星読み随想

January 12, 2021

サビアン・シンボル解説での「ベース」と「メイン」について

「ベース・シンボル」と「メイン・シンボル」の違いについて一度お問い合わせがあったので、ここで触れておきますね。この二つに特に違いはありません。これはひとにより感じ方が異なると思いますが、例えばネイタル・チャートの惑星が牡羊座0°台だったとします。この例だと魚座30°がベース・シンボル、牡羊座1°がメイン・シンボルになります。

● 一つの見方としては時系列で考えて「ベース・シンボル=前半生」そして「メイン・シンボル=後半生」のテーマ。ただし何歳までが前半で何歳からが後半かはそのひとによります。

●もう一つは二つのテーマを「渾然一体となった流れ」として観る考え方。

わたし自身は両方とも有効だと考えています。自分のネイタルの体験でも、前半生はベース・シンボルが強く顕れていて、後半生に入るとメイン・シンボルのテーマが、良い面も、歓迎出来ない面も強くなったように思います。けれど、若く幼い頃のテーマが全て解決したり無くなったわけではありません。何かの折節に、考えさせられることが沢山あります。でも、それも自分が受け入れて生まれてきたテーマを知っているからこそ..なんですね。そのテーマは、トランシットやプログレスの惑星達が重要なポイントに来るたびに浮上してくる。そして、アスペクトの意味がもたらす心理や出来事の大背景として、いつもいつも木霊している...そんな感覚を抱いています。

サビアン・シンボルは360°がひとつの円環として、永遠の流れを創り上げています。この円環では、どの度数も孤立した壁に隔てられた領域ではなく、隣り合わせ、対向、120°や180°その他のアスペクトを通じて有機的に繫がり、溶け合いながら、互いに影響しあう構造になっています。そして、そこを惑星達が通っていくことによって、その都度わたし達の心理、ひいては社会に影響を及ぼす「留まることのない惑星グリッド」を創り上げています。(おそらく赤緯に関しても同様のシステムが存在するのだろうと思いますが、人間の領域でどの程度感得し得るものなのかは不明です..)

こうしたことは、新月・満月のルネーションに関するサビアン・シンボルの記事を書くようになった動機でもありました。超複雑な惑星グリッドの中でも影響力が顕著だと思われる太陽と月が、その都度投げかける “既存の” テーマを知ること。それは「人間」として生まれたわたし達ひとりひとりが、単に「ひととはこういうものだ」という調べに「踊らされる」のではなく、その調べを聴き取り、理解したうえで、あえて「自分の生のダンスを踊る」ために役立つのかもしれない...そんなふうに思ってのことでした。

この、複雑な惑星グリッドの成り立ちと、目に見えることのないその流れをことばで説明するのは難しく、実際のところ「意識し」「感じ」「理解する」しかないのだと思います。また、時を経るごとにシンボルが示唆する物事の深みも変化していきます。シンボルは、わたし達と同じ生きもの。あるいは、生きものとしてのわたし達を映す「鏡」なのかもしれません。



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January 01, 2019

🎍あけましておめでとうございます。

REM2019-

Happy New Year!!!

1月1日午前0時。
年が改まる瞬間。今年 このとき日本の太陽は 山羊座9°52’に。

そのシンボルが伝えるテーマは...
『まだゴツゴツと荒削りながら大きな可能性を秘めた自分という宇宙への新たな旅立ち。だがそこには生きるために、輝くために、可能性をひたすら消費していく道も待っている。心地よい肌触りも、きらめく光も、自分にとって本物であるとは限らない。赤裸々ないのちの日々の中で、服従と独立の舵取りが始まる。誰もがこの世でたったひとりの存在。ならば自ら歓びの道を選び、敢然とその道を歩む。』
 
今年はケンタウルス族のヒュロノメが山羊座10°55’、土星が11°19’、小惑星イカルスが11°50’に在泊。土星(新たな知識を得て賢明な判断を下す力、行間を読む能力を磨く、器の大きさを試される)とヒュロノメ(喪失と哀しみの乗り超え、依存を断つ、犠牲者であることからの離脱)とイカルス(上でも下でもなく常に自己の中心から平衡を保つ必要)の出迎えを受ける新年の太陽。これらを味方につけて、一年がぎゅっと凝縮した夜から、なだらかに冷気さす朝へ。小さな意志と力の芽生えが、何か大きな違いをもたらそうとしているのかもしれない。初めはそっと、ひそやかに。そして、風に乗って....!


過ぎゆく刻を透過し 存在の火とともに在れと、宙。

今年がみんなにとって良い年でありますように...!


hiyoka(^_^


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January 26, 2018

「山羊座の土星と冥王星」WSJドキュメンタリー映像によせて

        今週1月22日付のメリマン・コラム ≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫ で少し触れていた「フェイク・ニュースと検閲」という問題は、天王星・冥王星スクエア(カーディナル・クライマックス)の影響が続く下で山羊座入りし、冥王星とのコンジャンクションに近付いていく土星を念頭に、今後生じる様々な懸念のひとつを浮かび上がらせるものでした。この記事ではそれらに関連し、また補足的な意味も含めて、同じ1月22日に YouTube に公開されたウォールストリートジャーナルの短編ドキュメント・シリーズ『 Moving Upstream 』から

—『 Free Speech : Colleges in the Crossfire 』—
  • 米国で若者達を中心に起きている抵抗運動とその底流に存在するもの
そして
  • それらは何処に行き着く可能性を持つか?
というテーマの一編を取り上げて内容の要約を掲載したいと思います。


  世界に起きる潮流を惑星サイクルの観点から見るといっても、実際には他の惑星サイクル(特に天王星や海王星)や国のチャートが互いに関連しながら及ぼす複雑な要因が絡んでおり、土星と冥王星というたった2つの惑星のみでは捉えきれない要素があります。けれど両惑星が持つ力・怖れ・抑圧・拒否・頑なさ・壁・忍耐・抵抗・抑制・規制・統制・根底からの転覆・破壊と長期の再構築・内なる同調圧力 etc.というキーワードをベースに、反抗と自由と破壊とブレークスルーの惑星である天王星、そして理想、夢、曖昧さ、嘘、欺瞞、異世界、共感、逃避、犠牲 etc.の惑星である海王星との関連をちょこっと頭に置いて、このドキュメンタリーを見てみるのはなかなか興味深いと思います。
 
なお、簡単な備考を付けましたが、アストロロジーの観点から内容を考えるにあたっては、星座宮や惑星のマンデーン的な意味合いについて基本的な理解が必要になると思います(『マンデーン2016』『マンデーン2017』の付録「各サインの集合的心理傾向」も各星座宮と支配星、室区分の傾向など参考になるかと思うので、お持ちの方はぜひ参照してみてください)。 


歴史的な「言論の自由」運動発祥の地、UCバークレーで今何が起きているか?
“Free Speech : Colleges in the Crossfire” 


【キャンパスの変容】
  ー 気に入らない言論をヘイトスピーチとして排除する学生達 ―




啓蒙主義の知的継承者VSポストモダニストの闘争

「言論の自由」論争を考える際に際立つ「三つの "P"」とは
  • Polarization:分極化(対極化)
  • Postmodernism:ポストモダニズム
  • Provocation:挑発/煽動」

ー 以下、内容の要約 ー  
(もし誤訳や下の備考も含めて間違いなどありましたらどうかご指摘ください。なお、要約は番組で語られる順序どおりにはなっていない箇所や省略、意訳があります。)


        『フリースピーチはヘイトスピーチであってはならない』昨今の学生達は「言論の自由」にある程度の制約を設けるべきだと考えている。

カリフォルニア大学バークレー校(米国公立大ランキング1位、リベラルな校風で有名)では2017年2月、「オルト・ライト*」の扇動家でブライトバート・ニュースの編集主幹マイロ・ヤノプルスの講演を学生達が実力阻止した。1960年代をUCバークレーの学生として過ごし、フリースピーチ運動の黎明期に活動した経験を持つジャーナリズムの教授ビル・ドラモンドは語る。

*オルト・ライト(オルタナ右翼)とは何者か
(ニューズウィーク日本版)

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  『60年代当時の運動は(公民権運動とも連動した)政治的なものであり、そういった行為は学内では禁止されていました。だが私達は大学当局と闘い続け、やがて全国の大学が次第に譲歩するようになっていったのです。』 大学構内での政治活動は許可され、自由な言論が交わされるようになった。それは後に、学生達によるベトナム反戦運動への道を拓いたのだった。

  だがドラモンド教授は今、リベラル派の教授の一人として学生達に反対する声をあげている。『学生達は我慢が出来ません。反対意見は自分達にとって居心地悪く、怒りを感じるのです。彼らは自分達と異なる意見を受け入れることが出来ません。』『今の学生達は60年代終盤以来、最も分極化していると思います。』

彼らはあらかじめ自分達のアイデンティティに基づいた "先入観" を持って大学に入って来る。そしてそれぞれに特定の言説に対し非常に不快感を感じて全く聞く耳を持たなくなり、抵抗する。異なる意見を持つ者には「立ち去れ」と言うのだ。ここ数年、米国では全国的に「自分を中道だと見なす学生」の率が急激に低下しており、左も右も、非常に極化しつつある。彼らは大学当局に対し、自分達が嫌悪すべきだと感じる講演者を招くことを拒否し、抵抗するのだ。


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  ポストモダン以降の学生達にとって、啓蒙主義を源流とする「言論の自由」とは「欧州優越主義」(あるいは白人による支配思想)の血脈に他ならない。たとえばワシントン州のエバーグリーン州立カレッジでは、マイノリティの学生達が大学や社会において自分達の存在がどれほど重要かをアピールするため、1年に1日だけキャンパスに顔を見せない日を持つという慣例があった。だが今年の彼らは方針を変え、その日は白人だけがキャンパスを離れるよう要求した。

これに対し、自身を革新主義者であり、大統領選ではバーニー・サンダースを支持したという進化生物学教授ブレット・ワインスタインは『他者への押し付けは自由に反する』と拒否した。彼は言う。『一人の人間として、そしておそらく一人のユダヤ人として、強制的にどこかに行け、行ってはならないと言われることに、ある危機感を抱いた』と。だがその結果、彼の授業中に学生達が乱入する事件が起きた。それは学生達による「つるし上げ」であり、彼に辞職するか謝罪するかの二者択一を迫った。そして後日、彼は辞職した。現在の彼は他の多くの学者達と共に、ポストモダニズムと今日のフリースピーチにまつわる論議とを結び付け、その関係性を考える運動に携わっている。


protest


  「社会正義」の名の下に動く学生達にとって「自由」はもう昔ほどの価値をもたない。ポストモダニスト達は「伝統的に抑圧されてきた人々」が「現実に何を感じ体験するか」に価値を置く。そして『あなた方の言論は我々の実体験を代表していないし反映もしていない。あなたの言うことは矛盾している』と抗議する。 一方で、そんな彼らを揶揄し挑発する人々(オルト・ライトの扇動家達)が存在する。彼らは「多くの人々が本当に言いたい事」を、自分の命と社会的立場の両方を危険に曝しながら口にする社会的戦士だと自認している。

たとえば彼らはフェミニズムをたちの悪い捻れた男性嫌悪症だと攻撃する。『トランジェンダーの連中は「私とセックスしたくないなんて、それはあなたがトランスフォビア(トランスジェンダー憎悪)だからだ!」と決めつけるしね』と、マイロ・ヤノプルス。 相手を意図的に煽り、意地の悪いジョークで茶化し、侮辱する彼らの話法は、ときに教育的な指導効果を生む場合もあるが、ただセンセーショナルな本を売りたいがためにキャンパスにやって来るケースもあるとNY大学のウルリク・ベア教授は語る。

  今、抵抗する若者達は「フリースピーチ」という概念を「護られるべき言論の場を破壊する脅威」だと見なしている。『私はオルト・ライトに脅されるためにここに来たんじゃない。大学当局は彼らに加担していると思う。』 インタビュアーは問う。『かつてこの大学で生まれたフリースピーチ運動は、実際にキャンパスを破壊してまで言論の自由を護りベトナム戦争に反対しましたが?』 『その当時の運動が人類を包括的に捉え、人権を護るための破壊だったのなら、それは必要な破壊。でも今(オルト・ライトの)連中がやろうとしているのは人間性の抹殺を目的とした破壊にすぎない。目的が全く違います。』と答える新入生。 


war


  だが
ウルリク教授はこうした状況を良い事だとも言う。そしてローマ皇帝マルクス・アウレリウスの言葉を引用し、人々が抵抗する時は大抵の場合、その水面下に別の重要な問題が隠れていると話す。『私達にとってこの社会はどこかが間違っている・・・と彼らは言います。そしてそのほとんどが、実のところ、米国史を通じてくすぶってきた人種問題に行き着くのです』と。

『移民問題を持ち出すと、学生達はとたんに忍耐力を無くします。そして「もうその問題を再び持ち出す必要はない。もうすでに解決してきたから」と言います。』『え、移民問題ですか!いや、解決していないでしょう?』とインタビュアー。『そのとおり。解決などしていません。それは何も解決していない問題であり、米国が背負う人種的平等という問題への根本的な関与へと導かれる話題なのですよ。』


  今は昔と違い、学生達は人種、民族、宗教、階層など最初からセクト化された状態で大学に入ってくる... セクト化した集合体にとって、議論や耳を傾ける行為は重要ではなく、相容れぬものに抵抗し、それらを排除し、自分達の要求を通すことが重要だ。そして彼らは、敵対する主義主張を持つ者は政府の高官でさえも、キャンパス内で講演することを許さない。彼らと議論する良い機会ではないのか?という問いに『議論したところで彼らの考えを変えさせることなど出来ると思いますか?』と笑う学生。革新派の抗議によって講演を中断させられた人々にはテキサス州共和党議員のジョン・コーニン、元CIA長官ジョン・ブレナン、保守派の論客ベン・シャピロなどがいる。講演者への安全対策コストも莫大な額になりつつあり、シャピロ氏の講演時には60万ドルかかったという。


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  では、キャンパス内で講演することを許されるべきなのは誰なのか...? 新しいルールが必要とされている。一方には過剰に反応する学生達。もう一方にはセンセーショナルな挑発者達が対峙する。どちらの側も完全に誠実だとは言えないだろう。 『おそらく大学を管理する当局側が何らかの取り決めをしなければならないでしょう。』とベア教授は考える。『米国憲法修正第一項(言論の自由)は、どこでもどんな状況でも何でも言える権利を保証しているわけではないのです。』現在、米国では半数以上の州が大学内の言論の自由を護るための新法を成立させたり法案を審議している。

  UCバークレーの教授ビル・ドラモンドは語る。『60年代に学生達に明け渡した規制の力を取り戻し、規範を定めて統制を行う必要が出てくるかもしれません。』たとえば、どんな主張であろうと政治色のあるイベントは再び禁止するなどだ。




要約は以上です。
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【備考1】〜というか、思い付くままに〜

◎公民権運動~ベトナム反戦運動とフリースピーチ運動
 
1960年代中盤〜後半:フリースピーチ運動
土星・冥王星オポジション期
  • 1965年4月 土星/魚座・冥王星/乙女座13°台
  • 1965年8月 魚座・乙女座15°台
  • 1966年2月 魚座・乙女座17°台
  • この時期は乙女座での天王星・冥王星コンジャンクション期と重なる
  • 米国始原図(6室魚座、12室乙女座)
  • 日本戦後始原図(魚座は3室の、乙女座は9室のカスプあたり)
フリースピーチ運動
1960年代後半におけるアメリカの学生反乱の口火を切った学生運動。1964年9月、カリフォルニア大学バークリー校で、大学当局が学生の政治活動を規制する方針を告示したのに対し、学内の学生諸団体はこれに反対してゆるやかな連合を組みフリースピーチ・ムーブメント(FSM)を結成した。運動の過程で大学当局は無権利状態の学生に対して圧制者であることが暴露され、権利の獲得のために決定機関への学生参加を要求した学生たちは、〈知識工場と化した大学〉の〈人格性と感応性を欠いた官僚機構〉を鋭く追及した。コトバンクより)


1980年代中盤:ポストモダニズム最盛期
土星・冥王星コンジャンクション期〜両惑星の蠍座運行期〜セミスクエア期
  • 1982年11月天秤座27°台でコンジャンクション
  • 1983年6月ニアミス
  • 米国始原図では1室天秤座。10室のネイタル水星と4室のネイタル月・冥王星にTスクエア形成
  • 日本戦後始原図では10室天秤座
  • 当時、天王星は射手座を進行中で1982年に木星がコンジャンクト、海王星は射手座終盤度数
  • その後冥王星は蠍座、海王星は山羊座、土星は蠍座→射手座へ(1988年、射手座最終度数で土星・天王星コンジャンクト。日本ではバブル景気が体感された頃…戦後始原図のアセンダント/山羊座0°台でコンジャンクトが起きた。
  • 1985年4月〜1988年10月まで天王星・冥王星セミスクエアがニアミスを入れて7回起きた。
  • 1988年1月 冥王星蠍座12°台、土星射手座27°台でセミスクエア

現時点での大学生は年齢的にみておおよそ射手座に冥王星、牡羊座(〜牡牛座)に土星、水瓶座に天王星(木星と海王星が加わった年もある)を持つ世代と思われる。(1997年2月に土星・冥王星のトライン)。そしてこれから2001年8月、11月と2002年5月の土星・冥王星オポジションの影響下に生まれた高校生達がキャンパスに入って来る。その後2020年1月には
山羊座22°台で起きる土星・冥王星コンジャンクションが控えている。そのとき、真の「ポスト・ポストモダン的思想」が浮上するのだろうか....?


