December 2020

December 30, 2020

🌕12/30日の満月―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)


  12月15日に起きたエポックメイキングとも言える日蝕。そのシンボルは『入国する移民達』そして『家の扉の前に立つ青い鳥』でした。蝕のテーマは半年~長くて3年程度継続していきます。そしてこの新月・日蝕期(1月12日まで)のエネルギーが、装い新たなテーマとして結実を見せるのが12月30日午後の満月です。それに今回の満月もわずかにOOBで、軛の外れた馬のような、突発的な性質も秘めていそう...。そんなこんなで、この満月がもたらすテーマもまた、ひとつの底流として長期にわたりわたし達のこころの中に木霊し続けるかもしれません。

というわけで、記事のUPは15日の新月まで..と思っていたけど、やっぱり気になる大事な満月。シンボルのテーマだけでもあげておこうと思い立ちました。かなり深みのあるシンボルなので、すこしずつ、すこしずつ、時をかけてほぐすように味わってみたいテーマです。


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【月♋️蟹座8°〜9° — 太陽♑️ 山羊座8°~9°― 発効期:12/30~1/12 】

🌕“Rabbits dressed in clothes and on parade”
  『服を着てパレードするウサギ達』
 ☀️“Birds in the house singing happily”
   『家の中で幸せそうに歌う鳥達』
    
🌕“A tiny nude miss reaching in the water for a fish”
  『魚を求めて水中に手を伸ばす小さな裸の少女』
 ☀️“An angel carrying a harp”
   『ハープを運ぶ天使』

【満月のテーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
※ひとによっては数日前から前倒しで感じられると思います。
※シンボルは多くのテーマをはらんでいます。沢山の中からこころに引っかかるものがひとつでもあれば、それが鍵になるかもしれません。


極端な怖れや臆病さと虚勢を張る態度との鮮やかな対比に注意
面倒に直面してサッサと逃げるか過度にことばを並べ立てる傾向
自己表現、プライド、または仮面や保護としての衣服や装飾
「出る杭は打たれる」という現実に立ち向かうための繊細な配慮
美に対する天与の才能、または美への埋没や逃避
過剰な警戒心のせいでかえって反発を招いたり損失をこうむる危険
耳に心地良いメロディを聴くことでこころを慰める
現実的な制限の範囲内で自分のベストを尽くしていく
今の社会の現実と自らの立場を認識し、現状を受け入れようとする意志
パワフルな潜在的エネルギーの中に無邪気に入っていくという試練
奥深いメッセージと鋭く辛辣な棘の違いを識別する必要
過ぎ去ったことや失った機会をいつまでも引きずる危険
面倒なことをクドクド言ったり難癖をつけて執拗に責める傾向に注意
失敗や混乱、不首尾を覆い隠そうとする心理に注意
詩的で豊かな感性を活かすための空間や休息の時を持つ
しっかり掴んだものが真の幸運か足下をさらう嵐雲かを見極めていく
余計なことは考えず、今一番向かうべきところを目指す
心身ともに自分を整えて新たな挑戦に向かっていく…→


2013NMFM


🌕満月のベース・シンボル:
 蟹座8° 『服を着てパレードするウサギ達』


  新月・日蝕のテーマでは、わたし達は新大陸に辿り着いたばかりの「移民」であり、今にも巣立とうとする「ヒナ鳥」であり、「家の扉の前に立つ青い鳥」と対峙し、冷たい氷の上をおぼつかない足取りで「スケートする子供達」でした。ならばわたし達は、これから扉を開けて、それぞれの「冷たい外界」へと出ていくところなのかもしれません。

そんなわたし達に、この満月がまず投影してくるのは『服を着てパレードするウサギ達』。服を着た可愛らしいウサギって…ん、なんだか『ピーターラビット』みたい? そう、おそらくこのシンボルは1902年に英国で出版され大ヒットした物語、ビアトリクス・ポターの『ピーターラビットのおはなし』との関わりがある ― B.ボヴィも指摘していました。確かに、1925年にサビアン・シンボルを降ろしたエルシィ・ウィーラーが、ピーターラビットの物語やその挿絵を知っていた可能性は高いように思えます。


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  この物語はいたずら好きの子ウサギであるピーターが、マグレガーさんの畑で野菜を食べ荒らした結果、追いかけられて散々な目にあい、素敵なブルーの上着と靴をなくしてしまうというもの。確かその上着は畑のカカシが着ることになったような...。

  じゃ、このシンボルでパレードしているウサギ達は何を表しているのでしょう? この「ウサギ」は当然擬人化された存在です。そしてウサギは臆病で神経質な生きものとして有名です。そんなウサギが人間の服を着て、しかも目立つようにパレードしてるって? パレードとは人々に何かを示す(というより自らの存在を誇示する)行為なのに..?

  このウサギ達はきっと、みんな一緒に自分達の存在を誇示することが「安全」だと知っているか、少なくともそんなふうに思っているはずです。何故? 何故なら彼らは「人間の服」を着込んでいるから。服を着て歩くことが、人間社会に同化していることの証しとなり、安心して迎え入れてもらえるから。そして、ウサギだって社会の一員として尊重されるんだ...そう考えているから。彼らは畑になだれ込んで、野菜を根こそぎ食べてしまうような悪さをすることはないでしょう。だってそんなことをすれば、たちまちマグレガーさんに追いかけられて素敵な上着を奪われ、パイにされてしまうかもしれない。だから彼らは精一杯のお洒落をして行進しています。ピーターみたいに綺麗なブルーの上着、トレンディーで高価なシャツ... センスの良さが光るコーディネート! それに自分はひとりじゃない。みんながピカピカのカッコ良さでパレードしてるんだ。もしもインスタでバズったりしたら、万単位のひと達に自分を知ってもらえる。快く受け入れてもらえる。そうしたら、きっともう誰にも脅かされることなく安心してこの世界で生きられるのかもしれない…。


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  「装いが人を創る」ということばがあります。衣服は暑さ寒さをしのぎ、毛皮や分厚い外皮の代わりに表皮を護るためのもの。けれど、わたし達の社会においての衣服は「わたし」という「存在を飾るもの」または「付加価値をつけるもの」「自己表現とプライドの証し」「帰属性の証明(または露わにするもの)」そして「自分を覆い隠すもの」でもあります。そして、その場にふさわしい衣服を身に着けて人前に出ることは、積極的に順応していこうとする姿勢を見せること。「自分はけっして社会のはみ出し者ではなく、コミュニティに迷惑をかけるような存在ではないのだ」と示す行為です。見た目も、行為も、ことばも、外界と同化していくこと。たとえその内のいくばくかは本物で、残りは仮面に過ぎなかったとしても。形だけだったとしても。それはこの擬人化されたウサギ、つまりわたし達にとって、何よりも外界の危険から身を護り、安心と安全を得るために必要なことだから...。


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  こうした心理や行動は「内側」=自分の内面世界や源と感じるもの、家や家族、一族など、自分が帰属する全てを何よりも護り、その安全と安心感を大切にする、蟹座の本能の一側面だと思います。

一方、このテーマを補完する太陽側はどんな物事を示唆しているでしょう? 早速見てみましょう。


☀️月に光を送る太陽のベース・シンボル:
 山羊座8° 『幸せそうに歌う家の中の鳥達』


  太陽は山羊座8°のエネルギーを放射しています。このシンボルはかなりドメスティックな雰囲気を持っています。ここで幸せそうに歌っている鳥達も、元々の種は厳しい自然に適応し、自由に木々を飛び回る存在だったはず。本来なら彼らの「歌」は求愛であり、餌をねだるヒナの声であり、そして仲間に危険を知らせる警告の叫びです。そのどれもが、彼らが生きていく上で大きな意味を持っていました。けれどこのシンボルの鳥達は、家の中に置いてあるケージの中で、ただ幸せそうにさえずり、羽をつくろっています。餌を探す心配も要らないし、天敵に襲われる危険もありません。今家中に響き渡るのは、安泰だと感じているからこそ歌えるメロディなのだと思います。 


