November 2017

November 26, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント11/27【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2017年11月27日(フリー版より)

翻訳:hiyoka     
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自 身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧でき ますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(なお、翻訳者はこの記事をファイナンシャル及びマンデーン・アストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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【お知らせ】
まだ詳細は未定ですが、もしかしたら来週のコラムは休載になるかもしれません(メリマンさんのお嬢さんが月末から12月初めまでの予定でクルーズ中に結婚式を挙げられるそうです)。


≪ 先週をふり返って ≫

こちらは抄訳になります。

        “『リスク資産の標高が上がるにつれて、空気は益々薄くなってきている。しかし価格の大天井はまだ先だ』メリルリンチのチーフ・ストラテジスト、マイケル・ハートネットは顧客向けのリポートでこう述べた。直近の強気相場はもし2018年8月22日まで続けば史上最長となり、株が対債券で7年来のアウトパフォーマンスを続けるというのは1929年以来だと指摘している。その予測は3つの鍵となる信条を前提としている。すなわち、第一は前述の状況、第二は「最高の運用益を生み出す」だろう「最高のポジショニング、最高の利益、そして最高の手口」への期待感とボラティリティの低さ、そして最後に、金融引き締めに伴うインフレの高まりと企業負債の増大が社債市場を混乱に陥れるという予感がリスク資産反騰への重要な "熊手" となることだ。”

— Jeff Cox
  cnbc.com 2017年11月21日付

        世界の株式市場は前週のハーフ・プライマリーサイクルの安値から反騰したが、11月最初の10日間に比べると、史上新高値や数年ぶりの高値をつけた市場は少なかった。史上新高値が見られたのは米国株のみだったが、これは感謝祭のホリデーウィークで米国株が伝統的に強くなる時期だったことに合致している。

…この後、ダウ平均、ナスダック、ハンセン、SMIなど特筆すべきパフォーマンスの概要が続きます。

... 他の全ての市場は比較的穏やかな上昇ぶりだったが、中国の上海指数は金曜に3ヶ月ぶりの新安値をつけている。

原油は非常に強く、金曜には2015年6月30日以来の59.05をつけた。これは12月2日の調和的な木星・海王星トライン形成(両惑星とも原油を支配)に近付いていることを考えれば当然と言える。

より目立ったのはユーロ(対ドル)の強さ。金曜に2ヶ月ぶりの新高値に上昇し、再度1.2000を試している。9月8日に2.5年ぶりの高値をつけた時は1.2092だった。2017年1月3日につけた16.5年サイクルの安値から考えれば相当な上げ幅だ。この2017年1月3日という日付は『フォーキャスト2017』で挙げた通貨の重要変化日というだけでなく、米ドルの16.5年サイクル安値が示現する期間として示した時間帯のちょうど中央部だった。この長期サイクルが正しければ、今後2年〜5年は世界における米ドルの地位にとって正念場となるだろう。実際、全ての通貨はすでにスタートしつつある「グレートリセット」の影響を受けることになる。これについては『フォーキャスト2018』で詳説しているが、次の重要な局面は冬至を中心に12月20日〜25日となる。それは太陽と土星(と金星)が共に境界を越えて山羊座入りするという、およそ150年ぶりの出来事が起きる日柄だ。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

        “もし真実があなたの足を引っ張るのなら、あなたは間違った方向に向かっているのだ。”

— Harvey Mackay
  “Companies Must Live By A Code”
  Arizona Republic 2017年11月22日付


        先週の株式市場の反騰は、感謝祭のホリデー・シーズンと相関しただけではなく、太陽が楽観的で希望を抱く星座宮、射手座に入居(11月20日〜12月21日)した時期とも関連していた。おそらく今回は通常よりもっとポジティブな雰囲気だろう。何故なら12月2日には、木星・海王星のウェイニングトラインが全3回中最初の形成を果たすからだ。先週述べたように、次週に予定される上院での議決を前に、議会はこれから感謝祭の短い休暇に入り(市場も11月23日木曜は休場だ)、ちょうど12月2日(週末)に起きる最初の木星・海王星トライン形成に間に合うよう帰って来る。このコラムでも以前論じたように、木星と海王星は多幸症と、何年も前に前FRB議長アラン・グリーンスパンが創ったフレーズを借りれば "根拠なき熱狂" を示唆する。それは自分が恋をしていると思い込み、祝福すべき時のように感じる「のぼせ上がり」のアスペクトだ。あなたは翌日になって目を覚まし、二日酔いを何とかせねばならなくなる。『あれは "現実" だったのか?』『我々は一体何を考えていたんだ?』

ならば私達もこの多幸症タイムとポジティブな宇宙の配列を、それが続く間は楽しもうではないか。だが、上機嫌で飲み過ぎてはいけない。次の週には議会が再開し、木星は海王星から離れ、12月3日の満月(日本時間では4日に入ってすぐ)には水星が逆行に転じ*、その後は冬至に起きる太陽・土星コンジャンクションに向かって突撃だ。それは宇宙を因とするめまいの典型的な症例になるかもしれない。


* 現在は水星逆行前後のストーム・フェーズに入っており、事故、通信・電子機器の故障、契約や約束事の遅延・変更、伝達ミス、うっかりミスやコミュニケーション全般に関わる思い違いなどに十分な注意を要する。ただし普段左脳型のひとは通常より素晴らしいインスピレーションが湧く場合もある。(なお、ネイタルで水星逆行を持つひとは、逆に水星逆行期間中は冴えわたって調子が良いという例も見られる)






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:55|PermalinkComments(2)金融アストロロジー 

November 18, 2017

○11/18の新月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つんじゃないかと思います。
    例えば…シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで  11月18日21:01前後、北海道周辺で 21:07前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は20:42前後、沖縄周辺では20:33前後に蠍座 26°19’で新月となります。

*前回の新月のテーマについてはココ、満月についてはココをご覧ください。

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Sabianシンボルによる【 新月がもたらすテーマ 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた象徴の言葉をそのまま書き写した「オリジナル版サビアン・シンボル」を使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月 蠍座26°~27°― 発効期:11/18~12/17 】
   "Indians making camp"
『野営するインディアン』

   "A military band on the march"
『行進する軍楽隊』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
※ひとによっては数日前から前倒しで感じられるかもしれません。

→★自分に一番フィットする環境、状況、道、帰るべき場所を一心に想う
→★落ち着かない忙しさのさなかにふと感じる「望郷」の想い
→★あらためて自分自身の内面のルーツを探る必要
→★無理を重ねてきた部分がほころび始める危険
→★いまだに慣れない新しい状況に順応/適応していく必要
→★音楽や声のふとした調子に潜む警告、またはヒント
→★心身ともに休息、静寂、静穏、空白を与える必要
→★進行する変化の中で新たな自分の場が「今まで」「今ここ」ではないと知る
→★笑顔の仮面をつけることでそれ以上自分に踏み込まれないよう護る
→★誰かの生き方や考えをそっくり受け入れて反復することの危険
→★自分で選択し受け入れ創り出した「同調圧力」に苦しむ
→★本当のことが言えないためのストレスを解放する必要
→★自分がより大きな何かの一部だという自覚を支柱にして生きる、
   またはふと聞こえる異なる太鼓の調べ
→★個であることを抑えられる環境の中で目の輝きを失わずにいる
→★理屈が通らずとも我が道を行く、というスタンス
→★自分が感知し、捉え、世界と名付けた「現実」を引き受けて生きる意志・・・→



エネルギーのポイント:前回の新月『次局面に向けての現実的な対応』
                    ↓
            今回の新月『変化しつつある視座の再吟味』

171118NM


★11月18日 新月の星模様 すこし★
※遅い惑星のアスペクトは正確な日付の前後数日〜数週間発効します。

新月が「蠍座最後の4度数」で起きる
 ・本文参照

新月・SDOセドナ・小惑星セレスティア・スピリット・サマディの
   ミュータブル・グランドスクエア
  水星は逆行前のシャドウ・フェーズ

  土星・イクシオン・小惑星イカルス・ケンタウルスのフォルスが合
  火星と小惑星クルースンが合

 ・全てが移ろいゆくことを胸に、ひとときの静寂の中で自分自身を省みる
 ・壮大な宇宙や長い歴史の流れなど、大きな視点で人類という集合体の行く末に
  思いを馳せる
 ・心身を休め、植物や動物達との触れあいの時を持つ
 ・遠い記憶から来る悲しみの在りかを訪ねる
 ・眠りや夢見の効用
 ・優しさ、純粋さ、ぬくもりに触れてこころがほぐれ癒やされる
 ・家族や親戚との血の絆の確認や再会。またはカルマに直面し癒やす必要