◎ポストモダニズム


ウィキペディアからの引用によれば、ポストモダニズムとは…
(ここから引用)『ポストモダンの条件』(1979年)を著したリオタールによれば、「ポストモダンとは大きな物語の終焉」なのであった。.....例えばマルクス主義のような壮大なイデオロギーの体系(大きな物語)は終わり、高度情報化社会においてはメディアによる記号・象徴の大量消費が行われる、とされた。この考え方に沿えば、“ポストモダン”とは、民主主義科学技術の発達による一つの帰結と言える、ということだった。

 このような文脈における大きな物語、近代=モダンに特有の、あるいは少なくともそこにおいて顕著なものとなったものとして批判的に俎上に挙げられたものとしては、自立的な理性的主体という理念、整合的で網羅的な体系性、その等質的な還元主義的な要素、道具的理性による世界の抽象的な客体化、中心・周縁といった一面的な階層化など、合理的でヒエラルキー的な思考の態度に対する再考を中心としつつも、重点は論者によってさまざまであった。したがって、ポスト・モダニズムの内容も論者や文脈によってそうとう異なり、明確な定義はないといってよいが、それは近代的な主体を可能とした知、理性、ロゴスといった西洋に伝統的な概念に対する異議を含む、懐疑主義的、反基礎づけ主義的な思想ないし政治的運動というおおまかな特徴をもつということができる。

ー 引用終わり/太字下線はこちらで引いたものです



  …と、ポストモダニズムって...なにやら門外漢にはとても難しくてわかりにくいのだけれど。。 わたしのような素人目に、たとえばポストモダンと言われる建築やアート作品って、まるでモザイクのように様々な文化や事物の特徴を散りばめて、あっちへ飛びこっちへ飛びしながらも何故かひとつにまとまっているという、ごった煮のような「何か」・・・うーん世界観?として映ります。そして、それはそれで面白かったり美しかったり魅力的だったりもするという。。

また、絶対的に賢くて合理的で偉そうな、四角四面の支配的主体をバラバラに解体して見せた、カタルシス的な行為だったのかな?などとも思ったり。。 断片化。セクト化。 ポストモダニズムによって否定されたという「近代の合理精神」が本当はどんなものなのか、専門的な知識を持たないわたしにはわからないけれど。とりあえずスッキリと割り切れる善悪の意識と一点に絞られた理性的ゴールに向かおうとする時代精神が存在していたのだとすれば、1980年代中盤って・・・それまでの端正な道に敷きつめられた赤い絨毯の下に隠されていた、あらゆる欲望や非合理的な暗闇のヘドロ(ナマの人間性)を札束の力で美しく飾りつつ、あれもこれもと引きずり出して見せたようなイメージがあります。そして全てが断片化して風に吹かれて飛んでいったような。。  それでも様々な領域に根付いた小さな種はやがて芽を吹いて、それぞれに「個」の花を咲かせたような。。。 

  長く続いてきた「間違えることのない絶対理性がどこかに存在するはずだ」という信念への反動や破壊の試みとして顕れたのがポストモダニズム的気分なら、それは土星と冥王星の組み合わせ(絶対者の維持と解体)によく似合っていると思います。けれどバラバラに解体されたものは、もう一度生まれ変わることを通し、再び「新たな鋳型」として固まろうとするのかもしれません。エントロピーに逆らおうとする本能的な危機感みたいなものが、わたし達人間には組み込まれている気がします。


代表的なポストモダン建築のひとつとされる
「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」
Kushiro_Fisherman's_Wharf
By 663highland (Own work) [GFDL (), CC-BY-SA-3.0 () or CC BY 2.5 ()], via Wikimedia Commons


  さて、ポストモダニズムのピークはいつ頃かといえば、上記の引用にも出ている1979年の『ポストモダンの条件』出版以降~諸説ありますが、1980年代中盤土星・冥王星コンジャンクション期〜両惑星の蠍座期)が最盛期だったとも言われているようです。1980年代中盤といえば、好景気に入る時期。米国はレーガン大統領、日本では中曽根康弘首相の時代ですね。

当時は芸術や音楽の世界にも華やかでノリノリのイメージがあふれていたと思うし、キラキラした流行の水面下では様々な分野で「もの言う個」をめぐる冒険的・実験的な試みも数多くなされたのではないかと思います。またMTVの隆盛によってビジュアルを意識したPOPSやROCKが台頭した時期でもありました。そういえば1979年9月に『Video Killed the Radio Star/ラジオスターの悲劇』という曲がリリースされていますが、これはテレビ(ビデオ録画技術)によって仕事を失ったラジオ全盛期の歌手を歌ったものだそうです。面白いことに、この時期は土星・冥王星サイクルが前の周期の枯渇期であるバルサミック・フェーズに入ったタイミングとぴたり同期します。 

また、土星・冥王星コンジャンクション期〜蠍座期はスピリチュアルな世界でもいわゆる「チャネリング・ブーム」が起きるなど、精神世界に新たなスター達が生まれた時代でした。ハリウッド女優のシャーリー・マクレーンが自らのスピリチュアル体験を書き綴った本『アウト・オン・ア・リム』が世界的なベストセラーになり、ニューエイジ・ブームに湧いたのも1980年代中盤です。 またアストロロジーの世界においても、1977年に発見されたカイロンについての研究がゼーン・ステインによって初めて本になり、ジェフリー・ウルフ・グリーンの冥王星だけに的を絞った大著『 Pluto The Evolutionaly Journey of the Soul 』(まさに蠍座の冥王星!)の初版が出版されたのもこの時期でした。そして多くの気鋭のアストロロジャー達が、今まで見向きもされなかった小さな惑星達の研究に手を染めていきました。

こうしてみると全体にこの時期は、天秤座の土星と冥王星による既存コンセンサスの解体に始まり、射手座の天王星(と海王星)っぽい脳天気な楽観性と夢の拡散、そして新しい領域に目標を定め飛び込んでいこうとする気概に満ちてもいた時期であり、その後土星と冥王星が蠍座に入って一度バラバラに飛び散った種子を個々に深く掘り下げ、新たに育てていったようにも思えてきます(
その後山羊座、水瓶座を経て牡羊座に入った天王星がそれぞれのアイデンティティを過激なセクト化に導いていったとしても...)。

もちろん、複雑な世界の様相と惑星サイクルとの関連を、十分な知識もないままに簡単に語ってしまうことは慎まなければならないでしょう。ただ思考を深めるためのひとつのフックとして、自己のあらゆる経験からひとつの仮説を立ててみる。それを深めたり変容させたり、ときには捨てていく。アストロロジーとはそういう繰り返しかもしれません。そして、それはつまるところ自分自身の生をその世界に映していくことでもあります。


  ところでその後、1987年10月19日にはニューヨーク証券取引所を発端とする史上最大の世界的株価大暴落「ブラックマンデー」が起きています。株価は前週末の引け値より22.6%、508ドルも下落しました。

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  当時の何が大暴落を引き起こしたのか? その原因は様々に言われているようですが、ウィキペディアによれば... ① レーガノミクスの高金利時代から割安に放置されていた株式市場に80年代に入って金融緩和の追い風を受けた世界中の資金が流入し「行き過ぎた活況」(どこかで聞いたような?)を呈していたこと。 ② プラザ合意と金融緩和によってドル高を克服したと思ったら、今度は行き過ぎたドル安を克服する必要が生じ、G7によるルーブル合意に至ったものの不調に終わったため、金利引き締めの懸念が出てきたこと。 ③交代したばかりの新FRB議長グリーンスパン氏の政策への懸念。 ④ 暴落の直前、イラン・イラク戦争に関連し米国がイランの石油プラットフォームを報復爆撃したことで原油市場への不安が拡がったこと...などが挙げられています。

いずれにしても、様々な要素が重なって投資家心理に大きな不安が膨らみ、いったん売り優勢になれば我先にと出口に殺到するような状況だったのではないでしょうか。。  それに加え、その当時から特に大口資金に関しては高度な金融工学とコンピュータを駆使した取引が行われていたため、その足の速さは以前とは比べものにならなかったかもしれません。今は小口の個人投資家もPCを使い、板を眺めながらトレード出来るけれど、80年代当時はまだまだ対応出来る状況ではなかったのではないでしょうか。。

  では日本の株式市場は?といえば... 日経平均もその日3,836円安と14.9%も下落、21,910.08円をつけて過去最大の暴落となりました。けれど大暴落の嵐だった世界の中で、実は日本が一番回復が早く、翌日には2037.32円高と9.3%も反騰。金融緩和を続けたせいで半年後にはもう下落分を回復していました。そして日本のバブル景気はさらに膨らみ、1989年12月29日に史上最高値38,915.89円をつけています。

ちなみにブラックマンデー当日のニューヨーク証券取引所設立図を見ると、ネイタルの2室乙女座(資金)火星に対し5室(投機)射手座を運行中の土星がスクエア。トランシットの月がネイタルの火星上を朝9時に通っています。またネイタルのアセンダント上の天王星にトランシットの土星とエリスがグランドトラインを形成し、ネイタルの冥王星にトランシットの土星がセクスタイル、そのミッドポイントにネイタルのエリスがすっぽり入っています。また天空では水星・金星・冥王星が蠍座でオーブ1°〜2°と接近、そして射手座の天王星と蠍座の冥王星は正確なセミスクエアからまだ1°も離れていない状態でした。

そしてその後...
土星、天王星、海王星が揃って山羊座を運行中で土星が海王星とコンジャンクトした1989年11月にはベルリンの壁が、土星が水瓶座入りし、山羊座で天王星・海王星がコンジャンクトした1991年12月にはソ連が崩壊しています。 そういえば日本のバブル景気崩壊も1991年3月からとされているようですね。この年の2月終わり〜3月は、ちょうど土星・冥王星サイクルがコンジャンクションを終えて、新しいサイクルの初回クィンタイル*を形成した時期です。また興味深いことに、この時期は日本の戦後始原図の1室(国民総体およびその "気分")で天王星・海王星がほとんどコンジャンクト(ニアミスとして記録される)、MC上のネイタル海王星にスクエアを形成。1991年4月には土星が2室のカスプに乗り、1992年1月初頭から本格的に2室を運行し始めました。

*クィンタイル:72°(360°の5分割)霊的・精神的に深く創造的な意味を持ち、何か重要なことを思い起こす刺激になるとも言われる。ただし注意深く内面を見ることが必要)


  そんなこんなで、備考と言いながらちょっと話が脱線気味になってきた気もするし、ちょっと休憩して...(^_^;。今思うと、1984年に発表された Queen のこの曲も、ある種のポストモダン的表現と言えるかな?
Radio...Someone still love you... ♪




でも、同じ年のヒット曲でポストモダン的な「気分」の一側面を特徴的に表現していたと感じられるものの一つには、こんな曲もありました。
Franky Goes To Hollywood 『 Two Tribes 』
When two tribes go to war, one is all that you can score... ♪




  さてその後。「ポスト・ポストモダニズム」的な思想はいろいろ出ているけれど、世界を席巻するほど流行するものはまだないと思われます。ポストモダニズムの波を経て、昔からのリベラルとか保守とかいう範疇(または境界)を互いに真逆に突き破り、聞く耳を持たなくなってしまった米国の学生達の在りようは、まさに牡羊座の天王星を思わせます。けれどその天王星も終盤度数に来て、来年には本格的に牡牛座入り。そこでの天王星はあらゆるリソース(お金や地球資源から個人的才能まで)の領域で実験的な試みを遂行する、そんな力になるかもしれません。牡牛座特有の頑固なほどの自己保存本能と天王星のテクノロジーが結び付いたとき、どんな思想が生まれてくるのかな? 

もしかすると、暗号通貨や新しいサイバー・セキュリティ技術を含むコンピュータテクノロジー( 牡牛座への天王星イングレス→テクノロジーを通じた「銀行」「資本主義」の変容?)、そしてバイオテクノロジーや脳科学(新エネルギー、気象操作、不老長寿〜不死、デザイン可能な人体、遺伝子操作ベビー、道徳的な脳への矯正法開発 — 脳の人工培養 etc.)の進歩と興隆。牡牛座が支配する物理的現実、肉体、性と生殖に起きる意識革命 …そんな流れに沿うように、こうした技術を用いて国家や世界を管理し統制することをヨシとする思想と(あるいは)それに対抗するような、自然または宗教的な意識への回帰思想がまったく新機軸の衣をまとって浮上し、もてはやされる時代が来るでしょうか。

ただ「思想」が「思想」である限り、やはりそれも人類の文明と共に大きなサイクルの中を巡りながら、季節ごとの変わり目に咲く花々に過ぎないのか...とも思います。集合体としての人類はどこへ向かおうとしているのか? いつの日か、この螺旋運動に終わりが来るのか? いえ実際、本当にどこかに向かっていると言えるだろうか? そしてそれは、果たして「進化」なんだろうか? なんて...ね。

まったくの余談ですが、エリック・フランシスとの対談の中でメラニー・ラインハート女史が、当時はまだ発見されていなかった準惑星エリスを「ポストモダニズム」の惑星だと指摘していました。これは本当に言い得ているように思います。エリスは不和の女神として知られていますが、最初に天文台のカメラに捉えられた時点でのチャートを見ても、様々な不和の体験を通して "ポストモダニズム的自分探し" 、つまり断片化してしまった自己を取り戻すべく見つからないパズルのピースを探し求めて葛藤し続ける心理と関連するのではないかと考えられるからです。



【備考2】

米国始原図(メリマン氏推奨)と戦後日本始原図(戦後主権回復図)
USAM_JAPAN


        遅い惑星達のサイクルが米国と日本のチャートの何室でコンジャンクションやオポジションを形成してきたか、そしてこれから形成するのかを見ていくこと、またパーソナルとオーバーラップさせて、自分のネイタル・チャートではどうかなど…現代史や自分史と照らし合わせながらいろいろ考察してみると面白い発見があるかもしれません。

なお、米国と同様に日本の始原図についても、大日本帝国憲法発布図、現在の日本国憲法成立図などなど、複数のチャートが存在します。けれどわたし自身は主にこの主権回復図を使っています。敗戦後、日本は被占領国としての期間がありました。その間の日本は独立国ではなくあくまで「Occupied Japan」として認識されており、世界との関係性において、国家としての存続性はそこで一度断たれたのだと考えられるからです。もちろんひとりの日本国民としてはまた異なる感覚を持つし、他のチャートもそれぞれに整合性を持つと思います。けれどマンデーン・アストロロジーで世界各国との関係や現代の事象、集合心理のペルソナを見ていくにあたっては、現在のところこのチャートに極めて高い整合性が見られるのではないか?と考えています。


        わたし自身にとってのマンデーン・アストロロジーとは、未来を予測して当たった外れたというよりも(もちろん、アストロロジーをビジネスとする際、それは「力」を示す上で必須の要素になるし、予測には関連分野への個人的意見を超えた高い見識が必要になる、という戒めもありますが..)どちらかというと同時代を生きるひとりの人間として『いったいぜんたい、これは何なのだ?!』と周囲を眺め渡してみる...そして自分の足許をあらためて見直す... そんなことのために学んでいると考えています。なぜなら、常にそこには岐路が存在するから...。

  月と金星(と天王星)がアウト・オブ・バウンズで、プログレスの月がこれから再び太陽のくびきを離れていく身のわたしとしては、これからも、たまには思いつくままにこんなスタンスで記事をUPしていければ...などと思っています(^_^;。



young_galaxies



have great fun!!!★

hiyoka(^_^



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August 20, 2017

— 2017年の日蝕から見る2018年(とそれ以降)のメモ —

以下は2017年8月の日蝕直前にふと思い立って書いた【MEMO】です。

「記憶」のために
  • 2017年8月22日の日蝕は少なくとも1年(〜3年)間の影響範囲の幕開け。
  • フォーキャストに記述されていた天王星・冥王星スクエアによる人種暴動は孵化し、より複雑な様相を見せながら今になって表面化しつつある。今後は移民・難民・ジェンダー・宗教問題などを包含してもっと複雑化していくかもしれない。
  • 心に秘めた罪悪感(神または絶対善からの抑圧?)との対峙を避け続けるうちにそれは反転して憎しみとなり、他者への攻撃にすり替わる怖れがある。
  • メカニカルにもオートマチックにも見える人生と訣別したいという欲望を生み出す六芒星。他者にはわからない理由で自ら去るひとも。「仮想現実」がより身近なリアリティとなり、ロボット技術や電子世界の支配力が加速度的に増すと共に、わたし達人間の「存在の重心」は上方に移動したままになる可能性も。これは皮肉なことに、一時期スピリチュアルな世界でよく言われた「アセンション」とは似て非なるものだけれど、実際に将来の人類が選ぶのはこうした擬似的な次元移行かもしれない。
  • 2018年はもっと激しい年になる。今怒っている人々は益々怒り、狂っている人々は益々狂うのかもしれない。そして突き進んでるひとは益々進む(倒れなければ)。迷っているひとは益々迷い、ぼやけてるひとは益々ぼやける。不安を抱えているひとはその不安が増大するなど、今の状態がより鮮明に浮上し、固まってくるかもしれない。だから今がとても大事。怒っていても狂っていても、逸脱していてもいいけれど、いつの間にか気付かぬうちに在るはずの道から外れてしまっていないか? 少なくとも(他の誰でもなく)自分の中できちんと筋が通っているか? 捻れていないか? 何よりもまだ未解決の情緒に動かされていないかを今、わたし達は出来るだけ冷静に見ておく必要がある。 
  • 戻るも自由、進むも自由。でも実は自由が一番厳しい。それを教えてくれるのが射手座の土星だけれど、2017年冬至に山羊座入りする土星は仮面を付け替える。そうなると一度歩み出した道から大きく逸れることはより困難になってくる(鋳型を強化し、ひとつの方向に押す力)。2018年、2019年と土星は山羊座を進み、そしてやがて2020年初頭には冥王星と邂逅する。2019年12月26日の金環日食〜2020年1月11日の半影月蝕はひとつのピーク、または区切りになるかもしれない。それまでに、集合的にも個人的にも危機は何度か訪れると思う。だから。いつも、今が大切..。


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November 13, 2016

★大統領選など、気ままに.....