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  この新月~満月期、先行きの見えない世相に迫る予兆を前にして、自分なりの未来と大きな変化を予感したわたし達は、ちょっと怖くなるのかもしれません。まだ自分の現実には何も大きなことなど起きていない。何も顕在化してない。でも、感じる。何かがひたひたと迫って来るこの感じ。どうなるんだろう? …例えばそんな感じかな。ここにはある種の「臆病さ」が見え隠れしています。おそらくその臆病さは、外の世界では身を護るために絶対に必要な要素のひとつです。けれど、ただケージの中で身繕いにいそしみ、小さな幸せに満足していられるんだろうか?  このシンボルにはそんな問いかけがこめられているかもしれません。

わたし達は、何か大きな変化を前にすると怖じ気づきます。たとえそれが、自分がこころから望んだものだったとしても。そして、今居る場所の居心地の良さを離れたくないと思います。変わりたくない。外に出て痛い思いや冷たい風に当たりたくない。どこかでわかっているんです。


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  『世界は厳しい。一歩外に出れば、そこには血みどろの暴力的な世界、恐ろしい世界が拡がっているかもしれない』 世界を覆うコロナ禍の下では、そんな集合心理が生まれやすいかもしれません(わたし達が住む日本は、これでも世界に比べればまだ穏やかなほうではあるけれど..)。あるいは、『外では今まで自分が信じていた世界なんかたちまち消えて、否定したくなるような現実が待ってるんじゃないか?』『内々の穏やかな世界、自分だけの感覚世界に留まっていたほうがずっとマシだし、そんな中にいる自分が好きだ』『いつものやり方をしていれば、今まで創り上げてきた「自分」でいられる。周囲の皆もそう受け止めてくれるし、わざわざ動かなくたって済む』。だから… このままでいたい。 

  わたし達はカオスを怖れます。自分でコントロール出来ない状況を嫌います。だから、なるべくなら自分が支配出来る環境の中で、自分好みのコスプレを続けていたいと望みます。自撮りライトを当て、凹凸の飛んだ画像の中で、素敵な服を着て微笑む自分しか許せなくなります。けれど、もうわたし達を囲うケージは小さくなり過ぎました。このままでは、やがて身動きが取れなくなる。大きな変化がやってくるのは、そんなときなのだから。

もちろん、それは今日や明日じゃないかもしれない。けれど、多分、とても近い将来。 そう、どこかでわかってはいるんです。何かわからないものが、チクチクと刺激してくるから。けれどその反動として、心理的な「合理化」も起きてきます。わたし達は「現状」に留まるために、いろんな理屈を付けて先延ばしにすることが得意です。


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  いつかは大きな波がやってくる。そしたらわたし達は裸になって、ひとりひとり、その波の中に入っていかねばならない。生きるために。「わたし」であるために。勇気を持ってケージの扉を開け放ち、外に出なければならないときが来る。この満月に現れた臆病なウサギ達に精神の光を放射する太陽は、そんな変化への予兆と、それがもたらす戦慄、そして新たな旅へのいざないにどう応えるのか? どう適応していくのか? を問いかけています。さらに自分にとって「変化」とはいったい何なのか? 自分の何が変わるのか?という問いかけさえも。

  これが満月のベースとなるテーマです。ではメインのテーマはどうかな? 



🌕満月のメイン・シンボル:
 蟹座9°『魚を求めて水中に手をのばす小さな裸の少女』

  このシンボルも、前回の蝕とよく呼応するテーマが設定されているように思えます。このあたりのシンボルを集中して眺めてみると、やはり10°前後から中盤前後にかけての度数は、蟹座の原型がピークに達しようとしている様子がみてとれるからです。


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  何かが始まろうとしている。真新しい何かが。でもまだそれが最終的にどんなカタチになるのか、自分にも、誰にもはっきりしたことはわからない。けれど、終わるべきものはたとえ抵抗したとしても、強力な外圧のフォースによって取り除かれていく。それは溜まりに溜まった泥沼を攪拌し、わたし達に “カオス” をもたらす。そしてやがては余計なものが全てそぎ落とされ、静かな漆黒の闇の中から...その先の新たな美の音色が聞こえてくる。わたし達は、ただそれぞれの真実に向かって歩み始める。そんな、物語。 


     蟹座9°のシンボルに出てくる「裸の少女」は、無垢であることの象徴です。この無垢さは蟹座の本質。アストロロジャー、アリス・ミラーは 『カーディナル・サインの中で、人が人として真に誕生するのはこの蟹座である』と指摘していました。また、『生まれたままの無垢な本質を持ちながら、人間は母親の子宮を通じ、母親の胸のぬくもりを通して、彼女の抱える “満たされなかったニーズ” を滋養と共に吸収していくのだ』 とも語っています。蟹座の支配星である月は、アストロロジーにおいてはわたし達のパーソナリティを表します。けれど、わたし達が「自分」だと思いこんでいる「自分像」には、こうして物心のつかない幼少時に親、または環境からめいっぱい吸収し続けた「自分でないもの」もまた、多分に混在している可能性があります。


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  だからこそ、蟹座は対向する山羊座(ダイレクトに干渉しあう星座宮)の支配星・土星的なもの ― 「父なるもの」「社会的なるもの」「固いもの」「制限するもの」そして時には「鋭い角」や「立ちはだかる壁」に出会うことを運命づけられ、その経験を通してそれぞれに固有の「徴」が何であるかを身をもって理解していくこと、あるいは “研磨” されていくことになります。自分にとっての「本物の月」とは何かを識りぬくために...。

     日々感覚を研ぎ澄まし、他者の感情に揺らされ揉まれながら。それでもその中から余計なものをそぎ落としていく。内部に湧き起こる圧倒的な感覚の奔流によって。そしてやがて、自分本来の姿と価値に目覚めていく。この全てに同時進行で挑戦するよう設定されているのが蟹座であり、だからこそ蟹座に入った惑星は加速度的な成長を求められます(対向の山羊座も逆の意味で加速への圧力がかかるのですが)。


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  他者の感情を吸収しやすい性質から来る傷つきやすさ、そして気分の上下は蟹座の特徴でもありますが、それはこうした「加速化された成長」を促すための宇宙的仕掛けでもあると言えるでしょう。全てはそのひとを磨き、本来の「わたし」を研ぎ出すために与えられる試練なのかもしれません。この度数から1°進んだ蟹座10°のシンボル『加工途上のダイヤモンド』は、きっとこうした状況の本質を暗示しているのだと思います。

     けれど、無垢な少女が水の中で魚をつかまえようとするとき、水面は様々に光を反射して彼女を迷わせます。『本当にそこに魚はいるのかしら?』『つかまえた!』と思った。なのに手をひろげてみたら、そこには何もない。ただ水がこぼれ落ちるだけ...。きっと少女はこんな思いを何度もするかもしれません。特に魚座の海王星が月のノード軸とTスクエアを形成している今、目にすること、読むこと、聞くこと…あらゆる情報は乱反射し、歪んで伝わっていくと言っても過言ではないと思います。欲しいものに狙いを定めているつもりでも、本当は自分がいったい何を捕らえようとしているのかさえ、はっきりとはわかっていないかもしれません。


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  それでも。こころの、体の、奥底から沸きおこる「本来の何か」へ向かおうとする途轍もない衝動が、彼女を水の中へと進ませていきます。無防備であることを怖れることなく、繊細な神経を集中させて。たとえ幾度となく幻影に裏切られ、傷ついたとしても。その衝動も、その促しも、きっと留まることはないのだと思います。

では、ここでも太陽精神の放つ光が何を語っているか、見てみましょう。


☀️月に光を送る太陽のメイン・シンボル:
 山羊座9° 『ハープを運ぶ天使』


  これもまた、無垢で優しい感じのシンボルですね。おそらく「音」全般、またはこころに響くメロディやリズムに対する感性の鋭さを持っていたり、深遠なメッセージやインスピレーションを受け取るひともいるのではないでしょうか。でもここは山羊座。一筋縄ではいかないかも?