18日~12月初旬

 ・あらゆる種類の事故の危険期
 ・地震などの自然災害にも要注意期

11月19日 21:15頃  火星・冥王星スクエア

 ・フラストレーションの高まり
 ・事件、事故、暴力的な言動に注意
 ・徹底した行動力やバイオレントな物語性にカタルシスを感じる
 ・人間関係や交渉事など、最後の最後までやり抜こうとする意志/衝動
 
11月20日夜 冥王星と小惑星アグニがコンジャンクト
 (アグニは新月時、冥王星と同方向のエネルギーを持つアラウンと合)

 ・アグニは純粋な火的エネルギーを象徴し、善悪や黒白の区別はなく
  触れるものが元々持つ方向性を加速すると考えられる(そこから
  道を往く者にとっては「火の試練」と呼ばれる)
 ・火のエネルギーが無意識の深い欲望を刺激する可能性
  (それをつぶさに見てみるのは悪くないかも)

11月22日夜 海王星順行 魚座11°~

 ・前後は海王星が持つあらゆる側面の力が強まる
 ・何気ない優しさやぬくもりにこころが満たされる
 ・夢、理想、イマジネーション、インスピレーション、音楽
  そしてネガティブな場合は欺瞞、逃避行動、倦怠、依存、犠牲など
 ・感情がとても豊かになる反面、境界が薄くなって心身ともに
  外部(人間の感情エネルギーや環境、雰囲気)の影響を受けやすくなる

11月25日 09:42 土星が銀河中心にコンジャンクト

 ・強力な葛藤のエネルギーが噴出する、あるいは将来実現可能な
  ビジョンを掴み取る(無意識層への促し)

11月27~12月3日 火星とエリス~天王星~パラスがオポジション
 (11月30日〜12月1日は月が通る)

 ・欲望が渦巻く社会の裏面に起きる、支配権を巡る闘争
  (スケールと形を変えて小さなグループや家庭内でも起きる可能性)
 ・公正さを追求する心理 (過度のプライドに注意)

12月1日 19:05頃 火星・天王星オポジション

 ・良かれと思ったことの悪化、支配権争い、フラストレーションの暴発に注意
 ・スピード感を求める意識と熱意(事故には注意)
  スポーツなど健全な闘争本能として出る場合も。ミスや怪我に注意

12月3日 16:35 水星逆行 射手座29°~13°(順行12月23日)
       木星・海王星トライン

 ・前後のストーム・フェーズは意識や思考、感情が乱れやすいので注意
  (ただし素晴らしいインスピレーションやを得る場合も)
  誤解、伝達ミス、事故、約束の遅れやキャンセル、契約事項などに注意
 ・幻想的で壮大な絵画や物語性の輝き。純粋で美しいものへの憧憬
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12月4日 0:47 双子座の満月!
12月9日火星蠍座入り
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12月18日 銀河中心で射手座の新月!
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12月20日 土星山羊座入居
12月22日 01:28 冬至
        05:48 太陽・土星コンジャンクション山羊座0°台


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        今回の新月記事は、時間の都合もあっていつもより短縮版になると思います。
  m(_"_)m

        ふと気付いたら家の前の木々がいつのまにか紅や黄色に染まり、いち早く枝先から裸になっていました。草木達はもうすっかり冬の準備を整え終わったようです... 。もうここ何年も、いつも今頃の季節は『フォーキャスト』の翻訳 =「時間との勝負」がたけなわになります。なのでゆっくり外に出る機会など殆ど無くなってしまうのですが... それでも今年は格別な感じがします。内容が一段と濃密になっていること(少なくとも自分にはそう感じられます)、それにこのブログでも以前から触れてきた「変化」— 大きなくくりで見る時代の変化、そしてその中で経験するだろう「個としての道の変容」— が、遅い惑星同士の相関サイクルを通して講義するように語られている...それは変わりないのだけど。いつもの噛んで含めるような解説の中に込められた、迸るような「熱」がいつも以上に行間から立ちのぼり、押してくるのを感じます。それをどう訳文に生かして伝えられるのか、「うーん...」と考えてしまったりします。多分その「熱」は、人類の長い歴史の中に周期的に起きる転換点 — ひとつの「勝負時」を予期するひとが、それを広く皆に伝えようとするときのエネルギーなのかもしれません。それが始まるのは、おそらくこの冬至あたりから。少しずつ、じわじわと日常を通して。または何か大きな出来事を通して。いつのまにかそれぞれの肌に、人生に、感じられてくる。そんな予感。 やはり...と思いながらも、身が引き締まる思いです。とはいえ、本当の山場はまだこれから。『フォーキャスト』だけでなく抜粋版の『マンデーン』シリーズを楽しみに待ってくれてるひとも少しずつ増えていると聞いているし、とにかく出来る限り役割を果たそうと思う毎日です。


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        と、前置きはこのくらいにして(^_^;。いわば変革のスタートラインが間際に迫ったようなこの新月。上に挙げた星回りも相変わらず賑やかです。でも、だからこそ。この新月のテーマは、一度立ち止まって静かに自分を省みるような余裕と静寂さを保つことを勧めている。そんな感じがします。

来年は今年よりもっと激しい年になるかもしれません。今怒っているひとは益々怒り、狂っているひとは益々狂う。突き進んでるひとは益々進む(倒れなければ)。そして迷ってるひとは益々迷い、ぼやけてるひとは益々ぼやける。もし軌道修正が必要かも?と常々感じているなら、着手するのは今。 なぜなら、そのままだと今の状態がたぶん、もっと激しくなる...まぁ、ちとオーバーに言ってしまうとそんな感じかな。。 だから今が大事。

怒っていても狂っていても、それが自分の人生の道標に過ぎないと知っているならそれもいいのかもしれません。ただ、いつの間にか気付かぬうちに、選んだはずの道から外れてしまってはいないか? 少なくとも(他の誰でもなく)自分の中できちんと筋が通っているか? 情緒に動かされていないか? あるいは自分で創り上げた壁にガチガチに閉じ込められていないか? 報われないと半ば解っていることから抜けられないでいるんじゃないか? この新月期は、今一度ふり返って、そんなことを問いただしてみる良い機会になりそうです。 


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  戻るも自由、進むも自由。だけど本当は、自由が一番厳しい。それを誰より厳しく教えてくれるのは、射手座の土星かもしれません。これまで射手座を運行してきた土星は、社会的にも個人的にも、わたし達がひとつの確固とした「世界観」を持てるよう、様々な試練を与えてきました。大きな迷い、足許を確かめながらも突き進もうとするこころ、あるいは足許の崩れを見て見ぬふりするこころに冷水を浴びせるような流れをもたらしたりして。そして、わたし達の内外に立ちはだかる壁の高さと大きさをも感じさせてくれたと思います。

もうすぐ山羊座入りする土星は、そこでおそらく仮面を付け替えるでしょう。たとえば、一度選んだ道から逸れることをなかなか許さない。自分に対しても、他者に対しても、今まで以上にリジッドになって責任追及していくような心理。社会は安全のためという名目で規制が厳しくなり、より窮屈になっていくかもしれません。そして2年後、やがて土星が山羊座の冥王星と邂逅したとき、その結果のひとつが明確になってくると思います。良いとか悪いとかじゃなく、ただひたすら、そんな力が集合体の無意識に働いてくるとしたら。。  今、わたし達はささやかに立ち止まって、自分が生きていきたい「場」とは何だったのか、繋がりたいもの、触れたい精神とはどんなものだったかに思いを馳せるべきときなのかもしれません。


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  壮大な自由の中で一直線に進みたいと願う、気ままな「精神の星座宮」射手座で膨らみすぎる自我の知の調整を迫ってきた土星は今、射手座精神の「悪」とされる要素を体現するようなKBOイクシオン(全ての善は悪をはらみ、全ての悪は善をはらむ…神をも怖れぬ懲りない精神とも言える)、やり過ぎ・飛びすぎ・膨らみすぎを戒める小惑星イカルス、そしてE.フランシス曰く「真夏の日中にコーラ瓶を振っていきなり栓を抜いたような」効果、つまり小さな要因が積み重なっていきなり爆発するような力を持つケンタウルス族フォルスとコンジャンクトしています(もっともフォルスはそれだけじゃなく、将来を予感した上で自己を省みず他者に奉仕していく精神も持つのですが...それは注意していないと自爆に繋がる危険もあります)。 そして今、土星はフォルスと共に銀河中心の位置に達しようとしています。銀河中心は時代を超えた強力なエネルギーを無意識に送ってくると言われます。きっとそれは、ことばにならないような揺さぶりの力。ふと「これで良かったのだっけ...?」と感じさせるようなフォース。 

