September 2017

September 24, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント9/25【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2017年9月25日(フリー版より)

翻訳:hiyoka     
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自 身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧でき ますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近 いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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来週からのメリマン・コラムは抄訳が多くなるかとおもいます。m(_"_)m


≪ 先週をふり返って ≫

        “水曜、FRBは4.5兆ドルにのぼる保有資産のうち満期を迎えた証券や債券に再投資せず、10月からは月に100億ドル縮小、来年にかけて段階的に縮小幅を拡大し、月に500億ドルとする... 中央銀行の短期指標金利に変更は無かったが今年あと1回の利上げを示唆した... FRBの発表後、株式市場は下落に転じた。”

— Martin Crutsinger
  “Fed Will Start To Reduce Its Bond Holdings”
  Associated Press 2017年9月21日付


    “ワシントンへの送金がヒモ付きで返却され手数料が差し引かれるというこの仕組みは無駄遣いであり政治責任を曖昧にするものだ。真の連邦主義的アプローチは個人用医療保険市場の規制を州の管轄に戻すことである。そして慢性病や重篤な病のためには連邦政府が独立したセーフティネットを設けるべきなのだ。”

— Robert Robb
  “Clarifying the Graham-Cassidy Bill”
  The Arizona Republic 2017年9月22日付


        株式市場は先週上昇して始まり、米国のダウ工業平均とS&P先物、中国の上海、香港のハンセン、日本の日経、インドのニフティなどいくつかの市場が年初来高値そして(または)史上最高値をつけた。しかしながら、ダウ平均とS&P先物の新高値はナスダック先物では確認出来なかった。これは米国において異市場間弱気ダイバージェンスが頭をもたげつつある状況だ。振り子の反対側では、国債と貴金属が急落、金は1トロイオンスあたり1300ドル、銀は17ドルのラインを下回った。どちらの市場も、膨大な国債のポートフォリオを来月から縮小し年内にさらなる利上げを行うというFRBの決定を嫌気した。

直近の市場動向とジオコズミック・サイン及び重要変化日について見直すと、そこには際立つ2つのポイントがある。まず、私達が提示した直近の★★★ジオコズミック重要変化日(CRD)は8月21日で、これは — ふり返ってみれば — 結局その日が米国株指数のプライマリーサイクルにおける底だったことが判明した。それはまた、2017年で2回目の急落の終了でもあった。最も急激で長期の下落は3月1日(もう1つの★★★CRDであり強力な木星・天王星オポジションの前日)に始まり、4月19日まで続いたが、この日はまた別の★★★CRDゾーン内で金星逆行サイクルが終了した日だった。これら三つ星の重要変化日は1928年以来、株式指数の重要なトレンドリバーサルに前後3取引日の内82%の事例をもって歴史的に同期してきた。これは重要なポイントだ。何故なら私達は現在、いくつかのジオコズミック・サインがまた別の★★★CRDゾーンを構成する時間帯に入ろうとしているからだ。

しかしながら2017年は、リバーサルのシグナルとなるジオコズミック・サインに同期して起きた天井からの下落幅がそれほど大きくない…という事実に注目することもまた重要だ。 たとえば、2017年7月25日の太陽・火星コンジャンクションは世界の株式指数に対し6週間の揺らぎをもって示現する重要な高値と相関し、そこから8%〜20%の下落が予測された。この時期には確かに史上最高値または長期の高値が示現したが、私達が追跡する中で期待された下落幅を満たしたのは4大株式指数の内たった1つだけであり、下げも小さかった。

たとえばダウ平均は、8月8日の月蝕前日に22,179で史上最高値をつけた後下落し、8月21日の日蝕に21,600でプライマリーサイクルの底をつけた。だがその下落幅はたったの2.6%だった。日本の日経は6月20日に20,318で前回の年初来高値をつけ、その後下落して8月29日にプライマリーサイクルの底値19,239をつけた。下落幅は5.3%だった。ロンドンのFTSEは(ダウ平均と同様に)8月8日に7551でプライマリーサイクルの天井をつけた後6週間下落して9月15日に7196でプライマリーサイクルの底をつけた。4.7%の下落だった。ただ1つ、ドイツのDAXだけが私達の予測した下落ターゲットを満たし、6月20日の史上最高値12,951から8月29日の11,868の安値まで8.36%の下落幅を記録した。

ここで学ぶべき事は、ジオコズミックな指標は主要なリバーサルのタイミングを特定するにあたって非常に良く機能し続けていることで、ジオコズミクスがマーケットタイミング・ツールであることからこれは納得のいく結果だ。しかし、それらは下落幅をパーセンテージで測ろうとするとそういつも上手くはいかない。それはテクニカル・インディケータ、チャート・パターン、そして投資(またはここ数年見られるような投機)を左右する流動性に影響を及ぼす中央銀行の政策により多く依拠している。




≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫


        先週は夏から秋への季節の変わり目だった。太陽が乙女座から天秤座に移ったのだ。天秤座は風性の星座宮であり、風性と火性の星座宮に惑星(太陽と月も含む)が在泊する時は地性や水性より強気となるのが典型だ。

だが、マーケット・タイマーとしての私達にとってもっと重要な要素は、惑星間のアスペクト(特定の数学的空間関係)、そして惑星達が地球中心に見て進行方向を変える時(「滞留」「逆行」「順行」と呼ばれる)だ。今週、私達には非常に重要な惑星アスペクトと惑星滞留が待っている。

まず初めに、木星が天王星に対し14年サイクル中3回目にして最後のオポジションを9月27日水曜に形成する。これは『The Ultimate Book on Stock Market Timing Volume 3: Geocosmic Correlations to Trading Cycles』で詳説した研究によれば、前後12取引日の期間をもって、米国株式市場のプライマリーサイクルとは他に類を見ない相関関係を持つジオコズミック・サインだ。歴史的な示現頻度は82%にのぼる。その内いくつかのケースでは、メジャーサイクルまたはハーフ・プライマリーサイクルとの相関例もある。たとえば2016年12月26日に起きた最初のアスペクト形成では、ダウ平均のハーフ・プライマリーサイクルの天井に関連した。2回目の形成が起きた3月2日はダウ平均が史上新高値をつけた日の前日で、その後にこれまでのところ2017年で最長かつ最も厳しい下落が起きている。

  また今週は9月24日〜29日に金星と火星の両方が海王星とオポジションを形成する。マンデーン・アストロロジーの分野では海王星は洪水を支配するが、これは既に襲来したハリケーン・ハービーによる大洪水に顕れているが、今週はもう1つのハリケーン(マリア)が米国本土を襲うと予測されている(すでにプエルトリコには甚大な被害を与えている)。個人レベルで見るなら、このコンビネーションはロマンチックな衝動やのぼせ上がり、一目惚れを誘う可能性がある。だがこうした衝動が現実として着地することはあるのか? それとも単なる夢想に終わるのか? 

冥王星は9月28日に滞留から順行に転じる。冥王星は税金、改革、調査要求、または慎重に護られてきた秘密の暴露を支配する。だから今週の私達は税制改正問題、医療保険改革、そして疑わしい行為への調査請求を含む議論や討論が熱い争いとなるのを目撃するだろう。海王星もこれに参加することから、嘘とまでは言わなくてもバイアスのかかった言説以外の何物でもないような話への支持を集めるために、多くの真実がねじ曲げられるだろう。「魔女狩り」は勢いを増して最悪の様相となりそうだ。 今週あなたが読むもの、聞くことの全ては(それが何であれ)信じることは出来ない。


  それでも、これらの物事をあまり深刻に受けとめ過ぎないようにすればあなたは楽しく過ごすことが出来る。天王星が支配する水瓶座の傾向を強く持つ人達が好んで言うように『愛してるよ。でも個人的に受けとめないでくれ』という感覚だ。






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:56|PermalinkComments(0)金融アストロロジー 

September 19, 2017

○9/20の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
    例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで  9月20日14:49前後、北海道周辺で 14:55前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は14:30前後、沖縄周辺では14:00前後に乙女座 27°27’で新月となります。

前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマ 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた象徴の言葉をそのまま書き写した「オリジナル版サビアン・シンボル」を使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 乙女座27°~28°― 発効期:9/20~10/19 】

   "Grande dames at tea"
『茶会に集う貴婦人達』

   "A bald-headed man"
『禿げ頭の男』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
※ひとによっては数日前から前倒しで感じられるかもしれません。

→★格差社会を貫いてひとつにまとめ上げている共通の「軸」を見る
→★あらゆる階層のひとびとが現状を肯定していくための「現世的な儀式」
→★時をかけて得てきたものを選別し、統合整理し、分配し消化していく
→★刈り取り、寄せ集め、小分けにして分配するという社会的手段
→★意味のないお喋りや他愛ない噂話の輪の中で感じる疎外感
→★共通点よりも差異に拡大レンズを当てることで増大する不公平感
→★重箱の隅をつつくことによって火を起こし煙を立てる
→★重要な気付きを得る前の一時的な内省状態、または敗北感への対処
→★伝統に培われたもの、奥の深さや優美なものに対し畏敬の念を抱く
→★細かいことを気にし過ぎて不安になる、迷う、または苛立つ
→★「強さ」「支配力」の誇示あるいは称賛 or 周囲を圧倒する独特の風貌
→★未来に潜むあらゆる可能性の中で歓びに満ちた輝きを見ていく
→★何かを成し遂げるために必要な不動・不屈の精神、協調と自己犠牲
  または見解の相違に対する敵対的で自己の非を認めない頑なさ
→★全てに停滞と成長、内省と外向、潜在性と表面化の周期があることを理解する
→★強さと力、自信を少しずつ取り戻していく途上でこころの静けさを守る
→★新たな力の芽生えと変化の予感を前に当面の不安定さを抑える努力・・・→

