移行するための準備段階に入ってきます。獅子座の次は乙女座。この流れが象徴するのは、世界の中心に据えた自我を思いっきりふくらませて自分の力を創造的に表現する段階を終えていくこと、そして全体の中の小さな自分を知りつつ、細部の差異を見ながら有効に機能していく。獅子座とは高・低が転倒した「自我」と「全体」の中で、「犠牲」の真の価値を知って癒していく…そんなテーマが浮上してきます。本来なら "白馬の騎士&バラの貴婦人" がお似合いの獅子座。けれど各星座宮に共通して言えることとして、そこまで成長してきた意識に対し大体22°〜23°あたりで「待て。何か忘れてはいないか? 一度ここで立ち止まり、よく考えてごらん」という含みが顕れてきます。 いつも思うのですが、サビアン・シンボルの象徴体系を扱う際に「これで終わり」ということはありません。掘り下げれば果てしなく深く、本当に興味深いです...。
危険と安全、衝動と忍耐、欲望と理性、強靱さと防御...様々なアンビバレンスを含む月蝕のテーマは、これからわたし達が時をかけて歩むそれぞれの道に、星々が与えてくれるカリキュラムかもしれません。 けど、わたし達はみな草原を、都市を、天空を自由に駆け巡る半人半馬のケンタウルスでもあることを忘れずにいたいと思います。彼らは乱暴者ではあったけど、戦士として豪放に生き、傷もまた生の証しとして引き受け、大いに楽しみ、散っていきました。だから。笑いと自由と胎内に踊るいのちと…やがて訪れる死さえも親しい友として...進んでいけたらいいな。今、こころからそう感じています。
★2月満月・月蝕の星模様★
今回の満月・月蝕図には沢山のアスペクトが形成されていて、とても賑やか。その中でまず目に付くのは、太陽・月・木星&エリス・天王星(とエケクルス)を含む長方形のアスペクト・パターン、ミスティック・レクタングル(120°, 60°, 120°, 60°)でしょうか。オポジションとなる太陽・月のテーマはサビアン・シンボルで説明した通りだけど、これに対して木星とエリス・天王星、そしてケンタウルス族の中でも蛮勇を誇るエケクルスのオポジションが、調和的なセクスタイルとトラインで繫がり合っています。じゃ、もしかして...今回のちょっと厄介そうなカリキュラムに何かしら援助のエネルギーが与えられるのかな? うーん、そうとも言えるしそうじゃないとも言えるし... 結局はわたし達次第なのだけど(^_^;。
ところでこの惑星フォーメーションは何故「ミスティック」と呼ばれるのでしょう? それにはいくつか理由があります。まず、まるで閉じられた封筒のように見えるこの形は、外側の調和的なアスペクトによって内側のハードアスペクトが封印されています。なので外から見ると、長方形を組むエネルギーが抵抗なく流れ、使われ、ポジティブな面がまず目に付きます。けれど内側の多大な緊張や葛藤は見えません。これを一人の人間に例えるなら、その場その状況、目的に適した言動が出来て気配りも対応も良く、ホッとさせるような笑いを起こすことも出来る。なので周囲のひと達からもとても信頼されてる。でも、フッと見せるその微笑みの中には不可解な影が宿っているような? 何だろう? 神秘的にさえ見える…そんな感じでしょうか。
また、もう一歩掘り下げて内面を見ると、そこには「永遠のアンビバレンス」とも言うべき煩悶を見てとることが出来ます。詩的に表現すれば「世界は困難で醜いことばかり。なのに世界はこんなにも美しい...」みたいな感じかな。この両極性は、永久に続く二元論の戦いになっていく傾向があります。究極の「黒か!白か!」です。その葛藤に気付いた他者が「まぁまぁそう思い詰めないで…」なんて言い、「うん。そうだよね」なんて答えたとしても、内心では聞き入れません。自分の力で謎を解かなくちゃいけないと感じるから。嵐も抑圧も鬱状態も、外側の調和的なアスペクトが衝撃を和らげ、一種の緩衝壁として働きます。だから、葛藤に対する持久力を持っています。まるで不変の防御態勢が整っているかのようです。そして自分なりのやり方で試行錯誤を繰り返し、少しずつ経験を積んでいきます。
このレクタングルはロジックとか内観とか、あるいは本で読んだ知識を役立てるようなフォーメーションではありません。どちらかというと、とりあえず何かをしてみる。その行動を通して貴重な経験を積み、意識を深めていく。...または、外側の調和的な壁に依存し、内側には蓋をして放置を決め込み、忘れる。。 けど、時を置いてこのレクタングルの一角が刺激されるとき、同じ問題が何度もループする。やがて外側から何かが起こり、とにもかくにも経験は積まれていく。 それを回避し続けることは、フォーメーション全体のエネルギーを弱らせることになるから。。。
けれど、時には堆積した緊張と葛藤が外側の調和を破って爆発し、心身共に一種のカオスに陥ることもあります。でもこれは永遠の二元論による封印を解くチャンスです。それは以前こだわっていた全てが剥げ落ちて破壊されていくような体験かもしれません。けれどその後、外側の調和的なアスペクトを通して新たな価値観が孵化していきます。ひとはこの破壊体験を通して霊的に再生する機会を得るとも言われます。これが、このフォーメーションを「ミスティック・レクタングル」と呼ぶ第2の理由です。
...っと、アスペクト自体の説明でかなりの文字数を費やしてしまったけれど。 太陽・月・木星そして天王星とエリス(とケンタウルスのエケクルス)のミスティック・レクタングル。 天王星組は牡羊座(自分)、木星は天秤座(他者)。その位置をサビアン・シンボルで見ると、牡羊座の天王星とエリスが示すテーマは
うーん、やっぱりこのあたりの度数はなかなか難易度が高そうです。外側から覗けば二元論的、黒白論的なロジックのバランスを上手くとり、両方がちょっとずつ得をしてちょっとずつ譲るような解決策を探る動き(または心理)が見えそうだし、木星が体現する法律の上でも、行き過ぎを抑えて社会/世界を安定に導くような取り組みがなされるのかもしれません。
けれど木星は逆行に転じています。これから再びエリス(2月23日、9月19日)と天王星(3月3日、9月28日)との正確なオポジションに向かうところです。注意深くしていないと、トライン&セクスタイルが創り出す、無意識にサラサラ流れていくエネルギーに流されて問題が誇張され混乱を生んだり、良かれと思った行為がかえって対立を煽るような結果になる可能性も否めません。「上辺はどう見えようと、実際に根底に存在し続けてきた真の問題はいったい何なのか?」 困難ではあっても、いつもそこから目を離さずにいること。それが一番の鍵なのだと思います。
さてこのミスティック・レクタングルに対して射手座25°台の土星がオーブ2°強で小三角…ちょうど閉じられた封筒に屋根が付いたような、家の形のフォーメーションが出来ています。これも本来なら実質的な援助になる調和的なアスペクト。
この度数のテーマはひと言で言うと
「全体を統轄する基準に適い、具体性を持つ発想を通じて世界を、人生を、変容させる」
あるいは
「上に立つ者の冷徹さ/非個人性」
大きな混乱を避けるには、どうしても必要な犠牲を出すことをためらわない、ある種の冷徹さが必要になるのかもしれません。ただ気になるのはこの土星にKBOのイクシオンがタイトにコンジャンクしていることです。カイロンを除くケンタウルス族の父 ― イクシオンの象意については、新月記事のトランプ大統領のパートで触れましたね。
うーん。。 収縮させ、固め、境界線を引き、護る。射手座の縦横無尽に拡がる思想を手で触れることの出来る現実にしていこうと目論む土星の力を通じて、この月蝕の満月で下される英断、決断、行動はどんな結末を呼ぶでしょう。それは今後3カ月~半年(または1年)を経過しないと結論付けられないかもしれません。政治・社会状況を見ても、わたし達個人の人生をふり返っても、ほぐれることの無い何かしらのアンビバレンスが存在するように見える今。裸馬を勇壮に乗りこなし、すっくと丘に立てる日は来るんだろうか? まぁけど、訓練しなけりゃ何も始まりません。
木星と月からは、魚座22°台のカイロンに対してYOD―神の指が形成されています。ということは...このカイロンに自分のエネルギーを向けていくことが、ミスティック・レクタングルの葛藤を解くもう一つの鍵になるのかな。(YODが形成されている場合は、月と木星のセミセクスタイルが創り出す、どちらかというとイージーゴーイングな解決策に固執することはあまり良い結果を生まないとされています)。
カイロンが在泊する度数のシンボルは『心霊術師が起こす心霊現象』、そしてこれに対峙する乙女座のシンボルは『動物の調教師』です。 このエネルギーを簡単に言い表すなら
この、内なる炎が示すテーマは...
「美しい知の世界と激しく乱れる闘争の世界、その両方に同じように存在する苦悶や葛藤を観察し、見抜き、見据える」です。あは。これもやっぱり訓練?(^_^;
え〜、もう訓練とか耳タコだよ。もういやだ〜〜!というひともいると思います。きっと。(^_^; けど必要なことはごく自然に起きてくるんじゃないかな?
