マンデーン・アストロロジー

March 17, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント3/18【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2024年3月18日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★来週のコラムはお休みさせていただきます。また今後については訳者の都合により不定期とさせていただきます。🙇‍♀️
★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ 先週を振り返って ≫


  “ひっそりと。秘密裡に。驚くべきことに。金価格は史上最高値を更新し、ウォール街のアナリスト達は意表を突かれたと語る。貴金属は伝統的に、ボラティリティや地政学的リスクが存在する時の避難先と見なされてきた。だが今回は、株価のようなリスク資産を新高値へと押し上げた、投資家達の米国経済に対する楽観的な見方と重なりつつも騰がっている。ビットコインでさえもこれまでの記録を超える勢いで急騰している。”

  — Bob Henderson
    “Big Gold Rally Surprises Wall Street”
    Wall Street Journal2024年3月11日付

  “支出の総合額は、財政の現実を無視している。バイデン氏は2025年度に7.3兆ドルの支出を提案しているが、これは2年間で1.1兆ドルの増加だ。家計で考えたい人のために言い直せば、18%になる。またバイデン氏の赤字は経済に占める負債の割合もまた上昇し続けていることを意味する。ドナルド・トランプとバイデン氏によるコロナ対策支出は、第二次世界大戦以来見ることのなかった水準にまで債務を増加させた。だが戦後と異なるのは、バイデン氏が債務をコントロールしようとしていないことだ。これはもう、存在しない世界のための予算だ.....”

  ― The Editorial Board
    “Biden Offers a Budget Fantasy”
    Wall Street Journal 2024年3月12日付

  先週は重要な惑星アスペクトが無かった中で、史上最高値を更新していた金融市場は小幅な後退をし始めた。とはいえ、4月20日、21日の主要目的地へと向かう木星・天王星超特急が脱線したというわけではない。ただ3月21日にまず金星が土星にコンジャンクトし、その後強力な日食が起き、4月8日〜10日に火星が土星にコンジャンクトするイベントを控えて小休止がある、というだけのことだ。

  短期的には少々揺れ動くかもしれないが、木星と天王星の磁力はまだ他の宇宙フォースを凌駕する態勢にある。結局のところ、史上最高値や数年ぶりの高値へのブレイクアウトを象徴するコズミック・シンボルとして、木星と天王星の相互作用ほどのものはおそらく存在しないだろう。天王星は支持帯や抵抗帯といった制約を嫌い、それを突破しようとする衝動に駆られる。その一方で木星は大きく壮大な規模で物事を進めることを好むのだ。これらの力学はいまだに終わっていない。さらに、それらは金融市場以外の人間活動の分野にも立ち現れるかもしれない。たとえば、世界の指導者達が下す意志決定における、自画自賛(自信過剰)や「こうに違いない」と考えた物事の要因に対する過大評価などだ。これは重大な戦略ミスに繋がる可能性がある。

  世界の株式指数における新高値の更新数は前の週よりは少なかった。ドイツのDAXは強さを維持し、3月14日には18,039と再び史上最高値をつけた。チューリヒのSMIは2022年5月以来の高値まで急騰し、ロンドンのFTSEは9ヶ月ぶりの高値となった。オランダのAEXは前週につけた史上最高値を更新出来ず、異市場間弱気ダイバージェンスの示現となった。

アジア・環太平洋地域では、インドのNIFTYが史上最高値を更新したが、それは週初めのことであり、その後は下落している。中国と香港市場は堅調で、それぞれに11月以来の高値をつけた。日本の日経平均は一転、下落して前週の史上最高値から2200ポイント以上下げる結果となった。オーストラリアのASXは前週の高値を更新出来ず(試しはしたのだが)、15日金曜にかけて売られた。

米国の各指数はどれも先週、史上最高値を更新したものは無かった。ナスダックとS&Pは、ともに3月8日の高値を維持している。ダウ工業平均を含む各指数は、週の半ばに二次的な高値をつけはしたが、金曜までに値を下げて週明けに向けての弱含みを示唆している。

  先週の主役となったのは銀で、金曜に25.42ドルに急騰、12月4日のプライマリーサイクルの天井(26.34)以来の高値をつけている。これは先週のMMAサイクルズ月報で私達が提示した予測どおりだった。しかし、金は前週8日につけた史上最高値2202を超えることはなかった。

ビットコインは3月14時木曜、73,803で再び史上最高値を更新した。だが1日後の金曜には8000以上の下落を喫し、65,564となった。また今週の原油は好調で、木曜にはここ4ヶ月での最高値となる81.62まで上昇した。



≪ 短期ジオコズミクス ≫


  “ヴラジーミル・プーチンは西側諸国との核対立の可能性を公の場で警告したが、これはこの2週間足らずの間で2度目のことであり、ロシアの大統領が今週末の大統領選挙を前に、ますます頻繁に鳴らすサーベルの音だ。”

  — Ann M. Simmons
    “Putin Rattles Nuclear Saber Ahead of Presidential Elections”
    Wall Street Journal 2024年3月14日付

  ...今夜は出歩くなよ
  お前の命が危なくなるからさ
  悪い月が昇っているんだ

  ― John Fogerty & Creedence Clearwater Revival,
    "Bad Moon Rising"
    Concord Music Publishing LLC, 1969年


  “ただ死の淵で生きてこそ、人生の何とも言い難い歓びを理解出来るというものだ。”

  — James Clavel, Shōgun 1975年

 
  これからの3週間、私達は集合体として、この上なく受動攻撃的なムードの切っ先に立たされる。その受動性は、3月17日に魚座で海王星と太陽がコンジャンクトすることによって顕れる。そして21日には、同じく魚座を行く金星・土星コンジャンクションの氷結によって強化される。これを市場に当てはめて言うなら、トレーダーは猛烈な強気相場が続くと信じたいかもしれないが、今はいくばくかの疑念と混乱が生じているということだ。数日前に示唆されたように、FRBが短期金利の引き下げを再確認するようなことがあれば、トレーダーは “様子見” を選択するかもしれない。これは、先週のインフレ数値がわずかながらも上昇を示し — そしてそれによって市場の騰勢(株式、金、ビットコインなど)が一服した事実に照らしてのことだ。私達のルールは以前と変わらない。金星が絡むハードアスペクト(3月21日に見られるような)に向けて下落する相場は買いの候補だ。

そして、一旦この不確実性、混乱、受動性(または行動における麻痺状態)の濃霧を抜けると、私達は闘争性と攻撃性が潜在する星座宮 — 牡羊座に太陽、月のノースノード、カイロンのすべてを集めて起きる日食の季節に突き進む。これもまた「シナリオをひっくり返す」状況だ。それに加えて水星が4月1日に逆行する。つまり「シナリオがひっくり返る」のではなく「シナリオ」が「宙返り」する可能性があるのだ(大して変わりないように思えるだろうが、「宙返り」のほうがもっと幾重にも混沌としている)。4月20日の木星・天王星コンジャンクションに近付いていくにつれて、金融市場はかなり乱暴で無秩序な状態に陥るかもしれない。

それは次のような様相だ。まず、3月25日月曜に月食が起きる。月食とは、太陽と月の直近に月のノードが来る満月のことだ。その “影響力” は、蝕の3週間前からおよそ3ヶ月後まで続くかもしれない。牡羊座と天秤座でそれが起きる時、暗示されるのは攻撃的な行為と外交戦略の対立だ。最初のうちは、交渉事の中に何らかのチャンスがある。だが、金星が魚座の海王星とのコンジャンクションを終えて(4月3日)牡羊座に入居すると(4月4日)、事態は一気に動く可能性がある。

4月8日*には、米国全土を暗闇に包みながら渡っていく最も強力な日食の1つが畏怖の念と注目を集めるだろう。誰もがこんな問いを抱く。「この数分の真っ暗闇はいったい何を意味するのか?」と。牡羊座では、月のノードとカイロンもまた太陽と月の直近に位置するが、これは何らかの危害や悪意の危険があることを意味する。2日後には火星が土星とコンジャンクトするため、戦争の脅威や自然災害の脅威(ハリケーン、地震、洪水、猛暑や極寒)を意味する可能性もある。そして水瓶座の冥王星を考え合わせれば、核の脅威が立ち現れる可能性も考えられる。

  プーチンは再びサーベルを鳴らした — 少し前に指摘したように、冥界の神である冥王星(人命への脅威)が水瓶座入りすると、核の緊張がエスカレートする可能性がある。先週、彼は再度その脅威を確認したわけだが、これを軽く見てはならない。とはいえ、冥王星がこの脅威を必ず実行に移したり、もし実行するとしても4月中にそれが起きるというわけではない。日食の場合、それが起きてからおよそ18ヶ月の間はその脅威や約束された物事の実行を継続する可能性があり、また最大3ヶ月前からそれが始まる場合もある(これは私自身の観察から導き出したものであり、各アストロロジャーによって意見が分かれる)。したがって、プーチンがもし個人的に脅威を感じた場合、その脅威に基づいた行動を取らないと考えるのは賢明とは言えないだろう。また、彼の出生図に見られる天秤座の太陽・土星・海王星のコンジャンクションがこの日食に対しオポジションとなるため、自分が迫害を受けているという妄想を抱くほどパラノイア的になるかもしれない。これが彼の脅威に対する恐怖心の高まりを促進し — ひいてはそれを行動に移す可能性がある。私達はこの可能性を認識しておくべきだ。

  4月8日の日食が辿る道筋は、メキシコからテキサスを経て中西部のコーン・ベルトに入り、米国とカナダの国境に沿ってエリー湖からメイン州へと延びている。日食が通る道の下にある国は、その指導者(または統率力)が大きく変化する可能性がある。また、現行の政策構想や戦略を大きく覆す可能性もある。

では、私達は何をすべきか? 自分の人生において、一個人としてどのようにアプローチすべきなのか? まず、“日食” という現象が象徴するのは月(感情、過去)が太陽(未来)の行く手を阻んでいる状況だと理解してみよう。新しい道が生まれつつある。それは「執着」という感情に縛られた道を超越しなければならないということだ。人間関係や仕事、あるいは健康面で上手くいっていないなら、今こそ新しい道を切り拓くための行動を思い描き、視覚化し、実際に始めるべき時だ。不健康な思考や状況をそのままにしておくと、変化を余儀なくされる可能性が高まる。自発的に変化を受け入れるか、道を拓いたりしない限り、結局は慣れ親しんだものから切り離されるのだ。それは簡単に済むような経験ではないだろう。

  日食は(アストロロジーの言語で言うなら)非常に冥王星的だ。まるで “Bad Moon Rising”(悪い月が昇る)ように見えるかもしれないが、必ずしもそうであるとは限らない。特にこの日食は、月のノースノードとコンジャンクトしているからだ(ノースノードはサウスノードとは対照的だ)。ここで適用すべき重要な教訓は、自分の未来を閉ざしている習慣、行動、そして感情から自分自身を切り離すという選択だ。もしそれが上手くいっていないのなら、とにかく正す、もしくは変えることだ。もし上手くいっているのなら、それを壊してはならない。あなたが自分自身と自分の計画を信じているのなら、ただ忍耐強くあれ。そして何よりも、他者に危害を加えないことだ。このような日食においては、他者に害を与えたり傷つけようようとする努力が思いも寄らない形で裏目に出て、自らに返ってくる可能性が高い。

これは、誰かが「自分に害を与えている、危害を加えようとしている」といった被害感情に基づく思い込みから生まれる。そして「彼/彼女/彼らを罰しなければならない」という偏執的な感情に囚われていく。そこから、まずは脱することだ。そしてそれとは対照的に、まず他者を助ける者となる。すると翻ってその他者もまた自分を助けてくれる。そんな状況が起きることを自分に許していく。そんな動きを創り出すことを、考えていこうではないか。






訳文ここまで
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*日本における日食についてのメモ(思いつくままに)

  日本時間4月9日午前3時21分ごろ。太陽・月・カイロンはほとんどオーブ無しで重なり、その度数は日本戦後始原図のIC上に来る。マンデーン・アストロロジーにおいて、4室の始まりのカスプであるICは国民の意志や想いと生活全般の状況を指す。また国土や大地を指し、農業、作物、鉱物などの地下資源をカバーする。集合心理的には母国に対する国民の感情や意識、国旗、愛国心の状況を表す。また大地の状態、天候も表すとされ、地震、土砂崩れ、洪水、森林火災などの自然災害を示唆する場合もある。また政治的には与党と対立する政党や政府の力を削ぐための抗争の激化を暗示するケースもある。

また日本における日蝕図のICにはEMD(エマーソンズ・デス・ポイント)と呼ばれる死のパーツと一致団結の必要性を示唆する小惑星ソリダリティーがほとんどオーブ無しで乗る(EMDが来ていても必ずしも「死」が強調されるとは限らないが、そのときどきに重要な何かが失われる可能性として頭に入れておきたいパーツではある)。このICは7室(外交関係、同盟国とその関係性、国際紛争、対外感情)に在泊するオルクス(冥王星と同様の意味を持つプルトイド/冥王星族で将来的に準惑星に分類される可能性があるとされる)、そして1室の火星・土星コンジャンクションにスクエアとなり、MCと合わせてグランドスクエア、そして8室を逆行中のニッポニアとはクインカンクスを形成する。

  蝕が影響を及ぼす期間内に日本国内に何かが起きる暗示か、それとも実際に可視性によって蝕の影響を受ける米国とは近い関係にある日本が受ける、多大な外圧や影響力を示唆するのか、あるいはその両方を意味するのかはわからない。けれど、いずれにしても3月25日の月食とともにこの強力な日食の影響力をも強く受けるだろうことから、蝕の期間だけでなく比較的長期の注意は必要だと思われる。

何が起きるにせよ起きないにせよ、日本という国の要であり土台でもある国民として、わたし達はより一層の “大人としての” 自覚を促されるのかもしれない。何故なら、MCに海王星を抱く戦後始原図において、4室の国土に立つ国民は、主権在民と言いながらも政府や統治者の側を「優しく甘やかしてくれるべき母なるもの」として見上げ、苦難の時には自分達が積極的に土台を支え合うというよりも、ともすると「慈しみ守られるべき子供」のような存在でありたいと潜在的に感じ取る傾向/思考の癖が顕れやすいからだ。(これがもし1人の人間のネイタル・チャートであったなら、いったいどんな人生の課題が考えられるだろう?)

一方、MC上の海王星は、国の象徴と祭祀国家の長としての天皇陛下と皇室の存在をも象徴している。この「民主政治」と「祈り」という、他では見られない精神性の奥行きと構造とが、戦後の日本という国を支えてきたとも言えるかもしれない。けれど、この2つの要素を、その境界と溶け合いの度合いを、間違えることなく両立させていくには、やはり国民の側にも優れた自覚と知的責任が要求されるのではないだろうか。

  また1室の火星・土星コンジャンクションの直近には小惑星ゼノフォン(クセノフォン/見慣れぬ物事や事物への恐怖)とカルマの支払いを意味するケンタウルス族のネッソスが在泊することから、排外主義や異質なものを受け入れない頑なさによる争い、または事件などの可能性も考えられる。したがって、個人生活においても軽挙妄動、思い込みによる決めつけや言動、流言飛語に惑わされないことを、この先、常に肝に銘じておく必要がある。

このところ、日本戦後始原図の4室には一種の被害者意識を刺激するエネルギーが強く働いているように見える。戦後始原図4室に在泊するネイタルの金星に不和と恨み節の名手、トランシットのエリス(不和を掘り起こし、それを通して自己のアイデンティティを追求する女神の名を冠した準惑星)がここ数年コンジャンクトし続け、同じく4室のN木星(楽観性やおおらかさ、寛大さ)には、水瓶座入りした冥王星がスクエア、そしてやはり4室在泊のNニッポニアとN太陽(主権在民の証し)には、各自の心理に潜む怖れを衝いて惑わせるトランシットのルシファーがコンジャンクトしている。

もし、ネガティブな刺激を受けて何かしらの想いがつのった時には、即座に腕を振り上げるのではなく、まず一瞬の密やかな沈黙のうちに、わたし達ひとりひとりに備わった穏やかで深い思慮の内に休み、今の自分に出来る最善の行為とは何かを考えていければ...と思う(と自分で書きつつ、かなり難しいことではあるのだけど、それでも..🍀)。


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March 03, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント3/04【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2024年3月4日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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≪ 先週を振り返って ≫

  “日経平均株価は先週、ここ34年来初めての新高値を記録した。これは日本が正真正銘のエキサイティングな経済大国として復活したことの証しとしてふさわしい。またこれは、日本がついにデフレから脱却したことを示す証拠が積み上がる中で起きている。”

  — Greg Ip
    “Japan Is Back. Is Inflation the Reason?”
    Wall Street Journal 2024年2月29日付

  4月21日の木星・天王星コンジャンクションの前触れとなる物事の流れは、すでに予測どおりの動きを示している。天王星は興奮と長期の新高値更新、一方の木星は豊かさ、楽観主義、そして誇張の原理だ。先週は世界のいくつかの株式指数が史上最高値を更新したが、それらは日本の日経平均(かれこれ34年を数える金融の「暗黒時代」を過ぎ越して)、米国のS&Pとナスダック、ドイツのDAX、オーストラリアのASX、インドのNIFTYだった。そしてダウ工業平均は前週2月23日金曜に最高値を更新している。

さらに、高騰しているのは株式市場ばかりではない。金はビットコインと同様に、史上最高値の更新まであと一歩という勢いだ。原油は金曜の日中、4ヶ月ぶりに80ドルを超えた。そしてドル円は34年ぶりの最高値をめぐってパタパタと動いている。

  木星・天王星という組み合わせの特徴は、様々な金融市場において史上最高値を更新してきた歴史を持つことで、多くの場合、それはアスペクト形成の寸前に起き、時にはその数ヵ月後まで続く。アスペクトが正確な形成となる前にこれらの市場に急落があれば歓迎されるだろう。だが、木星と天王星はすでに新高値に向けて強い力を発揮している。そのため、この貨物列車が4月20日に予定されている次の駅への到着手前で停止することを示唆するものはほとんど無い。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “このテクノロジーはついに限界点を超えて著作権を屈服させ、その過程において、創造的社会に生きることの意味を根底から覆す怖れがある。もし誰もが結果を考える必要もなしに中身を略奪することが出来るのなら、いったい誰が本を書くためにあれだけの時間と感情的エネルギーを費やすというのか? これが、著作権によって保護された少なくとも何万冊もの書籍を生成AIシステムのトレーニングに使用している企業に対する、少なくとも9件の著作権侵害訴訟の背景に存在する感情だ。こうした訴訟の1つは「大規模な組織的窃盗の罪」を主張している。”

  ― Alex Reisner
    “Generative AI Is Challenging a 234-Year-Old Law”
    The Atlantic 2024年2月29日付

  “イーロン・マスクは Open AI とその最高経営責任者であるサム・アルトマンを訴え、彼らが人類の利益よりも企業の利益を優先することでAI企業の設立合意を破ったとしている。”

  — Gareth Vipers and Sam Schechner

    “Elon Musk Sues OpenAI, Sam Altman,
     Saying They Abandoned Founding Mission”
    Wall Street Journal 2024年3月1日付

  “急速に変化する人口動態のおかげで米国企業は歴史的な人材流出に直面している。その解決策は年齢差別から脱し、より高齢の社員に投資することだ。”

  ― Michael Clinton
    “The Seismic Shift That’s About to Change the American Workplace”
    Esquire 2024年2月13日付

  さて、実際には4月20日以前に突然の急落と重なる可能性のある短期的なアスペクトが存在する。その1つである強烈なジオコズミック活動が3月3日〜9日に起きる。これらのアスペクトは、誰もがブレイクアウトに殺到して買い続けるほど市場心理を支配しがちな木星・天王星コンジャンクションの力ほど強烈ではない。しかし、来週発効するアスペクトには、4月20日に作用するものと同じ惑星、木星と天王星が含まれている。したがって問題となるのは、これら力の劣るアスペクトがともに働く時、短期的だが急激な反転を起こすのに十分な強さを持ち得るかどうかだ。あるいは、木星・天王星の力学は4月20日になるまで後ずさりどころか一時停止する試みさえも圧倒し続けるのだろうか? 天王星の場合、乱高下を続けるか、突然反転するかはわからない。木星に関しては、それが何をするにしても、慎重で段階的な動きではないことがわかっている。すべてが誇張されているということは、もし上昇が間断なく続けば、その後に続く下げも厳しいものになる可能性が高い。騰がれば騰がるほど、谷はより深く下落も激しくなる。

  今週、ジオコズミック的に反転の可能性を示唆するのは3日に起きる金星・天王星スクエア、4日の木星・海王星セミスクエア、9日の火星・天王星スクエアだ。木星・海王星セミスクエアは、投資世界の真理に「非合理的高揚感」の復活をもたらす。誰もがこの爆発的上昇に乗りたがっているのだ。だが、もしこの高揚感が終われば、溢れかえる活気はミニ・パニック(または本格的な大パニック)へと変容するかもしれない。株を保持している人々は十分に素早く手放す(売る)ことが出来ないからだ。

では、いったい何がパニックを引き起こすのか? 破壊者たる天王星は炎に吸い寄せられる蛾のように、混乱から離れられない。天王星が抵抗線や支持線を破って新高値や新安値を更新していないような時、突然予期せぬ出来事が勃発すると、突如として方向転換することがある。それはまるで地震のようなものかもしれない。物語は突然、「月に向かって舞い上がる」からヒステリーとショックが渦巻く場面に変わる。今週、支持線が破られるなら、それまでの騰勢を反映し誇張された下落に繋がる可能性がある。

  月のノースノードは現在、カイロンとコンジャンクトしている。誰かが傷つくだろう。ガザでの人道支援活動のさなかに繰り広げられる暴徒化や混乱の中で、すでに人命が失われている。だがそれは、制御不能と化す金融市場の取引にも顔を覗かせる可能性がある。来週末、火星・天王星がスクエアを形成するころには、人々の安全という領域と同様に、金融の領域にも危険が迫るのかがわかるのではないかと思う。

結論:市場が高値を更新し続けるか、それとも突然反転するかは誰にもわからない。しかし、3月3日〜9日に展開される3つの主要なアスペクトを考慮するなら、今週突然反転する可能性は(ジオコズミック研究から言えば)現実味がある。油断してはならない。警戒せよ。



≪長期的考察≫

  “メディチ家は芸術が最高の権力であることを知っていた。”

  — Christopher Hibbert
    “ House of Medici” Harper Collins 1999年

  “復讐を望む者は墓穴を2つ掘るべきだ(人を呪わば穴2つ)— 孔子”

  ― 22 Best Shogun Quotes Every Fan Needs to Know
    www.fictionhorizon.com 2024年2月27日付


  私は映画を観るのが好きだが、とりわけ勇壮な歴史ドラマを好む。ちょうど今1本観終えたところで、またもう1本観始めているのだが、私と同じように歴史的大作映画が好きな読者の皆さんに自分の体験を少し分かち合いたいと思う。

このジャンルの映画やTVシリーズを私が好む理由は、1)長期的な惑星サイクルと結び付いた歴史的テーマが存在すること、2)上述の2本の作品のように巧みに制作された映画の場合、私の意識を別の感情的・精神的なレベルへと変容させる力があるからだ。

私がちょうど観終えたのは、Netflix で2016年〜2019年に放映された『メディチ』というテレビシリーズだ。これが公開された時に何故見逃したのかはわからない。だが数週間前に休暇から戻ると、私の家のハウスシッターがこのシリーズを観ていた。わたし自身はメディチ家の歴史に常に引きつけられていたし、2006年にフィレンツェにおいて開催された会議において、銀行業界の人々に対しメディチ家の遺産についてプレゼンテーションをしたこともある。ネットフリックス版の脚本・構成は壮大で、政治、ロマンス、権力、陰謀が好きな人であれば見逃せない出来となっている。

  ついでに言っておくと、FXで毎週放映されている『将軍』もその範疇に入る。私は10年ごとにジェームズ・クラベルの本を読み、虎永(将軍)と鞠子さんという力強い登場人物によって描かれる日本仏教の智恵を思い起こす。『メディチ』と同等か、あるいはそれ以上に、このシリーズは私を精神的/感情的レベルにおいて別の次元へと導いてくれる。それは「深い感動」としか表現のしようがない。

『メディチ』の舞台は1400年代のイタリア・ルネサンスだ。このユニークな時代には、土星、天王星、海王星、そして冥王星を含む惑星パターンが示現しており、現在の配置と似ていた。『将軍』の舞台は1600年代初頭だ。それはちょうど、木星・土星サイクルが帯びるエレメントが「水」から「火」へと200年周期で変化した時期でもある。そして2020年12月、グレート・ミューテーションの下でエレメントは「地」から「風」へと切り替わった。これらは人類の弧が1つの時代を去り、大きく異なる時代が始まろうとする、歴史的に重要な時代を今の私達が生きていることを思い出させるものだ。歴史を長い目で見ること。それはこうした事柄を思い起こさせる。またさらに言うなら、この激動と変容の壮大な時代を通して世界を導くための助けともなるのだ。

  この「新時代のルネサンス」において、リーダーとして歴史に名を残すのは誰だろう? イーロン・マスクかサム・アルトマンか? あるいは他の誰かなのか? それは、1988年〜1993に土星・天王星・海王星がコンジャンクトした『カプリコーン・クライマックス』の下でこの世界に生まれ出た誰かかもしれない。


次の土星・天王星コンジャンクションが形成される2032年。彼らの時代はそれまでにやってくるだろう。





訳文ここまで
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February 25, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント2/26【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2024年2月26日(フリー版より)

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文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は、投資日報社さんまたはMMAサイトにて「購読版」をお求めください。また文中の とそれに関する「注」はメリマンさんの言葉ではなく、あくまで翻訳者自身の責任において付加するものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★訳文の掲載は、訳者の都合により不定期とさせていただきます。🙇‍♀️
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≪ 先週を振り返って ≫

  “『まったく新しい産業が育ちつつあり、それが我々の成長にとって原動力となっている』と彼(NvidiaのCEO、ジェンセン・フアン)は決算説明会で語った。水曜、エヌヴィディアは四半期売上高を221億ドルと発表し、今四半期にはさらに240億ドルの見込みであると予測した。これはそれぞれ、前年同期比で3倍以上となり、ウォール街の強気予想を上回るものだった。”

  — Asa Fitch
    “Nvidia Hits $2 Trillion Valuation on Insatiable AI Chip Demand”
    Wall Street Journal 2024年2月23日付

   先週は、世界の株式市場にとって非常に衝撃的な週となった。それは、金星、火星、冥王星の強力なコンジャンクション(2月13日〜22日)が22日(木曜)に金星・火星のコンジャンクションをもって終わりを告げたことと同期していた。前日にはハイテク株比率が大きいナスダックがここ3週の最安値をつけたばかりで、多くの世界的な株式指数がこの新年で最も急激な下落の真っ最中のように見えていた。だが、その後エヌヴィディアが発表した決算は上振れしており、誰もが驚かされたのだ。金曜には米国の主要株式指数のすべてが史上最高値を更新した。これを見てのとおり、ジオコズミクスは市場の反転と一致しているのだ。

これはすべて、先週末のウェビナーで示唆したトレード戦略の核心、すなわち4月21日の木星・天王星コンジャンクションの前兆であり、多くの市場において史上最高値を更新するといった、爆発的大暴騰の可能性を示唆するものだ。もちろん、その前に調整的な下落がないということではない。多くの市場のプライマリーサイクルはかなり成熟してきている。しかし、爆発的な上昇とのかなり高い相関性を持つ、この14年惑星サイクルに向かって進むにつれて、多くのトレーダーや株式市場のプレイヤー達が、どんな下落にも意気揚々と挑むリスク志向を露わにしている。木星は誇張し、天王星は年単位の支持帯(安値)や抵抗帯(高値)などの境界線を突き破る破壊者だ。この組み合わせは、それが支持帯なのか抵抗帯なのかによって強気にも弱気にもなるが、いずれにしても、それらはほとんど破られることを懇願しているようなものだ。

   米国の主要株式指数に加えて、オランダ、ドイツ、日本、インドにおいても史上最高値が更新された。中国では上海総合指数が14%と熱烈な上昇を続け、3000を超えた。これもまた、つい数日前までは過去5年間の最安値となる2635まで下落していた。先週木曜の恋人達(金星と火星)による求愛ダンスに続き、木星が天王星との合体に近付くことで世界中が興奮に包まれている。春はもうそこまで来ているのだ。


   恋人同士といえば、金は2月14日のバレンタインデーにつけた数週間ぶりの安値から立ち直って上昇を続け、まずまずの週となった。だが、銀は金が示したトレンドに逆行して週を通して下落した。このため、銀は金より恵まれない妹であることを証明することになった。貴金属の見通しとしては、銀より金が上昇しているほうが良い。銀は追いつくだろう。しかし、銀がリードするケースでは、金は追随者であることを拒否するというのが通常だ。

   ビットコインは2月20日に52,989の年初来高値をつけたが、その後に失速して金曜には50,000近辺まで戻っている。イーサリアムは木曜に年初来高値を更新したが、金曜には値を戻した。一方、原油は一貫性のない動きだった。木曜には78.92まで上昇し、1月29日に記録したサイクル高値79.29に近付いた。だが金曜には1バレルあたり2.00ドル以上の下落を喫した。強気サイクルであることを確認するにはサイクル高値を更新する必要がある。果たしてそれは可能なのか? 木星が原油の共同支配星である天王星とのコンジャンクションに向かって進んでいる現在、まだその可能性はある。何故なら木星は原油の共同支配星だからだ。




≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “ECBは反ビットコインのブログを発表し、ビットコインを「その本質的な価値はゼロである」と表現した。これは真実ではあるが、おそらく的を射てはいないだろう。家を購入する見込みのないZ世代は、低リスクの投資を捨ててギャンブルに走るかもしれない。それは暗号通貨、NFT、ミーム株の説明となるだろう。問題は、住宅が再び手頃な価格となったら何が起きるか?だ。”

  — Dr.Paul Donovan
    “Reasons to Rush Rate Cuts”
    UBS Insights Morning Audio Comment 2024年2月23日付

  “『過去を思い出せない者は、それを繰り返す運命にある』。ジョージ・サンタヤーナの言葉を引用するのが好きな人々から、我々はよくこんなことを言われる。実際、歴史を学んだことのない人々は、誰かの政治的アジェンダに奉仕するあらゆる種類の狂った思い込みの餌食となる。通常、そのアジェンダは自分自身の独立した判断を放棄するという行動を含むものだ。”

  — Peter W. Wood
    “History, From Ukraine to Utah”
    Wall Street Journal 2024年2月23日付


  “ 過去を掘り返すな! 過去にこだわれば片目を失う。そして過去を忘れたら両目を失う。”

  — Natan Sharansky
    quote from Gary Saul Marson,
    “Dissident Wisdom From Alexei Navalny and Natan Sharansky”
    Wall Street Journal 2024年2月23日付

   2月13日〜22日の火星・金星・冥王星のコンジャンクションには、先週になって気掛かりな相関関係が見られた。ロシアの反体制派アレクセイ・ナワリヌイの不穏な死(殺人?)との関連性だ。これらの惑星はそれぞれに最近、山羊座(過去)を離れ、水瓶座0°(未来)という超高温の度数を横切った。これについては先週開催した『フォーキャスト2024』ウェビナーにおいて、冥王星が水瓶座最初の度数を通過するという事象がどんな激動を起こし、どう暴力的になり、強圧的になるのかについて解説した。これは、水瓶座の冥王星がより大きな自由と独立へと向かう課程で、この種の弱い者いじめに対抗する勇気と抵抗力を見出していく、挑戦的なプロセスの一段階だ。換言すれば、私達は今、(革新と発明をともないつつも)暴力、破壊、戦争のサイクルの渦中に在り、その過程は2025年〜2027年の「牡羊座の大渦」が最終的に大底に達するまで続く可能性がある。これについても前述のウェビナーにおいて詳説したのだが、3月9日に開催されるこのユニークな宇宙パターンに関する私の次回プレゼンテーションでは、さらに詳細な説明を加える予定だ。

   株式市場とジオコズミック・サインの観点では、3月9日に向けて多くの反転シグナルが出ており、私達はそれを切り開きながら進み続ける。今週2月28日には、太陽、水星、土星のステリウムが魚座9°に集まるのだが、それは強力な火星(闘争的または開拓的)と木星がスクエアを形成する1日前だ。おそらくは何か科学的で新しい突破口が発表されるのか、もしくは苦しみを抱える(魚座を運行する土星および他の惑星達)人々にとって必要な救援活動が遅れるのかもしれない。火星と木星のスクエアは、極度の怒りが露わになる事象を示唆している可能性もある。したがって、個人的であれ集合的であれ、戦争を始めたり闘争状態に入る誘惑に屈してはならない。これは優れた判断を示すシグナルではない。自信過剰や傲慢さによるミスや、誤った判断を示すこともあるのだ。

   観点を市場に移すなら、今週の土星の存在は、また新たな引き戻しや上昇力の停滞の前兆かもしれない。しかし、いったん土星が通り過ぎれば、再び騰勢が強まり上昇し始める可能性がある。この上昇は、現プライマリーサイクルが非常に古く成熟しているため、別の大きな懸念材料となるだろう。サイクルは古くなればなるほど急ピッチなプルバックが起きやすい。マーケット・サイクルにおける「古い」という状態は、18週〜23週あたりを指す。これはまた「枯渇」として知られる間隔でもある。18週〜23週にかけて市場がサイクル高値を更新するというのは極めて異例であり、高値を更新したとしても急落が続くというパターンは非常によく見られる。したがって、今週または来週(理想的には3月3日〜9日)±3取引日のうちに再び強力な反転ゾーンが訪れる可能性を否定出来ない。それは木星が海王星とセミスクエアを形成し(非合理的な高揚またはパニック)、火星と金星が天王星(劇的な値動き)とスクエアを形成する時だ。

   したがって、これからの2週間は「非合理的な高揚」が起きたり「ミニ・パニック」の可能性もある。だからリスクを管理し、よく考えて立てた取引計画を捨て去る誘惑に乗らないよう注意する必要がある。これはまさに、木星と海王星が対立状態にあるときにやってしまいがちなことだ。プロパガンダや指示系統におけるミス(魚座の土星*)が激しく起きる時は、「真実」が不足している。人生において、「真実」は常に常に役立つものなのだ。


*土星が魚座を運行し、しかも海王星と木星がネガティブな形で加担するときの影響力は、勢いある追い風を受けながら底が見えない泥沼を進むような状況にも似ている。影響力の度合いは個人のネイタルチャートの状況にもよるが、一般的には踏みしめようとしてもずぶずぶと填まっていき、常日頃当たり前に使っている五体の感覚のみでは頼りにならないときがある。それがひとによっては大きな葛藤を生むかもしれない。また、一時的に記憶力や注意力が衰える例も見受けられ、結果的に思い違いが起きることでアクシデントやミスに繋がるケースも多い。その意味では水星逆行と似通った面もあるが、どちらかというと、精神のより深い部分に影響を及ぼしてくる。ときに勘が冴えることもあるが、同時に感情面も刺激されることが多いため、どこまでも信じ過ぎれば最終的には足をすくわれることにもなりやすい。

今の自分の分をわきまえること、念には念を入れること、かといって体の何処にも力を入れすぎないこと。可能なら、物理面・精神面を問わず、
目先を探りながらしっかりした支えとなる杖のような道具(なるべく使い慣れたものが望ましい)を備えておくと良いかもしれない。これはトレードや投資に限らないが、前方の上澄みにチラチラと見える泥沼の大魚が自分にとってリアルな獲物か、それとも幻の疑似餌かを見抜くための眼力を養うには良い機会とも言える。それは「今の自分自身」に対する眼力でもあるのだから。



訳文ここまで
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February 04, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント2/5【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2024年2月5日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★来週のコラムはお休みさせていただきます。また今後については訳者の都合により不定期とさせていただきます。🙇‍♀️
★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ 先週を振り返って ≫

  “1月の雇用者数は驚異的に力強い伸びを示し、米国の労働市場の堅調さと、より幅広い経済成長を支える態勢が整っていることを改めて示すものとなった。非農業部門雇用者数は月間35.3万人の増加となり、ダウ・ジョーンズ予想の18.5万人を大きく上回った。賃金の伸びも力強さを示すもので、平均時給は前月予想の2倍である0.6%の上昇となった。”

  — Jeff Cox
    “U.S. Economy Added 353,000 Jobs in January,
    Much Better than Expected”
    www.cnbc.com 2024年2月2日付


  “米国は金曜、シリアとイラクでイランの息がかかった民兵に対する一連の空爆を開始し、7箇所の施設を攻撃した。これはヨルダンに駐留する米軍が無人機による爆撃で死傷者を含む被害を被ったことをふまえ、この地域の米軍に対するさらなる攻撃を抑止することを目的としている。バイデン政権は、こうした攻撃は経済制裁および外交との連動で行われるもので、何日か続く可能性があり、これによりイランとの直接対決には向かわせない一方で米国軍の安全を護ることを目的としていると述べた。ロイド・オースティン国防長官は木曜、米国は根拠となる脅威が認められる限り、攻撃を繰り返す可能性があると述べた。オースティンは言う。『彼らは多くの能力を持っている。そして私はもっと多くの能力を持っている』。

  — Gordon Lubold and Michael R. Gordon
    “U.S. Strikes Iran-Backed Groups in Syria and Iraq”
    The Wall Street Journal Online 2024年2月2日付
    (2月2日、米国市場引け後の記事)

  こうして世界、とりわけ米国対イラン、ハマス、ロシアは、それを何と呼ぼうが “正式名称” 以外のすべてがすでに進行中の「世界戦争」にまた一歩近付いている。この「引けの発表」は、1月20日に太陽と冥王星がともに水瓶入りしたことに関連する「筋書きをひっくり返す」シナリオの新たな一歩でもある。月曜には水星が同じ動きをし、2月13日〜17日には火星と金星がそれに追随する。つまり、これらの惑星はそれぞれに、2020年12月20日に木星と土星がおよそ800年ぶりにコンジャンクトし『ニュー・エアラ』を発進させた水瓶座0°のスーパーチャージ・ポイントを横切るというわけだ。

  だがそれだけではない。『フォーキャスト2024』(そして2月18日に開催する『フォーキャスト2024』ウェビナーでは画像を駆使しての解説を予定)においても説明したように、2023年〜2025年には冥王星が、3つの最遠外惑星のうちで初めて新たな星座宮に入居する。このような事象はここ300年間、起きたことがない。それ以前はまた300年、遡らねばならない。さらに、前回冥王星が水瓶座入りした当時(1777年4月)、また海王星が牡羊座入りした時(1861年4月)、そして天王星が双子座入りした時(1941年8月)は、米国史上最も重要な3つの戦争が起きて数ヶ月以内のことだった。

したがって、米国に関連する宇宙的サイクルに対しては、物事があっという間に制御不能になり、さらにエスカレートするのを阻止するために、正しく対処する方法を知っておかねばなならない。そのためには研ぎ澄まされた意識と智恵の両方が必要になる。それは土星と火星の原理である抑止力と攻撃力の微妙なバランス取りだ。火星は現在、土星が支配する星座宮、山羊座を運行している。幸いなことに、火星は山羊座でイグザルト(高揚)だ。だが2月13日には、より興奮しやすく衝動的な行動を起こしやすい水瓶座に移動する。さて、どうなるだろうか?