このシンボルは、崇高で限りなく清楚な使者 ― 天使が弦楽器を持ち運んでいる姿を描いています。「天使」とは、何かを「守護する」ために遣わされるスピリット。またここでの「ハープ」とは、おそらくわりと小さめで、まるでかぎ爪で弾くような感じでかき鳴らす弦楽器を指しています。


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  B.ボヴィはこの「ハープ」が象徴するものとして、まず星座の「琴座/Lyra」を挙げていました。琴座には、非常に明るい星として有名な恒星ベガ(急降下するハゲワシを意味する名称)、そして惑星状のリング星雲が存在することでも知られています。この琴座=リラは、メッセンジャーの神であるヘルメスが考案した竪琴にちなんで名付けられました。また “ハーピー”と言うと、ギリシャ神話に出てくる「翼を持つ女」、または「女の顔を持つ鳥」を意味します。このハーピーは肉食性で、犠牲者をその鉤爪で捕らえて殺し、死者の魂を喰らうために持ち去ってしまうという恐ろしい存在だとか。このハーピー達の飽くことを知らない貪欲さから、英語で “harp on ~” と言うと「くどくどと繰り返して同じことを言う」「恩に着せる」という意味になるというのも面白いですね。また、聖なるメッセンジャーであり、何かを守護するために遣わされる天使が、実は鉤爪を持つ怪物 ― 欲望の権化 ― をその裏で連想させる楽器、ハープを運んでいるというのもどこか意味ありげです。ハープと天使の組み合わせってわりとよく見かける気もするけれど、何か奥深い意味が包含されているのかも?


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  鉤爪とは、猛禽類が持つ尖った細長い突起です。ハゲワシやハーピー達の鉤爪がいったん獲物を掴んだら、その切っ先はがっしりと体に食い込みます。また魚を釣るための釣り針も、鉤爪によく似た形状をしています。でも、もしわたし達が、ヒラヒラと泳ぐ「エンジェルフィッシュ」を釣り針で釣ろうとするなら、それは至難の業かもしれません。あるいは大海原に出て、大きなマグロや鯨にモリを打ち込んでみたいと夢見たとしても、もしそれが自分にとって「本当に狙うべき獲物」でなければ... 後になってクドクドと「逃した魚」について愚痴を言うハメになるのかもしれません。

  この天使 ― 聖なるメッセンジャーは、ハープを運びながら、わたし達に何を告げているんだろう? 前の度数でちょっと臆病になり、安心したくて “みんな” に、社会やコミュニティに、同化する服を着込んだウサギとしてのわたし達。でもこのメインとなる9°では、先へ進みたい、夢を掴みたい、という衝動に駆られ、恐怖を忘れて漆黒の水面に分け入ろうとするわたし達。煌々と照る月の光も、揺れる水面では形を留めることがありません。

そこに魚がいる。綺麗で、大きくて... (ひとによっては美味しそうだったりして)。だから夢の魚を捕まえたい! 願いを叶えたい! どうしても、この手で! このとき、少女の両手には...もしかして「欲望の鉤爪」が生えているのでしょうか?


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  移民として、ヒナ鳥として、巣立ちを迎えた新月の第一歩。それは「怖れ VS 新生を求める自然な欲望」の第一歩。不自由な安全と、あまりに厳しい自由との天秤。わたし達は今、その中間に立っているのかもしれません。でも、今 わたし達が求めてやまないその夢は... その対象は... 果たして本物だろうか?

  裸の少女は、もし魚がただの幻影に過ぎないと知ったとき、どう感じるでしょう? そのとき、もし彼女の手に鉤爪が生えているなら?

この蟹座 ― 山羊座軸9°のコンビネーションは、わたし達が新しい夢に向かおうとするときに放たれる一種の警告を象徴しているのかもしれません。無垢なこころで分け入ったはずの道。けれどわたし達は往々にして、いつの間にか自分が向かうべきゴールを固定し、そのイメージに囚われてしまいがち。それはまるで、琴座の環状星雲にみっしりと取り巻かれ、そこから出られなくなってしまったような感覚。いつの間にかこころに鉤爪を生やしたわたし達は、貪欲になって一点を見つめ、自由に羽ばたく魂を見失ってしまいます。


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  目の前の天使はハープを持っている。そしてどこかに運んでいる。これってひょっとして...崇高なメッセージや天啓だったりして。だったらいいな。素敵だな。でも彼らが手にするハープは、わたし達がこころから欲し、手を伸ばそうとするような類いのものとは限りません。

  おそらく誰にでも、生きている限り「ひそやかに隠し持つ欲望」があります。それがいったい何なのか? どんな姿をしているかを、わたし達は本当に知っているでしょうか? それはもしかしたら、遠い昔、この世界に生まれる前から携えてきた透明な想い ― アリス・ミラーが指摘した「無垢な本質」に繋がる「何か」かもしれません。もしそれを知っているなら、もし少しでも感覚として感じられるなら、ただ無垢なこころのまま、裸のまま、手を伸ばすだけでいい。きっと鉤爪も、銛も、釣り針も要らない。

もしかしたら、大きくて美しい魚も、素敵なハープも、わたし達の手には入らないかもしれません。でも無垢な欲望は、思わぬときに、思わぬかたちを取って報われます。『え? なにこれ?』という感じで。だから今はまだ、細かい決め事も要らない。なぜなら「それ」は新しい時代に向かう戦いの中で、魂の自由という空間から、ふいにやってくるから。それは、向こうからやってくる。たぶん思ってもみないときに。わたし達に必要なのは、その訪れに気付いてまっさらな手を伸ばし、力を試してみることだけ。


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  『求めよ。さらば与えられん』ということばがあります。一般に、その意味は「ただ与えられるのを待つのではなく、自ら努力して目的を遂げよ」ということだとされています。けれど蟹座9°に現れる、この「裸の少女」のシンボルが象徴するエネルギーは、それとは少し違うかもしれません。

それは、そのことばの、最も純粋で根源的な意味。ただ自分に押し寄せる流れ — 自分という存在の確かさ — を信頼し、それ自体を生きるものとして、「自分という全存在がすでに知っているはずの道」に、飽くことなく手を伸ばし続けること。ことばで規定することなど出来ない、真に純粋な欲望。

あれこれと社会的ゴールを規定して業を磨いたり、人脈を作ったり、アピールしたりという現実の努力はその後から自然に付いてくる。対向する山羊座9°(外界、社会)のシンボルが伝える「天使の導きと警告」の下、自然に向かって行くエネルギーの流れとして。

  けれど、もしわたし達の存在の核にあったはずの「無垢な本質」が失われ、ことばにならない「透明な欲望」が忘れ去られてしまうなら... わたし達の生は、単なる「鉤爪同士の戦い」になってしまうのかもしれません。


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  今年最後の満月は、どことなく不思議なシンボルに彩られています。こころの内部を支配する蟹座世界、そして外界の「時間」を司る山羊座。わたし達はこれから「時」と仲良く付き合っていく新しい方法を探りながら、何かを成し得ていくのでしょうか。