じゃ、最後にもう一つのグループアスペクトに注目してみたいと思います。これはハードなマイナーアスペクトのみで形成されているレクタングルのため、特別な名称は与えられていないのですが...なんとなく "ウォリサム・レクタングル" とでも呼びたくなるような雰囲気です。その構成はセミスクエア(45°)、セスキスクエア(135°)、セミスクエア、セスキスクエア。そしてその内側に交差する2つのオポジションです。これは行き過ぎた煩悶や苦悩に囚われやすい状態を誘発するフォーメーションとされています。
本来なら、まずはオポジションとなる惑星同士が示すテーマに向かって頑張るのが本筋なのだけど、この場合は四角の外側を結ぶハードアスペクトに引っ張られて、余計な物事を抱え込んで悩んだり、他のひとの問題を自分の問題だと思い込んで巻き込まれたりしやすいと言われます。その結果、考えも行動も真っ直ぐにはいかず、過度に回り道して結局は要点が見えなくなってしまうことも。また、良かれと思って伝えたことが誤った噂を広める結果になる可能性も。。 ミスティック・レクタングルの場合は上手く使えば外側の調和的アスペクトが助けになるけれど、この "ウォリサム・レクタングル" のケースでは、問題やテーマを見極めたらそこから気を逸らさず、強い意志をもって真っ直ぐ「前」を見つめることが肝心です。
この長方形は、月のノード軸(とケンタウルス族のネッソス ― カルマの支払い)、冥王星、ケンタウルス族のキラルスとの間に形成されています。特に冥王星・キラルスのオポジションは日本の月蝕図でMCとICに乗っています。なのでマイナーアスペクトの長方形であっても、かなりの影響力があるかもしれません。そしてこのアスペクトは次の日蝕図においても引き続き成立しています。
というわけで、このフォーメーションに関してはオポジションのテーマを抽出しておこうと思います。まず月のノード軸。ノースノードは乙女座3°台、サウスノードは魚座3°台です。この度数のテーマを簡単にまとめるなら
では次に山羊座18°台の冥王星と蟹座18°台のキラルスの軸を見てみましょう。この度数軸のテーマは
神話に描かれるキラルスはケンタウルス族の中でも一番美しく若くハンサムで、黄金色の髪とたてがみをなびかせて走るその姿は多くのニンフ達を虜にしたそうです。けれどある日、ケンタウルス族にとっては日常茶飯事の戦いのさなか、どこからともなく降ってきた矢に射抜かれてあえなく命を落としてしまいました。そして彼を愛したケンタウルス族の娘ヒュロノメもまた、彼を射抜いた矢で自らを刺し貫き、彼の後を追いました。
こうした神話とキラルスの発見チャート、そしてケンタウルス族全体のテーマ性を総合解釈していくと、以下のような物語がシンボルとして浮かび上がります。
実際の影響力として顕れやすいキラルスの象意については、TNOやケンタウルス族研究で有名なZ.ステインやP.セジウィック、エリック・フランシスなど、比較的新しく発見された惑星群分析の先達達が、様々な事例を分析し発表しています。
たとえば ...
興味深いことに、冥王星とキラルスのオポジションは2007年秋の2回のニアミスを始まりとして、2008年8月、そして10月に初めて正確な形成を果たしました。そしてその後は年に約2回ずつの正確な形成を続けながら、2020年の2回の形成を最後に全25回(!)の形成を終了し、その後は2022年〜2023年春までオーブ1°弱のニアミスを形成します。(ちなみに現行の惑星サイクルが始まったのは1863年のニアミス、そして1864年4月のたった1回のコンジャンクション形成でした。当時は南北戦争やドイツ統一戦争、日本では新撰組の池田屋事件などがありました。)
2007年〜2008年といえば、サブプライムローン危機に端を発して2008年9月のリーマンショックなど、世界をゆるがせた金融危機が起きたタイミングと重なります。その後中東ではジャスミン革命から「アラブの春」と呼ばれる現象が起き、世界はいよいよ混迷を深めていきました。
カーディナル・クライマックスの中心的役割を果たした天王星・冥王星スクエアの形成は、2012年〜2015年でした。けれどこの現象の提唱者であるメリマンさんも、実際のカーディナル・クライマックスは土星・天王星オポジションが形を取り始めた2007年末〜2008年に始まり、2020年〜2022年ごろまでその余韻は続くだろうと書いています。つまり、冥王星・キラルスのオポジションは、まるで今回のカーディナル・クライマックスのとば口から最終的な出口までを "見届ける" ような形で形成され続けるということになります。
なので、この冥王星・キラルスのペアは、「世界を覆う壮大な変化の波」という大背景をまず念頭におき、その文脈の中に生きるわたし達の個人的体験や心理...という見方をしていくのが良さそうです。日本の月蝕図で黄道帯の最高点(MC)と底点(IC)に位置する山羊座の冥王星と蟹座のキラルス。それは日本という国全体を護るための破壊や犠牲に対し、痛みや損失を強いられる側の個としての叫びとも取れるし、また、抗いようのない抑圧にさらされて壊れ、変化し、その結果として成熟を強いられていく、未だいたいけな若い自我のようにも見えます。
このエネルギーが個人に影響するときは、そのひとそれぞれの心理や事情によって様々に翻訳されるでしょう。それは大きなプレッシャーとなってのしかかるかもしれません。もし押し潰されそうになったら、こう考えてください。『押し潰されるのは自分じゃない。自分の内的宇宙にずっと立ちはだかり、進むことを阻んできた見えない壁なんだ』と。
アラブの春、そしてここ数年世界各地で勃発するテロ事件や銃乱射の犠牲になった数多くの生命。戦いの中で命を落としたひと達。また地震、津波、火山噴火などの自然現象で失われた生命や平穏な生活。集合体として、個として、人生に突如として起きる予測不可能な破壊をいやでも受け入れていかねばならないわたし達。そして... 自我がどれほどへこたれようとも、灰の中から立ち上がることを促してくる内なる生命の火...。この惑星ペアには、人類の旅の壮大さと、その道をひととき共に歩む小さなわたし達の姿が反映されているような気もします。
このクライマックス期間中に他に類を見ないほど何度も形成される冥王星・キラルスのオポジション。はるか彼方の軌道を回る彼らは、もしかしたら、世界が音を立てて変わっていく渦中でふと立ち止まり「個」としての自分自身と「全体」の中のわたし達(We are the world)の折り合いをどうつけていくのか? 何を創造していくのか? という問いかけに耳を傾けるよう、遠い宇宙からわたし達に語りかけているのかもしれません。そして、「受け入れて、なおも逞しく生きよ」と。。
ところで。。 ちとおまけの情報です。銀河アストロロジャーのP.セジウィックによれば、1994年に発見された冥王星型の小さな天体が、わりと最近になってやっと名前をもらったそうです。その名はNo.15810『アラウン(アーラウン)』。アラウンはケルト神話に出て来る異界アンヌンの王で、死者の魂を追って飛ぶ地獄の猟犬達を引き連れていて、人間がひとたびその犬の吠え声を聞いたら、もう死すべき運命からは逃れられないのだとか。その吠え声は遠くにいる時は激しく恐ろしく、いよいよ近付いてくると、とても優しく柔らかな声質になるといいます。冥王星との共鳴軌道を持つアラウンは、その誕生もまた冥王星と同じ頃だろうと言われています。
現在そのアラウンが在泊するのは山羊座16°台。あらら、冥王星にすごく近い。。 この2天体の軌道はかなり近接しているので、このコンジャンクションは長期にわたって継続するでしょう。こうして、冥王星は天文学者マイク・ブラウンの言う「もう1つの冥王星」オルクスに加え、またもう1つの仲間(または使者?)を迎え入れたことになります。冥王星、オルクス、アラウンと3人揃った冥界の王様。今後は冥王星的な力がさらに増していくのかもしれません。
P.セジウィックはアラウンの持つ惑星ノード(獅子座と射手座)の解析から、その象意を以下の様に説明しています。
つまり『もっと深く観よ。もっと魂に誠実であれ。』ってことかな。。
アラウンのように最近発見され名付けられた天体は沢山あります。そしてそのどれもが、ここ数年間の内に様々なアスペクトを組んでその真の象意を顕在化させてくるでしょう。多くの先達者達に学びながら、わたし達もまた自分の体験に照らし合わせ、より深く人生やひとの行く末を考えていければ...そんなふうに思う満月・月蝕の前夜。
そういえば月蝕図のアセンダントは牡羊座29°台。二つの顔を持つ神、ヤヌス度数です。 後ろに下がりたい。このまんま動きたくない。変わりたくない。そんな圧力も強力で、目前の境界線をまたいで進むにはエネルギーと勇気がいるけれど。でも、この度数はその内奥に不退転の確かな決意を秘めています。
ちょっぴり厳しいエネルギーも放射される月蝕だけど、キツイひとは負けないで。楽しんでるひとは、いっぱいにハートを開いて。獅子座の満月らしく、胸を張っていきましょう!!