もしそれをキャッチ出来たら、入れ替わり立ち替わりの思考をちょっと脇に置いて。立ち止まって目を瞑り、大きく深呼吸してみてください。そして自分の胎内宇宙に宿る銀河の渦にダイブしてみましょう。何が聞こえるだろう? 何が見えるだろう? 何も...。ただ、混沌? それとも、止むことのない耳鳴り? うん、それでもいい...というか、それが今のわたしでありあなたであるなら、それをそのまんま感じることが一番素晴らしいのだと思います。だってそれは全て、生きてるってことだもの。

ただ自分の中に熱く燃える銀河の存在を感じられたなら。それを愛せるなら。そこから、「ことばにならない何か」が始まるかもしれません。いつでも。どこでも。


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        今回の新月のシンボルは『野営するインディアン』から『行進する軍楽隊』への流れです。そこに描かれるのはネイティブ・アメリカンのハンター達の一行かな? 一日の狩りをを終えて、ひとときの休息を取るべくテントを立てているのか。それとも、なんらかの理由で部族を遠く離れて旅をしているのかもしれません。このシンボルは遠く離れた所から「ホーム」、つまり自分が一番フィットする場、属していたい絆を渇望するこころを示唆しています。また、自分が負った役割を遂行する中で、どうしてもすり減っていく気持ち、そして諦め、ともすると全体に迎合するような心理への警鐘を鳴らすというテーマも持っています。自分にとって一番大切なものを「売って」いるのではないか? 本当にそれでいい、と覚悟の上なのか? という感じかな。

そして、メインのシンボル『行進する軍楽隊』は、今やっていること、従事していることからもたらされる高揚、そしてプライドと熱狂、心地よい緊張感、そして志を共にする集団に属することの安心感を描く半面... 前のシンボルの警告を継いで、本当にそれでいいのか? 全体が奏でる音色やリズムは本当に自分がこころから従えるものなのか?  行き着く先のビジョンはあるのか? という問いかけもまた含むものです。ドッドッと力強く響き渡る勇壮なドラムの音。ビシッと決まった歩調、立派に整えられた制服姿。沿道で応援する人々からは頼もしく思われ、憧れさえもって見られているかもしれない、そんな心地よい緊張感。でも...。あれ?どこからか、全く異なるリズムを持った音色が聞こえてくる。かすかに。途切れ途切れに。。


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  あれは何だろう? 聞いたことのないリズムだ。でも、体が反応する。どこか懐かしい。あの音の源に行きたい。あのリズムに合わせて、自由に体を動かしてみたい。それはもしかしたら、自分の深いところから湧き出す、いのちのリズム。青い太陽と漆黒の月が巡る、新しくて古い、記憶の奥底から響いてくる鼓動。。。

今、自分が従っているメロディは、リズムは、主題は、果たして本当に自分に合っているんだろうか? でも...だからといって今、行進を離れたりしたら。きっと後で厳しい処罰を受けるかもしれない。軍楽隊をクビになるかもしれない。それは怖い。それは困る。責められたくない。これ以上傷付きたくない。そんなことをあれこれ思い、迷いながら行進する「わたし」。けれど一度「あの音色」を聞いてしまった「わたし」は、自分にフィットしているとは言えない曲の演奏に集中出来るでしょうか? 「異なる何か」を告げるそのリズムは、軍楽隊が無事行進を終えた後もきっと、わたし達のこころの奥深くから聞こえ続けるのではないでしょうか。 


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        では蠍座最後の4度数(26°~29°台)とは何でしょうか? そこから放射されるエネルギーの特徴を締めくくりとして挙げてみますね。過去記事で触れたことがあるので、何となく覚えているひともいるかも?


  今回の新月が宿る位置は、ちょうど蠍座の鋏の部分にあたります。恒星研究家ダイアナ・K・ローゼンバーグによると、これらの度数はケンタウルス座αB、別名ブングラと呼ばれる星に代表される領域です。彼女の研究では、この領域は勇猛果敢な英雄を空に映したヘルクレス座、半人半馬のケンタウルス座、それに蠍座を支配する火星と冥王星の特質を加えたエネルギーを持っています。その特質とは、非常に強烈で、ひとたび攻撃に転じれば嬉々として標的を襲い、情熱的な感情を持って冒険に胸を躍らす...そんな姿。また、自分で設定したゴールに対してはリスクをいとわず確固とした粘り強さを持つと言われます。

けれどもこの力が過剰に働く時は、過酷さや容赦の無さ、妄想、そして絶対論的な態度を生み出します。そして自分が欲した 結果を引き寄せるためなら、どんな事でも構わずやってのけるという苛烈な性質が顕れることも。これは抜け目の無い操縦者やプロパガンダの巧者を生み出します。また、最善の表れをするときは独創的な言語表現を生み出せるけれど、同じエネルギーを自分本位に使えば「既存の言葉の意味」にわざと誤った解釈を加え、聞いたり読んだりするひと達を巧みに誘導して有利に運ぶことに長けるとも。  これって、近頃流行りの「フェイクニュース」や「オルタナティブ・ファクト」を思い出しますね。。

その一方、この領域の影響を受ける人は観察力に秀でており、詳細を語る細部をけっして見逃さず、耳にしたことを巧みに物語る才能を持つと言われています。この力は優れた詩人や小説家、劇作家、コメディアンや俳優、 漫画家、批評家、天文学者やアストロロジャーなどを輩出するとされますが、確かにどれも「ことば」が持つポジ・ネガあらゆる側面を巧みに操る職種と言えるでしょう。また、実際の職業がどんなものであれ、ライターとしての一面を持つようになるとも言われています。

うーん、やはりなかなか強烈なものがありそうですね。この種の激しさを持つエネルギーをがっちり受け止めていくには、けっこう逞しいこころの力が要るかもしれません。


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        さぁもう今年もあと1ヶ月とちょっと。立ち止まる暇さえないかもしれないわたし達の日常で。。  それでも「ちょっと待った!」と語りかけているようなこの新月をどう過ごしましょう? この新月期は、満月の星回りも含めてなかなかクセ者揃いのアスペクトが揃っています。すでにシャドウ・フェーズに入った水星は、満月の1日前から逆行開始。逆行コースとなる射手座29°〜13°は、ちょうど土星を中心としたステリウムが在泊する位置でストーム・フェーズを迎えます。 そこから先は今、あらゆる感情の起伏を刺激し、迷いを生じさせる道になっています。それは「身悶えするような探求の意志を貫くか、妥協に妥協を重ねた逃げの一手を打つか」という問いが埋め込まれた道でもあります。

なので、浅い思考や記憶にある知識だけをナビにバックしようとしても、轍に足を取られがちかも。。 今回はこれまでの自分の来し方をふり返りながら、体ごと感じ、自分のいのちの原動力に響く何かを見出していく...そんな逆行期になるのかもしれません。

自分という存在の内側に拡がる広大な宇宙にひととき野営してみる。深く潜行しながら、出来るかぎりのユーモアと静かな優しさを、忘れずポケットに詰め込んで。テントを張り終えて寝そべり、眺める大空。遠く聞こえる太鼓のリズム。そこに見るのは鏡か宙か? この言わば調整の新月期に…そんな壮大な遊びが出来たらいいな....。


albert-bierstadt




have a great trek!!!★

hiyoka(^_^


hiyoka_blue at 01:20|PermalinkComments(5)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

November 12, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント11/13【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム 2017年11月13日(フリー版より)

翻訳:hiyoka     
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自 身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧でき ますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。(翻訳者はこの記事をエッセイに近 いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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【お知らせ】
今週のコラムは≪短期ジオコズミクス≫のみの掲載とさせていただきます。
なお、来週のコラムはお休みさせていただきます。m(_"_)m



≪ 短期ジオコズミクス ≫

        私達は11月11日〜22日、いくつかの重要なジオコズミック・サインを含んだもう一つの重要な時間帯に入る。最初に待ち受けるジオコズミック・サインは、45年サイクルの土星・天王星ウェイニングトラインで、3回目の形成となる。以前、私はこれが2016年12月に始まった全3回の形成で最後になると言った。テクニカルにはそれが正しい。しかし、購読者のロバート・Wが指摘するように、このアスペクトは2018年8月に正確な度数からオーブ14分以内に再び戻って来る。したがって、この週末に起きる3回目の形成でそれが終わったとは言えない。

これは重要なポイントかもしれない。何故なら、このアスペクトの過去4回の事例では株式市場が史上最高値をつけ、その後に強力な弱気相場が続いたからだ。こうした状況が今起きつつあるのか、それとも来年夏まで現況が続くのか、どちらの可能性もあるということだ。要するに、このアスペクトの最初の形成から最後の形成までに高値をつけやすいのだが、それが今や2016年12月から2018年8月までと考えられるのだ。また、土星はダウ工業平均に属するような製造業株を支配し、天王星はナスダックのようなテクノロジー関連株を支配する。その両方が先週は市場新高値をつけたことも興味深い。