この発表が、株式市場の引け4分前に行われたというのは奇妙なことだ。発表の前、米国株は引け30分前の午後3時30分につけた市場最高値に続く高値をつける過程にあった。この間にS&P先物はおよそ25ポイント下落している。S&Pとダウ平均は金曜に史上最高値を更新しているが、ナスダック先物は1月24日の高値17,793からわずか18ポイントしか下がっていない。これにより、米国における異市場間弱気ダイバージェンスの新たな示現となった。

また、金曜にはドイツのDAX、オランダのAEX、インドのNIFTYにおいても史上最高値または数年ぶりの新高値更新が見られた。オーストラリアのASXは2022年1月の史上最高値にわずかに届かなかったが、チューリヒのSMIは2023年6月以来の高値をつけている。中国の上海総合は中国経済の苦境が続く中でそう幸運とはいかなかった。SSE(上海総合)は金曜に2866まで下落し、2863で底打ちした2022年4月以来の安値をつけた。ひょっとするとこれはダブルボトムかもしれない。もしそうでないなら、2020年3月以来の安値まで下落する怖れがある。

  予想されたとおり、遅い時間に軍事行動の発表が行われたことにより、強気の雇用統計を受けてそれぞれに急落していた金、銀、原油の出血は止まった。つまりこれらの商品は、まだ先ではあるが金利の再緩和が近付いている可能性を示唆した木曜のパウエル議長の講演の後、それぞれ底堅い動きを見せた。特に原油は先週79.29まで上昇し、11月30日の79.60以来の高値をつけていた。しかし、金曜までに10%近く下落し、71.79の安値まで下落した。これは12月12日の安値からの上昇のフィボナッチ61.8%修正に近い。銀もまた、最近の上昇から金曜の安値まで61.8%を失っている。

  そして先週最も安定していた市場はといえば、驚くなかれビットコインで、42,600〜44,900という狭いレンジで取引されていた。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “昨日の米国株に見られた値動きの激しさは、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のコミュニケーション能力について投資家が知っておくべきことのすべてを物語っている。ハードランディングを予想する極論派とソフトランディングを予想する現実派との戦いにおいて、FRBはソフトランディングに傾いているように見える... イングランド銀行にはFRBに比べて2つの利点がある。実際のエコノミストによって率いられていること、そしてコミュニケーションにおいては常にブリティッシュ・アクセントで喋るほうが説得力があるということだ。”

  — Dr. Paul Donovan
    “A Victory for the Realists”
    UBS Morning Call, www.ubs.com 2024年2月1日付

  “『あなたは誰のものか?』これは誰のために働き、何を信じているかではない。あなたの忠誠心を買ったのは誰なのか? という問いだ。これを3つのワードで言い換えるなら「ザ・ワシントン・プロブレム」だ。ソーシャルメディア企業はワシントンを買収した。彼らは政治家や政治活動委員会、シンクタンクやメディア・ショップに資金を提供している。最も影響力を持ち、最も尊敬されている人物を彼らは雇う。政治家の子息や子女に仕事を与える。ケネディ氏は公聴会において、こんなジョークを飛ばした。『グーグルが25人の議員をレイオフしなければならなくなった時、我々は不況に陥っていることを知るのだ』。

  — Peggy Nunan
    “Tech CEOs Face another Ritual Denunciation”
    Wall Street Journal 2024年2月3日付


  “パンクスタウニー・フィルは、2024年のグラウンドホッグ・デーに影を見なかった。”

  — Joe Brandt, Jim Donovan, Kate Bilo
    CBS News 2024年2月2日付


  先週の話題は国境管理の不備を巡って起きたテキサス州と米国政府の対立だった。今週は、米軍への攻撃をめぐる米国政府とイラン、シリアとの対立だ。では来週は? ... わからない。今はすべてがあまりに天王星的だ。天王星とそれが支配する星座宮(水瓶座)が強調されることによって、驚くべき出来事や市場の大変動、突然の反転の予兆となる。この惑星と星座宮の「サプライズ」的な特質は、最近このコラムでも『水瓶座の季節(1月20日〜2月18日)は通常、トレーダーにとって非常に難易度の高い領域だ』と述べた理由でもある。

それはまだ収まる気配がない。今週は、金星が天王星とトライン(2月7日)、太陽が天王星とスクエア(2月8日)、さらには水星が水瓶座に入居する(2月5日)。その後は火星と金星が水瓶座入りし、水瓶座0°の冥王星とコンジャンクションを形成する(2月13日〜17日)。つまり今年の水瓶座の季節は、とりわけ破壊的な宇宙的ポジションに曝されることになる。

そしてもちろん、これらすべての事象はちょうどビットコイン半減イベントが起きる4月20日、木星・天王星の14年シノディック・サイクル(コンジャンクション)への道すがらに起きてくることだ。

  これはあなたのタイミングが良ければ、今後3ヶ月間のうちにトレードで儲けることの出来るお金が相当量になるということだ。だが、タイミングが悪く、しかも必要な規律が欠けているなら、大金を失うことにもなる。なお、これについての詳細は2月18日に開催される『フォーキャスト2024』のウェビナーにおいてお伝えするつもりだ。お見逃しなく。





訳文ここまで
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hiyoka_blue at 21:05|PermalinkComments(0)

January 21, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント1/22【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2024年1月22日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★来週のコラムはお休みさせていただきます。また今後については訳者の都合により不定期とさせていただきます。🙇‍♀️
★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ 先週を振り返って ≫

  “幸運なことに、米議会予算局は毎月の予算に関する最新情報を提供しているのだが、最近になって次のような報告がなされた。

    “連邦議会予算局の概算によれば、2024年第1四半期の連邦財政赤字は5090億ドルに達した。この額は、昨年度同時期の赤字額より870億ドルの増加だ。また今年の歳入は830億ドル(8%)の増加となったものの、支出は1700億ドル(12%)増加している。公的債務の利子に対する準支出は大幅に増え、730億ドル(49%)の増加となった。これは主に、2023会計年度の当初3ヶ月間に比べ金利が大幅に上昇したことが原因である。””

     — James Freeman
    “If You Think Biden Is Unpopular Now...
    Wait until the reckoning for his spending spree.”
     Wall Street Journal 2024年1月17日付

  世界の株式市場は先週、初めのうちは身動きが取れずヨレヨレの状態だったが、突如として反転した。これはおそらく、この週末に起きようとしていた太陽と冥王星の、山羊座から水瓶座への移行の揃い踏みを反映したものだろう。

  アジアと環太平洋地域では、2つの異なる世界の物語が展開していた。日本の日経平均とインドのNIFTYは33年ぶりの高値(金曜の日経)、あるいは市場最高値の更新(火曜のNIFTY)となった。だが、中国の上海総合はおよそ4年ぶりの最安値水準まで落ち込み、香港のハンセンは2022年11月以来の安値水準まで下落している。

  ヨーロッパの株式指数はすべてが下落し、1月17日には週の最安値をつけた。これはドイツのDAX、オランダのAEX、ロンドンのFTSEでは7週間ぶりの安値となっている。とはいえ、どの指数も金曜にかけて反発はしたが、数年ぶりの高値や史上最高値には遠く及ばなかった。

  米国では、私達が追っている主要3指数のすべてが週の半ばに週の安値、または数週間ぶりの安値をつけたが、金曜には史上最高値まで上昇した。一方、ブラジルのボベスパは真逆の道を辿り、金曜には5週間ぶりの安値まで下落した。極東とアメリカ大陸における地域別指数間の格差はかなり驚くべきものであり、異常にも見える。だが、ジオコズミックの観点に立つなら、その時起きようとしていた大転換から見てもそう異常なことではない。

  暗号通貨市場においてもまた、急激な価格変動が起きた。ビットコインは "金の卵" たるETFが承認された1月11日につけた年初来高値から金曜の日中最安値まで20%近く下落した。イーサリアムも先週は10%以上下落している。

  金と銀は最初のうちは株に似た動きを見せ、金は水曜に5週間ぶりの安値をつけ、銀もまた同日、9週間ぶりの安値をつけた。だが、米国株のような劇的な騰勢はなかったものの、両方とも金曜にかけてまずまずの上昇を見せた。また原油はそれとは対照的に、70ドルと75ドルの間の混み合った水面でひたすら立ち泳ぎを続けている。だがこの状況は、原油の共同支配星である木星が14年ぶりに天王星とのコンジャンクションを果たす4月中旬に近付くにつれて変化しそうだ。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “これまでと同様に、トランプ氏が実際に何をするかを言い当てるのは非常に困難だ。彼は確固たる信念をほとんどもたない混沌をはらんだボスであり、1日のうちに何度も立場を逆転させる。アイオワ州のタウンホールでは『2期目は忙しすぎて政敵に報復する暇などない』と語った。それは彼自身の選挙キャンペーンで「私はあなたのための報復者だ!」と題したEメールを送った数時間後のことだった。企業の世界ではしばしば「最も恐るべきは不確実性だ」と言われる。そしてトランプ氏の場合はその恐るべきことが保証されているのだ。この予測不可能性によって、トランプの2期目は1期目よりも大幅に悪化する可能性がある。”

  — “Donald Trump Is Winning: Businesses Beware”
   The Economist, Leaders section 2024年1月18日付

  冥王星が帰ってきた。今度は太陽を伴って。

  つまり、1月20日*の土曜日に太陽と冥王星がともに境界線を越えて山羊座から水瓶座へと移動するのだ。これは両方の天体が過去を体現する星座宮を離れ、未来を標榜する星座宮に入っていくようなものだ。実際、太陽と水瓶座はどちらも未来に関わっている。このダブル・イングレスは「筋書きをひっくり返す」シナリオの可能性を示している。現在、米国の政治で大きなウェイトを占めているシナリオは、ドナルド・トランプとジョー・バイデンが11月の選挙で再び対決するべき不可避の候補者であるというものだ。両陣営とも、これが既成事実だというほとんど傲慢とも言える信念を表明している。しかしこの2人はともに高齢であり(山羊座)、過去(山羊座)と現在(水瓶座)の権力の対立を象徴してはいるが、未来(水瓶座)を示唆してはいない。米国人の大多数(水瓶座)はこの2人の再選を望んではいない。したがって「シナリオがひっくり返る」とすれば、今こそがその力学が頭をもたげる時となる。これは、もしあなたがトロピカル方式を実践するアストロロジャーであれば大きな問題であり、今の世界が経験している混乱を非常によく解き明かしている。またこれは、冥王星がロバート・ケネディ・Jr、ニッキー・ヘイリー、ミシェル・オバマ、ディーン・フィリップスのネイタルの太陽近くを通過(コンジャンクション)する時期とも重なっている。太陽・冥王星は、彼らの今年のソーラー・リターン・チャートにおける重要な指標だ。この太陽と冥王星は、力を与えられるか、それとも力を奪われるかという問題、すなわち「権力に曝される」経験を表しているのだ。

*日本時間:1月21日午前9時57分ごろ(太陽に続き冥王星が水瓶座0°に達する)

  冥界の神たる冥王星は、不安と恐怖の感情を引き起こす力の象徴であり、2023年3月〜2024年11月までの間に5回、水瓶座0°を通過する。現在はその3回目だ。だが、その不安と恐怖は、自らが権力を掌握していると思い込み、それに執拗にしがみつこうとする者、また明らかに改革が求められている時にもかかわらず集合体(水瓶座)の幸福に寄与するために権力の座から離れることを拒む者達にこそ与えられる。変革(改革)を実行し、大多数の人々の向上のためには明らかに機能していない物事を正していくことが喫緊の必要性であると認めない限り、どんな人間であれ無傷のままで冥王星から逃れることは出来ない。大多数の人々、すなわち大衆は水瓶座によって象徴されるものであるため、この地球における「力」の使い方に大きな改革が起きない限り、全世界が無傷ではいられないだろう。これは人類の未来を賭けた一大決戦なのだ。このような宇宙的状況下にあって、否定は勝利に導く戦略ではない。

  冥王星は「腐敗」をも象徴する。しかし冥王星は、腐敗を取り除こうとする努力の象徴でありシグナルでもある。そしてそこにおいてこそ、水瓶座は確かな変革の担い手となることが出来る。冥王星(惑星)が「変革の力」を象徴するなら、水瓶座(星座宮)は刷新と独創性によって「変革の手立て」を示す。水瓶座の到達地点は「自由*」だ。水瓶座は発明と発見に加えて、世界が今現在何を必要としているのかという「生まれながらの(内的)理解*」から生成される、大衆に利益をもたらす未来的なタイプの知識を応用することを通してそれを実現していく。

* については後述します。

もちろん、初期の段階では、この種の知識は革命的な要素を持っており、そのために変化に抵抗しようとする権力者(冥王星)にとっては脅威となる。さらに悪いことに、権力を手放すまいとするあまり、現実の敵、あるいは敵だと思われる相手に対して暴力的な行動をとる可能性もある。だが冥王星が絡む時は「降伏」が必要なのであり、それは最終的に訪れるか、または強制される形となる。こうして改革と自由の兆候が現実化してくる。したがって、水瓶座の冥王星は、その初期段階では騒然として荒れ狂い、暴力的であるかもしれない。しかしこれは、変革と発明の同時進行というテーマを通じて自由(と改革)に導く浄化プロセスの第一段階にすぎないのだ。

  また、水瓶座0°の重要性も見逃せない。この度数は、2020年12月21日に木星と土星がコンジャンクトし、およそ800年ぶりにグレート・ミューテーション(木星・土星コンジャンクション)が風性星座宮で起きる140年以上のサイクルの始まり「ニュー・エアラ」の度数だ(これを最初に指摘したキャット・パウエルに感謝している)。今後、外惑星がこの度数を横切る時は常に、「ニュー・エアラ」が持つ重要な特徴が活性化する。2023年3月に冥王星がこの地点を初めて順行で横切った時、4つの大手銀行が経営破綻し、金融市場はパニックに陥った。しかし同時に、ChatGPT と Nvidia によってAI技術ルネサンスの興奮が爆発した。そして今、冥王星が順行して再び水瓶座0°を今度は太陽とともに横切っていく。今は水瓶座を体現するリーダー達が立ち上がり、社会、そして政府が抱える問題を陽の目に晒し、解決策を提示する時だ。

  市場に関して言えば、水瓶座の太陽期はけっして楽な取引期間ではない。水瓶座では、物事は計画どおりに進まないのだ。誰もが逆のことを予測している時、市場は急騰したり急落したりする。したがって、来月は期待どおり、または現在描かれているシナリオどおりにはいかないことが予測される。つまり、とりわけ太陽と冥王星が水瓶座入りした今、そして天王星(水瓶座の支配星)が順行する来週末は、トレーダーは非常に敏捷に動く必要がある。これは金融市場に関連するアストロロジーのうちで最も強力な反転、あるいはブレイクアウトのシグナルだ。相場が年初来高値や安値に近い時はブレイクアウトとなる。だがもし修正的なカウンタートレンドの動きとなれば、反転となることが多い。政治の世界では、人気のトップランナーが勢いを失い始め、無敵にも見えた順位が逆転する可能性がある。あるいはさらなる大差をつけて後戻り出来なくなるケースもある。そのどちらか一方になることもあれば、両方になることもある。ある政党が躍進し、それまで人気のあった別の政党の勢いが反転することもある。だからこそ、2020年に起きたことの再戦を望まない米国人にとって、今後3週間が重要になるのだ。そしてそれゆえに、山羊座から水瓶座への転換が、今「シナリオをひっくり返す」可能性を持つのだ。

  今月いっぱいは水瓶座と天王星が強調されることから、ナスダックのようなテクノロジー株において、大きな価格変動が見られる可能性がある。また、強風、停電、地震などの自然災害と重なる可能性もある。また同時に、突然の内的洞察や未来へと繋がる新機軸のビジョンを受け入れる人には好ましい時期でもある。だがタイミングとしては必ずしも正しいとは言えず、何かを刷新するようなアイデアを他者とたやすく分かち合うような能力はないかもしれない。他者からは奇妙な変人だと見られる可能性もある(実際のそのとおりかもしれない)。だが本人にとって、そのビジョンは非常にエキサイティングであり、明確なものだという可能性はある。






訳文ここまで
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<翻訳後記>

*「自由」と「生まれながらの内的理解」について(私見として)

ここでは触れられていないが、水瓶座には天王星(自由)とともに土星(責任)もまた支配星として存在することも忘れてはならない要素だと思う。土星は現在魚座を運行中で、2026年の『牡羊座の大渦』を創造するべくエリーズ・ポイント(牡羊座0°)での海王星とのコンジャンクションに向かっている。ここで『フォーキャスト2024』に示されたメリマン氏のメモをもう一度再掲しておきたい。

  “型破りな者(天王星とそれが支配する水瓶座)は、先駆的な革新性という新しい基盤の中に「安全」を護る必要性を見出し、そのために戦わねばならないことを理解する。自由はただではない。権利でもない。地球の管理者となる未来の世代と、そして地球に棲息する者同士である互いの幸福のために進んで犠牲を払わない限り、自由は権利とはならない。”

上記2つの言葉が意味することを達成するには水瓶座の共同支配星である土星が持つ、自他の広大な現実を見据えて知識を身に付け、足許を固めていく力の働きを必要とするが、魚座を運行するにあたっては理想と感じる言説や信条への盲信や固執、ひいては自分(達)を力のない被害者と見て「護られる」ことを要求し、自分の代わりに戦ってくれる誰か(または何か)を求める心理を反映しやすい。その傾向の一端は、日本戦後始原図のMC(政府、統治の受託者)に乗る海王星(思いやり、理想、母、または幻想)を見上げる形の4室(国民の内的感情)在泊の太陽(意志と主権)、金星(感性、美と愛を求める心、お金)、木星(楽観、鷹揚、過剰、自由または放埒や遊びの精神)、そして小惑星ニッポニアからも見て取れる「心理的な癖」と言えるかもしれない(国民が皇室を見上げる眼差しもまた、この海王星を通して感じ取られるのかもしれない)。

これはある見方をとるなら、民主主義国としての理想の形だと言えなくもない。1C/4室の側(国民感情)が十分に成熟し、主権を手にする者としての精神を自ら育む時、この戦後始原図は民主主義国としての貴重な成功例を示す可能性がある。しかし同時にこのチャートはまた、強い力を持つ4室の欲求が満たされない時、厳しい現実を突き付けてくる側を敵とみなして虚偽の告発を駆使してでも攻撃するような風潮を生み出しかねない(コミュニケーション、メディアを支配する3室 — 魚座〜牡羊座の水星(牡羊座在泊)が1室のカイロンにスクエア、同3室魚座にエリス/不和、アンガ/怒り、牡羊座側にカオス(混沌)。そしてパラス/政治、正義の鉄槌が8室/力の追求、死、カルマに在泊するアジータ/煽り行為とクインカンクス)。

そのあたりの集合意識には、おそらく計り知れないほど奥深い感情の澱が沈殿しており、それを魚座を往く土星が水の底に堆積した砂の中から掘り起こしていく。太陽と冥王星が水瓶座0°に入った瞬間のチャートでは、土星は魚座5°台(インクルーシブネス — 存在のすべてを含み取りこぼさないという理想、けっして見ることの出来ないものを夢見る)に在泊中。また水瓶座0°の太陽と冥王星には小惑星ネメシス(カルマの支払い、スケープゴート、一番の敵は自分自身)がタイトなオポジションを形成している。

  来たるべき新しい時代への道は、けっして生易しいものではないし、理想を体現して責任を負ってくれる(ように見える)誰かの後を追えばよいというものでもない。『自由はただでも権利でもない』という言葉を、わたし達はもう一度噛みしめ、深い内的理解をもって咀嚼しながら進む必要があるのかもしれない。

  2025年〜2026年。人類にとっての一大イベントのひとつとなりそうな『牡羊座の大渦』は、日本の国家チャート(戦後始原図)の3室(コミュニケーションとメディア)に在泊するキュビワノ族、カオス(牡羊座0°在泊)の真上で起きる。原初の混沌からすべてが生まれ出たとするなら、わたし達はその時、自らの魂からいったい何を生み出すだろう? 無意識領域から顕在意識へと、おそらく想像を超えて注がれるだろうこのダイナミックなエネルギーを、わたし達はそれぞれの人生の中でどう使えるだろう? もうそれほど長い時間は残されていないけれど。
 


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January 08, 2024

レイモンド・メリマン 週間コメント1/8【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2024年1月8日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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来週のコラムはお休みさせていただきます。また今後については訳者の都合により不定期とさせていただきます。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️
文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ これまでを振り返って ≫

  労働省は金曜、『アメリカ経済には先月21万6000人の雇用増加が見られた』と発表した。これは11月の17.3万人増を上回り、大方の予想をも上回るものだった。2023年通年の雇用者数は270万人で、2022年の480万人からは減速したものの、パンデミック前の数年間よりは増加している。また先月の賃金については前年同月比4.1%増と好調であり、12月の失業率は3.7%に留まった。2023年の労働市場のペースは鈍化はしたものの堅調で、インフレ率の急減速とも呼応して、経済はいわゆるソフトランディングを達成できるとの楽観論を煽っている。これが意味するのは景気後退を伴わずしてインフレが緩和する可能性だ。

  — Amara Omeokwe and Chip Cutter
    “Job Gains Picked Up in December”
    Wall Street Journal 2024年1月5日付

  新年を迎え、新たな水星サイクルが始まった。前回のコラムを書いてから2週間になるが、その間に多くのことが起きた...。

  新年は、1)1月2日の取引初日にダウ工業平均をはじめとする世界の株式市場の多くが数年ぶりの高値、あるいは二次高値をつけ、その後 2)トリックスター(水星逆行)が冬の残りの期間、再び眠りに就くとともに反転した。私達が1月2日に目撃したのは、世界の株式市場におけるプライマリーサイクルの頂点、あるいはダブルトップだったのだろうか?

過去2週間のうちに史上最高値を更新した市場は、ダウ平均とインドのニフティのみだった。ロンドンのFTSEとオーストラリアのASXは1月2日に数ヶ月ぶりの高値をつけた。だが、他のほとんどは12月の高値を下回る二次高値を記録したのみで、金曜にはすべて後退している。したがって、世界各地で異市場間弱気ダイバージェンスが示現しており、急落が始まりつつあるのではないかという疑問を投げかけている。先週見られたこのパターンの例外は中国の上海総合で、12月22日に20ヶ月ぶりの安値をつけた後で先週は反発したものの、その勢いはかなり弱かった。

  金と銀も上昇はしたものの、いずれも1月2日以降は12月の高値を下回る水準で失速した。私達の懸念は、16.5ヵ月サイクルが進行中で数ヶ月ぶりの新安値を更新する可能性があることだ。

  ビットコインとイーサリアムも似たようなパターンで、BTCは1月2日に年初来高値を更新した。イーサリアムの年初来高値更新はその前週であり、ここでも異市場間弱気ダイバージェンスが示現している。トレーダーは次週に期待されるビットコインETFの承認を待っている。しかし、その発表に伴う価格上昇のほとんどは、最近の年初来高値更新にすでに織り込み済みの可能性がある。

  一方、原油はもっと有望に見える。12月13日にプライマリ−・ボトムをつけ、1月3日にセカンダリー・ボトムをつけた可能性がある。先週は、米国が戦略石油備蓄(SPR)の補充を開始する準備が整ったとの発表を受けて価格が上昇した。しかし、それは前回原油が70ドルを割り込んだ時に示された考えであり、当時は政権が値上がり前に戻すことに失敗している。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “奉仕に生きた人生は犠牲ではなく、名誉である"

  — エリザベス女王
    “The Crown” シーズン6 第九話 Netflix


  火星は1月4日木曜に山羊座入りし、2月13日までイグザルテーションの座で主権を握る。この期間の終わりまでに、中東における和平条約や(あるいは)停戦、暴力の収束への歩みが始まる可能性がある。したがって、それまで — そしておそらくそれ以降も — 原油は引き続き上昇する可能性がある。というのも、このイングレスの下では原油の価格変動が大きくなる傾向が見られるからだ。

次に、2つの好ましいトライン・アスペクトが展開する。

その1つは1月10日に起きる太陽・天王星のウェイニングトライン、そして12日に起きる火星・木星のウェイニングトラインだ。これは、ハイテク関連市場やエネルギー市場の好調な動きと同期する可能性がある。しかし、より重要なアスペクトは1月20日〜21日に起きる太陽と冥王星のデュオによる水瓶座イングレスだ。水瓶座0°というポイントは『フォーキャスト2024』で述べたように、2020年12月21日の「ニュー・エアラ」(木星・土星コンジャンクション)に関連する重要な「ウルトラ・チャージされた度数」だ。

この時期には「戦争とテクノロジー・ルネサンス(AI)」というパラレル・パラダイムがニュースとしてクローズアップされる可能性がある。そのため、知名度の高い裁判や判決(たとえばドナルド・トランプ関連)についての発表や、最近の高等教育(ハーバード大学など)のスキャンダルに関する新たな政策発表があるかもしれない*

* 米国のパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント(運用資産1兆5千億ドルとされるヘッジファンド)のCEO、ビル・アックマン氏は、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学など、米国の一流大学における研究論文に関連し、AIを駆使することによる論文の盗用や、または剽窃の検証の基準が曖昧であることによる混乱が野放しになるなど、多大な問題が起きていると提言した。そして、今後の学術論文にはたとえばAIスタートアップにより独立した審査を行う必要があり、それに投資する用意があるとも述べており、界隈が騒然としている。



≪長期的考察≫

  “2023年当時、バイデン氏は1期限りの大統領になることもできた。そしてそうするべきだった。そうしていれば、彼は公共サービスの模範として、またトランプ氏の無限のエゴに対する反撃の証しとして尊敬されただろう。民主党の大物達はそれを知っているはずだ...バイデン氏と彼の党には彼がもう1回選挙戦を戦う理由がいくつかあったが、残念なことに、それはどれも好ましい内容ではなかった。彼の義務感は虚栄心に汚染されたものだったのだ。1987年に初めて大統領選に立候補し、大統領執務机の後ろに座るために長い間苦労してきた彼は、トランプを打ち負かす実績を持つ人物だからこそ国は自分を必要としているのだという信条に身を任せるよう誘惑されてしまった。同様に、彼のスタッフの奉仕の意欲も野心に汚染されていることは間違いない。大統領の最側近のアドバイザーの多くが二度と権力に近づくことがないという事実に、この政権の本質がある。” 

  — Zanny Minton Beddoes
    “The Man Supposed to Stop Donald Trump
    is an Unpopular 81-Year Old”
    The Economist 2024年1月4日付


  “ドナルド・トランプが2024年の世論調査をリードする一方で、10%の世界共通関税を要求している。新しい共和党の保護主義者たちは、この考えを労働者階級への恩恵として売り込もうとしている。だが証拠はその愚かさを露呈させている:貿易戦争は手痛い報復を招き、他の産業を犠牲にしながら政治的に有利な産業を支え、見えない税のように消費者が支払う価格を引き上げる。貿易戦争は平均的な労働者を苦しめるのだ。この点に関する経済文献は膨大に存在する。”

  —“Trump’s Tariffs and the Common Man”
    Wall Street Journal Opinion Page 2024年1月2日付

  関税引き上げが健全な経済戦略であるという考えはナンセンスであり、特に今日の世界においては妄想にさえ近い。何故なら、関税は消費者にとって物価上昇を意味するからだ。2021年の場合と同じように — またしても一定の期間を置いて — 関税は物価上昇とインフレの主な要因となるだろう。確かに、インフレの原因は他にもあった。例えば、制御不能に陥った政府の景気刺激策や、過度に緩和的な連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策などがある。しかし、インフレの最初の原因は、トランプ関税と、そしてこれは私の率直な意見だが、誤った孤立主義的傾向によって引き起こされたグローバル・サプライチェーンの混乱だった。供給が制限されるなら需要もまたそれに応じて減少しない限り、結果的に価格は上昇する。

  実際、インフレ・サイクルは、前回の土星・天王星のウェイニングスクエア・サイクルの時と同じポイントに非常に近い。つまりどういうことかというと、1975年〜1976年に土星・天王星スクエアが起きているのだ。インフレ率は1973年初頭の3%から1975年初頭には2桁(12%)まで上昇した。1976年末には4.9%に戻ったが、その後インフレは第2の風を巻き起こし、1980年初頭には消費者物価を15%近くまで押し上げた。また45年後の土星・天王星サイクルでは、2020年にインフレ率が1%まで低下した。その後、次の土星・天王星スクエアが2021年1月〜2022年10月まで続いた当時はインフレ率が9%に急上昇し、その後に下がり始めた。そして現在は約3%だ。この45年間を見れば完全な一致とはいかないが、マーク・トウェインが言ったように「韻を踏んでいるかのように重なる」のだ。

現政権がやろうとしていること、そしてトランプ前大統領が再選された場合にやろうとしていることを理解した上で、私は2025年に再びインフレ率が高まると見ている。何故なら、トランプが勝てば関税が導入され、世界のサプライチェーンが再び混乱すると考えられる。またバイデンが勝てば、ホワイトハウスは(2018年〜2020年にトランプ大統領と険悪な関係にあったFRBと協調して)住宅ローン金利を5.5%まで引き下げようとするはずだ(すでにその方向に向かっている)。そしてこれもまた、新たな住宅価格上昇の再来を促すだろう。最初のうちは新規の売り手と新規の買い手との競争が激化するため、住宅価格は堅調に推移するかもしれない(木星は5月下旬まで牡牛座という安定を体現するサインに在泊する)。それから少しのタイムラグを経て選挙の後、おそらくは木星が双子座入りする5月下旬ごろから住宅価格が上昇し始めるだろう。住宅の所有者は持ち家を売却するか、あるいは借り換えを開始する。その結果として消費するお金が増える。これもまたインフレの一形態であり、土星・天王星の45年サイクルの韻を踏むのに適した条件となる。

  私が予測するこの物語には、他にも当てはまる要素がある。3月下旬〜4月上旬に起きる月食および日食(カイロン・月のノースノードに近接)と、4月21日に起きる木星・天王星コンジャンクションの間には、宇宙的な相克があるのだ。

前者は翌年の景気後退や長期的な株価サイクルの底値と強い相関関係を持つのだが、その一方で木星・天王星コンジャンクションの場合は、アスペクトの日から翌年にかけて、史上最高値、または複数年にわたる最高値の更新がしばしば起きる。私達はその両方を目撃する可能性がある。つまり、春から夏にかけて株式市場の史上最高値が更新され、その後2025年半ばまでに急落して景気後退に陥るということだ。また、木星・天王星のサイクルは、4月〜年末にかけてのインフレ率の上昇と相関する可能性がある(この場合も、サイクルと状況の報道にはタイムラグがある)。

私としては2026年あるいはそれ以降、すなわち「牡羊座の大渦」の真っ只中に入るまで、米国がこの潜在的な経済的ミスジャッジの大失敗から抜け出すことはないと見ている(この非常に稀だが強力なジオコズミック配置に関するより深い解説については『フォーキャスト2024』を参照してほしい)。

この流れに応じた投資戦略を立てようではないか。この問題については、2月18日に予定している全世界に向けた "Forecast 2024 Updated " と題する放送で取り上げる予定だ。







訳文ここまで
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December 24, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント12/25【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2023年12月25日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★来週のコラムはニューイヤー・ホリデーによりお休みになります。

 また来年からのブログ掲載については当分の間不定期とさせていただきます。🙇‍♀️

★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。

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【注】来週は週刊コラムは休みとさせていただく。したがってこれが2023年最後のコラムとなる。重要な選挙の年となる2024年を迎えるにあたり、私の心にある多くの事柄について述べ、リストに掲載されている皆さんに感謝とお礼の手紙を送る予定だ。そして、私達は2025年〜2026年の「牡羊座の大渦」に近づいていく。_R. Merriman


≪ 先週をふり返って ≫

  “もしトランプが公正な選挙で敗北するのではなく、司法の判断によって追放されるなら...彼の祖国は統治不能になるだろう。今は有権者を信じる時だ。最良の候補者を決めるのは国民だ。 裁判所ではない。国民なのだ。それこそが “デモクラシー101”だ。どんな候補者であろうとも、出馬する権利を奪われるならばアメリカ国民は選ぶ権利を奪われることになる。”

  — Robert F. Kennedy Jr.
    Danielle Wallace
    “RFK Jr. Issues Stark Warning After Colorado Court
    Blocks Trump From Ballot.'”
    Fox News 2023年12月21日付

  “2020年の選挙の後、1月6日までのトランプ氏の行動は恥ずべきものであり、彼を信じて再び大きな権力を任せるわけにはいかない理由のひとつだ。彼のしたことは、選挙人票の集計を妨害しようという企てだった。しかし、これが法律上、あるいは憲法上の意味における暴動や反乱に相当するという証拠は説得力に欠けている。”

  — Wall Street Journal Editorial
    "The Folly of Colorado’s Trump Disqualification”
    Wall Street Journal 2023年12月21日付


  上記の引用はあなたにこんな疑問を抱かせるだろう:米国の民主主義を土台から蝕んでいるのはいったい誰なのか? 2021年1月6日の選挙に対する検証プロセスを妨害しようというトランプと、その呼びかけに従うトランプ支持の共和党なのか? それとも民主党内のバイデン支持者が、トランプを投票対象から外すと同時に、可能な限り多くの州で民主党の他のすべての候補者を予備選挙の投票から排除しようとでもしているのだろうか?

現在から2024年の米国選挙までの間、山羊座と水瓶座の間を行き来する冥王星は、このことについて何か言うべきことがありそうだ。山羊座の冥王星は、支配力と権力の両方を維持するためなら、出来ることは何でもやってやろうと執着しそうだ。たとえそれが2023年のロシアとハマスの行動のように、自国民への暴力や殺人を伴うものであったとしても、だ。だが、水瓶座の冥王星は「民衆の力」の台頭であり「民主主義と多数派による合意」という根本的な美徳を反映した基本的人権を獲得しようとする大衆の「絶えることのない衝動」だ。これは、今回の選挙を特に興味深いものにしている。何故なら、米国人の大多数は、トランプとバイデンのどちらかが唯一の選択肢になることを望んではいない。

  これは、今年の『フォーキャスト2024』で私が深く掘り下げたテーマだ。そして、ジオコズミックの力が働く兆候がすでに解説通りに展開されていることは注目に値する。

たとえば、ドナルド・トランプのプログレスの火星(攻撃)は天秤座14°に在泊している。彼の出生時のカイロン(傷)は、天秤座14°だ。そして米国建国図の土星(政府と法律)は天秤座14°なのだ。正義を量る星座宮、天秤座で行われるこの巨人VS巨人の戦争に勝利するのは誰なのか? これについては『フォーキャスト』にも書いたが、「正義」は「民主主義」や「民意(大衆のコンセンサス)」とともに、裁判にかけられているのだ。“このコンジャンクションは、影響を受ける人々のチャートに含まれる惑星の性質、そしてそれが在泊する星座宮の特性にも関わるサイクルの強力な「終わり」であるとともに、「始まり」でもある” 。今年のフォーキャストにはそう記載されている。

  さて、米国と世界の地政学的情勢がこのような不穏な動きを見せているにもかかわらず、世界の株式市場は再びほぼ全面高となった。米国、ブラジル、インド、日本など、いくつかの市場が先週、史上最高値または数年ぶりの高値を更新した。一方、中国のSSEは、2020年のCOVID-19パンデミック以来の最低水準まで落ち込む瀬戸際だ。金と銀も快調に上昇したが、月間最高値はまだ更新していない。原油は、水星が逆行した12月13日に数ヶ月ぶりの安値をつけた後、上昇を続けており、先日のオプション取引に関するスペシャル・ウェビナーで紹介したデレク・パナイアのオプション戦略とぴったり合致している。ビットコインとイーサリアムは週の終わりに向かって再び年初来高値を更新し、新たなビットコインETFへの思惑が盛り上がりを見せている。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “「1947年、1993年、1995年、1998年、2000年、2008年、テーブル上にはパレスチナと呼ばれる土地を共有するための取引が存在し、場合によっては東エルサレムがパレスチナ国家の首都となる可能性もあったが、そうなっていれば、その街は今日、ガザよりもドバイに似ていたかもしれない... パレスチナの人々は知るべきだ。あなた方の指導者達、そして彼らの味方である大学キャンパスの「利用しやすい愚か者達」は、「“川から海へ”という神話 *」を守り続けることによって、あなた方に良いことなど何一つ為してはいない」。ビル・マーは、イスラエルとパレスチナの紛争を他の世界的な紛争と比較しながらなおもモノローグを続け、テロリズムに投資するのではなく、活力ある経済を構築した例としてメキシコを称賛した。「彼らは本気になった。何故なら、ハマスがテルアビブに存在し続ける可能性よりもっと明確に、米国がフェニックスを返還するつもりなどないことを知っていたからだ。イスラエル国家はここに留まり、パレスチナ人はそれに "慣れる "必要がある」。”


  — “The State of Israel is here to stay, and the Palestinians will
    need to “get used to it.”
    Bill Maher, HBO “Real Time” 2023年12月15日付


* このフレーズは1960年代に、イスラエルやヨルダン、エジプトといった他のアラブ政権に住むパレスチナ人を解放する民主的な国家を創設するパレスチナ解放を求める幅広い呼びかけの一部として広まった。1960年代、PLOは強制的なパレスチナ全域を包含する民主的な世俗国家を要求してこの言葉を使った。当初はパレスチナ人と1947年以前にパレスチナに住んでいたユダヤ人の子孫のみを含むとされていたが、これは後に最初のアリヤー以前にパレスチナに住んでいたユダヤ人の子孫のみを含むと修正された。1964年のパレスチナ国民評議会(PNC)の憲章は「簒奪された祖国の完全な回復」を要求した。1964年の憲章によれば「パレスチナ出身のユダヤ人は、パレスチナで平和的かつ忠実に生きる意志があればパレスチナ人とみなされる」。こうして1969年までには、「川から海までの自由なパレスチナ」とは、民族宗教国家イスラエルに取って代わる一つの民主的な世俗国家を意味するようになった」(英語版Wikipedia より)

“圧倒的多数のパレスチナ人は、戦争による死、破壊、混乱についてイスラエルを非難している。しかし、ガザに居住する多くの人々は、苦しみの責任はハマスにもあると言い、その声はますます大きくなっている。”

  — Margherita Stancati and Abeer Ayyoub
    “Gazans Are Starting to Blame Hamas for Wartime Suffering”  
    Wall Street Journal 2023年12月21日付 

  私達は、世界全体、さらには国家全体における悪役たちの権威主義的な進出を抑えることができない状況のただ中に在って、なおも前向きで希望を抱こうと努めながら、この年の終わりを迎えようとしている。3月から4月にかけては、牡羊座でカイロンと月のノースノードがコンジャンクト(日食)する。多くの事例において、この不規則な惑星周期は9ヶ月以内に起きる景気後退と同期しており、そのスケールは1930年代の大恐慌のように非常に深刻な状況を招く場合もある。2024年にこれが「大きな出来事」に発展するかどうかはわからない。私はどちらかといえば「牡羊座の大渦」が2026年±1年の間に起こるという考えに傾いている。それは月のノースノードが水瓶座から山羊座に到達するタイミングだ(『フォーキャスト2024』の考察を参照されたい)。

  短期的には、「トリックスター」(水星逆行、12月13日~1月2日)がまだ活動中だ。その中間点は今週末の12月23日で、逆行日である12月13日付近では反転しなかった金融市場の反転と重なる可能性がある。

  さらに12月21日現在、金星は天王星とオポジションを形成しており、これもまた±4日のオーブをもって反転シグナルとなる。そして、先週述べたように「年初来高値更新が続く可能性も否定出来ないが、その理由は今年最後の週に木星が強調されるからだ。木星は12月27日に太陽とトラインを形成し、12月31日に順行する。これは一般的に、未来に希望を抱かせるシグナルだ」。新年は、1月1日に金星が土星とスクエアを形成して始まるが、これは「トリックスター 」が再び順行に転じる前日だ。そして「金星と土星のハード・アスペクトで下落する相場は買い候補である」というのが基本ルールのひとつだ。したがって、私達が2週間後に戻ってくるまで、そのような設定には警戒しておきたいと考えている。



≪ 長期的考察 ≫

  今年最後のコラムということで、いまだに残業中の合間を縫って、いくつか感想を述べたいと思う。

  最近、市場分析と市場取引の重要性、そしてこの2つのスキルの違いについて考えている。
トレーディングではよく「正しい」ことよりも儲けることの方が重要だと言われる。つまり、もし何度か外れることがあっても、その都度適切なトレードさえしていれば利益を得ることも可能だし、儲けることが出来るだろう。だが、マーケットアナリストとしては「よく当たること」がより重要であることを私は知っている。それはお金を稼ぐための前提条件なのだ。市場動向の予測において、正しいことよりも間違っていることの方が多ければ、購読者を失うことになる。アナリストが正しいことより間違っていることの方が多い市場レポートを購読したい人はいない。分析(時期)がずれていれば、収益性の高い取引計画を立てることは難しい。成功するトレーダーにとって損失はつきものだ。しかし、あまりに不正確な分析による損失が多すぎるなら、過度にフラストレーションが溜まり、より正確な手法を持つ別のトレーディング・アドバイザーが必要になる。

  私は市場の分析とタイミングをパズルを解くようなものだと考えることを好む。相場は人生と同じように、「パターンマッチング」的な順序をたどる。つまり、このピースがどこに行くのか、つまり この市場はいつどこで反転するのかを理解すれば、他のピースもパターンにうまくはまり始めるのだ。これがマーケット・アナリストの仕事であり、マーケット・タイマーが成功するためには巧みにこなさねばならないことだ。

  一方、トレーディングはチェスのようなものだ。

  市場が取るかもしれない様々な可能性が見える。だが、短期的にはどの道をたどるかはわからない。底を打つのか? それともまだ先に底を打つ可能性があるのか? もし底を打っているなら、買いのゴーサインが出る。時期尚早であれば、損切りとなる。しかし、ストップロスをくらったとしても、どのような経路をたどっているのかをよりよく知ることが出来るため、取引を行ったこと自体には価値がある。

トレーディングとそれに対する助言行為は試練に満ちており、しかもエキサイティングだ。そして「自分は市場がどうなるかを確実に知っている」という人は、自分が何も知らないことを知らない。そういうアドバイザーは避けたいものだ。それよりも、自分の予測にしたがって高い確率で結果を出してきた実績があり、その予測に基づいた取引戦略を持つ人を見つける方がいい。私達は、購読者のためにこれらを提供するよう心がけている。

CTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)として40年以上やってきて、私達は良い仕事をしていると思う。特に初期の頃は、必ずしも簡単ではなかった。しかし、私達の調査研究は向上し続けた。そして、取引可能なリバーサルや長期的なポジショニングを見極められる確率が最も高い市場と時間帯への私達の理解は、非常に価値のあるものであり続けている。

過去数年にわたって、市場のリズミックなサイクルとそれに対応する惑星の公転周期を「パターン・マッチ」させる我々の能力を大いに促進させた、卓越した調査研究を行ってきたMMTAの学生達に多くの感謝を捧げたい。彼らの研究は素晴らしいものであり、2024年に控えるMMTAでの研究最後の年に、彼らの多くと一緒に仕事ができることをとても楽しみにしている。


  2024年が、皆さんに健康、安全、幸福、収益性、そして心の平和をもたらしますように! そして、木星が天王星とコンジャンクトし(4月21日)、海王星とセクスタイルを形成し(5月23日)、冥王星とトライン(6月2日)になる2024年4月~6月に向けて、皆さんの取引計画を集中させていこう。





訳文ここまで
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October 08, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント10/9【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年10月9日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★来週のコラムはお休みさせていただきます。
 また今後については『フォーキャスト2024』に集中するため
 不定期とさせていただきます。🙇‍♀️
★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ 先週をふり返って ≫

  “金曜には予想を上回る雇用統計が発表されて国債利回りが上昇したが、その後も株価は上昇した。労働省が発表した9月の雇用者数は33万6千人だった。ダウ・ジョーンズのエコノミスト調査では、17万人を予想していた。当初は予想を上回る雇用統計を受けて下落していた株価は金曜、見事な切り返しを見せた。セッションの最安値ではダウは272ポイントも下落していたが、その後高値で400ポイントを上回る反騰に転じた。”

  — Sarah Min and Hakyung Kim
    “Dow Soars Nearly 300 Points Friday After Hot Jobs Report”
    www.cnbc.com.  2023年10月6日付

“政府とは何か! 4分の3は寄生虫だ。残りの4分の1は愚かな能無しだ。

  —  Robert Heinlein
     “Stranger in a  Strange Land” G.P.Putnam's Sons 1960年


  “米国議会の議員達は今や何も成し得ない状態だ。そして金融市場は、米国議会議員が何も出来ないことに驚いてはいない。投資家達が気にしているのは、11月中旬の次の政府閉鎖までに議長を選出できるほど長い期間、下院共和党が極論派をコントロールできるかどうかだけだ。”

  — Dr. Paul Donovan
    “US Politicians are Incapable of Doing Anything”
    UBS Morning Comment 2023年10月4日付

※議会でマッカーシー下院議長への質問に立ち、債務上限の期日を前に、バイデン大統領との間で ”世界の支持を失いつつあるウクライナ” への巨額の援助に関わる裏取引があったのではないかと追求するゲーツ議員。右派ポピュリズム路線を走っており、ウクライナ支援に費やす予算を不法移民の流入を防ぐ壁の建設に回すべきとも言及。実務的な手腕は別として、大衆の鬱積した不満をすくい取って舌鋒鋭く追求する言動がフロリダ州やテキサス州などの保守派市民に受け、信奉者が増えているという。

 
  先週は、前の週に終わった金星・天王星スクエアが示唆したように、奇妙で常軌を逸した週だった。天王星が関与するこのようなアスペクトは、金融市場に関しては2つの顔を持つ。つまり1)数カ月間のサポートをブレイクアウトするか、数カ月間のレジスタンスをブレイクアウトする、 あるいは 2)トレンドが終わり、反転する。通常、こうした動きには政治や銀行の領域における予期せぬサプライズがともなう。先週、投資家と市場はそのすべてを目の当たりにした。

  米国では、ダウ工業平均とS&Pが去年8月のプライマリー・サイクルの安値を割り込んだが、ナスダックは前週の安値を上回り、過去2週間の高値を超えて引けた。原油は、金星・天王星スクエアの前日となる9月28日に年初来高値を更新した。そしてそれから1週間後の10月6日金曜には5週間ぶりの安値を更新した。

  金と銀はダウ平均と同様に下落に転じ、3月以来の最安値まで急落した。しかし、金曜には木曜朝に発表したMMAの「スペシャル・ゴールドレポート」で予測したとおり、両者とも非常にスマートな反転上昇を記録した。一方、米ドルは先週月曜に今年最高値まで急騰したが、金曜には急反落した。それに応じてビットコインも先週初めに急騰し、8月17日以来の高値をつけた。これらすべてはマット・ゲーツ下院議員が少数派の反乱を起こし、ケビン・マッカーシー下院議長を失脚させた週に起きた。では彼の報酬は何だったのか? 民主党(全員)とゲーツ率いる共和党過激派8名の両方が彼を追い出したのだ。政府機能不全の週に残された混沌は、天王星が描く「ビジネス&政治モデル」の一部なのだ。




≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “不吉な月が昇るぜ
  悪いことが起きそうだ
  地震が起きる 雷が落ちる
  今日は 悪い予感がするぜ”

  — Credence Clearwater Revival
    Bad Moon Rising 1969年

  “極右共和党員の間で重要な要求は、ロシアの侵攻を撃退するウクライナの努力に対するアメリカの資金援助を打ち切ることである。ワシントンの政治的大混乱の明らかな受益者の一人は、ウラジーミル・プーチンのようだ。彼の隣国をつぶす努力は、今や西側諸国、特にアメリカがウクライナの自衛能力を奪うことに依存している。”

  — Bloomberg News
    “Evening Briefing” 2023年10月3日付


  “反体制派がマッカーシー氏を退陣させる理由として挙げた攻撃材料の多くは、当の彼ら自身が引き起こしたものだった。マッカーシー氏が9月30日までに下院の歳出法案12本すべてを可決できなかったとは、よくもまあそんなことが起きたものだ。しかもその上、政府機能を維持し得るだけの票を集めるために民主党に出向くとは....その結果を仕組んだのは造反者達だ。ならば目的はいったい何なのか? 共和党員の中には、ゲーツ氏の異様とも言える行動は注目を浴びたいからだと指摘する者もいる。ここに悲しい真実がある。ワシントンは常に、仕事をする者と着飾る者とに分かれる街だということだ。”

  — Kimberly Strassel
    “Gaetz & Co: A Tale as Old as Time”
    Wall Street Journal 2023年10月6日付




  そうだ。虚飾の王は共和党の愚かな下院政策を利用して、ゲーツのような承認欲求が過度に旺盛な人物に 1)アメリカとヨーロッパは戦争にうんざりしているだろうというプーチンの予測を支持し(その結果、彼は殺人、レイプ、誘拐、その他多くの冥王星的戦争犯罪から逃れることが出来る)2)同僚からの支持率が5%にも満たない過激な少数派が、党内の大多数の意思に反して政府の運営を混乱させることを許した。

それが本当に民主主義が機能する方法なのか、それともこの議員がアメリカ国民のために従っていると主張する高い道徳的立場を取る例なのか?