コロナ禍や経済への不安、そして厳しい寒波が訪れるこの年末。地震も起きていますね。そして年明け1月13日の新月は、冥王星とコンジャンクトし、牡羊座のエリスとはスクエアを形成して起きます。マンデーン的な観点では、年末~春先まで世界の様相はかなり荒れそう。

  それでも、わたし達はきっと歩み続けます。見えない空間に向かってまっさらな手を伸ばし続けます。泣いたり笑ったり、怒ったりしながら...。

そしてあるとき、思わぬところに見たこともない綺麗な花が咲いていたことに気付くのかも。それは素晴らしい花園かもしれないし、ささやかな野の花かもしれない。でも、それぞれの「わたし」にとって、きっと最高の花。そう思います。

どうか良いお年を!😊


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have a great trek!!!★
hiyoka(^_^



hiyoka_blue at 18:40|PermalinkComments(0)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー

December 17, 2020

🌑12/15日の新月・日食―みんなに降り注ぐエネルギー(フツウの戦士サンたちへ♪)

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    新月は前回からの課題を経て、次の新月までの約1ヶ月をかけて取り組む新しいテーマが開示される時。 そしてこれは生まれた星座に関係なく、地球に生きるわたし達みんなに平等に降り注ぐエネルギーです。わたし達はこのエネルギーを使って日々、自分なりに考え行動していきます。その現れはひとの数だけ様々ですが、やがてはお互いに影響しあいながら、社会・国・世界の潮流を作っていきます。これは言い換えると、わたし達を取り囲む「空間の雰囲気」です。星読みの世界から見れば、誰もがその中で生き、そのテーマに呼応して・・(素直になったり、反抗したり、無視したりしながら・・)自分なりの人生を創造していると言えます。 その意味でも、刻々と変容していく惑星エネルギーの流れをおおまかに知っておくことは、きっと何かの役に立つのではないでしょうか。
    例えば... シンボルの光景やキーワードを覚えておくだけでも、何かに迷った時の指針になるはず。ではでは今月も行ってみます!(^_-)
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★新月タイムスケジュール★
願い事やアファメーション、ヒーリング・メディテーションなどしたい方は、もし可能ならこの時間帯に合わせてみてください。エネルギーの高まりを感じとれると思います。(^_^)

【地方平均太陽時: ソーラータイム(LMT) 】
東京・関東ローカルで  12月15日01:36前後、北海道周辺で 01:42前後、関西方面(日本標準時ならこの時間)は01:17頃、沖縄周辺では0:48前後に射手座 23°08’ で新月となります。


前回の新月のテーマについてはココをご覧ください。
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サビアン・シンボルによる【 新月がもたらすテーマと挑戦 】
*ここではデーン・ルージャー(ルディアー)版やマーク・エドモンド・ジョーンズ版の解釈ではなく、透視家エルシィ・ウィーラーの伝えた象徴の言葉をそのまま書き写した「オリジナル版サビアン・シンボル」を使ったブレイン・ボヴィの解釈を参考にし、アスペクトを加味して読んでいます。
*テーマはひとつの意識の流れを表したものです。この流れは順不同に現れたり循環したり、ひとつだけ突出して感じられる場合もあります。また、解釈の内容はその時々のアスペクトを意識しながら抽出しています。


【太陽・月♐️ 射手座23°~24°― 発効期:12/15~1/12 】


🌑🌞“Immigrants entering”
   『入国する移民達』
    ↓ ↓ ↓
🌑🌞“A bluebird standing at at the door of the house”
   『家の扉の前に立つ青い鳥』


【新月のテーマがもたらす雰囲気と挑戦(順不同)】
※ひとによっては数日前から前倒しで感じられると思います。
※今回は新月から満月を経て次の新月まで共振し続けるキーワードを抽出しています。
※シンボルは多くのテーマをはらんでいます。沢山の中からこころに引っかかるものがひとつでもあれば、それが鍵になるかもしれません。

 
→★人生の通過点に達し、新たな人生の道とその予兆を感じる
→★新しい「自立」への羽ばたきとその直前に感じる不安とおののき
→★変化の前に自分の過去(自分が属してきた何か ― 関係性や場との
  繫がりを確認する
→★不安でいっぱいの神経の高ぶりの中で活性化される内なる原動力
→★慣れたやり方、慣れた環境への抗しがたい執着との葛藤
→★成熟の新しいレベルを前にして、もう戻れないことを悟る
→★目の前にありながらなかなか手が届かない物事への苛立ち
→★受け入れられ、認められる前に感じる緊張とこころの震え
→★ただひたすら「自由になりたい」という衝動
→★“帰巣本能” や “安全な場所”という感覚をもう一歩昇華させる必要
→★ほの暗く冷たく見える道の先に待つ新たな人生に足を踏み入れる
→★自分の足許の揺るぎなさを確かめ、楽観と希望と熱意で切り拓く
→★アテにもせず思いも寄らなかった偶然がもたらす幸運
→★ハードワークの結果として物事がよりスムーズに動き出す予兆
→★極端な気の小ささと自慢げな態度の対比に潜む本当の顔に気付く
→★波乱も静寂も呑み干しながら歩み続ける気概を持つ必要
→★群れをなす群衆や “信者” の群から一歩抜け出て
  自分自身の「今」を見極めるための闘い
→★自己の内面に培ってきたものを胸に強力なポテンシャルの海に向かう…→         


★エネルギーのポイント:

 前回の新月『“さわれるもの”を基盤として現実に根を張る』
             
 今回の新月『納め、踏みだし、踏み込む』

                               
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<本題に入る前に>

  サビアン・シンボルの説明をする際に使っている「ベース・シンボル」と「メイン・シンボル」の違いについて、一度お問い合わせがありました。なのでここで少し触れておきますね。必要なければ読み飛ばしてください!

  で。実のところ、両方に特に違いはありません。ただ流れみたいなものはあるけれど。これはひとにより感じ方が異なると思いますが、例えばネイタル・チャートの惑星が牡羊座0°台だったとします。この例だと魚座30°がベース・シンボル、牡羊座1°がメイン・シンボルになります。

で2種類の考え方としては:

⭐️一つは時系列で考える見方。ネイタルなら「ベース・シンボル=前半生」そして「メイン・シンボル=後半生」のテーマとして考える。ただし何歳までが前半で何歳からが後半かはそのひとによりますし、移り変わりもグラデーション。新月期や満月期も同様です。

⭐️もう一つは二つのテーマを「前にも後ろにも渾然一体となった流れ」として観る考え方。

  わたし自身は両方とも有効だと考えています。自分のネイタルの体験でも、前半生はベース・シンボルが強く顕れていて、後半生に入るとメイン・シンボルのテーマが、良い面も、歓迎出来ない面も、強く顕れ始めたように思います。けれど、若く幼い頃のテーマが全て解決したり無くなったわけではありません。何かの折節に、考えさせられることは沢山あります。でも、それも自分が受け入れて生まれてきたテーマを知っているからこそ..。ベースとメインのテーマはひとつの流れとして、トランシットやプログレスの惑星達がそのポイントに来るたびにいつも木霊として自分の中に響き渡ってる...そんな感覚を抱いています。

  サビアン・シンボルは360°がひとつの円環として、永遠の流れを創り上げています。この円環では、どの度数も孤立した壁に隔てられた領域ではなく、隣り合わせ、対向、120°や180°その他のアスペクトを通じて有機的に繫がり溶け合いながら、互いに影響しあう構造になっています。それぞれに異なる音色を持った「弦」が、360°ぐるっと密に張り巡らされてる感じかな...