        今週は金星が木星にコンジャンクトし(11月13日)、海王星にトラインを形成する(11月16日)。これは来たるべき木星・海王星トライン(12月2日)の前兆となる、金星による「トランスレーション」だ。だからこれは木星と海王星が生み出す楽観、そして多幸症を強調する。ちょうど10月26日〜11月3日に太陽が木星と海王星をトランスレートした時と非常によく似た状況だ。木星・海王星への太陽によるトランスレーションが強気だったことを考慮すれば、金星が市場動向において似たような影響を及ぼすと推定するのはたやすいことだ。しかしここにサイクル研究を併せれば異なる視野も見えてくる。何故ならサイクルはその時点でハーフ・プライマリーサイクルの安値をつける可能性を示唆しているからだ。詰まるところ、私達はジオコズミック・サインを「リバーサルが起きるタイミング」として見ており、必ずしも高値または安値を決定付けるものとは見ない — 単にリバーサルを指すものだ。

        11月19日に火星が冥王星にスクエアを形成し、海王星が11月22日に滞留から順行に転じることでこの時間帯は終了する。 これらのジオコズミック・サインはマンデーン・アストロロジー研究の観点を通して誰もがイメージ出来るように 、その力学においてほとんど正反対だ。火星・冥王星スクエアは強烈で苛酷だ。これは危険な状況を生み出す可能性がある。火星の攻撃性が、物事を終わらせたい(事象にとどめを刺したい)という冥王星の衝動と合体しようとしてぶつかり合うからだ。これは時に暴力として顕現するし、テロ攻撃や自然災害の形をとって多くの生命を脅かすような危機的状況としても顕れる。だが一方で海王星はといえば、優しく平和的で、受動性や時には降伏や権利放棄、明け渡しの精神を示す。緊張や敵対的な態度に少しでも通じるような雰囲気を創り出さないようにと願う。これはもしかすると人命を脅かす洪水と関連するのかもしれない。海王星は大量の降雨や高潮を支配するからだ。また、原油流出、あるいは毒ガスが放出されるような事故とも関連する。  







訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:57|PermalinkComments(0)金融アストロロジー 

November 05, 2017

レイモンド・メリマン 週間コメント11/6【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム 2017年11月6日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自 身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧でき ますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、和訳購読者版の申し込み受付もされていますので、そちらもぜひご覧ください。(なお、翻訳者はこの記事をファイナンシャル及びマンデーン・アストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。)
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≪ 先週をふり返って ≫

今週もこのパートは割愛させていただきます。m(_"_)m


≪ 短期ジオコズミクス ≫

        『もし(パウエル氏が)任期を終えて立ち去る時点でFRBが大々的に組織し直されていたら驚きだろう』。2015年までフィラデルフィア中央銀行総裁を務め、パウエル氏と近かったチャールズ・ポスナーはこう語った。『彼はFRBを金融政策の改革と刷新に導いていくとは思えないが、それは彼が議長として相応しくないという意味ではない』

— Nick Timiraos and David Harrison
  Trump Fed Pick: Pragmatic, Low-Key
  Wall Street journal 2017年11月3日付


        “... 日蝕が彼のアセンダント・火星コンジャンクションに(そしてジャネット・イエレンのネイタルの太陽・月にも)触れている。...しかし、もう一つ大いにありそうな予測としては、ジャネット・イエレンの任期は今期限りではないかということだ”。

— 『フォーキャスト2017』
   レイモンド・メリマン 2016年11月執筆


        私達が先週目撃したのは、太陽による木星・海王星トラインのトランスレーションがもたらす株式世界の多幸症だけではなかった。金星が冥王星と天王星にカーディナルTスクエアを形成していたのだ。金星はお金と関連し、金融政策や通貨供給に影響する。そして冥王星と共に働く時は、中央銀行とその政策に生じる変化との関連性を持つ。先週、ドナルド・トランプは彼の最初の任期中に現FRB議長を再任命しなかったが、これは過去30年以上の歴代大統領で初めてのことだ。パウエル氏は1953年2月4日ワシントンD.C.生まれ(出生時間不明)だが、これを見れば何故トランプ氏がパウエル氏に好感を持つのかを理解するのは容易だ。パウエルのネイタルの月は天秤座の中間部に在泊するが、これはトランプのネイタルの木星上にあると言っていいほど近い。そしてトランプの太陽にはトラインだ。実際、水瓶座中盤度数に在泊するパウエルの太陽は、トランプが持つ太陽・天王星から木星へのトラインとはグランドトラインを形成する。つまり彼らはアストロロジー上の「家族」というわけだ。

しかしながらここで最も興味深いのは、天秤座に在泊するパウエルの月・海王星・土星コンジャンクションと、トランプが持つ蟹座の金星・土星コンジャンクションに対してトランシットの冥王星がTスクエアを形成し、このうちトランプの金星・土星にはオポジションとなる2019年〜2020年だ。この両者は互いにどう対応するだろう。 まず当事者が非常にフレキシブルで、変化する状況に素早く順応する意志を持たない限り、冥王星は負債と安全が脅かされる状況を支配する。FRBは今後重大な転換期を迎えるだろう。そして、この二人のうちどちらか、または両者ともに相手によって卑劣に貶められたと感じるか、あるいは自分達のコントロールを超えた外的状況の圧力によって攻撃されたと感じる可能性がある。

        今後2週間を見渡してみれば、11月13日〜16日にはまたもう一つの木星・海王星トランスレーションがやって来る。金星がこの2惑星間のトラインに参加するのだ。この取り合わせは原油と、おそらくは株式にも関連性を持つ。この期間は12月最初の週に起きる木星・海王星の正確なトライン形成の兆しを示し続けるだろう。11月19日〜12月1日には火星もまた冥王星と天王星に対するカーディナルTスクエアを形成していくことから、その感覚はまるで並行宇宙の現実を体験するようなものだろう。一方では大いなる経済楽観主義を謳歌し、同時にもう一方ではテロリズムや自然災害の脅威に対する高度の警戒態勢に入るといった具合だ。

また、11月7日火曜日に金星が天秤座の旅を終えることにも注目したい。天秤座と金星は、貴金属におけるサイクル安値と相関する星座宮/惑星だ。天秤座に在泊する時の金星は強くてポジティブ志向だ。つまり株価は反騰し、貴金属は下落する。さて、こうしたトレンドが12月初旬まで続く次の木星関連トランシットの下で続いていくのか、それとも金星が天秤座を離れることによって転換するのかを見ていこう。



≪ 長期的考察 ≫

        “『法人企業は大幅な減税措置を受けるが、その対価は米国内の不動産によって支払われるのだ』全米住宅産業協会会長ジェリー・ハワードはこう指摘する。『経済において誰が勝者で誰が敗者かを選ぼうなどとは思っていない..いつも共和党はそう言う。だが彼らは明らかに小規模企業より大企業を勝ち組に選んでいるし、米国の中間層よりも富裕層を選んでいる』”

— Laula Kosisto, Christina Rexrode, and Chris Kirkham
  “Tax Plan Cuts Incentives to Homeowners” 
  Wall Street Journal 2017年11月3日付


        今、木星は蠍座に入って約1年を過ごすべく運行中だ。木星は「希望」に関連し、蠍座は「税金と負債」を支配するところから、これは米国における税制改革への期待との相関性を持っている。だが木星は実際に取引をまとめられるのか? 私にはそれほどの確信がない。 その理由の一つに、この税制改革法案は米国中間所得層への恩恵になると喧伝されていたが、私自身がその詳細を調べた限りでは、どうも中間層にとって何かがそれほど変わるようには見えないのだ。私の目にそれは、単に高くつく物事のために安上がりになる物事へとシフトするに過ぎないように見える。

真の勝者は企業であり、法人税率が35%から20%へと下がる。それは良いことだ。だが企業が海外から米国内に資金を移す時は — 5%の税金を上乗せすると? どういうことだ? 私にはこの税制改革に絡む、手品師が使うトリックのような誤魔化しが本当に理解出来ない。これではまるで、選挙運動中の公約だ。頼む、こんな偽物ではなく実物のマネーがどうなるかを見せてくれ! 3個のクルミの殻の下に隠れた豆の在りかを当てろと言わんばかりの単なるいかさまゲーム*ではなく、豆が真に存在する場所を見せてほしい。
* 原文shell game:シェルゲームは台の上に置いたナッツの殻3個のうちどれかの下に一粒の豆を起き、殻を右に左に滑らせて相手に豆が入った殻を当てさせる賭けゲーム。昔からインチキ賭博の代名詞にもなっている。