さて、次の政府閉鎖の可能性は11月17日に予定されている。ちょうど先週のコラムで取り上げた蠍座の太陽と火星のコンジャンクションの時期だ。

1)火星は今週10月11−12日に蠍座に入る準備をしている。
2)蠍座の2つの共同支配星(火星と冥王星)は、火星が今週日曜(10月8日)に冥王星にスクエアを形成し、冥王星が火曜(10月10日)に順行する。

これは大量の冥王星と蠍座のエネルギーが充満することを意味し、敵と見なされる者達はたとえ自分達の生存が脅かされるようなことがあっても、自らの意見に固執して互いに譲らないだろう(おそらくこれは比喩的な表現となるが、こうしたシグナルの下ではどれほどの荒事が起きるかわからない)。

  冥王星と蠍座は、高温でくすぶっている火山のようなものだ。たとえばそれを、溶岩が山の斜面をゆっくりと下っていき、その途上で財産、人生、人間関係、仕事上の地位など、神聖なもの、価値のあるものに向かって突進しながら、勢いを増していると考えよう。時間内に火の通り道から移動しなければ、誰かが火傷を負うことになる。そんな時に、執拗で妥協のない態度でいては報われない。その一方で、個人的な理由で復讐を果たすために、たとえその物事が事実でなくても(事実ならなおさらかもしれないが)、自分自身、または自分の仕事を狙い撃ちしてくる人物には気をつけるべきだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のストラッセルによれば、このゲーツ議員の場合、彼は「...マッカーシー氏が(下院の)規則を破って性的不正行為と資金不正使用の疑惑に関する(倫理)調査に手心を加えるべく動いてくれないことに激怒した」という。火星が蠍座に入るとともに冥王星が方向転換したことから、解任の危機は突然として方向を変え、ゲーツ氏の解任へと変化するかもしれない。

  とはいえ、火星・冥王星・蠍座の組み合わせだけが宇宙のドラマではない。10月10日火曜には金星が土星とオポジションになる。金星・土星のハードアスペクトで下落する相場は、強い上昇の候補となる。また金星・土星のハード・アスペクトは、歴史的に株の上昇の終わりを意味する。しかし、金星は実際には穀物市場や為替市場との関連性が高い。

いずれにせよ、これらのサインに込められた個人的なメッセージはよく似ている。それは「 手放し、調和を求めよ」だ。「不吉な月の出」は進行中だ。だからもしあなたが後悔し、自分が引き起こした痛みを正し、癒す気がないとすれば、カルマがあなたに襲いかかるだろう。






訳文ここまで
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October 01, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント10/2【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年10月2日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★原則として隔週掲載を予定しています。時々不定期にお休みさせていただくことがあります。
★文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ 先週をふり返って ≫

  “ダウ工業平均は金曜、政府機関閉鎖の可能性に関する最新のニュースを受けて下落、株式市場にとって厳しいものとなった月を締め括った。”

  — Sarah Min, and Pia Singh
    “S&P 500 and Nasdaq Wrap Worst Month in 2023”
    www.cnbc.com 2023年9月29日付

  先週は、金星が天王星との間に3度目にして最後のスクエアを形成した週だった(9月29日金曜)。金星・天王星のハードアスペクトがもたらす結果の1つは、複数月にわたるサポート/レジスタンスのブレイクアウトか、または反転のどちらかだ。今回の場合はこれまでのところ、ブレイクアウトと合致している。先週は世界のいくつかの株式指数が次々にサポートラインを割っていった。同じことは金にも起き、金曜には3月初旬以来の安値1862.30まで落ち込んだ。

  株式市場に関しては、このコラム及びMMAの購読者用リポートにおいて、現在のプライマリーサイクルがトップアウトすれば、今年最大の下落が始まるだろうと予測していた。これまでのところ、DJIAの年間最大の急落は1月14日の高値(34,342)から3月15日の安値(31,429)までのおよそ3000ポイントだ。私達がこれを予測した理由は、2022年10月13日につけた長期サイクルの底から数えて3回目のプライマリーサイクルだからだ。これは3回目のプライマリーサイクルはしばしば50週サイクルの安値と相関するという考えに基づいている。またこれは、数年前に『フォーキャスト』の中で読者の皆さんに紹介した「大統領選前年サイクルの底」が示現する時間帯でもある。その間は米大統領選前年の9月〜翌年3月にかけて市場が顕著に下落するのだ。しかし、それが終わった後は、1年以上ぶりの力強い上昇が始まりそうだ。

それに加えて11月18日の太陽・火星コンジャンクションが近づいている。前回のMMAサイクルズのリポートで述べたように、このアスペクトは前後8°以内のオーブをもって、世界の多くの株式指数における8%以上の下落との強い相関性を持っている。現在は15°の圏内にあり、これまでの下落率は6.6%だ。そしてあと3週間ほどでこの度数レンジに入り、それは12月に入るあたりまで続くだろう。換言すれば、現行の下落はそうすぐには終わりそうにない。

  金市場にも似たようなパターンが見られる。先週、私は「X」(旧ツイッター)フィードでこのセットアップについて解説した。私達のツイッターをフォローしていない人は、フォローすることをお勧めする。何故なら、そこで私は市場の動きを見ながらリアルタイムで多くのアイデアを論じているからだ。まもなくそれらのアラートは、リポート発行の予定がある時だけでなく、必要が生じたその都度「X」の特別購読サービスとして提供されるかもしれない。

(「X」上のフォロー先はこちらMerriman Market Analyst<@mmacycles>)



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  金星・天王星スクエアに関連するブレイクアウトは一般的には2週間以内に終了する。これは10月9日から始まる週まで、他の重要なアスペクトは展開しないという事実とよく合致している。9日になれば火星が冥王星にスクエアを形成し、強烈でまるで戦争状態のような脅威をもたらす原動力となる可能性があるからだ。今回は翌日の10月10日に冥王星が順行に転じ、加えて金星も土星にオポジションとなるため、とりわけ激しい様相を呈するかもしれない。また、それと同様に重要なのは、10月12日に火星が蠍座入りし、11月24日まで運行することだ。蠍座は火星にとっても冥王星にとっても自らが支配するホームグラウンドだ。したがって、これもまた負けず劣らず強烈な期間となるだろう。

  冥王星と蠍座は、数多くの心理的特質を共有している。激しさ、容赦無い執拗さ、暴露、そして驚くべき新事実、変容と変化への衝動だ。そしてそれが、暴力へと繋がる可能性がある。さらに、両方とも金融界における4つのD(負債、赤字、格下げ、デフォルト)に関係している。税金もまたその武器に含まれており、経済に関わる法律に変更があるかもしれない。

冥王星と蠍座は「慈悲の原則」に基づいて何かが為されるような余地を与えない。つまり、オール・オア・ナッシングだ。すべてを手に入れるか、それとも失うかだ。したがってこの時期は、誰もが強靱になり、集中すべきことに焦点を当てる必要がある。不満を抱えたり、不注意になったりすれば、待つのは損失への道だ。だがブレずに集中力を保てば大きな利益に繋がる。選択せよ。そして実行するのだ。



≪ 長期的考察 ≫

  “ジョー・バイデンは高齢だ。だが問題なのは彼の政策のほうだ。米国人の大多数は、主要な問題についての現在の民主党の政策を好ましいとは感じていないと思う。彼らは犯罪についての民主党の立ち位置を良しとしていない。それは「犯罪は悪いことだが、それよりも社会的要因というニュアンスを帯びている。だから逮捕して有罪になったからといって、ただ刑務所に入れるというのは良くない」という考えに行き着くからだ。”

  — Peggy Noonan
    “Biden’s Trend Line Points Downward: Voters Don’t Miss Trump,
    but They Miss 2019, and They Worry About Crime, Immigration,
    and Inflation”
    Wall Street Journal 2023年9月30日付


  “ドナルド・トランプはその短い政治キャリアにおけるすべての選挙戦を、2つの方法のどちらかを用いて描いてきた。すなわち「彼は勝っていた」か、あるいは「選挙(票)は盗まれた」かのどちらかだ。”

  — Scott Patterson
    ‘Stop the Steal’ Campaign Never Gets Old”
    Wall Street Journal 2023年9月25日付


  今週、私はカリフォルニア州ロサンゼルスに滞在しているが、この街の住宅地と企業エリアの両方において暴力と窃盗が急増していることに愕然としている。私の息子の友人には、ロサンゼルスでも安全とされた地区(ブレントウッド)に家を持つ叔父と叔母がいる。彼らの行動は、とあるグループによって尾行されていた。最近、彼らが近くに用事で出かけた時、そのグループは真っ昼間に家に押し入り、短時間のうちに空き巣を働いた。そして多くの家具や品物を破壊し、沢山の貴重品を奪って走り去ったのだ。そのすべてはホームセキュリティ・システムに記録されていた。だが警察は何もしなかった。L.A.ではよくあることだという。

サンフランシスコやオークランドにおける犯罪の野放し状態もよく知られるところだ。略奪者達は小売業者の店に押し入り、欲しいものは何でも奪い、そのついでに施設や商品を破壊する。それでも、店のオーナーが棒で彼らを殴りでもしない限り、何の咎めも受けない。そしてその後、オーナー側は自分達や親企業の財産を護ろうとしたことに対する代償を払わねばならないのだ。

  そこで私は考えている。カリフォルニア州、ニューヨーク州、イリノイ州、その他の州も大都市で起きている暴力沙汰や破壊行為、強盗事件の風潮に相関するアストロロジー上の徴とは何だろうか? カリフォルニア州のニューサム知事が大統領候補としてまともであるとは思えなかった。州や国のリーダーの基本的な責任が市民の保護だとするなら、その義務に関して彼や他のリーダー達は失敗しているように見える。そしてこの、暴力と他者の財産に対する軽視と無関心さという風潮はいつ終わるのだろう? この国家的現象について、私はいくつかの考えを持っている。

  まず、これはアストロロジーのチャートではどのように顕れるのだろう? 私は、冥王星リターン(暴力と犯罪の高まり)がいまだに続いている米国の建国図だけでなく、私が好んで使用する1776年7月2日のチャートにも顕れていると思う。冥王星はいまだに山羊座に在泊する建国の月に影響を及ぼしており、その月はネイタルの冥王星とコンジャンクトしている。月は家庭、中小企業、そして市民の個人的財産を意味する。山羊座においては、これらに対する暴行や侵害は当事者の安全に対する恐怖を暗示し、翻ってそれが不安やストレスを生み出す。トランシットの冥王星にもまた、それらを孵化し培養する働きがある。アスペクトの形成が始まるとともに問題が明らかになってくるのだが、劇的な改革を必要とする深刻な問題として頂点に達するのは1年〜3年後のことだ。正確なアスペクトは2021年〜2023年に形成されるが、出来事(犯罪)が顕在化するピークに達するには2024年〜2026年までかかるかもしれない。その後、こうした傾向を著しく減らすような解決策が導入され、実行される可能性がある。

この、破壊と窃盗という風潮に対して実行可能な解決策を示すものは何だろう? 私はそれが「牡羊座の大渦」ではないかと考えている(この来たるべきアストロロジカル・パターンを表現し得る用語を思いつくにあたり手助けしてくれたアストロ・リサーチャーのダニエル・ゴードンに感謝する)。これは天王星と冥王星がトラインを形成し、そのMP(ミッドポイント/チャート上の中間度数)である牡羊座0°で2025年〜2026年に土星と海王星がコンジャンクトする事象を言う。天王星は、他の惑星とトラインを形成することによって問題に対する革新的な解決策を示す。また冥王星は、侵入窃盗や押し込み強盗、器物損壊などの犯罪問題に関連する。したがって、この問題は2025年〜2026年にかけて、より大きな危機感、すなわちアメリカ市民を護り、都市とそのビジネス・コミュニティをより安全にするという意識をもって対処されることになりそうだ。 

  土星・海王星はまた、より厳しい法律を制定し、治安部隊を増強し、海王星が根底から望んでいる安全な環境(恐怖や不安のない平和)を積極的に創造しようとする努力を象徴するケースもある。土星と海王星は、安全性を高めるという旗印の下で、新しい刑務所や拘置所、治安部隊の増加を示唆することもある。しかし、信頼に足る人々によってよく監視されない限り、押し寄せる犯罪の波に対処するために集められた資金の横領や腐敗を意味することもある。「牡羊座の大渦」が持つ宇宙的潜在力を考慮するなら、出来ることなら問題を口実に資金をかすめ取ったり、他の違法行為のために悪用することなく、山積した問題を解決するという選択をしたいものだ。政治の面から言えば、この問題は2024年の選挙における主要な争点になると確信している。自分達の街で、人々が再び安全だと感じられる状態を創造出来るのはどの候補なのか?

私自身はポジティブな解決を追求するだろう。何故なら2025年〜2026年、土星・海王星コンジャンクションが天王星と冥王星のトラインとの調和的なセクスタイルを形成するからだ。おそらくリーダー達は、数々の犯罪を真剣に受け止め、米国の大都市における犯罪を減らすために革新的で新機軸の取り組みを実施すると思う。もしそれが実現すれば、国家経済や中小企業セクターにも前向きな流れが生まれるだろう。都市は生まれ変わり、人々は安心して地元の店や企業を訪れ、支援するようになる。だがそれまでは、企業が撤退し、人々が以前のように便利かつ安全に商品を購入する場所が無くなって、多くの都市がゴーストタウンのように見えるかもしれない。






訳文ここまで
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September 24, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント9/25【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2023年9月25日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★原則として隔週掲載を予定しています。時々不定期にお休みさせていただくことがあります。
文中の日付はすべて米国時間のため、日本では1日後になる場合があります。


≪ 先週をふり返って ≫

  “米国連邦準備制度理事会(FRB)当局者は水曜、金利が以前の計画ほどは下がらないことを示唆して市場を驚かせた。こうした見直しは、見た目以上に重要かもしれない。予想やコメントの中で、一部の当局者は金利の上昇傾向が長期化するだけでなく、永遠に続く可能性を示唆しているのだ。”

  — Greg Ip
    “Higher Rates Not Just for Longer – Maybe Forever”
    Wall Street Journal 2023年9月22日付

  金曜の朝、全米自動車労組(UAW)のショーン・フェイン会長はUAWがゼネラル・モーターズとステランティスを対象に、20州38カ所の部品・流通拠点にストライキを拡大していると発表した。またフォード・モーターに関しては、会社側が「真剣に取引に対応しようとしている」ことを証明したため、追加ストライキの開始はないとフェイン会長は述べた。

  — Michael Wayland
    “UAW Targets 38 Facilities at GM and Stellantis for 
    Expanded Strikes”
    www.cnbc.com 2023年9月22日付

  9月19日火曜に起きた太陽・海王星オポジションに起因する(根拠なき)高揚感は、9月20日、FRBが現時点での利上げを見送ると発表した直後に消え去った。これは牡牛座を運行する木星(2023年5月〜2024年5月)の下で起きる事象として、私達の予測どおりだった。牡牛座(固定・不動宮)の木星により利上げは抑制され、安定する可能性が高かった。唯一の例外となる可能性として私達が予測していたのは、牡牛座の支配星である金星が逆行した時期(7月22日〜9月3日)だ。その期間中は一時的に0. 25%の利上げがあった。

  今週の金利発表後の当初は世界中で株価が騰がった。だがその日の終わりには、その「魅惑」も消え去った。パウエルFRB議長が金利が低下することもないだろうと、自身のスタンスを繰り返し表明したからだ。実際、パウエル議長は金利がいつまでも高いままになるだろうと示唆した。私達にとって、これは別に何も驚くことではない。過去3回の『フォーキャスト』の中で述べたとおり、今世紀半ばに起きる次回の土星・冥王星コンジャンクションまで、金利は長期的な上昇トレンドにあると考えているからだ。しかし、水曜の市場は明らかにこの見通しを嫌った。週末までに、世界のほとんどの株式指数が下落し、ダウ工業平均を含むいくつかの指数は3月中旬に起きた銀行倒産以来の最安水準まで下落した。この事は、自動車産業(とその他の)労働者によるストライキと相まって、株式市場の低迷、ひょっとすると2023年における最も急激な下落が示現する可能性を警告している。

  他の市場では原油が先週、9月19日の太陽・海王星オポジションの下で再び新高値を更新した。さて、これが小幅なメジャーサイクルの調整なのか、あるいはより厳しいプライマリーサイクルの数週間にわたる調整となるのかを、私達は今後見ていくことになる。原油の上昇は、株式市場が売られた理由の1つだ。それはインフレがいまだにコントロールされていないことを意味している。パウエル議長が原油を信頼出来ないインフレ指標として片付けたにもかかわらず、だ。海王星の息のかかった全ての事象と同様に、その言葉は現実というよりも希望的観測というべきかもしれない。

ビットコインは9月11日にプライマリーサイクルの底である可能性の高い安値をつけた後で3週間ぶりの高値まで上昇した。だが、ここでもまた週の高値は太陽・海王星オポジションが起きた9月19日火曜に示現している。また銀は金曜に大きく舞い上がったが、金はいまだに前月の高値と安値の間で足踏みしている。火星が10月12日に起きる蠍座への入居を控えているからだ。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “傑出したステイタスには常に義務がともなう。それに見合う役割を負わねばならない。品位と威厳を身にまとわねばならない。教養と気品を体現し、それに基づいた振る舞いをしなければならない。しばらくの間 — まぁ、今世紀に入ってからと言ってもいいが — 私達は国家の力という点において、依然として優位性を主張したがる時期にあるようだ。USA!USA! — だがその一方で、数多の責任についてはますます無視されつつある...。私達は尊敬されたい。だが、もはや尊敬に値する必要があるとは考えていないのだ。”

  — Peggy Noonan
    “The Senator’s Shorts and America’s Decline”
    Wall Street Journal 2023年9月23日付


  さて本題に入ろう。9月19日の太陽・海王星オポジションと9月17日の金星・木星スクエアは、予測どおり株式市場をサイクル新高値に押し上げなかった。特にいくつかの指数(DJIAを含む)が8月18日~25日のプライマリーサイクルの安値を割り込んでいる(弱気)ことから、これらは8月31日〜9月1日の高値近くでチャートのダブルトップ形成(弱気)となった可能性がある。これは — まだ — 予測していなかった。通常は弱気市場であってさえ、安値をつけてから2〜5週間は騰勢が続くからだ。

  ナスダックとS&Pの高値は8月18日の安値から2週間後に示現した。しかし、DJIAの高値は8月25日の安値から、わずか1週間後だった。したがって、私達(私)はDJIAの動きに基づいて、もっと上があると考えた。だが、これが起きないこともある(5%以下の確率かもしれないが)。とはいえ、この、より新しいプライマリーサイクルがトップアウトした時、私達(私)はリポートにおいて、11月18日の太陽・火星コンジャンクションに向かう今年一番の急落へと繋がる可能性があることを予測していた。数年前に行った私達の調査によれば、このアスペクトはオーブ8°(およそ6週間)の範囲内で、世界の株式指数における8%以上の下落の始まり、または終了との高い相関性を示している。したがって、より大局的見地から見た全体像はそのままであり、幾人かのツイッター(現「X」)評論家が指摘したがるような、アストロロジー(またはジオコズミクス)自体における小局観の見逃しはなかったのだ。

  批判を受けた時、それが建設的なものであったり、成熟し前向きな提案である場合、私はそれを気にはしない。それは健全であり、活発で教育的な議論に繋がり得るからだ。だが、非常に迷惑に思うのは、ある種のにわか評論家達が、アストロロジー(この場合は私自身)がもたらす判断が特定のケースで期待どおりに働かなかったとして、自分には「アストロロジーなど役に立たない」と判断する資格があると感じているような場合だ。

だからここで明確にしておきたい。アストロロジーは上手く機能したし、今後も上手く機能し続ける。実際(まぁ、45年にわたる取引経験と市場分析に基づく私の意見としてだが)マーケット・タイミング・ツールとしてアストロロジーほど上手く機能するものはない。

ここで参考までに、『フォーキャスト2023』で提示した重要変化日をふり返ってみる。これらは2022年11月に算出された日付だ。9つの変化日のうち、1つを除きすべてが3日のうちに取引サイクルの反転と同期しており、7つは2日間かそれより短時間のうちに反転が起きていた。そして6つは反転の正確な日付か1日以内の日付を指していた。もしアストロロジーが機能しないとするなら、どうしてそんなことが起き得るのだろう?

  ある「X]のフォロワーがツイートしたように、アストロロジーは「微妙なトーンを含む」ために “そっくりそのまま実施可能な” トレーディングツールとして扱うのは難しい。これはそのとおりだ。しかし、「微妙なトーンを含まない」市場指標など存在するだろうか? アストロロジーは、取引を成功させるためのスタンドアローン・システムではない。ほとんどの場合、反転の潜在力と可能性を示す「マーケット・タイミング」の指標として使われるのであり、その事自体に価値がある。だが、それのみでトレードの成功を保証するものではない。だから他の市場分析ツールとの組み合わせで使う必要がある。

これは同様に、アストロロジーを他の人達を助けるツールとして使うケースにも当てはまる。ホロスコープに基づいて起き得る事象を「予測」するだけでは、多くの場合、実際にはその人の役には立たない。それどころか、十分なコンサルティングやカウンセリングの技術とともに使わなければ、有害なものになりかねないのだ。プロのアストロロジャーはこのことを知っている。プロのトレーダーもまたこのことを知っている。だが、どちらの科目も本格的に学んだことのない人々は、それを知らない。それでも彼らはしばしば「アストロロジーは機能しないことを知っている」つもりになる。その理由は「うまく機能することなどあってはならない」からだ。そして、それが彼らのすべてだ。こうして、自分が持たない何かを持ち、知らない何かを知る人々を疎んじるのだ。

  今週のコラムの教訓:『物事を知れば知るほど、あなたは “微妙なニュアンス” を身にまとうようになる』

  あなたはけっして完璧にはならない。あなたの決定が常に100%正しくなるわけでもない。自分の期待どおりにいかないような決断を下すこともあるだろう。それが人生だ。しかし、あなたが取るリスクは常に、あなた自身の個的進化を促進するための学びと投資だと捉えることが出来る。そしてその過程において、あなたは他者に有用な情報を提供する “重要参考人” となっていくだろう。リスクを取ることを怖れてはならない。機会を逃してしまうからだ。だがそれと同時に、規律を守り、リスクとチャンスを賢く測ることだ。

それでは皆さん、どうか素晴らしい1週間を!






訳文ここまで
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September 10, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント9/11【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年9月11日(フリー版より)

翻訳:hiyoka

自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★原則として隔週掲載を予定しています。時々不定期にお休みさせていただくことがあります。
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。


≪ 先週をふり返って ≫

  “経済データの見直し修正は通常の作業として広く行われていることだ。
しかし、時折、その修正の度合いがあまりに大きく、何が起きているのかに関する我々の共通理解が真逆に覆されることがある。この問題は古くから知られるところだが、今は悪化の一途をたどっている。タイムリーなデータは一般的に調査に基づいたものだが、企業でさえ調査に応じるのが面倒になっている。後になって数字が修正されるのに、それ以前の数字を早期に報告することは、投資家をまったく間違った方向に向かわせる可能性がある。つまり経済に対する1つの理解を衆人に深く根付かせることになり、その修正には長い時間がかかるものだ。最悪の場合、それは資本配分の誤りにつながり、政府の政策や金利に影響を与える可能性がある。”

  — James Mackintosh
    “Economic Data Lead Markets and Governments Astray”
    Wall Street Journal 2023年9月8日付

  “北朝鮮に繫がりを持つハッカーが、金政権の核兵器プログラムの資金源として数億の暗号通貨を盗んでいることが調査で明らかになった。TRM Labsは6月に行われた北朝鮮専門家とのディスカッションで『近年、北朝鮮による暗号通貨関連ビジネスに対するサイバー攻撃の規模とサイズが著しく増加している』と述べている。”

  — Sheila Chiang
    “North Korean Hackers Have Allegedly Stolen
    Hundreds of Millions in Crypto to Fund Nuclear Programs”
    www.cnbc.com 2023年9月6日付

  “政府機関の閉鎖を回避するための歳出法案を可決し、複数の自然災害に対する米国の緊急対策資金を増強するための時間が刻々と刻まれる中、激しく分断された議会は1ヶ月の長い夏休みから火曜日に戻って来た。議会が歳出法案を可決できなければ、米国政府機関は9月30日午前0時に閉鎖されることになる”

  — Spencer Kimball
    “Congress Returns with the Clock Ticking to Avert
    Government Shutdown, Fund U.S. Disaster Response”
    www.cnbc.com 2023年9月5日付

  時を同じくして7つの惑星が逆行中か、あるいは方向転換するという珍しい現象は、金融市場を混乱させ、世界経済の将来について不明確な見通しを生み出し続けている。今現在は何をするにも非常に不安定で不確実な状況であり、少なくとも9月15日*にトリックスターである水星の逆行が現サイクルを終えて順行するまでは、トレーダーも投資家も神経の苛立つ日々となるかもしれない。水星順行への転換は、通常なら緊張が緩む局面だが、9月30日には米国の債務上限問題が発生して再び政府機関が閉鎖される可能性がある。ちょうど11月には太陽と火星のコンジャンクションが発生する。これは正確なコンジャンクションの前後8°以内に世界の株式市場が大きく下落する可能性がある(10月~12月)。10月11日まで火星が天秤座を運行するため、投資家はこの脅威をギリギリになるまで無視するかもしれない。今回も議会はヒステリー状態を避ける道を見出すだろうと考えるからだ。だが今回は、果たして11月までに彼らが歩み寄りに成功するかどうかは不明だ。

*水星滞留→順行:日本時間16日午前5:21ごろ

  この数週間、世界の金融市場は非常に混沌としてランダムに見えた。だが実のところ、それは金星の逆行サイクル(7月22日~9月3日)にすこぶるシンクロして動いていた。多くの世界の株式指数が、金星が逆行前後の1週間以内に年初来高値を更新したのだ。その後、ほとんどの株式指数は8月17日から集団逆行の端緒となった23日にかけて大きく下落した。また金星が滞留〜順行に転じた9月1日〜4日には、ほとんどの市場が二次的な反騰を見せたのだが、その後先週末には木星が逆行に転じ(9月4日)、9月8日に太陽からトライン形成という恩恵を受けながらも、再度の反落が始まった。

通常なら、木星が強調された9月4日〜8日の期間中は上昇が続くと予想されるところだ。 と思いきや、水星は逆行している(8月23日~9月15日)。トリックスターはスポットライトを浴びる “プライムタイム” のペテン師として、しばしば期待とは正反対のことをするものだ。

したがって、ここでの疑問は金星順行による9月1日~4日の高値は二次的なものではなく一時的なサイクル高値であり、その後数ヶ月にわたって売り越しが続くことになるのか? ということだ。それともこれは、新たな強気相場における最初の上昇局面に過ぎず、先週末までの下落は修正安に続く強気のインパルスだったのだろうか? 今週末にトリックスターに当てられていたスポットライトが消えるまで、その答は見えないかもしれない。

  逆行する多数の惑星に合致する不安定さと不確実性は、他の市場においても顕著に見られた。金と銀は、金星が滞留〜逆行に転じようかという7月20日に重要なサイクル高値をつけ、天王星による嵐のシグナルを伴う逆行のシャワーが始まるとともに、8月15日〜17日前後に重要な安値をつけた。しかし、株と同様に、金と銀も金星順行の局面では二次高値を喚起するにとどまり、先週後半には再び下落に転じている。

では、9月1日の高値は修正高に過ぎなかったのか? それとも、先週末の下落は新たな強気相場の前哨戦となる修正型のそれだったのだろうか? その答はトリックスターだけが知っている。だが、私達ももうすぐそれを知ることになるだろう。トリックスターのバッテリーはもうすぐ切れるのだから。

  マーケットを見渡せば、すべては通貨、とりわけ米ドルの動きに顕れていた。米ドルは金星逆行以来、右肩上がりの上昇を続けている。一方でユーロは金星逆行直前の7月18日をピークに下がり続けている。この流れは金星が順行に転じた今、終わりを告げようとしているのかもしれない。もしそうであれば、米ドルが反転し下落し始めるとともに、多くの金融市場に変化が起きるのを目撃することになるかもしれない。金星は結局のところ、通貨の共同支配星なのだ。だから金星逆行下の通貨市場を注目すべきなのは当然のことだ。

金星が逆行に転じるとともに通貨市場はピークに達し、先週末に順行に転じるまで下落の一途をたどった。金融の世界は上辺だけの秩序を取り戻しつつあるのかもしれない。もちろん、米国政治の機能不全状態は、10月、そして特に11月の強力なジオコズミック・サインに近づくにつれ、その秩序を乱す要因として機能する可能性がある*

*最初のうち、ここに(注)を書いていたのですが、例によって長くなったのと、原文からは離れてしまったので後記として末尾に移しました。興味ある方はご一読ください。


≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “ド・トクヴィルのフランス革命に関する本を読了した後、皇帝の弟であるコンスタンチヌス大公はその所見をこう述べた。『もし我々が自らの手で平和的、かつ完全なる革命を実行しなければ、それは我々抜きで、我々に対して起きるだろう』。”

  —  引用元:John Mauldin “Noble Sacrifices” 2023年9月2日

  火星は現在、8月27日から10月11日まで天秤座を運行中だ。この組み合わせは戦争(火星)と平和(天秤座)、攻撃と外交、性急な決断と優柔不断のようなものだ。 市場は通常、この組み合わせを好む。何故なら、何かをする必要性については多く語られるが、時間の遅れとともに当座の緊急性が失われるため、解決に向けた努力はほとんど払われないからだ。誰もが行動の必要性を理解しているが、何をどうするかについてはコンセンサスが得られていない。それでも、希望がある限り市場は上昇する。しかし、火星が蠍座に入るまでに何も為されなければ、希望は打ち砕かれる。そして、前進のチャンスが存在した時にそれを邪魔した人々が地獄を見ることになる。上記の引用でコンスタンチヌス大公が述べたように、「......我々が自らの手で平和的かつ完全な革命を成し遂げないなら、それは必然的に我々抜きで、我々に対して起こるだろう」。

  短期的には、9月15日に水星が順行し、9月17日に金星が木星とスクエアになり、9月19日に太陽と海王星がオポジションになる。これらのシグナルは、原油のトレンドの変化と同期しそうだ。だが、こと政治に関してあまり明確にはならない。ホットな噂話が流布される可能性があり、ひょっとするとスキャンダルに発展するかもしれない。そのため、トレーダーは「噂を買って事実で売る」(あるいはその逆の)物の考え方に気付いておく必要がある。しかし、ジオコズミック・パターンが最も強烈なストーリーを発表する準備が整うのは、実は10月と11月だ。そしてその時期には通常、金はかなり活発な(そして強気な)動きを見せる。この相関関係については、購読者版の月報、週報、日報で詳しく取り上げるつもりだ。



≪ 個人的な物語 ≫

  旅行者に人気のイタリアの都市ヴェネツィアは、来年から1日につき5ドル50セントの入市料を徴収するというガイドラインを火曜に承認した。『その目的は、市の脆弱性と独自性に沿って、特定の期間において1日あたりの観光客数を抑えることにある』。通信社はヴェネツィア市の声明からこう引用している。

  — Greg Norman
    “Venice, International Travel Hotspot,
    to Charge Daily Tourists a Fee Next Year”
    www.foxbusiness.com 2023年9月6日付

  “それが見つからない人もいれば
   ただ見せかけてるだけの人もいるさ
   でも俺はただ幸せに生きていたいんだ
   今も、そしてこれからも♪”

  — Jimmy Buffett
    “Growing Older but Not Up”
    Coconut Telegraph 1981年


  今年の私は興味深い夏を過ごした。実際、それは私自身にとっての「ウェイクアップ・コール」となった。およそ1ヶ月前、私は体調を崩したことについて書いた。それは4日間続いたが、それ自体は問題ではなかった。何故なら、もっと人間工学的な問題(コンピュータの前に長時間座っていることで起きる筋肉や骨格への問題)が起きていたからだ。1つの症状が治まると、また別の症状が出る。そんな状態は5月中旬から始まり、8月下旬についに終わりを迎えた。これは苦闘し続けるには長い期間だ。だが、今はもう大丈夫だ。(沢山の御見舞いの言葉をありがとう!)

だが、その間に私の目を覚ますような出来事があった。私のアストロ・ツインはジミー・バフェットなのだ*。彼は史上最も売れたミュージシャンの一人だ(トロピカル・アイランドとカントリー・ロックのジャンル)。さて、私はジミー・バフェットの大ファンというわけではなかった(私はマルガリータヴィル族ではない)。だが、過去数十年にわたって彼を見続けてきた。というのも、まぁ、私はアストロロジャーであり、彼に起きることはどんなことでも、同じようなことが私にも起き得ると考えたからだ。私達のビジネスにおける成長と成功のサイクルは、時期的には近かったが、そのスケールという点では彼のほうがずっと大きかった。たとえば彼が木星で勝負するなら私の武器は水星だった。そして先週、彼が亡くなったことを読み知った時、私はちょうど厳しい健康上の試練を課された夏を乗り越えたところだった。私は思った。この生涯が過ぎ去る前に、少し身を引いてこの一生とそこにいる人々との交流を楽しむ時なのかもしれないと...。

*ジミー・バフェット氏とメリマン氏は出生年月日が同じ。時間は不明ながら、出生地も比較的近いと思われる。


Jimmy Buffett 2023年9月2日死去。米国では最多の観客動員数を誇った高名な歌手で、カクテルのマルガリータにちなんで命名されたこの曲は、南の国でカクテルを片手にのんびりと暮らすライフスタイルを反映した歌詞が特徴で大ヒットした。ジミー・バフェットの音楽性とキャリアの大成功を決定づけたとも言われている。


  昔、偉大なアストロロジャーであるチャクラパニ・ウラールと初めて会った時、彼が私にこう言ったのを覚えている。
『あなたは眠っている間に死ぬことはないだろう』
それを聞き(安らかには逝けないのかと)私は打ちのめされた。
『え、何ですって?』
すると彼は言った。
『いや、あなたは仕事中に死ぬだろうということだよ』
私はそれを聞いて喜んだ。素晴らしいことじゃないか! だが今はあまりそう思っていない。

ところで、私が初めてチャクラパニのコンサルティングを受けた時のことでもう1つ、興味深い余談がある。彼に職業を聞かれた時、私はアストロロジーと金融市場を研究しており、マーケット・タイマーであると答えた。すると彼は、私にある人物を知らないかと尋ねようとした。
『えっと、確か...たぶんメリ...何とかと言ったような? いやちょっと待って。え、もしかして、あなたは...?』
そして彼は、自分が引き合いに出そうとした金融マーケット・タイマー/アストロロジャーが私であることに気付き、2人で大笑いしたのだった。

  さて、私が経験した驚くべき夏に話を戻そう。いつものように、私は愛する妻のアントニア・ラングスドルフとヨーロッパに滞在した。そして先週、アントニアと私は旅行に出かけた。その間、私達はドイツのクリストフ・シューベルト・ヴェラー、クリストフ・ニーダーヴィーザー、チューリヒのクロード・ワイスという、世界で最も素晴らしい3人のアストロロジャーと会い、食事を共にする喜びを味わった。それは私達にとって、特別なものとなった。

4日目、私たちはイタリアのベニス行きの飛行機に乗り、3日間滞在した。最初の夜、この素晴らしいホテルにチェックインしようとしたとき、アントニアの荷物が盗まれた。なんと、この高級ホテルでだ!

事の詳細は省くが、アントニアは盗まれた荷物の中に追跡装置付きの2台目のiPhoneを入れていた。4人の警察官の助けを借り、私達はヴェネツィアの仄暗い通りを走り抜け、何やら非常に怪しげな地区に到達した。そこにはフェンスに囲まれた俳優達の屋敷があり、廊下にはトム・クルーズの映画『Eyes Wide Shut』そのままの衣装が置いてあった。そう、『ビーク・マン』だ。不気味だったが、トラッキングデバイスは荷物がちょうどそのエリアにあると示していた。警察官は、彼らが捜査する間、この暗くて陰気なコンパウンドの安全なエリアに移動するよう私達に言った。それからおよそ30分後、彼らは出て来た。そして私達にバッグを特定するよう求めた。そのバッグには、アントニアが持つ宝石のほとんどが入っていたのだ。それはそこにあった! 荷物が見つかったのだ! ここで物語の教訓だ。特にイタリア旅行の際は、すべての荷物にトラッキングデバイスを入れておこう。そしてさらなる教訓はこうだ。自分の人生とこの人生で大切なものを追跡しよう。

ヴェネツィア自体は非常に混雑していた。観光客が多すぎたのだ。いや、わかっている。私もまたその1人だった。とはいえ、楽しむのは困難な状況だった。私自身は先週の偉大なアストロロジャー達との出会いや楽しい食事のほうが良かった...。

  さて、これが今週の私の物語だ。この一生のうちに育んできた、この物理的な神殿 — 肉体に、いつまで住めるかはわからない。しかし、今は仕事中にクラウドに転送されてしまわないように気を付けようと思っていることは確かだ。だがもしそうなるとしたら、今執筆中の本がどんなものであれ、それが完成した時であってほしい。物語を中途で終わりにしたくはない。そして、2023年〜2026年の「牡羊座の大渦」を経験する前に、この物語を終えたくはない。私達が人間の活動サイクルと宇宙のサイクルがどのように相関するのかを理解し、感謝しながら、それを通して私達が最初にそこに到達するための手助けとなること。それが私の義務 — ダルマ — であるように感じられるのだ。ということで、今の私が書き始めている『フォーキャスト2024』のサブテキストを理解していただけると思う。







訳文ここまで
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  *この秋からは、日本の戦後始原図においても広範囲で一段と厳しい星回りとなってくる。風の時代のとば口にあって、世界各国の情勢もより流動的となり、政治、経済、軍事、また災害など思わぬ出来事への対応を矢継ぎ早に迫られる時代に入るのかもしれない。日本の戦後始原図では国の総意と統治者を象徴する太陽が国民の意志や感情、態度を示す4室に在泊する。これは憲法に示される「主権在民」を表し、被占領国から新たに独立した民主主義国家として再出発した日本の国家としての在りようを象徴している。また、それとともに国の行く末は国民ひとりひとりの意志によって左右されること、その責任は、好むと好まざるとにかかわらず最終的に私達国民ひとりひとりの側にあり、結果を負うことをも意味している。そのため、惑星エネルギーの誘導による不安を煽る流言飛語や、他者を貶めるまことしやかな噂話、他罰的な傾向や自己卑下の誘惑に負けず、まず「理性に裏打ちされた思いやり」によって足許を固めていくことが重要になるかもしれない。

けれどこの、頭上の天空(MC)に海王星を抱く戦後始原図が持つ力は、個としてのわたし達がそのエネルギーを自己愛的な「幻想の母」として庇護を求めながら見上げるのではなく、自らの手で創造し育み続ける「理想」(度数の意味は「上も下もどんな時も、互いに頼りになる存在としての役割を果たす」)として上手く使いこなすことが出来れば非常に強い。他に4室にはネイタルの金星、木星、小惑星ニッポニア、小惑星アメリカ、そしてカルマの支払いを意味するケンタウルス族のネッソスが在泊するが、現在は「すでに水面下に存在していた不和を掘り起こし」「もたらした混沌の中で永遠の自分探しを続ける」トランシットの準惑星エリスが長期にわたり運行中。この準惑星は対立や断絶を呼ぶ力でありとても厄介ではあるけれど、一方では「究極の自我の “象徴的な死” を通して再生に繋がる闘い」とも言われている。これは冥王星の象意と似通っているが、異なるのは冥王星の働きが「徹底的な破壊の後に蘇り構築していく新たな生」という、輪廻を思い起こさせるイメージを持つのに対し、エリスは「バラバラに散ってしまった自己の断片を探しながら、その過程で全体の大きな流れをひとつの自己の姿として捉える視座を得ていく」という、こちらも壮大なテーマを持つ。

...たとえ試練があるとしても、乗り超える力は備わっている。それはこの国に生まれ暮らすわたし達にとって、とても幸運なことかもしれない。 
 
(訳者 記)


hiyoka_blue at 20:58|PermalinkComments(4)

August 27, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント8/28【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年8月28日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★原則として隔週掲載を予定しています。時々不定期にお休みさせていただくことがあります。🙇‍♀️


≪ 先週をふり返って ≫

  “パウエル議長は『インフレ率がピークから低下したことそれ自体は歓迎すべき兆候だが、依然として高すぎる』と述べた。また『インフレが真に抑制されたことを示す証拠がもっと揃うまで、中央銀行は金融政策において現在の「引き締め水準」を維持する』とも付け加えた。”

  — Wall Street Journal Editorial Boar
    “Jerome Powell Stays On His Anti-Inflation Course”
     Wall Street Journal 2023年8月26日付

   “BRICSはさらに6ヶ国を招き入れて写真撮影に応じた。ブラジルのルラ大統領は、これでBRICSが世界のGDPの37%を占めることになったと指摘した。これは明白な内部的不均衡を無視している。これはまるで、私の牧場(とオーストラリア)が世界第二位のラム肉生産国だと私が主張するようなものなのだ。世界経済における構造変化が進み、経済的ナショナリズムが台頭する中で、協調を達成するのは困難だろう。”

  Dr. Paul Donovan
  “Powell Speaks. Do We Really Care?”
  UBS morning audio comment 2023年8月25日付

  先週は様々な領域に多くの出来事があった。ジャクソンホールで開かれたFRB会合、南アフリカで開催されたBRICSの会議、エフゲニー・プリゴジンが死亡した「偶発的な飛行機事故」、ジョージア州での選挙妨害でドナルド・トランプ他19人が起訴された件など、枚挙に暇がない。だがそれでも市場は持ち堪えた。地面は揺らいでおり、まだ全くもって安全とは言えない。だがそれも当然で、水星と天王星が逆行し、金星は9月3日に6週間にわたる逆行運動を終える。ファイナンシャル・アストロロジャーとして、私達は先週の市場の動きを見てきた。そしてこう考える。『反転するのか? それとも崩壊するのか?』

  先週はまた火星が海王星にオポジションでもあった。というわけで、世界のリーダー達や直近の世界状況が、大声で吠え立てる声が多いわりには噛みつくことのない「受動攻撃的」な特性を示しているように見えたとしても、お許しいただきたい。金融市場の現況も同様で、多くの市場が崩壊寸前に見えた。だが、その後は誰も本気で信じていない反発を、恐る恐るといった足取りで開始しようとしている。

たとえば米国では、株式指数のほとんどが水星が逆行した週の半ばまで上昇しており、前週に底を打ったように見えていた。だが、これこそトリックスターが最も得意とする技なのだ。つまり、最悪の事態は通り過ぎた — 底を打った — と思わせる。だが実際はそれほど明確ではない。特に、時を同じくして火星が海王星とオポジションを形成しているなら、なおさらだ。ダウ平均は金曜、6週間ぶりの安値をつけた。だがS&Pとナスダックはいまだに前週の安値を大きく上回っていた。その後、それらの指数は皆、金曜の引けに向かってより高く騰がっていった。私達はこれを「異市場間強気ダイバージェンス」と呼んでいる。

8月23日〜9月4日に4つの惑星(水星、天王星、金星、木星)が方向転換し、ちょうどその中間点でこうした動きが起きている。それがこの事象を「強気あるいは弱気のダイバージェンス」として示すもので、反転が起きている、あるいは起きようとしているシグナルとしての重要性を高めている。これは金融アストロロジーにおける基本原則の1つであり、貴重なマーケット・タイミング・ツールとしてどう使えるかを示すものだ。

  先週のビットコインは、アストロロジーがどれほど上手く機能するかを示したもう1つの事例だった。8月23日水曜に水星が逆行に転じると、ビットコインはその日のうちに週の最高値と最安値を更新した。水星逆行は金融アストロロジーにおいて「トリックスター」として知られている。何故なら多くの場合、市場に偽の買いシグナルや売りシグナル、または「フェイクアウト」が顕れるからだ。ビットコインはまず安値を更新し、次に高値を更新した。ならばそれは相場が上昇するサインだと普通は考える。だが、そうはならなかった。実際には水曜の高値と安値の間を横ばい状態で推移したため、トレーダー達は首をひねることになった。『これは騰がるのか? それとも下がるのか?』まるで懐かしいアニメのロードランナーのように、つんのめって止まり、訝しむ。『こっちに行くのか? それともあっちか?』

  入り混じったシグナルとダイバージェンスは貴金属市場においても目に付いた。銀は先週、爆発的に上昇したが、金は前週の安値を更新し(銀はしていない)、その後反騰を試みたが、銀ほどの爆発力はなかった。通常なら、貴金属が強気になる時は銀ではなく金が先導力となる。だが、水星は逆行中だ。だから従来のセオリーどおりになるとは限らない。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “『(ロシアの大統領、ヴラディーミル・プーチンは)復讐は冷静に遂げられるべきものだと考える人物だ』と彼は述べた。『私の経験から言えば、プーチンは復讐の究極の使徒であり、したがってプリゴジン氏がさらなる報復をまぬがれるなら驚くべきことだろう』CIA長官、ビル・バーンズはこう語る。ロシアの一般大衆は、プリゴジン氏に死をもたらしたのはパイロットのミス、または飛行機の故障が原因だった可能性があると知ることになるかもしれない。ロシアでは誰一人として真実を告げられると期待する者はいないのだ。”