        米国の大統領選が終わり、トランプ・ショックが世界中を駆け巡りました。紆余曲折のあと、直前までヒラリーさん有利と言われて逆転って、Brexitと似たような結果になりましたね。投票結果の総数はヒラリーさんの方が多かったにもかかわらず。。 でも、なぜヒラリーじゃなく、大統領になる資質さえも疑われたトランプなのか? みんなが首をかしげ、憎悪によって、愛によって、彼という存在に惹きつけられています。そんな現実が顕れた原因については、あらゆるメディアで、ネットで、本当に沢山のひと達の様々な見解が披露されています。そのどれもが皆、正しいのかもしれません。

そして今、スーパームーンに向かって増大していくエネルギー下で米国では反トランプ・デモが盛り上がっています。(ん、今TVをつけたら韓国では朴大統領への抗議デモも凄い勢い。。) そしていまだに物議をかもした トランプ発言を繰り返し流して煽るメディア。というか何となく嬉しそうな? この異常なほどのエネルギーが次の現実をもたらすのか、それとも一時的なものとなるのかはまだ見えません。けれどいずれにしてもこのエネルギーは、その中身が何であろうと、一度解放されなければならないのでしょう。一方、Twitterでは今「Dear Liberals」というワードがトレンドの1位に上がっています。デモで暴れているひと達に対して諭したり皮肉を言ったり怒ったりからかったりするためのタグ。白人男性ばかりでなく、 ゲイ、ブラック、ヒスパニック、様々な人種、性別、年齢のひと達。これは勝ち組の余裕ということなのでしょうか…?


HunterMoonAlpsDeRosa900


        今回の満月、ベースとなる牡牛座22°台のシンボルは『荒波の上を飛ぶ白鳩』です。これは、様々な理由でこころや体に激しい苦痛を感じるひとに対する、深い共感を象徴すると共に、どうにかして手を差し伸べたい…と感じる純粋な気持ちを示唆するものです。けれど同時に、汚れることの無い高みから見下ろし、風(思考の象徴)に乗って理想を追い続ける精神をも指し示すものです。きっと白鳩が荒れ狂う海に舞い降りることはないでしょう。一方、太陽が位置する蠍座22°のシンボルは『鴨撃ちに出かけるハンター達』です。これは獲物という報酬を狙い、散弾銃を携えて出発する一団。彼らの狙いはとてもシンプル。少しでも多く獲物を撃ち落とすことだけです。狩る者と狩られる者のドラマは、野性の世界では毎日のように見ることが出来ます。

このシンボル・ペアには多様な解釈が可能です。けれど、大統領選のひと騒動にからめて読むなら、「白鳩」を大脳新皮質=理性、理想系「鴨撃ち」を大脳辺縁系=本能、報酬系と見てもいいのかもしれません。今のわたし達は両方のバランスが取れているくらいでちょうど良い気がするけれど、たとえばトランプさんの言う『ポリティカル・コレクトネスなんてもう沢山だ!』ということばは、大脳新皮質によって課された理性の抑圧に対する大脳辺縁系の逆襲とも言えそうです。

政治、経済、思想が創り上げた理路整然とした正しさ。でも、わたし達の精神は果たしてその通りに生きられるほど進化をとげているのでしょうか? わたし達はみんな、なま温かく、ときに生臭いまでの矛盾を抱えながら生きているのではないでしょうか? そして、集合体レベルでも個人レベルでも、無理に無理を重ねてきた結果が…現在の分裂や爆発に繋がっていると言えはしないでしょうか? 


sunrise


  荒海のはるか上を飛ぶ真っ白な鳩は、平穏で平和な大地を求めて飛んでいます。はるか彼方にうっすらと見える、ゆるがぬ理想の牡牛座的大地を。白鳩の力で荒波を抑えることは出来ないでしょう。けれど何かのメッセージを上空から落としていくことは出来るのかもしれません。対向の蠍座の深みに、原始の本能とも言われる大脳辺縁系のシンボルが出て来るのは面白いと思います。生き抜くことを懸け、闘い取るという本能。この二つの意識はせめぎ合うことが多いけれど、本当はどちらも、大事。集団の中でも、ひとりひとりの存在の中でも、どちらもが謙虚に手を取り合っていかなければ、わたし達はきっと生きていけない。

満月がとっていくシンボル・ペア、牡牛座の「宝飾店」ー 鍛錬されたワザと注意深く研磨された原石によって本物の輝きを得る宝飾品達。そして太陽が在泊する「妖精に変身した子ウサギ」は、肉体そのものでもあるわたし達にとって、マジカルな領域(全く新しい精神領域)への知覚力/識別力をどう使っていけるのか?という問いかけを示しているとも言えます。また、「肉体性の希薄化」が何をもたらすのか? その結果をどう引き受けられるか?という問いであるかもしれません。これはひとつ前のシンボル・ペアが包含するせめぎ合いに対するひとつのヒントであり、第三の「解」への入り口として、今わたし達に贈られるエネルギーのような気がします。

テクノロジーが発達し、簡単に繋がることの出来る世の中。そして簡単に殺し合うことも出来る世界。今、至るところで見られる分断は、そんなとてつもない便利さの中を生きるわたし達に突き付けられた、天王星とエリスの挑戦でもあるんじゃないかな...。


trump


        わたしは今回の米国大統領選をはるか海の彼方から見せてもらって、こんな風に感じました。ドナルド・トランプというひとは、必要な変化を誘発するための起爆剤として立ち現れたひと。そして米国の多くのひと達の無意識に呼びかけ、選ばれるべくして選ばれたのではないかなと。トランプさんご本人が意識するしないにかかわらず、彼の暴言も、スキャンダルもひっくるめて米国の有権者の意識の蓋を吹っ飛ばすような爆発力を持っていました。だからこそ、米国史中の大事なトランジッションの時期に、ある役割を果たすひとの一人として選ばれたのではいかと。

クリントンさんにも限りなくダークなスキャンダルの匂いはあったけれど、それはこれまでの米国が抱える闇とも重なるイメージです。おそらく自分に課された仕事をしっかり成し遂げるだろう彼女が大統領になったとしても、今 行く手は苦難の道。いずれ必ず大きな変化が起きてくるとしても、おそらくクリントンさんでは、溜まりに溜まった澱を底から掻き出すような激しいエネルギー、見ないふりをしてきた大きな矛盾に光は当たらないだろうと思います。マイノリティーや弱者救済の旗印は理想だし、多くの若い学生達やリベラル層を惹きつけたかもしれません。でも、経済的にも社会的にも「希薄化」させられたと感じるひと達には響かなかったのではないでしょうか。そのひと達にとっては、『米国は常に偉大だったし、今も偉大です』なんて綺麗なことばより『米国は腐ってる。共にもう一度偉大な米国を創ろう!』というコールのほうがずっと真実味があったんじゃないかなと思うのです。まぁ、これはそこに住んでいないからこそ気軽に言えてしまう類のことなのだけど。。

今も世界に大きな影響力を持つ米国の集合無意識が、火・水・爆発・分裂のエネルギーを宿命的に背負ったトリックスターのような(少なくともそう見える)存在をトップに頂くことを選んだとすれば、それは凄いことだと思います。トランプさんは月蝕の下に生まれました。「蝕の子」は、それぞれに何かしら果たすべき宿命を持つとも言われます。月は女性を象徴するけれど、月蝕生まれの彼が、女性初の大統領候補であるクリントンさんを破ったというのも象徴的ですね。。


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        ちなみにトランプさんは、ネイタルでアセンダントにロイヤル・スターと呼ばれる王者の恒星レグルスが乗っています。そして2016年~2017年のプログレッションでは、長い年月を経て2011年に乙女座入りし0°に位置するレグルスにプログレスの太陽がコンジャンクト。なんとダブルで太陽・レグルスの合になります。そしてもっと詳細に見ると、このアセンダント上にはネイタルの「小惑星アメリカ」が在泊し、まさに上昇しようとしていました。(これだからアストロロジーは面白いんですよね^_^;) そして、もうすぐトランシットの木星がネイタルの木星にコンジャンクトする新たな発展のジュピター・リターン! あらためて見ると、やはり頂点に昇りつめるタイミングだったのだな…と思わされます。

また、ジェフリー・ウルフ・グリーンの進化アストロロジー的にチラ見してみるなら、彼の冥王星は12室、おそらく今生向かうべき方向は「公への全面的な奉仕」。そのための機能として働く、月のノースノードのルーラー水星は蟹座11室「We the People」にあって、天秤座のイクシオン、そのお隣の海王星とスクエア。 彼はその「喋り」が命というところがあるけれど、不特定多数の公衆を前にするよりはビジネス・ネゴシエーション的な規模の喋りの方が得意かもしれません。虚と実を織り交ぜて相手の勘所やツボを押さえながらやっていけるからです。それはきっと、リアリティー番組の役どころとしても使えるキャラクターだったのではないでしょうか?(観たことないので無責任なことを言えないのですが…)

けれどそれをターゲットの定まらない大観衆の前で同じようにやろうとすれば、今度は世界中のメディアを通して増幅されていく内的矛盾の質も量も以前とは格段に異なるでしょう。おそらく無意識に自分を強く大きく見せることが多いと思うけど、防衛本能が強く働いたときにはとりわけ事実を無視した発言やトリックスター的変わり身の早さが発揮され、多くの人々を振り回すことになるかもしれません。おそらくそれを彼は計算しつつやれるひとだと思うけれど、大統領職となると、重さも緊張度も全然違うはず。

また何かを批判するときは、内容が合っていようと間違っていようと、そこに彼なりの「公」という強い思いがあり、そのこと自体が…受けるひとには受けるのだとも思えます。彼は数々の女性蔑視発言でも物議をかもしてきました。けど、おそらくご本人は「蔑視」のつもりなどさらさら無いのではないでしょうか。


Venus



  彼は自己の内的ロマンと理想の狭い範囲内で女性を捉えるのではないかと思います。(蟹座11室で金星・土星コンジャンクト、これに山羊座のフォルスがオポジション、天秤座3室のキラルスのTスクエア) それはたぶん、ゴージャスでしかもよくオーガナイズされた女性かな。自分の(特に自分の中に確固として存在するポジティブな自己イメージの)安全を脅かさない範囲で驚かせてくれる女性。公衆の中で際立つ女性。それ以外は異性としては眼中に無いのではないでしょうか。蔑視の対象でさえ無いので、女性蔑視と言われても気分的にピンとこないかもしれません。ただ能力があって役立つ存在かどうかだけ。男性女性を問わず、気に入らなければ言いたい放題やりたい放題。でも、根深いコンプレックスが絡んだ侮蔑とは違うので、言った本人は根に持たず、忘れてしまうのかもしれません。なにせロイヤルスター、レグルスをアングルに持つ射手座の月蝕のひとですから。。

そうそう、余談になるけれど… トランプさんのネイタルのICに、小惑星ウラジーミルがオーブ1°でコンジャンクトなのを見つけて思わず笑ってしまいました。あぁ、だからトランプさんはプーチンさんが好きだし、意識せざるを得ないのかもって。ICに乗るということは、潜在意識深くに眠っている、かなり影響力の強い「イメージ」を意味します。必ずしもこれが自己イメージと重なるわけではないのだけど、でも否定しようとしても、どうしても振り払うことが出来ないイメージ。それは好むと好まざるとに拘わらず、隠されたもうひとりの自分の姿かもしれません。

なので、トランプさんは公私共に強い父権的な姿を演じようとしているのかもしれません。ただ、彼の自己イメージと公のイメージはどこか転倒しているところがある気がします。家父長的にふるまい、父権的なことを言っていても、なぜか強力な母…みたいな側面が顔を覗かせてしまう…なんてことが…ひょっとしたらあるのかな?(ほんと、お会いしたこともないのにあんまりなスペキュレーションですが…^_^;)


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        なお、トランプさんの今年のソーラーリターン図は、まさに牡羊座の天王星・エリス・セレスのコンジャンクション(グローバリゼーションやポリティカル・コレクトネスというこれまでの社会構造的な抑圧=山羊座の冥王星に対し、徹底的反抗&アイデンティティ再生への要求)がMCに乗り、彼自身を今年のハイライトの一つとも言えるこのエネルギーの体現者=時の人にしていました。きっとトランプさんという「存在」は、旧構造から見る2極 ー 保守でもリベラルでもないところから生まれたのではないでしょうか。それは「ビジネスマン」という括りからも何処かはみ出たものかもしれません。けれど、だからこそ誰も考えつかないような発想を押し進める力はありそうです。そして時にはそれが酷薄な判断を伴うこともあるかもしれません。それは当然、彼自身の身にも返ってくるのですが。(月のノースノード・天王星・オルクスのコンジャンクションに対してサウスノード・月・小惑星リリスのオポジション)

彼の口から放射される不和の女神エリスのエネルギーは、新たな不和ではなく、すでにそこに潜在していた不和をえぐり出してきます。選挙を巡って人々が抑えていたヘイトや暴力性は、不安や恐怖を道連れにしつつ露わになっていきました。選挙結果を論評する識者の方々の感情さえも、彼という存在によってそれぞれに大きく波立っているのを数多く見たような気がします。この力。それは破壊か統合か? これは外野の無責任な言い方になってしまうけれど… 米国は今のうちにこの荒波を少しでも見る必要があったかもしれないと思えるのです。

また、彼のソーラーリターン図では、自己表現の5室射手座に土星、イクシオン、フォルスが在泊し、その全てが逆行で、過去のドグマを否定したり反抗したりの動き。放言無頼のイクシオンは共にMC、天王星、エリス、セレスにトライン。11室の太陽・金星のコンジャンクションとはオポジション。つまりMC上のエリスや天王星がそのオポジションを調停するような形です。なるほど…な感じかな。

        ただ、小惑星の配置を見ると、彼は自分の放言への人々の反応に、実は内心傷付いているのかも?とも思えます。ネイタルからも、剛胆さや抜け目の無さと同時に二面性としての傷付きやすさ、気分の変わりやすさ、自己弁護的なところが感じられます。それが彼を支持するひとには「正直さ」に、嫌うひとには「大統領としての品格に欠ける不安定さ」として映るかもしれません。彼はたぶんそれを「隠さなければならないもの」とは感じてこなかったと思います。本当に隠さなければいけないものはもっと別の深いところにあって、自分自身にも見えにくいのではないでしょうか。また、ある種の「乱」のエネルギーと共に大きな役割を負ったひとは、様々な危険も(多分霊的には自ら率先して)背負います。彼の場合は行く手に多くの障害が予想されるし、たとえ「公」に向かう意志は強くても、実際にビジネスや私生活も含めて「私」の部分があまりに犠牲になってくると、閉じて防御に回るという難しい面が出て来るかもしれません。けれど大統領職ってたぶんそういうもの。果たして任期を全う出来るかな?という疑問を感じたりもするけれど。。 


Eris



  トランプさんは、おそらく保守とかリベラルとか以前の問題として、自分が生まれ育った「ホームランド」を護りたい・・そこに「しっかり根を張った状態」でいたいという強い思いを抱くひとだと思います。「ゆるぎないホームとしてのアメリカ」が最優先事項。その他については、この第一条件にいかにプラスになるかによって力を入れたり妥協したりするような感じになるのではないでしょうか。アセンダントにぴたり小惑星アメリカが来ていることから見ても、「祖国アメリカ」というイメージが彼自身の人格形成の上でアイデンティティの核となってきたことを示唆していると思います。つまり「Make America Great Again!」は単なる選挙キャンペーンのキャッチフレーズではなく、殆ど彼の心根そのままなのでしょう。それはオバマさんが「Change」を旗印にして勝ったときと同様に、今まで希薄化していた米国の多くのひと達のこころを同調させ、動かし、受け入れられたのではないでしょうか。そして、おそらくこれを(自分が信じる米国の姿を取り戻すことを)成功させることが、自分の残りの人生を全うするために必要不可欠だと感じているのだと思います。

けれど、昔のままのグレートなアメリカはもう戻ってこないでしょう。保守・リベラルを問わず、今までとは異なるかたちと価値観の上に立つグレート・アメリカ。崩壊を避けるためにはそんな国家を目指す必要があるのではないでしょうか。新しい大統領職には、そのビジョンをこれから創っていくという前人未踏の試練が待っているのかもしれません。(それは日本も世界も同じことだけど…)けど、今の時点でそのビジョンがハッキリ見えているひとは、知識人を含めてまず殆どいないのではないでしょうか? 