    人間活動のサイクルとジオコズミックとの相関性の研究において、真に平均的米国人の助けとなる実質的な税制改革に最も頻繁に相関してきたのは、土星・冥王星サイクルだ。このサイクルは2020年になるまで顕れない。つまり、そういうことだ。今現在、巷には税制改革にまつわる興奮が存在する。これは蠍座の木星に似つかわしい状況だ。しかしながら私は、それが宣伝されているようなものかどうかは疑わしいと思う。木星はまた誇張をも支配する惑星なのだ。

ところでファイナンシャル・アストロロジャーであれば、このシグナルに注目するだろう。トランシットの土星が今年の冬至に山羊座入りし、来年の大半にわたって米国の金星・木星コンジャンクションにオポジションを形成する。そしてFRBの太陽・冥王星オポジションの上にも乗るのだ。FRBは、9年間続けた金融刺激策から身を引くことにより、経済の流動性を枯渇させていく。米国は、中央銀行が進めていく経済流動性の喪失(と共にホワイトハウスによる "低湿地" からの "排水")とのバランスを取るために、消費者のポケットにもっと多くのお金を注ぎ込むような、真の税制改革を行う必要がある。この「脱水」(冥王星)作業が成功するのは、銀行と政治指導者達が適切な時期に巧みにパズルのピースをはめ込むことが出来た時だけだ。もし出来なければ、2017年12月から2018年8月の間に「良い時期」は変化し始める可能性がある。






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:55|PermalinkComments(4)金融アストロロジー 

November 03, 2017

●11/4の満月 ― みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    満月は前回の新月のテーマが熟し、花開くときです。 この日は太陽と月が、地球を挟んでちょうど反対側にやってきます。0°の新月から始まった地球全体への課題は、満月で180° 対向のエネルギー同士がぶつかりあい補いあうことにより、輝く満月というひとつの「結果」を見せてくれます。それは、わたし達が空間から受け取ったエネルギーをどう昇華し、現実に表現してきたのかを、あらためて見せてくれる「鏡」だと言えるかもしれません。なので満月のテーマは新月の瞬間から色濃く育っていくとも言えるでしょう。そして わたし達はみな満月を超えて、次の新月までにその経験を消化(昇華)し、エネルギーはゆっくりと静まっていきます。 さぁ、今回はどんな風景が見えるでしょうか? では今月も行ってみます。(^_-)~☆
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★満月タイムスケジュール★
エネルギーが高まる時です。ヒーリング・メディテーションや祈りを捧げたい方は、もし可能ならこの時間帯(ずれるなら満月前がベター)に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じられると思います。

【地方平均太陽時:ソーラータイム(LMT)】
東京・関東ローカルで11月4日14:41前後、北海道周辺で14:47前後、関西方面は14:22頃(日本標準時の場合はこの時間)、沖縄周辺で13:53前後に牡牛座11°58'で満月となります。

今回のテーマのベースであり、今も背景で発効し続ける新月の大テーマについてはココをご覧ください。
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サビアン・シンボルによる【満月がもたらすテーマと挑戦】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた言葉をそのまま書き写したオリジナル版サビアン・シンボルを使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考に、アスペクトを加味して書き下ろしています。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【月 牡牛座11°~12° + 太陽 蠍座11°~12°】
   "A woman sprinkling flowers" +
   "A drowning man rescued"
『花に水を撒く女』+
 『溺れて救助された男』

   "An embassy ball" +
   "Window shoppers"
『大使館の舞踏会』+
  『ウィンドウショッピングをする人々』

【テーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)テーマ発効期~11/17】
※ひとによっては数日前から前倒しで感じられるかもしれません。

→★相手を生かす「情」と蝕む「情」の違いを知っておく必要
→★ほんのささやかな触れあいが大きな影響力を保つ可能性
→★「強者」と「弱者」という区別に潜在する思い込みの弊害
→★徹底的な落ち込みや力の欠乏に達して初めて生に潜む深い永遠性を知る
→★溺れる者が掴む藁の意外な強靱さと藁だけが浮き上がるという事実
→★自分には制御不可能な力によって流されていくような感覚
→★環境、階層、生い立ちなどの違いで見える世界が異なるという不可視の隔壁
→★自分が属する集団、共同体の規範から逃れられないという束縛感
           または 自ら規範に同化することで安全を確保する
→★ただナイーブに挑んでもけっして破れない「ガラスの天井」を見る
→★透明な壁に隔てられることによってどちらの側も護られるという現実
→★自分が持つ権利にふさわしい責任を果たす、または問われる状況
→★手に入らないものや世界への欲望をイマジネーションの世界で満たす
→★眼に見える美の揺るぎなさとその影に隠された凄まじい闘争を知る
→★デリケートな物事を円滑に進めるための儀式を構成する「嘘」の効用
→★この社会を生きるために自分がどんな「顔」を使ってきたかをふり返る
→★厳しい関係や環境の中に感じる一瞬の優しさが全てを変える可能性
→★いろいろな重荷を引き受けて なお静かに笑えることの幸せ
→★自分がこの先どんな音色に合わせて踊るのか、進むのかを熟慮する・・・→


エネルギーのポイント:前回の新月『新局面を象徴する新たな指標を見る』
            ↓
            満月『精神的な目標と赤裸々な社会生活との摺り合わせ』 


171104FM


★満月図でちょっと気になる惑星アスペクトすこし★

金星・天王星オポジション +
 土星&イクシオン・小惑星リリス&カオスのオポジションで
 ミスティックレクタングルを形成

 ・予感、鋭いインスピレーション。先々の大きな可能性を整理していく
 ・強く惹かれるこころと反発するこころ
 ・自分を抑圧する相手とみなした者に対する徹底的抵抗と自己の内部にわだかまる
   自己否定が表裏一体に投影されると精神的混乱に繋がる可能性
 ・モラルを超えて手段を選ばないタイプのアウトローなやり方に惹かれる
 ・以上が内面。けれど外面ではバランスと調和を保つことに腐心し有能に見える傾向


土星・イクシオン・フォルス・ルシファー・カイロン・カオス・リリスのTスクエア
 木星・アマゾーン・ヒュロノメ・アグニ・ファナティカ・ネッソスのスモールトライアングル

 ・カルマの支払いどき。
 ・哀しみや怒り、こころの傷を昇華するために糾弾の声をあげる
  一時的に燃える熱狂の渦
  (ヒュロノメとアマゾーンが絡むので女性の怒り、またはフェミニスト
   運動的な要素も)
 ・衝動を抑え穏やかで交渉力に長けた方法を取る場合も引き時が肝心


天王星・海王星(と小惑星ラケシス)がセミスクエア

 ・精神と体の両面で、健康を損なったり現状の回復予定を遅らせる
  突然の出来事や行為、刺激に注意。やり過ぎによる判断力低下に注意。
  心身を休める必要


月・太陽のオポジションを海王星(と小惑星ラケシス)が調停

 ・高い精神性(あるいは隠し持った意図)を通して身の回りや世の中の出来事を
  厳しく見つめ洞察する。直観や予見


ニッポニアとエリスから火星に変形YOD

 ・非常に複雑で燃え上がりやすい問題に対し硬軟取り混ぜてデリケートな
  対応が必要な状況 憎しみを武器にすればやがて自分に跳ね返る

フォルス・ルシファーがコンジャンクトして銀河中心の位置
 月とセレスからクァドリフォーム

 ・ポジ、ネガ両方の感情や緊張の高まりが突然新しい視野をひらく可能性
  (暗くても明るくても、宇宙からのカツが入る感じなので受け入れるといいかも)


ASCにボラシシ、DCにクルースンが乗る

 ・ひとそれぞれに自分が見たいものだけを見る、信じたいものだけを信じて
  行動する状況
 ・血の絆、家系や血統(または民族性)、部族性、霊統(または人生観・
  世界観の共通項)などが持つ結び付きの強さ、または再会の歓び


(その他注目日)
11月7日:金星が蠍座に入居
11月11日 18:44頃:土星・天王星3回目のウェイニングトライン
       射手座・牡羊座25°台
11月13日:蠍座 7°台で金星・木星コンジャンクト
 11月14日:水星・海王星スクエア 射手座・魚座11°台
11月15日:水星が逆行のシャドウフェーズに入る
11月18日 20:42頃:新月!蠍座26°19'
11月19日 21:15頃:火星・冥王星(とアグニ)スクエア
          天秤座・山羊座17°台
       (この日前後は攻撃的エネルギーや事故に要注意)



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        昼間と夜の寒暖差が少しずつ厳しくなって11月、深まる秋。きっともう少ししたら、窓を開けると急に冷たい冬の匂いのする風が入ってくるんだろうな...。などと思いながら、例年の引き籠もり生活の中、ハロウィーンも過ぎていきました。