ネルギーのポイント:前回の新月『変容の予感 ― 移行 ― 勇気と透徹』
                    
            今回の新月 『次局面に向けての現実的な対応』


170920NM170923AE

 左/新月図  右/秋分図(参考)



★ちょっと気になる惑星アスペクト★


9月20日 新月期全体をいろどるアスペクト:

新月・カイロン・フォルスとTスクエア
 (「傷」との突然の直面を通じて自らの再生に向かう または
  退行や逃避行動、耽溺、中毒症状など)

金星が乙女座入り(段差を上手く超えてグラウンディングをこころがける)

水星が逆行のシャドウを抜けて海王星にオポジション
 (何かの暴露や露呈、または何かが明確になることで変化が起きる)

火星・オルクスのコンジャンクションがルシファーとスクエア
 (怖れや罪悪感の裏返しが他罰的感情や暴力性に繋がる危険)

月のノード軸・イクシオン・カオスのミスティック・レクタングル
 (社会的慣習に沿って問題なくふるまおうとする安全感覚と
  本来の自分が望むとおりに生きたいという衝動のアンビバレンス)

月のノード軸・エリス・イクシオンのカイト
 (妥協と歩み寄りか自分の考えを押し通すかの葛藤による
    フラストレーションに注意)

ICに小惑星パラスがコンジャンクト
 (公正さと自由を求める心理、政治や防衛への関心など)

全体に、社会のメカニカルな仕組みに動かされていく人生から
 抜け出したいという気持ちが強まる傾向が顕れそう。


9月23日05時02分ごろ 太陽が天秤座入り(秋分)
      (エリーズポイントの常で新たな現実への一歩を踏み出す象意)

9月25日未明に火星が海王星にオポジション形成
      (内的な強さと外的な圧力とのぶつかり合い、そこから
      生まれる混沌と気付きの可能性、権威の力とユーモアの力の選択など)

9月26日火星・木星・天王星・海王星のウォリサム・レクタングル
      (本来、直接的には自分に関わりのない物事に自分自身を巻き込む
       ことで問題が思わぬ方向に進み大事になる可能性に注意)       

9月27日月が遠地点を通る
      (社会的通念やモラルに囚われない思考や態度、感性)

9月28日未明に山羊座16°で冥王星が順行開始
      12時25分ごろ木星・天王星が最後のオポジション形成
      (心理的な重さが少し軽減に向かう、引き籠もる心理から
       少しずつ社会に目を向けるような無意識レベルの変化)

9月30日水星が天秤座入り、金星が海王星にオポジション形成
      (創造性、想像力、クリエイティブな力の放射、強靱さの表現)

10月5日
金星・火星が乙女座18°台でコンジャンクション 
      (長い刻をかけた努力への報酬、自己コントロールの問題、
       パートナー間に起きるコミュニケーションの問題・・言いたい
       ことが上手く伝わらない、信頼感の欠如や頑なさ、急所に
       土足で踏み込まれるような感覚、暗黙のデリケートな境界)

10月6日03時40分ごろ 満月!  
   


★9月新月の星模様★

        北朝鮮のミサイルは飛ぶし大型の台風は日本列島を縦断し、抜けた後は気温が10°も上がるフェーン現象。来月22日に衆院解散総選挙との話も出ているし(10月20日は天王星とオポジションの新月)インドネシアのスマトラでは豪雨による洪水が起きて大きな被害が。 英国では地下鉄爆破テロが起き、シャーロッツビルの暴動後まもない米国では度重なるハリケーン被害に加えて人種的対立もなお激化中。極左アンティファやBLMの台頭に対抗する白人超保守派の紛争にトランプ大統領排斥運動が絡むなど…世界の人心が一層不安定になっていそうな今日このごろ。暴力的な歌詞と私生活で知られる黒人ラッパーのXXXTENTACIONがYoutubeにUPしたオフィシャル動画がまたたく間に1000万ビューを超え、賛否両論大きな物議をかもしています。


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        その動画の中には彼が黒人と白人の幼い男の子の手を引き、皆の前で黒人の子にYESと言わせてから白人の子の首にロープをかけて天井から吊す…まるで「奇妙な果実」のように…そんなショッキングなシーンが含まれていました。もちろん創りもののシーンだし、最後に彼自身の体験に基づいた深く赤裸々なメッセージが語られるのだけど...。本物の人種間対立がまだピンと来るとは言えない日本から見るとき(特に初めて見ると)やり過ぎというか、えげつない印象を受けてしまいます。それと同時に、ここまでやらないと良くも悪くもひとの心の奥底に沈む何かをかき立て、深く感じさせることが出来ない状況になっているんだな...とも感じました。わたし達は、いつのまにかこころにこんなにも重い蓋をしてしまったのかもしれない...と。そしてそんな経験もまた、次の刺激とともに一瞬にして消費されてしまうのだろうか?とも。

それは米国の歴史と現代社会のひずみに絡む人種問題の根深さを感じさせられる、そんなプロモ動画でした。ただ同時に、Youtubeやインスタグラムなどネットであらゆる映像や画像を皆が見慣れてしまった今、誰もが簡単に思いや意見を発信し、一夜でスターにもなれれば極悪人の烙印も押されてしまう世界で何かを伝播しようとするときに用いられるテクニカルな側面の怖ろしさ(一瞬の「印象」を最大の武器とする人心の操縦テクニックは加速度を増しながらいったい何処へ行き着くんだろう?的な)も感じたのでした。


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  インターネットの黎明期は、山羊座で天王星と海王星がコンジャンクトした時代でした。それから20年ちょっとの間に技術はすごい勢いで進歩したけれど。わたし達人間のこころがそれに伴って進歩したとは思えません。そして今、天王星はエリスとのコンジャンクション(ネット社会で断片化してしまった個人のアイデンティティを再生するための葛藤とカオス)を3月に終え、来年初めのニアミスが過ぎるまで、わたし達に課題の残りを突き付けています。「どう見えるか? どう見せるかではなく、どう在るかの主権を自分の内部に取り戻せ」と。

そして今、牡羊座の終盤度数に達した天王星は、日本時間28日昼に木星との最後のオポジション。これはメリマン・コラムでも米国株式市場のプライマリーサイクルに影響する最強指標として示唆されていたアスペクトですが、このとき金星は冥王星族の審判者オルクスとコンジャンクトで小惑星ニッポニアとはオポジションを形成しています。

これ、心理的には期待と失望のバランスを取るとでもいうか…もしかしたら、協調性や思考の刷新が必要な場面である種の失望感を味わうと共に、期待とは全然異なる方向から思わぬ救いが来るような感覚として顕れるかもしれません。ただし、たとえ漠然とでも、長期的な見通しを立てておく必要がありそうです。先がよく見えない中で、突き付けられる目の前の現実に手探りで立ち向かっていくときは「少なくともこっちには行かない...」という最低限の消去法さえも次の行動を決めるヒントになるのだから。


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        この日前後の数日は、新月図にも示されている月のノード軸とエリス、土星、イクシオンのカイトを遠地点の月が通るなど、ちょっとこころが騒ぎそうな星回りです。四方八方から欲望を刺激してくる情報の嵐を乗り越え、境界線をきっちり引いて自分の道を行く...それがこの期間を過ぎ越していく鍵となるかもしれません。太陽とコンジャクトするヴェスタの内なる「火」を支えとして。

一方、海王星は2012年、牡羊座入りした天王星と入れ替わるように風性の星座宮(合理性や論理性)水瓶座から水性の星座宮(感情や繊細さ)魚座に入りました(初回の入居は2011年夏)。自ら支配する魚座に入った海王星は本当に強力です。独特のロジックを持つ天王星と共に「インターネットを介して世界中のひとびとを繋ぐ」というステキな夢を支援した海王星のエネルギーは、同時に情緒を刺激する情報の洪水を激化させ、そこから立ちのぼる色とりどりの濃霧はあらゆる欺瞞と幻想、そして自他の境界の曖昧さをもたらしたのではないかと思います。

便利で楽しいし、掃いて捨てるほど多くの「真実」が提供されて気に入ったものを選び放題。なのに、何が本当かはけっしてわからない。地球の裏側を覗くことも出来るし、欲しければ珍しいものを手に入れるのも簡単。フォトショップや映像技術、印象操作で別の人格になることだって可能。好きな音楽もワン・クリックでダウンロード。感動する物語にも出会える。有名人とも気軽に会話するチャンスがあるし、時には思わぬ側面をかいま見られて嬉しくなったりガッカリしたり。見えない誰かと議論も出来る。シャットアウトも自由自在(本当に?)ほんと、便利。でも...おそらく真実だけは手に入らない。少なくとも、そんなに簡単には。。というか、自分にとっての「真実」が何なのか、よく考えてみるとわからない。。


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        もちろんフィジカルな現実は厳然と存在し、毎日汗を流したり泣いたり笑ったり怒ったりしてる自分が存在する。けれどいつのまにか...全てが希薄化し、薄くなっているのかもしれない。現実感が微妙に薄れているような? 魚座に立ちこめる霧が全てを覆っている。自分自身でさえも。ただ常に刺激され、敏感に反応し、それでもなお執拗に手応えを求める飽くなきエゴを除いては。

......なんて。魚座と海王星がそれぞれにネイタルで強調されている日本の戦後始原図2種(主権回復図と現憲法成立図)を見る限り、この国には特にそんな傾向がヒタヒタと増大しつつあるような気がします。