  — “Yevgeny Prigozhin’s Reported Death May Consolidate
     Putin’s Power: But it Shows that Russia is a Mafia State”
    The Economist 2023年8月23日付

  今年最も強力なジオコズミック時間帯の1つ、8月16日〜9月8日が現在進行中だ。この時期の重要性については、先週日曜に中国の視聴者向けに開催したウェビナーにおいて、およそ3時間の長きにわたって解説した。たとえば中国の株式市場とRMD通貨(人民元/米ドル)だけでなく、米国の株式市場、金、原油、ビットコインについても詳しく説明している。

手短に言えば、私達はこの時期にいくつかの金融市場がプライマリーサイクルの高値、または安値をつけるだろうと予測している。つまり、包括的な要因への私達の理解を基にした上で、潜在的に非常に魅力的なリスク/リターンの可能性を求めるなら、1年のうちで3本ないし4本の指に入るベストな時期だということだ。現在、株式、金属、エネルギー、通貨、そして暗号通貨市場において、こうした準備が整いつつあると私達は見ている。それぞれの市場については前述のウェビナーにおいて解説しているので、こうした機会についてここで改めて説明はしない。ただしこれだけは言っておこう。「この時期に用いる適切な取引プランを立てておく」ことだ。

また、それと同じくらい重要なことがある。「物事があなたの期待どおりに展開していかなかった場合に備え、適切な代替プランを用意しておくこと」。というのも、水星と天王星が逆行しているため、物事が期待どおりに進まない可能性があるのは確かだ。また他者とのコミュニケーションにおいては互いに「明確」であることに注意を払い、コンピュータに起きがちな問題の“修正”を受け入れる心理的準備をしておき、あらゆる期待に対して柔軟に対応する必要性も頭にいれておこう。「期待」は固定的、あるいは硬直的な性格の表れだ。トリックスターとその上位オクターブである天王星は、独断的で融通の利かない(閉鎖的な)信念や態度の持ち主には厳しい鉄槌を下す。

  では、最後にこの時期を乗り切るためのアドバイスを置いておこう。

・ただ手放すこと
・深い呼吸をする。それを保持し、そしてそっと手放す
・そして何が浮かんでくるか、見てみる

最高に上手くいけば、この時期は素晴らしいひらめきと発明の時期となる可能性を秘めている。しかし、あなた自身の中に生き、発動の瞬間を待っている創造的なエネルギーがいかんなく発揮される場所を見つける前に、何かを「手放す」必要があるのだ。





訳文ここまで
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August 20, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント8/21【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年8月21日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 
翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★原則として隔週掲載を予定しています。時々不定期にお休みさせていただくことがあります。

★今回は都合により ≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫ のみの抄訳とさせていただきます。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫


  “夏の債券市場に起きた荒れは、高利回りの投資商品に殺到した貯蓄者に思いもかけない大金をもたらしており、それによって米国の金融システムに変化が起きている。米国人は今週、マネーマーケットファンドに360億ドルもの資金を注ぎ込み、利回りは5%を超えた。これは資金を保管する場を探し求める消費者や企業にとって、つい最近まで夢のように思えた数字だ。”

  — Gunjan Banerji
  “Rising Yields Fatten Americans’ Pocketbooks”
  Wall Street Journal 2023年8月18日付

  “トランプ氏を嫌う人々の反応は「いったい何故彼の支持者は我々のように彼を嫌わないのか?」というものだ。彼らの仲間内ではほとんどの場合、彼の支持者を愚か者だと考えている。だが彼らは当の自分達自身がトランプ氏の人気を煽る役割を果たしていることなど気付かない。”

  — William McGurn
    “Donald Trump’s Last Hurrah”
    Wall Street Journal 2023年8月8日付

  あぁ、ついにだ! この金星逆行下 — 優柔不断、変わりやすい気分、最近買ったものは何でも返品したい衝動に駆られる期間 — において、市場のサイクルが意味を持ち始めた。

  いや、ちょっと待て。それは本当なのか? この「明瞭さ」は、ちょうど8月23日〜9月15日の水星逆行開始のタイミングと重なる。この事象は、明瞭さの前触れなどとは言い難い。それなら「優柔不断と心変わり」の惑星が「トリックスター」と出会ったら一体どうなるのだ? これは「希望の世界」と「シグナルの見逃し、偽りのシグナルという現実」との奇妙なダンスとなることを約束するものだ。

  『僕のことが好き(like)で、ダンスしたいと言ったのかい?』

  『いえ、あなたは私に似ている(like)と言ったの。私はあなたが好きだけど、真剣に受け取らないでね。だってそれってただの偶然なんだもの』

  『もしかしたら私達、上手くいくかもしれないし、いかないかもしれない。でも、もし上手くいきそうになったら離れるわ。そしてまた別の機会に戻ってくるって、約束するから』

  あぁ、「逆行」の素晴らしさよ。とりわけ水星、金星、火星のそれだ。順行している時はとても頼りになる。だが逆行時は大変なひねくれ者で、常に妥協や分裂が見え隠れしている。まるで何を望み、何が出来るかにまったく確信を持てないかのようだ。そして一般的に市場は不確実性を忌み嫌う。あとたった2週間ほどのことではあるが、人生 — そして市場 — が再びお買い得バーゲンセールの時期となるには、年末までに本格的な滝落としの大洗浄が必要かもしれない。

とはいえ、金星逆行は実際、金融市場における逆トレンドの一部をなすに過ぎず、7月22日±およそ1週間以来、市場は必死になって避難を急いでいる。その一部は崖に近づき飛び降りを決意する中で、私達は4つの惑星の渦がこれからの2週間で方向転換することに注目している。まずはトリックスター(水星)が今週水曜8月23日〜9月15日に逆行する。逆行の金星には決断が困難かもしれないが、水星にそういった問題はない。問題となるのは、1日〜4日以上の間、一度下した決断に固執し続けることだ。水星は、“データ”に基づいた柔軟性によって皆を感心させたい。しかし、その“データ”は1日〜4日ごとに矛盾した結果を示すようだ。水星の逆行下では、データとその正確性(または前提となる意味合い)に疑問符がつく怖れがある。

水星が逆行に転じてから5日後、知性に関連する惑星シンボリズム上では水星の1オクターブ上とされる天王星もまた逆行する(8月28日*)。一方(水星)は突然、短い期間だけ方向を変えることが出来る。もう一方(天王星)は、より長期間(数ヶ月とまでいかなければ数週間)にわたる方向転換が可能だ。そしてその転換ポイントから12取引日以内にその力が顕現することになる。

*日本時間8月29日午後

天王星の逆行は、多くの金融市場におけるメジャーサイクルの天井とは最も強い相関関係を持つ3つの惑星のうちの1つで、金星の逆行よりもさらに強力だ。興味深いことに、金星は天王星の逆行からわずか6日後の9月3日*に逆行を終え、順行に転じる。このように、金星の逆行が持つ逆トレンドの性質は、天王星の逆行にともなう数週間の方向転換のスタートに近接して終了する。つまりそれぞれが皆、1週間以内の出来事というわけだ。この事象の重要性は、すべての読者の皆さん、そしてすべてのファイナンシャル・アストロロジャーにとって明白であるはずだ。

*日本時間9月4日早朝

  さて、あたかもこれではまだ足りないとでも言うように、木星はそれから1日後の9月4日*、天王星(変化の惑星)に近い位置(牡牛座)で逆行に転じる。こうして、8月23日〜9月4日の12日間に4つの惑星がその方向を変えるのだ。これもまた相場変動に関わる1つの公式だ。そしてそのミッドポイントは、ちょうど天王星が逆行に転じる時期にあたる。通常は、短期間に3つの滞留〜方向転換が起きれば十分なのだ。だからこれは、同じ内容を異なる言い方で語っているようなものだ。何かが今にも変わろうとしている。そして今、世界と金融市場が奈落の底に落ちているかのように見えるとすれば、ひよっとすると、それはまだ現実化していないのかもしれない。

*日本時間9月5日に日付が変わる寸前
 (日付が5日に変わってまもなく月が木星を通り、その日の夕刻に天王星を通る)


    金星はまた、個人の貯蓄(牡牛座)と、正義の裁定者として裁判の公正さを支配する。今回の『短期ジオコズミクスと長期的考察』冒頭で引用したように、このところ、どちらのコンセプトも世相において非常によく顕現している。9月3日〜4日、金星と木星の両方が方向を転換する時、市場と裁判所(とりわけ世論)が果たしてどのような変化を見せるか、興味深いことだ。

貯蓄層が再び恵まれるということは、長期的に見れば、経済のソフトランディングには良い兆候だと思う。過去20年を通じて投機家にならざるを得なかった国よりも、節約し貯蓄する人々が恵まれる国のほうが経済的安定を永続させるチャンスがあるからだ。この事実は世代間を引き裂き、互いに大きな不信感を抱かせる1つの要因にもなっている。したがって、前述の兆候は社会的な弱点となってきた「貧富の差」と「世代間格差」を埋めるにあたって役立つかもしれない。

    こうして、貯蓄層が報われるという社会的な意味合いでの希望は存在する。だが政治的には、もし今の有力候補二人のうちどちらかを選ぶということになれば、彼らと彼らそれぞれの支持者との間に存在する「愛」(金星)が失われることはなく、またどちらの候補者も、立候補する意志と資格を持つ他の候補者達と議論しようという気もなさそうだ。これで米国市民の意見を「気にかける」こと、その知性を尊重するという当たり前の鉄則を正当化出来るのか、はなはだ不可解だ。

もしあなた方が有力候補として、自分達が主張するように真に米国の未来を気にかけているのなら、こういった討論をすることを厭わない人々にどう対応し、どうやって米国の未来に対するあなた方のプランの相違を国民に明確に理解させるつもりなのか? 聞かせてもらいたいものだ。そうすることで、初めて市民は十分な情報に基づいた知的な投票への決断を下すことが可能になる。そうでないなら、これは「不正選挙」を行う意志の発露にしか見えない。

だが、次のような考えもある。もしかしたら、有力候補者や党首達は、米国人が十分な情報を得て知的な判断を下すことなど望んでいないのかもしれない。もしかすると、もうまったく別の何かが水面下で働いているのかもしれない。ちょうど冥王星が山羊座(権力と支配)に戻っているように、それはまったく別の問題なのかもしれない。

    水瓶座に再び入っていく冥王星は、2024年の選挙までに、あるいはその直後に、この問題について何かドラマチックで予想もつかないようなことを言おうとしているのかもしれない。






訳文ここまで
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August 06, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント8/7【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年8月7日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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≪先週をふり返って≫

  “バイデン大統領と共和党議員達との対立によって歴史的デフォルトの寸前まで追い込まれてから数週間後、フィッチ・レーティングスは米国政府の格付を引き下げ、債務負担の重荷とワシントンの政治的機能不全に対する警告を発した。フィッチは火曜、過去20年にわたる米国の「ガバナンスの衰退」を反映するものだと述べた。バイデン政権の閣僚はフィッチの決定を批判し、ガバナンスの問題はトランプ政権の責任だとした上で、米国が債務返済に支障をきたすリスクはないと反論した。”

  ― Matt Grossman and Andrew Duehren
    “Fitch Downgrades U.S. Credit Rating”
    Wall Street Journal 2023年8月1日付

  “格付会社の一つ(それがどの会社だろうと関係ない)が、米国政府を「何か(それが何だろうとどうでもいい)」から「別の何か」に格下げした。市場は米国の財務状況や債務上限問題の醜態で繰り返される茶番劇を気にしている。格付会社がこの問題をどう見ているかなど誰も気にしてなどいない。

  ― Dr. Paul Donovan
    “Things Which Do Not Matter”
    UBS Morning Audio Comment 2023年8月2日付

  “非農業部門雇用者数は18万7000人増と、ダウ・ジョーンズの予想20万人を僅かに下回った。期待の数字は外れたが、実際には6月の下方修正値である18万5000人から小幅な増加となっている。失業率は3.5%で、3.6%で安定するとのコンセンサス予想に反している。この失業率は1969年後半以来の低水準だ。”

  ― Jeff Cox
    “The U.S. Economy Added 187,000 Jobs in July,
    Fewer than Expected”
    www.cnbc.com 2023年8月4日付

  世界の株式市場は天上の惑星がもたらすテーマに非常に近い反応を示した。つまり、8月1日に火星が木星と調和的なワクシング・トラインを形成してから2日のうちに、ほとんどの株式指数が新サイクルの高値、またいくつかのケースでは年初来高値をも更新している。だが、太陽が木星とのワクシング・スクエアに近づいた週の終わりには、ほとんどの指数が急激な下落を開始した。

  アジアと環太平洋地域では、週を通してほとんど似たような動きだった。火星が木星にトラインを形成した7月31日または8月1日に、サイクル新高値かダブル・トップの形成となっている。その後8月3日木曜〜4日金曜には、そのほとんどがやや急な下落を喫した。例外はインドのNIFTYで、7月20日に史上最高値を更新した後、先週末の8月4日まで継続的に下落していた。

  ヨーロッパでは、7月31日にドイツのDAXが史上最高値を更新した。オランダのAEXは前週の金曜(7月28日)に18ヶ月ぶりの最高値に舞い上がっている。またチューリヒのSMIとロンドンのFTSEも、前週の7月27日〜28日にサイクル新高値を更新した。これら四つの指数はすべてが8月3日木曜〜4日金曜に大きく売られた。

  米国では、直近の高値の様相に顕著な違いが見られた。ダウ平均は8月1日火曜に年初来高値を更新し、S&Pは前週の7月27日に年初来高値を更新している。ナスダックは金星逆行直前の7月19日に年初来高値を更新した。そしてこの三つの指数全部が8月3日木曜には急落している。雇用統計のニュースを受けて、どれもが当日前半は急騰したが、その後再度急落に転じ、ダウ平均とS&Pは週の最安値を更新した。こういった異市場間弱気ダイバージェンスは多くの場合、今後の下げの兆候となるのだが、来週(8月9日)に起きる金星・天王星スクエアが反転の代わりにブレイクアウトとなれば、さらに大幅な下落となるかもしれない。

  他の市場もまた先週はジオコズミック・サインに対し顕著な反応をみせた。原油は金曜に83.24まで急騰、4月12日の年初来高値83.52に挑んだ。だがわずか5週間前には67.00前後で取引されていたのだ。米国は年初、原油が62〜67ドルまで下落した場合は戦略石油備蓄を補充すると発表した。だがそれは為されていないと報じられている。確かにそのように見受けられる。埋蔵量はここ数年を見ても最低かそれに近いレベルに留まっており、7月末現在で3億4676万バレルと、2020年の6億5000万バレル超(直近の最高値)をはるかに下回っているのだ(www.ycharts.comより)。

  金と銀は金曜の市場前取引において、射手座を運行し始めたヘリオセントリックの水星に連動し、メジャーサイクルの安値を更新した。この惑星/星座宮の組み合わせは、数日間続く金価格の上昇とは約75%の相関関係を保つ。銀もまた、金と同じ経路を辿っており、金星が逆行する7月20日にメジャーサイクルの高値25.47まで上昇したのだが、この直近の騰げ幅の50%ほど下落している。銅も7月19日につけたサイクル最高値から下落した。大豆も金星逆行直後の7月24日には直近高値から急落している。一方、ビットコインとイーサリアムは、先週火曜(8月1日)にトレーディングサイクルの底を着けた可能性がある。

  要約すれば、天上のタイミングは7月22日の金星逆行、8月1日の火星・木星トライン及び満月、そしてそれに続いて起きる8月7日の太陽・木星スクエアに近づいているが、これは重要なサイクルのターニングポイントと密接に同期しているということだ。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “ドナルド・トランプは現在、2021年1月6日前後の行動に関して刑事責任を問われている。彼は2020年の大統領選挙で敗北を喫した後、それまでの権力を保持する目的で憲法の定めを破壊する陰謀を指揮した罪に問われている。この7年間というもの、民主党はドナルド・トランプについて語りたがらない共和党議員を非難してきた。では何故彼らはハンター・バイデンの件について敗北を認めず、見通しが悪いとさえ言わないのか? 彼らは何故正直に「問題を抱えている」と言わないのか? 主要メディアにはやるべきことがある。それこそが「記事」なのだ。たとえ結果がどうあろうと、だ。”

  — Peggy Noonan
    “Trump’s Jan. 6 Trial: We Owe It to History: Meanwhile,
    Hunter Biden’s Legal Problems Become Newly Substantial
     to Voters in the American Middle”
    Wall Street Journal 2023年8月5日付

  現在、宇宙の動向は非常に複雑だ。金星の逆行は、その特質としてよく知られていることをやっている。優柔不断で、あらゆる事柄に関して賛否両論が存在する。木星がこの問題に関与していることも助けにはならない。木星は火星との調和的なトラインを8月1日火曜に離れ、8月7日月曜に起きる試練のアスペクト、太陽とのスクエアに向かっている。どちらのアスペクトも4取引日以内に起きる急激な価格変動や、突然の反転との高い相関性を持っているが、8月1日火曜のサイクル高値から8月7日月曜へと近づくにつれてそれが起きようとしているのだ。

  次は予測不能を旨とする金星・天王星スクエアで、7月上旬〜9月に都合3回形成するうちの2回目だ。7月3日の初回形成時は株式市場の年初来高値更新と相関し、その後1週間はやや急激な下落が示現したが、また上昇に転じて最高値を更新した。

天王星は、他のどの惑星とのアスペクトにおいても4取引日以内に反転することがあるし、プライマリーサイクルの安値または高値付近で取引されている場合にはブレイクアウトすることもある。これは予測不可能だ。全3回にわたるアスペクト形成シリーズの2回目の形成は通常、最も明白で最も劇的な動きとなる。さて反転なのか、ブレイクアウトか? しかも、来週末には逆行する金星が太陽とコンジャンクトする — つまり中間点に達する。この時期もまた多くの場合、±2取引日のうちに市場の反転を示唆するシグナルとなる。 

  ところで皆さんは、その後天王星がひと休みすると思うかもしれない。だがそうはならない。2023年8月は、金融市場であろうと個人的人間関係であろうと、破棄された契約、あるいは地上の自然現象など(地震、ハリケーン/台風、竜巻 etc.)、天王星の大混乱が起きる月だ。もちろん、人工知能の技術革新に関する新発表や、他の科学分野や宇宙空間における新発見の報告と合致することもある。しかしまた、誰ひとり予想もしない時や場所で起きる暴露やテロ行為を示唆することもある。8月16日、太陽は天王星と分離のスクエアを形成し、同じ日に火星はこの混乱の惑星とトラインを形成する。8月28日、天王星は滞留〜逆行に転じるが、これは私達が発表した調査研究において明らかになった、非常に強力な逆行運動の一つだ。

今月は穏やかだったり静かに終わるような月にはなりそうにない。金融市場は宇宙における天王星の活動が示唆する乱気流を反映し続ける可能性が高い。今月は多大なリスクを伴う月になりそうだ。だがタイミングさえ良ければ、このようなリスクは大きな利益を生み出す可能性もある。だがそうならない場合、損失が積み重なる可能性がある。もしも期待通りに運ばなかった場合を考えて、プランと同時にバックアッププランの両方を持っておいたほうが良い。そして、近くのカイロプラクターを“サポート”する準備をしておこう。天王星の巨大な影が立ちはだかる時は、得てして “ムチ打ち症” (あるいは買ったら下がり、売ったら騰がる泥沼)になりやすいからだ。

  そして...あぁ、そうだ。天王星はアストロロジーを支配している。ということは、期待し得る事柄の一つとして、宇宙サイクルと人間活動のサイクルとの関わりを理解する人々に対し、メディアの注目が集まるなどということも、もしかしたらあるのかもしれない。

今日の激しく極化した政治状況、その狂気とドラマ、そして2024年の米国大統領選で二人の有力候補を取り囲む諸問題を、いったい他の誰が適切に解読出来るだろう? 真実の代わりに、私達は根も葉もない陰謀を追い求めているように見える。愛の代わりに、闘争を選択しているように見える。それはまるで、静寂と内的平和の代わりに抗議の大声と抵抗のほうに惹き寄せられているようだ。そして信頼の代わりに信頼出来ない人物を探し求めた挙げ句、それらにより大きな注意を払うのだ。

天王星という惑星は、こういった騒動との相関性を持つにもかかわらず、論争のただ中に在っても真実を追究しようとする。真実の追究は、しばしば論争という困難と向き合い、乗り超える行為をともなう。8月は、2024年の米国大統領選の有力候補二人を始めとした多くの人々にとって、そんな課題が山積しそうだ。それはすでに始まっている。だから気を引き締めていこう。今月は弾劾と投獄への賛否両論がメディアを賑わすホットな話題となるかもしれない。






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:55|PermalinkComments(0)

July 23, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント7/24【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2023年7月24日(フリー版より)

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≪ 先週をふり返って ≫

  “日本の6月の総合物価指数(ヘッドラインインフレーション)は3.3%に上昇し、8年ぶりに米国のインフレ率を上回った。これは、来週開かれる会合で、超金融緩和政策の解除を求める投資家からの声に直面する日本銀行に対する圧力を高めている。日本は世界で唯一マイナス金利を導入している中央銀行であり、この戦略を転換すれば世界の金融市場に大きな影響を与えるだろう。”

  — Kana Inagaki
    “Japan’s Inflation Outpaces US Price Rises for
    First Time in 8 Years”
    Financial Times 2023年7月21日付

  さて、今週末に頂点を迎える強力なレベル1のジオコズミック・サインのラインナップだが、どこから始めようか? 影響を受けるであろういくつかの金融市場についての詳細な分析とタイミングについては、7月16日に開催した金融市場に関する年央ウェビナーの4時間にわたる録画の視聴を強くお勧めする*

*現在、下記にて入手可能(英語版)
https://www.mmacycles.com/product/mid-year-2023-webinar/


  では、7月22日土曜の金星逆行からスタートしよう。私達は数年前、この強力なジオコズミック・サインを世界の中央銀行における重要な政策変更の指標として特定した。金星の逆行は、通貨や国債といった金利関連市場にダイレクトな影響を与える。上記フィナンシャル・タイムズからの引用に示されたように、日本の最新の消費者物価指数が予想以上に上昇している — ついにだ! さて、日銀はどうするだろう? 何年もにわたってマイナス金利を続けてきた日銀は、利上げに踏み切るだろうか? 金星の逆行下において、その可能性はある。

  ここで一つ興味深い事実がある。金星の逆行はおよそ19ヶ月ごと、つまり8年の間に5回起きるということだ。そして5回目ごとに同じ星座宮の同じ領域で逆行を開始する。それら五つの点を線で結ぶと、チャートの上でほぼ完璧な五芒星が浮かび上がるのだ。今回の逆行は獅子座で起き、前回は2015年夏(8年前)に起きた。当時、中国は自国通貨を米ドルに対し再ペッグして世界の金融市場を驚かせた。世界貿易取引で米ドルに対抗しようと、金に裏打ちされたBRICSの新通貨を立ち上げる可能性について議論がエスカレートしているのは言うまでもない事実だが、日本とその中央銀行も、世界の通貨市場に似たような混乱を引き起こす瀬戸際にあるのかもしれない。今のところ、この発表に対して通貨市場は非常におとなしい反応を示している。だが、金星は42日間の逆行を始めたばかりだ。ちょうど水星逆行時のように、ホイップソー(相場の激しい上下動によって買えば下がり売れば騰がる状況が頻出する)やフェイクアウトが示現しやすい。とりわけ7月〜9月の間は金星が天王星(混乱、驚愕、突然の反転)と3回にわたるワクシングスクエアを形成することからそれを助長する。

  さて、金星逆行のみが今起きている超・刺激的なアスペクトではない。乙女座(労働力)の火星(怒り)は「労働争議」と関連する。その火星は今現在(7月20日)、魚座(映画とエンターテインメント)の土星(不平、不満)とオポジションを形成している。そしてハリウッドがストライキに突入だ! これがどれほど深刻なことか、世界が理解しているとは思えない。世界はハリウッドという存在を真剣に捉えたことがない。これは魚座関連の全般に対して言えることかもしれない。しかし、ここで失われる巨額のお金と同時に、長期にわたって失われる可能性のある貴重な芸術や文化活動も存在する。だからこの先数ヶ月、あるいは数年間にわたり、何も起きなかった状況と比べて少し憂鬱な重苦しさが増す怖れがある。これは魚座の土星が辿る可能性の高い展開なのだ。また金星逆行も獅子座で起きるため、昔好きだった映画の再放送を観る時間が多くなるかもしれない。獅子座で逆行する金星はノスタルジーを好む。人生が楽しくて仕方なかった時代に戻りたいと思うのだ。その一方で、魚座の土星に対向する乙女座の火星は、映画ファンのみならず、映画スターやプロデューサーなど、アメリカ映画全般に関わるすべての人々にとっての “バズキル”(盛り上がりをぶち壊す者)となりそうだ。

そして次に登場したのは映画『バービー*』だ。2023年最後とも目される超大作が、何百万人もの母親と子供達の思い出の小径を散歩するような映画だというのは興味深い。

*米国のファッション・ドールとして世界中で愛されてきたバービー人形を主人公とした実写映画。しかし映像中に九段線(中国が南シナ海に勝手に引いた領有権を主張する線で、中国・海南島の南からベトナム沿岸を南下、南シナ海の奥まで達してから、今度はボルネオ島やフィリピン沿岸を北上、台湾の南まで至る9本の線)が映り込んでいたことからベトナムで公開禁止となったという。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “連邦準備制度理事会(FRB)は、新たな高速決済システムにより米国の銀行利用者にとってほぼ瞬時の送受金が可能になることを期待している。しかし、より高速なネットワークが広く普及するまでにはまだ数年かかる可能性がある。FRBは木曜、長く待望された「FedNewシステム」を立ち上げたと発表した。このシステムは請求書の支払い、給与小切手、その他の一般的な消費者および企業向けの送金を24時間いつでも迅速に行えるようにすることを目的としている。これは、週末に閉鎖され、ときに顧客が資金を利用出来るようになるまで数日かかることもある従来の遅いシステムからの変更だ。”

  — Andrew Ackerman
    “Fed Launches Payments System That Will Deliver Paychecks to
     Bank Accounts in a Flash”
    Wall Street Journal 2023年7月20日付


上がるものは...   
降りてくる...   
巡りゆくものは...   
巡りくる...   
失われたものは...   
再び見出される...   

  アラン・パーソンズ・プロジェクト『What Goes Up…』より
  Arista Record 1978年

  



  金星の逆行下において、FRBは新たなシステム「FedNow」を導入する。だが金星逆行のみならず、火星・土星、太陽・冥王星のオポジション、そして木星・海王星セミスクエアが重なるこのタイミングで、果たしてすべてのバグが解消されたのかが懸念される。これらのシグナルはどれを取っても「準備万端整った」という感覚を与えてはくれない。何故なら、どの組み合わせも「何かを円滑に運営すること」に関しては試練に満ちた歴史を持つからだ。火星・土星には「準備が整う前に何かを始めようとしている」というフラストレーションがある。太陽・冥王星には「十分な安全対策を施してしかるべき部分への危機」という脅威に曝されることがしばしば起きる。木星・海王星の場合は、楽観的になりすぎる嫌いがあり、細部への無頓着さが見られる。私達は、何かが狙いどおりに上手くいくことを “願う” かもしれない(多くの人がこれに含まれるダークサイドを感じ取り、上手くいかないことを願うのは冥王星が関与する時の自然な成り行きだが)。しかし、やって来る現実は、願いが叶うというのとはまた別の何かだという可能性がある。

  世界の株式指数に関して言えば、7月21日の木星・海王星セミスクエアは、しばしば非合理的高揚感やヒステリー状態と相関する力学を顕す。今現在、世界の株式市場は前者の様相を呈しており、多くの市場が大きな利益を生み出す相場つきとなった。ダウ平均、S&P、ナスダックは先週末に年初来高値を更新し、そして市場のセンチメントと期待感が米国で言うところの “Turn on a dime(急旋回)” するかもしれない、この強力なジオコズミック・サインの時間帯に突入した。

  金と銀も力強い上昇を見せた。金の上昇は、7月20日にサイクル新高値である1989に達し、MMAの★★★重要変化日である6月29日につけた安値1900を大きく上回った。銀は6月23日につけた直近の安値22.14から、やはり7月20日木曜には25.47まで急騰した。原油は4月下旬以来の高値を試し、1バレル77ドル近辺で引けた。ビットコインは7月13日の年初来高値31,827を下回り、週のほとんどで下げていた。そして30,000をわずかに下回って週を終えている。 だが、もっと大きな話題となった — あるいは今後もなりそうな動きは通貨市場に起きていた。ユーロは先週1.1275と年初来高値を更新したが、日本円はインフレ率が予想以上に上昇する中で先週末から急落し始めた。これは日銀が自国通貨を支えるため(そしてインフレと闘うため)に利上げを検討しなければならない可能性を示唆するが、これまでのところ誰にも買いの動きは見られない。

  金星が逆行するこれからの6週間、とりわけ逆行サイクルの中間点の近辺で天王星に2回目のスクエアを形成する8月9日あたりの状況は興味深いものとなりそうだ。金星は「期待する」惑星だが、期待が裏切られると優柔不断になることでも知られている。そして逆行運動は「決定を覆す」ことで知られている。物事が期待どおりに運ばず優柔不断になり、以前下した決定を覆すべきだと感じながらも、もう失敗はしたくないと思って行動出来ない時、あなたはどうするだろう? 動けずに固まってしまう。自分が口にすることのすべてに免責事項や修飾語を駆使し、その意味するところは何なのか?という憶測で周囲を混乱させる。そしてこれが今後のFRBに課される試練であり、おそらくは他の中央銀行にとっても課題となるものだ。 

  これからの数週間、誰もが覚えておきたいだろうことの一つ、それは「物事はこういう筋道を通って上手くいくだろうし、そうあるべきだ」という特定の期待感に固執しすぎないことだ。仕事でも恋愛でも市場でも、その期待感が期待したとおりには顕現しない可能性があるからだ。

だから今ここ、この瞬間を楽しんでほしい。あなたの周囲には多くの気晴らしや楽しみ、喜びの可能性が潜在している。だが、「次」に期待しすぎるのは要注意だ。木星が海王星にセミスクエアを形成し、火星が土星に対向し(オポジション)、太陽は冥王星と対向する。バブルは弾けるかもしれない。(そうなれば)頭もクラクラするだろう。






訳文ここまで
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July 09, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント7/10【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年7月10日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★原則として隔週掲載を予定しています。時々不定期にお休みさせていただくことがあります。


≪ 先週をふり返って ≫

  “雇用者数は20万9,000人増加し、失業率は3.6%に低下した。雇用主は限られた労働者を奪い合うように賃金を引き上げた。雇用者数の増加は力強いものであったが、年初からの伸びは鈍化した。”

  — Sarah Chaney Cambon
    “Jobs Report Shows Hot Hiring Cooled in June;
     Wages Rose”
    Wall Street Journal Online 2023年7月7日付

  “日本円がジェットコースターの“ダウンサイド”にある一方で、ユーロと英ポンドは上昇コースを辿っている。ユーロは1ドル=1.09ドルで取引されている。これは9月に96セントを下回って以来、14%近くの上昇だ。このユーロ高はどう説明しようと理解するのは難しい。”

  — “The Global Currency Roller Coaster:
    The Yen is the Warning That All Is Not Well for Monetary Policy”
    The Editorial Board, Wall Street Journal 2023年7月4日付

  先週は連休によって取引日が短縮された週だった。だが海王星が逆行に転じ、満月が起き、そしてこれから9月末までの間に起きる3回の金星・天王星スクエアの初回形成が起きたことから、金融市場は開始早々から急激かつ重要な値動きを見せた。このところ続いたトレンドの急激な反転が、いくつかの市場で突然発生した。

     前週、6月30日金曜には “ギャップアップ” と “強気アイランド・リバーサル”のシグナルを出すなどすこぶる強気で四半期を終えたダウ工業平均(そして他の米国株式指数)は、突然反転した。連休明けとなる7月6日木曜、ダウ平均は “ギャップダウン” し、新たな “弱気アイランド・リバーサル” が示現したのだ。こうした弱気転換については、7月4日火曜、タイムリーに配信された購読者向けスペシャル・リポートの中で精密に捉えられている。—『もし私がMMAのマーケット・タイミング・ツール(つまりサイクル研究とジオコズミック・ファクター)のみを使ってトレードするなら、ここからいつでも始まり得る急落を期待するだろう』。非常に強い可能性として、週刊購読リポートのトレード戦略セクションで好まれるような単なる高値ではなく、今現在プライマリーサイクルの高値が形成されているという仮定を無視することは出来ない、ということだ。—『引けで34,122を下回るなら、強気アイランド・リバーサルの設定を否定することになる。それは弱気転換であり、... に向けて急激な下落が起きることを意味する』。

こうした強力なチャート・シグナルや一連の用語、そして最適な取引チャンスを得るためのマーケット・タイミング・ツールをいかに統合して使用するかについて、まだよく知らない皆さんのためには『The Ultimate Book on Stock Timing Volume 5 : Technical Analysis and Price Objectives(究極の株価タイミング 第5巻:テクニカル分析と価格目標』をお勧めする。

     さて、無論今は、これがプライマリーサイクルの安値に向かう下落の始まりなのか、それとも数ヶ月は続く可能性のある、より長期のサイクルの始まりなのかを見極めることが課題となる。これは来週末に開催される恒例の「年央ウェビナー」における焦点の一つだ。

     ヨーロッパの株式指数は米国のそれよりさらに大きなストレスを示すものだった。ロンドンのFTSEとチューリヒのSMIの下落は特に衝撃で、両指数ともに過去3ヶ月の最低水準に至る下げを喫した。下落の大半は先週末に起きている。

アジア及び環太平洋地域はまちまちの結果だった。インドのNIFTYは金曜、史上最高値を更新した。一方、日本の日経平均は7月3日月曜に33年ぶりの高値を更新し、その後は金曜の安値に向けて1500ポイントもの急落をみた。オーストラリアのASXも、香港のハンセンとともに金曜に打撃を被った。だが中国の上海指数はすでに急落の途上にあり、7月4日に向けて一時的な上昇をみた後で再び下落し、2023年の安値更新に挑戦するまでにエスカレートしていった。

     他の市場では、ビットコインが7月6日木曜に31,500ドルと再び年初来高値を更新したが、その後突如として反転し、金曜の安値までに2,000ドルを失うこととなった。原油は海王星が逆行に転じる直前の前週6月27日につけた直近安値67.50から74.00近くまで上昇した。海王星は原油の共同支配星だ *。また金は6月29日、まさに★★★の重要変化日に1900まで下落、7月6日木曜に再度1908を試した後、7月7日金曜には1940を超えるまで騰げた。銀も同様で、6月21日夏至につけた22.14のサイクル安値に続いて7月5日に23.50を試すなど、そこそこ良好な1週間となった。
*もう一つの支配星は木星
また、より大きな話題となったのは通貨市場の動きだった。ドル/円は6月30日に145円に急騰、年初来高値を更新した。さらに、ユーロはここ2ヶ月の最高値近辺を維持している。これは通貨市場における非常に興味深く、奇妙でもある二項対立の様相だ。まさに牡牛座の天王星が好む状況であり、とりわけ金星が天王星にスクエアを形成した週に続いて起きているというのも注目に値する。金星と牡牛座は通貨市場の動きと親和性がある。お金以外のことなら、金星は(そして金星が支配する牡牛座も)愛情問題に関連する。そしてそれらは多くの場合、ともに動く。ノーマネー(&セキュリティ)、ノーラブというわけだ。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

     “ライアンはCNBCでこう語った。『トランプとバイデンはある種の共生関係にある。彼らは互いに立候補のための最善策を講じるのだが、それは我が国にとって完全な災難だ』。”

  — Kevin Breuninger
    ”Trump Is The Only Republican Who Will Lose to
    Biden in 2024, Paul Ryan Says”
    www.cnbc.com 2023年7月4日付

     “初回予備選まで残り6ヶ月となり、最初の共和党討論会は来月に迫っている。ここで唯一確かなことといえば、共和党員、民主党員、そして無党派層における明確、かつ一貫した大多数が、実現しそうなレースのカードたるジョー・バイデン対ドナルド・トランプの対決という選択肢を望んでいないということだ。もしどちらかの党が歴史に対して大胆でシリアスな態度で臨むなら、今のフロントランナーを振り落として2024年に勝利する可能性を高めることだろう。”

  — Peggy Noonan
    “May Trump Soon Reach His Waterloo”
    Wall Street Journal 2023年7月8日付

  “「失言」とは、政治家が真実を口にすることである。”

  — Michael Kinsey, as quoted by Steven E. Koonin
    “The White House Tells the Truth About Climate Change:
    Global Temperature Change Barely Affects Economic Growth”
    Wall Street Journal 2023年7月6日付


  7月7日の雇用統計は予想より少しだけ、はかばかしくなかった。しかし、2022年のインフレ率上昇を原因として、多くの人々が生きるために二つ以上の仕事を掛け持ちしたり、定年後の暮らしを返上して働きに出ることを余儀なくされていることを考えれば、さらに印象が悪くなるだろう。確かにインフレ率は2022年の高水準からは下がりつつある。だが、それでも生活費のほうは去年の水準をはるかに上回っているのだ。ある商品が50ドルだったとして、それが100ドルまで高騰し、その後75ドルに戻ったとする。そうなれば政治家はインフレ率を25%下げた!と騒ぐことが出来る。しかし、それでもまだインフレ率は当初より50%高いのだ。FRBや他の世界の中央銀行が現在直面しているのはこういった懸念だ。彼らは英国のように、インフレと闘い続けるために再び利上げに踏み切るのか、それとも忍の一字を決め込んで、最近の急ピッチの利上げが果たして望んだ効果をもたらすのかどうかを見極めるのか?

7月22日に金星が逆行に転じようとしている今、私達はその疑問への答を見ることになるだろう。何故ならこうした金星逆行下において、中央銀行が突然の発表や政策変更を行う事例が多いからだ。そして金星の逆行下では、突然の政策変更が計画どおりにいかないケースがしばしば見られる。一方、より個人レベルの話をするなら、金星は美と外見を司る。だからそれにまつわる決断についても同様のことが言えるわけだ。金星逆行は9月の第1週まで続く。したがって、美容整形やお金のかかる家のリフォームなどは、この期間が過ぎるまで延期するほうが賢明かもしれない。

  市場に話を戻せば、7月21日からの期間は他にも非常に強力なジオコズミック・リバーサル・サインが含まれる。先週のコラムで論じたように、『火星と土星が対立し(対向/戦争のような熱気)、太陽と冥王星が対立(対向/農作物や生命への脅威または危険が生じる怖れ)、木星が海王星とセミスクエアを形成(洪水、より一層の非合理的熱狂やパニック)し、そして最大のビッグバンたる金星逆行が起きるのだ。先週始まった逆トレンドは、7月21日±1週間ほど続く可能性がある。もしそうなるなら、さらなる素晴らしい取引機会がもうすぐそこまで来ていることになる。

そんなわけで、7月16日に開催する金融市場についての年央ウェビナーは非常にタイムリーな内容となるはずだ。そこでは7月21日に示現する強力なジオコズミック・サインに向かうにあたり、最も利益を生み出せる取引と投資機会を提供するだろう市場について概説する予定だからだ。したがって来週のコラムは休載させていただくが、ウェビナーで多くの方々とお会い出来ることを楽しみにしている。






訳文ここまで
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June 25, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント6/26【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2023年6月26日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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★原則として隔週掲載を予定しています。時々不定期にお休みさせていただくことがあります。



≪ 先週をふり返って ≫

  “米国株は金曜に下落し、S&P500は3月に起きたシリコンバレー銀行の破綻以来、最悪の週となった。これは3ヶ月にわたる上昇相場が終わりを告げる可能性を示唆している。”

  — “U.S. Stocks Fall to Cap Off Worst Week Since March”
    www.marketwatch.com 2023年6月23日付

  “ビットコインは業界が非常に多くの難題を抱えているにもかかわらず、デジタル資産に対する新たな熱狂が追い風となり、1年ぶりの高値に舞い上がった。”

  — Vildana Haljic
    “Bitcoin Hits Highest in a Year
    as Crypto Rebounds From Scandals”
    Yahoo Finance, www.yahoo.com 2023年6月23日付

  1週間が終わった。何とエキサイティングかつ奇妙で、悲劇的な週だったろう。そのすべては土星が逆行し、海王星とスクエアを形成する双子座の新月が起きた直後の週末、6月16日〜19日、MMAの★★ジオコズミック重要変化日に起きた。

ビットコインが、デジタル通貨時代の “帝王” を年初来高値に押し上げる素晴らしい騰げっぷりを再び見せ始めたのだ。だが、わずか7ヶ月前にはスキャンダルに見舞われ、多くの人々がその差し迫った終焉を予測していた。

  海王星はスキャンダルを支配する。ロシアの対ウクライナ戦争で最も大きな戦果を挙げているワグネル傭兵民兵組織の長、エフゲニー・プリゴジンがロシア軍の指導者たる人物に対し、これまでで最大の怒りの矛先を向け、彼らが自分達の訓練キャンプに攻撃を仕掛けたと主張したのだ。彼はロシア軍の参謀総長たる者が、偽りの語り口の下にロシアを戦争へと導いたとまで非難した。「偽りの語り口」か。海王星の仄暗い香りだ! また先週は悲劇的でもあった。何故ならタイタン潜水艇は100年以上前に沈没(海王星)した伝説の豪華客船タイタニック号を訪れる任務の途上だったからだ。タイタン号は消滅し(海王星)、乗組員、乗客全員の命が失われたという(魚座の土星、土星が支配する山羊座に戻った冥王星)。

  また、世界の株式市場の大方が下落を喫し、その多くが3月以来、週単位で最悪の下げ幅に見舞われた。金と銀もまた数週間ぶりの安値を更新し、原油もそれに近い下げを喫した。その一方で、ドル/円、大豆、ビットコインは数週間ぶりの最高値を更新している。奇妙だ。ドルは対円で騰げたが、対ユーロでは下落した。ヨーロッパでは利上げが続き、アジアの一部では利下げが続いている。7月22日に金星が逆行することで、世界の中央銀行が大規模な政策変更を行うことの多い時期となる。そのあたりで何が起きるのかが最も興味深いところだ。金融界はどこまで変則的な様相を呈するだろう?