        そしてあっという間に牡牛座の満月。この満月はどちらかというと「社会の一員として生きていく」上で経験する、様々なこころの深淵を覗くような雰囲気があります。確かに世の中を見渡せば、前回の新月から本当にいろいろなことが起きています。超大型台風21号の被害はニュースを見る限り7人の犠牲者を出し、被害総額は100億円超えに。。そして矢継ぎ早にやってきた台風22号は激しい雨を降らせ、各地で土砂崩れの被害がありました。新月図では火と水の要素が強調されていたけれど、やはり火事や火に関わる事故のニュースも多かったようです。満月期も引き続き火気には注意したいと思います。


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  そして22日には衆院解散総選挙が行われ、与党が安定多数を獲得しました。前々日だった10月20日の新月は、ドラスティックな変化を望む天王星とオポジションの緊張関係。そして投票日当日の太陽は『失望した大観衆』を基盤として、そこから『唱う天の聖歌隊』というシンボルが示すエネルギーを取っていく流れでした。

なのでこの結果は、集合離散と糾弾のみを繰り返し、戦後の理想主義的感覚の維持を教義とする旧態依然とした野党に対する一般人の失望感が反映されているように思えます。また、第98代内閣総理大臣選出発表時のイベントチャートは、ASCが牡羊座0°、MCが山羊座0°のエリーズポイントに来ており、国民を表す月は選出発表図のASCにコンジャンクト。選挙を支配する5室の支配星も同じく月であることから、この結果は大方の民意の表れと見なすことが出来ます。その後マスコミ各社が最新の内閣支持率が発表されているけれど、魚座の海王星が強く働いて霧を吐き続ける今の世界では、どこの国の「世論調査」もその数字は信じたいひとのもの(満月のASCに乗るTNOボラシシ)。たぶん、あてにならないでしょう。

けれどもしかしたら... 日本という国の集合意識の深層には... 社会・経済の向上安定を希求するだけではなく「日本とは何なのか?」「平和とは何か?」という命題について、戦後70年の間に蓄積してきたねじれや歪みの本質を再評価し、変えるべき部分があれば変えたいという願いが頭をもたげつつあるのかもしれません。こうした潜在意識を受けての選挙結果だと仮定すれば、憲法改正問題など、変化をもたらそうとしているひと達は圧倒的に与党側に多いし、変化を断固阻止しようとしているのはおしなべて左派の野党側に見られることに整合性が感じられます。これは日本という国にとって、天王星・冥王星スクエアを筆頭に2020年過ぎまで続くカーディナル・クライマックスの大命題のひとつだと言えそうです。


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  もちろんこの問題は根が深く、そうすんなり行くとは思えません。他に問題は沢山あるし、これからも予想外のことが起きるでしょう。与党も一枚岩ではないし、いずれにしても前途多難。 ただ、1952年に国としての主権を回復する前年の1951年、米国のマッカーサー元帥によって「まだ民主主義国家としては日が浅く12歳程度の少年に過ぎない」と評された日本...。 それ以来、まるで「少年法」の庇護と束縛と目隠しの下で育ってきた感もある日本が、今後成熟した大人の責任を担い、民主主義国家として自立していこうとするのか? それとも「少年の純粋さ」の価値を世界に認められ、それが激化する世界情勢に平和をもたらす(あるいは背を向けて火の粉を被らずに済む)と信じ続けていけるか? そんな選択に迫られる場面がこの先に待っている可能性はあると思います。 いずれにしても変化の潮流はやって来るし、変わろうとすれば、痛みが伴います。おそらくは内的にも、外的にも。けれど変化を拒めば拒むほど、様々な形を通して危機が訪れ、どういう形にせよ強制的に成長させられるのかもしれません。 ならば、どんなことがあろうともただ座して待つ。流れが来たらただ何も言わず、それに巻かれていく。したたかに。そういう "行き方" だって、きっとありなのかも...。


  日本の戦後始原図(主権回復図)の頂点、MCには海王星が乗っています。今、山羊座の冥王星はオーブ2°で海王星の「曖昧な夢」にスクエアを形成し、揺さぶりをかけています。そして年が明けて2018年1月の月蝕~2月の日蝕前後には正確なスクエアとなります。その後も逆行を挟んで来年夏の日蝕あたり、そして秋にも再び。。 山羊座の冥王星は、成長のための破壊を意味します。今年の冬至に山羊座入りする土星もまた、戦後始原図の土星にワクシングスクエアを形成し、生みの苦しみを超え大人として責任を果たすようプレッシャーをかけてきます。 もしこれが自分自身の人生なら、わたし達はいったいどうするだろう? 怖れずに変化を受け入れ、熟慮の上でより良い道を創造出来るだろうか? 海王星が最善のサバイバルを果たし、成熟するにはどうしたら? ... 星々を見ながらそんなことを考えさせられる選挙結果でした。


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  一方、ハロウィーンの10月31日には、神奈川県の座間市で短期間に少なくとも9人の犠牲者を出した凄惨な殺人事件が発覚し、容疑者が逮捕されました。同じ日、ニューヨークのマンハッタン南部でISIS信奉者によるトラックを使ったテロ事件が起き、8人が犠牲となり重症者11人のうち4人が危険な状態にあるといいます。犯人は2010年にウズベキスタンから米国にやってきた合法的永住者でした。この事件を受けて「ロシア疑惑」と「魔女狩り疑惑」の渦中にあるトランプ大統領からは、これまで年間5万件の永住ビザを発行してきた「移民多様化プログラム」(グリーンカード抽選プログラム)をやめるべきだとの発言があったようで、これもまた論議を呼びそうです。(翌日の11月1日夜にはコロラド州デンバーのスーパーマーケットで銃乱射事件が起きています。)


この事件のイベントチャートは日にちも近いせいで、ちょうど今回の新月をくっきりと先取りするようなアスペクトが目立っていました。  そしてもう一つこのチャートで特徴的だったのは、今年8月22日に米国を横断する形で起きた強力な日蝕の位置、獅子座28°~29°台に「殺傷事件」の兆しとして小惑星遣いのアストロロジャー達が挙げていた星のひとつガンロッドが在泊し、スクエアとなる蠍座28°~29°台には「危機」を意味する小惑星ハザードとパンドラが、牡牛座の同位置にはやはり「殺傷、危険、車をぶっ飛ばす」ことを意味する小惑星ガン、そして小惑星イシス(ISIS)が在泊、オポジションとなる水瓶座の同位置にはケンタウルス族のイダルゴ(社会のバカげた決まり事やダブルスタンダードへの抵抗)が在泊してグランドスクエアを形成していたことです。

何か起きたときに、ピンポイントで事のありようを示唆してくる小惑星にはいつも驚かされますが、今回の事件ではそれ以上に「蝕」が起きた位置の意味とその強力さを感じます。そういえば、座間市の事件現場となったアパートに容疑者が引っ越してきたのも8月22日、蝕の当日でした。 この日蝕が起きてからまだ2ヶ月と少し。少なくとも来年春くらいまでは、その影響力を維持すると見ておいたほうが良いかもしれません。(もし初めて来てくれたひとがいたら、上記のリンクから日蝕時の星読みを見てもらえると、もしかしたら何かしら参考になることがあるかもしれません。)


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        またその一方で、難民問題で大きく揺れるヨーロッパからは、スペインのカタルーニャ州独立問題に絡んで亡命も噂される前首相プチデモン氏に国家反逆罪や煽動罪の適用が検討されているというニュース。 余談ですが、少し前に日本を訪れたイタリア人の友人に「財政問題と難民問題で大変なのでは?」と聞いたら…『イタリアはブラックマネーの国だから全然大丈夫。政府もみんなそう。何か起きてもみんな根っこは極道だから ♪』という答が返ってきて『えぇぇぇぇ〜?』なんてことがありました。もちろん彼自身はマフィアでも何でもなく、ミラノのビジネスマンなのだけど。。 ただ、そのことばが冗談混じりだとしても、南欧、アフリカ、中東に囲まれた地中海にせり出し、古代から複雑な歴史のただ中にあり続け今も生きるひと達の現実感覚って、いろいろと鍛えられてるんだろうなぁ... なんて思ったのでした。