そういえば、彼のネイタルの太陽に対向する位置は、まさに「移民」のサビアン・シンボルです(12月17日の満月はこの位置で起きます。これは想像でしかないけれど、もしかするとトランプさんは上辺の政治・社会的理由だけではなく、正規の移民VS不法移民のような事象に対して何か特別な思いがあるのかもしれません。)移民問題とリベラル的思考への抵抗については、ヨーロッパのオルトライトの動きと共に思うところもあるのだけど、それはまた別の機会があれば書いてみたいと思います。

良いも悪いも超えて目立つ存在であるトランプさんを批判するひと、さげすみ憎むひと、敵とする人々の数はこれからも多いでしょう。実際、彼に危害を加えようとする動きの可能性はチャート上でも示唆されています。また、来年の就任式あたりのトランシットを見ると、なかなか厳しいものがあります。 けれど少なくとも今は… トランプさんというひとの存在を、米国は本当に必要としているのではないでしょうか。 

これから1月末まで、毎回の新月・満月は全て彼のネイタルの個人惑星から最大オーブ2°までの位置で起きます。お騒がせなトランジッションはまだ続きそう。そして地球規模のトランジッションは今後もまだまだ続いていきます。米国だけでなく日本や世界の進化への刺激としても、つつがなく「最善のかたち」でご自身の選んだ役割を全うしていただけるといいな…。



milkyway



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        わたしは普段あまりひとのチャートについて書きません。たとえ有名人でも(歴史上の人物とかは別としても)会ったこともないひと、異なる文化に生きるひとの中身についてあれこれ言える立場でもないなぁ…なんて。でも、なぜかトランプさんという存在には興味をひかれました。自分のチャートとの相性が良いというわけでもないので、きっとそれも彼のカリスマ性によるものかもしれません。また、わたし自身にとってもこの満月を迎えるにあたり、必要なエネルギーの放出だったかもしれません。

いずれにしても、人間とはとてもとても複雑な存在です。だからこれは、わたしというフィルタを通してホロスコープ越しにチラとかいま見た ドナルド・トランプ氏という存在であり、矮小化されたスケッチです。それでも、彼のひととなりの小さな一側面を、ほんの少しでも描けていたらいいなと思います。

米国大統領という想像もつかないほど大変な仕事を控え、騒乱の発生源のような存在になっているトランプさんがこれからどんな仕事をしていくのか? きっとそれはメリマンさんが『フォーキャスト2017』や『マンデーン2017』で詳しく分析してくださるでしょう。それを楽しみに待ちたいと思います。


Great trek!!!★


hiyoka(^_^


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April 21, 2016

★ 蠍座の霊的原型ー死と再生・変容と統合の観点から

scorpio


        .... 地性宮である牡牛座の対向サインである蠍座は、水性の星座宮です。けれど蠍は、湿潤な土地に棲むもの、熱く乾ききった砂漠に生きるものなど、多様なありか たをする生きものです。 同じ水性のサイン、蟹座や魚座の持つ、常に水に囲まれたイメージとはどこか違っています。

蠍座の水は「内なるもの」です。 蠍座は、その存在の中に燃えさかる炎と豊かな水の両方を同時に抱えているんですね。火と水は内側で溶け合ってひとつになるのではなく、また どちらかが一方を消してしまうこともありません。 存在ある限り、この互いに異なる要素は生と死の永遠のダンスを踊り続けます。ある時は背中合わせに、またある時は抱き合いながら。。 そして、そのダイナミズムが、時にこのサイン特有の強烈な感情を生み出します。

        牡牛座の中心核にも、激しいマグマがありました。 それは地表を温め、生命を保存し、自己増殖していこうという本能に基づくものでした。対向の蠍座では、生殖というテーマが出てきます。黄道12宮の8番目のサイン。ここまで成長してきた意識の中で、ここに来て初めて「他者」と一体となって新しい生命を生み出そうという欲望が出てきます。 けれど象徴的に言えば、地球の生き物にとって生殖とは「小さな死」を積み重ねていくということでもあります。多くの生き物たちにとって、命を次代に伝えることは、自らの肉体としての死期が近付いたことを意味します。 他者とひとつになる悦びや快楽の奥底に は、自らが限られた命であることを存在のどこかで知り抜いていて、その宿命から生まれる悦びも哀しみも怒りも全てを闇に溶かして燃え尽きること... そして、 やがて真っ白な灰の中から起ち上がり、全く新しい「自己」に生まれ変わりたいという切望があると言えるのかもしれません。そこから生まれ落ちた可愛い子供たち は、その真新しい自己の象徴でもあります。 (それは人間にとって、また新たな悦びと苦闘の始まりでもあるのですが・・・)

        エボリューショナリー・アストロロジャー、故ジェフリー・W・グリーンはその著書『PLUTO — The Evolutionary Journey of the Soul』 の中で、蠍座と冥王星のもたらすこうした性のダイナミズムを究極の『エゴの死・・・そして再生の象徴』と表現しています。それは、成長して強大な他者の存在と出会い、自分という自我の限界をイヤというほど知った意識が、どんな犠牲を払ってでも変容し、限界を超えて進化したい、本物の「力」と一体となりたいと願う意識です。それは傷つくこともいとわずに他者との関係に入っていこうとする、蠍座の勇気。それは支配・被支配、サディズム・マゾヒズム、ルサンチマンや報復願望、自己否定、貪欲さや罪悪感など、人間が創り上げた関係性の百花繚乱を踏み越え、その先を目指すこと。その原動力となっているのは、火と水の永遠のダンスから醸成されるパワフルな精神と情念の力 — パッションに他なりません。

けれど、その反面蠍座はとても大きな怖れも抱いています。彼/彼女の背中には、いつも無意識のうちに「死」が宿命の友として寄り添っています。その友は蠍座に大きな力を与えてくれるけれど、もしこちらが背を向ければ、それは振り払ってもまとわりつく見えない虚無となります。傷つくこと、失うことを怖れるあまり、自然な感情の力を抑圧し過度にコントロールしたり、マゾヒスティックにその虚無を受け入れたふりをしていると、その力はねじれ、毒針となって自分と他者の両方を刺すことになるかもしれません。

        以前メリマンさんは『牡牛座は無理に押しまくられると報復的になる』と説明していました。これは、牡牛座にとって自己保存のためにひとつひとつ対象を吟味し、納得することが必要だという意味です。つまり、あくまで自分の世界を邪魔されることに対する報復でした。ある意味、そこにはまだ自分しか存在しません。言い換えればそこに在るのは自分と、自分の生命力を維持・拡大するための能力・資源・資産です。

けれど蠍座の報復は、他者との関係性とその葛藤の中で起こってきます。対象と対等に溶け合い再生していくことが叶わず、自他の限界と無理解によって「支配するか・されるか」のパワーゲームに陥ってしまったとき。 そしてその結果裏切られたと感じたとき、深い傷を負ったとき、蠍座の抱く火と水は、容赦無い氷の炎に変容します。 また蠍座は、「他者の能力・資源・ 資産」を司るとも言われています。 蠍座が「これは自分自身を超える「力」だ」と認めた何か。それと一体になること、真に溶け合うということは、能力や物質的なリソースをも他者と分かち合い、そこから何か全く新しいもの、新しい価値を創造していくことを意味します。

お互いに本当の意味でこころを開き、対等に信頼し、変容し合う関係。 現時点のわたし達人間にとって、それはとても難しいことです。 蠍座のように、対象を深く貫き熱く感じようとする魂を持ったまま、他者と深くふれあっていくことを本気で試みるなら、それは莫大なエネルギーと集中力を必要とすするでしょう。その意味で、蠍座の本質はなかなかのチャレンジャーだとも言えます。そしてだからこそ、そのぶん怖れるこころもまた強いのかもしれません。その深い部分に抱かれた怖れこそが、蠍座を秘密主義のサインとしているようにも思えます。 

でもこの先、集合体としてのわたし達がそんな難しいチャレンジに成功し得るとしたら…? 変容と統合の至福を通し、これまでとは異なる視座を生み出すために、わたし達はまず、マジカルな永遠の挑戦者、蠍座という星座宮の壁を突破していかなければならないでしょう。

蠍座は、流血の闘技場に咲く慈愛の花です。その一輪の花を咲かすには、たとえ先が見えなくても、これだと感じたらひるまず深淵にダイブするしかありません。

わたし達全員が、チャートのどこかに蠍座を持っています。たとえ主要な惑星が入っていなくても、そこは空ではありません。そこには無数の小さな星々がひしめきあい、暗黒の彼方から囁きかけています。その囁き声は、ルネーションやトランシット、プログレッションでハイライトされるとき、きっと何処からともなくこころに滲透してくることでしょう。それもまた、わたし達の内なる大切な声です。

普段はこころから消してしまいがちな この死と再生の歌声に、そのときそっと耳を傾けることが出来るなら…。




have a great trek!!!★


hiyoka

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January 01, 2016

Happy New Year!!!★

REM2016blog

 
2016年 ー また新しい旅が始まります。

遠い惑星達が唱う未知の詩。近い惑星達が奏でる新しい唄。

歓び 哀しみ  ときには 激しい怒り そしてそれを爆破する痛み

さあ 行こう。沢山の物語が待っている わたし達それぞれの道を

瞬きごとの破快の意志を友に

まるで火のように笑いながら!



みなさま、昨年一年間ありがとうございました。
これからの一年も、この場が沢山のフツウの戦士さん達にとって しばしのやすらぎとささやかな栄養補給の場となれますように。。

2016年も、どうかよろしくお願いいたします。

hiyoka(^_^



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January 01, 2015

明けましておめでとうございます!!

RSH2015


 今年も戦士サン達の道に素晴らしいエネルギーが降り注ぎますように...★




What They See Is What They Are

but


What You Create Is What You Are.

then


The Cosmos Will Be Yours.....?




REM2015



150101NY

素適なこと 嬉しいこと 挑戦そして試練

今年、何があろうと無かろうと
星々の強いエネルギーを受けて今を生きることは
やはりこの上ない祝福なのだと思える...

そんな 2015年の幕開けです。(^_^)



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April 14, 2014

★アスペクトから ー カーディナル・グランドスクエアと4月15日の皆既月食★

uranus_plutoJapan_transit140415



        さて来週いっぱい主役を張る、火星・木星・天王星そして冥王星。その中で一番速い惑星である火星は、カーディナル・グランドスクエアの狂言回し役と言えそうです。 その火星は、人と人、集団と集団、自分と他の誰かとの間に結ばれる全ての関係性に光を当てる天秤座を逆行中。 彼は深く潜行しながら、持ち前の本能的なエネルギーで、アスペクトを結ぶ各惑星を刺激していくでしょう。 蟹座の木星には、自分のテリトリーを脅かす相手を裁こうとする姿勢や過剰反応しやすい感情の原動力を…牡羊座の天王星には、誰の干渉も受けず自由に自分の"先進的な考え"を追求する闘争精神を… 山羊座の冥王星には、目的達成とその管理のために自・他をムチ打つ強迫観念とも言える欲望を…。 

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        冥王星はこの月蝕が起きる少し前、4月15日の昼過ぎに逆行に転じます。ということは、少し前からストームフェイズに入っていたんですね。先週月曜くらいから何となく体調が優れない、気分が重い・・・なんてひとも多かったんじゃないかな? 動きを止めた冥王星は無意識レベルにズシンと来ることがあります。そして逆行に入った冥王星は、しばらく無意識領域に強圧的な嵐を巻き起こしながら、その後ゆ~っくりと "力の吟味"を開始します。彼は、『何をしてでも辿り着かなくてはならぬ 「ゴール」 がある』 とわたし達に囁き続けます。けれどその一方で、これまで通りの抑圧的なやり方を押し通しても上手くいかないことに、薄々気付き始めるのかもしれません。こうして冥王星のエネルギーは、メインストリームからほんの少しだけ距離を置き、内省に向き始めます。

もちろん、山羊座の冥王星なので、対外的には権威を保つ必要があります。だから 『やるべきことはやる。しかも、厳然と峻烈に 』。 でも、そのやり方は大方のコンセンサスからは少し外れた「自分のやり方」でなければ満足出来なくなってきそう。でも、そのこと自体が山羊座の冥王星の持つ 「安全感覚」 を脅かすことにもなります。 『正しくゴールに辿り着くためにはこれしかない。でもそれを実行しても誰にも理解されないかもしれない…それではマズイんじゃないか…』。 対向する蟹座の木星もそんな彼の弱みを刺激するでしょう。最終的な安全の確保・・・これは絶対に守らねばなりません。山羊座の冥王星が力をふるうには、セキュリティは欠くことの出来ない大切な要素なのですから。こうして、葛藤する逆行の冥王星は、自分の本当の思いや行動を、今まで以上に秘密にしたがる傾向を持ちそうです。このところ冥王星にピタリと寄り添っているケンタウルス族のオキュロエもまた、あからさまな言動によって排斥されることへのトラウマを暗示しています。

逆行の冥王星は、わたし達の潜在意識に  『いやちょっと待てよ? これで納得いくのか?』 と考えるようなエネルギーをもたらします。今の社会を覆う淀んだ流れを超えて、自分の思った方向に沿って "正しく" 行動したいという衝動。もしこれが、牡羊座の天王星の持つポジティブな顕れ・・・"常識外の発想"や"未来志向の行動力"と結び付いて協働出来るとしたら…。どこからか爆発的な力が湧いてきて、未来に向かう新しい方向性が見つかるもしれない…そんな希望も生まれます。 けれどその反面、牡羊座の天王星が見せつける、ナマの欲望に裏打ちされた自己主張は、冥王星から見れば 『ただの無責任なワガママ野郎のたわ言』 に聞こえがちです。そして天王星から見た冥王星はといえば、『オレ達に隠れてコソコソ悪巧みばっかりする独裁者め』 と映るかもしれません。

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結局、 今こそ何か新しいことを生み出さねばならない・・・という衝動は一緒でも、理想も立脚点も異なる思いが互いを拒否し、ぶつかりあうことの方が多いでしょう。2つの相反する立場を理解し、バランスを取って歩み寄る精神が無ければ、その結果は 『わかってた筈だけどこうなっちゃったね・・・』 ということになりそうです。そこに無傷の者は誰ひとり居ないでしょう。明るい未来はあまり見えてきません。そんな流れの中では、国や社会の単位で調和を創り出すのはとても難しいと思います。。

でもこれ、外の世界がどうあろうと、まずはわたし達のこころの中に起きてくること。自分の中に存在する、4方向からのダイナミックな力のぶつかり合い・・・または引っ張り合いです。だからわたし達は今、こころの十字路に立っているようなもの。何十億通りもの、それぞれに異なる交差点かな。 そこに立つひとりひとりが、この挑戦をどう乗り越え、どんな道を選んでいくのか? 気付いていようといまいと、もうひとりのわたし達の声は今、宇宙の深奥から問いかけているように思えます。『わたしは誰か? どこに行くのか?』

ひとりひとり、異なるキャラクターを持つホロスコープ。そこには、人生を歩む上で体験する大まかな粗筋が、“エネルギーの設計図”というカタチを取って描かれています。だから同じエネルギーがみんなに降り注いでも、どんなバランスでそれを受けるかはわたし達次第。 与えられたキャラクターを使って、どんなアドリブを演じ、どんなエンディングを創るかは、わたし達の選択次第です。今この瞬間にも受け取っている壮大な十字路のエネルギーを、さぁ、どんな風に使おうかな?


        そしてあともうひとつ。グランドスクエアの皮切りとなる、22日夜明け前の天王星・冥王星ジャスト・スクエアのチャートでは、天王星と小惑星グリーヴ(嘆き)が東の地平線に、そしてもうすぐ天秤座14°を過ぎて13°に達しようとする火星がピタリと西の地平線に乗っています。(大地の上で東と西のぶつかり合いってかなりテンション高そう…) その時、わたし達の頭上には山羊座の冥王星が、また、足もと深く大地の底には蟹座の木星が……そして、天底=ICが位置する蟹座8°台には、小惑星ラケシスとマグダレーナがこれまたピタリ。 ラケシスはギリシャ神話に出て来る運命の3女神のひとりで、その名は 『測定する者』 を意味します。彼女は運命の糸の長さを測り、存在するもの全ての寿命を決める役割を受け持っていたのだとか。

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小惑星の研究家マーサ・ラング・ウェスコットによれば、ラケシスは 『進行中の物事が結果を生み出す前に介入し、(良い方向に運ぶように)評価する』 という意味を持つと言います。 また、この位置のラケシスは今までにやり残してきたことを浮上させ、何かしなければ・・・!という気持ちを刺激してきます。 ではマグダレーナは? ・・・これはマグダラのマリアとしても知られる女性の名。 進化アストロロジーの観点からは、ヴェスタのもう一つの顔と同様に「聖なる娼婦」であり、求道者であった者。 また、長い家父長制度の下で喪われていった母系社会の性の力。 そして、あらゆる二元の力のバランスを取り、その交差から進化を生み出す力の一側面として、ダーク・ゴッデス達に連なる存在でもあります。 グランドスクエアが発現するその瞬間に、わたし達の足もと直下にこの2柱の女神がコンジャンクトしている・・・これも面白いというか・・・凄い配置だなぁと思います。 火星(アレス/マルス)vs木星(ゼウス/ユピテル)vs天王星(ウラノス)vs冥王星(ハデス/プルート)と、男神達が一触即発のグランドスクエアを組んでにらみ合うそのとき、天底の蟹座(自分の深い内面、感じる場所)にはとても女性的なエネルギーが寄り添って、まるで何が起きるかそっと見届けようとしているようです。

小惑星帯を住処とする星達は、多くの場合、主要惑星が織りなすメイン・エネルギーに細やかな味わいや特定の方向性を与える役割を持ちます。グランドスクエアを影で支える彼女達は、何があろうと自分自身の場にしっかりと立ち、未来に目を向けながら「今」をよく吟味していく・・・そんなエネルギーをわたし達に与えてくれるでしょう。 彼女達はわたし達に、男神達が持つ闘争的なエネルギーの火炎をこの体でしっかりと受け止め、まったく違う次元から包み込んでいくことを学ばせてくれるかもしれません。そして、何か新しいもの、新しい精神を誕生させてはどうか? と囁きかけています。ラケシスとマグダレーナが位置する蟹座8~9°は、『裸の真実を見ること』 そして 『無垢な目で本物のメッセージと単なるコトバの刃とを識別していくこと』  を象徴しています。

        それにしても今回のグランドスクエア、日本の戦後始原図(日本国憲法衆院通過時)の7室天秤座の太陽をダイレクトにヒットするというのは凄いことだなと思います(ちなみに主権回復時のチャートでは水星とカイロンにヒット)。しかもこの位置って、米国の10室の土星とコンジャンクションです。なんとなく、戦後の日米関係が持つ一種のカルマ的な要素を思わせる配置だし、これから先、この領域に変化が起こりそうな気もします。。始原図の2室に入る日本の月蝕、8室に入る米国の月蝕。そしてそのシンボルは、『互いに姿を換える鷲と鳩』 です。 未来に向かってこれが何を暗示するのか?…今回の蝕をきっかけに、赤く染まった月を眺めながら、そんなことを考えてみるのもいいかもしれませんね。


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        では、今回の月蝕図に戻りましょう。まずはいつものように、マンデーン的な側面からサロス・ファミリーをざっと辿ってみますね。この蝕のサロス・シリーズは122。次の日蝕サロス148、そして10月に起きるサロス127の月蝕、サロス157の日蝕は4つでひとつの組となって、長い間同じ年に起きてきました。