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “英国のテレグラフ紙は今週、英国海軍の退役軍人であるクリス・パリー元少将の言葉を引用した。彼は『なぜ誰も彼もがこんな“怪しげなテクノロジー”に手を出すのかね?』と首をかしげる。『あれは根本的に危険でバックアッププランもないし、そもそもが実験的なものだ。こう言ってはなんだが、もし海底に降りて見物でもしてやろうと思うなら、それは驕りというものだろう』。確かに彼は誰もが認める不沈戦艦だ。”

  — Peggy Noonan
    “Why the Titanic Keeps Drawing Us In”
    Wall Street Journal 2023年6月24日付

  土星と海王星の逆行開始に挟まれた1週間は、両惑星が持つテーマに関連した抑圧効果がみられた。土星は損失や喪失の時期と同期するケースがある。土星は現在魚座に在泊するが、そこは海に関わる星座宮だ。海王星(ネプチューン)は魚座を支配しており、海の神だ。さらに、海王星が絡む時はしばしば責任感の欠如や細部への注意力が欠如することが多く*、後に問題を引き起こす可能性がある。この二つの特質が結び付くと、これらの力学は先週、世界が悲しみや嘆きとともに目撃した悲劇的な喪失の時の予兆となることがある。伝説のタイタニック号の廃墟を見物すべく造られたタイタン潜水艇とそれに乗り合わせた乗客全員が、技術の欠陥により死亡したことが明らかになった。それはまるで、タイタニック号の呪いのようにも見える。


* 後になって思い起こすと「あの時は何故か、ただなんとなくやってしまった..」というような感覚

  先週は世界の株式指数にとってもまた憂鬱な週となった。先週のコラムでは土星の逆行に関連して高値 — おそらくメジャーサイクルの高値 — からの引き戻しの可能性があることを指摘した。今週もまた同様に重要だ。二つの強力なレベル1のジオコズミック・サイン(相場の反転との相関性が最も高い)が起きるからだ。まずその一つとして、6月26日月曜にドラマティックな火星が同じようにドラマティックな天王星とのワクシング(開いていく)スクエアに入っていく。それに続いて海王星は6月30日に逆行する。この最初のアスペクトは、非常に重要だ。何故なら、これが同時にニューヨーク証券取引所(NYSE/1792年5月17日)チャートの水星・冥王星スクエアをいずれもオーブ1°以内というタイトさで活性化させ、不動宮Tスクエアを形成するからだ。過去において、この種の構成は株価やしばしば金価格の急反落の終わりとして観察されてきた。こうした構成と過去の市場動向との相関性は何度も繰り返し起きてきたようで、金融アストロロジーが市場参加者の取引計画における市場タイミング・ツールとして価値ある存在であることを改めて証明している。

  二つめの重要なシグナルは、6月30日に海王星が自ら支配する星座宮、魚座で逆行することだ。これは10取引日のオーブをもって、世界の株式市場、とりわけダウ工業平均のプライマリーサイクル(安値または高値)とは最も一貫した相関性を持っている。そして再度言及するなら金についても同様で、この時間帯の前、またはこの時間帯の間に安値をつけた後で2週間にわたる印象的な上昇を始めることが観察されている。したがって、これは株式市場と貴金属市場の両方にとって重要な転換点となる可能性を秘めている。今週か、または来週にでも、両市場が過去の動向を繰り返すかどうかを見てみよう。



≪ 長期的考察 ≫

  “チャールズ・シュワブ社によると、1000人の回答者を対象とした今年の調査で明らかになったのは... 自分が裕福であると感じる米国人の48%の平均純資産が56万ドルであるのに対し、富裕層だと見なされるには220万ドルが必要だと考えているとのことだ。この調査では、米国人のおよそ2/3(62%)は大金を持つことよりも、愛する人々との健全な関係を享受出来ることのほうが豊かさをよく顕していると答えている。また10人のうち7人は、豊かさとはより多くのお金を持つよりも、お金のことでストレスを感じなくて済むことだと答えている。”

  — Erica Lamberg
    “Do You Think You’re Rich?”
    www.foxbusiness.com 2023年6月18日付


  “...大衆が冷静になるのをけっして許してはならない。過ちや間違いをけっして認めてはならない。敵の中にも長所があるかもしれないなどと言って譲歩してはならない。代案を考慮する余地などけっして残すな。そして非難を受け入れるな。一度に一人の敵に集中砲火し、上手くいかないことのすべてをその敵のせいにせよ。大衆は小さな嘘より大きな嘘をすぐに信じるものだ。そしてこれを十分に頻繁に繰り返せば、遅かれ早かれ皆が大嘘を信じ込むようになるのだ。”

  — アドルフ・ヒトラーの第一法則
    『我が闘争』より 
    www.JewishVirtualLibrary.org.


  上記二番目の引用文は、私達が知っている誰かを思い起こさせるだろうか? もしそうなら、それは政治家達か、それとも世界のリーダー達か? 

いや、もうたくさんだ。今週の私はトレーディングの世界におけるこのテーマと間接的に繋がる他のアイデアについて話したいと思っている。

  先週は夏至(6月21日)だったが、それが意味するところは皆さんわかっておられるだろう。蟹座の季節の始まりだ。そして蟹座は水性星座宮だ。水の星座宮は感情を強調する。だから感情が思考を支配しがちな季節に入る。このことは、ほとんど、または全く経験を持たずにトレードに挑戦する人や、トレードがこれまでの経験則にのっとった動きをしない時にどうすればよいかのセンスを持ち合わせずに市場に参加する人々にとっては問題となる可能性がある。したがって今この時期は、トレードの心理学と、客観的なデータ分析ではなく感情に基づいて売買の決断を下すことに起因する落とし穴について論じる良い機会だ。

  トレード(そして人生)において理解すべき基本ルールはこれだ:もしトレードが期待どおりにいかないなら、それは逆のことをやっているか、初めの思惑に取って変わる別の道を辿っている。もしあなたがトレーダーとして成功しようと思うなら、その別の道が何なのかを知り、その経路に沿った取引計画を立てる必要がある。市場が別の経路を辿る場合、あなたには三つの選択肢がある。

1.調整し、現在展開されつつある別の経路に沿って進む
2.損切りをし、トレードから撤退する
3.希望を抱きながらそのままトレードを続ける

最後の選択肢は最も危険な道だ。何故ならそれは感情に基づく行動であり、データの客観的分析ではないからだ。

もしプランに逆行し続けるようなトレードを続けたり、別のシナリオを追いかけ始めるなら、おそらくすぐ道に迷って混乱するだろう。そしてついにはパニックとヒステリー状態に陥る。そして小さな損失で済むはずが多大な損失となっていく。残念なことだが、これはほとんどの初心者がトレードを始めた当初に多く経験することなのだ。それはまるで、深海で泳ぎを学んでいるようなものだ。その時点までに学んできたことをすべて捨て去り、計画に関わる出口戦略を適用する代わりに感情に溺れて心が乱れる。そしてパニックに陥り、戦略にのっとって行動出来ない自分の代わりに責めるべき相手を探したり、市場が実際に行きつつある道に沿うような別の戦略に適応しようともがく。

  実は本来、とてもシンプルなルールなのだ。トレンドに逆らい、上手くいっていないポジションにしがみつかないこと。ロスカットを行い、精神をさっぱりと整理し、感情の海に溺れるような心理状態から抜け出すのだ。すべてのトレードが期待どおりに上手くいくわけではない。

  またもう一つ、別の関連問題としてこんなこともある。たとえば誰かが『アストロロジーなんて役に立たない。何故なら“金融アストロロジャー”達はこう言うんだ。市場は騰がることもあるし、そうならなければ下がることもあるとか何とかね。ならそんなものが何の役に立つんだ?』と言う。だが実のところ、その人はアストロロジーの失敗を引証しているのではない。むしろアストロロジーがどう機能するのか、トレーディングの仕組みやその背後に存在する心理の働きとは何かを理解することに失敗した自分への言及となっているのだ。

  アストロロジーはシンプルに言ってタイミング・ツールだ。そして高い可能性をもつ市場の反転期を見極めるにあたっての、信頼に足る強力なツールだ。だがアストロロジーから見て強調された時間帯が市場の高値になるのか安値となるのかを、はるか以前から予知して当てるようなものではない。その時期が、現行サイクルの高値、または安値から反転する可能性が高いことを予測するのだ。それがアストロロジーの価値を無にすることなどまったくない。他の市場タイミング・ツールと組み合わせて使うなら、アストロロジーは、その時期が近づくにつれて高値、または安値が示現するかのバイアスを提供することが出来る。これは、テクニカル分析やトレンド分析を併用するケースではより一層明確になる。特に後者は成功するトレーダーになるための、すこぶる有益な技術だ。

「トレンドを味方につける」という言葉には相応の理由がある。また、最高のリスク/リターンの設定が何故トレンドに逆らうものなのかにも、然るべき理由がある。したがって、それを行うことは最もリスクが高い行動をとることになる。だからこそ、健全な資金管理のための規律を守り、バランスを取らねばならない理由もまた存在する。市場がどのようなサイクルに在るかによっては、時に多大なリスクVSリターンの比率を持つようなトレードを行うことにより、そのリスクに値するだけの成果を挙げることもある。だが、それはまた別の機会にするべき話だ。

  さらに、(アストロロジーを通して)市場の反転タイミングを計ることと同様に大切なのは、自分の感情を制御する管理能力と、次に挙げるような規律を身に付けることだ。

1.優先すべき(望ましい)見通しに基づいて取引計画を立てる
2.それとは別のシナリオを考慮した代替プランを持つ
3.自分が立てたプラン(またはポジション)が上手くいかない時、それに感情的に固執せずに対応し行動出来るだけの精神力を鍛える(何故ならこれこそがトレーダーになろうとする者達が陥りやすい落とし穴だからだ)

  さて、トレードであれ人生であれ、これが蟹座の教訓だ。自分の感情を管理するのだ。感情に制御されてはならない。FOMO(Fear Of Missing Out — 失うことへの怖れ)に負けて感情的に手放せなくなる状態に陥るほど、一つの行動指針に執着し始めたら要注意だ。それは自分のはるか頭上に水面を見ながら溺れていくような気分に襲われるからだ。脚をつくべき海底が何処にあるかを知り、常に自分の頭を水位線より上に保つのだ。そう、常にだ。







訳文ここまで
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June 11, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント6/12【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2023年6月12日(フリー版より)

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≪ 先週をふり返って — そしてこれから ≫

  “これは公式見解だ!1940年代以来最長となったS&P500(SP500)の弱気相場がとうとう終わった。ベンチマーク指数は木曜に0.6%高の4,294で取引を終え、10月の安値からは20%上昇、再び強気相場に戻ったのだ。この上昇を主に牽引したのは、テスラ(TSLA)やエヌビディア(NVDA)といった一握りのビッグテック — 大手ハイテク企業の大幅な上昇だった。また、2022年に市場を悩ませたセンチメントに比べて経済に対する楽観主義がある程度復活してきたことも寄与したと見られる。”

  — Wall Street Breakfast, “Run, Bull, Run”
    www.seekingalpha.com 2023年6月10日付

  先週の世界の株式市場は、あるものは数週間、または数ヶ月ぶりの高値に舞い上がり、あるものは数週間ぶりの安値に落ち込み、またその他は前週の安値と高値の間にあるなど、まちまちの様相を呈した。こういった不一致は...私達が双子座の太陽の下に在ることを意味する。つまり、そこでは市場の状況があらゆる方向に散らばり、すべてが一つの法則に従うことなどない。

アジアと環太平洋地域では、日本の日経平均が先週、33年ぶりの高値を更新した。インドのニフティはもう少しで史上最高値を更新しようというところだ。また香港のハンセンは今週は好調に推移したが、それは5月31日に数年ぶりの安値をつけた後だった。一方、中国の上海総合とオーストラリアのASXは前週の安値を維持したものの、両国の経済には成長の兆しが見られず苦しんでおり、それほど顕著な動きではなかった。

ヨーロッパの市場もまた方向性を見出すのに苦労していた。私達が追っている主要指数すべてにおいて保ち合いの週となったが、中ではロンドンのFTSEが数ヶ月ぶりの安値に近づく一方で、DAXは直近につけた史上最高値に近づいた。さてこれは強気か、それとも 弱気なのか? 太陽が双子座を運行している時に、それをヨーロッパに聞いても埒があかない。強気と弱気の両方か、あるいはどちらでもないのか? この問題はあなたがいかに巧くその両方に同時に存在出来るかに依って、どちらにもなり得るというわけだ。

しかしアメリカ大陸は、それがまさにブル相場であることをより明確に示している。特にワシントンの議員達が、政府機関の機能を維持するために、国家的な断食と省エネを実施しなければならなくなる6月5日の期限直前に、ぐずり続けた債務上限危機をついに寝かしつけた後、事態は変化した。おっとこれは冗談だ。だが、ほんの小さな事をめぐって疲労困憊するような闘争を続けた後で、議員達のほとんどがとにかくベッドに倒れ込んだのだ。いずれにしても、最後の瞬間に妥協に漕ぎつけて財政的大災害を回避する方法を見出したことは歓迎すべき兆候だった(少なくとももう1日は)。

  他の市場では、ビットコインが6月6日に12週間ぶりの安値まで下落したが、その後急速に回復した。しかし、このところ安値圏での攻防が続いている。金と銀はともに最近の下落から立ち直ろうとしているが、双子座に引かれた道は凸凹道だ。原油は先週75.06のサイクル新高値をつけ、1ヶ月前に示現したプライマリーサイクルの安値63.64からは上々の動きを見せている。双子座特有の、この一進一退の性質は、来週になって土星と海王星が強調されることから、その現実味をチェックされるかもしれない(次項を参照)。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “個人的な運気の変化や予期せぬ展開は、私たちが抽象的に知っていながら具体面においては忘れている何かを思い出させてくれる。ある友人が以前言っていたように、人生とは絵画ではない。絵画では、閉じた幕が開くことはない。しかし、人生においては多くの場合、ひっそりと静かにそれは動く。そして時には嵐のただ中で、激しく跳ね上がったり閉じたりするのだ。人生はダイナミックであり、運命、機会、そして性格が大きな決定打となる。私達は、何も変わらないと思いながら単調な毎日を過ごしている。だが人生は変化だ。時にはほとんど何も感知出来ないこともある。しかし、ある日突如として大変化が訪れることもあるのだ。”

  ― Peggy Noonan
    “Don’t Count a Third Party Out in 2024”
    Wall Street Journal 2023年6月11日付


  “米国で最も大きな政治グループは、民主党でも共和党でもない。無党派の人々だ。ギャラップによる毎月の世論調査で「自分は政治的に無所属である」と答えた米国人が過去最多となった。ギャラップは3月、無党派層の割合を49%と発表したが、これは二つの政党の支持率を合わせたものとほぼ同じだ。”

  ― Peggy Noonan
    “Don’t Count a Third Party Out in 2024”
    Wall Street Journal 2023年6月11日付

  “私は無実の人間だ。それを皆に伝えたい。私は何も悪いことはしていないし、この7年間ずっとやってきたように、これからも戦い続けるつもりだ。"

  ― Donald Trump
    自分に新たな容疑がかけれられたと報された時の言葉
    2023日6月9日

  今週末のウォールストリート・ジャーナルに掲載されたベギー・ヌーナンの論考は、なかなかに興味深いアイデアだ。彼女は、共和党と民主党の候補者からなる第三党が次の選挙で勝利する可能性があると示唆している。これは私も同じように考えていた。また、ロバート・ケネディ・ジュニアとニッキー・ヘイリーについてもその候補として考えていた。彼らはともに山羊座の後半生まれであり、ネイタルの太陽が米国建国図の月・冥王星コンジャンクションの位置に在泊している。トランシットの冥王星(権力と改革)は今週(6月11日)、山羊座の終盤度数に再び戻り、2024年11月(大統領選の時期)まで彼らのネイタルの太陽とコンジャンクトする。

7月2日のアメリカ建国図の月は、権力のある女性が台頭し、ひょっとすると大統領(または副大統領)にさえなる可能性があることを示している。もちろん今、別にもう一人候補がいるのは知っている。そう、民主党がミシェル・オバマの出馬を望んでいるのは承知の上だ。興味深いことに、彼女もまた山羊座終盤の生まれなのだ(ケネディ・ジュニアと同じ1月17日生まれ)。したがって、この3人が何らかの組み合わせの下に、ともに出馬することになれば、誰も候補としては外せないと考えている。

  さて、そんな政治宇宙の反対側には悩めるドナルド・トランプがいる。彼は自分自身の行いが招いた結果の犠牲者だ。彼は機密文書の取り扱いをめぐり、国家安全保障法違反の重罪37件で起訴された。もちろん、ジョー・バイデンもよく似たようなことをやっている。だからいつになったら自身の行いの結果に直面しなければならなくなるのか、気になるところではある(おそらく、もしドナルド・トランプが再選されたなら、その時だろう)。

  トランプ氏は今週、6月14日に77歳の誕生日を迎えることに注目だ。彼のソーラーリターン(ほとんどの場合、誕生日) — 地球が太陽を回る軌道の途上で、彼が生まれた時とまったく同じ位置に来る時 — は今週だ。これは実際に起きるイベントであり、他の出来事と同様に、その瞬間、その出来事が起きる場所(この場合はフロリダ州ウェストパームビーチ)に基づいたチャートを作成することが出来る。もちろん、一部のアストロロジャーが、ソーラーリターンのチャート作成時にはその人が存在する地点ではなく、たとえば彼/彼女の出生地やその時点の居住地などを使わなければならないと考えているのは知っている。しかし、それは正確で適切なソーラーリターン(またはイベント)のホロスコープを作成するにあたっての基本的な根拠とはならない — これはあくまでアストロロジーの基盤となる教義に従うのであれば、だが。...おっと、話が脱線しかけたようだ。

   前大統領のソーラーリターンは、6月14日午前1時17分にフロリダ州ウェストパームビーチにおいて成立する予定だ。アセンダントは魚座17°で、魚座7°と27°に在泊する土星と海王星のミッドポイントにあたる。土星と海王星のミッドポイントは弱さの象徴であり、アセンダントはあなた自身、そしてあなたの身体だ。だからこれは、閉じ込められる可能性の提起となる。もし、この状況を何か “移動の自由” に類似した動きに変えたいのなら、彼はウェストパームビーチを離れる必要がある。彼のソーラーリターン・チャートでは、2室で牡牛座の木星と月が結合している。したがって、この新たな嫌疑を通じて再び莫大な寄付を集めることもまた暗示している。もし彼が実際にその時ウェストパームビーチに滞在し、このチャートが適切であることが証明されれば、それは彼の財政にとっては良いことだが、おそらく彼の個人的な自由に関してはあまり良いとはいえないだろう。

  短期的には、今週は冥王星が山羊座に戻り、6月11日日曜には水星が双子座へと進む。これは金星・木星スクエアが起きるのと同じ日だ。このあたりで大方の雰囲気が変化し始めるが、土星が逆行し、太陽が海王星にスクエアとなる6月17日~19日以降でないと、それが本格的に動き出すことはないだろう。これらはいずれも強力なレベル1のシグナルであり、11取引日のオーブをもって金融市場のリバーサル(とプライマリーサイクル)に対し最も強い相関関係を持っている。また土星が魚座に在泊中であり、海王星が逆行しているため、原油が反転する可能性は高い。

  より個人レベルの話をするなら、魚座の土星が強調され、同時に海王星が太陽とスクエアを形成するため、霊的な修行または霊性に基づく実践をしている人、そして正直さや誠実さに高い価値を置いて生きる人々にとっては良い時期だ。その一方で、他者が十分な情報開示に基づいて何事かを選択する権利を阻害したり、悪しき影響を与えるような欺瞞に満ちた人、虚偽や誤解を招くような情報を流布しがちな人々(作為/無作為に関わらず)には好ましくない作用を及ぼすだろう。

この時期は、相手側に知る権利のある事実を隠蔽したり、意図的に欺いて相手を犠牲にし、自分にとって有利な判断をさせて上手くいくような時ではない。このタイミングでこうした原則に反する行いをした人は、今週のドナルド・トランプが経験したような状況に陥るかもしれない。海王星と土星の組み合わせは「被害者」を顕す究極のアスペクトとして働く可能性があるのだ。ではその解決策は? それは説明責任を果たし、正直であり、なによりも真実を重んじて生きることだ。







訳文ここまで
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May 28, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント5/29【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年5月29日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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原則として隔週掲載を予定しています。時々お休みさせていただくことがあります。


【告知】来週は『MMA2023投資リトリート』を開催するため、コラムは休載させていただく。また、月曜はメモリアルデーの祝日のため、米国市場は休場となるので留意されたい。


≪ 先週をふり返って ≫

  “イエレン財務長官は金曜、米国政府が6月5日までに現在の債務を支払うための資金を使い果たすと予測し、早ければ6月1日にその日が来るとした前回の予想を更新した。”

  — Elizabeth Elkind
    “Yellen Estimates Government Will Run Out of Cash
    by June 5 Without Debt Ceiling Agreement”
    www.foxbusiness.com 2023年5月26日付

  “多くのエコノミストや市場関係者と同様、私もワシントンDCで「債務上限問題」が解決されることを前提としてきたし、今もそうだ。しかし、以下のような長期的な波及効果がないとは言い切れない: 国内では政策決定プロセスに対する信頼がさらに低下し、政治的な関心と注意が緊急の持続可能な成長と生産性の問題から遠ざかり、米国の経済運営について他の国々に好ましくないメッセージが送られる。”

  Mohammed A. El-Erian
  — CEO, Pimco
    Twitter feed 2023年5月26日  


“And the beat goes on, the beat goes on
Drums keep pounding a rhythm to the brain
La de da de de, la de da de da
And the beat goes on, the beat goes on...”

  — Sonny and Cher
    written by Sonny Bono
    “The Beat Goes  On,” recorded 1967.



Sonny and Cher, written by Sonny Bono
“The Beat Goes  On,” recorded 1967.


   この1週間は、米国にとっても世界にとっても、大変な7日間だった。もしあなたが金融市場に論理や常識、何らかのパターンを求めていたとすれば、おそらくは...混乱し当惑していただろう。それは...双子座が好む..魔女の、いやつまり、双子の季節に突入したことに他ならない*

*"Season of the Witch" by Donovan
邦題『魔女の季節』1966年にリリースされ当時大ヒットした楽曲で、メリマン氏は少なくとも複数回このタイトルを引用したことがある。奇妙な人々、奇妙な光景、奇妙な気分を歌った曲。この曲を聴いたことのあるひとなら、メリマン氏が暗に伝えたかった独特の雰囲気を感じられるかもしれない。

たとえば米国では、ダウ平均が先週末(金曜日の上昇前)に8週間ぶりの安値を更新したのに対し、ナスダックは1年以上ぶりの高値に急騰した。だがS&Pはといえば、今年の高値にははるかに及ばない。二つの市場が上昇し、一つの市場が下落した。

もしあなたが政治家であれ、あるいは金融市場そのものの権化であれ、先週は全体の意見を一致させるのはかなり困難だったろう。ある政党が『債務上限に関する話し合いは進んでいる』と話すそばから、同じ政党の他のメンバーは『我々の隔たりは大きい』と語る。まぁ、だから...ホリデー休暇を取ろう。そしてとりあえず、ローマが燃えている間に来週にでも再会することにしよう。そして、メディアは私たちの脳裏に同じリズムを叩き込みながら、ビートは続いていくのだ。
...ラ・デ・ダ・デ・ディ、ラ・デ・ダ・デ・ダ ♪

  ということで、この週はアストロロジャーが双子座に求める二面性を見事に反映した一週間だった。

ヨーロッパやアジアの株式市場でも、真逆の方向に引っ張られる展開となった。オランダのAEXは見事な上昇を見せ、再び年初来高値に近づいた。しかし、FTSEとFMIは週後半に数週間の安値まで下げた。ドイツのDAXは前週に史上最高値を更新したが、先週の大半は下降トレンドにあった。日本の日経平均は先週33年ぶりの高値を更新し、インドのNIFTYは12月15日以来の高値に急騰した。しかし、香港のハンセンと中国の上海総合は数ヶ月ぶりの安値に急落した。オーストラリアのASXは8週間ぶりの安値となった。

  一部のFRB総裁が6月の利上げへのバイアスを表明し始めたことで、米ドルは急騰し、金、そして特に銀が急落した。同様のパターンはビットコインでも見られた。しかし私の読みが正しいとすれば、木星が牡牛座に入ったことから、今後1年間は利上げが行われることはないだろう。牡牛座は「安定」を好むからだ。もちろん、天王星も同じ牡牛座に在泊している。天王星は安定を体現するものではない。双子座が本来持つ基本的な性質と同様に、これはなかなかの難問だ。確かに双子座は知性の星座だ。しかし、知性は天才に「安定」を与えはしない。




≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “デサンティス氏は、トランプ氏が持つ「謙虚さの欠如」を共有してはいるが「規律や政府に対する理解の欠如」はない。デサンティス氏は「考える共和党」のポピュリストだ。彼は、左派が非民主的な手段を用いて文化団体や企業組織を掌握し、アメリカの核となる物語を支配することで若者の心を歪ませた上に自由を抑制する物語を語っているのだと主張する。アメリカの制度は単に腐敗しているだけでなく、陰険に腐敗しているのだ。”

  — Lexington
    “DeSantis is a Truer Believer, If a Lesser Politician,
    than Trump”
    Economist 2023年5月24日付

  “下院フリーダム・コーカス(自由議員連盟)は木曜、ケビン・マッカーシー下院議長がバイデン大統領とともに債務上限に関する協定をまとめようとした計画に水を差し、自分達の票と引き換えに新たな条項を要求した。この強硬派のメンバー35人は、マッカーシー議長に書簡を送り、保守派の新たな希望を並べたリストをまとめた。議員達は、要求が満たされない場合、マッカーシー氏を支えている共和党の結束が危うくなるだろうと書いている。”

  — Haris Alic
    “35 Freedom Caucus Members Demand McCarthy
    Expand Debt Limit Negotiations with Biden”
    The Washington Times 2023年5月25日付

  どの政党が、またはどの指導者が、アメリカの核となる土台を最も損なっているのかを見極めるのは難しい。しかし、トランシットの冥王星が、いまだに1776年7月2日の建国チャートにおける冥王星・月のコンジャンクションとのオーブ範囲内に在泊中だ。そして冥王星が関わる主要な出来事は、当該アスペクトが分離してからおよそ1年〜2年後に起きるという積年の観察結果は、両党に存在する妥協を知らない過激派や強行派が引き起こす分裂の危険を示している。それは米国民の統合と団結を脅かすものだ。

冥王星は、その力を露わにする前に、他のどんな惑星よりも長期の孵化期間を過ごす。他の惑星は多くの場合、それらが関わるアスペクトに向かって進んでいくとともに、関連する出来事が起きてくる。だが冥王星のトランシットの場合、関わる惑星に関連する出来事は、そのアスペクトが分離した後に起きる傾向がある。つまり、変革や改革の必要性の底に潜む原因  — 種子 — は、アスペクト形成の最中にこそ蒔かれるのだ。しかし、その間の行動の結果(破壊的にもなり得る)は通常、後になってからでないと明らかにならない。したがって、その時はすでに症状の悪化が進んでおり、目の前の現実から退いて新しい道に入り、やり直す以外に何も手立てがないほど手遅れの状態となる。

  現在の債務危機が一部の過激派による妥協の欠如によって爆発し、国家がデフォルトや信用力低下へと陥るその前に、必要とされる合意に至るための時間と宇宙からのサポートはまだ存在する。これは、6月19日に迫る木星・土星セクスタイルによって示されている。このアスペクトはアプライなので、遅かれ早かれ合意には達する可能性がある。だが、冥王星が山羊座後半に在泊するネイタルの月・冥王星コンジャンクションのオーブ範囲内に在って孵化期の途上であるため、アメリカ合衆国が再び実際に「一体化」する前に解決すべき社会、政治、経済上の深刻な対立は依然として存在し続けるのだ。

そして、すべての紛争と同じように、木星が土星とのワクシングセクスタイルを形成する時に可能となる成功への道、すなわち妥協する意志、共通点の発見、中道の姿勢(過激主義から離れてより中央 — 中心に向かうこと)を見出すことなしに、それらを根本的に解決することは不可能だ。実際、これは2020年12月21日に始まった木星・土星の全ワクシング・フェーズが暗示する解決策だが、それも破壊的な土星・天王星スクエア(2021年〜2022年)と今回の木星・冥王星スクエア(2023年5月18日±4ヶ月)がもたらす重さの下で苦悶している。

  ここで市場の様子を見るなら、今、私達は双子座の季節(5月21日〜6月21日)に入っている。この時期の市場は、短時間で非常に急激な価格変動をともなう鋭いウィップソー現象(売ると騰がり、買えば下がるような状況)が頻発する(特に銀相場)。双子座は水星が支配していることから、双子座自体もまたトリックスターが持つ多くの側面を備えていること、特に月もまた、風性星座宮を運行する時(5月29日〜31日、6月7日〜9日、6月16日)はとりわけその特性が出やすいことに留意しておいてほしい。

  さて来週は、今週末の5月28日に太陽・土星スクエアが形成されることで、最終的な妥協点に対する抵抗が強くなることを示唆している。皆さんが祝日に帰省してひと休みしたなら、それは良いことだったかもしれない。その後6月2日金曜に金星・海王星トラインが形成され、そのあたりで合意への希望が持てるようになる。しかしそれが失敗に終わった場合、次は6月5日月曜の金星・冥王星オポジションへと向かう流れだ。金星が関わるそのどちらもが借金や信用に関わる惑星で、金星は妥協の惑星だ。しかし、この対立はハードアスペクトだ。だからそれまでに合意が得られない場合、市場とっては少なからず問題含みとなる可能性がある。

それでも、この政治と経済のドラマの底流には人工知能に代表される技術革命があり、ルネサンスの台頭という、私達の長年にわたる見解を支持し続けている。さて、もし私達が選んだリーダー達が、この国(と世界)の未来に真の知性と本当の配慮を示し、国民(水瓶座)の幸福のために手を携えるなら、この国と世界はどんなに素晴らしいルネサンスを経験出来ることだろう! それは、信じがたいほど素晴らしい新世界と胸躍る未来か、それとも互いにイデオロギーという仮面をつけ「力」を求めて闘争する過激派に導かれて、人類の成長と進化という自然の流れを狂わせる脅威の下に生きるかの選択だ。

  水瓶座の冥王星はすべてが終わる前に、これについて何かを語ることだろう。冥王星の典型的な顕れにおいて「終焉」は「始まりの時」でもあるからだ。






訳文ここまで
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hiyoka_blue at 23:02|PermalinkComments(0)

May 22, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント5/22【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年5月22日(フリー版より)

翻訳:hiyoka 
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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≪ 先週をふり返って ≫

  “米連邦準備制度理事会(FRB)議長、ジェローム・パウエルは金曜、金融セクターに見られるストレスは、インフレ抑制のための金利はそれほど高くする必要がないことを意味する可能性があると述べた。”

  — Jeff Cox
    “Fed Chair Powell Says Rates May Not Have to
    Rise as Much as Expected to Curb Inflation”
    www.cnbc.com 2023年5月19日付


  “相手が大きければ大きいほど、倒れる時はより激しい”

  — ボクシング界に伝わる格言 and/or 聖書にある古い言葉


  木星(最も大きいもの、壮大なこと)と冥王星(下落、または崩壊)、火星(引き金、またはパンチ)が関わる現在進行中のTスクエアを表現するにあたり、上記の引用文ほどふさわしい格言があるだろうか? 政治の世界では、まさに言葉どおりの意味になり得る。これを市場に当てはめて言い換えれば「騰がれば騰がるだけ、激しく下がる」という意味にもなりそうだ。

  さて、私達は金融市場の話をしている。だから先週、いくつかの世界的な株式指数が数ヶ月ぶり、あるいは数年ぶりの高値更新を果たした事実に注目したい。これは、獅子座初期度数から牡牛座初期度数への火星・木星スクエアの象意と合致する動きだ。5月9日の太陽・天王星コンジャンクション(天王星は長期的な抵抗帯や長期的な支持帯を突き抜けることに関係する)を機としたブレイクアウトから急騰したように、今度は大きく下落するのだろうか?

ここで最も注目すべきは、おそらく日本の日経平均株価のブレイクアウトだろう。先週は1990年以来の最高値30,924まで上昇したが、これは土星・天王星ウェイニングスクエアの下で2021年2月と9月につけた30,714と30,795のダブルトップを超える「ブレイクアウト」だった。だがひょっとすると、ドイツのDAXがそれだったかもしれない。DAXは金曜に16,331に届き、土星・天王星ウェイニングスクエアの下で2021年11月18日に記録した以前の最高値16,290をわずかに上回っている。

  アメリカ大陸では、二つの市場がストーリーを創った。ナスダックは年初来高値を更新し、S&Pは9ヶ月ぶりの高値を更新したのだ。だがダウ平均は、先週初めに7週間ぶりの安値に迫った後、金曜にはやや回復したものの再び下落、トリックスターが逆行中日に近づいた5月1日につけたサイクル高値を大きく下回ることとなった。

  こうして、先週末にかけては世界のほぼすべての株式指数が順調に騰がったものの、香港のハンセン指数は金曜に8週間ぶりの安値をつけて例外となった。

  先週は5月16日〜23日の火星・木星・天王星 不動宮Tスクエアが展開していく下で、他の注目すべき動きが金融市場に起きていた。たとえば金だが、木星が冥王星とスクエアを形成した5月18日木曜には7週間ぶりの安値1954.40まで下落した。また銀は同日23.48まで下げたが、これは5月5日の年初来高値26.43を大きく下回っていた。だが、翌日の金曜にはそれぞれ見事な上昇を遂げている。原油も先週は73.58の高値まで順調に騰げたが、直近の5月4日には63.64をつけて年初来安値を更新していた。原油は木星が関与するため、今現在注目すべき市場となっている。何故なら木星は5月18日〜23日、火星と冥王星の両方とスクエアを形成するからだ。一方、ビットコインは前週のレンジの範囲内の動きとなったが、それでもこの反転ゾーンにおいて25,000以上を保っていることから、強気派にとって(今のところは)プラス材料となる。

  さて、今週のコラム冒頭に引用した言葉に戻ろう。『相場は上がれば上がるほど、激しく落ちる』。他にも『抵抗帯が破られると支持帯になる』という名言がある。したがって、かなりの高値圏にある相場が突如として崩壊する大逆転ゾーンになるのか、あるいは引き続き上昇しブレイクアウトし続けるのか、私達はそのパラメータを知っていることになる。

今回のブレイクアウトは、5月9日に起きた太陽・天王星コンジャンクションによって示されている。通常、このアスペクトの下で相場がブレイクアウトすると、本格的な下げに転じる前におよそ14取引日にわたって上昇を続ける。この時間帯は5月26日まで続く。換言すれば、もしこれが『騰がれば騰がるほど激しく下落する』ケースであるなら、(5月26日が金曜なので)5月29日までに反転する可能性が高いということだ。またもう一つの相場格言に『市場の動きは恐怖(土星)と欲(木星)に支配される』というものがある。木星は今、市場を走らせている。太陽は5月29日に土星とスクエアを形成する。しかし、こうした行動原則に対して私は常に疑問を持っている。何故なら「貪欲」は「恐怖」の一側面でもあると考えるからだ。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “早ければ来月初めにも政府のデフォルトが起きる可能性がある中、債務上限引き上げをめぐる膠着状態を解消しようとしていたホワイトハウスと下院共和党の交渉担当者が協議を打ち切り、早急に合意に達するという希望が打ち砕かれた。交渉担当者によれば、協議は政府予算をどれほど大幅に削減するかという点で食い違いが生じた末に決裂した。ケビン・マッカーシー下院議長(カリフォルニア州選出)は金曜、支出レベルが重要な対立点であり、共和党は民主党が受け入れると見られた範疇を上回る削減を迫ったと述べた。”

   — Siobhan Hughes, David Harrison, and Natalie Andrews
     "‘We’re at a Very Bad Moment’:
     Negotiators Pause Debt-Ceiling Talks”
     Wall Street Journal Online 2023年5月19日付

  “アストロロジー(およびアストロロジャー)は、選択肢を与えるものであり、選択する(させる)ものではない。”

  — Dennis Harness
    Psychologist and Astrologer, Sedona, Arizoan


  現在進行中(5月16日~23日)の火星・木星・冥王星の不動宮Tスクエアの下で、市場は崩壊しなかった。実際、先週は債務上限交渉の突破口が開かれる可能性があるというニュースが頻繁に引用され、それにつれて、いくつかの世界の株式指数が高く舞い上がった(金曜の市場引け後に対照的な声明が出される前だ)。だが先週も述べたように、このアスペクトが展開している間に合意に漕ぎ着けることはなさそうだ。結局のところ、不動宮Tスクエアは妥協や合意の指標ではない。それどころか、頑固さや嫌気、不本意を示すのが常だ。当事者達は、自分の立場に固執しがちだ。それはまるで、関係者の多くにとって最善のことをするよりも、自分達が「正しい」ことのほうが重要だとでもいうようだ(水瓶座の特質)。火星がまもなく獅子座入りして木星とスクエアを形成するため、エゴイズムやマッチョイズムがいつもより増加する。そんな時は「正しく在ること」を「タフであること」や「強いこと」と同じだと勘違いしてしまうケースがよく見られる。 多くの場合、それは単に未熟で、原始的で、貪欲なだけだ(これは前述したように「恐怖心」の仮面であり、つまりは「弱い」と見られることを怖れているのだ)。

いずれにしても、通常であれば木星が持つポジティブな性質が働くにもかかわらず、ネガティブな結果を招きかねない重要な期限が間近に迫るにつれて、最高レベルの政治舞台の上でこのような心理ドラマが演じられているのだ。特に今は、5月16日~23日の宇宙的な崩壊の刻、別名「★★★重要変化期」の真っ只中に在る。だから、まだパニックが起きる可能性はある。もちろん、誰もがこの債務上限問題の解決を望んでいる(まあ、全員ではないかもしれないが)。

そして私は、木星・土星セクスタイルが形成される(6月19日)までに、まだ解決はあり得ると考えている。そしてこれが起きれば、市場はさらなる爆発的上昇を遂げるだろう。しかしそれは、まず最初に突然の下落が起きないという話ではない。対立する両サイドがその立脚点をセメントで固めたまま闘い続けているからだ。株式指数においては、いまだに『上がれば上がるほど、激しく下がる』という状況が実現しやすい。しかも火星が絡む時は、たとえ記録的な水準の高値でさえも、大きく急落する可能性があるのだ。

  同時にこの問題は、アストロロジーにおける「自明の理」を指し示してもいる。それは「市場の動きはジオコズミックな要因とは直接関連しない」ということだ。ジオコズミックな要因は心理的状況を正確に描写しており、私達はその心理状況を人間の活動に投影した上で、それらが金融市場にどんな影響を与えるかを記述する。だから多くの場合、私達は正しい答を得る。だが、「選択」が「結果」に最終的な影響を与えることを認識すべき時もある。債務上限はまだ「選択」段階の問題であり、したがって株式市場が上昇している原因は「おそらく政府の指導者達はこの問題を解決するだろう」と投資家達が考えているということなのだ。

問題は解決すると投資家が思っている限り、そして政治指導者が「事態は解決に向かって進展している」という印象操作を行うかぎり、株式市場は騰がっていく。しかし、実際にデフォルトが起きる前に債務上限の解決に至らなければ「騰がれば騰がるほど激しく下がる」時がやってくるのだ。


  さて、これはそれぞれの政治指導者達にも当てはまる問題だ。「大きければ大きいほど、倒れる時はより激しい」のだ。共和党はこのことを知っているように見える。デフォルトが起きても、自分達は「ビッグ・ガイ 」ほどの傷は負わない。だが「ビッグ・ガイ」はこの状況を「強くてタフな自分が不屈の精神で立ち向かわねばならない類いの問題」だと見誤らないよう、注意を払う必要がある。

ここで重要なのは、共通点を見つけ、妥協することだ。もちろん、彼の支持者は彼の言うことこそが正しいと言うだろう。しかし、対立する野党支持者や無党派層は、それが一度でも自分たちの安全感覚を脅かし始めたら、全く違うことを言うはずだ。






訳文ここまで
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May 07, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント5/8【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年5月8日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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原則として隔週の掲載を予定しています。また、都合により不定期にお休みさせていただく場合があります。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


≪ 先週をふり返って ≫

  “労働統計局によると、非農業部門雇用者数は月間で25万3千人の増加となり、ウォール街の予測値18万人増を上回った。失業率は3.6%の予想に対し3.4%で、1969年以来の最低水準に並んだ。インフレの重要なバロメーターとなる平均時給は月間0.5%上昇し、予想の0.3%を上回り、月間では1年ぶりの大きな伸びをみせた。”

  — Jeff Cox
    “Job Growth Totals 253,000 in April, Beating Expectations”
    www.cnbc.com 2023年5月5日付

  昨年テック業界に見られた清算の動きはいまだに続いている。2023年、レイオフはまたも数万人のIT技術系労働者の職を奪っている。今回の人員削減は、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、ヤフー、ズームといったこの業界の大企業が主導している。Layoffs.fyiによれば、2023年の現時点における全月数に基づいた解雇者の累積合計は168,243人となる。

  — Natasha Mascarenhas and Alyssa Stringer
    “A Comprehensive List of 2023 Tech Layoffs"
    https://techcrunch.com/ 2023年5月5日付

  先週は水星逆行の中間点(5月2日~3日±1日)にあたる週で、別名を「太陽・水星の内合」または「水星のカジミ」、あるいはマーケットタイミング的には「トリックスターのフルストライド期」とも呼ばれている。案の定、この1週間は、多くの金融市場が何とワイルドな動きを見せたことか!