        さて、北朝鮮が追加の核実験を行うかどうかが取り沙汰される中、満月後の11月5日からは米国トランプ大統領のアジア歴訪(日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピン)が始まります。そんな中、CNBCは defencenews.com の記事を引き合いに、中国がグァム島に爆撃機を飛ばして島そのものに対する爆撃訓練を行い、ハワイ近くまで接近したという米軍オフィシャルの報告記事を掲載していました。その記事には『...また、中国による日本の防空識別圏の侵犯に対し、自衛隊は過去1年のうちに900回ものスクランブルをかける事態になっており、こうした行動は近年エスカレートする一方だ。中国は日本ばかりでなく米国の防空識別圏をも試す行動に出ていて、米軍機が中国軍機にインターセプトされることもしばしば起きている。米国は南シナ海だけでなく東シナ海から太平洋にも手を伸ばす中国の挑発行為への対応を長期的懸念として非常に憂慮し...etc.』とあります。

こういうニュースは日本ではあまり報道されないみたいだけれど。。 他にも沢山の要素が複雑に絡み合う国益と国益の闘いの中で、この米国大統領のアジア訪問がこの先どんな現実に繋がるのか? きっとわたし達がその全貌を知ることは不可能でしょう。 けれど新月、満月、そして次の新月期と、各ルネーションのテーマをじっくり追いつつ。わたし達の個人生活と互いに交差し、オーバーラップしながら展開していく世界のありようを感じてみるのも(たまには?)いいんじゃないかな。


        と、なんだか出だしから社会的なことばかりになってしまったけれど... 。この時期は結局のところ、周囲や社会に自分を投影し、跳ね返ってくる木霊 — 自分自身の声音 — にじっと耳を澄ます...... そんな感じになるのかもしれません。


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★11月満月のサビアン・シンボル★

        では早速いってみましょう。

  まず月が基盤として取るエネルギーは、牡牛座11°『花に水を撒く女』です。庭の花壇か、それともベランダを美しく飾る鉢植えでしょうか。大好きな花が綺麗に可愛く咲きますように...と愛情をこめて水を撒く女のひと。振りかけるとか撒くという行為を指す原語の「sprinkle」には、「ごく少量の」という意味が含まれています。ということは、これは花の鉢かな? 鉢植えって、良かれと思って水をやり過ぎると根腐れを起こして枯れてしまうことがあります。表面の土の色や葉っぱの様子を見て、適度な水やりをしないといけません。でもデリケートな花だと、適切な水の量って花の種類により、季節や気温により、様々に変わってきます。

素敵な鉢を選び、土を盛り、種も蒔き終わった。彼女が待ち望むのは、「わたしの窓辺」を飾る大輪の花たち。色とりどりの花たちは、彼女にとって、きっと春を迎えたひとときを咲き誇る、いのちの象徴なのかもしれません。花も「わたし」も... 同じ大地に生きるものだから。早くその日が来ますように。咲いたらその美の絶頂が長持ちしますように。。 ならばあとは、鉢の中に眠る「可能性」の種子に どれだけ注意を払って水やりを続けられるかにかかっています。根っこが水に溺れたりしないように。窒息してしまわないように。けど、カチカチに渇いて干からびてしまってもいけない。その鉢に咲く花の命運を握るのは、もう大自然ではありません。それは、花を夢見て育てる彼女。そのこころと手... そしてその手から与えられる少量の水なのです。じゃ、いつその手を差し伸べ、どんな時に控えたらいいだろう? 彼女はその微妙なさじ加減を知っているでしょうか? 根っこや双葉の声をよく聞き、上手に成長を助けていけるかな? 水をやりすぎて枯らしてしまったり... しないかな? 


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        じゃ、太陽は何を言っているでしょう? 月に光を与える太陽の基盤度数は蠍座11°『溺れて救助された男』です。これは台風やハリケーンで洪水に呑み込まれたひとなのか...それとも船が沈没してしまったのでしょうか? 

自分ではどうすることも出来ない強大な自然の力に翻弄されて、絶体絶命のところを助けられたひと。。  原語の「drowning」という表現は、ほとんどの場合「死に至る」という含みがあるようです。またB.ボヴィによれば「drowning」は海や湖、または酒浸り、そして通常の用法なら「飲む」という行為を指す「drink」に由来することばで、「混乱する」という意味でも使われるそうです。うーん... するとこのシンボルの「溺れた男」はお酒を飲み過ぎたり何か精神的ショックを受けて、深刻な混乱状態に陥ったのかもしれません。深みから湧き起こる感情の水に押し流されて。 あるいは周囲から放射され注ぎ込まれる、激しい感情のバイブレーションに翻弄されて。。

溺れる男は必死です。藁でも小枝でも何でもいい、彼は手に触れるもの全てを掴もうとするけど、彼の重さに耐えられるものは何もありません。逆巻く波は彼を呑み込み、渦となって水底に運びます。

「もうダメだ...」彼は死を覚悟したでしょうか? 死の前には自分の人生が走馬灯のように蘇ると言うけれど、そのとき彼は何を見たでしょう。。 

でも次の瞬間、波はもう一度大きくうねります。何がどうなったのかわからないままに今度は波のてっぺんに運ばれ、見開いたその眼には雲一つない蒼空が飛び込んできました。そして、目の前に投げ込まれた浮き輪。「おーい!大丈夫か?今引き上げてやるぞ!」どこからか、力強い声が聞こえる....。溺れた男は自分が助けられたことを知ります。


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        彼の体験が水の事故ではなく、お酒に溺れて理性の蓋が吹っ飛び、さめざめ泣くとか怒って絡むとかだったとしても、側に誰か彼をよく知るひとがいれば「まぁまぁ...」なんて言って落ち着かせてくれるかもしれません。人事不省に陥った彼を、家まで送り届けてくれるかもしれません。でも、彼は自分がどんなことを言ったか、何を放射し、どんな行動を取ったか、そして誰が混濁の海から助けてくれたかを覚えているかな? 自分がそこまで泥酔した... 本当の理由を思い出せるかな? 

        ここは蠍座の深淵。「運命」と呼ばれる深淵を覗き込むところ。自分ではどうにもコントロール出来ない何かにぶつかってこころ乱れたとき、いったいどうするのか? お酒を飲んで、パッと騒いであぁスッキリ!となるにはちょっとだけ、水たまりが深すぎるかもしれません。 じゃ、しらふのまんま淵に落ち、激情の波にまかれて自分という底の底を覗き込むのか?  それは帰ってこれるかどうかもわからない、賭けのようなものなのに...。けれど水もまた、いのちを運ぶエネルギーです。やがてはそれがあなたを、いのち輝くところに押し上げてくれる。底を見たとき。満ちるとき。そのとき、誰かが投げた無私の浮き輪に気付くかもしれない。そして、もう一度暖かく燃える火のもとへ帰っていくのかもしれない。「底」の記憶を胸に、少しだけ強靱になって。可能性の種子を宿して。。


        牡牛座 — 蠍座11°に見られる月と太陽の対比には、もしかしたら人間関係に見られる「犠牲者」「迫害者」「救済者」という三角関係のパターン、または「共依存」と呼ばれるパターンが潜んでいるかもしれません。わたし達はこの三役を順番に演じることもあれば、一度に二役を演じることもあります。または、特定のひととの関わりでいつも同じ役割を演じるハメになることも。。 もしそういうことがあるとしたら、それはいったい何故起きるのか? 果たしてそのままで良いのか? この度数はそう問いかけているようにも思えます。


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        じゃ、月がとっていくメインの度数『大使館の舞踏会』を見てみましょう。この度数も、もう何年も前に一度経験しています。今回は当然、惑星アスペクトが違うけど。なので微妙に角度を変えつつ根本部分を踏襲...という感じで再掲載しますね。


        さて情景はガラッと変わって豪華なボール・ルーム。世界各国の超エリートや政治家、著名人とそのパートナー達が集う場です。みんなドレスコードにのっとって、きらびやかに着飾っています。上品な音楽が流れ、最高級の料理やお酒、そして上質な会話が交わされています。

このシンボルが降ろされた1920年代の舞踏会はどんなだったかな? きっと今よりずっと優雅だったかも? 今は権力者クラスのひと達も気軽に(ときには気軽過ぎるほど!)ツイートしたり画像を投稿したりするけれど、昔はきっと、もっと雲の上の存在だったはず。大使館の正式な舞踏会なんて、庶民には想像出来ない憧れの場だったかもしれません。(まぁ、今だってそうかもしれないのですが...)