have a great eclipse!!!★
hiyoka(^_^
満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180° 対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのかを、あらためて見せてくれる「鏡」だと言えるかもしれません。なので満月のテーマは新月の瞬間から色濃く育っていくとも言えるでしょう。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにその経験を消化(昇華)し、エネルギーはゆっくりと静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯(ずれるなら満月前がベター)に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。
【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで2月11日09:51前後、北海道周辺で09:57前後、関西方面は09:32頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で09:03前後に獅子座22°28'06"で満月となります。
*今回のテーマのベースであり、今も発効し続ける新月の大テーマについてはココをご覧ください。
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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。
【月 獅子座22°~23° + 太陽 水瓶座22°~23°】
"A carrier pigeon" +
"A rug placed on a floor for children to play"
→『伝書鳩』+
『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』
↓
"A bareback rider" +
"A big bear sitting down and waving all its paws"
→ 『裸馬の乗り手』 +
『腰を下ろして両手足を振る大熊』
【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期~2/25】
→★成熟の過程でステージが上がるごとに新たに必要になる忍耐心と持久力
→★ここまでは安全、ここから先は危険という境界/限界を遵守する必要
→★自分にとっての内的な拠り所、「ホーム」といえる場を再確認する
→★身を護り危険を防ぎ、安全性を高めることに気を配る必要
→★日々の緊張や喧噪を和らげる快活なユーモアや遊び心の大切さ
→★あれこれと気を散らさずに真に重要なことを見極めて進む必要
→★攻撃的な怒りの衝動や性衝動などの本能を抑制する訓練の必要
→★過度の飲酒や薬物の摂取が引き起こす危険に注意
→★自他の「動物性」「人間性」「霊性」の全てを受け入れて成熟していく
→★咄嗟の情動に負けて動くことに起因する重大な結果
→★密やかに遂行される巧みでよく訓練された戦略の存在に注意
→★デリケートで壊れやすい何かを扱うための繊細な注意力
→★気高さや優雅さと真の強靱さの共存を目指す
→★欲望むき出しの態度、または優しげで上品なふるまいの裏に隠された真意
→★あらゆる刺激に耐えて自己の内なる世界を守り育てていく・・・→
★エネルギーのポイント:『アンビバレンスの克服』
天王星・冥王星スクエアから本格的に始まったカーディナル・クライマックス。そしてそこから孵化してきた様々な変化が、世界に、そしてわたし達自身の人生や内的世界の中に、目に見える「形」をとって立ち現れようとしています(このところ、毎回同じようなことを言ってる気もするけれど...これ、特に今年はいつも頭の隅に置いておきたいアストロロジー的大前提だったりします)。 ひとによっては毎朝目覚めるたびに新しく生まれ変わっているひともいるかもしれません。それは本当に一瞬、周囲を見回して「あれ?」と感じるか感じないかという、とても微妙な感覚かもしれないけれど。。 もしも最近になってそんな感覚を抱くことがあるとしたら、自分という存在の中で本当に新しい何かが起きているのかもしれません。それはきっと素適なことだと思います。
また、ひとによっては一つのこと(大抵はちょっとした問題点やテーマ)が頭を離れず、こころの中で絶えずループしながら悶々としている・・なんてこともあるかな。もしそんな経験をしているひとがいるなら、今回の月蝕〜次の日蝕はその問題に正面から取り組むチャンスになるかも? 「蝕」は目前に立ちはだかる巨大な非物質のウェーブに身体ごと突っ込んで通り抜けていくようなもの。外側に起きる事象をコントロールしようと思っても、そう上手くはいかないことが多いです。
なのでダイレクトに蝕のエネルギーを受けるひとは、大波に巻かれていろいろなものが剥がれ落ちていくような経験をする場合もあります。けれどそれは新しい世界に足を踏み入れるための一歩です。自分の視座が変わり、世界が変わり、現実も変わる(多くの場合、わたし達は逆の順序でそれを感じ取るけれど)。あるひとにとってはゴツゴツとリアルに。またあるひとにとっては精妙にデリケートに。けど、どちらのケースもその過程の中で新しく強靱な精神を育むために起こります。人生のブレークスルーはいつだって強烈な悩ましさをとことん通ってみる、その圧力によって起きるものだから。ノースノード・イクリプスの月蝕とサウスノードの日蝕。未来と過去の狭間で今を生きようとするわたし達。この先、どんな大波を通っていくのだとしても、胎内宇宙は永遠の静謐を知っています。
さて前回の新月記事で、これから次の月蝕に向かって新しい訓練が始まりそう...なんて書いたけれど…いよいよその月蝕の満月ですね。 あ、いよいよ...とはいっても、この月蝕が今年のハイライトというわけではありません。おそらく世界的な影響力という点で最強なのはこの夏、8月に起きる日蝕でしょう。また、今回は半影月食で、蝕としての力はそれほど強いわけではありません。ただ、度数のテーマやアスペクトを見るかぎり、この月蝕と次の新月/日蝕は、今年世界に、そしてわたし達の内面に起きてくることやその課題の一端を明示しているようにも感じられます。なので、しっかり受け止めていきたいと思います。
じゃ、早速サビアン・シンボルを見ていきましょう。
★2月満月・月蝕のサビアン・シンボル★
今回のベースとなるシンボルは獅子座22°『伝書鳩』。そして月に光を与える太陽のシンボルは水瓶座22°『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』です。これも確か2〜3年前に一度経験したシンボルですね。ただ、その時より今の方がいくぶんエネルギーは厳しくなってるかも。。 この伝書鳩は「帰巣本能」のシンボルです。どんなに遠いところからでも、初めての土地からでも、一度飛び立てば必ず自分の「ホーム」へと帰ってきます。重要なメッセージ、または何か小さくて大切なものを携えて。B.ボヴィは原語の "carrier" が化学の世界で言う "触媒" の意味を持つことに着目していました。まだ現代のように世界を繋ぐ通信環境が整っていなかった当時、伝書鳩は軍事、報道、医療用の物資運搬、そして重要な情報を人知れず伝えるためのツールとして利用されていました。その働き ― 忠実な帰巣本能とそのための飛翔能力 ― は、人間にとって次の行動を起こすための「触媒」の役割を果たしていたと言えるかもしれません。 1000kmも離れた遠隔地からさえ戻ることが出来る伝書鳩。でも、その行程には危険がいっぱいです。鷲や鷹に襲われて命を落としたり、磁気嵐で感覚器官が狂い、戻れなくなってしまう鳩達も沢山いたそうです。
わたし達は毎日外界に自分自身を曝して生きています。日々いろいろなことが起こっては消え、飛び交う多くの情報の中で、笑ったり怒ったり、打ちのめされて沈んでみたり。ときにはちょっぴり背伸びして遠くまで足を伸ばし、新しい冒険に挑んだりします。けれど、そんな日々の中で、いつもわたし達の支えになっているのは...「巣」「ホーム」「自分の居場所」だと感じられる何処かや、誰かとの絆ではないでしょうか。そしてそれをもう一歩掘り下げてみると、その場所や絆は...自分の記憶の「原点」として存在し続ける「何か」なのかもしれません。
たとえ外側からどう見えようと、迷ったときに常に立ち帰ることの出来る原点を自分の内部に持ち、それを信頼するとき、わたし達は元気になります。ときにはそれが窮屈だったり、しんどかったり、我慢しなければならないような状況があったとしても。そこから遠く離れているとき、わたし達はふとその場所を思い出します。支えられてきた。今も、支えられてる...と。それは辛い状況を耐え抜く力を与えてくれるかもしれません。
このシンボルは自分の真の「ホーム」、そこに戻ればいつだってそっと羽根を休めることの出来る場を持つことの大切さ、かけがえの無さを再確認し、それを大切にしていくことを示唆しているように思います。 ん?「そんなの無いよっ!」てひともいるかな? でも、これってことばで説明したり、論理的にどうこう言うようなことじゃありません。きっと誰でもそれを何処かに持ってる。もしかしたら存在という空間の内部に。もしかしたらわたし達の体が今、生きようと頑張っているそのこと自体の中に。それがどんなものであろうと。たとえ誰が何を言おうと。「ホーム」があるからわたし達はココに存在してるんじゃないかな。
一方、太陽のベースとなるシンボルは『子供達を遊ばせるため床に敷かれたラグ』。暖かな家の中で遊ぶ子供達の足許には、厚くてフカフカの敷物が敷かれています。ここなら飛び跳ねても大丈夫! 転んだってケガする心配はありません。子供達は、このラグの上なら安全です。もちろん、ラグを敷いてあげた側(親、学校、保護する立場の人々)にとっても、子供達がこの上にいる限り、安心していられます。それに、イタズラな子供達に床を汚される心配だってありません。ラグの上は、誰にとってもホッと安ら げるホームみたいなもの。でも、はたして子供達はおとなしくその中だけで遊んでいられるかな?