  週の半ば(すなわち水星逆行の中間部)には、連邦準備制度理事会(FRB)が新たな利上げを発表し、同時にこれがしばらくの間は最後の利上げとなる可能性が示唆された。また週明けには上記の引用文にあるように、互いに矛盾する経済指標が発表された。いくつかの企業が大規模なレイオフを実施すると発表している一方で、雇用統計では労働人口が増加し続けている。これはおそらく、解雇された人々が収入減少を補うため、同時に2〜3種のパートタイムの仕事に就いている可能性がある。だが今は水星が逆行中だ。だからまだ、その全容は掴めないかもしれない。これらの報道は遅行指標だ。先週の市場が示唆したように、事態は急激に変化する怖れがある。

その一例として、ダウ平均は5月1日月曜に34,257でプライマリーサイクルの新高値を更新した。そのわずか3日前には33,235でプライマリーサイクルの安値を更新していた。その後の3日間でダウはそれぞれ367、270、286ポイント下落し、5月4日木曜に32,937で底を打って前週のプライマリーサイクル安値を下回る水準となった。
だが翌日金曜には500ポイント以上上昇した。前に述べたように、水星逆行下では1日~4日ごとの価格変動が一般的だ。そして太陽・天王星コンジャンクションに近づくにつれ、その振れ幅はどんどん大きくなっていく。

  先週は商品市場もまた短期間ではあるが急激な値動きを見せた。金は5月4日木曜、2085.40まで舞い上がったが、この日はいまだに水星逆行の中間点から1日のオーブ圏内であり、2020年8月7日に記録した史上最高値2089.20からはわずか4ドル足らずのラインにあった。だが、1日後にはその高値から80ドル近く下落している。原油はやはり5月4日木曜に63.64まで下落、3月20日につけた前のサイクル安値64.35をわずかに下回った。だがその翌日となる5月5日金曜には72.00を試している。この動きは木曜に示現した年初来安値を水星逆行時に見られる典型的なフェイクアウトのように見せている。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “しかし、ジオコズミックの展開において最も重要なのは、木星が牡牛座に入居し(5月16日)、火星は獅子座に入り(5月20日)、冥王星が水瓶座0°で滞留〜逆行に入っていること、つまり火星を頂点として木星・冥王星がT字スクエアを形成していることだ。....これは、特に5月9日〜23日に色々な意味で問題が起きる可能性を示している。冥王星が関与していることから、それは再び財政に関連し、増税の可能性や世界の債務状況の深刻化が生じるのかもしれない。また冥王星は、自然現象や人間の活動によって引き起こされる農作物の被害や、他者を自分の意のままに支配しようとする者が引き起こす、人命への脅威に関係することもある。...さらに、木星・冥王星スクエアの下では世間の耳目を集めるような倒産や、驚くほど巨額の資金流出が報告されるかもしれない。では、そのお金はいったい何処に行ったのだろう? とある存在がこれほどの損失を出し、その国、あるいは世界の金融構造さえも脅かすことになるというのは? ...これは金融面、財政面において危険な時期であり、金融市場はこの期間に向けて、またはこの期間に続いて多大な損失を被る可能性がある。”

  — 『フォーキャスト2023』
    「2023年の季節的テーマ」(春分 — 牡牛座へのイングレス)より
    2022年10月執筆 www.mmacycles.com

  上記の引用に関連して、春がまさに始まろうとする頃(3月中旬)に銀行や金融に関わる問題が突如として勃発した。そして今、火星・木星・冥王星の不動宮Tスクエアが近付くにつれて、もう一つの金融危機が目前に迫っている。すなわち米国が債務超過に陥る危険(債務上限危機)だ。先週のコラムやそれ以前にも論じたように、木星・冥王星スクエアは金融パニックと相関する歴史を持つ(4ヶ月のオーブをもって50%程度の確率)。また5月9日にはお金の星座宮である牡牛座で太陽が天王星とコンジャンクトする(混乱や崩壊)。その頃、金融市場では非常に大きな動きが見られ、それは5月23日、あるいはそれ以降も続くと思われる。

したがって、今週は注目すべきジオコズミック要因がひしめきあっているのだ。たとえば、5月9日火曜は太陽・天王星のコンジャンクションが起きる。これは『The Ultimate Book on Stock Market Timing Volume 3:Geocosmic Correlation to Trading Cycles』で論じたように、株式指数のプライマリーサイクルとは14取引日のうちに83%の相関性を持つ重要な反転のシグナルだ。

しかしまた、このアスペクトは現行価格が年初来高値や安値に近いケースでは、ブレイクアウトやブレイクダウンと合致することも私達は知っている。同時に、水星は逆行中であり、この場合は支持帯や抵抗帯から抜け出たとしても、すぐにまた後ずさりする「フェイクアウト」を起こすことでも知られている。

さて、今回はどうなるだろう? ブレイクアウトか、フェイクアウトか、リバーサルか? それともその全てか? 私としては、この三つが順番に起きるのではないかと考えている。日本の日経平均株価はすでに年初来高値を更新した。だが、日経平均の12〜20週プライマリーサイクルのうち、もうすでに18週目に入っている。つまりサイクル終盤だ。この時期はたとえ年初来高値の更新があったとしても、誤ったシグナルが出やすいのだ。

また、木星が来たるべき木星と冥王星とのTスクエアに関与しているため、原油の大幅なリバーサルにも注意しておく必要がある。これは今がその時期の可能性もあるが、5月16日±1週間の★★★ジオコズミック重要変化日の時間帯において、「レンダール・ウィグル」として知られている4日〜9日間のセカンダリーボトムが示現する可能性がある。ジオコズミックの状況は荒れている。これは、非常に大きな利益を得る機会が展開する可能性を示すものだ。だが、それは同時に損失のリスクもまた通常より大きいことを意味している。

  これからの2週間は、短期トレーダーにとっては夢のような期間になるかもしれない。大規模な価格変動の可能性が高まるからだ。しかし、ただ平和を願い、数多の人々の死への責任を負いながら、自分こそ暗殺の危機に見舞われていると主張する者から何かを強制されるといった脅威から離脱し、自分の人生を自由に生きる機会を望むだけの罪の無い人々にとっては悪夢となる可能性もあるだろう。木星と冥王星(と火星)の下では、そんな(脅迫的)主張がより誇張されるケースが見られる。しかしそのような人物によってもたらされる危機は、けっして誇張されたものとは思えない。また、隠匿行為や他者を危険に曝す行為など、「裏の意図」を持つ人々による誇張された大声や、まことしやかな約束には大いに注意を要する時だ。




≪ 長期的考察、そして私見 ≫


  最近、1ヶ月にわたりヨーロッパを訪れた際、欧州の(いや世界の)マンデーン・アストロロジー界を代表するアストロロジャー、クリストフ・ニーダーヴィーザー博士(https://business-astrology.com/)とお会いする機会を得た。クリストフはアストロロジー史の研究者でもある。私達のミーティングで、彼は、アストロロジーの由緒ある伝統である、1976年以来毎年書かれている私の『フォーキャスト』シリーズにおける私の役割の重要性を話してくれた。

彼の言葉によれば:

  『そうですね、あなたの立場は年鑑の予測書において、間違いなく名誉ある伝統の系譜のうちにあります。 私は2018年から2020年にかけて、エルランゲン大学の客員研究員として招かれ、社会予測の本を2冊執筆した際に、このテーマについてかなり研究しました。彼らはアストロロジーの歴史に関する科学的な文献を豊富に持っていました』

  (https://www.ikgf.uni-erlangen.de/people/index.shtml/christof-niederwieser.shtml)


  『私が発見したところによれば、アストロロジーによる年間社会予測の普及のピークは1580年から1610年あたりです。そしてその後、緩やかな衰退が始まりました。』

  (SOURCE: Barnes, Robin B. (2016) Astrology and Reformation, New York: Oxford University, pages 172f.  The most popular almanacs reached up to 50.000 printed copies. https://books.google.ch/books/about/Astrology_and_Reformation.html?id=b7hwCgAAQBAJ&redir_esc=y)


  『当時、最も人気のある年鑑は、印刷部数5万部に達していました。』

  (https://books.google.ch/books/about/Astrology_and_Reformation.html?id=b7hwCgAAQBAJ&redir_esc=y)

  『そしてアストロロジーの最終的な衰退の主な原因は、アストロロジャー達が何十年にもわたり、大災害などという壮大な見出しを駆使して売上を上げようとした挙げ句、誤った予測をしていたことなのです。特に1618年から1648年にかけての三十年戦争では、こういった過度な宣伝が行われ、大衆を過剰に興奮させたのです。』

  (SOURCE: Campion, Nicholas (2017) The Revival of Astrology, Interview with Chris Brennan in “Astrology Podcast” - http://theastrologypodcast.com/2017/06/29/modern-revivalof-astrology-with-nick-campion/)


  『人々がアストロロジーに対し非常に懐疑的になる元となった重要な事件は、1654年8月に起きた日蝕でした。当時のアストロロジャー達は、この日蝕が皆既食なのか部分蝕なのかで食い違い、公開討論を開催しました。それを見て人々は思ったのです。皆既食か部分食かの判断もつかないというのに、彼らは戦争や飢饉、天候などの予測をどうやって出来るというのか?』

  (SOURCE: Herbst, Klaus-Dieter (2010) Die Schreibkalender im Kontext der Frühaufklärung, Jena: Verlag HDK)


...まさにそれが私への答だった。

毎年発行される『フォーキャスト』シリーズは、偉大なヨーロッパ・ルネサンスの後期に頂点に達したアストロロジーの伝統を復活させたものなのだ。この伝統あるアストロロジーを活用して編纂された年鑑の現代版とも言うべき本の執筆者であることを、私は誇りに思っている。そして毎年この年鑑を執筆し、研究を重ね、少なくとも50年間は続けたいと願っている。それが達成されるのは3年後だ。

  クリストフ、アストロロジーの歴史における私の位置づけの一つを自覚させてくれてありがとう。ダブル山羊座(天王星と月のノースノードがMC近くでコンジャンクト)の私は今、あなたが与えてくれた歴史的情報と、この崇高な学問における自分の役割を非常に価値あるものとして受け止めています!






訳文ここまで
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April 23, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント4/24【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年4月24日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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原則として隔週の掲載を予定しています(時々、都合によりイレギュラーになるかもしれません。その時はあらかじめTwitterでお知らせします。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️)



≪ 先週をふり返って ≫

     “SpaceX社は金曜、同社のロケットであるスターシップが前日にテキサス州南部において離陸後数分後に爆発したことを受け、状況調査を行っている。 SpaceX社のエンジニアであるケイト・タイス氏は「打ち上げて発射台から離陸すれば、それは私達にとって勝利なのです」と語った。”

  — Micah Maidenberg
    “After SpaceX’s Starship Rocket Explosion ― Debris, Data and
    Analysis”
    Wall Street Journal 2023年4月21日付


     “関係者の話によれば、バイデン大統領の息子であるハンター・バイデンに関する犯罪調査をバイデン政権が不適切に処理していると示唆する情報をIRSのスーパーバイザーが把握しており、それを複数の議員に伝えて内部告発者の保護を求めていることが明らかになった。”

  — Aruna Viswanatha, Sadie Gurman, C. Ryan Barber
    “Hunter Biden Probe Is Being Mishandled, IRS Supervisor Says”
    Wall Street Journal 2023年4月19日付


  牡羊座の最終度数で日食が起き、それが水瓶座の最初の度数に在泊する冥王星とスクエアを形成した。だが世界の株式市場はそれを横目に...あくびしていた。

一方、世界ではロケットの爆発、暴露やリーク、政治的隠蔽の発覚が衆目を集め、さらにはこれもまた冥王星が強調された週の典型的な話題である、米国のクレジットデフォルトが近づいている可能性への不安も再び浮上していた。しかし、世界の株式市場はほとんど動きを見せなかった。これはおそらく4月21日金曜に「トリックスター」たる水星逆行が始まったことから、あまりに多くの矛盾した物語が一斉に解き放たれたせいで、それらが将来に向けて何を意味するのかを明確に判断することが不可能な状況になったのかもしれない。だが今、過去の罪(と罰)の発覚によって霧にまかれ視界が曇る一方で、冥王星が関心を持って見つめているのは未来だけだ。

  こうしたパターンとタイミングはどの地域も似たようなものだった。つまり、ほとんどの指数が4月11日〜21日のジオコズミックに強調された期間に高値をつけたということだ。大方の指数は4月14日〜17日の5〜6週間にわたる上昇を終えるかまたは一時停止したが、その後先週末にかけて小幅に下落している。アジアと環太平洋地域では、中国と日本が際立っていた。中国の上海総合は、4月18日火曜に3396まで騰げて2022年7月5日につけた3424以来の高値となったが、その後金曜にかけて急落した。一方、日本の日経平均は4月21日金曜に28,778と、2022年8月以来の高値をつけたが、これもまた金曜に下落して引けた。香港、インド、オーストラリアは4月17日にそれぞれのサイクル高値(これまでのところ)をつけた後、先週末には下方に引き戻されている。

  ヨーロッパでは、チューリヒのSMIが今週はずっと騰がり続け、金曜には10ヶ月ぶりの高値を更新した。ロンドンのFTSEもまた金曜まで上昇していたが、年初来高値には届かなかった。ドイツのDAXは18日に15,916と新高値まで急騰し、2021年につけた市場最高値16,290に迫った。オランダのAEXは12日に暫定的なサイクル高値を記録した後は静かな動きとなった。

  米国市場の動きはまちまちで、S&P先物は4月18日にサイクル新高値をつけたものの、ダウ平均とナスダックは先週、サイクル新高値をつけることはなかった。これらの高値はそれぞれ4月14日、4月4日に記録されたままだ。またブラジルのボベスパは2日前の12日に天井を打っている。しかし、それほど大きな下げではないものの、いずれもが先週末にかけて下落している。

  現時点では、ここでこそ、と予測されていた4月11日〜21日の宇宙的な力の集中期は、世界の大方の株式指数においてはほとんど一時的なピークに過ぎないように見える。しかし、それらの高値はサイクル初期につけたものであるため、これまでのところ下落は非常に穏やかだ。

他の市場も同じような道筋を辿ったが、価格はかなり大きく変動している。金と銀は米国株と同様に、前週末にそれぞれ2063と26.23でピークアウトした後、先週半ばに向けて1980.80と24.71まで下落した。ビットコインとイーサリアムもまた、4月14日にぞれぞれ31,064と2142まで昇りつめた後、4月21日金曜に12%〜15%の下落をみている。これは大きい下げだと見えるかもしれないが、仮想通貨の場合はおおよそメジャーサイクルにおける平均的な下落率だ。



≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “失礼ながら言わせていただくなら、この30年間で、私達はインターネットやハイテクの険しく残酷で否定的な側面 — 利益を生み出すために煽る政治的分断、故意に行われるインターネット中毒の奨励、子供時代の破壊、浅薄で考える力を失った国民性 — について理解するようになっただけではない。そのすべてを生み出した人々、先駆者達、そして現在AIを支配している人々が、称賛と感銘に値するのかどうかについては議論の余地があると理解するようになったのだ。”

  — Peggy Noonan
    “Artificial Intelligence in the Garden of Eden:
    People in the Tech World Want, Unconsciously,
    to be God and on Some Level Think They are God”
   (エデンの園に住む人工知能:テックワールドの人々は無意識のうちに
    神になりたいと思い、ある程度までは自分達が神だと考えている)
   Wall Street Journal 2023年4月22日付

  “ChatGPTは、AI技術による自然言語処理ツールであり、人間同士のような会話を交わすことが可能だ。”

    — www.ZDNet.com


  “今すぐこれをやらなきゃいけないの。何故かって、もし自分の心がやらねばならないと言っていることをすれば、自分の人生を誰にも預けなくて済むからよ。”

  — 映画『フェイブルマンズ』
   (スティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的作品)より
   母親ミッツィ役:ミシェル・ウィリアムズの言葉

  金融市場において、サイクルの始まりは買いの好機であるためエキサイティングだ。サイクルの終わりもまた最も良い売り時であるため、興奮をかき立てる。しかしサイクルの中間は最も退屈でイライラする時間帯だ。だから休暇を取り、人生について考えるのに最適な時期となる — とりわけ水星が逆行しているなら、なおさらだ。  

私達は現在、ほとんどの金融市場におけるプライマリーサイクルの中間、あるいはそれに近い時点にある。おまけに水星は逆行中で、しかも精神を支配する惑星(水星)にとって、動きが遅くなることを意味する牡牛座を後ずさりしているときた。したがって、今週は市場について言及し得ることはあまりない。だからアストロロジーの文脈を用いて哲学的な話をしてみよう。

  さて今、天王星の近くで水星が逆行し、しかもその両方が牡牛座を運行中であることをどう理解すれば良いだろう? 水星が精神と思考を体現し、革新、発見、破壊の惑星である天王星の近くに在泊するとなれば、今は大きな興奮と発明の可能性に満ちた時期であるように見えるかもしれない。技術の発明やその新しい応用による、私達の生活の革命的変化がどれほど急激に進んでいるかを認識するなら、実際、そのとおりだ。これは、私が過去数年にわたってこのコラム、毎年書き下ろしている『フォーキャスト』シリーズ、そしてそれに続くウェビナーにおいて言及してきた「技術に触発されたルネサンス」の時代へと私達を導く重要な特性だ。

牡牛座において、私達は未来に導くこれらの発明や技術革新を「重視」している。だが水星が逆行を始めた今、私達の中には突然、あまりにも速く動いていたのではないかという懸念が生じてきた。私達が快適だと感じる “コンフォートゾーン” (これもまた牡牛座)には、今まで考えてもみなかった危険が潜んでいるかもしれないのだ。水星と天王星が共に在る時のデメリットは「乖離」であり、人間性、個としてのアイデンティティ、自己の価値、さらには自分自身の存在感からさえも切り離される。また、人工知能(AI)の進歩がますます加速する中で、私達は、自分達が創り出した、いやもっと悪いことに自分達自身がそれになりつつある「ロボット」に、あまりにも依存しすぎてしまうのではないかという真の懸念が生じている。

  水星は、確かに精神や思考と関連している。特に2025年〜2032年、水星が支配する双子座に入居する天王星は、私達の人生を一変させるような、驚くべき発明へと導いていく。

水瓶座(天王星の支配星座宮)を運行する冥王星は、この貨物列車(今やスマート・トレイン的な何かかもしれない)を止めようとはしない。だが、何か別の要素がそれを止めるだろう。それは思考の外に存在し、テクノロジーが介入し得ないレベルで互いに繋がろうとする基本的な衝動であり、つまりは人間がその奥底に携える「必要性」だ。ある人は、自らの心に響く内なる声に耳を傾け、それに従うために内的世界に引き籠もることになるだろう。何故なら、そこからこそ、すべての人間が追い求める愛があふれ出し、すべての人間が感じる恐怖、すなわち孤独に対する怖れ、切り離され孤立することへの恐怖、他の人と実際に触れあったり、真の親密さを味わえないことへの恐怖を超越することが出来るからだ。愛を体験出来るのは、人間関係 — 生きとし生けるもの同士の関わり合いを通じてだけなのだ。それを通してのみ、私達はカルマの概念を真に理解し始めることが可能になる。そしてそれは、人生とその意味、その目的についての真の智恵を得る第一歩となる。

  テクノロジーとAIの新時代に向かって群れを盲目的に追い続け、それにより他者との意味深い関係から切り離されていく人々には、真の危険が待つかもしれない。

自分がそうしなければならないと知っている時、その心の声に従う限り、自分の人生を誰かに預ける必要はないのだ — たとえ ChatGPT がそれは違うと言ったとしても。






訳文ここまで
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April 09, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント4/10【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年4月10日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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原則として隔週掲載とするつもりです。来週のコラムはお休みさせていただきます。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


≪ 先週をふり返って ≫

  “労働省が金曜に発表した今月の雇用者数は、ダウ・ジョーンズの予想238,000人に対し、236,000人だった。失業率は3.6%を維持するとの予想に対し、3.5%と低下した。これはエコノミストの予想には近かったが、結果的に2020年12月以来の低い伸び率だった。”

  — Jeff Cox
    “Job Growth Totals 236,000 in March”
    www.cnbc.com 2023年4月7日付


  “立法府の議員達は1月に自分達が設定した31兆3800億ドルの債務上限、すなわち借入限度額を引き上げることに対し不安を募らせている。様々な分析によれば、新たな法の制定がなければ米国政府のデフォルトはこの夏、または9月早々にも現実となると言われている。(ジェイミー・ダイモンは今年、ホワイトハウスや議会と緊密な連携をとって多様な経済問題に対峙してきたが、(ポピー・ハーロウに対し、自分が監視しているうちは米国のデフォルトはあり得ないと語った。『私が生きているうちは、だ』と。”

  — Nicole Goodkind
    “There Are Storm Clouds Ahead for the Economy,
    JPMorgan Chase CEO Says”
    CNN Business 2023年4月7日付


  世界の市場にとってはあっという間のホリデーにも似た週だった。それでも、3月30日に起きた牡牛座の金星・天王星コンジャンクションに関連する多くの市場にとっては注目に値するものがあった。先週前半の4月4日〜5日に前後4取引日のオーブがついに発動し、世界の多くの株式指数が3月13日〜20日のプライマリーサイクルの安値から3週にわたる強力な反騰を終えたのだ。その一部には、このオーブ期間に今年の最高値を更新し、その後反転や一時停止を見せるケースもあった。

  ヨーロッパでは4月4日にドイツのDAXが1年以上ぶりの高値まで舞い上がった。チューリヒのSMIは金曜、2023年1月17日につけた高値近くまで騰がったが、これは2022年6月以来の高値にも近かった。オランダのAEXも4日に高値を更新、ロンドンのFTSEも今週は騰勢が続いた。これらはそれぞれに、前回のMMAの★★★ジオコズミック重要変化日につけた3月13日〜20日の安値から見事に上昇している。

  アジアと環太平洋地域はマチマチの結果となった。中国のSSEとインドのニフティは週を通じて上昇を続け、中国は2023年の高値に近付いた。日本の日経とオーストラリアのASXはどちらも週明けの4日〜5日にピークを迎えた。だが香港のハンセンは例外で、ピークは前週の3月31日につけている。

  米国の株式指数は互いに敬意を表しあっていたようだ。どれもが金星・天王星コンジャンクションからたった3取引日後の4月4日にトップアウトした。ナスダックは8月中旬以来の最高値を記録している。これら3指数はそのすべてが3月13日〜15日にそれぞれプライマリーサイクルの底を確認している。

  その他の市場では、原油が81.81まで上昇、3月20日の安値64.36から27パーセント騰げた。金と銀はともに年初来高値を更新し、6月金は2050を試し、銀は4月5日に25.00を超えた。イーサリアムは8月中旬以来の高値1914まで上昇したが、ビットコインは金星・天王星がコンジャンクトした前週3月30日の高値を超えられず、天王星のアスペクトに関連する異市場間弱気ダイバージェンスが示現している。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  日々の注目に値する唯一の政治的現実は、民主党がたった一つの目標に的を絞っていることだ。つまりトランプ氏を共和党の大統領候補にするということだ。彼らの冷血な計算によれば、彼の立候補は民主党にとってホワイトハウスを保持するための最善の道であり、それによって彼らは少なくとも一世代にわたって米国の政治と文化を創り変えることが可能になる... 今週、自分達の頭領が迫害されたことで頭に血が上っているトランプ派は聞きたくないだろうが、それに復讐する道がある。ドナルド・トランプ以外の人物を候補に立てることだ。彼は勝てない。だが、別の候補者であれば、不人気なバイデン氏をほぼ確実に打ち負かすことが出来るだろう。”

  — Daniel Henninger
    “The Targeting of Donald Trump”
    Wall Street Journal 2023年4月6日付

  これからの11日間はいくつかの重要なジオコズミック・リバーサル・サインで満たされている。まずは4月11日、太陽が牡羊座の木星とコンジャンクトし、その同じ日に金星が双子座入りして水瓶座の冥王星とトラインを形成する。風性星座宮における金星・冥王星トラインについて先週述べたように、『2025年〜2028年、天王星と冥王星が互いにトラインを形成する時、このコラムで述べてきたルネサンスの到来をかいま見ることになるかもしれない』。

さて、今週初めは、特に火性星座宮である牡羊座で燃えさかる太陽と木星が共に在ることから、「ポジティブな物事」を出来得る限り楽しんでほしい。外に出て活動的になり、共にいて楽しめる人々と繫がりを持とう。取引をしたり合意に漕ぎ着けたいなら、今がその時だ。

  来週末には金星が魚座の土星とワクシングスクエアを形成する。そうなれば感情が心理的トリックに巻き込まれ、なにやらややこしいことになりそうだ。人間関係や何かの取り決めについて、進めるよう自分自身を説得すべきか、それとも離脱すべきなのか、わからなくなるかもしれない。トレーダーにとっては、買いか売りか、それとも今のポジションをホールドすべきか?というジレンマを抱えることになる。決断するにはあまりにも多くの賛否両論がある。これを簡単に説明するなら、もし金星・土星のハードアスペクトに向かって市場が下落しているなら、買いだ。しかし来週、4月19日〜20日(日時はあなたの住む地域による)には太陽と月が牡羊座の最終度数に在泊し、水瓶座0°の冥王星にスクエアを形成する日蝕が起きることを心に留めておこう。その翌日には牡牛座の中盤で水星が逆行に転じる。これはまさに、あなたの取引判断に心理的トリックを仕掛ける幻覚剤となる怖れがある。まぁ個人的なことを言えば、私は水星逆行の前後4日間の感覚が好きだ。その間は直観が冴えるからだ。だがその後はトリックスターが私の神経を悩ませるのだが。



≪ 長期的考察 ≫
(今週は私の人生についての話をしよう)


  現在、私ほど長くプロフェッショナルとして活動しているアストロロジャーはそうはいないだろう。私は1967年に研究を始め、1971年にAFA(米国アストロロジャー連盟)のプロ認定試験に、当時(そしておそらく現在に至っても)最年少で合格した。

  また、私ほど長く活動している金融アストロロジャーもそうはいない。私が初めてアストロロジーと株式市場の相関関係を研究し始めたのは1978年のことだった。そして1980年代初頭には著名なサイクル・アナリストで商品トレーダーだったウォルター・ブレッサートと出会い、研究にさらなる拍車がかかった。ブレッサートを介して金に興味を持ったことが、金融市場に対する惑星運動の相関性に対する最初の定量分析の本( The Gold Book: Geocosmic Correlations to Gold Price Cycles, 1982)を書くことに繋がったのだ。

  しかし、私ほど現代の専門職としてのアストロロジャーが占める地位の発展と、今日のグローバルなアストロロジー・コミュニティの構築に人生を捧げてきたアストロロジャーは、金融系であれ一般向けカウンセリングであれ、ほとんどいないか、いたとしても極少数だろう。宇宙におけるサイクルと、人間の活動におけるサイクルの相関性を研究し、それを実証することが、わたしが成人期を迎えてからの目標だった。そしてそのゴールを追求していく過程において、私は知識と理解の宝庫を発見しただけに留まらず、同じ志を持つ人々の大きなコミュニティをも見出し、色彩豊富で素晴らしいグローバル・ネットワークを構築するというこの素晴らしい旅を彼らと共有することになった。それは現代社会におけるアストロロジーの価値への認識に大変革をもたらすものだった。それによって — 発見への情熱に加え、他の人々との協働や共に構築していく行為の中で調和を経験し得たことによって、私はこの人生が本当に恵まれたものだと感じている。それは私が20歳の時に思い描いていた人生ではない。それよりも格段に良いものだ。

  今月、米国におけるアストロロジーの主要な雑誌である『ザ・マウンテン・アストロロジャー』誌に、今日のアストロロジー界の発展に関わる私の生涯の旅 —  その第一部が掲載された。この二部構成のシリーズのタイトルは『My 50 Years of Community Service to Astrology(アストロロジー界における私の50年にわたる奉仕活動)』だ。第一部はマウンテン・アストロロジャー誌の講読者向けのページで入手可能となっている(https://mountainastrologer.com/zineshop/)。

アストロロジーが単なる趣味(1990年以前の状況)から、今日のように何万人ものプロフェッショナルなアストロロジャーが存在する状況へとどのような道を辿って変化していったか、そしてこうした変革において私が(他の数人の優れたアストロロジャーとともに)どのような役割を果たしたか。こうした事柄について、もしあなたが興味を持つなら、今月の TMA( The Mountain Astrologer)を購読し、この革命がどんな道程を辿ったかを知ってほしい*。それは非常に射手座/山羊座的な語り部の目を通して語られる、非常に天王星的な物語だ。つまり太陽と月を山羊座に持ち、支配星の水星*が射手座に在泊する私だ。どうか楽しんでほしい。それは射手座の水星と聞いてあなたが想像するとおりの “良いクルマ” だ。

* 今回言及のあるTMAは
https://simplecirc.com/shop/the-mountain-astrologer-subscriptions
にて#227(2023年6月〜8月夏至号)のプレ・セールとして販売中

*メリマンさんはASCが乙女座でその支配星が水星となる。また、MC(双子座)の支配星も水星。







訳文ここまで
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March 26, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント3/27【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年3月27日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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なんだかお休み詐欺?みたいになってしまいましたが、今週も重要な情報が記されていると感じたので取りいそぎですがやってみました。といってもコラムの中に重要な情報があるのは今後も変わらないと思うけれど...来週こそはお休みさせていただきます! 🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️😅


≪ 先週をふり返って ≫

  “『...つまり、基本的なレベルでは、シリコンバレー銀行の経営陣は大きな失敗を犯したのだ。彼らは銀行をあまりにも急速に成長させた』。パウエルは、25ベーシスポイントの利上げを発表した後の記者会見において『彼らは銀行を大きな流動性リスクと金利リスクに曝し、しかもそのリスクをヘッジしていなかった』と述べた。

  — Eric Revell
    “Silicon Valley Bank Management Failed Badly”
    www.foxbusinessnews.com 2023年3月22日付

  “私が言いたいのは、経済や金融システムに深刻な被害が及ぶ怖れが存在する時、私達には預金者を保護する手段があり、その手段を使う用意があることで、その事はお解りいただけているはずです。預金者は当然ながら、自分の預金が安全であると考えるべきだと思うわけです。”
 
  — Fed Chair Jerome Powell
    Jesse Pound 
    “Fed, Other Regulators Will Use ‘Tools’ to Protect Depositors”
    Wall Street Journal 2023年3月22日付


  先週は20年にわたる、冥王星の水瓶座運行の旅が始まった。これは大きな出来事だ。

  金融危機はまだ去ってはいないが、世界の株式市場は3月15日〜20日の安値を維持した。これは、世界の金融・銀行システムに対する脅威への膨大なヒステリーと重なった、ジオコズミック津波の真っただ中のことだった。この脅威は、太陽と海王星のコンジャンクションが火星とスクエア(ヒステリーと怒り)、金星・冥王星スクエア(お金か愛のどちらかを失う恐怖 — 金星原理のどちらを大切にするかによって決まる)が組み合わさったパーフェクト・ストームだった。そして今、金星は自らが支配する牡牛座に移行したが、これは金星が持つ同じ原理の領域において、安定をもたらすはずだ。しかし、牡牛座の典型的な特徴として、コーナーを曲がり終えるスピードがとにかく遅い。危機の解決への進展やそのために必要な自信の醸成は、亀のレースのようにのろのろとしたペースで進んでいるように見える。

それでも先週は、世界のほとんどの市場が前週の安値の後、3月20日月曜の朝まで小幅な上昇を示した。そして株式市場は木曜まで上昇し、その後、月がおぼつかない足取りで牡牛座に移行し、金星とコンジャンクトすると、株式市場は後ずさりを始めた。そこでトレーダー達は、ひょっとするとこの問題解決の動きは十分な迅速さで進んではおらず、もしかしたら危機は本物で、深刻な金融問題がまだ潜んでいるのではないか?と考え始めた。彼らは株価を吊り上げたが、それはまだ確信を持たないままの動きだった。そしておそらくは、この先もそんな状況が続くかもしれない。さらにもう一つのジオコズミック津波が4月中旬〜5月中旬に待ち構えているからだ。したがって、「亀のレース」は慎重かつ懐疑的なムードの中で続いていく。

  しかし他の市場では、中国占星術で言うところの「兎の年」に入ったことを裏付けるように、むしろ兎のレースに似た様相が見られた。金は、宇宙嵐の真っ只中、3月20日月曜に2014年につけた高値まで急騰した。銀は今週ずっと上昇を続け、金曜に23.70の高値をつけた。ちょうど2週間前、金は1800を試し、銀は20.00を割り込んでいる。

  暗号通貨は金と同じように燃え上がった。つまり、株式には津波(前週に魚座で太陽・海王星がコンジャンクト)が起き、貴金属と暗号通貨には火炎が上がる(太陽が火星とのスクエアを経て牡羊座に移動)という、いわば天変地異が起きた週だったのだ。ビットコインは3月10日、19,540でハーフ・プライマリーサイクルの安値をつけたが、22日水曜には28,917と9ヶ月ぶりの高値まで爆発的に上昇した。銀行が倒産すると、トレーダーは安全な避難先として不換紙幣から金やデジタル通貨に逃げ込む。通常なら彼らが安全を求めて駆け込むのはドルなのだが、今回は別種の通貨を狙ったことを考えると、どちらかというと最大警報級の火災と捉えられたのだろう。この夏の金星逆行が終わる9月上旬までの夏の間、金融界にミニ・クライシスの波が引いては寄せてを繰り返していても驚くには当たらない。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  3月7日に土星が、3月23日に冥王星が、それぞれ運行する星座宮を変えるのに加え、3月25日土曜には火星の蟹座入りという重要なイングレスも起きる。そして、3月20日の春分の日には、火星が支配する星座宮、牡羊座に太陽が入居した。それはまるで卓球の試合でも観戦しているように、短時間に頻繁に頭を左へ右へと振り続ける、今月の金融界の状況を反映しているようだ。

  短期的に見れば、今週は金星が自ら支配する星座宮である牡牛座に在って、より快適に過ごしており、太陽・火星スクエアが分離していくるため、物語の語り口が変化する可能性がある。危機の温度は下がるかもしれないのだが、来月に向けて火と水が混ざり合う状況が続くので、すべての人(あるいは誰か)を喜ばせることは困難かもしれない。

この週末に火星が蟹座0°に入居するというのは意味深い。何故なら、連邦準備制度理事会の設立が1913年12月23日であり、その時は太陽が山羊座/蟹座0°〜1°に在って冥王星とオポジションだったからだ。2008年1月下旬には、金星が山羊座0°~1°の冥王星にコンジャンクトしていた。火星や外惑星が分点や至点(カーディナルサインの0°)を通過する時は常に、連邦準備制度理事会のチャートが強調される。今回も例外ではない。すべての視線がFRBに注がれることになる。

火星が目立つ今週、FRBはより劇的な行動に出る可能性が高い。彼らに批判的な人々にとっては、これが衝動的で危険なものに見えるかもしれない。火星と牡羊座は強い行動力が必要な状況においてリスクを取ることを意味する。これは上手くいくだろうか? それはわからない。だが、蟹座の火星は通常、何をするにしても不平不満を述べたり相手の責任を追及する傾向が出やすい組み合わせだ。そしてそんな状況は5月20日まで続く。

FRBの廃止、または少なくともパウエルFRB議長の辞任を求める声が上がるかもしれない。パウエル議長は、自分の決断に対するすべての批判者を満足させるために、仕事を中断しなければならないだろう。パウエル議長への批判者に対する私のアドバイスは、建設的であれ、ということだ。合理的で現実的な解決策の提案もないまま、公然と文句を言うのは逆効果だ。それは不機嫌なムードを悪化させるだけだからだ。蟹座の火星は、その点では非常に厄介な存在なのだ。

  一方、米国建国図では、4月7日まで蟹座初期を運行する火星のトランシットが金星・木星コンジャンクションに合流する。もしかしたらFRBの行動は成功するかもしれないし、少なくとも何らかの機会の招来に値するかもしれない。米国の株価が大きく上昇(または急落)する時期と重なる可能性さえある。前週から始まった新しいサイクル(強気)の始まりで価格が急騰するか、もういつ何時でも終わる可能性のある古いサイクル(弱気)の終焉か、そのどちらかだ。そう、つまり私は一方に偏った見方をしているわけだ。

  それに加え、3月30日には金星が牡牛座の天王星と合体する。そのため、新たなカーブボールが投げ込まれるかもしれない。私達皆の中に在る「牡牛座的なるもの」は、ただ安定を求め、アラームの音量が小さくなることを欲している。しかし天王星は、静寂や落ち着きとは無縁の存在なのだ。天王星は、破壊者であることに大きな誇りを持つ。牡牛座は、維持と安定のための支持(帯)と抵抗(帯)が欲しい。一方、天王星は境界や限界を打破したい。したがって、直近の安値(株式)と高値(貴金属とビットコイン)を維持するのに苦労することになりそうだ。もしダムが決壊したら、下方(または上方)に注意しよう。だがもし維持されるなら、株式では3月15~20日の直近安値から、貴金属とビットコインでは3月20~22日の高値から、相場反転への形成準備が進行する様子を目撃していることになる。



≪ 長期的考察 ≫

  “米国市民でない方、米国への移民以外の方へ:米国へのフライトに搭乗する前に、受け入れられているCOVID-19ワクチンの一次シリーズを完全に接種していることを証明するものを提示する必要があります。”

  — www.usembassy.gov 2023年2月13日付


  “約350万人の連邦職員に対しCOVID-19のワクチン接種を義務付けるたバイデン大統領による命令書は、木曜、第5連邦巡回控訴裁判所によって阻止された。”

  — Paul Best
    “Biden's Vaccine Mandate for Federal Workers
     Blocked by Appeals Court”
     www.foxbusiness.com 2023年3月23日付

  まずは私が事態を正しく理解しているかどうか確認させてほしい。ワクチンの皮下注射によってフルにCOVID-19の予防接種を受けた人は、それでもまだウイルスに感染する可能性があり、他の人にウイルスを広めることを防ぐことは出来ない(本人の重症化は防げるとされる)。それでも、フルに予防接種を受けた海外旅行者のみが米国に入国出来る。ワクチン接種の条件を廃止し、その代わりに米国行きの飛行機に搭乗する前の72時間以内に受けたCOVID-19検査で陰性であることを要求するほうが理に適っているのではないだろうか? 米国は、搭乗前に陰性であることを示さずに予防接種を受けた人よりも、最新のCOVID-19検査で陰性である人を好むのではないだろうか? どちらの要件が市民の健康上の安全にとってより有効なのか?

  土星と海王星(および海王星が支配する星座宮、魚座)との結び付きは、感染症や病気との宇宙的な繫がりを持っている。この2惑星のミッドポイントは「最大の生理的弱点」を示す指標とされているのだ。土星は現在魚座に在泊し、2026年2月の海王星とのコンジャンクションに向けて運行中だ。したがって、伝染病の脅威はまだ存在する。COVID-19の予防接種の証明は、入国時点においてウイルスのキャリアでないことの証明には全くならないことを考慮すれば、おそらく米国の保健当局は、渡航制限と米国入国の要件に関する現在の姿勢を再考する必要があるだろう。最長72時間以内のCOVID-19検査を通して陰性であることがを証明されるなら、そのほうがより安全性が増すように思われる。

おそらくこの疑問点の多い政策は、さまざまな(業種を背景に持つ)経済ロビイストの戦いとなっているのかもしれない。一方では、COVID-19の予防接種を受けていない旅行者の米国入国を認めることが、増大する旅行需要の季節が近付きつつある観光業界に莫大な利益をもたらす可能性がある。だが、おそらく予防接種の義務をなくせば、大手製薬会社(魚座の土星と海王星)が財政難に陥る怖れもある。とはいえ、これまで予防接種を受けずにいた人々が、米国(あるいは同じように入国制限のある他の国)に入国するためだけに突然、接種を受ける必要があると決断するのだろうか。それはどうにも想像しがたい。

  魚座の海王星は確かに利他的で、人々を災厄から護ろうとする動機を持つかもしれない。しかしそれは、常識や論理に基づく方法論を示唆するものではない。だが土星が海王星に近づくにつれて、現実と常識が優位に立ってくるのかもしれない。それは、美徳に関連する価値観に科学を適用しうる政策を意味するからだ。






訳文ここまで
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March 19, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント3/20【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年3月20日(フリー版より)

翻訳:hiyoka 
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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来週のメリマン・コラムはお休みさせていただきます。🙇‍♀️


≪ 先週をふり返って ≫

  “大手銀行がファーストリパブリック・バンクの救済を試みた後も投資家はピリピリと神経をとがらせ続け、米国株と債券利回りは下落した。ダウ平均は380ポイント以上下落して取引を終えた。だが金曜の下落にもかかわらず、S&P500とナスダックは週足で上昇した。”

  — “Stocks Decline Broadly After First Republic Cuts Dividend”
    Wall Street Journal Online 2023年3月17日付


  “ジャネット・イエレンは木曜、「米国の銀行は安全で健全である」としてさらなる保証を提供したが、財務長官でさえそれを信じているのかどうかは疑わしい。当然、誰も信じていない。米国の大手銀行は木曜、ファースト・リパブリック銀行を救済するために300億ドルを拠出しなければならなかった。ベア・スターンズの破綻からちょうど15年の記念か。おめでとう!”

  —
“While Yellen Assures, Banks Run”
   
The Editorial Board 2023年3月16日付

  先週は、銀行の苦境とその救済が金融関連のニュースイベントを支配した。これは牡羊座と山羊座の終盤度数で金星・冥王星がスクエアを形成し(危機)、その後金星が牡牛座入りし(救出と回復)、その金星がお金の星座宮である牡牛座を支配していることからすれば、矛盾のない動きだと言える。そして今、海王星と魚座のシグナル(幻想、ヒステリー、事実の欠如)を豊富に含む現在のジオコズミック状況に鑑みて、これはおそらく過剰反応だろうという我々の見解と、ウォールストリートジャーナルのような評価の高いメディアソースの分析との間に矛盾が生じているのだ。

ジオコズミックの状況は強力だった。週の半ばには太陽、水星、海王星が魚座でコンジャンクトし、「危機が制御不能に陥る、これは終わりの始まりなのだ」というヒステリー症状とワイルドな憶測に合致する組み合わせとなった。では何の終わりなのだろう?銀行か?お金か? 何事にも大仰な火星が、ミュータブル・サインであり、時に狂気をはらむことのある双子座(コミュニケーションの星座宮としても知られる)を運行中だったことも、それを助長した。ソーシャルメディアと報道機関は「ジ・エンド」の到来だと宣言する声や怒りの声(火星)に支配された。ではいったい何の終わりなのか? 金融界、銀行、そしてお金?

これらすべての問題が重なり合うことで、まさにミニパニックが発生した。一部の銀行では預金者が列をなして取り付け騒ぎとなり、株価は大きく下落し、投資家は貴金属を買おうと殺到し、まるで金融パニックの全要因が爆発しそうな勢いではあった。ただし、それはそう長くは(少なくとも最初のうちにそう見えたほどには)続かなかった。水曜〜木曜に金星が牡牛座入りし、月が山羊座の中央部を過ぎ越したためだ。銀行王国の消防士達は、完全に制御不能になる前に大延焼を消し止めるべく迅速に集結し、木曜の終値までに株価は急騰した。ところが金曜にはファースト・リパブリック銀行が減配し、シリコンバレー銀行が破産を申請した。このため、銀行危機の懸念が再浮上した。それでも、S&Pとナスダックはこの週は上昇して終わり、ダウ平均は47ポイントしか下げなかった。状況はもっと悪いように見えていた。しかし、繰り返しになるが、海王星が強調される時はこういうことがよく起きる。現実が現実だとは思えなくなるのだ。

  振り返ってみると、世界の多くの株式指数において、3月13日〜15日(月曜〜水曜)、あるいはその前週の安値が割れることはなかった。また、12月20日〜29日のハーフ・プライマリーサイクルの安値を抜いたものもあれば、そうでないものもあった。米国では、S&Pとナスダックが3月13日に底を打ったが、両指数とも12月20日〜22日のハーフ・プライマリーサイクルの安値を上回っている。だがダウ平均は、3月15日水曜に週の安値まで下落し、やはり12月22日につけたハーフ・プライマリーサイクルの安値を下回った。このように、ある地域(この場合は米国)のある市場が複数週の安値を更新し、その一方で別の市場が更新しないという現象は、“異市場間強気ダイバージェンス”と呼ばれている。

先週の安値はプライマリーサイクルの安値が発生するタイミングと合致し、それに加えてジオコズミック重要変化日(CRD)の★★★時間帯(3月9日~24日)とも重なったため、これは多くの金融市場 — 特に世界の株式指数に重要な反転が起きる “マーケットタイミング・プロバビリティゾーン” となった。今はそれがまだ有効ではあるが、反転を示すオーバーラップの時間帯は来週終わる。したがって、ここ数日の危機に対する市場の反応が、果たして魚座と海王星の過剰反応によるものなのか? それとも中央銀行による新たな誤判断によって、投資家や、場合によってはFRB自身にも深刻かつ長引く影響が及ぶことになるのか? その答はまもなく見えることになろう。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “暗号通貨取引所は銀行ではないが、FTXを含む一部の取引所は銀行のように運営されており、顧客から受け取り、要求に応じて顧客に返すことを約束した資金を、リスクの高い投資のための資金として活用している。”

  — Google search engine
    "Bank and Crypto Runs: T(ac)TX vs Fiction"
    Cato Institute 2022年11月21日付

  株式指数の安値更新や反転の可能性に加え、金曜には原油が数ヶ月ぶりの安値まで下落し、貴金属(特に金)が急騰したことにも私達は注目している。原油は魚座が支配し、また木星と海王星によって「共同支配」されていることから、とりわけ重要だ。

先週は魚座で太陽、水星、海王星のコンジャンクションがあった。だがそれだけではない。3月21日火曜には木星が土星(意気消沈)と3回目にして最後のセミスクエアを形成する。ジオコズミック研究の観点からすると、これによって2021年~2022年の土星・天王星ウェイニングスクエアが本格的に、かつテクニカルにも終了することになる。それからの数年間は、去りゆく土星・天王星スクエアに対して木星やその外側の惑星によるトランスレーションが起きることはない。

これはまた、火星・海王星スクエアの3回にわたる形成シリーズの終わりをも意味する。直近の形成は先週の3月15日水曜で、この日はほとんどの指数がこれまでの安値を更新している。木星・土星スクエアの中間部、すなわち2度目のアスペクト形成は9月の最終週だったが、当時は株式市場もまたミニ・パニックに陥ったことは興味深い。

そして、火星・海王星スクエアの最初の2回の形成は10月13日と11月19日で、これは株式市場のプライマリーサイクル(安値)の開始(10月13日)を示し、それに続いて11月21日にはFTX暗号通貨取引所(銀行のような機能)の崩壊が起きた。興味深いのは、その両方のジオコズミック・サインの3回目にして最後の形成が現在進行中であり、預金者による取り付け騒ぎがその資金を預託した金融機関に対して起き、再び株式市場の暴落が目撃されているということだ。

  ここから先を見るに、3月の重要なアスペクトは30日に起きる牡牛座の金星・天王星コンジャンクションのみだ。これは前後4取引日のオーブを持つ強力なリバーサル・サインで、市場が数ヶ月ぶりの安値または高値付近で取引されている場合、反転、というよりはむしろブレイクアウトに相関する可能性を持つ。さらに、3月23日には冥王星が1777年4月以来初めて水瓶座入りし、続く3月25日には火星が蟹座に入居する。これらは重要なイングレスだが、それだけでは必ずしも市場の反転に繋がるわけではない。惑星同士のアスペクトがそれらを補う必要がある。

  さらなる前方に私達のレーダーを向けるなら、木星が牡牛座に、火星が獅子座入りし、水瓶座0度に在泊中の冥王星とTスクエアを形成する5月16日〜23日が視野に入る。木星・冥王星スクエアは、銀行危機に関連するアスペクトとして働くことが多く、そのオーブは4ヶ月だ。つまり、今はその時期に入っているということになる。だが牡牛座入りした木星は、株式指数のサイクル高値とは ±1ヶ月の相関性を持っている。したがって、現在の私達の見通しとしては、今は安値が形成され、その後、健全な上昇が見られる。そして、その後になって銀行危機に関連する別の下落が起きるというものだ。

そして私達は、この期間全体において、2022年の高値と安値がまだこの2023年においても維持され、世界の多くの株式指数にとってそれが「インサイド・イヤー」となるだろうことを、引き続き今現在も予測している。しかし、土星が魚座を運行することから、ともすると状況が悪化するのではないかという恐怖(土星)もまた頭をもたげてきそうだ。だがその恐怖は必ずしも現実に基づくとは限らない。この場合は魚座特有の感情的な特質を色濃く反映した怖れとなるからだ。そして魚座はまた「救済者」を生み出す可能性をも秘めている。ヒーローは私達の中に存在するのだ。







訳文ここまで
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March 12, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント3/13【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年3月13日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて講読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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原則として隔週の掲載を考えています。来週はお休みさせていただく予定です。
 🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


≪ 先週をふり返って ≫

  “『最新の経済データは予想以上に強かったが、これは最終的な金利水準が従来の予想より高くなるだろうことを示唆している』パウエル議長は上院銀行委員会での発言に先立ってこう述べた。そして『データの全体像がより迅速な引き締めの妥当性を示すなら、我々は利上げのペースを上げる用意がある』とも述べた。”