このサロス・シリーズの直近をふり返ると、1942年、1960年、1978年、そして1996年に起きています。 
1942年は太平洋戦争の真っただ中。ラバウル、シンガポール、ビルマと占領していった日本ですが、春の月蝕と日蝕の後、初めて本土が空襲に曝されました。そして年の後半にはガダルカナルの凄惨な闘いやミッドウェー海戦での大敗北があり、形勢は少しずつ悪化。このあたりから日本は徐々に追い詰められていきました。

1960年、この年は有名な安保闘争の年です。日米安全保障条約の強行採決によって、今では考えられないほど激しい反対運動が起こり、その闘争的なデモ参加者の数は580万人を数えたそうです。また、当時の政党社会党の委員長が壇上で右翼の少年に刺殺される事件が起き、一方ではチリ地震による津波で多数の死者が出た年でもあります。 

1978年になると成田に新国際空港が開港し。6月には宮城県沖地震が起きました。また、この年は 「日中平和友好条約」 が調印され、一方で 「A級戦犯の靖国神社合祀」 が行われました。 

そして1996年は、アトランタ・オリンピックの年。日本では住宅金融専門会社の破綻から国会が空転し、その処理に6850億円が使われることになりました。またこの年はサロス122の蝕の直後に駒ヶ岳が噴火。夏にはO157と呼ばれる大腸菌によって、集団食中毒が大発生しました。薬害エイズ訴訟でミドリ十字が初めて責任を認めたのもこの年でした。また、秋には新しい選挙制度による衆院解散がありました。

・・・以上、それぞれの年に起きた大きな出来事をほんの少しあげてみました。余談になりますが、サロス・シリーズを調べるときにいつも思うことがあります。こんなふうに浅くふり返ったって、何もわからないんじゃないかって。 でも、年表を見たり、いろんな記事を読んでいくうちに、ふと感じることがあります。何だろうな、何かの、誰かの、「声」の余韻みたいなもの。その都度、いくつもの食や複雑な惑星エネルギーに触発されて歴史をつむいできた、わたし達人間の、ことば以前の願いとか叫びみたいなものかな。。そして、何かがまだ尾を引いてる。そして、たった今に、確かに繋がってる。そんな感じ。だから、軽々しく類推なんて出来ないけれど、何かを感じるためのヒントにはなるかも・・・そう思っています。

きっと上に書いた出来事の他にも、当時起きたことでいまだに尾を引いているような何かが、沢山ありそうな気がします。再び廻ってきた同じシリーズの蝕の一群が、眠っていた何かをもう一度世の中に浮上させるとき。わたし達が過去から何を学んできたかが、はっきりとわかるのかもしれません。

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        今回の月蝕は、日本の戦後始原図(日本国憲法衆院通過時)のカイロン(8室天秤座)の上で起きます。 天秤座は"自分達"と"外界"との関わりで、どうバランスを取っていくかの挑戦を示します。そして8室は「財政/負債/税金」や「死」を統轄するハウスでもあります (一説によると、「移民」も8室を絡めて見るケースがあるようです。"喪失"と"融合"と"再生"が一体となるハウスだからかな)。

8室のカイロン…。確かに今、日本の経済は正念場に来ていると思うし、消費税増税後の景気浮揚策をどうするのか、不安定な問題は山積。。でも、深いトラウマに関わるカイロンが刺激されるということは、同時進行で、もっとずっと本質的な問題が浮上しつつあることを暗示している可能性があります。 それは、今の日本が、敗戦という一種の「死」によって生まれたのだということではないでしょうか。そのとき死に至ったものとは、おそらく国としてのアイデンティティ/自我だったのでは? と感じるのです。 この始原図で見れば、国としてのアイデンティティを統轄する1室の支配星、海王星は、同じ天秤座の7室にあって、太陽・イクシオンとコンジャンクトしています。これは太陽のオーブを広めに取れば、カイロンとも触れあっています。 この配置を個人で例えるなら、自分自身のアイデンティティを他者の評価によって決めるクセを持つことを示唆しています。これは、「わたし達は誰なのか?」 という根本問題が、他国の視線によって左右されるということです。

また、イクシオンは 『モラルを超えて何でもアリな世界』 を意味します。それは、『わたし達は状況次第で人としての一線を越え、どんなことだって出来る』 ということ。  善とか悪とかの観念的な定義付けを超えた、深い命題の一つです。 国の始原図の根幹である太陽と、アイデンティティを支配する海王星が7室(他者との関係/同盟国または敵)にあって、その間にこのイクシオンを持つということは、国としてのモラルを考える際にも、自分達自身の中に明確な絶対的基準を持てず、どこか曖昧なまま外の世界に直面することを暗示しています。こうした状態では、おそらく他者との対等な関係を築くのは難しいかもしれません。だからといって、強く出るにしても下手に出るにしても、自分の中に確固とした基準を持てなければ・・・結局はその場さえ丸く収まれば良いか、集合的な感情のうねりに流されるか、そのどちらかになりそうです。そして、もしそうであれば、その事自体が他国に対しても、自国にとっても、後に禍根を遺すことになるでしょう。

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        "アイデンティティの死" から生まれた戦後日本のカイロン。。日本が8室にカイロンを持つということは、国として負ったトラウマがとても大きいことを示しています。けれど反面、その負の体験から学べることもまた、同じだけ大きい筈です。8室のカイロンは、古い "自我の死" を通し、真に自立した者同士として、他者と融け合っていきたいという純粋な欲望を持つことを意味します。それが果たされるとき、カイロンは解放されます。そして自我の新生が始まります。 なのでこのトラウマは、"精神が背負った負債"なのだと言えるかもしれません。

戦後の復活と繁栄の道程で、日本とそこに生きるわたし達は、そのトラウマや負債を全て処理出来たでしょうか? カイロンの挑戦は、対向する2室が示す、精神的・物質的な "自己充足" への挑戦でもあります。 もしもやり残したこと、直面を避けてきたことがあるなら、わたし達の前には、そろそろ何とかしないといけない分かれ道が来ているかもしれません。 日本って、わたし達って、はたして何者なのでしょう?  

火星が逆行し、冥王星も逆行しようという今、個人としても集合体としても、自分が歩んできた過去をふり返り、古い常識の色眼鏡を一度外す必要があるかもしれません。 そしてその上で、丁寧に来し方を再認識していくことは必要な行為だと思います。けれど、そのエネルギーが向かう先は、一度死んだものを "取り戻す" というより、今のわたし達の最善の部分から、新たなアイデンティティを創造していく方向にありそうです。・・・そしてそれは、本当に必要なことなのか?  今のわたし達は、こうした設問から考えてみなければならないのかもしれません。

(前にも触れたように、今回の月蝕とカーディナル・グランドクロスは、戦後始原図の1室/7室軸、そして2室/8室軸を刺激し、大きな変化を促進していきます。私見では、その鍵を握るのが、ナチュラル・ルーラーとしてエネルギーが集約される惑星のひとつ、9室蠍座の金星と8室天秤座の水星ではないかと考えているのですが…)

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        けれどこの月蝕はノースノード・イクリプス。 なので、世界に何が起きようと、満月のエネルギーは基本的に未来志向です。 新月のテーマに沿ってこれから先を見据え、それぞれが今立っている地点なりに、自分が本当に何をどうしたいのかを、明確に意識してみようよ・・・うん、ちょうどそんな感じかな。。 良いニュースと悪いニュースが同時に起きたり、または、厳しい情勢を乗り越えていくための、何か新しい考え方や精神の芽生えがあっても良さそうな気がするのです。でなければ、すでに存在していたけれど、今まで見落としていた重要なポイントに気付くなんてことも? 水星が天王星にコンジャンクトしているので、常識を超えた発想が浮かぶひとだっているかもしれません。但しこのエネルギー、エゴイスティックな使い方をすると、自分がその策にはまり、結果的にダークな女神達の餌食になりかねないので要注意かな。

それに、7室に太陽・ジュノー・エリス組、1室に月・セレス・ヴェスタ組のオポジションがあるので、『嫉妬』というテーマも浮かび上がってきそう。ところで嫉妬には2種類あるのだそうです。ひとつは誰かにジェラシーを感じることによって競争心が芽生え、それが自分をもっと磨きたい、向上したいという欲につながるもの。たとえ相手を見返してやりたいという気持ちから始まるとしても、それは自分を変えていくチャンスとして使える、ある意味健全な嫉妬。

そして、もう一つは羨みの気持ち。相手の高みに昇りたい、超えたいと思うのではなく、何とか相手の足を引っ張って、今のみじめな自分か、悪くするとそれより下に貶めてやりたいという気持ちです。そんなことしたって誰も幸せにはならない。そんなことわかってる。でも正直、誰もがみじめになってしまえば良いのに・・・みたいな。それは無力な嫉妬。「どうせ」という言葉から生まれる嫉妬。自分には何の力も無いんだって、思い込んでいるときに感じる気持ち。でもこういうの、例えばエリスに触れられたようなときは、殆どのひとが経験あるんじゃないかな?それを実行に移すかどうかは別としても。。 黒い気持ちはいつだって凄まじい誤解から生まれるといいます。いったい何のために、こうも凄まじく自分を誤解してるんだろう? 「どうせ」の後に続くべきたったひとつの言葉は、「人生は挑戦の連続!」。何がどうだとか、理屈を探したらキリがない。でも本当に、何のために・・・?

うーん、なにはともあれ。行いは良きにつけ悪しきにつけ、巡り巡ってこちらに還ってくる・・・そんな感じのチャートです (^_^;。 

また、水星にカーディナル・クロスが絡み、ジュノーやフォルスも勢いがあるということは、この満月期の2週間も、航空機、車両、船舶など乗り物の事故には引き続き要注意かも。その他、地震を含めた天災、そして因縁や感情のもつれからの事件や人災も起きやすくなっています。機械や計器類もまだまだ壊れやすい傾向が続くので、慌てずさわがず・・・点検はこまめにしましょう。(『買ったばかりのカメラが床に落としただけでいきなり2つに割れレンズも取れてビヨヨーンとバネみたいな物が飛び出たので、バカにされた気がしてカッとなりゴミとして捨ててしまった・・・』<本人談> とうなだれていた知人も。。。)

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        長くなってきたけど、せっかくだから少し細かいアスペクト、いってみようかな・・・(^_^;。 今回、月にはセレスと小惑星ヘカテがコンジャンクトしています。そして射手座のフォルス、獅子座のパラスと小三角形を形成し、対向する太陽を巻き込んでカイト・フォーメーションになります。23°台のジュノーやヴェスタも入れたら、またもや女神大集合って感じ。。(女神の逆襲、なるか?!w) 月蝕のロードである金星も、木星とは調和的なトラインになります。 大ボスのカーディナル・グランドスクエアに対し、女神達がひっそりとカイトの布陣を組んで介入しようとしているのでしょうか?

        セレスは生まれてくるものを護り、豊かに育もうとするエネルギー。また、完全主義を手放すことによってバランスを受け入れるという意味も持ちます。パラスは戦略と智恵と勇気、そして戦士の誇りをもたらすエネルギー。(獅子座のパラスはかなりプライド高いかも…) そしてヘカテは・・・道往く者に選択を迫り、『先へ進むのか? それとも戻るのか?』 と問いただしてきます。 ここから先は、覚悟を持って進めと。 また闇夜の十字路に立ち、"あちら側" への通路を守護する魔女の形態を取るときもあります。そう、十字路。。。 カーディナル・グランドスクエア。 この赤い月の月蝕は、本当にその入り口なんですね。 ヘカテは勇気をもって"闇"をくぐり抜けようとする者達を松明で照らし、そっと導いてくれるのではないでしょうか。 

このフォーメーション中の黒一点? 射手座24°台のフォルスは男性ケンタウルスですが、少なくとも女神達の邪魔はしないでしょう。彼は目に見えない世界からの促しに従う者。 例えそれが何であろうと、噴出する衝動というカタチを通して、この世界に現象を作り出す者です。 自然体でいられるなら、トラインの女神達には援助となるかもしれません。 ただ、こころに深い怖れや拒絶の気持ちがあるときは、そこをいきなり刺激してくる可能性もあります。23日、火星・木星・天王星・冥王星が全て13°に揃ったとき、このフォルスとセレスから、氷海の女王セドナに対するYODが形成されます。 『分け隔てない愛情を求めてきたのに、ずっと拒絶されてきた・・・』 そんな凍るような感覚をこころ密かに抱いているなら、それと向き合わざるを得ないような "出来事/チャンス" があるかもしれません。この機会を逃さず、挑戦してみてください。自分が掲げる松明に、その炎に忠実になって、穏やかに、毅然としていてください。そう、ブラッド・ムーンの下では多少の血が流れるかもしれません。 でも、その手の松明が照らす道の先には、未来の自分しか居ません。長い間のわだかまりを許し、先へと進むときが来ています。

        カーディナル・グランドスクエア直前の、天秤座の月蝕・血染めの月。とにもかくにも、わたし達はここまで歩いてきました。そんな中、まぁ、何とかやってるよ・・・ってひと。実は一番多いのかな? この何でもアリなエネルギー増幅期、実はわたし達、毎日少しずつ鍛えられ、かなり変化してきてるような気がします。だから、とにかく過ぎ越していかなくては!!  けど… 『パトラッシュ・・・僕もう疲れたよ』 いや冗談じゃなく。。胸の重さを抱えて、こんなふうに感じているひともきっといるんじゃないかと思います。

 もし、これを読んでくださっているあなたがそうだったら。 わたしにはあなたの抱えているものを想像することさえ出来ないけれど、それでも。 この時代を生きて、今、一生に一度あるか無いかと言われるカーディナルクライマックスをとてもハードな形で受けていることには、きっと大きな意味がある。その本当の意味は、結局は自分にしかわからないし、もしかしたらまだ今は何も見えないかもしれない。それでも、確実に、とても大きな意味がある。そのことだけは、どうか知っていてください。 今を耐えるあなたの中に蓄積された、純粋なエネルギー。 それはいつかきっと、ダブル・プロミスになって帰って来るから……。


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have a great trek!!!★


hiyoka(^_^)

4月15日の満月・月食に戻る

hiyoka_blue at 22:46|PermalinkComments(10)TrackBack(0)

April 16, 2013

久しぶりの翻訳後記…というか結局は私的な思い、いろいろ

                今回の長期的考察は、月のノースノードと木星のコンジャンクションという組み合わせがネイタルチャート上で同時にダブルで起きるという、本当に稀な出来事を経験したメリマンさんの体験記のような感じに仕上がっている。

翻訳しながら「うわぁ、以前から口頭試験もあってけっこう厳しい選抜があるとは聞いていたけれど、そんな凄い経験を持つ人たちが集まったのか…!」と少し驚いたりホッと胸をなでおろすような気持ちになっていた。どうしてかというと、実は『フォーキャスト2013』の翻訳作業の途上で疑問点が生じ、メリマンさんにメールで直接問い合わせをするなどのやり取りをしていた時、「あなたの観点は気に入った。実は各国語の翻訳作業をしてくれている人たちの中からもMMTAの参加者を募っている。もしあなたにその気があれば、特待生として受講料は無償で参加を許可するけれど、どうかな? おそらく一生に一度のチャンスだと思うよ?」というオファーを頂いたのだった。 

正直言って、その時気持ちは揺らいだ。確かにメリマンさんの仰るとおり、それはファイナンシャル・アストロロジャーを志す者にとっては二度と無いかもしれない絶好の機会だったと思う。メリマンさんに直接の指導を受けられるチャンスなんてそうは巡っては来ないだろう。現地に行けば、このままでは会うことも無かったような人たちとの出逢いがあるかもしれないし、もし修了すれば、きっと社会的な意味でも色々な道が拓けるんだろうな……等々、イマジネーションが拡がった。メールを読んだ一瞬、驚いてきっと目がハァトになったのかもw。 

けれど、自分をふり返ればそのオファーを受ける資格が無いことは目に見えてもいた。わたしは疑問を解きたい一心から手当たり次第にアストロロジーの原書を読みまくり、英語を翻訳するということがどういうことかを少しずつ、体で覚えてきた。けれど、難しく真摯なディスカッションを、ましてや相場や経済のあれこれを、テクニカルな論評を、英語で繰り広げるだけの力はまったく持ち合わせていない。わたしは喋れない!アストロロジーだけの話なら、何とか通じるかも?なんて甘い考えもあったけれど、現実を考えれば足手まといになることはわかりきっていた。その思いが自分で自分を縛る壁だとしたら?と考えてみたけれど、やはりそれは違っていた。

        しばらくその意味を矯めつ眇めつした後、1日おいてお返事を書いた。「オファーにこころから感謝します。けれど私にそれをお受けする資格はありません。何故なら、スピーチの面において語学力に大きな問題があるからです。それだけではなく、相場や政治経済に関しても、まだまだ勉学中の身です。

わたしはあなたのエボリューショナリー・アストロロジーに触れたことから、ファイナンシャル・アストロロジーやマーケットタイミングに興味を持ちました。神秘主義やオカルトとも重ね合わされることの多いアストロロジーと、相場という、結果が全ての冷徹な現実とを結びつけていくには、ただならないバランス感覚が必要なのだと思います。そして、スピリチュアルと呼ばれる世界に軸足を置く人間にとって、これからの世界に何らかの形で役立っていくには、そのバランス感覚が絶対に必要なことを痛感しています。もしMMTAがエボリューショナリー・アストロロジーの弟子を募っているのであれば、わたしはどんな奇蹟を起こさなくてはならないとしても、参加すると思います。けれど、今のわたしにはマーケットタイミングの特待生になる資格はありません。……」