ラグの縁は安全と危険の境界線です。そして子供達は、境界や限界をヒラリと飛び越えるのが大好き。どこだって気の向くままに駆け出していきたいのです。 いったん境界を踏み越えれば、転んで痛い思いをするかもしれません。もっと思いがけない危険だって待っているかもしれません。それを理解しておくのはとても大切なことです。でも、経験を積まなければわからないことだって世の中にはあります。 今のようなキツイ星回りの中で、安全地帯を一挙に飛び越えて行くのは暴挙かもしれません。それでも、もしそうしなければならないのなら。この期間は転ぶことも想定した上で冒険に出かけましょう。「今、ラグの外に出ている」それを知った上で慎重に行動するのと意識もせずにただ飛び出していくのとは、結果に大きな違いがあります。そして、常にユーモアや快活さを携えて未知の領域を乗り切っていきましょう。けどもし迷ったら、いつもこころの中に帰るべき場所があることを忘れないで。
さて、次に月が取っていくメインのエネルギーは獅子座23°『裸馬の乗り手』です。裸馬は野生の荒々しいエネルギーのシンボル。 馬がまだ馴れないうちは、乗り手と馬の間でクッション役を果たす鞍を装着することなど出来ません。この馬はまだ野性の一団から捕獲されたばかりなのでしょうか? でも、この乗り手は本能のままに荒ぶる馬を巧みに抑え、思い通りに走らせることが出来るようです。「馬を乗りこなす」ことは「自分自身に備わったパワーを統制する」ことだとB.ボヴィは言っていました。きっと裸馬の乗り手は、荒ぶる馬と自分との間に隔てるものを置かず、野性の荒々しさを受け入れ一体化することによって、それを自分のコントロール下に置くことが出来るのかもしれません。それは人間の「精神」と「本能」との闘いでもあります。
このシンボルのイメージは、半人半馬のケンタウルス族を思い起こさせるところがあります。で、ケンタウルス族の小惑星といえば、まずはカイロン。そしてこのところ様々なアスペクトを形成して活躍中?のフォルス、アスボルス、ネッソス、キラルスなど... 天上には現在発見され名付けられている半人半馬達が沢山存在します。 けれどその中で、崇高な精神と荒々しい武闘派的な衝動とを完全に統合することが出来た存在は、ヘラクレスやアスクレピオスなどギリシャ神話に出て来る英雄達の師でもあった、カイロンだけなんですね(元々彼は出自が他のケンタウルス達とは異なるのですが...)。その他のケンタウルス達は、温厚なフォルスでさえ、好奇心に負けて迂闊な行動を取り、あっけない死を迎えることになるし、他は全員が激昂した末に激しい戦いの中で凄惨な死を遂げています。
ケンタウルス族の惑星達は皆、「<象徴的な死>を経た末の癒しと解放」というテーマを持っています。死を迎えるまでのいきさつも死に方もそれぞれだけれど、彼らのほとんどは死を通して解放されるまで、怒り、恨み、裏切り、復讐、性的欲望や欲しいものを取らずにいられない欲動など、どちらかというと下半身的な生命力のほとばしりに殉じて生きた存在だったのではないかと思います。その豪快な躍動感は裸馬の持つエネルギーそのものです。 けれど同時に半分は人間でもあった彼らの生は、たとえ一時的な高揚感に胸躍ることがあったとしても、実は恒常的に抱える大きな痛みと哀しみを伴うものだったかもしれません。
ネイタルチャートでケンタウルス族が位置する領域は、そのひとが抱える「暴れ馬」、奥深い「傷」を意味します。何かのきっかけでその傷が疼くとき、わたし達の中の裸馬もまた蘇ります。 何か強い感情的な刺激を受けたとき。湧き起こる衝動に抗えず、傍目からは自暴自棄としか思えない行動を取るとき。 あるいは、思わずひどいことを口走ってしまうようなとき。その傷口は開き、深い開口部からは自分でも驚くほど生々しい粗野な力が湧き起こります。
わたし達は文明社会に生き、日頃はいちおう良識的な生活を送っているけれど。でも一皮剥けば、みんな半人半馬のケンタウルスかもしれません。 たとえ表面的には優雅に振る舞えたとしても、底流では縄張り争いが続いているし、支配と被支配をかけた闘争も後を絶ちません。それは広い社会に見られるだけでなく、身近な家族間にも見られるナマの姿です。 そこに愛が絡み、情がからみ、わたし達は身動きが取れなくなります。
結局のところ、他の存在 ― 動物や植物の命によって贖われ、支えられているわたし達の生命。 それもまた自然の営み。 わたし達の中には、理性や善に向かうこころだけでなく、必ず動物としての本能が潜んでいます。それを、善・悪という二元性で割り切れるものでしょうか。 肯定と否定、生に向かうこころと死に向かうこころの全てがわたし達であり、人間として今、ここを生きるということではないでしょうか。
「鞍=Saddle」。これは鶏やアヒルなど家禽類の腰背部の形を示すことばでもあります。 普段は馬の背にやわらかな羽毛のクッションを取り付けて、しずしずと馬を進めるわたし達。中には白馬の騎士然としたひともいます。わたし達の本能なんて、すでに理性によって飼い慣らされたアヒルのようなもの。 けれどふと気が付けば、世界の至るところに攻撃的なエネルギーが溢れています。ゲームやスポーツで「健全」に昇華することの出来ない、何か蠢くものの存在。 それはわたし達の中にも、確かに存在する。たとえそれがあからさまな暴力の形は取っていないとしても...。 それをありのままに見るとき、そこにはシンプルな野性動物の世界よりずっと厄介で、癒やされることのなかった一種の "ねじれ" が存在しているようにも思えます。
でも。。 もしもわたし達が裸馬の乗り手になるのなら? それが出来るとすれば、始まりは「鞍」というクッションを通さずに、自分の中に潜む矯められることのない荒々しさと向き合うことかもしれません。上半身と下半身の中間 ― 裸馬との接点 ― に持てる力を込め、意識を持って一体化し、自我を超える力で全てを呑み干す。傷をみとめ、それでもなお生きて前に進む。 語られる術を持たなかったそれぞれの何かを解き放つ。ただ、美を目指して。。 それは孤独な作業を必要とします。
一人の人間の中には、おそらく何層にも分かれた無数の多様性が存在します。その全てを見切るなんてことは、今のわたし達には不可能に思えます。それでも。自我の奥に潜む広大な存在の闇に意識を向けることも無いまま真の多様性を理解することは可能でしょうか? それをこの世界に実現することは出来るでしょうか? わたし達はこの人生で「美女」と「野獣」を統合し、いつの日か新しい人間のカタチを創り上げることが出来るでしょうか?
…でも獣性と人間性を統合することの出来る裸馬の乗り手って、いったいどんな存在だろう? わたし達の中にそれは在るはず。もしかして...それが霊性?
でもそれって...誰?