そして、そこを惑星達が通っていくことによって、その都度わたし達の心理、ひいては社会に影響を及ぼす「留まることのない惑星グリッドの調べ」を創り上げています。(おそらく赤緯に関しても同様のシステムが存在すると思いますが、人間の領域でどの程度感得し得るものなのかは不明です..)

  これは、新月・満月のルネーションに関するサビアン・シンボルの記事を書くようになった動機でもあります。超複雑な惑星グリッドの中でも影響力が顕著だと思われる太陽と月が、その都度投げかける “既存の” テーマを知ること。それは「人間」として生まれたわたし達ひとりひとりが、単に「ひととはこういうもの」という調べに「踊らされる」のではなく、その調べを聴き取り、理解したうえで、あえて「自分の生のダンスを踊る」ために役立つかもしれない。そんなふうに思えたのです。まぁこういうことって、きっとアストロロジー学習者の皆さんはみんな同じような感じ方じゃないかな?なんて思います。もうキリがないよね...という感覚とともに。

(この項目は後ほど抜き出し別立てのヒント的にアーカイブしておこうと思います)
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  今年も最後の新月・日蝕、そして月末晦日の満月。この記事をUPするときはもう蝕の日時は過ぎてしまうと思うけれど...。それでも大切な時期だと思うので、遅ればせながら書きとめておくことにしますね。

では、早速サビアン・シンボルからいってみましょう。


★12月新月・日蝕のサビアン・シンボル★

🌚 新月のベース・シンボル:
   射手座23°『入国する移民達』


       今回のベース・シンボルは射手座23°『入国する移民達』。このシンボルは、まだ入国手続きの途中という感じでしょうか。今でこそ在留外国人が約283万人とかなり増え、コンビニや配送業でも国籍の異なるひとを見ることが多くなった日本。けれど、それでもまだ全体としては「移民」といっても感覚的にピンとこないかもしれません。

  移民大国とされる米国ですが、サビアン・シンボルが降ろされた1920年代半ば、好景気に沸く米国に渡ってきた移民のおよそ2/3はロシア系ユダヤ人、ポーランド人、スラブ人、ギリシャ人、南イタリア人などでした。彼らは、米国の基礎を創り上げてきた文化にすぐ馴染んでいった、それまでの北ヨーロッパ系新教徒の移民達とは異なるタイプのひとびとでした。おそらく母国では、より伝統を重んじる暮らしを紡いできたひと達だったと思います。また、旧移民のひとびとと比べると低賃金で危険な仕事に就くことが多く、彼らが大量に流入してきたことによって米国生まれの労働者の賃金も下がリ始めたと記録されています。こうした賃金の下押し圧力は、同じ労働者階級の中に新たな分断を生む要因だったかもしれません。


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  また、都会でも新しい移民の多くが人種別の居住エリアに住み、母国の習慣を守り、ほとんど英語を話すこともなかったとされます。アメリカン・センターの記事によれば、このあたりから米国では本格的な「文化の衝突」が起き、それによって移民をめぐる緊張状態が拡大し始め、今盛んに口にされる「システミック・レイシズム/社会制度的人種差別」が蔓延していったそうです。BLM/ブラック・ライブス・マターという人種差別反対の掛け声が、他のマイノリティからは思いのほか支持されないというのも、外から見ていると不思議に感じることの一つです。でも、例えば黒人によるヒスパニック系やアジア系への差別が昔から存在する現実を見ても、米国に巣くう「レイシズム」と呼ばれるものの根の深さを感じさせられ、また日本に生まれ日本に住み続けるわたし達には理解することが難しい問題だとも思わされます。それは過去の奴隷制度の問題ばかりではなく、伝統や信教も異なるマイノリティ同士にも深く根付くことになった、互いのサバイバルに関わる問題だからなのかもしれません。

さて、根底にそんな米国の歴史的事実が埋め込まれているこのシンボルですが... 普遍的な意味としてはどうでしょう?


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  ニューヨーク、エリス島。「希望の島」とも「嘆きの島」とも呼ばれていたこの島には当時の移民局が置かれており、毎日沢山の移民船が入ってきました。船底から甲板に出てきて、自由の女神を見上げた人々。彼らはこれから新しい大地で築いていく暮らしに夢や希望を持っていたことでしょう。祖国を捨てて新天地に賭けたのです。大きな不安や緊張はあったとしても、目の前には自由の大地が開けている… 今までとは全く違う人生が待っているかもしれない。いえ少なくとも、それを自分の手と器量でつかみ取っていける可能性がここにはきっとある。下船を待って列を作る彼らのこころは逸ります。早く船を降りて、新しい大地に自分の足を着けたい! 港では当座の仕事や宿を世話するブローカーが屈強な働き手を物色しています。真っ先に降り立つことが出来れば、それだけ有利なチャンスにありつけるかもしれません。

  移民としてやってきた人々は、所定の手続きを終え、住む場所をみつけ、仕事を手に入れるまでは大きな忍耐を要求されます。それに、知らない土地には未知の危険が待っています。純朴なひとびとを騙して大切なお金を巻き上げたり、ただでコキ使おうと手ぐすね引いている集団もいます。だから最初の内は「早く!早く!」とはやる心を抑え、慎重に、でも敏速に、機会を掴まねばなりません。また、先に根を下ろしている親族や知り合いを頼りに、新しい環境に馴染むためのノウハウを身に付けることも必要です。けれどそれと同時に、慣れない土地で自分の人生を切り拓いていくには、ちょっとやそっとの冷水を浴びせられても消えたりしない、火のようなエネルギーも必要だったはず。 


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  移民達には、まもなく真新しい門出のときが訪れます。馴染みのない世界でひとり立ちするときは、もうすぐそこ。これから先のことは誰にもわからない。ただ、この先には必ず、くぐるべき門があり、越えるべき壁が立ちはだかっている。それが目の前に迫ってきていることだけは、皆がそれぞれに感じています。

はやるこころを抑え、不安を抱えながら、移民達は何を携えて新たな関門に入っていくでしょうか? 家族や故郷のよすがとなる小さな品? カトリックの十字架や旧約聖書? 必死で貯めてきた、当座のお金?… それとも、身一つで入国し、新しい故郷を自分の大地とし、社会の底辺から全てを造り上げていく覚悟…いえ、もしかしたら、彼らは護るものなどもう何もないという心境なのでしょうか? 小さな船に乗って、難民として命からがら異国に辿り着いたひとびとのように。


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  苦しいときにこころを支えてくれる何か。母国への想い。慣れ親しんだ故郷の思い出。船の上から手を振って別れた親しいひとびと。たとえ新天地に活路を求める決心をしていたとしても、何故自分はこんなところに来てしまったのか?と後悔の思いにかられたとき、わたし達は思わず過去を振り返ります。もう過ぎ去ってしまったもの。こころの内で捨ててきたはずのもの。あれもこれも、みんな失ってしまった。ブルーな気持ち。孤独感。ふっと忍び寄る、後悔。「自分の選択は失敗だったのでは?」 という恐怖。拡がっていくネガティブな妄想。

  それでも。移民達はこの新しい大地に降りたち、やがてここに、第二の故郷を見出します。でも。その時が来るまで、彼らの内なる生命力を支え続けたものがあったとしたら、それは何だったのだろう…? 伝統、宗教、習慣、仲間意識... そうかもしれない。けれどいつまでもそれにしがみついていて良いのだろうか? とも想う。 

それでも。それら大事なもの達の全てを貫いて、自己の内部に存在し続ける何かがあるのは確かなんだ。それって何だろう? もしかしたらそれは…捨ててきた筈の記憶が象徴するもの?