また、もうひとつこころに留めておきたいのは、魚座の海王星はわたし達のオーラの防御壁を希薄にし、触れあう他者の感情にたやすく共振してしまう状態を創り上げる、ということです。良いときは共感や同情、手を差し伸べたいという優しい気持ちが強く顕れるのだけど。。 一方では怖れや怒り、恨み、妬みなどネガティブな感情にも同じように共振してしまいます。共振…というよりは、相手の感情がそのまま浸入してきて自分本来のものと溶け合い、同化してしまう感じかもしれません。その結果、けっして本来の自分のものではない感情に取り憑かれてしまうということが起きてきます。


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        これは面と向かって誰かと話し合うときだけでなく、たまたま電車に乗り合わせたり、ネット上で誰かの書いたものを読んだり、電波を通して何かを見聞きするような場合にも起こり得ます。発された「ことば」や「光景」自体というよりは、そこに込められ放射された感情そのものが入って来て自分自身と混ざり合うような感じでしょうか。たとえば他のひとの側に寄っただけで調子が悪くなったり、体に痛みを感じたりすることもあります。それが自分のせいではないことも多々ある...解決可能な何か具体的な原因(明確な病気とか、年のせいとか、更年期障害とか、誰かとの関係とか...いろいろ)を調べても答が見つからないときは、このことを頭の片隅に入れておきましょう。

たとえば何かのきっかけで「あれ?おかしいな..これは本当に自分の感情だろうか?」と気付けると良いのだけど、無意識でいるうちはなかなか難しいかもしれません。また、知らずに外からの負のエネルギーを吸い込んで蓄積してしまうと、その後実際に体の不調や病気として顕れる場合があるし、環境や食物が含む有毒物質に対して敏感になるケースも指摘されています。

もともとは魚座に主要な惑星や感受点を持っていたり、海王星がネイタルで強調されているひと、8室に主要個人惑星が集中しているひと、4室に冥王星を持つひとなどがそんな傾向を持ちやすいと言われるのですが、海王星が魚座入りして5年以上経った今は、生来の共感体質を持つひとはもちろん、そうでないひとの中にも、自分がここ数年で 良くも悪くもかなりセンシティブになってしまったと感じるひとが増えているかもしれません。


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        何であれ、不安や怖れを煽るような想念が入ってくるとき、それを吸い込んだわたし達の内部は微細に震え、その振動は自分が本来抱えていた自分自身の怖れ — 中毒性を持つ種子 — を呼び覚まし、増大させます。怒りの声はその痛みとともにわたし達のこころをザラつかせ、新たな怒りや侮蔑となって増幅していきます。あるいは自分の中に置き忘れた罪悪感が揺り起こされ、自分が悪いのだから全てを受け入れなければ...というねじれた自己犠牲へと繋がることもあります。それは伝言ゲームのように趣旨を変え対象を変え乱反射しながらも、いつしか全方向的に伝播していく性質を持ちます。そして、再び自分に返ってきます。いつもの光景。もしかしたら、一晩寝れば忘れてしまうような小さな出来事かもしれない。 でも、だからこそ知らない内に繰り返される影のゲーム。

けれど一度滲透を許したネガティブなエネルギーは、表面意識の下でヘドロのように蓄積してしまう可能性があります。 それはいつしか「わたしはこうなんだ」「世の中なんて元々こんなものなんだ」「いや、こうであるべきだ」…などという観念の重い蓋となってわたし達の本質を圧迫し、内部を秘めやかに侵していくかもしれません。その蓋の上で、わたし達の自我はモヤモヤとした霧と同化し、外から取り込んだコスチュームプレイに興じる自分の姿に何の疑問も抱かないようになっていきます。時折、気付かずにあげるうめき声のバイブレーションを周囲に伝播しながら...。

けどもしかしたら「このごろ何をしても楽しめない」「ちょっとしたことで苛立つようになった」「診断を受けても特に病気じゃないのに疲労感が取れない」「最近、なんだか少し雰囲気が変わったね...」なんて遠慮がちに(?)言われる... そんなふとした小さなことが気付きへのきっかけになるかもしれません。うわアヤシイかも?なんて感じたひとは、自分にフィットした、信頼のおける防御法(様々な心理テクニックやスピリチュアル領域の方法論など)を調べてみるのもいいと思います。


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  けれど。魚座の海王星が持つ脆弱な領域を乗り超え、潜在する最善のエネルギーを使うには...対向する乙女座の特質である忍耐強い分析の力と識別力を意識して使うこと、本来の自分に備わった本能と、刺激によって生まれる情緒的な衝動を混同して根こそぎもっていかれないよう、一歩踏みとどまって考える慎重さを失わないこと。これが一番大切なことかもしれません。

想念エネルギーの浸蝕は一瞬のうちに、四方八方から起きてきます。これを感じ分けるには、そういうこともあるんだなっていう概念をまず持つこと、そして慣れるまで意識的に不可侵の境界線を引く訓練をしてみることが一番です。それは何らかの「ことば」でもいいし、想像力やビジョンを使ったり、アロマの類でもかまいません。とりあえず「あ、もしかしたらコレがそうかな?」と認識するだけでも最初の大きな一歩だと思います。(世の中には色んなやり方が存在するけど、わたし自身はたとえオリジナルでも自分が本当に納得出来る方法を見つけることが一番だと思っています。)

そうそう、境界線といえば...。今 射手座を運行している土星が自分の領地 ー 山羊座に入居して、いよいよ本領を発揮し出すのは12月20日。新月と冬至の中間日ですね。 そして2019年〜2020年の冥王星とのコンジャンクション形成へと向かっていきます。 山羊座の土星はきっと、日々の暮らしの中で個人としての自分と 公としての立ち位置(社会性)の境界をいったいどこで引けば良いのか?と自問自答するような体験をもたらすかもしれません。 その意味でも、射手座の特質である「物事を大きな観点から捉える」「自由を希求する」「寛大さ」「スピード」「過度の楽観と拡大主義」などと真っ向から対立する土星の性質を意識して使い、自分なりのバランスを考え、フラストレーションを溜めずにしっかり自分の芯を見つけられたらいいなと思います。

何事にも「お!」と思ったら向かっていく射手座の中での「境界線」というテーマは、魚座の海王星を使うときにもきっと役立つはずだから。


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        今回は魚座の海王星の話、それもどちらかというと危険な側面がメインになってしまったけれど、本来は素晴らしい創造性や深い優しさ、高い精神性を示唆する組み合わせです。けれどそのエネルギーを高度に実現するには、わたし達の胎内宇宙を鍛え、高いハードルをいくつも越えていく必要がありそうです。 現在、魚座の中盤にさしかかった海王星は、まだまだ2025年〜26年までじっくりと自分の領地を旅して回ります。その間にはわたし達人間にとって、サイキックな領域を含めて幾度もの試練や挑戦が待っているのかもしれません。

面白いことに、海王星が牡羊座に入って0°〜1°(エリーズポイント)に来たとき、土星が追い付いてコンジャンクションを形成するんです(2025年7月にオーブ13'の超ニアミス、その後26年2月に正確なコンジャンクション)。 「個」と「社会」が激しく交差する十字路と言われるエリーズポイントで起きるコンジャンクションは、とても強い影響力を持ちます。これは、火星(牡羊座の支配星)・土星・海王星のコンジャンクションとよく似た難易度の高いエネルギーになりそう。。 しかも2025年には、天秤座入りした火星がこの土星・海王星にオポジションを形成します。これ、もしかしたらわたし達個人にとっても、世界全体にとっても、土星・海王星コンビによる長いカリキュラム(約36年サイクル)の卒業&進級試験みたいなものかも?(^_^;

明日のことさえ見えにくい今、10年近く先のことなんてたぶん誰にもわからない。今までは予測通りの道を歩めたとしても、未来はわからない。今とは全然違う豊かさを目指して生きているかもしれない。 でも惑星達はきっと、その時々のわたし達にちょうどの物語を提示してくれるでしょう。

それをどう読み取り、どう現実に創っていくかはわたし達のこころと意志次第です。まだわたし達の誰も知らない「第三の道」があったりするのかもしれません。厳しい顔付きだけど、いざとなれば頼りになるいぶし銀の土星を友とし、青白く深い眼差しの海王星に学びながら...ゆったりと。凜として、歩んでいきましょう。


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★9月新月のサビアン・シンボル★


        では新月が提示するサビアン・シンボルのテーマを見てみましょう。今回のベースとなるのは乙女座27°『茶会に集う貴婦人達』。この光景は、英国貴族階級の女性が社交の場やお作法を学ぶ場として集ったお茶の会「アフタヌーン・ティー」や、夕食を兼ねて開かれた「ハイ・ティー」を思い起こさせます。 また米国で「ハイ・ティー」 と言う場合は、かなり気取って儀式張ったお茶会を指すそうで、裕福な女性達がここぞとばかりに最新流行のフォーマルドレスに身を包んで上品な会話を楽しむ... といったイメージがあります。 アメリカ独立戦争の契機とも言われる「ボストン茶会事件」以来、米国では紅茶よりコーヒーが飲まれるようになったとも聞くけれど、やはり貴族階級や特権階級のイメージは「紅茶を嗜むこと」 にあるのかもしれません。


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        このエネルギーを理解するには、補完関係にある対向度数 魚座27°のシンボルに触れておくのが良さそうです。そのシンボルは『ハーヴェスト・ムーン』。これ、日本語だと「中秋の名月」と訳されることも多いけど、シンボルとしてはまんま 「収穫のとき」 という意味になります。

秋... 頭を垂れるほど実った穀物! いよいよやってきた、刈り入れのとき。畑を耕し、種を蒔き、草をとり、手入れをして、やっと迎えた収穫。 そして、刈り入れた穀物は大きさや出来映えによって子細に区分けされ、整理されます。その内、あるものは出荷され、またあるものは長い冬越えのために取り置かれることでしょう。けれど、「ハーヴェスト・ムーン」という言葉が定着した昔には、刈り取られた作物は領主や貴婦人達への年貢や貢ぎ物として差し出されたと言われます。