  — Megan Henney
    “Fed Chair Powell Says Interest Rates are
    ‘Likely to be Higher’ Than Previously Expected”
    www.foxbusiness.com 2023年3月7日付

  “金曜に連邦預金保険公社が発表したところによれば、金融規制当局はシリコンバレー銀行を閉鎖し、その預金を管理することとなった。これは10年以上前の世界金融危機以来、米国における最大の銀行倒産だ。ハイテクとベンチャーキャピタル業界において重要な役割を担っていたSVBの破綻によって、企業や富裕層は自分たちの資金がどうなるのか、大きな不安に曝されている。

  — Jesse Pound
    “Silicon Valley Bank is Shut Down by Regulators
     in Biggest Bank Failure Since Global Financial Crisis”
    www.cnbc.com 2023年3月10日付

  米国株式市場は、パウエル議長の『経済はまだ強すぎるため、金利は高止まりし、さらに上昇する必要がある』との発言を嫌気している。また、エリザベス・ウォーレン上院議員との苛立ちに満ちたやりとりの中で、この政策が景気後退につながる可能性があることを認めた。そして金曜には、シリコンバレー銀行が金融規制機関によって閉鎖された。こうした報道を受けて前週の終値ではかなりの強気トリガーを示していた米国株式市場は急落し、強気の期待に冷水を浴びせた。

  さて、魚座の季節へようこそ。それは太陽が魚座を運行するのみならず、土星が魚座に入った週(3月7日)だ。そこでは希望や夢が突然厳しい現実にぶつかることがある。楽観的で多幸症的な気分から一転して不安やヒステリー、パニックに陥る可能性さえあるのだ。とはいえ、これから先のジオコズミック・サインはこの時期のパニックが短期間で収まる可能性があることを示唆している。

FRBが示したタカ派的な姿勢の余波は世界中に波及し、世界の多くの株式指数が週末までに厳しい下落をみた。ヨーロッパでは金曜、すべての市場が下落し、AEX、SMI、FTSEは5〜8週間ぶりの安値をつけた。だがドイツのDAXは興味深い動きをみせている。3月7日に1年以上ぶりの高値をつけた後で金曜にかけて売られたのだ。

アジアでは、中国のSSEと日本の日経平均もまた先週は金曜にかけて下落する前に数ヶ月ぶりの高値をつけていた。しかし、この地域の指数のすべてが大きく下落している。たとえば香港の株式市場はこの新年で最も低い水準まで下落した。

おそらくこの“大虐殺”は、米国の株式指数という場において最も激しかったろう。たとえば、ダウ平均は18週ぶりの安値まで下落した。またS&P先物は1月6日以来の安値をつけ、ナスダックは6週間ぶりの安値となっている。

金と銀も週の初めは弱含みだった。だが、金曜日には両方とも急騰している。金はここ2週間、1810〜1815に支持帯があり、3月8日に二次安値をつけていた。だが金曜には1870を超えていた。銀も3月8日に19.95で底を打ち、金曜には20.87まで上昇、金に対する異市場間強気ダイバージェンスの事例を示した。ビットコインとイーサリアムも先週は叩かれたが、ビットコインは最近の年次ウェビナーで示した私達の見通しに沿った動きをみせている。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “‘この国は情報に溺れ、理解に飢えている’ — ジョー・バイデン大統領に対抗して民主党から出馬するマリアンヌ・ウィリアムソンが2025年の大統領選挙キャンペーンの公式発表の中で述べた言葉だ。”

  — Bryan Metzger
    The Insider 2023年3月8日付

  “フロリダ州知事は間違いなく出馬する。これらのどの兆候もすべて見られるからだ:寄付する支援者、成長しながらどんどん熟練度を増す組織、そして回顧録であり政策の綱領でもある著書が今週、ニューヨークタイムズのランキングで1位を獲得している。またウォークネスに焦点を当てたこともその一つだ。彼は、共和党の論点を体現し、大統領選が近付くと共に、そこからさらに前進することを望んでいる。”*

  — Peggy Noonan
    “Ron DeSantis is Definitely Running”
    Wall Street Journal 2023年3月11日〜12日付


*現フロリダ州知事で元連邦下院議員、共和党のロン・デサンティス氏を指している。
 参考:
日テレニュース「2024米大統領選の行方」


  私達は今、今年最も重要なジオコズミックな時間帯の一つに入っている。

  3月12日には木星がカイロンとコンジャンクトする。あまり研究されていないアスペクトではあるが、この組み合わせの会合周期は13年~19年の幅を持っている。また両惑星が牡羊座を運行中であるため、戦争の脅威に関連するテーマを持つ可能性がある。このテーマは、3月14日〜16日にトランシットの火星(牡羊座の支配星)が魚座の太陽と海王星の両方とスクエアを形成することによってさらに裏付けられる。

このテーマを際立たせるもう一つの要因は、太陽/海王星・火星スクエアが、アメリカの火星・海王星スクエアのみならず、イランの火星・海王星スクエアにも触れることで、来週の宇宙的不調和のさなかにこの二国間のグランドスクエアを形成することだ。この時期は、世界のリーダーたちが口を慎み、「ミー・ファースト、ミー・オンリー」の語り口を避け、世界的な協力という観点から考える必要がある時だ。海王星が絡むため、受動攻撃的な行動が目立つ可能性があるのだが、その下で裏切りや誤魔化そうという決断がなされるかもしれない。この時期に他者を騙そうとするのは賢明ではない。また金融市場に関して言えば、これらのシグナルは6取引日の内にビットコインと原油が反転する動きとの強い対応関係がある。

  3月16日は金星が冥王星とスクエアを形成するが、この組み合わせは国や世界の負債に注目が集まり、それが意見の対立を生む時期によく見られるものだ。今週発表されたバイデンの予算案は、おそらくDOA(dead on arrival/最初から否決されることがわかったうえで提出される案)の一例だろう。今週は、木星が土星と3回目にして最後のセミスクエアを形成して終わる。これで過去2年間の土星と天王星の混沌が正式に終わるわけだが、今後3年間は土星が魚座に、今後20年間の大半は冥王星が水瓶座を運行するため、新たな挑戦が待ち受けている。

それはまるで、この世界とも、協調と人間性によって達成される筈の可能性とも関わりなく生きている指導者達がもたらす戦争の脅威を味わわずに済む、自由と機会平等の世界という約束の地にたどり着く前に、まずは地雷原を通らなければならないかのように思える。しかし、2月19日のウェビナーでも解説したように、この10年の惑星テーマの下ではルネサンスもまた可能なのだ。



≪ 長期的考察 ≫

  “相変わらず週休4日制が話題になっている。カリフォルニア州第39区を代表するマーク・タカノ議員は「週32時間労働法」を議会に再提出したが、これが成立すれば、公正労働基準法を改正して週40時間という標準的な労働時間の定義を32時間に正式に引き下げることになる。彼の提案は、32時間以降の労働に対して残業代を支払うことを義務付けるもので、これにより、企業は労働者に長時間労働の対価を多く支払うか、週の労働時間を短縮してより多くの人員を雇うかのどちらかを選択するよう促される。”

  — Jennifer Liu
    “Congressman Wants to Make 32-Hour Work Week
     U.S. Law to ‘Increase the Happiness of Humankind’”
    www.cnbc.com 2023年3月10日付

  上に引用した件は、“I told you so(だから言っただろう)”というカテゴリーにでも入れておこう。もっと厳密に言えば、『フォーキャスト2023』に書かれているように、魚座入りする土星に関連する可能性の一つだ。ここで私達は、快楽やリラックス(魚座)の追求が、新しい法律(土星)の文脈の中で正式な形を与えられることになる。世界を支配したい、成功したい、何としてでもトップに立ちたいという野心(土星)は、落ち着いてリラックスし、人生をフルに楽しむという新たな原動力によって後回しにされるだろう。仕事もストレスも減らし、遊びと幸福を増やし、他者との時間を充実させるのだ。

だがたった一つ問題は、その結果が本人が考えている通りとは限らないということだ。それで個人的な問題が解決されるわけでもなく、仕事を減らすことでストレスが解消されるわけでもない。実際は収入が減ることで、より大きなストレスがかかる可能性もある。従業員を同じ週給で雇い続けるために、企業が時給を25%上げる余裕があるかどうかは甚だ疑問だ。従業員を増やす代わりに給与を減らさなければならないかもしれない。多くの中小企業では、給与が最大の経費となるからだ。それに加えて多くの人々が、最終的に必要となる追加収入を補うために、さらなるパートタイムの仕事を見つけることになるだろう。「より多くの」物質的なもの(お金のような)を手に入れようとする願望を捨てることは、インフレと戦うようなものだ。成功よりも幸福感を、達成感よりも気楽な人生を...など、これまでとは異なる価値観を優先させるように人々をプログラムし直すには、1世代か2世代はかかることだろう。

  とはいえ、これからの3年間は、会社の経営陣と従業員がその解決に向けて何らかのバランスを取ることになり、今日知られているような労働力の本質が転換する可能性がある。そしてその流れはやがて、ストレスの少ない、より優しさと思いやりのある新時代を予感させることになるかもしれない。というのも、結局のところそれこそが魚座が抱く本心の願望であり、土星はこの集合体の願いを実現する方法を見出そうと決意しているからだ。

鍵は土星だ。つまり決断を下し計画を立て、それを継続するための規律だ。魚座の土星はその最善の顕れにおいて、精神的な鍛錬とその実践へのコミットメントを通して報酬を得ることを旨とする。換言すれば、もし週に8時間余分な時間を使い、精神的、肉体的、そして霊的に健康的な行動(たとえば瞑想、エキササイズや創造的活動、そして実際に自分で自分の面倒を見ることなど)をすることが可能なら、それは見事に結実するかもしれない。だが、それには努力と規律(土星)が必要であり、怠惰や、ただ「ドロップアウト」して「カウチポテト」(海王星の性癖)に甘んじることではないのだ。






訳文ここまで
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February 26, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント2/27【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年2月27日(フリー版より)

翻訳:hiyoka 
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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原則として隔週の掲載を考えておりますので、来週はお休みさせていただく予定です。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


≪ 先週をふり返って ≫

  “米国の住宅市場は、住宅価格の暴落に起因して2008年以来最大の下落に見舞われた。不動産仲介会社レッドフィンの新しいレポートによると、米国の住宅価格の総額は2022年6月につけた過去最高値47兆7千億ドルから、年末には45兆3千億ドルにまで崩落し、2兆3千億ドル(4.9%)の減少となった。これは2008年の金融危機当時、6月〜12月に住宅価格が5.8%の急落をみて以来、パーセント計算で最大の下落幅だ。”

  — Megan Henney
    “US housing market sees $2.3T drop in value,
    biggest since 2008”
    www.foxbusiness.com 2023年2月24日付

  “金曜に発表された論文によれば、連邦準備制度理事会(FRB)は金利を大幅に引き上げて景気後退を引き起こさなければインフレを抑えることが出来そうにない、という。元FRB理事のフレデリック・ミシュキンは、ディスインフレーションを引き起こすために中央銀行によって取られたの政策の歴史を検証した白書の著者の一人だ。”

  — Jeff Cox
    “Fed can’t tame inflation without ‘significantly’ more hikes
     that will cause a recession, paper says”
    www.cnbc.com 2023年2月24日付

  そして今、太陽が魚座に入った。海王星も同様で、土星もまた来週の魚座入居へと向かっている。

  では、魚座の季節というのはいったい何が特別なのだろう? まぁ、魚座は希望や願望、ロマンスとのぼせ上がるような恋の星座だ。この季節は、しばしば株式市場に起きる根拠のない高揚感と重なる。だが、一旦希望や願望が打ち砕かれると、トレーダー(とロマンチスト)は現実に対する幻影(金利の将来など)の恋から覚め、代わりにパニックとヒステリーを起こす可能性がある。そのため、太陽が魚座を運行する月間においては、株式やその他の金融市場に大きな価格変動やリバーサルが起きることが多い。どうも今年もまたそれが起きそうな雲行きであり、それは先週のウェビナーで参加者の皆さんにお伝えした短期予測とも完全に一致している。

  株式市場、貴金属、通貨、暗号通貨は、反転とサプライズの主要惑星である天王星とTスクエアで起きた満月と非常に近い2月2日にサイクル最高値を記録した後、2月の終盤に近づくにつれてすべてが下向きになっている。
現在、私たちが追っている中で唯一調子が良さそう見える市場は米ドルだが、これも先週末のウェビナーで取り上げたように、まさに米国大統領選のサイクルと合致している。

しかし、それもまもなく変化するだろう。短期的な目標価格に近づくと同時に、市場の歴史、そして不安定な魚座という星座宮におけるその本質を理解することによって、すべてが見えてくる。




≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “連邦準備制度理事会の議事録は、労働市場の逼迫を不安視していた。金融市場はFRBの不安に不安を感じていた。ここで奇妙なのは、米国の実質賃金があらゆる記録を更新していることだ — これはけっして良い意味ではない。実質賃金の前年比伸び率は22カ月連続でマイナスだ。これほど生活水準が崩壊しているのに、FRBが利益主導のインフレではなく、労働市場主導のインフレに相対的に注目しているのは奇妙に思える。”

  — Dr. Paul Donovan
    “Tight Labor Markets or Tight Budgets?”
    UBS Morning Audio Comment 2023年2月23日付


  3月は、西欧式(トロピカル)アストロロジャーにとって大きな意味を持つ月だ。土星が3月7日に魚座入りし、続いて3月23日には冥王星が水瓶座入りするからだ。アストロロジャーにとって「ビッグ」なのは、これら2つがともに長大な公転軌道をもって太陽の周囲を回る外惑星だからだ。土星の公転周期は約29年で、前回土星が魚座を通過し始めた時からそれくらいの時が経っている。だが、冥王星の公転周期である248年に比べれば大したことはない。前回冥王星が水瓶座の旅を始めたのは1777年4月のことだ。その時から20年にわたる革命の時代が始まり、その影響力はその後の世界秩序を形成してきた。

しかし、新たな星座宮に惑星が入るという事象は、それが起きた時点における金融市場の反転に対して強い相関性を示すものではない。それよりも、惑星が新たな星座宮に入ることで、その星座宮に支配される金融セクターの新しいトレンドに影響を与える可能性を持つ「姿勢変化」を示しているのだ。星座宮が変わる、その時点で何かが顕著に起きるのではない。実際のトレードにおける反転(サイクル・リバーサル)は、モダン・アストロロジーの特質でもある惑星間アスペクトの領域だ。

  今後3週間は、注目すべき惑星アスペクトはそう多くない。その中では、3月1日に金星が木星と、水星が土星とコンジャンクトする。通常、前者は本来なら調和と合意の好ましいアスペクトなのだが、今回、金星と木星は牡羊座を運行中だ。牡羊座は金星にとってデトリメントであるためにあまり調和的とは言えず、それよりは模倣的、あるいは攻撃的だと考えられている。ウクライナ紛争をめぐる脱共役*の可能性から見るなら、原油の急激な価格変動と関連するかもしれない。同日、水星が土星とコンジャンクトするにあたり、どんな内容であれ、交渉への取り組みが深刻かつ真剣であることを示す可能性が高い。楽観主義は消極性や躊躇へと変わり、騰勢は再び衰退に道を譲り、下降に転じる。水曜〜木曜は月が蟹座を運行することから、その主なアピールは感情的・情緒的であり、巷では再び物事が遅れることへの感情的フラストレーションとして顕れるかもしれない。

* 通常はあまり使われない言葉だがこの場合はバイオ燃料(〜脱炭素)などに関連するか、または原油の逼迫による関係各国の足並みの乱れに関する問題を暗に指すか、あるいはその両方の意味からあえて生化学分野の用語である "deconjugation"(脱共益、脱連結)を使い表現しているのかと思われ、そのまま訳しておきました。(ただしメリマンさんには未確認につき訳者の想像です;)

  主要なリバーサルに対し、より強力な相関性を持つジオコズミック・サインは3月15日〜21日に起きる。太陽が魚座の海王星とコンジャンクトし、火星が両者とスクエアを形成するのだ。これは「受動攻撃性」の顕れであり、約束をしてからそれを破る。この合意の破棄は、あたかも裏切りや意図的な欺瞞のように見える。だが、より重要なアスペクトは3月21日の木星と土星による3回目にして最後のセミスクエアかもしれない。このアスペクトが初めて形成された昨年春、またとりわけ株式市場や暗号通貨市場のヒステリーがピークに達した2回目の形成時である昨年9月21日〜28日以来、絶え間なく続いているフラストレーションが最高潮に達する可能性がある。今回も原油、そして戦争と平和における進展(または膠着や進展のなさ)が、こうした動きの原因となるか、あるいは対立し合う者達同士の不満の受け皿となりそうだ。また、注目度の高い法律問題や裁判沙汰もクライマックスを迎えるかもしれない。

  3月20日〜21日に太陽が牡羊座入りする時、それはピークに達し、終わっていく可能性がある。その辺りですべてが一転する。誰もが、3月23日に水瓶座入りする冥王星をその理由にするかもしれない。しかし、この動きの要因となるのは外惑星の星座宮移行ではなく、多くの金融市場の反転に関連する外惑星同士のアスペクトなのだ。前述したように、惑星による星座宮移行は姿勢変化や戦略の変化を表し、後になって大きな市場サイクルの高値または安値として顕現する傾向がある。そして通常は、外惑星が運行する星座宮の支配星など、その星座宮に在泊する惑星と同様の原理を反映したアスペクトを形成する火星が引き金となる。






訳文ここまで
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February 12, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント2/13【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年2月13日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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来週は『フォーキャスト2023』ウェビナー開催のため、フリー版コラムは休載となります。


≪ 先週をふり返って ≫

  “バイデン大統領は一般教書演説で、赤字を過去最高となる1兆7000億ドル削減すると自慢気に言った。彼の想定する「生まれ変わった赤字削減論者」への転向は、今週の米議会予算局の1月分の連邦予算報告で、今会計年度最初の4ヶ月で赤字が2倍に膨れ上がったという事実によって偽りであることが示された。CBOの報告によると、10月から1月までの財政赤字は、前年同期の2590億ドルから5220億ドルに膨れ上がった。歳入が昨年より430億ドル減少しているが、これは主に個人所得税の減少によるものだ。一方、歳出は2200億ドル増加となっている。”

  — Wall Street Editorial Board
    “Biden Tells a Deficit Fairy Tale”
    2023年2月10日付


  “彼らが私のことについて言う嘘の半分は真実ではない”

  — Yogi Berra

  しかも、太陽はいまだ魚座に達してさえいないという事実。

  とはいえ、金星と海王星は魚座を運行中で、2月15日の結合へと心楽しく向かっている。ハッピーなメッセージが込められたおとぎ話は、誰もが好むものだ。それは、危険が常に近くにあるように見える、危機的であまりにも現実的な世界において、海王星と魚座が果たす役割の一つだ。私達には、逃げ場が必要だ。そして、12室(海王星や魚座と同じテーマを持つ)に複数の惑星を持つ大統領は、経済が絶好調であるという物語を吹聴したいと望んでいるのだ。その物語の中では低失業率、増加する新規雇用者数、好調な株式市場と、すべてが成功の香りを放っている。

だが、その魅力的な外見の下には、制御不能な負債の悪臭が漂っている。それは将来にとって良い兆候ではない。もしクレジットカード会社が利用限度額を4倍にすることを許し、あなたがそのお金を使うなら、あなたは非常にうまくやっているように見える。しかし、すぐには表に出てこない事がある。それはあなたの借金もまた4倍に跳ね上がったという事実だ。 その上、あなたはその借金の利子をより多く払わねばならない。このまま借金まみれの生き方を続けていれば、この先のどこかで舗装道路は終わり、人生のサイクルは成功から苦難へと変わってしまう。そしてそのサイクルの変化は、最初はゆっくりとしたものであっても、そこからあっという間にエスカレートしていく。特に、ハイテク企業が発表するレイオフも同様に増加し始めれば、その傾向は顕著になる。

  先週は、いまだに持続的な方向性を模索している株式市場の非常に混乱したパターンが続いた。今年に入ってから、ほとんどの株式市場は12月中旬に示現したハーフサイクルの底をつけた後で上昇してきたが、その反騰はあまり強固なものではなかった。そして先週、シリアとトルコを襲った地震と重なって起きた「天王星とTスクエアの満月」の下で、世界の株式市場のほとんどが下落トレンドに転じた。

貴金属は、前週の突然の崩落から先週初めに生命回復の兆しを見せたが、木曜日には数週間ぶりの新安値まで下落トレンドを再開した。ビットコインも2月2日の直近の高値から下落し、週末までに10%近く下げた。一方、原油は先週月曜に72.25で月初来安値をつけた後、ずっと上昇を続けていた。そして金曜日には80.00を超える水準まで騰げた。今週は金星が魚座の海王星とコンジャンクトする。したがって、原油が注目すべき市場となるかもしれない。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “もし自分の行き先がわからなければ、そこ以外のどこかへ辿り着くかもしれない。”
  — Yogi Berra


  今日の私はヨギ・ベラのファンだ。

  2回目のレンズ交換治療直後*の執筆は、海王星がもたらす苦痛の下で戦いに臨むようなものだ。この、上昇星座宮が乙女座でダブル山羊座(太陽と月が両方とも山羊座)の人間にとっては、すべてがぼやけているし、タイプミスはあまりに多すぎる。だが幸いなことに、私のネイタル・チャートでは海王星が上昇中で(支えてくれる数多くの編集者)、MCには天王星がある(アストロロジーと真実の追求が天命)。だから、私自身のダブル山羊座たる部分は、病気になろうと、雨や雪が降ろうと、あるいは...霧が立ちこめていようとも、常に前進してその務めを果たそうとするだろう。さてと、私は今、霧(fog)と蛙(frog)のどちらをタイプしただろう? いやそれとも、先週のグラウンドホッグと一緒にまだ有象無象の中から何かを探し回っているのだろうか**

* 前々回のコラムでメリマンさんは両眼の手術を受けると記述している。

** 先週のコラムに記述のあった「グラウンドホッグ・デー」にちなむ物言いで、2月2日に地リスの一種グラウンドホッグを使って行われる春の訪れを予測する天気占いのような催しが米国やカナダで行われる。冬眠から醒めたグラウンドホッグが自分の影を見て巣穴に戻ればまだ寒い冬が続き、影を見ることなく外に居続ければ春はすぐそこまでやって来ていると見る。また各星座宮の度数ごとの意味を原語的象徴によって提示するサビアン・シンボルには『自分の影を探すグラウンドホッグ』というシンボルが存在する。

  しかし、この2週間というもの海王星に振り回され続けた私の世界に、救いの手が差し伸べられようとしている。というのも、今週はかなり重要なコンジャンクションが二つ起きるのだ。その一つは2月15日に起きる魚座の金星と海王星のコンジャンクション(日本時間15日21時25分)、もう一つは翌日に起きる、水瓶座の太陽と土星とのコンジャンクションだ。前者は愛とロマンスにうってつけのコンジャンクションで、前日のバレンタインデーは多分最高に盛り上がるかもしれない。また、このところ霧の中に隠れてこっそり活動中の人にも旨味がありそうだ。あるいは少なくとも、自分の思ったようになるだろうと信じ込むべく自分を誤魔化せる人には良いかもしれない。魚座の海王星が金星とのコンジャンクションによって強調される時、人は望めば何でも信じることが出来るし、1日だけは夢が叶うかもしれない。だが、その日が終わる前にそのポジションを抜けることを肝に銘じておこう。そうでないと、グラウンドホッグデーの二の舞になってしまうだろう。翌日になっても、「影」は近くに隠れてあなたを待っている。

  魚座の金星・海王星コンジャンクションがロマンティックで想像力をかき立てる性質を持つのと同時に、翌日起きる水瓶座での太陽・土星コンジャンクションは正反対の効果をもたらす可能性がある。一方は多幸症的ホロ酔い気分のざわめきであり、もう一方はそれに水を差す。また、金星と海王星のコンジャンクションは13日月曜〜15日水曜、月が射手座を運行中に起きる。これは本来なら楽観的性質を顕す。だが次の2日間は月が山羊座を運行中だ。したがって、幻想と熱情から現実へと心理状態が急速に変化することになる。これは、週の半ばまでに素早く酔いを覚ますべき時だ。どちらも影響力は短期ながら、株式指数における価格の急変動に関わる比較的強いアスペクトだからだ。もしこの急落が激しければ、プライマリーサイクルの底となる可能性がある。しかし、これらのジオコズミック・サインは来月示現するアスペクトほどの強さはない。それでも一般的なルールはこうだ。『強力な土星アスペクトの下で下落する市場はその後の反騰の候補となる』。

  ジオコズミックのタペストリーは、今年起きる多くの物事が来月にならないと明確に見えてこないことを示唆している。とりわけ3月21日に起きる3回目にして最後の木星・土星セミスクエア近辺までは、先行きはいまだに漠として見えにくいだろう*

  *以前ツイートしたように、この翌日3月22日に起きる新月は牡羊座0°台で、大テーマの一つは「仕切り直して再スタート」。この新月は牡牛座16°台の天王星とセミスクエアで起きる。そして冥王星とセクスタイル、そのミッドポイントに土星。また天王星は魚座16°に在泊するケンタウルス族のネッソス(因果の発動、orリベンジ)とセクスタイルでそのミッドポイントに木星が位置し、アウト・オブ・サインながら火星とはスクエア。そして金星と月のノースノードがタイトなコンジャンクトと、上記の木星・土星セミスクエアとはソフトアスペクト主体で複雑に絡む形となる。したがってこの新月もまた、短期ながら様々な領域において古いエネルギーの排出と新たな局面をかいま見せる力として働くのかもしれない。

  宇宙の示唆によれば、春がやって来ると同時に明瞭さが顕現し始める。木星が土星へのセミスクエアからセクスタイルへと移行するにつれて、この世界にとって有益かつ恩恵をもたらす建設的なプランニングがスタートしそうだ。しかし、5月下旬に火星・木星・冥王星のTスクエアが形成されると、また一つ大きな宇宙的障害が顕れる。もし金融パニックが起きるのであれば、これがその予告となるアスペクトだ。来週末の『フォーキャスト2023』ウェビナーではこれについて解説する。その頃までには私の眼も再び明瞭に見えるようになるだろう。






訳文ここまで
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February 05, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント2/6【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年2月6日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて購読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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今週も≪ 短期ジオコズミクス ≫≪ 長期的考察 ≫のみの抄訳になります。
 原則として隔週の掲載を考えていますので、来週はお休みさせていただく予定です。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “先月、注目に値することが起きた。1月9日、ジョージア州選出のバディ・カーター議員が「フェア・タックス」法案を下院に提出したが、その議場投票が確実になったのだ。この法案は、個人・法人所得税、遺産・贈与税、給与税(社会保障・医療保険)、内国歳入庁を廃止するというものだ。そしてその代わりに全国一律の売り上げ税 — 消費税が導入される。消費税は、現在の税金のような不合理な複雑さは無い。すなわちそれが回答だ。それは、最も経済的歪みが少ない方法を通じて国の資金を調達する。消費税は逆進税である必要がない。最初の数千ドルの消費を免除したり、割戻しを追加したりするのも容易い。”

  — John H. Cochrane
    “A Consumption Tax is the Shock Our Broken System Needs”
    Wall Street Journal 2023年2月2日付

  株式市場と貴金属に示現したグラウンドホッグ・デー(聖燭節)の天井と急落は、地政学に関わる研究に非常によく適合している。つまり、今週末になると太陽が天王星にスクエアとなり、金星は火星とスクエアを形成する。影響力のオーブは前後3取引日だ。そして天王星が絡む場合、価格変動は非常にシャープだ。それは過去2日間、特に金と銀に顕著に見られた。

先週予告したとおり、『太陽は2月4日に天王星にスクエアとなり、その翌日には金星が火星にスクエアを形成する。このどちらのアスペクトも混乱を呼ぶ破壊者だ。太陽・天王星スクエアは金融市場、とりわけ国債や通貨など金利変動に関わる市場を混乱させる可能性がある』。金星が絡むハードアスペクトもまた、株式、国債、通貨などの金融市場を攪乱する可能性がある。これらは皆、木曜の高値に続いて翌金曜には大きく下げた。破壊者たる惑星は巧みな仕事を見せている。だが、いつまで続くのだろう? 今週で終わるのか、それとも次のジオコズミック重要変化ゾーンへと続いていくのか? これらの疑問に関しては、私達の購読版週報に提示されている。

  今週について言えば、重要なイベントは5日の日曜*に起きる満月が天王星とTスクエアを形成することだろう。誰もが「一番良く解っているのは自分だ」と考えがちだ。だから素晴らしいアイデアや解決策が上司や権力を持つ相手に受け入れられるとは思わないほうが良い。彼らはそういった革新的なアイデアを、「優秀な自分」という自己認知を脅かすものだと感じるかもしれない。3月23日に冥王星が水瓶座入りすると、その後はおよそ20ヶ月にわたり、(様々な領域で)最も優れたアイデアをめぐる多くの権力誇示と力を用いた戦略による闘争が繰り広げられるだろう。これについては2月19日に開催する『フォーキャスト2023ウェビナー』で詳しく取り上げるつもりだ。

  *日本時間2月6日午前3時28分ごろ



≪ 長期的考察(と意見)≫

  “世界中の多くの中央銀行は、成長率が鈍化しているさなかにあっても短期金利を引き上げることによってインフレ圧力に対抗する方向に傾いている。こうした動きは、やがてはより安定した経済に戻ることを示唆しており、預金者にとっては歓迎すべき兆候だ。短期金利がしばしば生活費の上昇に追い付かず、彼らは債務者に比べて20年近く損失を被ってきたからだ。”

  — Joe Davis
    “Savers Will Benefit From a Return to Sound Money”
    Wall Street Journal 2023年2月1日付

  健全なマネー。なんと古風な趣きの概念だろう。2008年1月、冥王星がその15年にわたる山羊座の旅を始めるまでは、このコンセプトが世の主流だった。現在、冥王星は山羊座を離れて次の水瓶座を運行する20年の旅に出る準備をしているが、前代未聞の金融政策や財政政策を試した日々は今やその目的を終えた。そして土星・冥王星シノディック・サイクルに基づいて言えば、かなり長い間 — おそらく今後70年〜80年ほどは、そんな状況が戻ってくることはないだろう。良いニュースは、貯蓄者が彼らの資金を短期国債や中期国債、その他の国債に資金を置くことで、再び利子を得るようになることだ。彼らはまた孫にプレゼントを買うことが出来るし、子供達に経済的負担をかけることもなくなる。ひょっとしたら、幼い息子にはペットのグラウンドホッグ(地リス)を買ってやれるかもしれない。

もちろん、山羊座の冥王星がもたらした金融・財政政策のマイナス面によって、政府はデフォルトの可能性に向かう危険な債務コースに入っている。FRBは健全な金融政策に傾いているようだが、債務上限に直面している議会とホワイトハウスはそうはいかない。当然、政府が債務不履行に陥ることなど誰も望んでいないし、債務上限は引き上げねばならない。何故なら、そうしなければ結果は破滅的だからだ。だが一方で、政府は難題への対応を先送りして無謀な支出を続けることは出来ない。これまでの2年間(さらには過去15年間も)それをやり続けてきたのだ。

  イエレン財務長官は、6月上旬まで支払いを引き延ばせると言っている。これは興味深い。何故なら、5月中旬には火星・木星・冥王星がTスクエアを形成する。木星・冥王星がハードアスペクトを形成する時期の近辺では、しばしば金融パニックが発生する。もしあなたが短期国債の購入を視野に入れているのであれば、5月〜7月に償還期限を迎えるものは避けたほうが良いだろう。一方、同じ頃に市場に出て来る国債を購入するなら、ベストなタイミングかもしれない。というのも、この時期に市場に出る国債は、金融界を覆う売り急ぎへの怖れから、通常より短期間のうちに急激な金利上昇となる可能性があるからだ。ホルダーがパニックに陥った時に金利を確定するのは良いことだ。彼らは脱出し解放されることによる快適さを求め、あなたは投資のリターンを最大化する機会を求めている。だから賢明であれ。そしてこの時期を念頭に置いて投資計画を立てよう。

  アメリカ合衆国がデフォルトすることはない。米国建国図(1776年7月2日)へのトランシットとプログレッションは、そのほとんどがポジティブなものだ(『フォーキャスト2023』要約版のオーディオブックを聴いてほしい)。デフォルトの可能性を示す唯一のジオコズミック・アスペクトは、バイデン大統領のネイタル・チャートへのトランシットで、彼の支配星であり、負債を支配する8室に在泊する木星に対し、トランシットの冥王星がオポジションを形成している。そしてこの先、冥王星は借金を司る8室の支配星である月にスクエアを形成していく。冥王星は「負債」をはじめとして「D」を頭文字とする用語(格下げ/Downgrade、赤字/Deficit、デフォルト/Default)を支配している。だがここで、もう一度言っておこう。米国はデフォルトしない。しかし、大統領は2023年〜2024年、受託者責任と米国債に関連する浪費について説明しなければならないかもしれない。また、彼の家族のふるまいやそれを隠蔽した可能性についても説明する立場に追い込まれる可能性がある。月は家族や家庭生活に関連するからだ。その月は、彼のチャートの5室、すなわち彼の子供達を示すハウスに在泊している。

  米国の財政状況を把握する彼の(無)能力と彼の家族が犯した間違いは、おそらく民主党にとって、バイデン氏が次期大統領選に再出馬するという選択肢となり得るかどうかを物語るだろう。今のところ、彼は幸運だ。トランシットの海王星がネイタルの太陽、金星、木星とグランドトラインを形成している。しかし、冥王星の審判を無傷で逃れられる者など誰一人として存在しないのだ。





訳文ここまで
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January 22, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント1/23【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2023年1月23日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて講読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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今回も≪ 短期ジオコズミクス ≫と≪ 長期的考察 ≫のみの抄訳になります。
 来週はお休みさせていただきます。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “財務省は木曜、米国が借入限度額に達したことを受け、政府の支払いを続けるための特別措置を開始した。米国が債務上限に達し、議会ではその引き上げをめぐる長引く可能性のある難しい議論が始まったからだ。連邦政府はおよそ31兆4000億ドルの債務上限によって制約を受ける。このため、財務省はいわゆる特別措置を講じ始めた。これらの会計処理により、国会議員およびバイデン政権は、債務上限を引き上げる、または一時停止する法案を可決するのに約5ヶ月を費やせることになる。”

  — Andrew Duehren
    “U.S. Nears Debt Ceiling, Begins Extraordinary Measures to Avoid Default”
    Wall Street Journal 2023年1月19日付

  『フォーキャスト2023』で解説したように、今、私達は5月後半の火星・木星・冥王星Tスクエアによって示唆された金融パニックが何によって引き起こされる可能性があるかを知っている。つまり、ギリギリ切羽詰まったタイミングが来るまで議会がこの問題を解決することはないし、それは6月になるという予測を知っているわけだ。そして、このアスペクトが示現する5月下旬には、市場を覆うヒステリー症状によって投資家は狂奔させられるだろう。

だが一方で、今週末には天王星が順行する。これは3惑星の滞留〜方向転換揃い踏みにおける最後の順行であり、おそらく最も重要なジオコズミック・サインだ。何故か? 何故なら、天王星が強調される時は、突然のサプライズの後に常ならぬ強力な値動きがしばしば見られるからだ。

その上、現在私達は1月20日〜2月18日 — 水瓶座の季節に入った。私自身の見解では、水瓶座を太陽が運行する時は、銀にとって、全星座宮の中でも最も危険なシグナルだ。最も予想外の急激な下落が起きやすい。特に、月や他の惑星も同時に風性星座宮を運行中である時に、予想外の急落が起きる。それが月である場合、通常はそういった短期の動きが3〜4回あり、そのうちの少なくとも1回は急激な売りと同期するケースが多いのだ。では今回もそうなるだろうか? 確かなことは誰にもわからないが、これが起きる歴史的頻度は非常に高い。そして結局のところ、私達の仕事は過去に起きた事象の頻度に基づく確率がすべてだ。こういった期間に同様の設定が発生するなら、私達は行動を起こす。



≪ 長期的考察 ≫

“あんたはステージで飛び跳ねる
ロックンロール中毒者かもな

自由自在にドラッグを手に入れ
檻に入れた女を弄んでさ
いやビジネスマンかもしれないし
腕利きの泥棒かもしれない
ドクターと呼ばれたり
お偉いボスと呼ばれるかもな

でも、あんたは誰かに仕えなきゃならない
そう、あんただよ

You're gonna have to serve somebody

まあ、その誰かは悪魔かもしれないし、神様かもな
それでも、あんたは誰かに仕えなきゃならねぇんだよ ♪”

  — Bob Dylan
    “Gotta Serve Somebody" 1979年 Special Rider Music




  誰かに仕えること、か。確かに「いったい誰に仕えているのか?」と問いかけるというのは賢明な指針だ。世界の指導者達が、他国を侵略し、国家の貴重な最高機密を持ち去り、自宅やガレージに保管する。そんな時、彼らは誰に仕えているのか? 公共団体や非営利団体でさえも、その支援者や投資家達に承認されることのない、あるいは透明性のない方策を講じたり、行動を起こしたりする。ではそれは、誰のためか? 政党や組織が、一般大衆や会員が望む選択肢に合わない候補者を選抜し提示するとき、彼らはいったい誰のために働いているのか?

だから、リーダーである人々に「あなたは誰のために働いているのか?」と問うのは正しい。あなたが権力を維持する、そのことのために、その政策によって最も影響を受けるであろう人々に対して選択肢や変化に対する認識を提供することなく、すべてを自分の力の及ぶ範囲内で行う時、あなたは本当に誰のために務めを果たしているのか?

「仕える」「奉仕する」というテーマは、アストロロジーにおいて乙女座と魚座に関連している。土星は3月7日から3年間にわたる魚座の旅を開始する。そして土星がどこに在ろうとも、そこには取り組むべき特別な課題が生じる。何故なら土星が絡む時はいつも「必要とされる何かが欠けている」という感覚が付随するからだ。それは、土星が在泊する星座宮(この場合は魚座)に関連する資質や領域が、共同体を満足させるのに十分ではないということなのだ。

  魚座が示唆する「奉仕」は単なるサービスではなく、「大衆のニーズや願い、希望や夢に対する思いやりと感受性」をかき立てるエネルギーだ。また土星は「そのために働く」という「約束」であり、コミットメントだ。では、国家や組織(あるいは個人)のリーダーが、大衆(あるいは個人)の希望や夢にアピールするような約束(土星)をしながら、その約束を果たせなかったらどうなるだろう? またはもっと悪いことに、実際にはその逆で、自分たちの個人的な利益のために他人を利用するとしたら? そこには腐敗、偽善、隠蔽の疑惑が生まれ、スキャンダルに発展する。その結果はリーダーや組織、裏切りを働いた人々や組織に対して新たに醸成される不信感だ。これが、この先に待つ魚座の土星がもたらすマイナス面なのだ。

  では、このような「裏切られた」という感覚につながる「サービスの欠如」に対し、リーダーや個人は何が出来るだろうか? 土星は現実を定義する。そして自分への奉仕という下心に基づく意図的な誤魔化しから「真実」を切り離すという特質を備えている。したがって、魚座の土星に関わる解決策は実にシンプルなものだ。「正直であれ。真実を重んじ、透明性を旨とせよ。特にあなたを奉仕する者として選んだ人々に対しては」。また「嘘や誤解させるような試みに騙されてはならない(魚座の弱点)」。

すなわち、あなたは「自分以外の誰かに仕えなければならない」ことを認識する必要がある。本当のところ、私達は皆、互いに仕え合うためにここに存在する。そして魚座を土星が運行する時、この概念を尊重し、護るための最も効果的な方法の一つは「不透明さを排し、透明であること」なのだ。

“あんたは大豪邸に住んでるかもしれないし
ドームに住んでるのかもしれない
銃を持ってるかもしれないし
戦車だって持ってるかもしれない
誰かの家の地主かもしれないし
自分の銀行を持ってるかもしれないな
それでもさ、誰かに仕えなきゃならなくなるんだぜ ♪”

  だから、明日あなたが目覚めた時、もしかしたら明後日、あるいは来年でも、次のように自分に問いかけてみてほしい。

『今日、私はどうやって誰かの、あるいは世界の、役に立つことができるだろうか?』

だが何故? 何故そうしなければならない? 何故なら、行動とその動機は、自分にも、他人にも、そして世界にも、結果をもたらすからだ。これが普遍的なカルマの法則なのだ(もしあなたがキリスト教徒であれば、それは「神の意志」だ)。これは、魚座の土星の高次の課題である「内なる平和」ひいては「世界の平和」に不可欠な要素だ。自分のためだけでなく、他者のために行う本物の奉仕がなければ、希望や夢はただの言葉に過ぎない。それは心の狭い人々による「小さな嘘」によって、あえなく潰されてしまうだろう。魚座の土星が働く時は、多くの人々が、より高い行動基準に基づいて自分を引き上げようとするだろう。リーダーシップを発揮する役目を負い、奉仕することを約束した人には、それが求められるはずだ。





訳文ここまで
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January 10, 2023

レイモンド・メリマン 週間コメント1/9【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2023年1月9日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて講読版をお求めください。また文中の * は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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ブログを読みに来てくださる皆さま、あけましておめでとうございます。
今年もどうかよろしくお願いいたします。

と、言いつつ。今回は≪ 短期ジオコズミクス ≫と≪ 長期的考察 ≫のみの抄訳となります。『フォーキャスト2023』作業中のメリマンさんとのやり取りから思うところもあり、久々に訳注もつけてみました(というか、翻訳後記に近くなってしまったかも)。また、今年もコラムの翻訳は隔週になったり不定期になったりするかと思います。楽しみにして下さってる方、すみません! 🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  今現在、私達は水星逆行(トリックスター)サイクルの中間点に来ている。水星が逆行する時点(12月29日±4日)でメジャーサイクル、またはそれ以上のサイクルの天上や底が示現しなかった市場は、しばしば逆行の中間点でそれが起きる。そしてそれは今だ。この状況は、金と株式指数が金曜にハーフサイクルの高値を更新する強い上昇を見せたことを懸念する理由の一つかもしれない。

だがこの先に目をやると、政治と金融市場における活動が強力になる期間が待ち受けている。それは3つの惑星が方向性を変える時だ。まず、1月12日に火星が双子座で順行に転じる。これは1月18日の水星順行よりも強力であるばかりか、1月22日(日本時間23日)に起きる天王星の方向転換(順行)にも匹敵する爆発力を持つと思われる。1月12日〜22日、これら2惑星(火星と天王星)がともに滞留から方向転換することにより強調されるという事実は、非常に破壊的なエネルギーが生み出される可能性を示すものだ。

年初来高値や安値に近い市場は、ブレイクアウトしやすい。また国境の防衛に不安を抱える国は、他国からの侵略や国境突破を望む者達の猛攻に曝されやすい。社会運動や活動家達から攻撃を受けている企業、政府、団体もまた乗っ取りなどの陰謀の的にされやすく、そのリーダー達は退陣に追い込まれるか、統治能力が著しく制限されるような譲歩を迫られる可能性がある(共和党と下院におけるそのリーダーシップを念頭に置いてみよう)。

これからの2週間は、ビジネスや政治における統治システムが不安定になりやすい時間帯であり、宇宙における火星と天王星の多大な重力の下で、突然のトレンド転換や価格の乱高下が起きる可能性がある。


≪長期的考察≫

  “時に人はこれを理解する必要がある。夢とは一種の固定観念であり、その対象が実在するわけではない。その目的が存在しないのなら、もはや達成も出来ない... 何かが終焉を迎えた時、それが「未来」ではなく「過去」である時、次の建設的な分野を見出すことが出来る目を持つのは、実は鍵となる重要なスキルなのだ。それには時間がかかるかもしれない。そしてその時間のさなかに在る間は、内的平和と落ち着きを保たねばならない。次の仕事を得るために本来あるべき仕事の力を放棄してしまうなら、次の仕事にも意味はない。「仕事そのもの」がないがしろにされ、衰退してしまうからだ。”

  — Peggy Noonan
    “Normal Republicans, Stand Up to the Fringe”
    Wall Street Journal 2023年1月6日付


  “左派の人々に対してはこう言いたい。人種差別と差別意識はアメリカ社会の深い傷となり、いまだに癒えていない。そして、これからもそう在り続けるだろう。いくら多様性や公平性を声高に叫ぶ活動家や包括性ポリスを動員したところで、人間の偏見を根絶することは出来ないだろう。だが私達は、こうした偏見を疎外し、その信用を失墜させることにかけては並外れた進歩を遂げてきたのだ。”