それは「私は誰か?」というアイデンティティに関わる問いへの一番シンプルな答え。それは、常に変化し、いつも自由に燃え上がりたいと願う火の意志だったのかもしれない...。そしてそれは、けっして固まった形を持つことがない。


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ベース・シンボルの裏側:双子座23°

  このシンボルの対向、双子座23°のテーマは『高い樹上の巣にいる3羽のヒナ鳥』 です。ヒナ達はまだ飛ぶことは出来ません。高い木の上に造られた安全な巣の中で、羽根が十分に強く成長するその時を待っています(3羽の「3」は、ひとつの図形を構成する最小単位。つまり、ヒナ鳥というひとつの段階が完成した姿、次に進まなければならないステージに至ったことを象徴しています)。

  鳥達にはそれぞれの種特有のさえずり方があり、そのさえずりは彼らの縄張りを主張し、種の継続を高らかに歌い上げます。もちろん、餌を求めて鳴くヒナ鳥達にもその片鱗は伺えます。3羽はそれぞれに、自分が一番先に食べ物にありつこうと必死です。一日も早く大きくなって、力を付け、巣から飛び立つ! 羽根をいっぱいに広げて! まだ見ぬ森へ、草原へ、高く高く……。

それはヒナ達に備わった本能なのかもしれません。体の内側から自然に湧き起こる得体の知れない力に押され、ヒナ達はもうすぐ巣を後にすることでしょう。初めての巣立ち。ものすごく、怖い。もし飛び損ねて地に落ちれば、すぐに獣達の餌食になってしまいます。それでも...もうココにはいられない。もう誰も餌を運んでくれたりはしない。本能的な恐怖。それを凌駕しようとする、何かことばにならない個を超えた意志の力。あ、1羽飛び立った! 2羽めが飛び立った。そして最後まで躊躇していた3羽めが...飛び立とうとしてる! それはあなたかもしれない。


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       移民達にも、ヒナ鳥達にも、まもなく訪れる新しい門出のとき。馴染みの無い世界で自分の力を試すべきとき。このシンボルは、わたし達にとっても今、可視/不可視のゲートが迫っていることを暗示しているように思えます。

これから先のわたし達に、未知の冒険が重みのある現実として訪れるにせよ、深く心理的な体験となるにせよ。最初の一歩を踏み出すためにわたし達がしなければならないことは、自分を "魂の移民" になぞらえて考えてみることなのかもしれません。過去と未来の狭間に立って、あらゆる可能性の大渦に直面したとき、わたし達それぞれにとって真の拠り所となるのは何だろう? そう、ここでも同じ疑問が湧いてくる。

もしそれが何か「物」であるなら、「それ」はわたし達の、いったい何を象徴しているんだろう?


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🌚 新月のメイン・シンボル:
  射手座24°『家の扉の前に立つ青い鳥』


  このシンボルは    文字どおり「幸福の予兆」や「幸運に巡りあう可能性」が「扉の外側」に控えていて、わたし達はその始まりの地点に来ていることを示唆しています。

つまり今、わたし達は扉の内側。移民としてやって来て、やっと落ち着くねぐらとなる部屋を確保した感じかな。そして目の前の閉じたドアを見つめているところ。そしてドアを隔てた外側には幸運を象徴する「青い鳥」が立ち、綺麗な声でさえずっている。 

鳥といえば、木や枝に「とまる」という言い方のほうが日本語では一般的です。でも、この場合は「立つ」。木の枝に可愛くチョコンととまっているのではなく、2本の脚ですっくと立っている感じかな。鳥の脚ってとても細くて華奢だけど、でも立っている姿勢を見ると、どこか「仁王立ち」ということばを思わせるところがあります。もし鳥がドアの外にそんなふうに立って、じっとこちらを見つめていたら... え? もしかして、何か問われてる? そんな気分になるかもしれません。


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  ベース・シンボルに対向する双子座23°のシンボル「3羽のヒナ鳥」は、無事に巣立って大人の青い鳥になりました。そして今、「魂の移民」であるわたし達の戸口に立っています。

新しい国にやってきた移民達が、とりあえずの足場を築き、暮らす場所を確保したなら。そこまで来れば、やっとその先に思いを馳せることが出来ます。ねぐらは見つかった。とりあえず、今日明日の食べ物もある。仕事のあても見つかりそうだ。いや少なくともそんな話を耳にした。さぁその先に何がある? まだわからない。でも、とにかく扉を開けて出ていくしかないんだ。これから見る夢のすべては、扉の向こうにあるのだから。

  大人になった青い鳥のうた。それは朗らかで楽しげにわたし達を誘っています。『今はまだ凍えるような寒さと氷に覆われているけど、春は近付いてきてるよ! 新しい人生、新しい展望、再生と復活のときが来るよ!』 この青い鳥は、来たるべき春を報せる前兆として、わたし達の戸口にやって来ました。そしてこう言っているようです。『さぁ、冷たい氷ばかり見て嘆いてないで。僕たちを見て! 出ておいで! 外にはまだ知らない世界が待っているよ!♪』


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★メイン・シンボルの裏側:双子座24°

  このシンボルを補完するのは対向の双子座24°『氷上でスケートをする子供達』です。ここは凍った湖の上。いえもしかしたら、都会の真ん中に冬の間だけ造設されたスケートリンクでしょうか? 子供達が楽しそうに滑っています。いえ、滑ったり転んだりかな? 

思いっきり大きな笑い声、叫び声さえどこか楽しげ。滑り慣れた子達はこなれたフォームでスイスイと滑っています。まるで憧れのフィギュアスケーターのように、自信ありげにフィニッシュのポーズをとる子もいます。でも、今日初めてスケート靴を履いた子、初めて氷上に立った子達はもう大変。

気持ちは前に進みたい...なのに足下がグラグラと定まらず、悪戦苦闘! 中には重心を保てずに立つことさえやっとというありさまの子も。あ、転んだあげくにすっかり怖くなり、大人にしがみついて泣き出す子も...!  上手く滑れるようになるまでは、どの子もみんな、思うようにならない「現実の自分」にフラストレーションを抱えるのだと思います。


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  地上と氷上では、まず歩き方がまったく異なります。優雅な、あるいは速くて上手なスケーターになりたいなら、子供達はまず基礎的な「歩き方」から覚えなければなりません。初めて「氷の世界」に出てきて、その世界に馴染み、そこでめいっぱい楽しみ、遊べるようになる。そのためには、転んだり尻もちをつき、痛い思いをしながら経験を積むことも必要でしょう。混雑したスケートリンクなら、誰かと思いっきりぶつかって互いに怪我をする可能性もあります。大自然の中なら、転んだ拍子に薄くなっていた氷が割れ、冷たい湖に落ちるかもしれません。氷の世界には命の危険さえも潜んでいます。「もしかして...ここから先には行かないほうが良いかもしれない」...そんな直観の働きも、持ち前の感性だけではない、経験の積み重ねによって磨かれます。

  わたし達はそれぞれの人生の旅の途上で 今、新たな巣立ちのときを迎えています。それは年齢も性別も、今までにこの世界で成してきたあれやこれやにも、一切関わりのない「魂の移民」としての旅立ちです。ひとにより社会により、これからの1ヶ月~半年~3年をかけて、様々なかたちでまったく新しい大地に向かおうとしています。だってそこには「青い鳥」がいるから。扉の向こうにじっと立って、春を告げるために待っているのだから。


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  もう一歩、外の世界へ。おずおずと、扉を開く。でも、そこに拡がっているのは、まだ冷たい氷が分厚く張ったモノクロームの世界かもしれない。そりゃそうだよね。だってこの世界って、わりとそんなふうな仕込みがいっぱいある領域だし。

ならばスケート靴を履いて、楽しく滑っていきたい。まぁ最初のうちはグラグラして、転んで、痛くて、怒ったり泣いたりするんだろうな。で。自分が本当にダメで、もう情けなくて、どうしようもなくなったりして。

でも、そのうちきっと笑いたくなる。

一歩、一歩、リズミカルに体をさばくことを覚えたら。
氷の世界を遊び場にして、夢中になっていたら。

いつのまにか 青い鳥がうたう春になってたことに、気付くのかもしれない...