ブレイン・ボヴィによれば、古の時代、"Harvest" という言葉は "秋"と同義語で、沢山の単語のルーツとなることばだったそうです。たとえば「敬意を表する」という意味のトリビュート..."paying tribute" は、忍耐や信仰を試される「苦痛」や「苦難」という意味の "tribulation" から来ていて、その大元はハーヴェスト=秋の収穫時に穀物が臼で挽かれることを意味する古代ローマの言葉、"tribulum" なのだそうです。


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  このシンボルが降ろされた1925年の米国では、大規模農業や農場経営が一般化する中で、1930年代の大恐慌を前に一足早く急激な農業不況に陥る過程にあったそうです。貧富の差も激しく、白人大規模農場主に対して土地を借りて耕す小作人や季節労働に従事する黒人労働者、そして中国人や日本人移民など、多くのひと達がわずかな収入のために過酷な労働に明け暮れていました。ハーヴェスト・ムーンの時期は、この時代を生きた人々にとって、その立場によって悲喜こもごも、様々な想いが錯綜する季節だったのではないでしょうか。

秋も深まる中、盛大に催された茶会に集まる貴婦人達は、沢山の収穫物やそれに代わる金銭を当然のように受け取る立場にあったことでしょう。 1920年代中盤の米国で迎えるハーヴェスト・ムーンを思うとき、この2つのシンボルには世の中の光と影がくっきりと投影されているように思えます。 

        一国の社会・経済構造を成り立たせている仕組みの中で、様々な立場のひと達が様々な人生を送りながら、ひとつの社会としてその歴史を織り上げてきました。この「茶会」という優雅な装いのイメージひとつをとっても、その底には沢山の社会的不公平と偏見や欺瞞が渦巻いているように思います。


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  それでもこの光景を俯瞰で見たとき、香り高いお茶の葉を通して... 秋の午後の優しい光を透過して... 底辺の過酷な労働にあえぐ移民女性から、上品な会話を嗜む特権階級の女性まで、あらゆる階層の人々と彼らにまつわる生の物語が、人類というタピストリーの一部として実は密接に結び付いていることが透けて見える気がします。... それがわたし達の住む社会の構造であり、その構造のどこかを支え、どこかに支えられつつ、わたし達は今この瞬間も生きているという事実。 

上流階級の貴婦人達にとって、茶会は社交上必須の儀式とも言えます。階級にふさわしい上品なふるまいの中で、慈善パーティの相談を終えた後はちょっとした噂話やゴシップに花が咲くかもしれません。そこに女性としての本音やため息が漏れることもあったでしょう。また日雇い労働の女性達にもひと休みのお茶は欠かせないひとときだったと言います。彼女達もまた、世間の噂話や雇い主、連れ合いの愚痴話などで慰め合ったり盛り上がったりしたのかもしれません。「一杯のお茶」は単なる飲み物というだけでなく、人間社会の下層から上流までを一筋に結ぶ普遍的な生の営みを象徴しているのではないでしょうか。 お茶会に集う女性達は、今自分が口にしている紅茶がどこでどうして作られ、誰が摘み取った葉なのか…想像したことはあったでしょうか? ちなみに原語の"grand dames"は、貴婦人という意味の他に「何かの分野に秀でて一家言を持つ偉大な女性」という意味もあるのですが...。


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        さて、新月のメインのシンボルは乙女座28°『禿げ頭の男』。これは前のシンボルとはうって変わって男性的なイメージですね。文字通り、頭部を護る髪の毛を持たない男のひと。また原語の「bald」には何も隠していない、飾り気がない、率直で明解であからさまな状態という意味もあります。その意味では茶会の貴婦人とは対照的な姿ですね。またB.ボヴィは「a bald headed man」というフレーズに「急ぐあまりキャップを被るのも忘れて走り去る男」というイメージも被ってくると示唆していました。

ところで米語の俗語で頭のことを「dome」とも言います。頭部は知性、思考力、気付きのドーム。ならば頭頂部の輝きは自己実現の光と言えるかもしれません。また「dome」は家や建物の上部をカバーする丸みのある覆いのことですが、同時に「支配」や「統治」「領有」を意味する「dominion」ということばにも通じる響きがあります。体の一番上部に君臨する頭部は「わたし」という存在、わたしの体を統制する者、人間を人間たらしめる思考の力の源です。


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  ではここで補完し合う対向のシンボルを見てみましょう。魚座28°は『満月の下の肥沃な果樹園』(または菜園)です。このシンボルは前度数の『ハーヴェスト・ムーン』つまり秋の収穫が終わった直後、ひっそりと休んでいる土地の光景ではないでしょうか。この土地が肥沃だということは、多くの果物や野菜を生み出し育むことの出来る「潜在的な力」に満ちているということになります。その力がピークに達するときは過剰なほどの実りが見られるけれど、刈り入れの後は一見して不毛の土地と見分けがつかないかもしれません。その潜在力は今、土の中に隠され、生命の輝きは再び成長の季節がやってくるまで形を持つことなくひっそりと眠っています。。

ならば新月のシンボルである『禿げた頭』は、髪が生えていないという表面的な状態ではなく、わたし達の頭皮の下に眠る「潜在的な力」の全てを物語ろうとしているのかもしれません。B.ボヴィは旧約聖書の物語で歌劇にもなった「サムソンとデリラ」を引き合いに出してこう語っています。「英雄サムソンの強さの基は一度たりとも切られたことのないその豊かな髪にあった。だが裏切りと欺瞞と背信によってその髪を切られると、彼はその強靱さの全てを失ってしまう。しかし、やがて彼の髪が再び生えてきたとき、彼には新たな強さが蘇り裏切り者は自分の行為の結果に直面することになった。髪を切るという行為は、ここでは刈り入れのときとオーバーラップする」と。


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  ある力がピークに達したとき、それは刈り取られる または切られるタイミングが来たとき。そしてその後しばらくの間はただ何もない荒れ地のように見える。けれどやがて時が至れば、力はふたたび大地の下から緑あふれるカタチとなって新しいいのちを豊かに実らせる。 たとえば穀物ならその様相は季節のサイクルに従うし、たとえば相場なら、天井と底を繋いで上下する波動に顕れます。

        わたし達は一般に、力のピークにあるときが最高だと感じます。何かが常に手に入る祝祭のときだから。けれどそれが終わってしまうと意気消沈します。あぁ失ってしまった!...何もかも無くなってしまった...と感じるから。でも、本当にそうでしょうか? 長い人生のサイクルの中で、舞い上がったり落ち込んだりの繰り返しの中で、まだ見ぬ果てしない未来を夢見ながらじっくりと力を溜めているそのとき。そのときこそ、自分の中に潜在する肥沃な力の可能性をしっかりと見つめ、新しい果実の種を蒔くとき。不屈さを通して目に見えない無限の豊かさを感じ取るとき。全てを知る自然の呼び声に耳を傾けるとき。


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  B.ボヴィはこうも言っています。「ケルトの伝承では、王や領主から髪を切られることは一人前の男として認められる時期に入ったことを示唆していた。それは皆に対し、余計な飾りのない自己を証明する季節の訪れとされていた」と。今は男性であることやその魅力を強調するひとつの表現としてスキンヘッドにするひともいるけれど、その表徴の下にはそんな意味が隠されていたのかもしれません。


        茶会の貴婦人から、禿げ頭の男へ。社会的な階層を貫く人びとの営みを俯瞰する刈り入れの季節から、自己の肥沃なポテンシャルを予感する季節へと移りゆく人生のひととき。大きな変化への兆しを前に、巡りゆく現実の中で。わたしは、わたしの道を行く。戦士は、戦士の道を往く。たぶんスキンヘッドは似合わないけど。。 でも、この皮膚の下に眠っている力を信じて....。



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メリマンさんから第一次の原稿が届き、今年も『フォーキャスト2018』に向けて怒濤の日々が始まりました。これから入稿〜脱稿までは時間との闘いになりそうです。新月・満月の記事とコラムの翻訳は例年通り続けるつもりですが、今年は何かと時間が足りなくて少し簡単になってしまうかも? まぁどうなるかやってみないとわからないけれど。とにかく頑張ってみます!

have a great trek!!!★

hiyoka(^_^

hiyoka_blue at 19:48|PermalinkComments(4)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

September 10, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント9/11【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2017年9月11日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自 身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧でき ますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さ んでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近 いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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【お知らせ】
来週9月18日付のメリマン・コラムは都合によりお休みさせていただきます。


≪先週をふり返って≫

        “9月5日ガソリンの市販価格が25セント上昇したが、これは週単位としては2005年のハリケーン・カトリーナ以来の値上がり幅だった。”

— Jeff Cox
  www.cnbc.com 2017年9月8日付


        “木曜深夜に起きたマグニチュード8.1の大地震よって少なくとも32人*の死者が出た。これまでメキシコが経験した内で最大級の地震はメキシコ南沿岸部を襲った。大統領エンリケ・ペニャ・ニエトは記者会見で、この地震がここ100年では国内で最も大きな規模だったと語った。”

— Reuters News Service 2017年9月8日付


*この地震の死者数は日本時間10日昼の時点で少なくとも90人となっている。

        ハリケーン・ハービーがテキサスに大きな被害をもたらした後、先週はより多くの自然災害に見舞われる週となった。マンデーン・アストロロジーの分野では、ハリケーン(と地震、竜巻、強風)は天王星の絡むハードアスペクトが支配する。洪水は海王星の受け持ちだ。1993年、171年サイクルを持つ天王星と海王星が山羊座においてコンジャンクションを開始した時は大雨によってミシシッピ川が氾濫し、その結果、穀物価格が急騰した。セントルイスが水没して穀物の輸送が数週間にわたって滞ったことが原因だった。