        この時、わたしは自分の中で、あらためて自分が何に重きを置いて、どんな方向を目指しているかを明確にする必要があったのだと思う。わたしは相場が好きだ。そこに集う人々が好きだ。相場は世界の縮図であり、人間の集合心理の縮図。板子一枚下は地獄っていう言葉があるけれど、まさにそんな毎日の中で、色々な人がそれぞれに闘っている。そこにはありとあらゆる感情が行き交い、怒号も有頂天の雄叫びも、落ち込みも焦燥もほくそ笑みも欲も涙も、そして悟りにも似た心境も、全てがある。それは多分、自分との闘いの連続なのだ。

スピリチュアルな世界では、地球の金融システムや資本主義経済が崩壊するという説が囁かれて長いし、それを待ち望むような声も聞かれる。確かに天王星・冥王星スクエアが発効圏内に入った世界は激動している。それでも、今相場で必死に闘っている人たち、そして、毎日を自分なりに必死に生きている無数の人たちは、どんなに世の中が移り変わろうとも、より良い明日を願って生きていこうとする集合としてのエネルギーを持っているし、宇宙はそれに見合った明日をもたらすだろうと思う。

けれど反面、例え世の中の仕組みがどう変容しようと、わたし達人間の「こころ」という魔物が持つ夢幻の"澱"そのものが変容しない限り、新たなシステム、新たな文明が起きては滅びる、その繰り返しが存在するに過ぎないだろう、とも思う。この世界の在りようを創り出しているのは、わたし達の日々のこころであり、世界は一瞬一瞬が、その集大成だから…。

        メリマン・アストロロジーは厳然としたファイナンシャル・アストロロジーだ。けれどその基盤には、絶妙のバランス感覚のもとに、彼がその基礎を築いたエボリューショナリー・アストロロジーの奥深い世界が拡がっている。それを感じ取ることが出来るからこそ、わたしはこの3年間、コラムの翻訳を続けてこれたのだと思う。

        このオファーがあった時、わたしの月のノード軸にはトランシットの水星がTスクエアを形成していた。わたしのノースノードはアセンダント(ASC)とミッドヘブン(MC)のミッドポイント(中間点)に在泊する。メリマンさんのエボリューショナリー・アストロロジーでは、ASCとMCの中間点を霊的進化上の重要ポイント(関門)の一つと見なし、そこを通る軸と共に、それに90°を形成する軸に主要な惑星がトランシットやプログレスで来た時に、重要な決断を要する問題に直面する可能性を指摘している。今回のわたしの場合は足の速い水星のスクエアでもあり、水星は2室のルーラーでもあることから、重要問題への直面というよりは、主にマインド面で自分の価値観をテストされる感じがあったと思う。けれど、惑星からの挑戦はけっして単発で終わることはない。まるで変奏曲のように、一つの主題「どう生きるのか?」をめぐって次から次へと異なるマスクをつけて立ち現れる。その意味でも、ホロスコープは全体がホリスティックでフラクタルな構造を持つ曼荼羅だと言える。

        今回の≪ 長期的考察 ≫を訳しながら、わたしは「あれ?そう言えば見てもいなかったな。自分のノースノードに木星が来た時ってどんなだったっけ?」と思い、日付けを調べてみた。その日は、このブログに初めて新月・満月の星読みをUPした日だった…。 そして、一旦去った木星が逆行して戻り、自分のノースノードの上で順行に転じたその時、わたしはそれまでタイトルに付けていた(気まぐれUP♪)を外し、代わりに(フツウの戦士サンたちへ♪)と入れていた。その時、特に強い意図をこめたという記憶はない。ただ、それしか思い浮かばなかった。そして、気まぐれではなく恒常的に月のサイクルを追って書くことを始めていた。そうか、そうだったんた…。

        これもけっして大きな事ではない。でも、自分の方向性にとってはとても意味あることだった。結局わたしはエボリューショナリー・アストロロジーを追い続け、現実(と言われる)世界と、霊的(と言われる)世界の狭間に踏みとどまって力の限り生き、持って生まれたエネルギーを100%使い尽くしてこのフィールドを去りたいと願う多くの戦士さん達のために、わたしの知り得た何かを伝えたいのだ。そして、自分自身の星が告げる人生の意味を自ら把握しようともがき、その重みと軽みの両方を存分に生き抜きいてみたいと願うフツウの戦士さん達と共に、歩いてみたいのだ。多分そのために、わたしはココに生きてる。そのために、もっともっと学ぶことがある。時折、それに抵抗しながらも。

        今回、メリマンさんは数年後の引退をほのめかしている。人間として生きるかぎり、未来がどうなるかは、まだ誰にもわからない。けれど、彼が開拓したマーケットタイミングの道は、たとえ世界がどう変化しようと素晴らしいお弟子さん達に受け継がれ、様々に形を変えて役立っていくのだろうと思う。1991年に出版された彼のエボリューショナリー・アストロロジーのシリーズ第二巻『Evolutionary Astrology』の巻末で、メリマンさんは、いつの日かこのシリーズはトリロジーとして完成するだろうと書き残していた。彼のエボリューショナリー・アストロロジーは、そのファイナル・パートが出るまではまだ未完成だという含みを持たせて…。数年後に、それは完成するのだろうか? そんなことはきっと、時が至らなければご本人でさえわからないことかもしれない。

        この分野のアストロロジーは他の分野よりも少し特殊なところがありそうに思う。メリマンさんも、他のエボリューショナリー・アストロロジーの先駆者達も皆、エポックとなる本を書き残した時は一種のチャネリング状態だった。もちろん、アストロロジーの実習者なら皆、そういったメカニズムがリーディング時に働くのを実感していると思う。けれどこういった類いの本を生み出すときにコンシャス・チャネルとして受けるエネルギーの質は明らかに別次元のもので、恒常的に降りてくるものではない。歪みを極力避けるためにはある種の隔離された環境が必要だし、言葉に変換する際には一種の霊的血脈とでも言うような縛りを通して表現される可能性も高く、受け取る方も、感受性だけではなく高度なバランス感覚を要するシビアな世界だと思う。(その出自と生成のいきさつから考えても、サビアン・シンボルもまた、この領域のものだと考える)

けれど…こういうことって多分、しかるべき感受点がめぐり来て、次元のトビラをそっと叩くとき、そしてその合図に気付いて応えたとき…そんなときだけフッと回路が繋がるのかもしれない。メリマンさんは月のノードを自分のカレンダーであり教師でもあると言っていた。エボリューショナリー・アストロロジーの系譜に連なるアリス・ミラーもまた、月のノードは自分の運命を創造するための教師だと書いている。

        ネイタルとトランシット、両方の月のノースノード。そして他の惑星達とノードのサイクル。それを注意して観察してみると、きっと面白いことがわかる。そしてそれは、別の惑星サイクルやアスペクトとも必ずどこかで連動している。その響き合いは美、そのものだ。

無数のひと達の持つ出生の曼荼羅に浮かび上がってくる多様な主題は、そのままですでに完成している。わたし達はそれを、惑星の動きに誘われて、この次元に演じ、舞い踊る。マジで。無意識で。あるいは意図して。その光景は、太古からどんなに高貴なグル達が束の間の幻影に例えようと、ある視点から見るならば、この上なく美しい幻ではないだろうか。その根源の幻影美は、ホロスコープの1度1度に埋め込まれ、サビアン・シンボルなどによって掘り起こされている。

けれど同時に、そんなマクロ/ミクロな美しさをとことん感じることが出来るのは、自分という存在の中で、人間という鋳型をはみ出た部分にエネルギーが回った時だけなんだ…そうでない時の自分は、相変わらず焦り惑い怒り凹み、不安定な愛を求めて迷い続けているのも知っている。それでも、どんなチャートにも遍在する美はいつもわたしを勇気付けてくれる。多分、わたしはひっそりと狭間に立つことを受け入れ、意図している。だから、引き裂かれた現実に両脚をつけて予測不能の未来に向かって学んでいきたい…そんな風に思った。




hiyoka(^_^)
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追記)

        太陽と火星が牡羊座でコンジャンクション圏内に入り、これを書き始めた昨日、太陽は牡羊座25〜26°。サビアン・シンボルは『維持しきれないほどの才能を持つ男』。あれこれと手を伸ばさず初心に戻るという意味を根底に含んでいた。そして今日は『イマジネーションの中で蘇る失われた機会』。

暴力的な事件は後を絶たず、東アジアの緊張は続き、疫病も拡がり、地震はそこここで起き、相場は予断を許さない。イラクでは爆弾テロが相次ぐ中、日本時間の今日未明、米国ではボストンマラソン爆弾事件が起きて(4/15 14:50 Boston)911来のテロではないかとの声も聞かれる。事件当時、火星は太陽より一足早くこの度数に達していた。この度数は良くも悪くも、何か強力に注意を惹きつける出来事や存在の可能性を示唆している。

太陽・火星のコンジャンクションは、月(大衆)・ヴェスタ(イマジネーション・信じるものへの献身)・ブラックムーン・リリス(復讐or悪意の存在)とアラクネ(噂・陰謀)のタイトなオポジションにセクスタイルとトラインの形で絡み、エネルギーを回していた。同時にフォルス(小さな要因大きな結果)とエリス(不和の表出)はタイトなスクエア。ボストンのディセンダントには謎めかしたように海王星がコンジャンクトし、ASC上のオルクス(暗黙の掟)との長期のオポジションを際立たせている。そしてASCのルーラー水星は予測不能の天王星とのコンジャンクションに向かいつつある。

        本当には何が起こったんだろう? 何が起き続けているんだろう? 今のような情勢下で、当局は一時も早く事態を収拾しなければならないはず。日本もまたあらゆる意味で安全とはいえない今、この事件はどんな進展をみせるだろうか? 月とアラクネのタイトなオポジションは、目に見えやすいこと、耳にすぐ聞こえてくることには注意を要すると告げているように思える。わたし達には、その時に応じて信じたいと思う方向性がある。そしてそれに沿って見聞きした物事を受けいれ、行動していく。

        かまびすしく聞こえてくる様々な声に惑わされず、自分にも他者にも過度の期待や投影することを避けること。信じる・信じないの狭間に立ち続けたままで、人生に、世の中に、コミットし続けていくエネルギーを持つこと。明日の太陽のサビアン・シンボル『失望した大勢の聴衆』は、そんなことを囁きかけているのかもしれない…...。




牡羊座太陽・火星コンジャンクトのエネルギーを借りて…☆
hiyoka(^_^)


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January 01, 2013

あけましておめでとうございます。m(_"_)m

SUNRISE

 今年も やわらかく  強靱に  時空を跨ぎ  変幻を過ぎ越し  駆けていけますように・・・★


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January 29, 2012

昨日はありがとうございました。

昨日は投資日報社さん主宰のメリマン・アストロロジー勉強会でした。 わたしは第1部、アストロロジーの基礎部分のお話をするということでお声がかかり、プレゼンさせていただきました。  で、実はお話する項目と筋道をいろいろ考えて行ったのですが、冒頭の天球図とナチュラル・チャートの関係や星座宮の意味など、サラっと触れて次に行かないと.....と思っていた部分で持ち時間全部を使ってしまうという結果に。。


参加してくださった方ご自身の簡易チャートを見ていただきながら、天王星・冥王星スクエアと個人の人生との関係とか火星逆行とか...沢山のことをお話したかったのですが、持ち時間を知っていながら立ててしまった自分の計画に最初から無理があったのだと思います。ほんの鳥羽口しかお話出来ず、参加してくださった皆さまにはとても申し訳なく思っています。。


でも、お話した内容には不思議と後悔はありませんでした。(話し方がヘタクソ、とかはまったく別としてですけど...-_-;) 


会場に立ってボードの前でお話し始めた途端、「あぁここ、飛ばせない。。占いとは目的の違うアストロロジーを理解する上ですごく大事な部分....」という思いが強く押し寄せて、「よし、やってしまおう...」と一瞬にして決めてしまったという感じでした。 結局、期日までに一応それらしく体裁を整えたはずの項目に、自分自身で納得いっていなかったのだと思います。 このことはわたし自身の今後の課題と反省点として、キチンと考えていきたいと思います。 貴重な体験をさせて下さった参加者の皆さまと、投資日報社さんにとても感謝しています。


また、ちょっと嬉しい発見もありました。このお話をいただいた時、投資家の方々のための勉強会ということで、大きな意味でフォーキャストに関連するとはいっても全く趣旨の異なる話題、とりあえず儲けることには直接関係ないお話をして興味を持っていただけるかな?と少し心配でした。 でも、ご自分の人生と様々な惑星の示唆するエネルギーとの関わりに、真摯な興味を持たれる方がいらっしゃることをダイレクトに知ることが出来ました。


 わたし自身も(ヘタクソながら)時々試しにちょこっと相場に参加することがあります。そこで感じるのは、相場はひとの心が作っているということ。。。けれど、相場のアストロロジーはパーソナルと決定的に違う部分もあります。 例えば、相場や社会一般を読むときは、人々の心の、ある種「平均値」を読まなければならない......とでも言えば良いでしょうか。 過去と今の集積、そこから未来を予測していくことになります。


けれどパーソナルの場合は、わたし達自身の側により多くの選択肢があるように思います。持って生まれたエネルギーと、その時その時に降り注ぐエネルギーとのミクスチャーをどう自分が翻訳していくか、それを自分の即座の決断と行動にどう表現していくのか?  この問いかけをダイレクトに感じ取りイキイキと実行出来るとしたら、それはひとりひとりの「私」しか居ないと思うのです。 ひとはそれぞれが抱える大きなテーマの中で、過去と現在の集積を元に未来の可能性を選択することが出来る....そんな風にわたしは考えています。


 社会にしても経済にしても、集合体の反応は集団が大きければ大きいほど遅く鈍くなる傾向があります。けれど、ひとたびパニックが起きればそのスピードは個人の対処を超えて加速してしまいがちです。 そんな集合体を作っているのは、結局わたし達ひとりひとりなのですけど。。(^_^;


そんな思いもあって、とてもプラクティカルである種単一目的を持つ相場アストロロジーと共に、その氷山の大元であるアストロロジーを知って人生に活用される方が沢山増えたらいいな・・・と思う今日この頃です。 また機会をいただけるようでしたら、今度はもっと良い形で皆さまにお話出来るよう考えたいと思っています。


つたない話を最後まで聴いてくださった皆さま、ありがとうございました。また、お声をかけて下さった方、メールを下さった方、ありがとうございました。 これからお返事させていただきますね。


今日は久々に、溜まった私用を片付けています。そんな中、ふと思い立ってこの記事を書きました。毎週日曜夜にUPしてきたメリマン・コラムはそんな訳で今週はお休みさせていただきます。m(_"_)m


皆さまどうかステキな日曜の夜を!!☆



hiyoka(^_^)



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January 01, 2012

初夢のために・・・☆

チリ パラナル天文台からの銀河タイムラプス


わたしの小さいころの夢は、いつの日か天文学者か建築家になって、手が届くほど星の世界に近付いていくことだった。 日々をせわしく送る中でいつのまにかそんなことはすっかり忘れていたけれど、ふと気付くと、何故か今、星々の世界に向かう自分がいる。。


そのときには想像もつかないようなカタチで、いつの日かきっと叶う。
そのときに思い描いた姿とは違うかもしれない。 

でも、自分が切り拓いてきた道にふさわしく、やがてあまりにも自然なカタチで叶っていく。

望んだことの、その純粋なエッセンスはこころの奥にずっと生き続けて、いつの日かきっと、見たことも無いような花を咲かせる


夢見るって、創っていくって、本当にこういうことなのかもしれないね・・・


元旦 夕刻 上限の月。


hiyoka.(^_^)



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A Happy New Year!!

2012-----
  click to enlarge.  


2012年

カーテンを開けたら そこに見えるのは何だろう?

閉じた心にも 常に星は囁きかける
優しく 荒々しく  沈黙の声。

閉じた瞳にも この星の鼓動は伝わっていく

ね。。 今この瞬間 わたし達の足許 地球の裏側に
どんなひとが居て 何が起こっているんだろう?