わたし達のゴールはまだ、決まっていない。



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★12月新月・日蝕の星模様とチャレンジ ★
(主なアスペクトとスケジュールざっと)


OOBの新月・日蝕とコンジャンクト&パラレルのOOBの水星と
 小惑星アメリカがパラレル

(ドナルド・トランプ氏と習近平氏の太陽にオポジション、
 次期副大統領とされるカマラ・ハリス氏のDC上で起きる日蝕)

OOBの新月・日蝕とOOB水星に木星・土星コンジャンクションがパラレル
 木星・土星自体もまた互いにコンジャンクションでありパラレル

  うーん..何というか。。 要は新月・日蝕とOOBの水星、そして木星・土星コンジャンクションが一見離れているように見えて、実は幾何学的に密接な関係を結んでいる...ということ。パラレルとはデクリネーション=赤緯の度数が同じこと。とても乱暴な言い方をするなら、地上から見てその星の「高さ」が同じに見えること。でもほとんどの場合、左右の位置はズレています。一方、コンジャンクションは、地上から見て左右の位置が同じこと。でも上下の高さはそれぞれに異なっている。けれどコンジャンクションとパラレルの条件が同時に満たされるとき、2つの惑星は夜空でほとんど重なって見えます。これはその惑星達に、特別に強力なフォースを与えるフォーメーションです。

前回これと同じコンジャンクションとパラレルの同時形成が木星・土星の間で起きたのは1226年3月で、今回と同じ風性星座宮の水瓶座1°~2°でした。つまりそれは、 “刻の大王” とも呼ばれる「グレート・クロノクレーター」が、前回 風性星座宮で連続したコンジャンクションのシリーズを始めたその端緒となったときだったのです。



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  最長800年に及ぶ歴史を新たに書き換えていく、木星・土星コンジャンクション。その1回目がひさびさに風性星座宮の水瓶座0°台で起きる、2020年の暮れ。このアスペクトについては『フォーキャスト2021』(と『フォーキャスト2020』「ザ・グレート・ミューテーションと新時代の始まり:木星と土星」)で、メリマンさんがとても詳しく解説されています。なので、ここであまり触れようとは思いません。ただ世界にとって、日本の社会にとって、そしてもちろんわたし達ひとりひとりにとっても、思考や肉体性(物性)の捉え方、社会に対する感性の変わり目となる大きな節目であり、変革のアスペクトであることは確かです。木星・土星コンジャンクションがネイタルやプログレッションをダイレクトにヒットするひとはもちろん、間接的に経験するひとにとっても、身近な生活で何かが目に見えて変化するのを目撃する事例はこの先、どんどん増えてくるでしょう。

それは良いとか悪いとかではなく、ただ純粋に、超えていくべきハードルとして提供される物事であり、変化です。


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  一方、正確な木星・土星コンジャンクション形成の直前に、パラレル関係を維持しながら起きた15日の皆既日食。この記事の初めに説明したそのシンボル — 移民達/青い鳥 — が示唆するテーマを考えるにつけ、めぐり巡っていくその設定の絶妙さというか、この惑星グリッドのシステムが持つ螺旋構造の巧妙さを感じさせられて「ハイハイ そうですよね〜〜スミマセン、スミマセン、、、😱」的な気分にもなってしまいますw。

  今回 木星・土星コンジャンクションが起きるのは水瓶座0°台。ベース・シンボルは山羊座30°『秘密のビジネス会議』。そして裏の対向度数が蟹座30°『アメリカ革命の娘』。これらは、どちらも米国の建国史に底深く関わっているシンボルです。このところ米国に起きている前代未聞の出来事は、まさに必要な変革の端緒を開くものだと言えるのかもしれません(おそらく舞台上には必要とされる役者が揃い、必要とされる役割を演じている的な?)。そして、メインのシンボルは水瓶座1°『日干し煉瓦造りの古い伝導所』(裏の対向度数が獅子座1°『溢血症状』)です。

この伝導所のシンボルは、信仰の力や使命感に燃えてはるばる異郷の地にやってきた伝道師たちの情熱、現地で直面したそれぞれの辛苦や挫折、それにともなう霊的悩み、先住民とのあつれきという歴史的現実を通して「新しくもたらされる精神」と「古くからの基盤」とが摩擦を起こすさまを描いています。また、対向する獅子座1°の『溢血症状』のほうは、そんなエネルギー的葛藤の圧力が高まり、滞った状況を破って突然噴出するメカニズム、または危険性を示唆しています。1°手前の山羊座30°『秘密のビジネス会議』、そして蟹座30°の『アメリカ革命の娘』が、その基盤を示唆するものとして存在すると考えていいでしょう。これをどう解釈するか? それもまた場合により様々ですが、少なくとも米国にとって「根本的リニューアル」の始まりは明確に宣言されているように思えます。

  この日蝕がトランプ氏(とおそらく習近平氏)の太陽にオポジションで、次期副大統領とされるカマラ・ハリス氏のDCにコンジャンクト。その前の月蝕が、バイデン氏の土星にコンジャンクト。来年1月20日に誰が大統領としての宣誓を行うのであろうと、もうそんなことはあまり関係ないのかもしれません。2021年の大統領は任期を全う出来ない可能性もあることは、メリマンさんをはじめ複数のマンデーン・アストロロジャーが指摘しています。表には見えにくい米国の闇。その隅々まで、溜まりに溜まってきた歴史的因縁とその圧力を、どれだけクリアにしていけるのか? この日蝕とグレート・クロノクレーター、そして小惑星アメリカとのパラレルには、そんな課題への挑戦が示唆されているのかもしれません。


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  また一般に、水瓶座0°台(山羊座30°台)~1°台の流れは「自分の精神の最高峰」「自分自身が積み上げてきた最善の “新しさ”」を社会に提示したいという魂的な欲動と、「広く一般に受け入れられる形」を探っていくような行動心理の段階を示唆します。また、この度数を主体として見たとき、対向する獅子座0°台(蟹座30°台)~1°台は、そんな行動を起こしたとき最初に直面する反応、試練、挑戦や怖れを示唆することが多いです。その反応は、ときに自分自身の内部に起きる葛藤として顕れたり、不安や自己否定となって、必要な歩みを止めてしまうことがあります。また、他のひと達から理解されなかったり、(本人的には)理由もなく反発されたと感じるようなケースもあります。それが他者からの反応であれ、反動であれ、いずれにしても予期せぬときに突然頭をもたげてわたし達を驚かせるし、「さぁどうする?」と新たな現実を突き付けてきます。

  そんなときに頼りになるのは、おそらく自分自身がこれまで「ちゃんと戦ってきたんだ」という記憶かもしれません(それは今生ここまでの人生の記憶かもしれないし、輪廻や転生を通しての記憶かもしれない)。 

あるいは一種の「体感」として常に存在する、生きようとする力..。自分なりに。自分のやり方で。そうやってここまで来た。これからも行く。自分にとっての「これ!」を護るために。それが全体に拡がって、繋がっていく...そんな感覚。そして、突然。突如として全てを変化させるような爆発力が内部に。あるいは伝染力が外部に。

  こうした動きは良い方向にも、悪しき方向にも起きてきます。都合の良いことだけ、悪いことだけなんてあり得ない。慣れたころに、忘れたころに、わたし達の選択とともに、いろんなサイクルで繰り返し起きてくるでしょう。木星・土星の風性コンジャンクション。風のグレート・クロノクレーターは、そうやってわたし達を、次の状況、次の時代、次の世代へと送り出していくのだと思います。