現在、私達はそれに似た現象をガソリンの流通において目の当たりにしている。ハリケーン・ハービーの被害によって製油所が操業停止に追い込まれたことが原因だ。ガソリンの供給ルートに今後数日間 — いや数週間 — にわたって立ちはだかる、より大きな混乱への不安要因はそれだけではない。テキサスに次いでフロリダもまた今週末、ハリケーン・アルマの猛攻に遭うからだ。

そう、皆さんが予測するように、天王星と海王星は再びハードアスペクトを形成している。実際、両惑星は現在サイクルの1/8局面となるワクシング・セミスクエア(45°)を形成中で、これは2017年8月11日〜2019年5月1日まで5回にわたって起きる。つまりこれは、大雨、洪水、ハリケーン、地震の類がおそらくいつもより頻繁に起きるだろう21ヶ月間の始まりに過ぎない。その結果として基本生活必需品の急騰が起き得る。

これが地球温暖化のもたらす甚大な影響の証拠だと多くの人々が主張する声を私は承知している。地球温暖化自体が真実か(あるいはでっち上げか)を議論するつもりはない。だが私が指摘しているのは、私達が今日目撃している自然災害が長期のジオコズミック・サイクルの原理と相関しているという事実だ。これは金融市場と商品市場の価格に直接的な影響力を及ぼすし、その分野について私は少々の経験と知識がある。だから私は気候変化についての科学を頼りにするよりもっと安全な場にいられるのだ。しかしながら、これまで旅行してきた何処かで開かれたレクチャーにおいて、私達の太陽系では地球だけでなく全ての惑星が温暖化しているという話を聞いたことがある。これは太陽活動の働きによるものだという。だが最近他の惑星を訪れていない私には、この説の信頼性を個人的に検証することは出来ない。

天王星・海王星のアスペクトには、論じるに値するもう1つの側面がある。それは互いに手を差し伸べて助け合いたいという人々の意欲だ。天王星は反抗と人道主義の両側面を持つことが知られている。また、大衆 — 人々の大規模な集団 — とも関連する。海王星は思いやりと犠牲的精神の惑星として知られている。これらが互いにアスペクトを形成する時は、ある種の危機が起きた後、その危機の影響を受けて苦しむ人々を助けようとする意欲が湧き起こり、自己犠牲と思いやりの大いなる活動が始まる流れとの相関性がある。

このように莫大な心配と気遣いの迸りは、ここ2週間というもの米国では目を見張るものがあった。私はこうした動きが天王星・海王星セミスクエア期の間中続くのではないかと思う。ジオコズミック原理との関連においては、2週間前にまさに米国を横断していった直近の日蝕も注目だ。これほど強力な日蝕によって闇をもたらされた地球上の国々は、蝕から12ヶ月〜18ヶ月間は自然(や他の要因による)災害に遭いやすい。これもまた今回のケースに当てはまるだろう。

        だが今は市場に話を戻そう。私が毎日、終日、研究を重ね、それでもまだ知るべき多くの物事を掴むに至らない、市場についてだ。それでも私は山羊座の生まれであり、蠍座に吉星(2室に金星と木星)を持つ身だ。だから全てを知ろうとすることをけっして諦めないだろう。私は自分で行う調査に関しては容赦なく執拗だ。

株式市場では、世界の多くの指数が前週の強気を維持出来なかった。米国や日本などは先週のほとんどで下げていた。一方、ヨーロッパ、中国、南米は騰がった。だが最も大きな勝ちを収めたのは国債、貴金属、通貨(対米ドル/『フォーキャスト2017』で概略を述べたように、ほとんど3年ぶりの最安値水準に落ち込んだ)。たとえば金先物の期近物は2016年7月以来初めて1350ドル以上で引けたが、これはまさにMMAの年央ウェビナーで提示した私達の予測どおりだった。銀は18ドル以上で引けており、いずれもウェビナーでの目標価格が的中した。




≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫


        水星が9月5日に逆行期を終えた現在、私達は今後3週間にわたって訪れる多くの新たなジオコズミック・サインに集中力を向けることが出来る。それらは金融市場のリバーサルに歴史的相関性を持つものだ。まず9月12日〜17日、金星が土星と天王星にグランドトラインを形成する。したがってこれは、金星による、土星・天王星の長期45年ウェイニングトライン・サイクルのトランスレーションということであり、過去においては米国株式市場の史上最高値、そしてその後に起きた重要な下落と同期している。この高値と相関する土星・天王星トラインは、2016年12月〜2017年11月の間に都合3回起きる。またより速い動きの惑星がこのアスペクトに参加する時は株価が重要なリバーサルを起こす時間帯になり得る。ひょっとすると — ただ単にもしかしたら...の話だが — 金星がグランドトラインを形成しようとする今、ハリケーン・アルマはニュースキャスターや気象予報士達が予測するほどには度を超えた破滅をもたらさないのかもしれない*
*日本時間9月9日土曜夜の段階でCNNのライブ放送では「このハリケーンは比類のない規模のものであり、もうあまり時間がありません。フロリダに残っている人達は今すぐに逃げて下さい」と繰り返し呼びかけ、ゴーストタウン状態になっている街も多い。

        私達が遭遇するもう1つの重要なジオコズミック・サインは、9月27日に起きる木星・天王星オポジションの3回目の形成だ。最初の2回の形成(12月26日と3月2日)は、ダウ工業平均におけるハーフ・プライマリーサイクルとフル・プライマリーサイクルの天井に順に同期していった。そして数週間の下落が続いた。実際、3月1日の高値の後、ダウ平均にはこれまでのところ今年最長の下落期が始まっている。このアスペクトは2週間のオーブを持ち、米国株におけるプライマリーサイクルの完了に対し、全ジオコズミック・サイン中最高の相関性を持つものだ。これについては拙著『The Ultimate Book on Stock Market Timing Volume 3; Geocosmic Correlations to Trading Cycles』に詳説している。したがって、今後3週間は金融市場にとって注目に値すべき時になると私は予測している。

1929年9月3日に記録した株式市場の高値をもって終わった壮大な強気相場とその後に続いた世界大恐慌に、私は今も留意している。以前このコラムで論じたように、あれはハーバート・フーバーが政権を取ってからたった9ヶ月のことで、共和党がホワイトハウス、上院、下院全てを支配した最後の時だった。さらに、フーバーは — トランプのように — 政治家ではなくむしろ大成功した企業家であった。また彼も今日のドナルド・トランプ大統領と同様に、彼自身の政党からあまり好かれていなかった。

当時と今との類似性は現在着々と強化されている。ダウ平均の現在の史上最高値は1ヶ月前の2017年8月8日だったにもかかわらず、9月1日、すなわち9月3日以前の最終取引日にはその高値を再び試す動き(戻り高値)をつけている。実際、9月1日にはナスダック先物が史上新高値をつけ、まさにその次の週(先週)にはドナルド・トランプ — 取引交渉の元締め — が彼の仲間内である多くの共和党議員を怒らせた。ハリケーン・ハービー被災者への援助のために3ヶ月の債務上限引き上げ(いったいどうした?)で民主党と歩み寄ったのだ。こうした超党派の合意(共和党はハリケーン・ハービーの被災者援助と債務上限の引き上げを結び付けたくはなかった)にもかかわらず、ダウ平均は先週、200ポイント近くも下落した。これは強気相場の終焉を宣言するだけでは不十分であり、今後の成り行きに目が離せない状況だと言える。結局のところ、時に歴史は非常に奇妙な形をとってそれ自体を繰り返すものだ。







訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:50|PermalinkComments(0)金融アストロロジー 

September 05, 2017

●9/6の満月 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180° 対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのかを、あらためて見せてくれる「鏡」だと言えるかもしれません。なので満月のテーマは新月の瞬間から色濃く育っていくとも言えるでしょう。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにその経験を消化(昇華)し、エネルギーはゆっくりと静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯(ずれるなら満月前がベター)に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで9月6日16:21前後、北海道周辺で16:27前後、関西方面は16:02頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で15:33前後に魚座13°53'で満月となります。

今回のテーマのベースであり、今も背景で発効し続ける新月・日蝕の大テーマについてはココをご覧ください。
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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。

【月 魚座13°~14° + 太陽 乙女座13°~14°】
  "A sword in a museum" +
  "A strong hand supplanting political hysteria"
『博物館に展示された一振りの剣』+
 『政治的ヒステリー状態を制圧する力強い手』

  "Lady in a fox fur" +
  "A family tree"
『狐の毛皮をまとうレディ』+
  『家系図』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期~9/19】
※ひとによっては数日前から前倒しで感じられるかもしれません。

→★感情的混乱や混沌の中で物事の進路を決める力を自己の手に取り戻す必要
→★ファンタジックorノスタルジックな世界への感受性の高まりまたは逃避願望
→★真にパワーが必要な場面に直面することで内に眠っていた力が目覚める
→★シビアな状況分析が必要な時と軽いユーモアでやり過ごすべき時の見極め
→★争ったり傷つけあう必要さえも感じない静かな自信を維持する必要
→★暴走しがちな感情を制御する能力を身に付けて危機をやり過ごす
→★古い伝統に培われた用の美、強い精神性を象徴するものに惹かれる
→★以前は最先端だった物や思考がすでに古くなって役立たないことに気付く
→★自分の身に備わった真の力とは何かを識別し、沈黙の内に護る必要
→★優しさと公平さを追求しながらエリート意識を持つという矛盾を見る
→★独自のスタイルを探求し、その中に自己のアイデンティティを見出す
→★何代にもわたって受け継がれた力を体現する、または家の重圧との葛藤
→★伝統や習慣または血の絆を護るために必要な社会規範への気付き
→★家、立場、習慣によって無意識に創り上げられた自分の鋳型を見る
→★表向きの言説やふるまいが何かのカモフラージュである可能性に注意
→★品良く目立たないふるまいに潜む決して矯められないワイルドな力
→★自分の人生の決定権は自分自身の手の内にあることを確認する
→★余計な気配を消してベストのタイミングを待つ訓練
→★今の自分を創ってきた経験や観念を新たな視座からもう一度見直していく・・・→