一方、対極に位置する太陽のシンボルは『腰を下ろして両手足を振る大熊』です。ぬいぐるみの熊さんは可愛いけど、本物の大熊は恐ろしい力を持つ存在です。いきなり出くわして襲われたら、ひとたまりもありません。けれどこのシンボルの大熊は、座って両方の手足を振っています。何だろう? もしかしたら、サーカスの演し物かな? 恐ろしいはずの熊も、今は観客に向かって懸命に...でもちょっぴり不器用に手足を振り、しきりに愛嬌を振りまいています。いえ、彼自身は別に愛嬌を振りまいているつもりなどないかもしれません。ただ厳しい訓練に耐え、そこで生きるために、自分に課された役割と責任を果たしているだけかもしれません。遠目から見れば愛嬌ある姿に見えても、彼の力は強大です。気軽に握手することなんて出来ません。大熊には悪気や相手を傷つける気持ちなど一切無くても、たとえ穏和な性質だったとしても、わたし達が不注意にも彼を人間と同じように扱えば、彼を怖れさせ、防御の一打を受けて大怪我をしてしまいそう。そしてその結果はいたいけな大熊の生命を奪うことにもなりかねません。。
このシンボルは、訓練によって耐えぬく力、衝動に負けない精神力を身に付けることを示すと同時に、相手と自分の違いをよく知り、安全と危険の垣根にデリケートな注意を払いながら共存を図ることを示唆しているように思います。 熊の手足は大きく力に満ち、美しくもあります。けれど彼はテディベアじゃない。別世界に生きるべく生まれた命です。彼には彼の生きる世界 ― ホームがあり、わたし達にはまたそれぞれのホームがあります。
腰を下ろして両手足を振り続ける大きな熊さん。わたし達が彼の内なるホームを理解し、本当の意味でこころを通い合わせることは出来るのかな? もしそんなことが可能だとしたら…..それはわたし達が自分自身の内なる宇宙の原点を見出し、そこに彼の獣性をそのまま包含し得たときなのかもしれません。
そうそう...余談ですが、ベア・マーケットといえば金融世界では「弱気相場」を意味しますよね。これは『熊を捕らえる前に熊の皮を売るな』という、甘い見通しや安易さを諫める格言から来ていると聞いたことがあります。相場が下がると見込んで高くなったところを空売りする...まだ熊は現れないけど、とりあえず架空の皮を売ってしまうことで儲ける。そんな行為がこの格言と結び付いたのではないでしょうか。うかつな空売りは確かに大怪我のもと。けれどそれは、相場を張るひとにとっては一種の醍醐味かもしれません。けれどこれもまた、 危険と安全の境界線をよく見極めた上で、慎重にトレードプランを立てる必要があります。
ここまで読んでくれたひとの中には、『華やかな獅子座の満月だってのに、ずいぶんディープだなぁ...(´・ω・`) 』なんて思うひともいるかな? けど、どんな星座宮でも最後の第3ディーカンになると、成長した意識が次のステージに移行するための準備段階に入ってきます。獅子座の次は乙女座。この流れが象徴するのは、世界の中心に据えた自我を思いっきりふくらませて自分の力を創造的に表現する段階を終えていくこと、そして全体の中の小さな自分を知りつつ、細部の差異を見ながら有効に機能していく。獅子座とは高・低が転倒した「自我」と「全体」の中で、「犠牲」の真の価値を知って癒していく…そんなテーマが浮上してきます。本来なら "白馬の騎士&バラの貴婦人" がお似合いの獅子座。けれど各星座宮に共通して言えることとして、そこまで成長してきた意識に対し大体22°〜23°あたりで「待て。何か忘れてはいないか? 一度ここで立ち止まり、よく考えてごらん」という含みが顕れてきます。 いつも思うのですが、サビアン・シンボルの象徴体系を扱う際に「これで終わり」ということはありません。掘り下げれば果てしなく深く、本当に興味深いです...。
危険と安全、衝動と忍耐、欲望と理性、強靱さと防御...様々なアンビバレンスを含む月蝕のテーマは、これからわたし達が時をかけて歩むそれぞれの道に、星々が与えてくれるカリキュラムかもしれません。 けど、わたし達はみな草原を、都市を、天空を自由に駆け巡る半人半馬のケンタウルスでもあることを忘れずにいたいと思います。彼らは乱暴者ではあったけど、戦士として豪放に生き、傷もまた生の証しとして引き受け、大いに楽しみ、散っていきました。だから。笑いと自由と胎内に踊るいのちと…やがて訪れる死さえも親しい友として...進んでいけたらいいな。今、こころからそう感じています。
★2月満月・月蝕の星模様★
今回の満月・月蝕図には沢山のアスペクトが形成されていて、とても賑やか。その中でまず目に付くのは、太陽・月・木星&エリス・天王星(とエケクルス)を含む長方形のアスペクト・パターン、ミスティック・レクタングル(120°, 60°, 120°, 60°)でしょうか。オポジションとなる太陽・月のテーマはサビアン・シンボルで説明した通りだけど、これに対して木星とエリス・天王星、そしてケンタウルス族の中でも蛮勇を誇るエケクルスのオポジションが、調和的なセクスタイルとトラインで繫がり合っています。じゃ、もしかして...今回のちょっと厄介そうなカリキュラムに何かしら援助のエネルギーが与えられるのかな? うーん、そうとも言えるしそうじゃないとも言えるし... 結局はわたし達次第なのだけど(^_^;。
ところでこの惑星フォーメーションは何故「ミスティック」と呼ばれるのでしょう? それにはいくつか理由があります。まず、まるで閉じられた封筒のように見えるこの形は、外側の調和的なアスペクトによって内側のハードアスペクトが封印されています。なので外から見ると、長方形を組むエネルギーが抵抗なく流れ、使われ、ポジティブな面がまず目に付きます。けれど内側の多大な緊張や葛藤は見えません。これを一人の人間に例えるなら、その場その状況、目的に適した言動が出来て気配りも対応も良く、ホッとさせるような笑いを起こすことも出来る。なので周囲のひと達からもとても信頼されてる。でも、フッと見せるその微笑みの中には不可解な影が宿っているような? 何だろう? 神秘的にさえ見える…そんな感じでしょうか。
また、もう一歩掘り下げて内面を見ると、そこには「永遠のアンビバレンス」とも言うべき煩悶を見てとることが出来ます。詩的に表現すれば「世界は困難で醜いことばかり。なのに世界はこんなにも美しい...」みたいな感じかな。この両極性は、永久に続く二元論の戦いになっていく傾向があります。究極の「黒か!白か!」です。その葛藤に気付いた他者が「まぁまぁそう思い詰めないで…」なんて言い、「うん。そうだよね」なんて答えたとしても、内心では聞き入れません。自分の力で謎を解かなくちゃいけないと感じるから。嵐も抑圧も鬱状態も、外側の調和的なアスペクトが衝撃を和らげ、一種の緩衝壁として働きます。だから、葛藤に対する持久力を持っています。まるで不変の防御態勢が整っているかのようです。そして自分なりのやり方で試行錯誤を繰り返し、少しずつ経験を積んでいきます。
このレクタングルはロジックとか内観とか、あるいは本で読んだ知識を役立てるようなフォーメーションではありません。どちらかというと、とりあえず何かをしてみる。その行動を通して貴重な経験を積み、意識を深めていく。...または、外側の調和的な壁に依存し、内側には蓋をして放置を決め込み、忘れる。。 けど、時を置いてこのレクタングルの一角が刺激されるとき、同じ問題が何度もループする。やがて外側から何かが起こり、とにもかくにも経験は積まれていく。 それを回避し続けることは、フォーメーション全体のエネルギーを弱らせることになるから。。。
けれど、時には堆積した緊張と葛藤が外側の調和を破って爆発し、心身共に一種のカオスに陥ることもあります。でもこれは永遠の二元論による封印を解くチャンスです。それは以前こだわっていた全てが剥げ落ちて破壊されていくような体験かもしれません。けれどその後、外側の調和的なアスペクトを通して新たな価値観が孵化していきます。ひとはこの破壊体験を通して霊的に再生する機会を得るとも言われます。これが、このフォーメーションを「ミスティック・レクタングル」と呼ぶ第2の理由です。
...っと、アスペクト自体の説明でかなりの文字数を費やしてしまったけれど。 太陽・月・木星そして天王星とエリス(とケンタウルスのエケクルス)のミスティック・レクタングル。 天王星組は牡羊座(自分)、木星は天秤座(他者)。その位置をサビアン・シンボルで見ると、牡羊座の天王星とエリスが示すテーマは
・自我の解放一方エケクルスは
・新しいアイデンティティの探求 そして
・実際の必要性ではなく自我の渇きに基づいた欲望を追求する
・世界の中心で "我ここにあり!"と叫ぶ対する天秤座の木星がもたらす課題は
・社会や対人関係の中でいかにプライドと既得権益を守るか?そして、シンボル説明で書いてきたような月と太陽のテーマ。。
・自分に与えられて然るべきものを主張する
うーん、やっぱりこのあたりの度数はなかなか難易度が高そうです。外側から覗けば二元論的、黒白論的なロジックのバランスを上手くとり、両方がちょっとずつ得をしてちょっとずつ譲るような解決策を探る動き(または心理)が見えそうだし、木星が体現する法律の上でも、行き過ぎを抑えて社会/世界を安定に導くような取り組みがなされるのかもしれません。
けれど木星は逆行に転じています。これから再びエリス(2月23日、9月19日)と天王星(3月3日、9月28日)との正確なオポジションに向かうところです。注意深くしていないと、トライン&セクスタイルが創り出す、無意識にサラサラ流れていくエネルギーに流されて問題が誇張され混乱を生んだり、良かれと思った行為がかえって対立を煽るような結果になる可能性も否めません。「上辺はどう見えようと、実際に根底に存在し続けてきた真の問題はいったい何なのか?」 困難ではあっても、いつもそこから目を離さずにいること。それが一番の鍵なのだと思います。
さてこのミスティック・レクタングルに対して射手座25°台の土星がオーブ2°強で小三角…ちょうど閉じられた封筒に屋根が付いたような、家の形のフォーメーションが出来ています。これも本来なら実質的な援助になる調和的なアスペクト。
この度数のテーマはひと言で言うと
「全体を統轄する基準に適い、具体性を持つ発想を通じて世界を、人生を、変容させる」
あるいは
「上に立つ者の冷徹さ/非個人性」
大きな混乱を避けるには、どうしても必要な犠牲を出すことをためらわない、ある種の冷徹さが必要になるのかもしれません。ただ気になるのはこの土星にKBOのイクシオンがタイトにコンジャンクしていることです。カイロンを除くケンタウルス族の父 ― イクシオンの象意については、新月記事のトランプ大統領のパートで触れましたね。
・どんな人間であろうと、状況次第ではどんな事だってやれる何度も言うように、イクシオンを黒白二元論で語ることは出来ません。語れば結論はもう「まっ黒」以外にありえないでしょう。けれどOOBと同様に、イクシオンの究極はそのどちらでもなく、またどちらでもある存在です。 彼はケンタウルス族の父。様々な傷を負い、象徴的な死とも言える体験を強いた後、壮大な癒しをもたらすと言われるケンタウルス族。彼らを生んだ父とは、そんな存在なのだと思います。
・人間が持つ神をも怖れぬ勇気、そしてそのこと自体がはらむ愚かさ
・どんな結末に襲われても懲りない性分
・そして…「全ての善は悪をはらみ、全ての悪は善をはらむ
うーん。。 収縮させ、固め、境界線を引き、護る。射手座の縦横無尽に拡がる思想を手で触れることの出来る現実にしていこうと目論む土星の力を通じて、この月蝕の満月で下される英断、決断、行動はどんな結末を呼ぶでしょう。それは今後3カ月~半年(または1年)を経過しないと結論付けられないかもしれません。政治・社会状況を見ても、わたし達個人の人生をふり返っても、ほぐれることの無い何かしらのアンビバレンスが存在するように見える今。裸馬を勇壮に乗りこなし、すっくと丘に立てる日は来るんだろうか? まぁけど、訓練しなけりゃ何も始まりません。
木星と月からは、魚座22°台のカイロンに対してYOD―神の指が形成されています。ということは...このカイロンに自分のエネルギーを向けていくことが、ミスティック・レクタングルの葛藤を解くもう一つの鍵になるのかな。(YODが形成されている場合は、月と木星のセミセクスタイルが創り出す、どちらかというとイージーゴーイングな解決策に固執することはあまり良い結果を生まないとされています)。
カイロンが在泊する度数のシンボルは『心霊術師が起こす心霊現象』、そしてこれに対峙する乙女座のシンボルは『動物の調教師』です。 このエネルギーを簡単に言い表すなら
・自分に活力を与える不可視の生命力に意識を集中することということになります。そう、ここでもやっぱり訓練が出て来るんですね。しかも月蝕図で4室のホーム(個人の内面)に在泊する小惑星ヴェスタは、木星・天王星とはTスクエアになるけれど、同時にカイロンには調和的なトラインを形成しています。
・こころの問題や精神に入り込んでくる雑多な想念、見えない領域の力に負けず、訓練によってこれを制御する
この、内なる炎が示すテーマは...