  — Gerard Baker
    “New Year’s Can Be Humiliating. Resolve to Keep It That Way”
    Wall Street Journal 2023年1月5日付

  “自分の影と光を同時に認識する人は、自分を2つの側面から見ているため、真ん中に位置することになる。”

     — C.J.Jung


  不誠実な人は、3つのものに惹かれる。すなわち「お金」「権力」そして「誠実な人々」だ。彼らは前者2つを盗み取り、そして狙った対象を乗っ取るための「隠れ蓑」として3番目を必要とする。そしてそれは、政府や企業の政治活動や権力闘争に関わる過激派の動向に関しても同様だ。冥王星が水瓶座0°を行きつ戻りつし、土星が魚座を運行していく時、腐敗や、誤魔化し、力による操縦はその頂点に達するだろう。その影響力は2023年3月から始まり、2026年まで続いていく。

  では、これがどのように金融の世界に影響するかを理解していこう。ここで言う金融世界とは、不誠実な人々が誠実な人々(魚座の土星)を巧みに利用して行う秘密の窃盗(冥王星)の結果として、お金が虚空に「消えて」しまうように見える世界だ。

  水瓶座の冥王星を理解するために、まず神話において冥王星は地下世界の神であり、一方、水瓶座は集合意識と、その中に潜在する「人類に利益をもたらす可能性を持つ “新しいもの” を発明しようとする衝動」を表していることを思い出すことから始めよう。水瓶座はまた、占星術の研究や「人類の幸福と幸運を促進することに関して互いに似通った関心を持つ人々の共同体」をも意味している。また、冥界/地下世界の神として初期(ギリシャ神話)にはハデス(Hades)と呼ばれた彼(Pluto/冥王)は、神々の中で最も裕福だと考えられている。「富」と「権力」はしばしば切り離しがたいものではあるが、実際には必ずしもそうとは限らない。

  また、Plutoたる冥王星は誘拐犯でもあり、その活動は対象に危害と苦痛を与え、生命の危機さえも招いた。ウィキペディア(https://simple.wikipedia.org)によれば、『セレス(ケレス)の娘であるプロセピーナを自分の妻として冥界に連れて行った*。セレスは泣いて、地上に植物が生えなくなった。人々は植物を必要としていたので、ジュピター(木星)が働きかけ、プルート(冥王星)にプロセピーナをあきらめさせた。彼らが合意した契約は、1年の半分である6ヶ月間は冥界の王プルート(冥王星)がプロセピーナを手に入れるというものだった。プロセピーナが冥界にいる間、大地には植物が育たず、冬となった。そしてプロセピーナが母親のもとに戻る時、大地は夏になった。ローマ人はこのようにして季節を説明した。』

これは、冥王星の基本的な性質をよく説明し得る言説だ。つまり冥王星は、もともと自分のものではないものを(基本的に誠実で善良な人々から)力や何らかの操作によって奪い取り、その力の一部、あるいはすべての力を自分のものとして認めさせるような取引が行われない限り、他者(世界)に対し大きな苦痛を与えるのだ。私達は、こうしたドラマが今日の世界のあちこちで非常にあからさまに演じられているのを見て取ることが出来る。

* このプロセピーナはギリシャ神話ではペルセフォネーとして知られている。また、それぞれの名を持つ小惑星も存在し、小惑星を使うアストロロジャーはしばしばこれら2つの小惑星の性質を区別して使っている(プロセピーナ/小惑星番号26)。

たとえばギリシャ神話のペルセフォネー(399)は純真無垢でか弱い乙女であり、ゼウス(ジュピター)の介入により1年の半分を冥界で暮らさねばならない間は母を想い、美しい陽光の下での花々に焦がれて泣き暮らしていた、どちらかというと薄幸の美女または被害者的な性質が強調されることが多い。

一方、ローマ神話のプロセピーナはより独立心が強く、自分の運命を受け入れ(あるいは支配的な母の手を離れて自分が望んだ運命を切り拓くために意図的に物事を起こし)、地下世界に居る間は冥界の女王としての威厳を保ち、夫であるプルートと並んで采配をふるったとも言われている。このプロセピーナ版の「誘拐事件」ではレイプが示唆されているが、古代よりシシリーでは処女性を失った女性は自ら望んだ結果ではなくてもその相手と結婚しなければならないという掟があり、そのため過度に支配的な家族から逃れるために恋人と共謀してレイプされたと訴え、その男性と結婚するケースが見られたともいう。この場合、レイプは女性がふしだらな女ではないという証明にもなった。また別の説によれば、ローマ時代にはキリスト教の影響が色濃くなり始め、古代からの女神崇拝文化の衰退が『女神がレイプされる』という形の神話を生み出したとも言われている。いずれにしても、ジェンダーに関する闘争や問題定義が盛んな昨今は、冥王星とプロセピーナ(またはペルセフォネー)の体現する象意が様々な形をとって複雑に絡み合いながら社会を賑わすことになるのではないだろうか。


  おそらく今後2〜3年はこうした状況が続くだろう。私達は「誘拐」、すなわち「領土」や「領分」を乗っ取り、他の人々の意識を高めたり幸福の促進に努めている団体(たとえば主要な占星術の組織など)、あるいは国家からさえも、その力を奪い取ろうとするような事例をますます多く目にすることになりそうだ。皮肉なことに、こうした簒奪者達は、自分達こそが人々の意識の高揚と機会の向上を支援する者なのだと声高に嘘の主張を展開する。だが実のところ、彼らは自分たちの真の意図や活動についての透明性を持たない。彼らは権力を手に入れたり国庫をかすめ取るという自分達の秘密の意図を護り隠すために、水瓶座的なグループのビジョンを隠れ蓑にしていることが発覚(土星・海王星)しないよう、熱心に取り組んでいる*

*その取り組みには「誠実だが受動的で信じやすく不満を持つ人々(土星・海王星)」の気を引き(同情や共感、または共通の「敵」を描き出してそれに対する不信感や敵対心を煽るなど)、自分達の味方につけて大勢を動かすという目論みも含まれる。

  今から始まる3年間は、ある組織の金庫から他の組織の金庫へと、非常に不透明な方法を通じて金銭や富が大きく移動するようなことが起きるだろう。すなわち「闇堕ちした冥王星」に取り憑かれた人々が支配する他の組織や団体に「奨学金」や「財政・資金援助」、あるいは「投資」などの名目で金銭や富を「授与」するというケースだ。それは水瓶座の精神を体現した集団が信奉する「善行」を装いながら、堂々と行われる。

 また同様に、取締役会や理事会、役員会の選挙も、その団体の目的を真に理解し支持しているような候補者を選ぶのではなく、特定の政治的・思想的プロフィールに合致する候補者を選ぶように操作されるかもしれない。それは公正かつ公平な選挙プロセスのように見えるかもしれないが、実際には、その集団の成功を支えてきた仕事をやり遂げ、もし選択を任されたなら会員や株主、あるいは市民の大多数から支持されるはずの候補者が選ばれることはない。

  ではこの傾向に対し、今後2年のうちに私達は何が出来るだろう? あまり出来ることはない。ケヴィン・マッカーシーのように、自党共和党内の少数派である簒奪者をなだめるために取引を試みることは出来るかもしれないが、そうすることで自分が持つ力のすべてを放棄しなければならないかもしれない*。あるいは、自分たちが支援してきた組織のビジョンや権力、富などが「誘拐」されたことを世界に知らしめ、その圧力によって、簒奪者達が隠れて活動してきた陰の部分が明るみに出ることを期待するということかもしれない。結局のところ冥王星は、自分のものではない何かを盗み出す時は、透明性を望まないのだ。

* 164年ぶりに10回を超える再投票が行われた米国下院議長選では、下院の多数派を占める共和党内で保守強硬派の造反が起き、党内秩序の乱れが露呈することとなった。マッカーシー氏はかなりの譲歩を強いられ、やっとのことで投票7日目に議長の座に就くことが出来た。これは民主党の結束を示す結果となり、経験豊富な調整型と評されることの多かったマッカーシー氏はCNNによって「近年で最も弱い議長の誕生」と揶揄されることになってしまった。

一方、権力や富の窃盗を防ごうとする時の冥王星は、調査を徹底し、事態を明らかにするその力を認め支持される時、多大な成功を収めることがある。冥王星のトランシットを受けて無傷で逃げられる人間は一人として存在しない。特に冥王星の地下社会で活動する人々は、その真の目的を他者に察知されてしまう。その目的は基本的に、彼らが奪取を試みる以前にその組織が営々と築いてきた信頼と善意を踏みにじることだ。

  このような状況は、今後数年間の金融世界にとって何を意味するのだろう? その答はこうだ。これは多くの企業や団体、あるいは政府が、活動家によって水面下でクーデターを起こされ、リーダーシップや資産の統制権を奪われる可能性があることを示唆している。

たとえば水瓶座的志向を持つ企業から闇の冥王星志向の企業へと資金が移動し、そのあげくに組織自体が消滅する可能性もある。あるいは、人道的な目標を持つ誠実な人々を隠れ蓑にして、卑怯な手段を取る腐敗した人々の金庫へと資産が移るかもしれない。特に水瓶座0度、あるいは不動宮 — 牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座0度がチャートに目立つ政府、企業、団体は注意を要する。彼らは隠れた攻撃に対し脆弱でありながら、それに気づいていない可能性がある*

*日本の戦後始原図では、不動宮である牡牛座0°直近、アウト・オブ・サインではあるがオーブがたったの5分という位置に牡羊座29°55'の木星が位置しており、ハウスは4室(国民のマインドや精神状況、意志など)。また1室水瓶座2°台にはケンタウルス族のフォルス(突然の噴出)が在泊し、木星とはスクエア。そして10室(政府)の蠍座0°にはエマーソンズ・デス・ポイント(EDP)と呼ばれる「死のポイント(必ずしも肉体的死を意味するとは限らず「象徴的な死や終焉」を意味する場合も多い)がある。したがって、木星、フォルス、EDPがTスクエアとなるが、今、そこには山羊座終盤を行く冥王星が迫り、4室の木星にスクエアを形成しつつある。一方、この木星は、4室に在泊する太陽(国の中心である主権者)とともに、日本の統治と繁栄の鍵が国民の側にあることを示している。

この木星はけっして悪い位置ではない。しかし、もしこの木星が活動家やいわゆる“インフルエンサー”によって確固とした根拠に乏しい不満を煽られ(たとえば海外の最善の側面と日本の最悪の側面を比較して嘆いてみせる...などもそのひとつで、調べれば大概は裏がある)、単純な善悪のロジックの中で種火(牡羊座)と化して物事を誇大に捉えたり過剰さを発揮すれば、その意識が “闇堕ちした冥王星” に隠れ蓑(歪められた民意)として利用される危険もあり、注意を要する(1室を運行するトランシットの冥王星が4室木星にスクエア)。米国事情を少し離れて日本を省みても、複雑な社会、複雑な人間心理を単純化することなく、また、たやすく手に入る情報やセンセーショナルな伝聞に依存することなく、偏ることのない冷静な判断力を持つこと。今、わたし達に求められているのはやはりそういうことなのだろうと思う(始原図9室天秤座の逆行土星)。そして、それが「中庸」を極めることに繋がっていく。けれど中庸とは地味なようで実は一番難しい道ではないだろうか?


  今という時に必要とされるのは、腐敗した意図と不透明な動機を抱くのではなく、魚座の土星が持つポジティブな側面、つまり美徳と誠実さの道への献身を体現するリーダー達だ。

それは自分自身が持つ光と影の両方を同時に観じることの出来る人間 — つまり自分をその二つの側面から見据え、その「中間」に在り続けることの出来るような人物なのだ。換言すれば、それは「中庸」の重要性を認識し(木星・土星のワクシング・サイクル)、進歩とは反動的な過激主義による行動が生み出すものではないことを認識し得る人だ(水瓶座入りした冥王星が木星・土星の「スーパーチャージ」度数、水瓶座0度を通過することによって象徴される特質)。たとえば上記引用文のジェラルド・ベーカー氏の考えを言い換えるなら、すなわち「中庸」の人となる。






訳文ここまで
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December 19, 2022

レイモンド・メリマン 週間コメント12/19【金融アストロロジー】

http://www.mmacycles.com/
レイモンド・メリマン・コラム  2022年12月19日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて講読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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【告知】来週から米国ではホリデーシーズンに入る。そのため、週刊コラムは休載させていただく。MMAのスタッフ全員を代表して、皆さんが楽しいホリデーシーズンを過ごし、幸多く豊かな新年を迎えられるよう祈ってやまない。けっして諦めることなく踏ん張ってほしい。「宇宙の兆し」に対する私の読みでは、来年の5月以降は多くの人達にとって、物事が良い方向に進んでいくだろう。


≪ 先週をふり返って ≫

  “米連邦準備制度理事会(FRB)が再び利上げを決定したことを受け、金曜日のダウ平均は再び急降下している。”

  — Joe Toppe
    “Dow Nosedives as Traders Continue Selloff on Fed Hike”
    www.foxbusiness.com 2022年12月16日付

  “太陽と海王星のスクエアは、4取引日以内のダウ工業平均反転との強い相関性がある。海王星が関わる他のアスペクトと同様に、このアスペクトも将来の株価に対する希望や願望に関連する可能性がある。しかし、12月1日〜2日の高値、あるいは二次高値に相関する場合、12月23日の木星と天王星のセミスクエアに向けて、またはそれを超えて、急反転するかもしれない。”

  — 先週のコラムより


  案の定、米国をはじめとする世界の株式指数は先週(12月13日〜14日)トップアウトし、海王星の「非合理的昂揚感」から、より混沌とした木星・天王星のテーマへと宇宙がシフトしたことによって急降下を始めた。来週にはそれが頂点に達する。

たとえばダウ平均は12月13日に34,712の高値をつけた。それは4月以来の最高値水準であり、10月13日の年初来安値28,660からは21%の上昇となった。
だが、わずか3営業日後の金曜には32,654ポイントまで下落し、2000ポイント以上 — 6%近くも下落している。これは拙著『The Ultimate Book on Stock Market Timing, Volume 3: Geocosmic Correlations to Trading Cycles』においてリポートした私達の研究に合致するものだ。これらの研究では、太陽と海王星のウェイニングスクエアから4取引日以内に、ダウ平均で4%以上のリバーサルが78%の頻度で顕現している。そして月曜日がその4日目となる。

  また、12月14日にパウエルFRB議長が講演した時は、逆行中のトランシットの火星が双子座13°に在泊するFRB設立図の土星とコンジャンクトしており、射手座13°に位置するFRBの水星にもオポジションを形成していたというのは興味深い。FRBは、確かにそれらのアスペクトに関連した状況のさなかで立ち往生していた。

つまり、あまりに積極的に行動すれば(火星)、怪我や事故の危険がある。だがもし保守的なふるまい(土星)が過ぎれば、行動が遅すぎるなどと批判される危険性がある。

火星・土星は、やりたいことをやりたい時に即座に実行に移すことが出来ない。だからフラストレーションがたまるアスペクトだ。無理をして押し通そうとすれば遅延が生じ、危機的な状態になることを示唆している。ということで、FRBは利上げ幅を0.75%から0.5%に引き下げた。だが、FRBはさらに利上げが続くと警告して投資家界隈を苛立たせたため、その不満の中から突如として『この利上げは米国(そして世界)を不況に導く』という発言が出て来た。当然ながら、2週間にわたる海王星ファンタジー世界の大盤振る舞いが終焉近くに来ても、その同じアナリスト達の多くが「この先不況になることはない」と言っていたのだ。

こうして海王星の霧が立ちこめたような一週間となったが、FRB側の火星・土星によるフラストレーションもまた典型的で、インフレ傾向を思うように加速させることが出来ずにいる様子だった。

  この状態が長く続けば続くほど、景気後退、あるいはそれを上回る事態へと発展する可能性が高くなる。この利上げのトンネルの先に光が見えるのは、火星がFRBの土星への3回にわたるコンジャンクション形成を終えた後、つまり2023年のバレンタインデー以降になるかもしれない。あるいは、火星が次の2年にわたる旅に向けて3月下旬に双子座を離れる頃まで光は射さないという可能性もある。

  金と銀もまた、最近の上昇から突然の急反転を見せた。金は12月13日に1836.90のサイクル高値を更新し、11月3日につけた1618.30のサイクルボトムに続く今年最大の上昇となった。銀はさらに印象的な動きを見せ、12月13日に24.39まで騰がり、9月1日につけた年初来安値17.40から大幅に上昇した。しかし、その後両方とも急落して金曜には金が1782まで、銀は22.73まで下落している。またビットコインも同じパターンを辿っている。12月14日水曜に5週間ぶりの高値となる18,370を付けたが、金曜には安値16,744まで下落した。ビットコインは長期サイクルの安値を試す動きが再び始まっている。

  以上をひと言で表現するなら、「宇宙が示す“風潮”はカオスと混乱だ」と言えるだろう。私達は、混乱(海王星)から再び混沌(天王星)へと移行しつつある。すべてを整理するには2週間ほどかかるかもしれない。だがその前に、トリックスターたる水星逆行が、もう一勝負仕掛けようかとばかりに迫りつつある。



≪ 短期ジオコズミクス ≫

  “パウエル議長が水曜日にタカ派的なメッセージを発したことで、金融市場には世界の金融政策が大幅に引き締まるというメッセージが届いている。主な例外は、打つ手なしの日銀と、たぶん運のないイングランド銀行だ... こうした動きのすべては、世界の金融環境が今後ますます厳しくなることを予告するもので、木曜に見られた株式市場の急激な下落に間違いなく寄与している。”

  — Editors, Wall Street journal 2022年12月16日付

  “科学者たちは火曜、点火に使われた核融合反応において、初めてこれまでより多くのエネルギーを生成することに成功したと発表した。これは太陽に力を与えるプロセスを利用するための数十年にわたる探求において、大きなブレークスルーとなる。他の核反応とは異なり、放射性廃棄物を発生させないからだ。”

  — Matthew Daly, Michael Phillis, Jennifer McDermott, and Maddie Burakoff
    “Fusion Breakthrough Could be Game-Changer”
    Associated Press 2022年12月14日付


  さて、年末のホリデーシーズン入りだ。しかし、宇宙に休暇はない。今後も数々の興味深い惑星シグナルが控えている。12月20日火曜、木星は現サイクル最後の魚座運行期間を脱し、5月16日まで牡羊座運行の最終段階に踏み出す。そして次の1年間は、実り豊かで肥沃な星座宮、牡牛座を運行する。今週、木星が牡羊座入りすれば、再びロシアからウクライナに向けて闘いの火蓋が切って落とされるだろう。武器製造企業の株価は上昇するかもしれない。しかし5月以降、世界が戦争に疲弊しきって、牡牛座の最も重要な二大価値観、「安全」と「安心」に向けて真摯に取り組みたいと望むようになれば、状況は変化するかもしれない。

  12月21日、冬至を迎え、太陽は山羊座に入る。この時期は常に、「私達は何をしているのか?」「私達はどこへ行こうとしているのか?」「私達は来年、物事に対し異なる方法で取り組むために、何をどう変えたいと思っているのか?」という、深い内省の時となる。異なるやり方をするための一つは、戦争の力学を変えることだろう。だが、新しいルールや法律が制定されない限り、その成就への道程は願っているよりも長いプロセスになるだろう。そして私はそうなると考えている。

  これからの2日間は、太陽が木星にスクエア、金星が天王星にトライン、そして木星が天王星にセミスクエアを形成する。つまり天王星は誇張と過剰の木星からセミスクエアを形成され、木星は太陽と天王星に関わる二つのアスペクトを持つという、カオスな展開となるわけだ。この二つが共に働く時は、過剰さや誇張の力が勢いを創り出し、支持帯、または抵抗帯を突破するというのが得意技となる。

また、トリックスターたる水星の逆行が12月29日に始まって1月18日まで続くことから、市場では支持線や抵抗線を遵守する能力を欠いた状態がなおも続く。水星が順行に転じるちょうど6日前の1月12日には火星が逆行を終え、次に1月22日、天王星が逆行を開始する。この時期の金融市場は乱高下し、その時々のトレンドから急反転する可能性がある。

  しかし、12月22日〜1月22日の天王星が示すシグナル、そして3月23日に起きる冥王星の水瓶座(天王星が支配する星座宮)入りには、何かワクワクするようなことがありそうだ。核融合エネルギー利用におけるブレイクスルーを報じた先週の発表によって、私達はその一端を垣間見ることが出来たように思う。

これは前にも言ったが、もう一度言おう。2025年〜2026年、天王星が双子座入りし、水瓶座の冥王星とトラインを形成し、それと同時に土星と海王星が牡羊座入りして天王星と冥王星の両方にセクスタイルを形成する時、世界は「ルネサンス」、つまり人類を輝ける新しい未来へと導くコミュニケーション分野の革命を開始するチャンスを得るのだ。それは化石燃料に依存する人類の現況と、代替エネルギーの新しい活用法の出現との交差点となり、今日の私達が想像することしか出来ない無数の新しい方法を通じて人類と環境の両方に利益をもたらす可能性がある。

先週、そして『フォーキャスト2023』でも論じたように、私達は戦争と破壊 VS 変革、科学の新分野、宇宙的発見、そして創造性という、平行するパラダイムの両軌道を同時に進むことになる。だが、やがて一方のパラダイムが、もう一つのパラダイムの差し迫った必要性を、私達に気付かせることになるだろう。






訳文ここまで
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December 04, 2022

レイモンド・メリマン 週間コメント12/5【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2022年12月5日(フリー版より)

翻訳:hiyoka  
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて講読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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以下は≪短期ジオコズミクス≫と≪長期的考察≫ のみの抄訳です。


≪ 短期ジオコズミクス ≫

     “「イヤーマーク(自由裁量の下に資金を特定の使途に指定すること)は、議会の歴史の中で最も腐敗し、不公平で、無駄な慣習の一つだ」と、15団体の代表者が署名した書簡に書かれている。共和党は2011年、調査以外の目的で行われるイヤーマークを断念した。しかし、2021年に民主党の議会がそれを復活させる意向を示すと、共和党のお手盛り主義者達は急いで署名した... 今週、下院共和党がまたも証明したように、「自己認識」は現代の共和党が持つ強力な手札の一枚ではない。”

     — Kimberley Strassel
       “The GOP Spending Poseurs”
       Wall Street Journal 2022年12月1日付


  先週論じたように、私達はいくつかの調和的な木星アスペクトの時間帯を過ぎてしまったが、とりあえずまだ射手座(木星が支配する星座宮)の季節の中に在る。木星と射手座は両方とも、より大きな物事や楽観的な思考、行動をを好むが、おそらく彼らはそれほど素晴らしく肯定的ではない場合でも、物事が本当にどれだけ良いかを誇張する癖がある。いや、しかしだ。いったい誰がネガティブな物事を望むだろうか? 木星や射手座でないことは確かだ。もしあなたがペシミストだというなら、射手座のハウスから今すぐ出て行ってもらおう! で、隣の蠍座か山羊座にでも行ってくれ。頼むからさ!

     さて、これからの2週間に、海王星と火星の問題を持ち込んだらどうなるだろう? 海王星は今週末に順行し、その後12月4日と14日に金星と太陽が海王星にスクエアを形成する。この期間の中日(12月8日~9日)には、双子座の満月が逆行の火星とコンジャンクトして起きる。海王星は受動的で、火星は攻撃的だ。そして、太陽と金星は射手座を運行中で、物事を誇張しやすい。(やれやれ)これは楽しくなりそうだ。海王星と火星のコンビは事実と明瞭さが掴みにくくなりがちな組み合わせであり、捏造、噂、説明責任を回避しようとする意図が蔓延するさなか、真実や事実はプレミアム付きの希少品となる。そしてこのようなジオコズミック環境では、市場は急激な価格変動に見舞われやすい。先週、株価はサイクル高値の水準にあったが、宇宙的構図からすれば、今週はいつ急落してもおかしくない。

     海王星に特有のミスリードとミスディレクションの性癖といえば、冒頭に引用したキンバリー・ストラッセルによる金曜のウォールストリート・ジャーナルの記事によく顕れているので注目してほしい。政治家が財政的責任を果たすと約束しながら、インフレが進む中、あらゆる法案に援助金やら助成金を復活させることによって、自らの受託者責任を放棄したいと切望しているという内容だ。



≪ 長期的考察 ≫

     “文化的にも個人的にも、私たちは徐々に自らを道徳的に優れた方向に向かわせ、公正さ、回復力、思いやりを達成するべく行動し、被害者意識は美徳ではないことを認識すべきなのだ。”

     — Richard Gunderman, M.D., Indiana University
       “Tweets of the Week”
       Arizona Republic 2022年11月26日付


     “バイデン大統領は、自らの権限で借り手一人あたり最大2万ドルの返済免除を命じ、時代遅れの憲法上のトリックを使おうとしている。バイデン氏でさえ以前から指摘していたように、議会は行政府にそのような権限を与えてはいなかった。しかし選挙が迫るとともに民主党は窮地に追い込まれ、大統領は8月、史上最大の買票行為の一つとも言える作戦を宣言した。もし大統領が大枚4200億ドルもの税金を、薄弱な法的根拠をもって、しかも議会の同意なしに納税者に負担させることが出来るというなら、米国はその建国者達がそれを避けるために憲法を制定したはずの「王政」に近づいているのだ。”

     — “Biden’s Loan Forgiveness Reckoning”
       Opinion Page, Wall Street Journal 2022年12月2日付


  受託者責任といえば...... 国民の税金で賄われた国庫を通じ、大学ローンの免除を提供するのは思いやり深い身振りだ。しかし、米国は非常に多くの負債を抱えており、それがこのインフレの歴史的上昇を招いていることを思えば、何故米国の指導者は、国民のどの階層であれ、個人の債務を免除することが良いアイデアだと考えるのかと疑問に思わざるを得ない。

同じように借金をしているが、大学卒業のためではなく他の事情を抱えた人々が、現在または過去の大学生が自ら進んで同意した借金の返済金を払うことに公平さは存在するのか? むしろ、これらのローンは、ここ数年で授業料と入学金を驚くほどの水準まで値上げし、莫大な利益を上げている大学側によって支払われるべきであり、それによって学生達がローンの支払いを免除されるべきではないのか? ちょうど私の孫娘(そう、私には大学進学を控えた孫娘達がいる)が、優秀な名門大学に合格したところだ。この大学に通うのに年間いくらかかるかご存知だろうか? 8万ドル以上だ。それで1年分だ。ほんの12年ほど前、私の二人の子供達の大学教育のために支払ったのは年間1万ドルから2万ドルだった。いったい何故、こんなことになってしまったのか?

     学生ローン免除というバイデンの職権による、かつ一方的な決定(議会の同意なし)が合法か否かの裁判は、これから最高裁に持ち込まれることになる。だが、私が真に言わんとするのは、自らの負債を自ら引き受けることに同意した他者への融資が免除されることによって、それと関わりのない負債を抱えた主体が、さらに負債を膨らませるべきだというのかということなのだ。誰が本当に債務を免除する立場にあるのかという疑問は、冥王星と海王星のタイムリーなテーマなのだろうか?

     もし誰かが借金を免除すべきだとしたら、それはおそらく連邦準備制度理事会だろう。FRBは現在、ネイタルの海王星にトランシットの冥王星がオポジションを形成中だ。FRBは、虚空からお金を印刷し、それを無頓着な議会に貸し出して、まるで現代貨幣理論のコンセプトが海王星による過剰投与の麻薬的幻想の顕れ以外の何物でもないかのごとく使わせることで、国の借金を見事なまでに膨らませた。そしてクラックに酔いしれたツケは、いつかは誰かが払わなければならないだろう。何故なら... “ラクしてカネはつくれねぇ♪ *”からだ。

  * 『フォーキャスト2023』中、連邦準備制度理事会の章タイトルに添えられた言葉

     冥王星は、2023年3月23日〜2024年11月19日に山羊座との境界を行きつ戻りつ5往復して水瓶座に入る。その時、私たちはこうした会話をしなければならないだろう。つまるところ、水瓶座0°は2020年12月21日に木星と土星の20年シノディック・サイクルがスタートした位置だ。したがってこれは、次のいくつかの木星・土星サイクルがすべて風性星座宮で完了していく140年という期間を先導する、ここ800年というもの人類が経験したことのない「ニュー・エアラ(新・風の時代)」の始まりとなった「スーパーチャージ」された度数なのだ(ニュー・エアラという造語についてはここで Kat Powerll に謝意を表したい)。

また木星と土星は、教育における新たな方向性を示している。 水瓶座では、あらゆるレベルの教育が「自由」へと向かうことになる。何故なら、水瓶座は学ぶ自由と同時に、抑圧や負債からの解放を欲しており、これらすべてが密接に絡み合っているからだ。

今年の『フォーキャスト2023』で概説したように、このルネサンスの種子が地中に撒かれ発芽を待つのは2023年〜2026年なのだ。






訳文ここまで
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October 02, 2022

レイモンド・メリマン 週間コメント10/3【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2022年10月3日(フリー版より)

翻訳:hiyoka
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて講読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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今週は ≪短気ジオコズミクスと長期的考察≫ のみの抄訳になります。
 また、現在『フォーキャスト2023』の原稿が届き始めているため、今後しばらくの間はお休みさせていただくかもしれません。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “被害者意識ってのは怠惰な人間にぴったりフィットするんだよ...(つまり)今やどこでも使える通貨になっちまったからね。”

  — “The Victimhood Olympics”
    from “Real Time with Bill Maher”  HBO 2022年9月23日付


  “重要なのは(ロシアとの間に起きたキューバ・ミサイル危機当時にジョン・F・ケネディが述べた)次の言葉だ。『我々核保有国は何よりも自国の死活的利益を護りながらも、敵対国が屈辱的な撤退か核戦争かの選択を迫られるような対立を避けなければならない』。『そのような道を選ぶのは、“世界に対する集合的死への願望” を抱く証拠となる。核兵器が人類史の現実を変えたというケネディの洞察は、ロナルド・レーガンも共有していた。ケネディと同じように、レーガンもまたロシアの核兵器に敬意を払っていた。レーガンは私的にも公的にもこう言っている。『核戦争に勝利はない。けっして戦ってはならない』と。”

  — Peggy Noonan
    “Enduring Lessons of the Cuban Missile Crisis”
    Wall Street Journal 2022年10月1日〜2日付


  もし私達が純粋にジオコズミック研究にのっとって株式市場の分析やトレードを行っているのであれば、今は買いを考慮するかもしれない。何故なら現在見られる宇宙のセットアップが、ジオコズミックの観点から言えばマーケット・タイミングの基本原理の典型例だからだ。つまり、最も激しい惑星トランシット(アスペクトまたは滞留)の中間点では、市場がそのトレンドを反転させる事例が最も多く見られるということだ。それが今(9月21日〜9月28日±1週間)起きている。

だがこの基本原則には二つの例外がある。水星逆行と、天王星が絡む強力なアスペクトだ。反転する代わりに天王星は、正確なアスペクト形成からおおよそ4〜8取引日にわたって続く、極端になりがちなブレイクアウトと同期することがある。また水星逆行では、1日ないし2日続く反騰でトレンドが変わったように見えるが、実際はトリックスターによってそれらのシグナルが破られ、いわゆるフェイクアウトに終わることがよくある。私達が水星逆行中のポジション・トレードをお勧めしないのは、これが理由だ。このルールはここ3週間にわたって大いに役立ってきた(一方、超短期のトレード戦略の首尾は上々だったが)。

  こうしたトリックスター的なふるまいは、水星が順行に転じてから5日間もの間、続くかもしれない。したがって、実際に今現在多くの市場で底値が示現している可能性があるとしても、この一貫性のない不安定さがあと1週間続く可能性もまたあるのだ。だがその場合も、小休止は束の間のことかもしれない。何故なら10月23日に土星が順行し、10月30日には火星が逆行に転じるからだ。これはまるで、故障した車を修理に出しても再び具合が悪くなり、結局はその原因を解決するまで埒があかず、部品やシステムをまるごと交換しなければならないようなものだ。

  最近私達はツイッターで『風に耐えられないようなら、嵐が過ぎるまで家の中に入ってドアを閉めなさい』と述べた。実のところ、今回の風は単なる風などではなかった。それはハリケーンだった。他のツイートで、私達はこれについて9月21日〜28日±1週間を「宇宙的、そして社会的ハリケーン」の期間と述べている。ハリケーン・イアンがそれに当たる、というよりはそれ以上のものだった。家の中に入ってドアを閉めたとしても、この場合はどうにもならなかっただろう。避難する必要があったのだ。おそらくポジションを閉じて身を引くこと(これがトレーダーに向けての市場のメッセージだった)は、多くの人々にとって役に立ったと思う。しかし、ハリケーン・イアンの進路上に居住する多くの人達が住む家を失ったことは本当に悲劇だ。不運なことに、この悲劇はまた天王星(強風)と土星(損失)のスクエア、そしてそれに対する木星(過剰)からのセミスクエアが織りなす象意にも合致している。

  ここで世界平和を脅かすマンデーン的な脅威について二つほど紹介しておきたい。まず、火星は10月30日に双子座25°36’から逆行する。そして2022年10月12日〜2023年3月15日、双子座23°〜25°で魚座の同度数を運行中のトランシットの海王星と3回にわたりスクエアを形成する。

さて、イランの建国図では火星が魚座25°31’に在泊しており、射手座20°28’の海王星とはスクエアだ。一方、米国の建国図では、火星が双子座19°51’に在泊し、海王星は乙女座22°22’だ。換言すれば今後5ヶ月間、双方の国のチャートを巡って火星・海王星間のグランド・ミュータブルスクエアが形成されることになる。そして逆行期に入った火星はその道程(2022年10月30日〜2023年1月12日)において、米国とイランの間に浮上するこのグランドスクエアに触れていくことになるのだ。

現在イランでは大規模な抗議運動が起きており、現体制存続への脅威となる(あるいは転覆に成功する)可能性がある。そして米国がそれに巻き込まれる可能性もあり、また同時にロシアが点火した核使用の可能性が現実化する瀬戸際にも立たされている。

ロシアがウクライナとの衝突を激化させたのは火星が逆行しようとしている時であり、実のところ今現在は六つの惑星が逆行中だ。私は今年の春からこのコラムにおいて、こうした惑星達の逆行(とりわけ火星)と、木星から土星への1/8セミスクエア・サイクルの影響を鑑みてウクライナに有利な流れとなる可能性が高いと述べてきた。そして今、私達はここに居る。次の重要なシグナル、すなわち火星の逆行が近付くにつれて、ロシアは再びエスカレートしつつある。これが二つ目のポイントだ。もう一度記述しておこう。火星逆行期は通常、攻撃を仕掛けたほうが敗者となる時だ。

  では良いニュースをお届けしよう。これら全てが来春には終わっていく可能性が高い。3月21日に木星と土星による最後のセミスクエアが形成され、その後6月19日には木星が土星と調和的なセクスタイルを形成すべく進んでいく。春はもうすぐやって来る。だがそれまでは、怠けることなく強く生きていく必要がある。火星逆行下では、私達の指導者もまたそうあらねばならない。金星はちょうど9月29日に天秤座入りしたところで、10月23日まで在泊する。これは歩み寄りのための力となり得る。また株式市場にとっても良い兆しとなるかもしれない。だが、銀にとっては下落しがちな期間だ。

この不安定な時期にあっては、自分を犠牲者と見るのではなく、チャンス到来と見てほしい。たとえば銀と(または)原油に取引可能な安値が示現していることを他の研究(ジオコズミクス以外)が示していたなら、それを考慮してみることだ。これら二つの市場は今後3週間、ジオコズミクスを含む歴史的研究において際立つものがあるからだ。

  強靱であれ。健康に気を配り、この冬を暖かく過ごすことだ。冬が近付き火星・海王星スクエアが形成されるとともに、免疫系と血液細胞(赤と白)に関連する疾病が強調されるからだ。

また、困っている人々には手を差し伸べ、助けよう(火星/海王星)。だが、怠け者で被害者意識の強い「悲痛で可哀想な私」を生きるような捕食者の犠牲になってはならない。そして受動攻撃的なふるまい(火星/海王星ペアのもう一つの顕れ)のターゲットにならないよう、気をつけよう。






訳文ここまで
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September 18, 2022

レイモンド・メリマン 週間コメント9/19【金融アストロロジー】

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レイモンド・メリマン・コラム  2022年9月19日(フリー版より)

翻訳:hiyoka 
文中の日付・時間はすべて米/東部時間です。
自身の学習のための翻訳文です。日本語になりにくい箇所は意訳があります。また知識不足による誤訳があるかもしれません。原文は上記サイトで無料で閲覧できますので、よろしければそちらもご参照ください。またご意見やご感想、間違いのご指摘などいただけましたら嬉しいです。また投資日報社さんでは無料コラムには記載の無い情報や、文中のメリマン用語の解説も掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。 翻訳者はこの記事をアストロロジー学習者向けのエッセイに近いものと捉えています。詳細な相場予測や何らかのトレードを推奨するものではありません。投資に関するアドバイスをお求めの方は投資日報社さんまたはMMAサイトにて講読版をお求めください。また文中の は翻訳者によるものです。原文が "ファンキー" な時は、時々お節介な訳注が入るかもしれません。
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【お知らせ】
今週は ≪短期ジオコズミクスと長期的考察≫ のみの抄訳になります。🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️

≪先週をふり返って≫ は割愛させていただきますが、一読したかぎり、トリックスター水星逆行を筆頭に目白押しのジオコズミック・サインの影響でどう動くか予断を許さない傾向が続く中で、世界の株式指数に見られた異市場間ダイバージェンスは、全指数が月初来安値を更新しないという条件下において、強気に転じる可能性もあるのだとか...。


≪ 短期ジオコズミクスと長期的考察 ≫

  “今、私達が目撃しているのは極端なMAGA哲学の始まりか、それとも滅亡への弔鐘かのどちらかでしょう。トランプひとりの存在というだけでなく、その根底を支える哲学全体が — はっきり言いましょう、 セミ・ファシズムのようなものなんです。”

  — Joe Biden
    “Biden Calls Trump’s Philosophy ‘Semi-Fascism.’”
    by Christopher Cadelago and Olivia Olander
    www.politico.com 2022年8月25日付

  “ドナルド・トランプはファシストでもなければ、バイデン大統領言うところのセミ・ファシストでもない。トランプ氏は日和見主義者だ。彼のイデオロギーは彼の気質に対応しており、その両方において、彼は言わば “アナルコ・ナルシシスト”だ。彼は、自分が銀行強盗をしたのは『ん?そこに金があるからだよ』と言ってのけたウィリー・サットンとオズの魔法使いを掛け合わせて出来上がるような人物なのだ。昨今のアメリカにファシストが存在するとすれば、それは左翼陣営の中に見られることが多い。つまり、バイデン氏とその仲間達(メディアによる最大の寄与を含む)だ。2021年1月6日以降というもの、彼らは自分達以外のいかなる政党も、また政治的意見や信念体系も違法である — すなわち許されざるものであり、非人道的かつ醜い怪物のようであり(気の利いた言い回しをするなら)民主主義への脅威だという絶対的信仰に凝り固まっている。”

   — Lance Morrow
     “Biden’s Speech Has It All Backwards”
    Wall Street Journal 2022年9月4日付

  私達は現在、ジオコズミック・ハリケーンの真っ只中に入りつつあり、それは容易に社会的、金融的ハリケーンへと変化しやすい。だが一方では、好ましい結果を呼びおこす可能性もある。

  それは都合3回起きる、木星による土星と天王星へのダブル・セミスクエアの中間点となるアスペクト形成だ。この場合、二つのジオコズミック・イベントはそれぞれ1週間以内に起きる。9月21日と28日だ。つまり、木星は9月21日に土星に対し3回形成するセミスクエアのうちの2回目を完了するわけだ。このイベントの初回は7月21日だった。当時、金は1678ドルで底打ちし、それからわずか3週間のうちにおよそ150ドル騰がって1824ドルの高値をつけた。再び下落した金は先週この水準を割り込んだが、今週は木星ダブル・セミスクエアの2度目の形成が待ち構えている。

また9月28日は、天王星に対して木星がウェイニングセミスクエアを3回形成するうちの2回目が起きる。その初回は5月11日で、株式指数においては6月16日~17日の最終的な下落以前に見られた4月21日の二次高値に続く、ダブルボトムの最初の足が示現している。しかし今週、私が論じたいのは木星・土星サイクルについてだ。

  おそらくマンデーン・アストロロジャーにとって、木星と土星のサイクルほど重要な周期はないだろう。あぁ、いや、その地位は拙著 “The Ultimate Book on Stock Market Timing Vol 2: Geocosmic Correlations to Investment Cycles” において明示されたように、45年周期の土星・天王星サイクルに譲るべきかもしれない。しかし、金融市場の外側を取り巻く社会的な事象については、20年周期を持つ木星・土星サイクルとそのフェーズが持つ相関性に勝るものはないだろう。

現行グレート・クロノクレーターの20年サイクルは、2020年12月20日冬至の日に始まった。そしてこれは、非常に重要な事象であった。というのも前回、前々回の『フォーキャスト』で2回にわたり詳しく述べたように、それはこのシノディック・サイクルの、「地性」エレメントから「風性」エレメントへの800年にわたる移行を意味するからだ。だが、往々にして見落とされがちなのは、このサイクルの始まりの10年間(ワクシング・フェーズ)、とりわけサイクル最初の1/8フェーズと、社会、文化、経済、軍事の領域における紛争のサイクルとの相関関係だ。

  私の最初の著書 “Evolutionary Astrology: The Journey of the Soul Through the Horoscope” にも書かれているように、あるサイクルの最初の1/8フェーズは「中絶」のポイントであり、コンジャンクションから始まった新しいサイクルの方向性や目標をそのまま継続するか、それともそれらを「中絶」するかを選択するポイントになる。また、最初の1/8サイクルは “ワクシング・セミスクエア” のアスペクトとしても知られている。

そして私達は今、そこに立っているのだ。実際、その正確なアスペクトは7月21日、9月21日(来週)、そして最後が2023年3月21日と、都合3回のシリーズとして形成される。最高裁が憲法上の中絶の権利を国家レベルで無効とし、それが中間選挙の重要な争点となっている皮肉など驚くことでもなかろう。またそれは、政治的にも精神的・宗教的にも国民を二分する問題でもある。そして、ここに朗報がもたらされる。

  米国をはじめとする世界の分断は、天王星にスクエアを形成する土星が示唆するように、極端な陰謀論や国境を侵犯して他国の領土を奪おうとする過激派の台頭によって二極化している。だがこれに対し、木星・土星のワクシング・フェーズ(2021年〜2030年)が示唆する成功と成長への道程としての「中庸」の道と、このサイクルを理解することによって得られる希望はまだある。最初の1/8セミスクエア局面は来年春先に終了する。土星・天王星が生み出した混乱と極端な狂信性というメイン・キャラクターは、少なくとも宇宙的な観点からすれば衰え始めるだろう。私達が天王星に対しウェイニング・フェーズに在る土星を見るのはあと45年後のことだ。

そして、2023年の春が終わると、これら2惑星(木星と土星)はそれぞれ天王星との繫がりから離れ始めるだけでなく、実際6月中旬には「建設と成長」というテーマを含む、より大きなサイクルの1/6フェーズ、またはワクシング・セクスタイルへと入っていく。すべてを一度に変えてしまおうというのではなく、バランスと節度を保ちながら徐々に(自分が適応し得る範囲内で)変化させていくような道が支持されるとすれば、その始まりはこの季節となるだろう。その時こそ、世界中の社会が大人になるための一歩を踏み出し、分断ではなく、私達を団結させる資質を構築するための共通の土台を見出す時かもしれない。私達は多様性の中の統一を強調するかわりに、「統一性の中の多様性」の重要性を理解し始めるのだ。

  だが今のところ、そんなユートピアは非現実的ではるかに遠い先にも思われる。木星・土星のセクスタイルはハードワーカーであり、その働きの成果を現実のものとするために努力する。かつてジミー・カーターが言ったように、『世界平和の唯一の障害は、世界の指導者達だ』。誰もが世界平和を望んでいる。そしてかつてジョン・F・ケネディが言ったように『国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何が出来るかを尋ねなさい』。

木星が土星を離れ、まもなくその「中絶」フェーズを終えて「将来にわたり社会に貢献する新しい法律や教育構造(木星と土星)の建設的な構築と創造」という、新しい循環の段階を迎えるにあたり、「説明責任」はあらゆるレベルで成長を生み出すための、欠くべからざる資質となるだろう。







訳文ここまで
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hiyoka_blue at 20:55|PermalinkComments(0)