エネルギーのポイント:新月・日蝕『変容の予感 ― 移行 — 勇気と透徹』
            ↓
            満月『持てる力の確認と防御』 

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★ちょっと気になる惑星アスペクト★

9月5日
 ・水星順行(20時30分ごろ)数日はストームフェーズ
 ・太陽・小惑星ウィチロポチトリと海王星がオポジション
 ・火星が乙女座に入居(18時35分ごろ)
 ・火星・水星コンジャンクションが日蝕の位置で起き、満月へと引き継がれる
 (受動攻撃性が自分自身に向く可能性、罪悪感または劣等感、言葉の争い、
  思い込み、事故、電子機器異常などに注意
  →精神の火・霊の火をかけた行動への促し)

9月6日:海王星(+ニッポニア)とコンジャンクションの満月

9月10日午前3時頃
 ・木星・エリス(+月)が2回目最後のオポジション形成
  (キラルス・セレスとTスクエア)
 ・水星が乙女座入居

 3月に終了した天王星・エリスのコンジャンクションは2018年1月まで
  オーブ圏内にあるので、9月28日の木星・天王星オポジションを過ぎる
  までを木星による一種のトランスレーションと考えても良いかもしれない
  (ITの発達により断片化し希薄化してしまったアイデンティティを取り戻したい
  という無意識の欲求が生み出す様々な軋み、匿名性に隠れた自己の肥大化の危険)

9月11日~16日(余韻は新月まで続く)
 ・ダイヤモンド・フォーメーション(六芒星パターン)
  月Sノード・土星(とイクシオン)・月Nノード・カオス・木星・月
 (とエリス、金星)との間に3つのカイトと3つのミスティックレクタングルが成立
 ・15日金星が月Nノードにコンジャンクション
 (現況へのささやかな満足感とそこから逸脱したいという無意識への強い刺激)

9月14日〜15日
 ・火星・ネッソスのオポジション〜水星・ネッソスのオポジション
 ・海王星・ニッポニアがコンジャンクション
 (ネガティブなカルマの精算を促す力、攻撃的衝動の可能性、
  満月のテーマの確認)
 
9月16日
 ・太陽乙女座23°台でイクシオン・カオスとTスクエア
 ・月Sノードとエリスから太陽にYOD形成
 (理想と現実、無垢さと実利主義の葛藤
  こころの弱さがルサンチマンの表出へと繋がる可能性
  全てを抱き留める優しさと強さを持つ)

9月17日乙女座7°台で水星・火星コンジャンクション
 (社会に受け入れられるようなやり方で上手に「境界の縛り」を逸脱していく
  「獲物」を追う、捜索する、戦闘的な探求)

9月17日~20日
 ・水星・火星・オルクスがコンジャンクション
 ・〜水星・海王星オポジション
 (自分や他者に対する度を超えた批判や罪悪感、相手を陥れるための
  欺瞞的な告発、集中力の欠如または直観、審判のフォース、
  強力なインスピレーション、審神者的な能力の冴え、音への感受性など)
  
9月20日: 14時30分頃 新月!🌚

       

        日蝕の新月から早くも約2週間。その間世界にはいつものようにいろいろなことが起きました。中でもわたし達にとって最も大きな「変化」を意味したのは、日本を飛び越えて飛んでいった北朝鮮のミサイル発射とそれに続く3日の核実験のニュースでしょうか。今のところ聞こえてくるのはその規模が70kt級で広島に落とされた原爆の5倍の威力があり、水爆である可能性も今の段階では否定出来ないという話や、あてにならない国連安保理、軍事行動の是非をめぐる相容れることのなさそうな議論、不調に終わるかもしれない経済制裁などなど... 目の前の現実を捉える目もまた様々に分裂し、国内外は混沌の度合いを増しているように見えます。一方、先月末にハリケーン・ハービーで大きな被害を被った米国ですが、今度は同等かそれ以上と予測されるハリケーン・イルマがカリブ海諸国からマイアミに向かっているのだとか。やはり前回の日蝕がネイタルチャートに触れた米国、日本、北朝鮮やドイツなど多くの国々にとって、これから先の数年に向けた大きな正念場がやってくるのかもしれません。


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        今回の魚座の満月は海王星とコンジャンクトしています。これは基本的にかなりドリーミィな雰囲気をもたらしそう... 。また感受性が強くなり、自他の境界を護る壁が薄くなって、あらゆる種類の感情が否応なく高まるかもしれません。音楽やパフォーマンス・アートなど、芸術的なイマジネーションの高まりを経験するひとも多いのではないでしょうか。 けれどそれと同時に、全てが霧となって雲散霧消していくような、寄る辺ない感じのエネルギーも充満しそうです。この、一見捉えどころのない現実の中で身動きが取れないような感覚を持つひと、あるいはふと気付くといつの間にか無為に過ごしてしまった...と感じたり、実際に現実逃避に走ってしまう…なんてことも起きそうです。何かに向かおうとする気持ちは高まっている。たとえば自分の内側には「あそこに辿り着きたい」という強い想いがある。そして、ちゃんとその方向を向いているつもり。なのに近付けない... そこから遠ざかるようなことばかりしている気がする...そんなもどかしさと、ちょっぴり感じる罪悪感。 あるいは、いつもと同じように動いたり話したりしているのに、どこか地に足が着いていないような感覚。物事がただ勝手に進んで行くようで、ちょっと現実感が薄いような、奇妙な気持ち。

新月・日蝕のシンボルだった『人魚』が象徴する「どこにも属さない、属することが出来ない」という、透明なジェリー状の壁に阻まれた状況や感覚に対し、この満月ではひとつの答を出していくことになるのだけど.....。そのままうずくまって水と陸の境界に留まり、ひたすら望郷のうたを唱うのか? それとも執拗な何かを断ち切って自ら二本の脚を生み出し、やがて小さな(でも本当はとても大きい)一歩を踏み出していくのか...? 


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  今週のメリマン・コラムにも、これからの様相を描く次のような一節がありました。『.....それはまるで、何か新しいことを始めたいと心底から望んでいながら、どうしても出来ずにいるような感覚だ。前進し始めるたびに、それは泡と消えるように見える。受動攻撃性が高まるかもしれない。また、何かシンプルなことをしようとするが、その後物事をあまりに複雑にしてしまい、沢山の要素に気を配る(依存する)あまり、最初のシンプルな発想を支持していた人々がその複雑さについて行けない状態になることを意味する可能性もある。』 メリマンさんはこれを、トランプ政権が多様な方向性を持つ法案をひとつの大きな構想の下にまとめて処理しようと焦れば焦るほど手に余り、上手く行かなくなっていく状況として解説していました。けれど似たようなことはわたし達の日常でも起こり得るかもしれません。

強力な海王星の影響を受けて羽ばたいていく魚座の月の想像力。ひとによってはアレも! コレも!なんて、様々なインスピレーションが湧いてくるかもしれません。そのどれもが素適なものに思えます。けれど日蝕 ― 人魚のテーマ ― が起きた度数から順行を開始したばかりの水星は、数日間ストーム状態。それに魚座の海王星と乙女座の火星の要素が加われば、断固としてゆるぎない気持ちや細部の完全性を求める細かさが生まれると同時に、砂山が崩れるような心許なさや不安定な気分がどこからともなくヒタヒタと滲出してきそうです。そうなると、いつもこころのどこかに矛盾と不満を抱えるような状態になりがちです。うーん、全体としてはミステリアスで素適な雰囲気もあるのだけど、そのわりになかなかハードル高そうな満月。...でも、じゃ、どう過ごせばいいんだろう? もしかしたらそのヒントは(注意すべき点も含めて)満月のサビアン・シンボルの中にこそ潜んでいるのかもしれません。


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★9月満月のサビアン・シンボル★


        まず月がとっていくベースのシンボルは『博物館に展示されたひと振りの剣』、そして月に光を与える太陽は『政治的ヒステリー状態を制圧する力強い手』です。剣、政治的ヒステリー、制圧... なんとなくアグレッシブというか、不穏な感じを与える言葉が並んでいるけれど。。 このあたりのシンボルが「黄道帯最後のサインであり、人生という螺旋の最終段階を象徴する魚座 / 個としての可能性追求の最終段階を象徴する乙女座」という軸の中間部に顕れていることもちょっぴり頭において見て行く必要がありそうです。


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        今、わたし達は歴史的な遺物が展示された博物館にいます。目の前に飾られている、ひと振りの美しい刀剣。仄暗い展示室の中央で照明を浴びる、その立派な立ち姿...。時を経てもその鋭さは変わらず、凜とした気品さえ漂わせています。それが儀式用の剣なのか、それとも実際に戦で使われ、数多の血を浴びたものなのか? それはわかりません。けれど今、わたし達は確かに歴史を生き抜いてきた「力」の象徴を目の前にしています。 それはゆるぎない自信 — 己を信じる力 — の顕れであり、また一方「敵」と「味方」あるいは目の前の「現実」を明確に識別する力のシンボルでもあります。

博物館の原語「Museum」は、ギリシャ神話の女神ムネモシュネが語源なのだそうです。彼女は「思い出の女神」そして「記憶の女神」。つまりこのシンボルは、はるか昔に使われたひと振りの剣が、今は記憶の女神の胎内深く身を休めていること…そして皆が共有する価値ある遺産として立ち現れていること... そんな情景を物語っています。 博物館に展示されたもの達は、現実の役割を終えたもの達。だからこの刀剣が使われることは二度とないでしょう。わたし達はそれを見ながら『あぁ、戦争や殺し合いなんて嫌だな。今が平和でよかった...』なんて考えるかもしれません。けれど... 美しい剣を目の当たりにしたとき、多くのひとは自分の内側に何かえも言われぬ力が湧いてくるのを感じないでしょうか? 何かこう、背骨が真っ直ぐに正されるような? 