幸せな人。  悲しい人。  怒る人。  孤独な人。 夢見る人。
老いた人。  来た人。  旅立つ人。 愛する人。  そして 生きる人

みんなみんな 揺れながら  何処かで 繋がってる
何処を向いても 果てしなく無限に繋がってる

ならば  いつだって 此処こそが 銀河中心。 
此処は  すべてを生み出す 幻のスクリーン。

ひとりひとりの 無限の 此処が 
今日からまた1つ 小さな地球の物語を紡いでいく

あなたの物語はRock? Blues? 交響楽?  それとも・・・

これからの1年 

あなたのハート、あなたの時が  

光と闇の リズムと共に

素晴らしい音色を奏でますように!!



have a great trek!!★


hiyoka.(^_^)



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Credit:ESO/S. Brunier



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August 14, 2011

もうすぐだね。満月の夜に・・・(^_^)

いろいろあるけど、いってみよう!先へ・・・・まだ見ぬ思い出の、その先へ







※今週のメリマンコラムはメリマン氏がシンポジウムのスピーチでサンフランシスコに滞在中のため休載です。


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August 07, 2011

るるさんへのお返事_2

るるさん

コメントありがとうございます。
お返事が遅くなりすみません。

これからのお仕事のこと、景気や暮らしのこと、ご心配のことと思います。個々の人生の様々な転換点についてはその方の細かい星回りを見なければわからない部分も沢山あり、また大まかに言ってしまってはいけない部分も多々あると思います。
そんな時はお仕事として星読みも承っていますので将来お気が向くときがあればどうかお尋ねください。

でも、今は・・・それ以前に知っていただきたいことがあるんです。

まず、今降り注いでいる惑星エネルギーについてです。

今夜UP予定のメリマンコラムでも言われていますし、新月の星読みでも少し触れましたけれど、現在水星が逆行中です。そして、火星によるシビアなアスペクトが今週展開していきます。

わたし達は多かれ少なかれ、その影響を受けています。今、大きな迷いや悩みを抱いている方ならなおさら。

特に今ネットの世界では、世の中に蔓延する怖れのエネルギーや暗いエネルギーが必要以上に増幅されている可能性があります。世界の未来についても、様々にまことしやかな話が流され、いったい何を信じたらよいかわからなくなっても不思議ではありません。

ひとつだけ言えるのは、これからの世の中の変化を寸分違わず細かに予測できるひとなどこの地球上に皆無だということです。大統領だろうと聖者だろうとそれは同様です。メリマンさんのようなアストロロジャーであってさえも、今の時点で未来の世の中の詳細をはっきりと知ることは不可能だと思います。予測できるのはある「傾向」だけ。そしてメリマンさんご自身、人類の意志にとって選択の余地は残されているはずだ、それが希望だと断言していらっしゃいます。確かに未来の細部はある程度フレキシブルなまま残されているのかもしれません。そしてそのこと自体が、今までに無い大きな変化の波が来ているということの現れなのかもしれません。

ですから特に今、この星回りのもとで様々な情報に触れ、それに影響を受けて思い悩むとしたら、そこで考え出されたことが後になってみると、全く的外れなものだったという可能性もあるんです。

今、るるさんに一番必要なのは、現実とご自分のこころ・・・るるさんが本当に望むのはどんな暮らしなのか?を原点からよくよく見直して、そしてひとつひとつゆっくりと整理していくことではないでしょうか。

その意味でも、まだこの時点で先行きを決めてしまうには早すぎると思います。

そして多分今は、役立つ情報はるるさんご自身の人生の記憶とこころの中にこそ存在するのであって、インターネットの中には殆ど無いのではないでしょうか? ネットの情報を読めば読むほど恐怖が湧いてくる、というのがその証拠だと思います。

土地の問題ですが、確かに7割の借入は無謀だと思います。せっかくお店を建てたのに...というお気持ちもあると思いますし、順調に来ているのに勿体ないことかもしれません。

ただ、もしも貸し主さんに事情を話して1年ほど待っていただく事が出来るのであれば、その猶予の間には、るるさんの星回りにも、お気持ちにも、何らかの変化がみられる可能性は大いにあると思います。

まずは少し時間的猶予を得ること。1年は短いかもしれません。けれどこれからの1年は以前の3年〜5年くらいの密度があるように思います。だからこそ今、時を稼ぐことも大事な要素になります。そしてじっくりこころを整理し、人生の要らない部分、絶対に必要な部分をよりわけることから始めるのが良いのではないでしょうか。

土地を借り、お店を建ててから10月で10年半ですよね。外惑星その他の動きを考えると、そのお店にとって今から・・特に2012年は大きな節目になるはずです。過去の流れが終わりを迎え、新たに何かが始まるような感じです。発展を意味する木星の動きを見ても、今現在は次の段階に向かって少しずつ過去からの力が衰えをみせ、来年あたりに新生する感じがします。これ以上はるるさんご自身のことがわかりませんので何とも言えませんが、もしかしたら、今回のお話は今は突然でショックかもしれないけれど、本当に自然な、過ぎゆくものの終わりと新たな再生のための機会を与えてくれるものかもしれません。

山羊座の冥王星が強力な力を発揮するこれからの数年は、自分にムリのない暮らしをどれだけ出来ているか?が鍵になってきます。

経済にしても政治にしても、エライひとも誰も、本当の到達点がわかっていないのだとしたら・・・そして昔から疑問無く受け入れられてきた色々な観念が壊れていくのだとしたら・・・よけいな重荷をなるべく降ろして、身軽にしておくことって、これから先とても大切な要素ではないでしょうか。身軽にしておけば、自分のエネルギーが高まったときに、星の流れ、運気の流れに乗っていけますから。

るるさんの幸福にはいったい何が必要でしょうか?何が一番不可欠でしょうか?もちろんお金は今、大切なもののひとつですが、幸福の有り様はひとにより様々です。世間一般の尺度ではない、るるさんオリジナルの幸福とはどんなものでしょうか?

田畑についてはわたしも知識が足りないため、何か言うことなどとても出来ませんが。。ただ、除草剤によって作物の出来が悪かった面が大きいのであれば、その効き目が薄れて良い土に育ってくれば解決していく部分はありませんか? 一生懸命育てた作物が思うように出来なかったら、きっとがっかりだと思います。でも、命をはぐくむお仕事って、長い時間をかけて土や作物とつきあうことによって実を結ぶのではないかな?なんて想像しています。

多分、(本当に想像にすぎず、間違っていたらすみません!)今はるるさんのお気持ちの方が疲れて、萎えてしまいがちなのではないでしょうか? 作物云々よりるるさんご自身を心身ともに労り癒されることが先決のような印象を持ちました。

貨幣経済は無くなるかもしれませんし、無くならないかもしれません。貨幣に代わる何かが流通するのかもしれません。それに関しても、今の時点で絶対こうなる、とわかっているひとなど、この星の何処にもいないはずです。(こうありたい・・と思って既成事実のように喧伝しているひとはいるかもしれませんが。。)けれど、もし変わるのであれば、きっとその時は堰を切ったように速い流れになるのかもしれません。けれどそれでも、何をしても生きる意志さえあればひとは生きていきます。そしてその意志表明のもとに、運気も流れてきます。

確かに今、世の中を予測して、先回りして儲けるひとがいます。相場でもファンダメンタルやテクニカルを駆使して成功しているひともいます。星読みも同様です。でも、そういうひとは持って生まれた才能と共に、不断の努力をしています。多分、専業で成功している方達は、「普通」と言われている暮らしの多くを犠牲にしている部分もあるのではないでしょうか。けれど、もしそうだとしても、それを犠牲と思わずにやっていけることが才能でもあるのだと思います。

今は誰でもが儲かる相場ではありません。プロやセミプロ向きの相場付きだと思います。そして超短期ですばしこくトレード出来たほうが良いです。アマチュアの方でも、万一失っても納得できる額で遊ぶか、または倒れても倒れても起き上がって挑戦する、根っから相場好きな方でないかぎり、神経をすり減らしてお金も減ってしまうという方も多いようです。もしそうであれば、休むも相場っていう格言は正しいですよね。

毎週のメリマンコラムでも、ある程度おおまかな流れは言及されていますし、わたし自身も翻訳することで学べることが多々あります。けれど、ある程度アストロロジーや相場と政治経済の繋がりを理解していないと、なかなか難しい面もあるかもしれません。(わたしなどは相場も政治経済もまだまだ本当に素人ですが。。)メリマンさんがこの無料版を執筆している目的は、もちろん購読版に繋げて顧客を増やす目的もありますが、もうひとつ、ファイナンシャル・アストロロジーがどんな学問研究か?を広く世の中に知ってもらいたいという目的と、エボリューショナリー・アストロロジーの創始者としての情熱があるのだろうと思います。


....どんなに世の中の仕組みが変わったとしても、人間として生きる限り、その暮らしも、その幸福の有り様も、原点はそう変わらないのかもしれません。

家族やパートナーを愛し、共に健康でいること。この世にサヨナラするその日まで、たとえ小さくても何か夢や希望をもっていられること。全体の役に立っていると感じられることなど・・・お金や財産はあればあったほうがいい。けれどそれが「失うことの恐怖」を生んでいる側面もありそうです。わたし達は誰でもみんな、いつか必ず死んでいく身なのですが....。そしてそれは何十年後かもしれないし、明日かもしれないのですが.....。

多分、これからは多くのひとが外側からのお仕着せではない幸福、自分なりの原点を見直し、みつけなければならない時代へと入っていくだろうと感じています。そして、その個々の努力が今後、社会全体の大きな希望と再生へと繋がっていくのではないかとも思うのです。

もしかしたらるるさんは、もっと具体的な答えを求めていらっしゃったかもしれません。でも、こうしたらこうなる・・といった具体的な説明や解説が、今の時点でるるさんのお役に立つとは思えないのです。それはかえって「るるさんではない何か」をインプットしてしまうだけではないでしょうか?

以上、とりとめもないお返事ですが、何か少しでもヒントになりましたら幸いです。

p.s. 今夜UP予定のメリマンコラムも今後の流れについてはある程度ご参考になるかと思いますので、また読んでみてくださいね。


hiyoka(^_^)



hiyoka_blue at 12:21|PermalinkComments(6)TrackBack(0)

April 18, 2011

満月によせて・・・

今ちょうど満月タイムたけなわ。
こちらはTerje Sorgjerdさんという方がスペインのエル・テイデ山で撮ったTime Lapseです。Twitterでみかけて、とても綺麗だったのでこちらに転載させていただきました。

生きとし生けるものみんな、小さな地球というスペースシップに乗り合わせ、果てしない宇宙を旅し続けているんだな・・・

The Mountain from Terje Sorgjerd on Vimeo.



○4/18の満月—みんなに降り注ぐエネルギー

hiyoka_blue at 12:03|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

March 29, 2011

るるさんへの返信

こんにちは。お返事が遅くなりすみません!

詳しいご事情やお住まいの地域も知らないまま無責任なことは言えませんし、とてもおおざっぱなことしかお伝えできないかもしれません。ただ、感じたことを書かせていただきますね。

真っ先に、結論めいたことを。。大丈夫です。どうかどうかご自身の選択に自信をお持ちになってください。

3年前からこのような時代を予想して食の仕事に移行されたんですね。慧眼をお持ちなのだと、こころから尊敬します。これからもっともっと大切なお仕事になっていく筈です。

今、地震や津波、それに原発問題でわたし達みんなが大きな不安を感じています。今までも沢山の危機がありましたが、時が経ち周りの様子が元に戻ればひとは不安や痛みを忘れて元の生活に戻っていきました。 けれど星回りを見ても、今回はそうはならないと思います。人間の、生活・こころ・・・根本的な部分を変えていかなくてはならないぎりぎりの時が始まっているように見えます。多分わたし達は、長い間豊かさを追って頑張りつづけるうちに、どこかにゆがみが溜まってしまったのかもしれません。。本当に、未曾有の時代ですし、わたし達の目にふれるような事はきっと表面のごく一部にすぎないかもしれません。そしてだからこそ、るるさんのような方が必要なのだと思います。

これからは徐々に、そして今まで以上に「大地」の大切さがクローズアップされてくるでしょう。大地を友として、愛情をこめて、食物になってくれる生命を育てるお仕事にはきっと大きな報いがあると思います。確かに今までは豊かさ=お金の時代がずっとずっと続いてきました。「社会がこれから先も永遠に何事も無く繁栄し続ける」という暗黙の幻想をみんなで追ってきたし、それが社会に溶け込んで暮らすための手段でもあったかと思います。けれど、そのような豊かさは、今回のような大自然の力の前では本当にはかないものですよね....。

命をはぐくむこと。 わたしは、この地球上でこれ以上の豊かさは無いと思います。人間も、動物も、植物や虫たちも。その上にしっかり立ってこその、物やお金だと思うのです。

もちろん、田畑のお仕事は大自然との厳しい闘いの連続でもあります。きっと挑戦した方でなければわからない大きなご苦労があると思いますし、時には打ちのめされるような事だって起きるかもしれません。それでも、生命あるかぎり、人間は必ず命の原点へ帰ってきます。命の原点に立つとき、人には必ず「工夫」が生まれます。その時、本当に力になるのは嘆きよりも、目の前の大地から再び命を引きだそうとする、とてもシンプルな意志、そこから生まれる希望、そして真っさらな祈りなのだと思います。

るるさんは今まで頑張ってこられて、今は少しお疲れが出ているのではないでしょうか? もしそうだとしたら、どうかご自分に優しくなってください。もしかしたら、ご家族との関係の中でお子様や奥様に少し甘えられても良いころなのかもしれませんね。。たいそうな事ではなく、出来るときに、少しゆったりとして、ご自分の「呼吸」を聞いてみてください。 今というこの瞬間、真に大変なことなど何も起きていない・・・そんな本当の静謐を感じてみてください。 るるさんの隣に、それはきっとありますから。。

これからは政治経済や金融の仕組み・流れも多分、世界的に大きく変わっていくのではないかと思います。富という巨大な力の在りようも含めて。 そしてそれは今後、カーディナル・クライマックスの真のコアと言われる天王星・冥王星のスクエアを中心として、今までにない速度で展開していくようにも思います。あるいはもうしばらくの間、昔からの価値観と新たな思考法や生き方とがせめぎあって、限りなく両極化していくような動きがあるのかもしれません。政治経済・社会でも、そしてわたし達個人の精神の中でも、葛藤や分裂の動きがあり、そうした経験を経て、より良い時代に向かっていくのかもしれません。その変化の度合いをどれほどのひとが気付いているでしょうか。もちろん、わたしにも未来が果たしてどうなるのか・・・見えているわけではありません。 

けれど、るるさんはその、台風の「目」に居ることを決心されたのだと思います。周囲が、世の中がどんなに変わろうと、命をはぐくむためのお仕事は必ず残り、「かたち」として帰ってきます。

少しお元気になられたら、可愛いお孫さんにどうかるるさんの決心とお腹からの笑顔を見せてあげてください。お金や物はあれば便利だし、あるに越したことはないのは確かです。けれど、どんなにお金を残したとしても、極端なことを言えば、ある時突然紙切れになってしまう可能性だってあります。「信用」そのものが売買されているのですから。

これからどんな世の中になっていくにせよ、子供達に残してあげられる最高の財産は、るるさんがその都度その都度ご自分の選択を信じて強く生きていかれる、その姿を見せてあげることだと思います。子供達を「護る」ということは、どんな時代にあっても、胸を張って生きていく力を伝えてあげること。 例え転んでも、起き上がってちょっとブツブツ言ったりして、それでもやがて笑って歩き出す、そんな力をしっかり伝えてあげること。 これ以上の財産ってあるでしょうか?  それはわたし自身が親との関係で学ばせてもらったことでもあります。(本当のことがわかってきたのはずいぶん最近になってからでしたが... ^^;)

傍目からどう見えようと、いつもご自身が選択された「台風の目」に在ってください。その中心で、本当の「価値」を探し続ける、るるさんの姿を眩しく見るひと達がきっともう少し先に待っていると思います。


・・・とりとめもなく思ったことを書いてしまいましたが、これでお返事になっているでしょうか? メリマン・コラムもフォーキャスト本も投資とアストロロジーという観点から書かれたものですので、実際ひんぱんにトレードされている方、アストロロジーを勉強している方でないと、なかなかわかりにくい部分があるかもしれません。また、このお返事もるるさん個人のチャートをもとにしたお話ではなく、そのためもし的外れと思われる部分がありましたらどうかご容赦ください。


今、るるさんとご家族のご多幸を、そして田畑に豊かな実りあることを、
こころからお祈りしています☆


hiyoka (^_^)

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January 19, 2011

アメリカの13星座騒動 — へびつかい座、そして木星・天王星とジュノー

    少し前に欧米のアストロロジー・ブログを見て回っていたら、いきなり「ゾーディアック変更か?」なんてタイトルのエントリーが一斉にUPされていて驚いてしまった。。日本でもずいぶん前に13星座占いが話題になって花火のように消えていった気が・・・。なのに今更どうしちゃったの?アメリカ。 けれどこれはまもなく日本にも飛び火しそうな勢い。。。で、そのうちアリス・ミラー師からもメール配信が来た。それによると事の発端はこういうコトらしい。


The Minesota Planetarium Societyという団体がある。天文学者、教師、市民グループによる組織で、目的は2002年に閉鎖し取り壊されてしまったミネアポリス・プラネタリウムの再建に向けた活動なのだそう。そのひと達が何故に突然アストロロジーの12宮に関して発言し始めたのかはわからないけれど、理事である Parke Kunkle博士がミネアポリス・スター・トリビューン紙のインタビュー中にこう語った。

『バビロニアで黄道帯が確立されてから数千年経つが、月の引力の関係で地球の地軸に歳差運動と呼ばれるぐらつきが生じるせいで、事実上、すでに約1ヶ月ほどのズレが起きている。アストロロジャー達が太陽は魚座にある・・と言う時、実際はそこに魚座は無いんですよ。』

    この話自体は今更新しいことでも何でもないし、カンクル博士自身が『自分はアストロロジーのことは何も知らない。ただ天文学上の事実を言ったまでだし、沢山のひとに実際の空を見上げて欲しいと思っている。こんなに大騒ぎになって驚いている』と語っている。それがこんなに大事になったのは、アメリカ中のメディアがセンセーショナルに取り上げ、ネットで瞬く間に世界中にひろがっていったのが原因なのだろうと思う。

確かに天文学一筋で来たひとが占星術にはトロピカルとサイデリアル、2つのゾーディアック・システムがあることを知らないのは当然だし、軽い気持で話をしたのかもしれない。

    簡単に言ってしまうと、トロピカル・ゾーディアックとはいわゆる西洋占星術で使われている黄道帯システムで、太陽光線と南北回帰線の位置関係を基に作られたもの。その名称は回帰線=tropicから来ている。春分の日と秋分の日、太陽光線は赤道上に垂直に入ってくる。これをそれぞれ牡羊座、天秤座のスタートとし、北半球の夏至となる北回帰線(北緯23°26分)に太陽が垂直に差し込む日を蟹座、同じく南回帰線に垂直となる冬至の日が山羊座のスタート地点となる。つまり実際に各星座の天球上の位置をもとに割り出したものではなく、実は太陽と地球の動き、そしてその動きがもたらす「季節=時間」を基にして、1年を象徴的に12星座に割り振り、360°の曼荼羅に織り上げられたのがトロピカル・ゾーディアックなのだ。だからこそ、各季節の始まりとなるカーディナル・サインの0°=カーディナル・ポイントはとても重要な意味を持つ。当然、13星座にする意味は全くないし、各サインの日付をずらしてしまったらトロピカル・ゾーディアックの象徴体系は成り立たない。