「美しい知の世界と激しく乱れる闘争の世界、その両方に同じように存在する苦悶や葛藤を観察し、見抜き、見据える」です。あは。これもやっぱり訓練?(^_^;
え〜、もう訓練とか耳タコだよ。もういやだ〜〜!というひともいると思います。きっと。(^_^; けど必要なことはごく自然に起きてくるんじゃないかな?
じゃ、最後にもう一つのグループアスペクトに注目してみたいと思います。これはハードなマイナーアスペクトのみで形成されているレクタングルのため、特別な名称は与えられていないのですが...なんとなく "ウォリサム・レクタングル" とでも呼びたくなるような雰囲気です。その構成はセミスクエア(45°)、セスキスクエア(135°)、セミスクエア、セスキスクエア。そしてその内側に交差する2つのオポジションです。これは行き過ぎた煩悶や苦悩に囚われやすい状態を誘発するフォーメーションとされています。
本来なら、まずはオポジションとなる惑星同士が示すテーマに向かって頑張るのが本筋なのだけど、この場合は四角の外側を結ぶハードアスペクトに引っ張られて、余計な物事を抱え込んで悩んだり、他のひとの問題を自分の問題だと思い込んで巻き込まれたりしやすいと言われます。その結果、考えも行動も真っ直ぐにはいかず、過度に回り道して結局は要点が見えなくなってしまうことも。また、良かれと思って伝えたことが誤った噂を広める結果になる可能性も。。 ミスティック・レクタングルの場合は上手く使えば外側の調和的アスペクトが助けになるけれど、この "ウォリサム・レクタングル" のケースでは、問題やテーマを見極めたらそこから気を逸らさず、強い意志をもって真っ直ぐ「前」を見つめることが肝心です。
この長方形は、月のノード軸(とケンタウルス族のネッソス ― カルマの支払い)、冥王星、ケンタウルス族のキラルスとの間に形成されています。特に冥王星・キラルスのオポジションは日本の月蝕図でMCとICに乗っています。なのでマイナーアスペクトの長方形であっても、かなりの影響力があるかもしれません。そしてこのアスペクトは次の日蝕図においても引き続き成立しています。
というわけで、このフォーメーションに関してはオポジションのテーマを抽出しておこうと思います。まず月のノード軸。ノースノードは乙女座3°台、サウスノードは魚座3°台です。この度数のテーマを簡単にまとめるなら
・多くの挑戦や試練が集中する狭い道を歩むときに必要な懐の深さと忍耐力ただ、サウスノードのシンボル『狭い地峡に起きる交通渋滞』は、たまに事故に関連して出て来るケースも見られます。今回はマイナーアスペクトながら冥王星とも絡むので、とりあえずこの満月期〜次の新月期は、交通・飛行機・海難その他、様々なアクシデントや誤操作に注意が必要かもしれません。
・世界も自分も今のありのままを認め、そこに幸福を見出す能力
・物事を十把一絡げにして単純に断定してしまう視野の狭さ... でしょうか。
では次に山羊座18°台の冥王星と蟹座18°台のキラルスの軸を見てみましょう。この度数軸のテーマは
・"全体" は個々の存在価値より重要か?これは山羊座の冥王星と蟹座のキラルスという、惑星の対比にもダブルで顕れているのではないでしょうか。山羊座の冥王星は大所高所から全体を見回し、少数を犠牲にしても全体の存続を図ろうとするでしょう。けれどキラルスは?
・大事のために小事を犠牲にするか?という問いかけ
そして
・まだ未成熟なうちに重い責任を負うことの是非
・プレッシャーとの戦い
神話に描かれるキラルスはケンタウルス族の中でも一番美しく若くハンサムで、黄金色の髪とたてがみをなびかせて走るその姿は多くのニンフ達を虜にしたそうです。けれどある日、ケンタウルス族にとっては日常茶飯事の戦いのさなか、どこからともなく降ってきた矢に射抜かれてあえなく命を落としてしまいました。そして彼を愛したケンタウルス族の娘ヒュロノメもまた、彼を射抜いた矢で自らを刺し貫き、彼の後を追いました。
こうした神話とキラルスの発見チャート、そしてケンタウルス族全体のテーマ性を総合解釈していくと、以下のような物語がシンボルとして浮かび上がります。
若々しい野心を抱いてこの世を楽しむ美しくゴージャスな命。そんな、誰からも愛された者が突然失われる。闘いの中で、何の意味もなく理由さえわからないままに。けれど合理的なマインドでその意味を追い求めても、きっと答は出ない。人生には、常に隠された深い意味がある。それは遠い創造の胸に抱かれた祝福だったのかもしれない。カルマを果たしきることが出来たのだから。宇宙と内界の接点を流れる大河にこころと体を預け、失うことによってやっと解放されたのだから...。
実際の影響力として顕れやすいキラルスの象意については、TNOやケンタウルス族研究で有名なZ.ステインやP.セジウィック、エリック・フランシスなど、比較的新しく発見された惑星群分析の先達達が、様々な事例を分析し発表しています。
たとえば ...