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  おそらく1920年代当時、このシンボルを降ろしたエルシィの潜在意識には、あの有名な「アーサー王物語」の片鱗があったかもしれません。王位の正当な継承者として、自分を証明するためにアーサーが引き抜いたと言われる、石に刺さった魔法の剣エクスカリバー。それはただ凄まじい武力を持つだけでは抜くことが出来ませんでした。それは人々を率いるための何か特別な力を持つ者=ヒーローが、ヒーローであることを証明するための装置でした。ならば博物館に飾られている古の剣は... きっと自分が紛れもなく正当な自分自身であることを証明し、危機のときに覚悟を持って挑むときにだけ引き出すことの出来る..... 存在の奥底に眠った力。そんな内なる「力」の象徴なのかもしれません。

曖昧さと混沌が渦巻くこの世界で。背筋をのばしお腹に力を入れて。空間を、切る。突く。刺す。払う。振り下ろす。識別の力を研ぐ。見えないフォース。そして... 最善の自分を呼び覚ます。 いつか召命の角笛が聞こえるかもしれない。そのときに備えて。 たとえ今がどんな状況だろうと、自分にはまだ引き出せる力がある。潜んでいる。それをきちんと知っておくこと。このシンボルはそれを伝えようとしているように思えます。


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        一方、乙女座の太陽が示すシンボルは『政治的ヒステリー状態を制圧する力強い手』。これはかなり現実的な情景ですよね。天王星・冥王星スクエアに代表されるカーディナル・クライマックスが始まって以来、大きくも小さくも、世界中で日常的に見られる光景になってしまいました。「アラブの春」が希望の象徴のように語られていたときがはるか昔のように感じます。悪い独裁者を正義の民衆が倒して新しい世に…なんて、そんな遠目からの単純な物語はどこかに吹き飛び、政治、経済、宗教、民族、歴史、主義主張、そして長い間に積もりに積もった激しい感情が複雑に絡み合う、大きな混沌へと世界は投げ込まれています。これが赤裸々な人間世界の姿、そのものなのかもしれません。それとも、どこかで間違った? 今もまだ「これが正しい!お前が、アイツが、間違っている!」と論争しあう声があちこちから聞こえてきます。

けれど現実に火の粉が降りかかってきたとき、そんな理屈もまた吹き飛んでしまうかもしれません。 原語の「supplanting」は何かと何かを「すげ替える」という意味を持ちます。また、何かを「根こそぎにする」という意味もあります。このことばは、ラテン語の「suppletare」から来ているそうで、元々の含意は「足をすくって躓かせる」ことなのだそうです。 政治的なコントロールが効かなくなった無政府状態の都市。近未来SFみたいな光景を思い浮かべてしまうけど、今この瞬間も、地球上にはそういう場所がいくつも存在します。 


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  たとえば抗議運動で度を超した感情に翻弄され、攻撃性を増した群衆を放っておいたら何が起きるかわかりません。多くの犠牲者が出て街が破壊される怖れもあります。政治は暗礁に乗り上げ、必要な行政措置も滞るようになれば、国は混乱するし、それに乗じて他国から侵略されるケースも歴史上頻繁に起きています。そんなとき、わたし達は「力強い手」を望みます。自分達に降りかかる暴力を有無を言わせず根こそぎにし、躓かせ、その代わりに平穏を取り戻してくれる手。騒乱に取って代わる、強い力。強力で自信に満ち、責任を持って権威を発動する大きな手を。

では、そんな現実を突き付ける乙女座太陽の光の声に対し、魚座の月は何と答えるでしょう? アーサー王物語の舞台となる時代もまた「王の中の王」の地位を求めて群雄割拠する、いわば政治的ヒステリーの時代でした。そんな混乱と混沌の中、ひとりの英雄が「自分の手」によって石に突き刺さった剣を引き抜き、その事実によって王の中の王となりました。 もちろん、わたし達ひとりひとりはアーサー王でもなければ英雄でもありません。けれど自分自身の内的宇宙が混乱を極めたとき、石に刺さった魔法の剣を引き抜くことが出来る存在は「わたし」しかいません。自己の胎内宇宙を統べる者として。たったひとりの王の中の王として。 それは智の剣かもしれないし、胆力という名の剣かもしれません。もしかしたら、最初のうちは「開き直り」の短剣かもしれません。それでも。 内的な静謐の中で、引き抜いた剣の刃に映し出される外界の混乱をつぶさに見るとき、わたし達にはきっと見えて来るのだと思います。どこを切り裂き、何を払えば、目前の危機を脱することが出来るのかを。。


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        次に月はメイン・テーマとなるシンボル、魚座14°の『狐の毛皮をまとうレディ』をとっていきます。そして太陽が投げかける問いのシンボルは『家系図』です。ゴージャスなフォックスのコートを着たレディ…1920年代当時の裕福なモダン・ガールの姿でしょうか。今なら「イット・ガール」なんて呼ばれるような、小悪魔的な魅力に満ちた女性を彷彿とさせます。 自分が属する社会に溶け込み、気品にあふれながらも自由な精神を保っているような。。 常にどこか冷静で、何をすれば良いか、どうふるまえば良いかをわかっているような。。 

狐は動物の中でも「頭の回転の速さ」「逃げ足の速さ」「敏捷性」そして「狡猾さ」を象徴する存在です。英語でセクシーかつ気性の激しい女性を意味する(性悪女という意味にもなるけど)「vixen」ということばは、もともと「雌狐」を指しています。またB.ボヴィは、古い時代に「fox」ということばが「マントの下に隠せる短剣とその鞘」の名を指していたことも指摘し、「何かを隠す」というテーマがオーバーラップしていることを指摘していました。

マントの下に隠された剣。たとえばブリテン王の血を引きながら格下の貴族の息子として育てられた少年アーサー。その出自は王が亡くなり、彼が十分に成長して自らの定めを引き受けられるようになるまで隠されていたといいます。けれど幼少時の彼は、ふとしたときに「何故かはわからないけれど微妙にフィットしていない感覚」や「自分はここに本当に属しているのだろうか?」という疑問を抱いたりはしなかったでしょうか? 連綿と続く血統の大木に接ぎ木されたような感覚。たとえその暮らしが平穏で幸福な日々だったとしても...。


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  狐が獲物を見つけたとき、彼らはじっと様子を伺いながら、自分の目的と殺気を隠して近付いていきます。もし獲物となる鳥達が巣の近くに狐の洞穴を見つけたら、種族に受け継がれた知恵に従い、気配を隠してそっと飛び立つかもしれません。 狐は狩る者。鳥達は獲物となる者。 その関係は、生の初めから連綿と繰り返されてきました。そして相対したときは両者とも、自分が相手に対し何者であるのかを隠すことが必要になります。互いの生をまっとうするために。

一方、太陽が投げかけるシンボルは『家系図』です。家、種族、民族... 長い刻を経て培われてきた血の絆。祖霊の加護や先祖の名誉。 それは輝かしい歴史かもしれないし、負の遺産かもしれません。誇りに思うひともいれば、家のカルマや家系の持つ重圧に耐えきれないひともいるでしょう。または何かの原因で系譜が断ち切られ、自分が何に、どこに属しているかわからないというひともいると思います。 たとえそうであったとしても、今ここに存在するわたし達のルーツには、何万年も継続してきた人類としての底深い根っこが生きています。それぞれの時代に生きた、無数のひとびとによって刻まれてきた想いの粒子たち。意識しようとしまいと、それは今も大木を支える壮大な地下茎として、末端の小枝であるわたし達の潜在意識に膨大な情報を送り、わたし達を常に「人間」たらしめているのではないでしょうか。


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  家系図を意味する原語の『family tree』は文字通り「家の木」で、日本の家系図なら線で表す家族の関係性を、大木の枝に見立てて描きます。ん?それって...... なんだか前回の新月・日蝕のテーマで浮上した「世界樹・ユグドラシル」を思い起こしませんか? あの、世界全体の構造を貫く「ワールド・トゥリー」です。 天と大地と地下世界を貫いて繁るという無限の大木 ー 世界の支柱。家や家族のルーツとは、突き詰めれば株分けされた世界樹なのかもしれませんね..。では、小枝としてのわたし達は、そのファミリー・トゥリーにどんな想いを遺し、どんな栄養を与えていくのでしょう? 太陽はそんな問いかけを光に託して送っているようです。月はそれを受けてどう答えるのかな?