一方、サイデリアルとは天空の恒星の位置を基にしたもので、主にヴェーディック・アストロロジー(インド占星術系のもの)で使われているシステム。トロピカル・システムとは現在のところ約23°のズレがある。つまりカンクル博士が指摘したのはこちらのサイデリアル方式のもの、ということになるのだけれど、実際にはすでに歳差運動によるズレを計算に入れた黄道配置になっている。 わたし自身はサイデリアルに関しては知識が無いのでこれ以上知ったふうなことは言えないけれど、きっとサイデリアル方式の占星術師の方たちも誰も13星座にしようなどとは思わないだろう。

    例えて言えばトロピカル・ゾーディアックは「時間」のシステム。サイデリアルは「空間」のシステム。大元はひとつだったそれぞれのアストロロジーが、発達し、深められてきた歴史的背景や土地と文化の道程を想像するとき、この「時間」と「空間」というアプローチの違いはとても興味深い。そして、みんなにもっと星空を眺めて欲しいと願うミネソタの天文学者、カンクル博士が、実際の黄道星座群といわゆるアストロロジーで使われる星座宮がズレていることに関してこうした発言になるのもムリはないとも思う。彼はただ、天文学的に「正しい」空間認識が必要だと言いたかったのだろう。(彼はなんとなく素朴に見えて、実際話したらいいひとなんだろうな、なんて思ってしまう...資金集めの話題作り、なんていうひともいるようだけれど。。)

けれどアストロロジャー、エリック・フランシスはこう言う。『こうしたアストロロジーのシステムや成り立ちを全く知らずに発言したのだとすれば、それはタイヤの事など何も知らずにレースに出るドライバーと同じだ。もしそうなら、彼は他のコンセプトに関する長いリストに関しても無知だということになるし、それは彼自身の専門である天文学の研究にも支障をきたしていることだろう。』  最近は新しい小惑星や準惑星が発見された時、そのネーミングを決めるのにアストロロジャーと相談する天文学者も出てきた・・とエリック・フランシスはかつて言っていた。そんな彼からすれば、カンクル博士のほうがトンデモな発言に思えるのではないだろうか。

またへびつかい座について彼は、サイデリアル・ゾーディアックにおいてこの星座がリストアップされたことは歴史上一度も無いと断言している。そこに星座があることは間違いないが、実際に太陽が通る道筋からは外れているため、採用されなかったという。プトレマイオスが文献でこの事について言及しており、へびつかい座の他にも、実際には黄道にタッチはしているものの、しかるべき理由で採用されなかった星座が多くあるという。

ではなぜへびつかい座の名前が出てきたか?と言えば、1995年に占星術反対派の天文学者ジャクリーン・ミットン博士が"科学的啓蒙精神"で提案したようにウィキペディアには載っているのだけれど・・・なんと、もっと大元のソースは2000年に亡くなったミネアポリス出身(!)の風刺作家ジョン・スラデックが1960年代に発表した作品「Arachne Rising」で、「オフザケ占星術」の中心的な役割をこのへびつかい座(作中ではArachneという名称)に担わせたことが発端だったという。 (えっ?) その後このへびつかい座の作り話は90年代に一度話題を呼んだ(ミットン博士のことか?)けれど、今頃ゾンビのようにユラ〜ッと蘇ってきたというわけなのだそうだ。 「これはまるで、銀行口座番号を送ってくれれば1500万ドルを送金するよ・・・と言ってくる、ヤフー・オークションでお馴染みのナイジェリア詐欺のような話だ。」と彼は結んでいる。

the explosive power of transformation


    天文学とアストロロジー。この不必要な闘いはいつまで続くんだろうか? 知らないこと、知ろうともしないことが、どれだけひとを、世界を不幸にしているだろう・・・なんて考えてしまう。人間には常に限界があるのだってことは、自分が一番よくわかっているのだけれど。

この問題が大騒ぎになった時、ちょうど魚座の木星・天王星と乙女座のジュノーがオポジションを形成しようとしていた。記事の日時でイベントチャートをたててみると、このオポジションがちょうどアセンダントとディセンダントを挟んで対峙する。乙女座と魚座。わたしとあなた。これはパートナーであるべき関係だ。触れる世界とデータ、実証と理性の世界。そして神秘と象徴と不可視を探る意識の冒険。それぞれが素晴らしい長所を持ちながら、いったんこころを閉ざせば相手の欠点ばかりが目についてしまう。まるでかつては愛し合っていたのに今では憎しみあうカップルのように。

13signs

乙女座のジュノーから見れば、魚座の木星・天王星は「ウサンくさい、とらえどころがない、鼻持ちならないトリックスター」に見えるし、魚座の木星・天王星から見れば乙女座のジュノーは「融通がきかない、頑固で嘲笑的、計算高く報復的」に見えるだろう。  けれど、もしお互いが真の意味で理解し、尊重しあおうとするなら、魚座的な霧が晴れたあとにはきっと人類の意識にとって未知のコスモスが拓けているし、乙女座の壁の向こう側には人類にとって貴重なデータが山ほど積み上げられているのだ。

このオポジションと共にグランドクロスを形成しているのがMC/IC蟹座・山羊座の月のノードとケンタウロス族の準惑星キラルス、そしてメディアや噂、コミュニケーションを支配する水星というのもとても象徴的だ。サウス・ノードとタイトなコンジャンクトのキラルスは長いカルミックな積み重ねの上で突然表出する「損失」や「意味の無いことで生命力が奪われる」という意味を持つという。本来の意義を失った戦争で多くの若い命が失われることなどもキラルスの支配するところだ。 無用な論争。。。

けれどこの無用な論争もやがて落ち着くところに落ち着いていくだろう。そして元はひとつだったパートナーがまた手を取り合う日もいつかは来るかもしれない。13星座騒ぎで表出したアストロロジーへの誤解や偏見が、こうした大騒ぎに揉まれながらいつか溶け去る・・そんな日が近い将来やってくるといいな、と思う。

    また、同時にこんなことも思う。アストロロジーを支配する惑星は天王星だ。去年からのカーディナル・クライマックスで中心的役割を果たす惑星のひとつ、天王星。これは進化を刺激し、強引なくらいに激しい変革を要求してくる星だ。 だから今、この惑星がアストロロジー自体に突き付けている課題も大きいと考えなくてはならない。古代バビロニア、エジプトから連綿と続いてきた、星を読み解くといういわば象徴言語の体系も、時代に合わせて進化しながらここまで来た。そして最近になって発見される惑星たちの数も急激に増えている。 今回の13星座騒動は、ともすれば完成された技法や知識を学ぶことで満足しがちなわたし達アストロロジー実践者にさらなる探求を求めるものなのかもしれない。 

その意味で、アストロロジャー、モリー・ホールの言葉には感銘をうけた。 『この時期にへびつかい座が立ち現れたことはけっして偶然ではないと思う。わたし達は、今一度謙虚にこの星座と恒星群の神話をひもとき、そのシンボルが今わたし達に告げようとする新しい意味合いについて熟考する必要があるのではないだろうか。』 そうね、へびつかい座とこれからの世界・・・面白いかもしれない!

わたしにとって、アストロロジーとはあまりにも奥が深く、どこまで学んでも学びきれるものではないと感じてしまう。けれど、天王星の促しにどこまでついていけるか、せいいっぱい試してみたい気もするのだ。 一生を鋭意勉強ちゅう!・・・で終わったとしても。



hiyoka(^_^;)



hiyoka_blue at 19:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

January 01, 2011

A Happy New Year!!!

NY2011


広大な宇宙の中の ありふれた銀河の 小さな星の ちっちゃな惑星が
またひとめぐり、新しい旅を始めます

その上に生きる すべてのひとが すべての生命が
それぞれの 最高の可能性を 拓いていけますように...

空に輝く星々と共に 勇気と 耐える心と 沢山の笑いで 
わたし達の日々を 満たしていけますように....

2011年  みんなに幸あれ!


hiyoka.



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December 24, 2010

INFINITA___探求者の運動場 マタハ 隠れ家

今日はクリスマス・イブですね。
だからってわけでもないけれど、ずっと放ったらかしだった作品サイト『INFINITA』に新しく動画作品をまとめて、3つの部屋を作りました。どれも以前の作品ですが、長い冬の夜に観ていただくにはピッタリかも。。よろしければぜひお越しください。

"INFINITA__A Playground or A Hiding Place for the Spiritual Seekers"

Room I:
お馴染み?の『SAMSALA』—如・色・虚—三部作です。

samsala


Room II:
『jjjjjjjj』  聖書をパタッと開いて偶然指さしたところの言葉。それを現代風の散文詩に超訳して『"J"—Jesus』からの12のメッセージとし、音楽と動画を合わせて三位一体にした作品。メニューから選んだり、オミクジのように" J" から選んでもらったり。自分だけのためにオリジナルの組み合わせを作ってもらったりして遊べます。その瞬間のあなたにピッタリのメッセージがみつかるかも?。。

jjjjjjjj


Room III:
『Meditation TV』
net上の瞑想装置としてつくりました。まだ1つだけ、永遠の曼荼羅を置いてあります。音楽とともに、じっとみつめてみてください。

mandara



どれもアンビエントな感じなので、ちょっと疲れたかなぁ・・・なんて時に、少しでもホッとするひとときを過ごしていただけたら嬉しいです。


hope you'll have a good time!


hiyoka.(^_^)


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March 14, 2010

■メリマン・コラム3/15付けを訳してみて_3/13

このところ毎回全文翻訳するのが週末の習慣になってしまったけれど、時間が食われているなあ・・と思いながらも止められない。いつも何かしら、この三次元世界について興味深い考察があると感じるからだ。

今回のコラムでは、言葉でははっきり表現されてはいないけれど、メリマン氏自身も市場のブルっぷりに驚いたのではないかな?という感じがした。もちろん、単なる無料版で細かい動きを示唆などはしてくれないし、顧客の人たちには毎日の予測を修正しながら送っているのかもしれない。いずれにしても、無料版コラムの真骨頂は彼の長期展望にこそあるような気がする。

それにしても、Tスクエアのトランスレーションが市場の強気な動きと連動するというのは、意外なことじゃなかったろうか? なぜならそれは普通、とてもネガティブに現れやすいエネルギーだから。

周りを見渡しても、良いニュース、希望を持てるようなニュースはあまり見あたらず、心が暗澹となるような事件や災害、拡がる政治不信や景気の低迷など、先行きの不安材料に満ちているように思える。主要企業の決算発表がこの先の利益増をうたっていたとしても、少なくとも日本では、毎日感じる街の景気はそれほど良くなっているとも感じられない。ギリシャ不安が治まった、ヨーロッパはこれで安泰かと言われても、それを本気で信じている人はどれくらいいるだろうか?

個人的な出生チャートでも、自分の出生時の惑星位置にこのアスペクトがもろに影響している人は、今本当に苦しい思いをしている事が多い。

その意味で、実社会ではこのTスクエアや火星の逆行・順行、金星絡みの恋愛ごとなどは素直に出ている感じがするけれど、相場の世界は一筋縄では行かない。

アメリカのアストロ・デイトレーダーさん達も、この事に関しては色々論議していた。確かにTスクエアは激しい運動性を持つ。彼らのリアルタイムの話っぷりからは、毎日がブルとベアの一騎打ちのようで、とても緊張感が漂っている様子がうかがえた。その会話を少し拾ってみるとこんな感じだ。

『 NYのレギュラータイムは相場操縦だらけでやりにくいったらないよ、クソッ。 もう時間外で先物や為替にシフトすることにした。そのほうがエネルギーどおりナチュラルな動きをするし、ゲインも大きいぜ 』

『 15日は金融規制法案の提出でしょ? そのあと見せしめに暴落させようとして今ウォール街が結託して上げるだけ上げてるんじゃない? 』

『 15日の新月と同時に水星と天王星が合だよね。これは過去の不要物を捨て去って未来のための空間を空けたいっていう雰囲気を作りそうだ。それに火星の順行が始まってる。何か銀行に関してネガティブなニュースが出るんじゃないかな? 』

『 まあ、今回は長い遅れの後に本当のインパクトが起きるだろうね。でも現時点で市場を動かしている集合意識にはかなりのモティべーションを感じるんだよ。だから予測すべき結果はちょっとランダムな感じだな。まるで投げ上げたボールが何処に再び落ちてくるか、わからないって具合だ。パターンってものは常に繰り返されるけど、いつだって例外はある。天気予報みたいにね。 これがどうして起きるかっていうと、今は見えない部分で背景が大きくシフトしている最中だから。ま、来週はベア達も運良くショートカバー出来る場面があるといいな 』

『 だな。外惑星の多くがゾディアックの1巡りを終えようとしてるなんて歴史的だもんな。先のことなんてわからんよ。とにかく明日の値動きに集中するだけさ 』

・・・そう、みんな本当に苦労しながら相場と闘っている。アストロロジー、数学、サイクル論、ファンダメンタル、政治的読み、色んな武器を使って。

今という時は、分足というミクロの変動と地球規模のマクロの変容が重なり合い、絡み合って、ダイナミックに動いている時間帯なのかもしれない。けれどその渦中にある時、人は自分の目先のことをせいいっぱい頑張って生きるしかない。 

その軌跡は後から振り返ったとき、いったい何を教えてくれるだろうか?  アストロロジーを学ぶ者の一人として、ミクロとマクロ、社会の変動と人の精神、その両方を見つめながら理解を深めていけたら・・・と強く思った。。



hiyoka.(^_^)

kameo21 at 22:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

March 07, 2010

■メリマン・コラム3/8付けを訳してみて_3/7

前回のコラムでは金星と天王星の合(3/3)をピークに相場の上昇は衰えをみせ、次の少し恐ろしげなエネルギーに移行していくのではないか?というニュアンスが強かったように思う。けれど実際は、株式市場は金曜には大幅な騰げを記録。特にNY市場でのCST10:10ごろの上がり方は、現地のデイトレーダーの一人が「陶酔的」とまで言っていて、すごい勢いがあった。それでもメリマン氏の文章は、今週からいよいよ山場に入っていくという確信が感じられる。

惑星の運行とそのアスペクトから物事を予測するには、どうしても揺らぎによる日にちのズレを頭に入れておく必要がある。ひとつのサイクルは、より細かいサイクルとつき合わせ、速度の速い月の運行なども考慮に入れて予測しなければならないと思う。ただ先週は、とても強いエネルギーが後に控えていると思うあまり、わたし自身そちらのほうにばかり注意がいってしまった気がする。

市場は一部の大金を動かせる人種が操作している・・という人もいるし、それもまたひとつの事実かもしれない。けれど、本当に市場全体を動かすのは世界中の無数の人たちが創り上げる集合意識であり、刻々と変化していく場の「雰囲気」ではないかと思う。その意味で相場の世界は世の中の縮図でもある。事件を起こしたりニュースを流すことはできても、それを受けとる「場の雰囲気」をコントロールすることは誰にもできない。もし一つできることがあるとすれば、それは雰囲気を作るための絶好のタイミングを掴んで行動を起こすということかもしれない。だとすればその「ムードの変化」をいかに敏感に感じ取るか? は特に短期トレーダーにとっては必須の才能だと思う。そして同じように、相場の世界には無縁の人にとっても、とても大切なことかもしれない・・・。

世界を構成する様々なエネルギー。 それによって、みんなの共同創造で生まれる「全体の雰囲気」。 そういった目に見えないものに鋭敏になっておくこと ・・・・こういう訓練は日々の生活にも役立つのではないだろうか。 なぜなら自分自身もまた日々、心理面で、行動面で、どこかで何らかの影響を受けているはずだから。その影響のもとで、自分は何を感じ、何をしようとしているんだろうか?  世界の中で・・・仕事・恋人・友人・家族との間で・・・。
そしてこういった鋭敏さは、「誰か」や「何か」を悪者にしようとする視線からはけして生まれないだろうとも思う。

最近、アストロロジー単体や数学を併用してその日の値動きを予測する、アストロ・デイトレーダーとでも言うべき人たちが欧米に存在することに気付いた。このところずっと彼らを追ってみたけれど、その能力はかなり高いと思う。勿論全てを正しく予測できるわけではないけれど、デイトレーダーにとって必須の、インとアウトのタイミング・・つまり値動きの反転ポイントの時刻をかなりの確率で割り出している。もちろん細かい手法を明かしたりはしないので、どんなテクニックを使っているのかはわからない。

それでも、そいういう事が可能らしいと知ったことは、とてもエキサイティングだった。それは自分が多分一生学んでいくだろうアストロロジーのポテンシャルを広げることだし、個としての人生の探求やカウンセリングの世界でも、より正確で役に立つ知識を発見できる可能性を感じるからだ。たとえわたしには出来なかったとしても、誰かが発見し、それがまた誰かの役に立つかもしれない・・・そうやって人間は進化していけるかもしれない・・・道は遠くても、ちょっとワクワクする。

ところで彼らの意見を見てみると、5日金曜は元来ネガティブなエネルギーに満ちていて、相場は下げて当然の日だったようだ。けれど実際には派手に、「陶酔感」さえ伴って騰げているし、これからの上昇への期待感も生まれている。ここまで顕著に予測と実際が異なるのも珍しい。但しこのあたりは意見も分かれていて、別の人為的要素が強く働いているからそれに乗るしかない、との見方もあった。

また、8日NY市場のオープン前にユーロにショートを誘う動きがあると予測し、その数時間後にショートのストップロスを狙った大幅な買い仕掛けがあるのでは?という事を言う人もいて、どこまで根拠があるのかわからないものの、面白かった。

けれど依然として大多数は、8日以降の時点でNYはかなり下げるのではないかと考えているようだ。これはメリマン氏と同じ見方がベースとしてあるようにも思える。

ただし彼らはマンデーン・アストロロジャーであるメリマン氏のように国の行く末を見つめる目を持っていたとしても、相場にかけてはもっと即座の動きに集中する徹底的なリアリストたちだ。多分今頃はみんな月曜の相場に向けて、予測ラインを引き直している最中かもしれない。(^_^)



hiyoka.

kameo21 at 19:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)