  またこの度数は、ケンタウルス族の小惑星フォルスの発見時の度数としても知られています。フォルスの象意は「徐々に蓄積されてきた圧力が限界値を超えて突然噴出する」「予兆や前兆を感じる力」「不注意な精神に陥ることへの戒め」です。

でも、それがこの太陽系の意志を構成するグリッドの示唆であるなら、そのシンボルが包含し体現する「ことばを超えた天空の思慮」を知った上で、自ら乗っていくこと、受けて立っていく以外の道はないと思います。わたし達は皆、それを選びそれを引き受けて今ここに在るのだし、そしてその体験を通して新しい選択をするのも、やはりわたし達自身なのだから。


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<その他、木星・土星がらみのアスペクトについてメモ的に>

木星・土星コンジャンクションとケンタウルス族のキラルスがオポジション
 加えてエケクルス・イクシオン・ニッポニアとでイリテーション・レクタングル

木星・土星コンジャンクションと金星のセクスタイルからエケクルスにYOD
木星土星・キラルスのオポジションを金星とジュノーが調停


  (日本全体を覆う突然の危機的状況に対し、徹底的で臨機応変で、少し無頼とも言えるような対応で乗り切っていくような感じかな...)

アスボルスとオポジションの新月・日蝕をエリスが調停
ニッポニア(イクシオン)とレクイエムからハイジーアにクァドリフォーム

 (これもどちらかというと「いつか死すべきもの」としての自分の存在をよく認識したうえで、それでも永遠性を掴もうと戦う「一個の存在としての精神」。「塵や炭素としての気概」を徹底的に使っていく感じとでも言うか..)

オルクス(冥界の渡し守/冥王星と同格)・ルシファーのコンジャンクションと木星・土星がセスキスクエア
  +
月のノード軸に対して魚座の海王星がTスクエア

 (乙女座13°台に在泊するオルクスとルシファーの組み合わせは「絶対的・父権的な力」「抗えない大きな力」または「権力」に全てを頼って護られたいという欲望、ひとりひとりが自分のこととして負うべき責任を避けて、自分より大きい(と思う)力に肩代わりしてもらい、良いところだけを取りたいという願望に繋がるかもしれない。大きな変革とそれにともなう困難の中にあって『自分の代わりにもっと強く、もっと力のある存在が戦ってくれるべきだ。わたしは弱いのだから』なんて感じるとか。それは当然自分自身を弱くするのだけど、突然の大きな変化に翻弄されるとき、わたし達は気付かないうちに、ふとそんな思考に囚われがちかもしれない。 

  ところでここしばらく、月のノード軸に対する魚座の海王星のTスクエアが続いている。これはかなりのクセ者アスペクトなので、木星・土星コンジャンクション+オルクス・ルシファーのコンジャンクションに対し、その大背景としてともに働いているかもしれない。

よくメリマンさんがマンデーンや相場の解説で、魚座の海王星を「ユーフォリア」「多幸症的な状態」に例えるけれど、それはわたし達の精神をどこか「超現実的」な感覚へと導く。目の前で起きていることは一応認識しているし、対応だってしている。だけど、でも... 何だろう? 薄膜を隔てたような? スクリーン越しに体験しているような? けっして現実感がないわけじゃない。でも、物事にがっしりした「触感」があるかといえば..わからない。

普段は忙しさに紛れている。けどふとした隙に、動いているのとまったく同時に、ボォっと眺めてる自分も存在している。あちこちでとんでもない事が沢山起きている。いや、自分にだって起きてるし。なのに何なんだこれ? 現実との間に薄膜が張られているような、本当に感覚を凝らさないと知覚出来ないような微細な違和感...とか。顕れ方はひとにより千差万別だと思うので、この例えが万能とは思わないけれど。ただ、どこか拭いきれない胡散臭さ、嘘くささ、非現実的な疑念が付きまとう、この不可思議さ。風性時代への移行期に吹き荒れる、粒子とも波動ともつかない超現実的な、ファントム。


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  こうした魚座の海王星効果は、感情的な辛さをフワッと救ってくれることがある。それは必要な休養をとるためにはとても良いこと。でもその反面、徹底的に直面して乗り越えることが必要な痛みや後悔の念から「避難」するための「半透明の檻」を用意し、さぁどうぞとばかりに誘ってくることもある。そしていつの間にか、わたし達はその檻に閉じ込められてしまう。乙女座13°台のシンボルは、ベースが『政治的ヒステリー状態を制圧する力強い手』、メインが『家系図』。そこに在泊するオルクス・ルシファーのコンジャンクションは『ねぇねぇ、このテーマをどう使ってみる?』とわたし達に問いかけ、挑戦し、誘惑しているのかもしれない。これを外界の力としてスクリーン上に観るのか? それとも自分の体を流れる血液、内在するエネルギーとして、使うのか? 

それでもわたし達は、自分を「ここまでの存在」として諦め、より大きな力(運命や宿命や、定めとかその他、そのときの自分を納得させてくれる対象)に委ねる行為を「美しい」「賢明だ」と感じるかもしれない。そしてその流れに抗うことを「愚かなこと」と蔑むかもしれない。それもひとつの選択だし、世界はわたし達が行う選択の集積として動いていく。けれど、今という変革と混乱の時期にあって、何が賢明で何が愚かなのか... それを識別するなんて、どんな識者にも、どんな知性にも、不可能ではないだろうか。

ともするとフラッシイな魚座の海王星の下で。厳しい変革を迫る木星・土星のコンジャンクションの下で。全ての美徳も、正義と考えられてきたことさえも、疑わしい姿を曝すことになる。わたし達はそんな中で、愚直なまでに自分のダンスを踊り続けることが出来るだろうか? ときにお腹の底から全てを笑いとばしながら。


<これからの惑星スケジュール少し>

★12月16日 金星が射手座入り💓
★12月19日 深夜 木星土星が水瓶座入り(キラルスとオポジション)🌪
★12月20日 太陽・水星が射手座28°台でコンジャンクト🌞

★12月21日 19:22 冬至(太陽が山羊座入り)⛄
 太陽・水星・イクシオンがコンジャンクト🌋
😡
 日本冬至図のMC上で火星・エリスがコンジャンクション
😡🌋

★12月22日 01:15前後 木星・土星が正確なコンジャンクション🌪🌬
 太陽・水星が山羊座入り🌰
 火星・エリスの正確なコンジャンクション😡🌋

 木星・土星コンジャンクションは、冬至の太陽が沈んだ直後の夕刻17時台には南西の空にぴたりと寄り添って見ることが出来るかも。

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★12月30日 蟹座8°53で満月!(再び月がOOB) 🌕

★12月31日  金星・月のサウスノードがコンジャンクト

★2021年1月10日 土星・水星が水瓶座2°台でコンジャンクト

★1月13日 山羊座23°13で新月!🌚


という感じでしょうか(何か抜けてるかもしれないけど😅)。


...だいぶ遅くなってしまったけれど、こうして今年最後の星読みを置いておきます。(ブログの更新も、たぶん今年はこれが最後になると思います。)

これから年末年始にかけては、本当に一生に一度と言ってもいいくらい多彩な星々の囁きが聞かれるかもしれません。

コロナ禍の下、いろいろ大変なひとがいっぱい。戦っているひとも沢山。

そんな中で懸命に自分の道を歩みつづける、ごくフツウの戦士さん達に
内なる勇気と力がいっぱい湧いてきますように...🍀 良い年を!


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have a great trek!!!★

hiyoka(^_^



hiyoka_blue at 22:40|PermalinkComments(2)新月(満月)の星読み | パーソナル・アストロロジー