        狐の毛皮をまとったレディは、自分の力を知っています。知った上で、今はそれを隠しています。その力がどんなものかは、ひとそれぞれ。けれどそれは、わたし達が生まれながらに携えてきた何かです。はるかな時の彼方から受け継ぎ、また自らの想いを重ね、護り、育てていくいのちの力です。 

自らの内に眠る真の力を見出したとき、ひとはそれを見せびらかしたり声高に主張するものではないことも同時に理解するのだと思います。 コートの下に隠した剣は、本当に必要なときが来るまで抜かれることはないでしょう。けれど、やがてその剣を引き抜くときが来るのを彼女は知っています。そしてとのときが来れば、いつでも敏捷に動けることを知っています。 それまで、きっと彼女は騒ぎを起こすこともなく妖艶な微笑を浮かべながら、周囲の喧噪を眺めているのかもしれません。ときに意表を突いたユーモアでその場を支配する緊張感を和らげながら。そして今はまだ、皆と同じ場に属しているかのようにふるまいながら。 


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        じゃ、なぜ彼女はそんな余裕を持てるんだろう? どうして何があっても狼狽したり攻撃したり泣き言を言ったりしないんだろう? なぜ孤独に耐えられるんだろう? 押し寄せる感情に足許をすくわれないんだろう? 

なぜなら、もし自分が望みさえすれば... 強固なファミリー・トゥリーさえも断ち切ることの出来る、鋭い剣を持っているから。もし、自分が本当にそれを望み、独りで歩いていけるならば。それが真の道だと感じるならば。もしかしたら、自ら剣となって「世界樹」の外縁さえも切り裂き、新たな地平に出ていくことだってあり得るのかもしれません。たとえ今はまだ誰にも理解されないとしても。いえ、それとも... 剣をひっそりと抱いたまま、次の小枝に知恵を伝え、未来を託していくのかもしれません。 

今、彼女にはあらゆる可能性と選択肢があります。道を創るのも、獲物に狙いを定めるのも自分自身。そして隠し持った自分という剣。ただ、それを知っていること。心得ていること。 たぶんこれが、自分をひと知れず生かし、支え続けて来た壮大な家系図に遺す、彼女 — 雌狐 — の答ではないでしょうか?


        ひとつ前の獅子座で膨らんだ「個」が、一度ぐっと収縮する乙女座。そこに輝く太陽は、自己の細部を総点検して、具体的な「力」の在りようとその支えとなる家系図を描きました。一方、黄道の最終星座宮、全てを溶かし込む魚座の月は、狐のコートの下に隠し持つ剣を抱いて、冷たい光を放ちます。

夏から秋へと移ろいゆく季節の中で、巡り廻る人間の歴史の混沌の中で。 さぁ、フォックスファーのコートを華麗にまとい、短剣をしのばせながら... まだ見ぬ獲物「終わりの無限」を追いかけていきましょうか!



magelan




have a great trek!!!★


hiyoka(^_^

hiyoka_blue at 20:00|PermalinkComments(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

September 03, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント9/4【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2017年9月4日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自 身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧でき ますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近 いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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【告知】レイバー・デーにあたるため9月4日の米国市場は休場となることに留意。


≪ 先週をふり返って ≫

今週は都合によりこのパートを抄訳とさせていただきます。

プライマリー・サイクルの底を★★★重要変化日である8月18日〜21日につけた後、日蝕の影響や予想に満たない雇用統計にもかかわらず株式市場は見事に上昇、ダウ工業平均は21,600の安値からこれまでのところ金曜の22,039まで騰げた。(史上最高値は8月8日、月蝕の翌日につけた22,179)

ナスダック総合は7月27日の新高値近くまで上昇した。

現在、世界の諸地域において非常に多くの異市場間弱気ダイバージェンスが発現している。トリックスターである水星逆行の影響が強く顕れている。ヨーロッパでも金曜には良く反騰したが、それでもほとんどが年初来高値のはるか下方にある。

アジアと環太平洋地域ではバラバラの結果。日経は8月29日に3月2日以来の最安値水準まで沈んだが、その後金曜に向けて非常に力強く反騰し、週の終わりを強気で締め括った。オーストラリアのASXはあまり元気なく、香港ハンセンと上海の反騰はそれぞれ2015年5月、2016年1月以来の最高値水準まで達した。インドも騰がったが月の新高値にも達していない。

南米ではアルゼンチンとブラジルの勢いが良かった。

こうした動きと米国を襲ったハリケーン被害は、日蝕効果に加えて水星逆行の中間日(市場の下落)、金星・天王星スクエア(ハリケーン)、土星の滞留〜順行(損失、その後の市場反騰開始)の3要素が絡んでいる。

ユーロ通貨と貴金属も金曜に向けて同様の動きを示した。

今週は水星が順行に転じる。直近の高値が真実なのか、それともいつものトリックスター、水星逆行によるマインド・ゲームなのかを目の当たりにすることになるだろう。彼の出番はまだ終わっていないし、非常に注意深くあらねばならないという必要性もまだ去ってはいない。



≪短期ジオコズミクスと長期的考察≫


  “ジャグヘッド(愚か者)と呼ばれるたかり屋がアーチーの家に来てこう尋ねた。『アーチー、あんた「フリー・スピーチ(言論の自由)」は正しいと思うかい?』 アーチーは勿論だと言った。するとジャグヘッドはこう答えた。『ならあんたは俺があんたの電話を使って長距離にかけても構わないよな?』 フリーダム・オブ・スピーチ、すなわち「言論の自由」とは、人が自分自身の資質を使い、自分自身の目的・大義を追求し前進していく権利を意味する。だがそれは、フリー・スピーチの名の下に誰か他の人の電話、他の人の家、あるいは他の人々の何でもかんでもを取り上げて自分の目的のために使う権利を与えるものではない。”

— Tunku Varadarajian(Richard A. Epsteinへのインタビューから)
  “The First Amendment is for Neo-Nazis, Too”
 (「憲法修正第一項 — 言論の自由」はネオ・ナチにも適用される)
  ウォールストリートジャーナル 2017年8月26日付


  “南北戦争の後遺症が治まらぬ中、マーク・トウェインはこの大いなる謎についてこんな感慨を述べている。『"肉体的勇気" がこうも日常的なものにならねばならず、一方で "道徳的勇気" がこうも稀だというのはいったいどうした事か*』”

— Robert M. Morganthau
  “Monuments and Courage”(記念碑と勇気)
  ウォールストリートジャーナル 2017年8月26日〜27日付


*肉体的勇気:肉体的な苦痛をものともせずにぶつかって目的を遂行する勇気
  道徳的勇気:多くの誹謗中傷や辱めを受けても耐えて正しいと信じる事をする勇気


  “...兄弟姉妹として共に生きることを学びなさい。さもなければ、私達は共に愚か者として滅びるでしょう”

— Dr. Martin Luther King
  1965年オバリン大学卒業式訓示より
  “Identity Politics are Tearing America Apart”
  (アイデンティティ・ポリティクス
*が米国を引き裂く)
  James A. Baker III and Andrew Young

*アイデンティティ・ポリティクス:主に社会的不公正の犠牲になっているジェンダー、人種、民族、性的指向、障害などの特定のアイデンティティに基づく集団の利益を代弁して行う政治活動(wikipediaより)

        9月5日火曜に水星が逆行運動を終了する。しかしそれが来週やってくる唯一の重要なジオコズミック・サインというわけではない。その日は火星が乙女座入りし、太陽が海王星とオポジションを形成し、また9月6日に起きる満月の前日でもある。したがって、いまだに多くの火星的要素(攻撃性、特にトランプ大統領のネイタルのアセンダントにかかることに注目)と海王星的な特質(受動性、不確定性、誤った方向へ誘導するニュースや発表)が見られる。

それはまるで、何か新しいことを始めたいと心底から望んでいながら、どうしても出来ずにいるような感覚だ。前進し始めるたびに、それは泡と消えるように見える。受動攻撃性が高まるかもしれない。また、何かシンプルなことをしようとするが、その後物事をあまりに複雑にしてしまい、沢山の要素に気を配る(依存する)あまり、最初のシンプルな発想を支持していた人々がその複雑さについて行けない状態になることを意味する可能性もある。

債務上限の引き上げを考えてみるといい。予算を通したり、南の国境線に沿って壁を築こうとすることを考えてみるといい。ひとつひとつを遂行するのではなく、これら全てのアイデア — あるいはその組み合わせ — を繋げ、ひとつのより包括的な法提案としてまとめようとすればどうなるかを考えれば、何故この政権が法案1本さえも通すことにこれほどもがき苦しんでいるかが解るだろう。だがそれでも、株式市場は騰がり続けている。

        今週、海王星とコンジャンクトして起きる満月の後、9月12日〜17日には金星が土星と天王星にグランドトラインを形成する。これは議会にとって、新たな法案を成立させる今年最後のチャンスとなるかもしれない。何故なら金星は合意と歩み寄りの惑星であり、土星は長期的にみて前向きな結果となる合意を示唆し得るからだ。株式市場はこの期間に向けて反騰を続ける可能性がある。

しかしながら9月17日以降、私達は9月27日に起きる木星・天王星オポジションの3回目にして最後の形成に向かって進むことになる。このアスペクトに向けて注目すべき新法(または予算、債務上限引き上げ、または...その他色々...)の成立に失敗するなら、それは世界の金融市場における重要なリバーサルと相関するかもしれない。結局のところ、木星・天王星オポジションは12取引日のオーブをもって米国株式市場におけるプライマリーサイクルとの相関性を持つ、最も一貫性のあるジオコズミック・サインなのだ。今回のシリーズにおける直近の事例は2017年3月1日に起きている。当時はダウ工業平均に史上最高値が示現しており、その後4月19日に向けて7週間にわたる下落へと導かれた。これは今までのところ、今年最も長く続いた下落だった。 

木星と天王星はまた「言論の自由」を要求する行為を象徴している。そして、これを追求するにあたっては、他者に対して理不尽な要求を突き付けるという衝動をも示唆している。






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:55|PermalinkComments(0)金融アストロロジー