・個的なアイデンティティやプライドなどが主な事象として挙げられます。
・血統や人種、階級に関わる問題
・しかるべき理由や理屈が見当たらないのに唐突に浮上する物事
・一見無意味にさえ見えるような「損失」への怖れ
・ちょっとした変化への決断が人間関係や社会、文化全体に及ぼす変化…
興味深いことに、冥王星とキラルスのオポジションは2007年秋の2回のニアミスを始まりとして、2008年8月、そして10月に初めて正確な形成を果たしました。そしてその後は年に約2回ずつの正確な形成を続けながら、2020年の2回の形成を最後に全25回(!)の形成を終了し、その後は2022年〜2023年春までオーブ1°弱のニアミスを形成します。(ちなみに現行の惑星サイクルが始まったのは1863年のニアミス、そして1864年4月のたった1回のコンジャンクション形成でした。当時は南北戦争やドイツ統一戦争、日本では新撰組の池田屋事件などがありました。)
2007年〜2008年といえば、サブプライムローン危機に端を発して2008年9月のリーマンショックなど、世界をゆるがせた金融危機が起きたタイミングと重なります。その後中東ではジャスミン革命から「アラブの春」と呼ばれる現象が起き、世界はいよいよ混迷を深めていきました。
カーディナル・クライマックスの中心的役割を果たした天王星・冥王星スクエアの形成は、2012年〜2015年でした。けれどこの現象の提唱者であるメリマンさんも、実際のカーディナル・クライマックスは土星・天王星オポジションが形を取り始めた2007年末〜2008年に始まり、2020年〜2022年ごろまでその余韻は続くだろうと書いています。つまり、冥王星・キラルスのオポジションは、まるで今回のカーディナル・クライマックスのとば口から最終的な出口までを "見届ける" ような形で形成され続けるということになります。
なので、この冥王星・キラルスのペアは、「世界を覆う壮大な変化の波」という大背景をまず念頭におき、その文脈の中に生きるわたし達の個人的体験や心理...という見方をしていくのが良さそうです。日本の月蝕図で黄道帯の最高点(MC)と底点(IC)に位置する山羊座の冥王星と蟹座のキラルス。それは日本という国全体を護るための破壊や犠牲に対し、痛みや損失を強いられる側の個としての叫びとも取れるし、また、抗いようのない抑圧にさらされて壊れ、変化し、その結果として成熟を強いられていく、未だいたいけな若い自我のようにも見えます。
このエネルギーが個人に影響するときは、そのひとそれぞれの心理や事情によって様々に翻訳されるでしょう。それは大きなプレッシャーとなってのしかかるかもしれません。もし押し潰されそうになったら、こう考えてください。『押し潰されるのは自分じゃない。自分の内的宇宙にずっと立ちはだかり、進むことを阻んできた見えない壁なんだ』と。
アラブの春、そしてここ数年世界各地で勃発するテロ事件や銃乱射の犠牲になった数多くの生命。戦いの中で命を落としたひと達。また地震、津波、火山噴火などの自然現象で失われた生命や平穏な生活。集合体として、個として、人生に突如として起きる予測不可能な破壊をいやでも受け入れていかねばならないわたし達。そして... 自我がどれほどへこたれようとも、灰の中から立ち上がることを促してくる内なる生命の火...。この惑星ペアには、人類の旅の壮大さと、その道をひととき共に歩む小さなわたし達の姿が反映されているような気もします。
このクライマックス期間中に他に類を見ないほど何度も形成される冥王星・キラルスのオポジション。はるか彼方の軌道を回る彼らは、もしかしたら、世界が音を立てて変わっていく渦中でふと立ち止まり「個」としての自分自身と「全体」の中のわたし達(We are the world)の折り合いをどうつけていくのか? 何を創造していくのか? という問いかけに耳を傾けるよう、遠い宇宙からわたし達に語りかけているのかもしれません。そして、「受け入れて、なおも逞しく生きよ」と。。
ところで。。 ちとおまけの情報です。銀河アストロロジャーのP.セジウィックによれば、1994年に発見された冥王星型の小さな天体が、わりと最近になってやっと名前をもらったそうです。その名はNo.15810『アラウン(アーラウン)』。アラウンはケルト神話に出て来る異界アンヌンの王で、死者の魂を追って飛ぶ地獄の猟犬達を引き連れていて、人間がひとたびその犬の吠え声を聞いたら、もう死すべき運命からは逃れられないのだとか。その吠え声は遠くにいる時は激しく恐ろしく、いよいよ近付いてくると、とても優しく柔らかな声質になるといいます。冥王星との共鳴軌道を持つアラウンは、その誕生もまた冥王星と同じ頃だろうと言われています。
現在そのアラウンが在泊するのは山羊座16°台。あらら、冥王星にすごく近い。。 この2天体の軌道はかなり近接しているので、このコンジャンクションは長期にわたって継続するでしょう。こうして、冥王星は天文学者マイク・ブラウンの言う「もう1つの冥王星」オルクスに加え、またもう1つの仲間(または使者?)を迎え入れたことになります。冥王星、オルクス、アラウンと3人揃った冥界の王様。今後は冥王星的な力がさらに増していくのかもしれません。
P.セジウィックはアラウンの持つ惑星ノード(獅子座と射手座)の解析から、その象意を以下の様に説明しています。
・エゴ的な言動と魂レベルの葛藤に関わる問題
・内側に抱える魂レベルの火とそれを現実に活かしていく火のような信条
・人や物事の裏に潜む本当の動機や目的、理由を識別していく必要性
・行間ににじみ出る意図を見破る努力
・良きにつけ悪しきにつけ、こころを騒がせ反応させる物事の真実性に今までよりもっと注意を払う必要
つまり『もっと深く観よ。もっと魂に誠実であれ。』ってことかな。。
アラウンのように最近発見され名付けられた天体は沢山あります。そしてそのどれもが、ここ数年間の内に様々なアスペクトを組んでその真の象意を顕在化させてくるでしょう。多くの先達者達に学びながら、わたし達もまた自分の体験に照らし合わせ、より深く人生やひとの行く末を考えていければ...そんなふうに思う満月・月蝕の前夜。
そういえば月蝕図のアセンダントは牡羊座29°台。二つの顔を持つ神、ヤヌス度数です。 後ろに下がりたい。このまんま動きたくない。変わりたくない。そんな圧力も強力で、目前の境界線をまたいで進むにはエネルギーと勇気がいるけれど。でも、この度数はその内奥に不退転の確かな決意を秘めています。
ちょっぴり厳しいエネルギーも放射される月蝕だけど、キツイひとは負けないで。楽しんでるひとは、いっぱいにハートを開いて。獅子座の満月らしく、胸を張っていきましょう!!
have a great eclipse!!!★
hiyoka(^_^
February 05, 2017
レイモンド・メリマン 週間コメント2/6【金融アストロロジー】
http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2017年2月6日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫
このニュースを受けて、米国株式市場は急上昇で始まった。金曜の発表前は精彩を欠いていたダウ工業平均は、3桁の上昇をみた。その他、世界のいくつかの株式指数は前週1月27日に起きた金星・土星スクエアに向けて数ヶ月ぶり〜数年ぶりの高値をつけた後、先週はほとんどが下落していた。
先週の金と銀は依然として強く、2月2日木曜には両方共に11月以来の最高値水準に達したが、金曜の雇用統計後はわずかに下げている。ユーロも似たような動きを見せ、2月2日に12月8日以来の最高値水準1.0828に達した。原油もまた、1月3日新年最初の取引日以来の最高値に達している。1月3日はMMAの★★★ジオコズミック重要変化日だった。
ふり返れば先週は中国の新年、鶏の年でもあり、市場にとっては良い週だったと言えよう。
≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫
とはいえ、天王星に新しい象意「カオス」を与えつつある米国の新大統領にとってはあまり良い週とは言えなかった。前週、彼はその信じがたいほどの働きぶりとエネルギーで多くの人々を驚嘆させた。しかしながら、決定がもたらす結果を見据える目を持って隅々まで考慮を重ね、巧みに遂行すること無しにこうした電撃的試みを実行すれば、そこには負の側面が浮上する可能性が大だ。したがって、先週は彼が公表した特定のイスラム教国に対する渡航禁止を受けて壮大な混乱状態が始まり、木曜のウォールストリートジャーナルに掲載されたカール・ローヴの言葉によれば「… 何百人ものビザ所持者が中間地帯で立ち往生中」だという。ローヴはジョージ・W・ブッシュ政権内で働いた経験を持つ確固たる共和党員だが、自分の記事に『ホワイトハウスの素人演芸会』という表題を付けている。こうした混沌状態が金曜の雇用統計前の弱い市場に影響していたのかもしれない。
株式市場は強さを見せて週を終え、現在2月6日の木星逆行開始とその後2月11日(週末)に起きる太陽・木星トラインに向かっている。通常であれば、これは株価が上昇してこの時期にそこそこ重要な天井をつける可能性を示唆する。しかし、これからの時期は宇宙的構図からすれば通常の時ではない。何故なら今後3週間の内に、今年最強のジオコズミック的展開が控えているからだ。理解を深めるために、先週のコメントでこの時期について言及した箇所を抜粋しておこう。
宇宙からやってくる嵐はこれだけでは終わらない。木星・天王星オポジションの2回目の正確な形成が3月2日に起こり、その後金星が3月4日に逆行に転じる。木星と天王星のオポジションは、米株市場のプライマリーサイクルかそれ以上のサイクルとの相関性においては前後12取引日のオーブをもって最強を誇るアスペクトだ。一方、金星逆行もそれに迫る強度を持ち、やはり前後12取引日をもってプライマリーまたはそれ以上のサイクルとの相関性を見せる5つのシグナルの内の一つだ。これら2種のジオコズミック・サインが互いに時を置かずして起き、それが海王星とコンジャンクト(2月26日~3月1日)して起きる日蝕の週だという事実は、それ自体でもう一つのレベル1ジオコズミック・サインとなる。もし今の私達がカオスと混乱を経験していると言うなら、この時期には何が起きるのか。ただ想像するほかない。
しかしながら、こうした物事は何もホワイトハウス発ばかりとは限らない可能性がある。FRBのような中央銀行による発表が巻き起こす混乱も考え得る。この金星逆行は、黄道帯の同じ領域で逆行が起きる8年サイクルの一部だ。つまり前回これが起きたのは2009年3月6日で、大不況(グレート・リセッション)下の株の底値ポイントだった。そこから現在の強気相場が始まったのだ。もしこの強気相場が2017年3月4日近辺で終わるとすれば、それはこのサイクルの次相の始まりであり、対称性を持って展開するだろう。
≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫
これは『フォーキャスト2017』と先週開催したウェビナーの中で私達が取り上げた問題の一つだ。2017年1月20日正午に行われたトランプ大統領の就任式は、射手座・魚座(ミュータブルサイン)23°〜24°の火星・土星スクエアの下だった。火星は戦争の神であり、土星は抵抗を意味する。これらが共に働く時は、地政学的緊張と軍事衝突の潜在性を意味する惑星達となることが知られている。これは就任式のイベントチャートなので、そのエネルギーは今後4年間有効だ。この火星・土星スクエアは、これもミュータブルサイン、双子座と乙女座の20°〜22°に位置する米国始原図の火星・海王星スクエアとグランドスクエアを形成している。国家チャートの火星は戦争と攻撃の能力を反映する。したがって私達は、この政権の第一期目に米国が戦争する通常より大きな可能性を即座に見てとることが出来る。
イランの現政府は1979年4月1日に "生まれ" た。その日、火星は魚座25°、海王星は射手座20° ― 2017年の米国大統領就任式図、そして米国始原図の両惑星と同様にミュータブルサインに在泊し、互いにオーブ圏内に入る。この比較でも火星が強調されており、米国始原図にはグランドスクエアを形成している。それではまだ足りないとでも言わんばかりに、トランプ大統領の出生図は彼が同じミュータブルサインである双子座・射手座間で成立した月蝕の下に生まれたことを示しており、その度数さえも合致している。だが待てよ?! 2017年の8月21に起きる日蝕は米国の中央部を横切り、火星とコンジャンクトだ ― そしてそれは、ドナルド・トランプ出生図の火星・アセンダントのコンジャンクション、獅子座26°〜29°で起きるのだ。
なんと多くのチャートに多くの火星が強調されていることか。もちろん、だからといって必ず戦争が起きるというわけではない。だがおそらくトランプ氏とイラン指導部は、双方とも後へは引かないことを賢くも理解しているだろう。もし緊張と闘争的な精神が増大すれば、それは容易に沸点に達し、軍事行動への高い可能性が生じる。そこから利益を得るのは武器兵器の製造業者、そして互いをけしかけて闘わせブラックマーケットで暴利を貪る者達のみだ。
訳文ここまで
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レイモンド・メリマン・コラム 2017年2月6日(フリー版より)
翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫
“米労働統計局が金曜に発表した1月の非農業部門雇用は227,000増となり、一方失業率は4.8%に上った。ロイターによるエコノミスト調査の予想は12月の57,000に比べて175,000の雇用増だった… しかしながら、賃金上昇は多少抑制気味で、平均時間給の上昇はたったの3%、年間ベースでは2.5%に過ぎなかった。週ベースの平均労働時間は以前と変わらず34.4時間だった。今月は19の州で最低賃金法が成立したにもかかわらず、賃金上昇率は低下した。”
― “US Created 227,000 Jobs in January, vs 175,000 Jobs Expected”
Jeff Cox, CNBC 2017年2月3日付
このニュースを受けて、米国株式市場は急上昇で始まった。金曜の発表前は精彩を欠いていたダウ工業平均は、3桁の上昇をみた。その他、世界のいくつかの株式指数は前週1月27日に起きた金星・土星スクエアに向けて数ヶ月ぶり〜数年ぶりの高値をつけた後、先週はほとんどが下落していた。
先週の金と銀は依然として強く、2月2日木曜には両方共に11月以来の最高値水準に達したが、金曜の雇用統計後はわずかに下げている。ユーロも似たような動きを見せ、2月2日に12月8日以来の最高値水準1.0828に達した。原油もまた、1月3日新年最初の取引日以来の最高値に達している。1月3日はMMAの★★★ジオコズミック重要変化日だった。
ふり返れば先週は中国の新年、鶏の年でもあり、市場にとっては良い週だったと言えよう。
≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫
とはいえ、天王星に新しい象意「カオス」を与えつつある米国の新大統領にとってはあまり良い週とは言えなかった。前週、彼はその信じがたいほどの働きぶりとエネルギーで多くの人々を驚嘆させた。しかしながら、決定がもたらす結果を見据える目を持って隅々まで考慮を重ね、巧みに遂行すること無しにこうした電撃的試みを実行すれば、そこには負の側面が浮上する可能性が大だ。したがって、先週は彼が公表した特定のイスラム教国に対する渡航禁止を受けて壮大な混乱状態が始まり、木曜のウォールストリートジャーナルに掲載されたカール・ローヴの言葉によれば「… 何百人ものビザ所持者が中間地帯で立ち往生中」だという。ローヴはジョージ・W・ブッシュ政権内で働いた経験を持つ確固たる共和党員だが、自分の記事に『ホワイトハウスの素人演芸会』という表題を付けている。こうした混沌状態が金曜の雇用統計前の弱い市場に影響していたのかもしれない。
株式市場は強さを見せて週を終え、現在2月6日の木星逆行開始とその後2月11日(週末)に起きる太陽・木星トラインに向かっている。通常であれば、これは株価が上昇してこの時期にそこそこ重要な天井をつける可能性を示唆する。しかし、これからの時期は宇宙的構図からすれば通常の時ではない。何故なら今後3週間の内に、今年最強のジオコズミック的展開が控えているからだ。理解を深めるために、先週のコメントでこの時期について言及した箇所を抜粋しておこう。
“この期間は2月26日に強力な日蝕(サウスノード・イクリプス)が起きる。サウスノードの蝕は通常、ノースノードのそれより困難な事が多いとされ、また今回は火星・天王星コンジャンクションが木星と冥王星にTスクエアを形成する真っ最中に起きる…. これは世界に大きな出来事が持ち上がったり、何かが崩壊や分裂することの象徴であり、母なる大自然に起きる同様の原動力とも同期するかもしれない。潜在的な危機が懸念されるこのような時期にリスクを取るのはあまり良いとは言えない。”
宇宙からやってくる嵐はこれだけでは終わらない。木星・天王星オポジションの2回目の正確な形成が3月2日に起こり、その後金星が3月4日に逆行に転じる。木星と天王星のオポジションは、米株市場のプライマリーサイクルかそれ以上のサイクルとの相関性においては前後12取引日のオーブをもって最強を誇るアスペクトだ。一方、金星逆行もそれに迫る強度を持ち、やはり前後12取引日をもってプライマリーまたはそれ以上のサイクルとの相関性を見せる5つのシグナルの内の一つだ。これら2種のジオコズミック・サインが互いに時を置かずして起き、それが海王星とコンジャンクト(2月26日~3月1日)して起きる日蝕の週だという事実は、それ自体でもう一つのレベル1ジオコズミック・サインとなる。もし今の私達がカオスと混乱を経験していると言うなら、この時期には何が起きるのか。ただ想像するほかない。
しかしながら、こうした物事は何もホワイトハウス発ばかりとは限らない可能性がある。FRBのような中央銀行による発表が巻き起こす混乱も考え得る。この金星逆行は、黄道帯の同じ領域で逆行が起きる8年サイクルの一部だ。つまり前回これが起きたのは2009年3月6日で、大不況(グレート・リセッション)下の株の底値ポイントだった。そこから現在の強気相場が始まったのだ。もしこの強気相場が2017年3月4日近辺で終わるとすれば、それはこのサイクルの次相の始まりであり、対称性を持って展開するだろう。
≪ 長期的考察とマンデーン・アストロロジー ≫
“トランプ政権はイランの多数の企業や個人に対する新たな制裁を科して米国とテヘラン間の緊張を高めた。”
― “U.S. to Hit Iran With New Sanctions”
Jay Solomon, ウォールストリートジャーナル 2017年2月3日付
これは『フォーキャスト2017』と先週開催したウェビナーの中で私達が取り上げた問題の一つだ。2017年1月20日正午に行われたトランプ大統領の就任式は、射手座・魚座(ミュータブルサイン)23°〜24°の火星・土星スクエアの下だった。火星は戦争の神であり、土星は抵抗を意味する。これらが共に働く時は、地政学的緊張と軍事衝突の潜在性を意味する惑星達となることが知られている。これは就任式のイベントチャートなので、そのエネルギーは今後4年間有効だ。この火星・土星スクエアは、これもミュータブルサイン、双子座と乙女座の20°〜22°に位置する米国始原図の火星・海王星スクエアとグランドスクエアを形成している。国家チャートの火星は戦争と攻撃の能力を反映する。したがって私達は、この政権の第一期目に米国が戦争する通常より大きな可能性を即座に見てとることが出来る。
イランの現政府は1979年4月1日に "生まれ" た。その日、火星は魚座25°、海王星は射手座20° ― 2017年の米国大統領就任式図、そして米国始原図の両惑星と同様にミュータブルサインに在泊し、互いにオーブ圏内に入る。この比較でも火星が強調されており、米国始原図にはグランドスクエアを形成している。それではまだ足りないとでも言わんばかりに、トランプ大統領の出生図は彼が同じミュータブルサインである双子座・射手座間で成立した月蝕の下に生まれたことを示しており、その度数さえも合致している。だが待てよ?! 2017年の8月21に起きる日蝕は米国の中央部を横切り、火星とコンジャンクトだ ― そしてそれは、ドナルド・トランプ出生図の火星・アセンダントのコンジャンクション、獅子座26°〜29°で起きるのだ。
なんと多くのチャートに多くの火星が強調されていることか。もちろん、だからといって必ず戦争が起きるというわけではない。だがおそらくトランプ氏とイラン指導部は、双方とも後へは引かないことを賢くも理解しているだろう。もし緊張と闘争的な精神が増大すれば、それは容易に沸点に達し、軍事行動への高い可能性が生じる。そこから利益を得るのは武器兵器の製造業者、そして互いをけしかけて闘わせブラックマーケットで暴利を貪る者達のみだ。
訳文ここまで
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