当然、この舞踏会は単なるダンス・パーティではありません。大使館で開かれているということは、そこが公の場であり、激動する政治の裏舞台でもあることを示唆しています。世界の要人が集まり様々なテーマで開かれるサミットなんかでも、表舞台の会議場だけでなく、晩餐会や控え室など、表に見えないところでの折衝が実は重要な筋書きを創っていた、なんてことがあると聞きます。たぶん舞踏会というのは、完全な表舞台と全くの裏舞台の、中間的な位置を占めるものかもしれません。つまり、にこやかに楽しむ風を装いながらも、とてもデリケートな場。 各国大使にとっては緊張感漂う仕事の場であり、場合によっては国同士の力が絡む、暗黙の闘いの場にもなるでしょう。もしかしたら、秘密の別室では盗聴やスパイ行為も当然のように行われているかもしれません。


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        なので、ひとたびその場の整った雰囲気を乱すような事件が起きれば、悪くすると大きな国際問題にもなりかねません。うーん、たとえば政府要人の誰かがうっかりお酒を飲み過ぎてよろけ、高貴なレディのドレスの裾を踏んでステンと転ばせてしまったら… わたし達のパーティなら笑い話で済むけれど、世界のトップが集う舞踏会なら? 今ならすぐさま誰かがスマホで撮った画像をSNSに投稿し、それを各メディアが奪い合う…なんてことが起きそうだし、エレガントな昔の舞踏会でも、噂話に憶測や様々な尾ひれが付いて、世界中にニュースとなって広まるかもしれません。シャンパングラスから漏れた小さな一滴のしずくが、やがては社会の根幹をゆるがす大津波になっていく… 権力を持つひと達の集まりとは、そういうものではないでしょうか。

だからそこには、立ち居振る舞いについても暗黙の社交ルールが存在します。そこに集うエリート達は、それぞれの地位や立場に基づいて、自分の背後に連綿と繋がる目に見えぬ無数の人々に対する重い責任を負っています。 招待されたひと達はそれを熟知した上で、その規範から外れない範囲で、祖国に、自分の属する民族や集団に、または自分自身の立場に、利益を誘導するための駆け引きをしているように見えます。その利益には、自らの生命の安全がかかっている場合もありそうです。地位や階層に見合ったルールの中で、いかに上手く互いの力と利害を溶け合わせ、または奪い去ることが出来るか...。 今のわたし達が暮らしている社会構造を護りながら、その上でデリケートなパワーゲームをするには絶大な社交の力が問われるでしょう。それはまるで、仮面舞踏会。色とりどりの、にこやかな仮面。冷徹な仮面。そしてときには、道化師の仮面。


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        わたし達は今、世界のトップクラスのひと達が集まる会合をネットやテレビの映像でかいま見ることが出来ます。そこで起きてくる様々な出来事も漏れ伝わってきます。でも、そこでにこやかに交わされる会話の全容は知る由もありません。そこで何が本当に起きているのかを、その真実を、こちら側にいるわたし達が知ることはないでしょう。 ただ、ウィンドウショッピングをする時のように、目に付いた物事を褒めそやしたり手厳しく批判したりしながら、まるで映画のワンシーンみたいに、一瞬を楽しんで忘れていくのかもしれません。それは見るひとによって、ミステリーだったり刑事ドラマだったりコメディだったりするけれど、結局はひとときのエンターテインメント。 そこにはこちら側とあちら側を隔てる見えない壁が厳然と存在します。それは社会的階層の壁。だからわたし達は、いつかショウウィンドウのガラスを破り、飾ってある衣装や宝飾品を身につけ、あちら側に行ってみたいと夢みたりもします。太陽が位置する蠍座12°のシンボル『ウィンドウショッピングをする人々』のように。

けれど、あちら側の暗黙のルールもわきまえないまま、壁を破って飛び込んだらどうなるでしょう?  こちら側にいるときは華やかで楽しそうに見えたボールルームなのに、いざ参加してみたら、そこはいきなり思考形態さえ違う異世界。ひと皮剥けば、激しく火花が散る世界。キョロキョロしてたらすぐに怪しげなヤツ!とはじき出されるし、有頂天になればガラスの壁に突き当たります。 その場に溶け込もうと緊張しつつ頑張ったとしても、見えないところで背負わなくてはならない物事の重圧に気付いたとき、それに耐えられるかどうかはわかりません。美しいショウウィンドウの中は、熾烈な大人の戦場かもしれないのだから。


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  『 いやそんなことはないさ!どこに行っても自分は自分、ひとの事なんて関係ない。自分の思い通りにふるまうさ!』

…そう、牡羊座の天王星ならそう言うかも? でも、山羊座の冥王星は見逃さないでしょう。

  『 ここは君の遊び場ではない。 だが、本当に自分が正しいと思うなら、やってみるがいい。今まで社会を、君自身を支えてきた暗黙の社会構造を思いっきり壊してみろ。君はその後のことなど考えもしないし、自分がここに至るまで、自分が壊したものにどれだけ支えられてきたかも考えない。自分のしたことがどんな影響力を持つかなど、想像したことさえないだろう。 だが責任は負わせるぞ。私、山羊座の冥王星と、もうすぐ山羊座にやって来るコワモテの土星が君の軌道を挟んでいることを忘れるな!  さぁ、規制強化だ。コンプライアンスだ。無害な社会だ。 ところで君は、灰になる覚悟は出来ているのか?』 


        壁…。 壁があるとき、わたし達はそれを破りたいと思います。昔、ベルリンの壁が崩壊したように。こちら側とあちら側の人々が手を取り合うのを見たいと思います。 国境や宗教や信条の壁なんか無ければいいのに、と思います。そして、大好きなあのひととの間に立ちはだかる壁を壊して、共に溶け合いたいと願います。 その一方で、何か危険が迫ったときは、わたし達を護ってくれる壁が欲しいと願うのもわたし達です。戦火から護ってくれる壁。貧困や飢餓から守ってくれる壁。 今の自分を、生活のありようを、護ってくれる壁… わたし達が今まで暗黙の内に同意して築きあげた、社会構造という名の壁。 制度や文化という名の壁。

人間関係の中でも、わたし達は時々こんな風に思います…一度は心身ともに溶け合ってひとつになったはずのあのひと。でも、たまには自由が欲しい。ひとりきりの世界に籠もって息をつきたい。それに、自分だけの秘密も護りたい。壁が欲しい………。 わたし達は本当に壁を壊したいのでしょうか? それとも、今存在する壁を護りたいのでしょうか?


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        ここで問題になる「壁」は、そうそうわたし達に都合よく立ったり崩れたりはしてくれません。わたし達の自我は、壁が無ければ成り立たないからです。そして無数の自我の壁が寄り集まって、社会階層を構築する壁になっているからです。だから、どんなに世の中のシステムが変わったとしても、それを完全に壊してしまうことは…まだわたし達の意識レベルでは無理だと思います。今のわたし達がこの壁と付き合っていくには、スキルを必要とします。 それは「社交」という形式を取り、社会的に練成されてきた「儀式」。 儀式と言っても形式的なものではありません。それは、ひとときの間「壁」を通り抜ける「水のマジック」。存在する壁を透過して、こころを明け渡していく行為です。


自分や相手や周囲の中に暗黙の内に存在する、見えない壁を尊重していくこと。 尊重しながら、そっとそっと手を差し出し、相手の土壌に触れていくこと。 少量の適度な水を互いに与え合うこと。他者の力を奪い取るのではなく、相手の弱みを突くのではなく、寄りかかるのでもなく。正直に、自ら少しずつ溶け出していくこと。互いに変容していくプロセスを怖れないこと。でも、手を引くべきときはサッと引く。相手がそれを選択したと信じられるなら、ひととき溺れる自由を侵害しない。そして、自分の弱みを怖れたりしない。でも、いのちの力がそのひとを押し上げるなら、浮き輪を投げることを躊躇はしない。 こんな関係性を、単なる操縦行為やパワーゲームに陥らず、あきらめずに続けることが出来たなら......いつしか互いの堅固な壁が、自分の中の壁が、まったく新しい「何か」に置き換わっていくのかもしれません。


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        大使館の舞踏会でフロアの真ん中に立ち、その場に溶け込みながら、異なる仮面をつけた幾多の壁に囲まれ、そして自らもマナーという仮面をまといつつ、同時に誠実であり続ける。でも何に対して? 自分がここに生まれてきたことに対して。在るということの全てに対して。

あなたとわたし。あのひと達と、わたし。わたしとわたし。社会という名の人々の集まり…無数の見えない壁の集積を、もっとフレキシブルでより良いもの(あるいは何でもないもの)に変容させていく。わたし達に、それが出来るでしょうか? 怖れと拒否と称賛と力への欲望から這い出し、自分を律して真新しい視座から生まれるスキルを身に付けていくことが出来るでしょうか? 


        自分の未来に大輪の花を咲かせ、仮面舞踏会に天の音楽を奏でる。そう言うとなんだか大それた野望?って感じがするけれど。。 

激しく動き始めながらいつもと変わらない、世界の片隅で。 
揺るぎなくも見える、牡牛座の満月の下で。火と水の大地を踏みしめながら...
しばし、そんな夢に遊んでみるのも悪くない...かも?



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have a great trek!!!★

hiyoka(^_^

hiyoka_blue at 22:15|PermalinkComments(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー